JP3531101B2 - 緩衝式防護柵とそれのためのクッション材 - Google Patents

緩衝式防護柵とそれのためのクッション材

Info

Publication number
JP3531101B2
JP3531101B2 JP21767699A JP21767699A JP3531101B2 JP 3531101 B2 JP3531101 B2 JP 3531101B2 JP 21767699 A JP21767699 A JP 21767699A JP 21767699 A JP21767699 A JP 21767699A JP 3531101 B2 JP3531101 B2 JP 3531101B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
hole
side wall
wall
skeleton
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP21767699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001011830A (ja
Inventor
杉晃 草竹
Original Assignee
杉晃 草竹
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 杉晃 草竹 filed Critical 杉晃 草竹
Priority to JP21767699A priority Critical patent/JP3531101B2/ja
Publication of JP2001011830A publication Critical patent/JP2001011830A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3531101B2 publication Critical patent/JP3531101B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Refuge Islands, Traffic Blockers, Or Guard Fence (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の走行方向に
沿って路面に連続して設置される防護柵に関し、より詳
しくは、車両衝突時の衝撃力を吸収して緩和するクッシ
ョン材が、対車壁面の下位に設けた通孔内、或いは、上
下に二分した躯体間に設けられてなる緩衝式防護柵とそ
れのためのクッション材に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、道路の路側や中央分離帯には防護
柵を敷設し、車両が路側を越えて道路外に逸脱したり、
中央分離帯を越えて対向車線に突入することを防止して
いる。従来、上記目的で敷設される剛性防護柵(主に、
コンクリート製)は、端面形状において、下部両側を下
方漸開状の緩やかな傾斜面に形成し、該緩やかな傾斜面
に連設せる上部両側を急傾斜面になすとともに、その長
さを長尺化してなる所謂ニュージャージー型(NJ型)
やフロリダ型(F型)といったものがあり、かかる剛性
防護柵は、地盤面に設けられた基礎コンクリートと一体
化して敷設されている。このような従来の防護柵にあっ
ては、剛性の壁体が地盤面から一体的に起立することと
なるから、該防護柵に車両が衝突した際には衝撃力が衝
突点に集中荷重として作用する。従って、衝撃力が非常
に大きくなり、車両の破損が著しく、又、人命も危ぶま
れるとともに、車両やコンクリートの破片が車道上に飛
散し、他の車両の交通を阻害して二次災害を引き起こす
という問題点を有していた。
【0003】そこで、このような不都合を解消するもの
として、実公平5−10013号公報には、コンクリー
ト壁高欄を地表部に設置される下部コンクリート壁体
と、該下部コンクリート壁体の頂部に重ねられる上部コ
ンクリート壁体とに分離し、両壁体との間に均一の厚み
を呈するクッション材がその対向面の全面にわたって設
けられるとともに、対向面の中央部に下部及び上部コン
クリート壁体を連結する金属部材が設けられてなるもの
が提案されている。又、特開平10−110413号公
報には、底面側の長手方向(車両走行方向)にわたって
半円状の凹部を設けて、その両側部を脚部となす柵本体
と、該柵本体が設置される路面側には、上面の長手方向
にわたって前記凹部と係合する半円状の凸部が形成され
た支持部が表されてなる。そして、柵本体の設置にあた
っては、前記凹部と凸部を互いに係合させるとともに、
柵本体の両脚部と支持部間に形成される隙間に緩衝材を
長手方向にわたって設ける緩衝式コンクリート防護柵が
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者のコンクリート壁高欄にあっては、下部コンクリート
壁体と上部コンクリート壁体との間に均一厚みをなすク
ッション材が対向面の全面にわたって施されてなるが、
該クッション材が車両衝突時の衝撃を受けて傾倒する上
部コンクリート壁体を効果的に受承する部位は、コンク
リート壁体の幅方向の端部付近のみであって、その余幅
方向の中央部付近に位置するクッション材が有効に作用
しない。また、幅方向の中央部で両壁体を連結する構造
から、上部コンクリート壁体の傾倒時には、その端部側
程対向面間の離隔距離が大きくなるにも拘らず、前記の
如き均一厚みに形成されたクッション材では、端部にお
ける変形度合いが不足して車両衝突による衝撃力を吸収
仕切れず、上部コンクリート壁体が傾倒しすぎて下部コ
ンクリート壁体と当接し、延いては転倒するという恐れ
があった。次いで、上記後者の防護柵にあっては、柵本
体の凹部と支持部の凸部とが面接触した状態で凹凸係合
されているため、車両衝突時の衝撃力が小さい場合に柵
本体の重量及び面接触状態での摩擦抵抗が大きくなって
柵本体が回動しない時があり、この時には従来の剛性防
護柵と同様に衝突による衝撃力が緩和されない。一方、
衝撃力により柵本体が回動してその脚部が支持部の上面
に達した時点(公報図2参照)から更に衝撃力が作用し
て柵本体が回動しようとすると、該回動を阻止できずに
柵本体が転倒する危険性がある。而して、前記転倒を阻
止すべく柵本体の両脚部をアンカーボルトにより保持す
る方法が提案されているが、両脚部を保持すると、前記
凹部と凸部の摩擦抵抗が大きいことと相まって柵本体の
動作が鈍くなり、その結果、車両衝突時の衝撃力緩和能
力に劣るという問題点を有していた。
【0005】本発明は、上記の如き従来の問題点に鑑み
てなされたもので、クッション材を具備する剛性の防護
柵にあって、クッション材の形態及び配置を適正化する
ことで、車両衝突時の衝撃力の緩和能力に優れて衝突車
両の損傷並びにドライバーの負傷を軽微に止どめるとと
もに、衝突車両退避後の原状復帰能力に富む安全性が高
い緩衝式防護柵とそれのためのクッション材を提供する
ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明の請求項1記載の緩衝式防護柵1
は、躯体1aの車両走行側に位置する側壁を対車壁面6
となし車両の走行方向に沿って設置される防護柵であっ
て、前記対車壁面6の下位にその周壁が下方漸縮状をな
通孔8を穿設し、該通孔8内に側面視略鼓形をなす緩
衝体たるクッション材4の上位の周側壁4aを装着する
とともに、その下位の周側壁4aを基礎コンクリート1
1内に位置せしめることを特徴とするものである。上記
構成からなる緩衝式防護柵1にある側面視略鼓形のクッ
ション材4を基礎コンクリート11内に連結せしめてそ
の上位に多数個設置し、且つ車両の走行方向に沿って連
設した道路にあっては、車両が誤って前記緩衝式防護柵
1の対車壁面6に衝突すると、その衝撃力により躯体1
aが車両衝突側と反対側に傾倒し、車両衝突側にあって
側面視略鼓形をなすクッション材4が躯体1aの底部3
と基礎コンクリート11の上面間で引っ張りによる弾性
変形を起こして伸びることにより、その衝撃力が吸収、
緩和されて衝突車両の損傷やドライバーの負傷を未然に
防止することができる。又、衝撃力が退避した後には、
前記伸び変形を起こすと同時に発生するクッション材4
の引張力により躯体1aが車両衝突側へ引き戻されるた
め、該クッション材4によって防護柵を起立せしめて原
状に復帰させることができる。
【0007】本発明の緩衝式防護柵1は、請求項2記載
の如く、車両走行側に位置する上部躯体19と下部躯体
20の側壁を対車壁面6となし車両の走行方向に沿って
設置される防護柵であって、前記上、下部躯体19、2
0の界面19a、20a間に、その側壁方向の側部に向
けて漸開する中間クッション材21が介在されるととも
に、下部躯体20の対車壁面6下位にその周壁が下方漸
縮状をなす通孔8を穿設し、該通孔8内に側面視略鼓形
をなす緩衝体たるクッション材4の上位の周側壁4aを
装着するとともに、その下位の周側壁4aを基礎コンク
リート11内に位置せしめるか、或いは、前記通孔8内
に装着した緩衝体たるクッション材4と基礎コンクリー
ト11に植設した連結部材5aとを通孔8内で連結せし
てなることを特徴とするものである。又、本発明の緩
衝式防護柵1は、請求項3記載の如く、車両走行側に位
置する上部躯体19と下部躯体20の側壁を対車壁面6
となし車両の走行方向に沿って設置される防護柵であっ
て、前記上、下部躯体19、20の界面19a、20a
間に、その密度又は硬度を変化せしめることで両端部2
1′c側の部位程漸次大きな弾性変形を起こす帯状の中
間クッション材21′がその側壁方向にわたって介在さ
れるとともに、下部躯体20の対車壁面6下位にその周
壁が下方漸縮状をなす通孔8を穿設し、該通孔8内に
面視略鼓形をなす緩衝体たるクッション材4の上位の周
側壁4aを装着するとともに、その下位の周側壁4aを
基礎コンクリート11内に位置せしめるか、或いは、前
記通孔8内に装着した緩衝体たるクッション材4と基礎
コンクリート11に植設した連結部材5aとを通孔8内
で連結せしめてなることを特徴とするものである。かか
る構成からなる緩衝式防護柵1によれば、車両のタイヤ
等が誤って前記下部躯体20の対車壁面6に接触する
と、その衝撃力により下部躯体20が車両接触側と反対
側に傾倒し、対車壁面6の下位の通孔8内に設けたクッ
ション材4が底部3と基礎コンクリート11間にあって
引っ張られることで弾性変形を起こして伸びることによ
り、衝撃力が吸収、緩和され、又、通孔8内でクッショ
ン材4と連結された連結部材5aは弾性及び靭性力を有
するため、前記衝撃力の吸収作用を助勢する。又、衝突
の度合いが激しくその車両が防護柵の上位に至って、上
部躯体19の対車壁面6に衝突すると、その衝撃を受け
た上部躯体19が車両衝突側と反対側に傾倒し、上、下
部躯体19、20の界面19a、20a間に介在された
中間クッション材21、21′が圧縮されることで弾性
変形を起こして縮むことにより、衝撃力が吸収、緩和さ
れる。この時、上、下部躯体19、20の側壁方向中央
部から側部へ行く程、界面19a、20a間の距離変位
が大きくなり、これに伴って圧縮力も大きくなるが、請
求項2記載の中間クッション材21は、側壁方向の側部
に向けて漸開状に形成されているため、側部末端に大な
る圧縮力が作用しても、中間クッション材21の分厚い
端部21cが十分に弾性変形して縮み、上部躯体19の
傾倒に追随することができる。又、請求項3記載の中間
クッション材21′は、両端部21′c側の部位程漸次
大きな弾性変形を起こすべく、その密度又は硬度を変化
させた帯状のものを使用してなるため、側壁方向の中央
部から側部へ移行する程大きくなる圧縮力に応じた弾性
変形(縮み)を中間クッション材21′に生じさせるこ
とが可能となる。従って、中間クッション材21′の厚
みが側壁方向にわたって均一に形成されていても、上記
弾性変形によって傾倒せる上部躯体19を確実に受承す
ることができる。よって、請求項2及び3記載の緩衝式
防護柵1にあっては、下部躯体20の通孔8内に設けら
れるクッション材4並びに中間クッション材21、2
1′の弾性変形作用によって、車両衝突時の衝撃が二重
に吸収、緩和されて衝突車両の損傷やドライバーの負傷
を未然に防止するとともに、衝撃力が退避した後には、
前記伸び変形せるクッション材4の引張力及び圧縮変形
せる中間クッション材21、21′の反発力により傾倒
せる上、下部躯体19、20を車両衝突側へ引っ張り又
は押し戻し、原状に起立せしめて交通の安全を確保する
ことができる。
【0008】本発明の緩衝式防護柵1は、請求項4記載
の如く、請求項2又は3記載の緩衝式防護柵1における
界面19a、20aの少なくとも一方が凸状の屈曲面又
は曲線面に形成され、これに添うべく中間クッション材
21、21′の上下面の少なくとも一方が凹状の屈曲面
又は曲線面に形成されてなることを特徴とするものであ
る。かかる構成からなる緩衝式防護柵1にあっては、界
面19a、20aの凸状を呈する面形状によって上部躯
体19が側壁方向へ揺れ動き易くなるとともに、中間ク
ッション材21、21′の側壁方向、即ち、対車壁面6
側から作用する衝撃力により上部躯体19が傾倒して大
なる圧縮力が作用する端部21c、21′c側程、その
厚みが分厚く形成されてなるから、対車壁面6に作用す
る大なる衝撃力に対しても中間クッション材21、2
1′が挫滅することなく縮んで衝撃力を効率的に吸収、
緩和し、又、その反発力も大きくなってより短時間のう
ちに上部躯体19を原状に復帰させることができる。
【0009】本発明の緩衝式防護柵1は、請求項5記載
の如く、請求項2乃至4の何れかに記載の緩衝式防護柵
1における中間クッション材21、21′の略中央部が
断続してなることを特徴とするものである。かかる構成
からなる緩衝式防護柵1によれば、中間クッション材2
1、21′の略中央部を断続させることでその平面形状
が略梯子状を呈するから、上、下部躯体19、20の界
面19a、20a間における略中央部に空所12を形成
し、中間クッション材21、21′と界面19a、20
a相互間の接触面積及び抵抗を少なくして上部躯体19
をより傾倒し易くするものである。
【0010】本発明の緩衝式防護柵1は、請求項6記載
の如く、請求項2乃至5の何れかに記載の緩衝式防護柵
1における中間クッション材21、21′が車両走行方
向に断続してなることを特徴とするものである。かかる
構成からなる緩衝式防護柵1にあっては、上、下部躯体
19、20の界面19a、20a間に空所12が形成さ
れ、防護柵によって区画された車線間が断続的に連通す
るから、走行車両が発する騒音や排気ガスが前記空所1
2内を透過し、滞留せずに消音、拡散することで道路環
境が保全されるとともに、中間クッション材21、2
1′の使用量が減少して一連の防護柵を安価に構成する
ことができる。
【0011】本発明の緩衝式防護柵1は、請求項7記載
の如く、請求項2乃至6の何れかに記載の緩衝式防護柵
1における中間クッション材21、21′が、上、下部
躯体19、20のそれぞれの界面19a、20aに固着
されてなることを特徴とするものである。かかる構成か
らなる緩衝式防護柵1にあっては、上部躯体19の傾倒
により車両衝突時の衝撃力を吸収した片側の中間クッシ
ョン材21、21′が界面19a、20a間において圧
縮による弾性変形を起こして縮んでいる時、これとは反
対側の中間クッション材21、21′が前記界面19
a、20aに固着されていることにより、該界面間で伸
び変形を起こすと同時に上部躯体19を下部躯体20側
へ引き戻す引っ張り作用を奏する。従って、衝撃力が退
避した後には前記中間クッション材21、21′の圧縮
による反発作用と引っ張り作用とが左右交互に繰り返さ
れることによって、上部躯体19の過度な傾倒を防止す
るとともに、短時間のうちに上部躯体19を原状に復帰
させることができる。
【0012】本発明の緩衝式防護柵1は、請求項8記載
の如く、請求項2乃至7の何れかに記載の緩衝式防護柵
1における上部躯体19及び下部躯体20が連結部材5
bによって連結されるか、或いは、上部躯体19が下部
躯体20を通し基礎コンクリート11と連結する連結部
材5cによって連結されてなることを特徴とするもので
ある。かかる構成からなる緩衝式防護柵1にあっては、
連結部材5b、又は5cの弾性及び靭性力により、中間
クッション材21、21′による衝撃力の吸収、緩和並
びに上部躯体19の原状復帰作用を助勢し、且つ極度な
衝撃力に対しても連結部材5b、又は5cの強靭な締結
力により、上、下部躯体19、20、更には基礎コンク
リート11が一体化して上部躯体19の移動や転倒を阻
止することができる。
【0013】本発明の緩衝式防護柵1は、請求項9記載
の如く、請求項1乃至8の何れかに記載の緩衝式防護柵
1における通孔8が対車壁面6の下端部から車両走行側
に延設せる平坦部6′に設けられてなることを特徴とす
るものである。かかる構成からなる緩衝式防護柵1によ
れば、衝撃力の作用により防護柵が車両衝突側と反対側
へ回動しようとする際の支点から、クッション材4を有
して緩衝体及び基礎コンクリート11との連結部をなす
通孔8までの水平距離が長くなるために、該水平距離と
自重が乗じられて得られる抵抗モーメントを大となし
て、転倒に対する抵抗力に優れた防護柵となすことがで
きる。
【0014】本発明の緩衝式防護柵1は、請求項10記
載の如く、請求項1乃至9の何れかに記載の緩衝式防護
柵1における底部3の少なくとも片側又は全幅が側壁方
向へ向けて直線状又は屈曲線状又は曲線状の上向面3a
に形成されてなることを特徴とするものである。かかる
構成からなる緩衝式防護柵1にあっては、前記底部3の
上向面3aの下位には空所12が形成されて、底部3と
基礎コンクリート11との接触面積及び抵抗が少なくな
って、対車壁面6に作用する衝撃力に対して躯体1a、
下部躯体20が側壁方向へ傾倒し易くなるという利点を
有する。
【0015】本発明の緩衝式防護柵1は、請求項11記
載の如く、請求項10記載の緩衝式防護柵1における上
向面3aと基礎コンクリート11間に底部用のクッショ
ン材32を介在させてなることを特徴とするものであ
る。かかる構成からなる緩衝式防護柵1によれば、対車
壁面6に衝撃力を受けて傾倒する側、即ち、側壁方向の
端部側程分厚くなる底部用のクッション材32が、上向
面3a下に位置して躯体1a又は下部躯体20を受承す
るため、前記クッション材4或いは中間クッション材2
1、21′の作用と相まって衝撃力を効率的に吸収、緩
和するとともに、その反発力が躯体1a又は下部躯体2
0の原状復帰作用に寄与することとなる。
【0016】本発明の緩衝式防護柵1は、請求項12記
載の如く、請求項1乃至11の何れかに記載の緩衝式防
護柵1における対車壁面6の一方が直面9に形成され、
端面視略L字状に形成されてなることを特徴とするもの
である。かかる構成からなる緩衝式防護柵1によれば、
対車壁面6側を車道となし、且つ他方直面9側を歩道や
自転車道等となすことが可能で、道路の路側における交
通の安全をも確保することができる。
【0017】本発明の緩衝式防護柵1は、請求項13記
載の如く、請求項12記載の緩衝式防護柵1を離隔して
並列させ、且つその直面9を対向させることで形成され
る直面9間の空所12内に土壌16を充填してなること
を特徴とするものである。かかる構成からなる緩衝式防
護柵1によれば、前記クッション材4、4′、中間クッ
ション材21、21′による衝撃力の吸収、緩和作用に
加えて、直面9と接する充填土壌16が衝撃力を受承し
て吸収するから、衝突車両に対する耐力が更に向上する
とともに、土壌16面に植樹を施すとグリーンベルトを
有する防護柵が形成され、その緑がドライバーの目の疲
れを和らげる作用をも奏する。
【0018】本発明の緩衝式防護柵1は、請求項14記
載の如く、請求項12又は13記載の緩衝式防護柵1に
おける直面9に保水材22及び/又は断熱材23を設け
てなることを特徴とするものである。かかる構成からな
る緩衝式防護柵1によれば、直面9側に充填された土壌
16が保水材22によって適度な含水状態に保たれ、
又、日光や排気ガスを浴びて高温化した躯体1a又は
上、下部躯体19、20からの伝導熱が断熱材23によ
って遮断され、その乾燥が防止されるために、充填土壌
16を植生繁茂に好適な状態に常時維持することが可能
となる。
【0019】本発明の緩衝式防護柵1は、請求項15記
載の如く、請求項1乃至14の何れかに記載の緩衝式防
護柵1において、対車壁面6の下端部に設けられる側壁
部2が下方漸縮状の斜面10に形成されてなることを特
徴とするものである。かかる構成からなる緩衝式防護柵
1によれば、その設置に際して、対車壁面6の下端部に
形成される側壁部2が道路面R下に位置し、路材rと当
接しても、該側壁部2は下方漸縮状の斜面10に形成さ
れてなるため、躯体1a又は下部躯体20の傾倒時に、
当接せる路材r面から容易に離脱してその動作に支障を
来さないという利点がある。
【0020】本発明の緩衝式防護柵1は、請求項16記
載の如く、躯体1aの車両走行側に位置する側壁を対車
壁面6となし車両の走行方向に沿って設置される防護柵
であって、一方の対車壁面6の下位、又はその対車壁面
6の下端部を車両走行側に延設せしめた平坦部6′に
の周壁が下方漸縮状をなす通孔8を穿設し、他方の対車
壁面6を直面9に形成してその下部を上向面3aとな
し、躯体1aを端面視略L字状に形成するとともに、前
記通孔8内に側面視略鼓形をなす緩衝体たるクッション
材4の上位の周側壁4aを装着するとともに、その下位
の周側壁4aを基礎コンクリート11内に位置せしめる
か、或いは、前記通孔8内に装着した緩衝体たるクッシ
ョン材4と基礎コンクリート11に植設した連結部材5
aとを通孔8内で連結せしめてなることを特徴とするも
のである。かかる構成からなる緩衝式防護柵1によれ
ば、対車壁面6側を車道となし、又、他方直面9側を歩
道や自転車道等となすことが可能で、道路の路側におけ
る交通の安全をも確保することができるとともに、直面
9の下部にある上向面3aが底部3と基礎コンクリート
11との接触面積及び抵抗を減少せしめて、対車壁面6
に作用する衝撃力に対し躯体1aをより傾倒しやすく
し、更に、通孔8内に装着されたクッション材が弾性
変形を起こして伸びることで、前記衝撃力を吸収、緩和
し、又、クッション材4と連結された連結部材5aも弾
性及び靭性力を有することから衝撃力の吸収作用を助勢
し、且つ衝撃力退避後には、前記伸び変形を起こすと同
時に発生するクッション材4の弾性引張力によって躯体
1aを原状の起立状態に復帰させることが可能となる。
【0021】本発明の請求項17記載の緩衝式防護柵用
のクッション材4は、防護柵を構成する躯体1a又は下
部躯体20にある通孔8内に装着され、基礎コンクリー
ト11と連結するものであって、その側面視が略鼓形に
形成されて上位周側壁4aが通孔8の周壁に、又、下位
周側壁4aが基礎コンクリート11の盲孔24の周壁に
添うようになされたことを特徴とするものである。かか
る構成からなるクッション材4にあっては、通孔8内に
装填され、又基礎コンクリート11内に埋設される際、
側面視略鼓形で略く字状を呈する上位及び下位の周側壁
4aに通孔8及び基礎コンクリート11の周壁が添って
食い込む如く接するため、躯体1a又は下部躯体20の
傾倒時には、その接触抵抗によりクッション材4が通孔
8又は基礎コンクリート11から離脱しないうえに、略
く字状の屈曲部4bがその両端部より細く形成されて傾
倒に伴う伸び変形を起こし易くするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態につ
いて図面を参酌しつつ説明する。1は、図1(イ)乃至
(ハ)に示す如く、本発明の実施形態に係る緩衝式防護
柵であり、以下、該緩衝式防護柵1の長さ方向(同図
(イ)、(ロ)における左右方向)を道路方向、又、両
側面間にわたる方向(同図(ハ)における左右方向)を
側壁方向という。前記緩衝式防護柵1は、躯体1aが剛
性体(主に、コンクリート製)からなるとともに、車両
の走行方向(道路方向)に沿い、且つ接続壁7相互を当
接して路面の中央分離帯等として設置されるもので、そ
の下位を下端部に側壁部2が設けられた下方漸開状の緩
傾斜面となし、該緩傾斜面に連設せる上位を急傾斜面と
なした対車壁面6が側壁方向の両面に設けられるととも
に、該対車壁面6の下位にはその周壁が下方漸縮状に形
成された通孔8が側壁方向に対をなして穿設され、且つ
前記側壁部2が下方漸縮状の斜面10に形成されてな
る。そして、図1(ニ)乃至(ヘ)に示す如き、その側
面視が略鼓形の円柱状で上面を前記緩傾斜面をなす対車
壁面6の傾斜角度に合致させてなるクッション材4の上
位の周側壁4aが前記通孔8の周壁に、又、その下位の
周側壁4aが基礎コンクリート11に穿設せる盲孔24
の下方漸開状をなす周壁に添って夫々固着されるととも
に、上、下位の周側壁4aの付根部、即ち、屈曲部4b
が底部3と基礎コンクリート11との界面部に位置する
ことで緩衝体が構成されてなる。前記クッション材4の
材質としては、例えば、ゴム製品や廃タイヤ、再生タイ
ヤの生産工程で発生する廃加硫ゴムを原料とするゴムチ
ップと末端イソシアネート基を有するポリウレタンプレ
ポリマーのバインダーとを配合して得られる再生ゴム配
合物、その他合成樹脂製品等の弾性変形するものが挙げ
られる。
【0023】次に、上記緩衝式防護柵1の対車壁面6に
車両が衝突し、衝撃力Fが躯体1aに作用した時の動作
を図2(イ)及び(ロ)に基づいて説明する。図1
(ハ)の状態で衝撃力Fを左側から受けた躯体1aは、
底部3の右端点を支点として図2(イ)及び(ロ)に示
す如き右側へ傾倒した状態となり、通孔8及び盲孔24
に嵌着したクッション材4が夫々弾性変形を起こして伸
び、該弾性変形に伴って引張力Ptが発生する。このよ
うに衝突直後は、クッション材4が夫々伸び変形を起こ
して衝撃力Fを吸収、緩和するとともに、衝撃力Fが退
避した後には、伸び変形に伴う引張力Ptによって躯体
1aが左側に引き戻されて衝突前の状態に復帰する。こ
こで、クッション材4は、側面視略鼓形をなすことで上
位及び下位の周側壁4aに前記通孔8及び盲孔24の周
壁が添って食い込む如く接し、躯体1aの傾倒時にその
接触抵抗によりクッション材4が前記通孔8及び盲孔2
4から離脱しないとともに、屈曲部4bがその両端部よ
り細く形成されることで傾倒に伴う伸び変形を起こし易
く、又、前記通孔8の下位及び盲孔24の上位に未接着
部を設けて固着することで、その弾性変形を効率的に生
じせしめることが可能となり、又、通孔8及び盲孔24
における固着面積(同図(ロ)において細斜線示す)
を等しくすることで、躯体1aと基礎コンクリート11
との固着度合いを均整化できるものである。又、側壁部
2が下方漸縮状の斜面10に形成されることで、該側壁
部2が道路面R下に位置し、路材rと当接しても、躯体
1aの傾倒に際しては、当接せる路材r面から容易に離
脱してその傾倒に支障を与えないという利点がある。
尚、図1(イ)及び(ロ)に示す如く、接続壁7相互間
に設けた端面用のクッション材4″は、衝撃力を受けた
躯体1aと隣接せる躯体1aに伝達しようとする衝撃力
を吸収して減衰させるから、一連の防護柵としての安全
性を向上させることができる。尚、当該緩衝体を構成す
るクッション材4の材質としては、ウレタン、ナイロ
ン、ゴム、更にその他の合成樹脂で弾性変形を起こし、
且つ後充填可能なものが挙げられる。
【0024】図(イ)乃至(ハ)は、緩衝式防護柵の
他実施形態を示し、該緩衝式防護柵1は、上部躯体19
及び下部躯体20と、該上、下部躯体19、20間に介
在する中間クッション材21及び下部躯体20の通孔8
内に装填されたクッション材4とから構成されるととも
に、その両端における接続壁7相互間にも端面用のクッ
ション材4″を介在してなる。ここで、上部躯体19の
底部をなす界面19aが凸状の屈曲面に形成され、下部
躯体20の上面をなす界面20aが平坦面に、又、底部
3がその両側を直線状の上向面3aに形成することで凸
状の屈曲面に形成されてなる。又、クッション材4は、
(ニ)乃至(ヘ)に示す如く、その側面視が略鼓形
の角柱状に形成されるとともに、中間クッション材21
は、図(イ)及び(ロ)に示す如く、全体が帯状で前
記界面19aの突設せる屈曲面に添うべく、その上面が
凹状の屈曲面に形成されることで、端部21c側に向け
て漸開状に形成されてなる。そして、上記クッション材
の上位の周側壁4aが下部躯体20の通孔8の下方漸
縮状をなす周壁に、その下位の周側壁4aが基礎コンク
リート11に穿設せる盲孔24の下方漸開状をなす周壁
に添って夫々固着されるとともに、上、下位の周側壁4
aの付根部、即ち、屈曲部4bが底部3と基礎コンクリ
ート11との界面付近に位置することで緩衝体が構成さ
れ、又、中間クッション材21が上、下部躯体19、2
0の界面19a、20aに夫々固着されることで、相互
が一体的に連結されてなる。又、道路面Rとの取り合わ
せは、側壁部2と道路面Rの末端でマウンドアップされ
る路材rとの間に板状の間仕切材29(弾性変形を起こ
すものが好ましいが、特に材質は問わない)を介在させ
てなり、かかる取り合わせによって上向面3aの下部に
は夫々空所12が形成されてなるとともに、該空所12
内に砂塵等が道路面Rから進入することを防止してな
る。尚、上記中間クッション材21の材質としては、図
1に記したクッション材4と同様に、例えばゴム製品や
廃タイヤ、再生タイヤの生産工程で発生する廃加硫ゴム
を原料とするゴムチップと末端イソシアネート基を有す
るポリウレタンプレポリマーのバインダーとを配合して
得られる再生ゴム配合物、その他合成樹脂製品等の弾性
変形するものが挙げられる。
【0025】次に、当該緩衝式防護柵1に車両が衝突
し、衝撃力Fが上、下部躯体19、20の対車壁面6に
作用したときの動作を図(イ)乃至(ホ)に基づいて
説明する。図(ハ)の状態から、車両のタイヤ等が接
触することで衝撃力Fを左側の対車壁面6に受けた下部
躯体20は(衝突位置が低い場合)、図(イ)及び
(ニ)に示す如き右側へ傾倒した状態となり、通孔8及
び盲孔24に固着した左側のクッション材4が引っ張り
による弾性変形を起こして伸び、該弾性変形に伴い引張
力Ptを生じせしめて、下部躯体20を基礎コンクリー
ト11側へ引き戻そうとする。この時、右側のクッショ
ン材4が上向面3aと基礎コンクリート11間に生じる
空所12にあって、圧縮による弾性変形を起こして縮む
と同時に、該弾性変形に伴う反発力Paを生じせしめて
下部躯体20を左側へ押し戻そうとする。又、衝撃力F
の作用位置が高い場合は、図(ロ)及び(ホ)に示す
とおり、上部躯体19が右側へ傾倒した状態となり、界
面19a、20a間における中間クッション材21の右
側部が圧縮による弾性変形を起こして縮み、該弾性変形
に伴い反発力Paを生じせしめて上部躯体19を左側へ
押し返そうとする。この時、中間クッション材21が夫
々の界面19a、20aに固着されることで、これとは
反対側、即ち、中間クッション材21の左側部には伸び
変形に伴う引張力Ptが作用して上部躯体19を下部躯
体20側へ引き戻そうとする。この状態から更に衝撃力
Fが作用すると、下部躯体20も図(ハ)及び(ニ)
に示す如き右側に傾倒した状態となり、クッション材4
にも弾性変形が生じて引張力Pt及び反発力Paが作用
する(前述のとおり)。従って、衝突直後にはクッショ
ン材4及び中間クッション材21の右側部が圧縮変形
し、衝撃力Fを吸収して緩和するとともに、その左側部
が伸び変形して上、下部躯体19、20の過度な傾倒を
防止する。即ち、防護柵の下部と中間部において二重の
緩衝体が形成されることとなり、且つ衝撃力Fが退避し
た後には、前記圧縮変形に伴う反発力Pa並びに伸び変
形に伴う引張力Ptによって上、下部躯体19、20が
左側に押し又は引っ張り戻される(図各図と対称図
形:図示せず)という反発及び引っ張り運動をクッショ
ン材4及び中間クッション材21の両側部が繰り返すこ
とによって、上、下部躯体19、20を短時間のうちに
衝突前の状態に復帰させる。当該上、下部躯体19、2
0にあっては、その界面19a及び底部3が凸状の屈曲
面に形成され、且つ底部3の両側には空所12が形成さ
れることで、衝撃力Fに対し側壁方向へ揺れ動き易く、
又、該屈曲面に添って設けられる凹状で両側が漸開状の
中間クッション材21にあっては、端部21c側程その
厚みが分厚くなるので、圧縮及び引っ張りによる弾性変
形量も大きくなって、前記衝撃力の吸収、緩和並びに上
部躯体19の原状復帰が効率的に行われる。更に、側壁
部2と路材r間には間仕切材29が位置することで、側
壁部2と路材rとの接触が回避されて、その傾倒に支障
を来さないという利点がある。尚、図(イ)及び
(ロ)において、接続壁7相互間に設けた端面用のクッ
ション材4″が奏する作用効果は、図1に示す緩衝式防
護柵1と同様である。
【0026】図(イ)は、本発明に係る緩衝式防護柵
の他実施形態を示し、該緩衝式防護柵1は、前記図
おける実施形態と同様、二分せる上、下部躯体19、2
0によって構成されるが、該上、下部躯体19、20の
界面19a、20aは夫々平坦で平行面に形成されると
ともに、その側壁方向にわたって固着された中間クッシ
ョン材21′は均一厚みに形成されてなる。又、クッシ
ョン材4を装填する通孔8は、下部躯体20の対車壁面
6の下端部を車両走行方向に延設することで形成される
平坦部6′に設けられ、底部3の両側が直線状の上向面
3aに形成されるとともに、該上向面3aを有する底部
3に添うべく、その上面が凹状の屈曲面に形成された底
部用のクッション材32を介して基礎コンクリート11
上に連結されてなる。又、前記クッション材4はその側
面視が略鼓形をなし、該クッション材4の上位の周側壁
4aが前記通孔8の下方漸縮状をなす周壁に、又、その
下位の周側壁4aが基礎コンクリート11に穿設せる盲
孔24の下方漸開状をなす周壁に添って夫々固着される
とともに、上、下位の周側壁4aの付根部、即ち、屈曲
部4bが底部3と基礎コンクリート11との界面部付近
に位置することで緩衝体が構成されてなる。ここで、上
記中間クッション材21′は、その両端部21′c側の
部位程、漸次大きな弾性変形を起こすべく、密度(空隙
率)やそれ自体の硬度を変化させることで、両端部2
1′c側へ向け漸次柔らかくなる(図中、着色度が薄い
程柔らかい意味)材質(ウレタン、ナイロン、ゴムや廃
加硫ゴムチップをバインダーにより結合した再生ゴム配
合物、更に、その他合成樹脂で弾性変形するもの等)か
ら形成されてなる。上記緩衝式防護柵1の上位右側に衝
撃力Fが作用すると、同図(ロ)の状態から同図(ハ)
に示す如く、上部躯体19が左側へ傾倒する。この時、
上、下部躯体19、20の中央部から側壁方向の両端部
21′c側へ行く程、界面19a、20a間の変位量が
大きくなり、これに伴って圧縮力(衝突側は引張力)も
大きくなるが、前記中間クッション材21′によれば、
その圧縮又は引張力に対応して両端部21′c側程大き
く弾性変形するから、その厚みが均一に形成されていて
も大なる衝撃力Fの吸収、緩和が可能となり、又、この
弾性変形に伴う反発力Pa並びに衝突側で上部躯体19
を引き戻そうとする引張力Ptも大きくなるので、衝撃
力Fが退避した後には、上部躯体19を短時間のうちに
原状復帰させることができる。尚、当該緩衝式防護柵1
は、平坦部6′の側壁部2が道路面Rより立ち上がって
なるために、車両が走行車線から逸脱し、該緩衝式防護
柵1に接近し続けた場合は、車両のタイヤ等が前記側壁
部2に接触することで、ドライバーに逸脱行為を認識さ
せて注意を喚起せしめるから、それ以上の衝突を回避し
て重大事故につながることを抑制することができる。而
して、前記の如き衝撃力Fの作用位置が低い場合や、上
位に作用する衝撃力Fが大きい場合で、下部躯体20が
傾倒してクッション材4に弾性変形が生じる態様及びそ
の作用は、前記図に示す緩衝式防護柵と同様のためこ
れを援用する。又、底部用のクッション材32も、上向
面3aに添って側壁部2側が漸開状に形成されてなるた
め、側壁部2側程大きく弾性変形を起こして衝撃力Fの
吸収、緩和並びに下部躯体20の原状復帰作用に寄与す
ることとなる。更に、上記クッション材4を装填する通
孔8が、対車壁面6の下端部から車両走行側に延設せる
平坦部6′に設けられてなる構成、底部3の両側が直線
状又は曲線状或いは屈曲線状の上向面3aに形成されて
なる構成、並びに底部3と基礎コンクリート11間に底
部用のクッション材32が設けられてなる構成は、躯体
1aが上下に二分されることなく一体的に形成された前
記図1に示す緩衝式防護柵1にも採用することができ
る。
【0027】上記均一厚みをなす中間クッション材2
1′の他実施形態は、図(ニ)に示す如く、複合構造
をなすものであり、偏平で略菱形をなす核部21′aを
表皮層21′bにより被覆して偏平で方形状の中間クッ
ション材21′を形成する。ここで、核部21′aを硬
質部材により、又、表皮層21′bを軟質部材によって
一体的に構成することで、その中央部から両側部へ移行
する程、表皮層21′bの占める割合が多くなって漸次
大きな弾性変形を得ることが可能となるため、前記図
(イ)乃至(ハ)における中間クッション材21′と同
様の作用効果を奏することとなる。当該中間クッション
材21′の材質の一例としては、それ自体の硬度を夫々
相違させ、二種(核部21′aは硬質、表皮層21′b
は軟質)の弾性率をなす合成樹脂(ウレタン、ナイロ
ン、ゴムや廃加硫ゴムチップをバインダーにより結合し
た再生ゴム配合物等)による場合や、核部21′aを鋼
製として表皮層21′bに弾性力を有する前記合成樹脂
を単一的に用いる場合等がある。この場合は、図
(ホ)に示すように、核部21′aの表面を粗面に形成
するとともに、その上下隅部に丸みを付して曲線化すれ
ば、表皮層21′bとの一体性が増し、且つ衝撃力によ
る上部躯体19の傾倒がその曲線面に添ってよりスムー
ズに行われることとなる。
【0028】図(イ)の左区分部、(ロ)及び(ハ)
は、緩衝式防護柵の他実施形態を示し、該緩衝式防護柵
1は、1個の上部躯体19を2個の下部躯体20上に跨
がって位置させ、凸状の曲線面をなす下部躯体20の界
面20aの中央部に埋設されたナット26と、上部躯体
19の頂部より穿設した盲孔24の下端に設けた通孔8
から連結部材5bとしてのボルトを挿通し締結すること
で上、下部躯体19、20が連結されるとともに、前記
下部躯体20は、基礎コンクリート11に植設せるクッ
ション材4をその対車壁面6の一部に設けた通孔8に挿
通後、その間隙に固着材14を充填することで基礎コン
クリート11と一体的に連結されてなる。又、前記クッ
ション材4はその側面視が略鼓形をなし、該クッション
材4の上位の周側壁4aが固着材14を介して前記通孔
8の下方漸縮状をなす周壁に、又、その下位の周側壁4
aが基礎コンクリート11に穿設せる盲孔24の下方漸
開状をなす周壁に添って夫々固着されるとともに、上、
下位の周側壁4aの付根部、即ち、屈曲部4bが底部3
と基礎コンクリート11との界面部に位置することで緩
衝体が構成されてなる。又、上部躯体19の両対車壁面
6の上端部には、側壁方向へ突出してクッション材
4″′が帯状に固着されるとともに、前記盲孔24の頂
部開口がキャップ25によって閉塞されてなる。ここ
で、上、下部躯体19、20の界面19a、20aに介
在する中間クッション材21又は21′は、下面が前記
界面20aの曲線面に添うべく凹状の曲線面に形成され
るとともに、同図(チ)に示す如く、その略中央部に空
所12を断続的に設けることで、平面形状が略梯子状を
呈し、且つその長さを複数個の上、下部躯体19、20
に対応すべく、長尺に形成してなる。かかる緩衝式防護
柵1にあっては、下部躯体20の界面20aと中間クッ
ション材21又は21′の下面とが曲線面にて当接する
ことに加えて、中間クッション材21又は21′の中央
部が断続することで界面19a、20a間に空所12が
形成されるため、界面19a、20aと中間クッション
材21又は21′との接触面積及び抵抗が減少して上部
躯体19が側壁方向に更に傾倒し易くなるとともに、中
間クッション材21又は21′を製作する上での原材料
が軽減できるという有益性をも奏する。更に、上記緩衝
式防護柵1は、相接する接続壁7間にも端面用のクッシ
ョン材4″が設けられ、且つ1個の上部躯体19が2個
の下部躯体20間に跨がって連結されているため、道路
方向での一体性が向上し、衝突車両に対して上部躯体1
9相互が側壁方向へ傾倒するのに加えて平面視弓形に湾
曲変形することで衝撃力を吸収、緩和するとともに、上
部躯体19の上端部のクッション材4″′も衝撃力の吸
収、緩和に寄与するから、一連の分離帯としての安全性
が特に優れた構造となる。そして、上、下部躯体19、
20がボルト、ナットにより締結され、又、クッション
材4と下部躯体20とが別途固着されて連結されるこ
と、並びに中間クッション材21又は21′が長尺化さ
れて下部躯体20上に連続して布設できることから、現
地組立が容易で迅速施工性を確保することができるとと
もに、万一車両衝突により上部躯体19が破損しても、
該破損した上部躯体19の取替えが簡単に行えるという
利点もある。又、同図の右区分部、(ニ)及び(ホ)に
示す如く、前記界面19a、20aの一部、即ち、下部
躯体20の界面20aの略中央部に、界面19aと当接
する支持部30としての断面略半円形をなす凸部20c
が道路方向へ所望長さ(当該実施形態にあっては、前記
中間クッション材21、21′の空所12内にまる長
さに設定されている)に突設される構成を採用すること
もできる。かかる構成によれば、前記支持部30として
の凸部20cの上端に上部躯体19の界面19aが当接
してなるため、常時においては上部躯体19の自重が支
持部30としての凸部20cにより支持され、中間クッ
ション材21、21′への載荷重が軽減して中間クッシ
ョン材21、21′の疲労、劣化を予防するとともに、
車両衝突時には界面19aと支持部30としての凸部2
0cとの略点接触状態により、該所を支点として上部躯
体19が回動可能な構造となって、左右方向へ揺れ動き
易くなるという作用効果を奏する。而して、同図(ヘ)
に示す如く、上記凸部20cに代えて上部躯体19の界
面19aから凸部19cを支持部30として突設した場
合にあっても奏する作用効果は上述のとおりであるとと
もに、前記支持部30としての凸部19c、20cの道
路方向への態様は一例で、必要箇所に必要長さで設ける
ことができ、且つ同図(ト)に示す如き、任意形状の筒
状体を界面19a、20a間に別途介在させて支持部3
0となすことも可能である。尚、上記中間クッション材
21又は21′は、その略中央部が方形の空所12によ
って道路方向に断続してなるが、かかる空所12の平面
形状は方形に限定されるものではなく、又、その大きさ
や位置等も任意に設計可能であるとともに、連結部材5
bの挿通用の通孔を設けることも必須の条件ではない。
更に、その略中央部が断続してなる構成は、前述又は後
述せる各緩衝式防護柵1にも同様に実施可能である。
【0029】図(イ)乃至(ニ)は、緩衝式防護柵の
他実施形態を示し、該緩衝式防護柵1は、上、下部躯体
19、20の界面19a、20a間に介在される中間ク
ッション材21又は21′が道路方向(車両走行方向)
に断続して設けられ、界面19a、20a間に空所12
が形成されてなるものである。ここで、上、下部躯体1
9、20の界面19a、20aは、各々が凸状の曲線面
に形成され、又、上部躯体19の対車壁面6の上端部に
は、側壁方向に突出する略半円形状の膨出部13が各々
設けられるとともに、上、下部躯体19、20の各屈折
部が弧状に連設され全体に丸みを帯びた外観を呈する。
又、中間クッション材21又は21′は、上記界面19
a、20a間にあって、該界面19a、20aの曲線面
に添うべく、その上下面が凹状の曲線面をなすことで端
部21c又は21′cが漸開状に形成されてなる。更
に、上、下部躯体19、20は、上記中間クッション材
21又は21′を介して連結部材5bとしての鋼棒をも
って連結されてなる。更に詳しくは、連結部材5bは予
め下部躯体20の界面20aの略中央部に一体的に植設
されてなり、上部躯体19の頂部から穿設した通孔8内
に前記連結部材5bを挿通し、且つモルタル等の固着材
14を充填してなるものである。而して、上記構成から
なる緩衝式防護柵1は、基礎コンクリート11から立設
せる連結部材5aとしてのアンカーボルトが下部躯体2
0の通孔8内に装填され、且つ該通孔8の下方漸縮状の
周壁及び連結部材5aの表面と固着してクッション材4
が装填されることで、通孔8内で連結部材5aとクッシ
ョン材4相互が連結一体化されてなる。尚、同図(イ)
に示すものは、中間クッション材21又は21′が道路
方向に隣接せる2個の上、下部躯体19、20間にわた
り、且つ断続して設けられることで、緩衝式防護柵1の
道路方向中央部において空所12が形成され、又、同図
(ロ)に示すものは、一の緩衝式防護柵1の界面19
a、20a間においてその道路方向中央部及び両端部に
空所12を設けるべく、2個の中間クッション材21又
は21′が断続して下駄歯状に設けられてなるものであ
る。
【0030】かかる緩衝式防護柵1にあっては、夫々凸
状の曲線面を呈する上、下部躯体19、20の界面19
a、20aとが上下対称状に、且つ側壁方向へ漸開状に
形成されてなるため、該曲線面間を充足する中間クッシ
ョン材21又は21′上で上部躯体19が側壁方向へ更
に揺れ動き易くなるとともに、中間クッション材21又
は21′の両端部21cまたは21′cも分厚くなっ
て、大なる衝撃力の吸収、緩和並びに上部躯体19の原
状復帰能力を高めることができる。又、上、下部躯体1
9、20の界面19a、20a間には側壁方向へ連通す
る空所12が断続的に形成され、一連の防護柵によって
区画された車線間が断続的に連通するために、走行車両
から発生する騒音や排気ガスが前記空所12を透過し、
滞留することなく消音、拡散して道路環境の悪化を抑制
するとともに、中間クッション材21又は21′の使用
量が減少して一連の緩衝式防護柵1を安価に構成するこ
とができる。尚、上記緩衝式防護柵1の各対車壁面6
は、下部躯体20の緩傾斜面と上部躯体19の急傾斜面
及びその上端部の膨出部13が上下に連なるとともに、
夫々の屈折部が弧状に連設されてなるため、衝突車両の
タイヤが緩傾斜面に乗り上げても衝撃が少なく、又、急
傾斜面によってそれ以上の乗り上げを阻止し、緩傾斜面
に沿ってタイヤが滑らかに下方へ移動しつつ減速するこ
とで車両を原走行路へ復帰させることができる。しか
も、前記膨出部13は、衝突車両がバウンド等を起こし
た際、その乗り越しを阻止するという作用効果を奏する
とともに、緩衝式防護柵1の敷設時に吊具の係止部とし
ても活用できるという利点もある。尚又、上記緩衝式防
護柵1にあっては、衝撃力が作用した時に、前記実施形
態と同様に通孔8内のクッション材4の弾性伸び変形を
もって衝撃力を吸収、緩和するとともに、同時に発生す
る引張力によって下部躯体20を原状に復帰させ、又、
基礎コンクリート11に植設されて通孔8内でクッショ
ン材4と連結された連結部材5aも弾性及び靭性力を有
するため、前記衝撃力の吸収作用を助勢する。
【0031】図は、緩衝式防護柵の他実施形態を示
し、該緩衝式防護柵1は、側壁方向における一方の壁面
が直面9に形成されて、防護柵の端面形状が略L字状に
形成されてなるものである。更に詳しくは、同図(イ)
に示すものは、一方(左側)の壁面が下方へ向け少許漸
開する直面9に形成され、上位の急傾斜面と下位の緩傾
斜面が連設せる対車壁面6を他方(右側)片側に設ける
とともに、底部3の全幅を前記直面9側に向けて曲線状
の上向面3aに形成することで、躯体1aが端面視略L
字状を呈する。又、同図(ロ)に示すものは、一方(左
側)の壁面が二分せる上、下部躯体19、20共下方へ
向けて少許漸開する直面9に形成され、他方(右側)の
壁面は、上部躯体19が上方で漸縮する急傾斜面の上端
部に略半円形の膨出部13を突出し、又、下部躯体20
が下方漸開状の緩傾斜面に形成されることで各々が対車
壁面6を構成し、該対車壁面6、前記直面9及び底部3
により、その端面形状が略L字状を呈するとともに、
上、下部躯体19、20の界面19a、20aが夫々凸
状の屈曲面に形成され、且つ該屈曲面に添うべく中間ク
ッション材21、21′の上下面が凹状の屈曲面に形成
されてなる。而して、上記(イ)及び(ロ)に示す通孔
8は、対車壁面6を構成する緩傾斜面に設けられるとと
もに、図(イ)に示す通孔8内には、基礎コンクリー
ト11から立設せる側面視略鼓形をなすクッション材4
が装填されて固着材14をもって一体化(クッション材
4の下位の周側壁4aが基礎コンクリート11に穿設し
た盲孔24の下方漸開状の周壁に添って、又、上位の周
側壁4aが固着材14を介して通孔8の下方漸縮状の周
壁に添う如く夫々固着され、上、下位の周側壁4aの付
根部付近が底部3と基礎コンクリート11との界面部に
位置する)されてなり、又、同図(ロ)に示す周壁が下
方漸縮状の通孔8内には、基礎コンクリート11に植設
した連結部材5aとしてのアンカーボルトが装填され、
クッション材4が充填固着されることで通孔8内で連結
部材5aとクッション材4相互が連結されてなる。この
緩衝式防護柵1は、道路の路側に設置され、直面9側を
歩道や自転車道等となして対車壁面6側を走行する車両
の衝突に際し、同図(ハ)及び(ニ)に示す如く、躯体
1a又は下部躯体20が傾倒するとともに、前記実施形
態と同様に伸び変形するクッション材4の弾性力をもっ
て衝撃力を吸収、緩和し、又、躯体1a又は下部躯体2
0を原状の起立状態に復帰せしめることで、路側におけ
る交通の安全を確保するものである。尚、同図(ハ)に
示すものは、その底部3全幅が曲線状の上向面3aに形
成されることで、その下位に空所12が形成されて基礎
コンクリート11との接触抵抗が少ないこと、又、同図
(ニ)に示すものは、その側壁部2が下方漸縮状の斜面
10に形成されて、道路面Rを構成する路材rとの接触
抵抗が少ないことから、躯体1a又は下部躯体20が直
面9側へ夫々傾倒し易くなるという作用効果を奏する。
【0032】次に、図10(イ)乃至(ホ)において中
間クッション材21、21′の態様が異なる他実施形態
について説明すると、同図(イ)に示すものは、上、下
部躯体19、20の界面19a、20a間が平行で、そ
の中央部に凹部19b、20bが形成されるとともに、
該上、下部躯体19、20を連結すべく、上下面の中央
部に凸部21d、21′dを設けることで略十字状をな
す中間クッション材21、21′が前記凹部19b、2
0bと凹凸嵌合されてなる。又、同図(ロ)に示すもの
は、上、下部躯体19、20の界面19a、20aが夫
々凸状の曲線面に形成され、該界面19a、20aの中
央部に凹部19b、20bが設けられるとともに、該
上、下部躯体19、20間に介在する中間クッション材
21、21′は、その上下面が前記凸状の曲線面をなす
界面19a、20aに添い、且つその上下面の中央部に
設けた凸部21d、21′dが前記凹部19b、20b
に凹凸嵌合した状態で設けられる。ここで、中間クッシ
ョン材21、21′の上下面に突設せる凸部21d、2
1′d内には、その上下方向にわたり鋼棒からなる補強
材27が設けられて凸部21d、21′d自体を増強す
るとともに、補強材27の弾性及び靭性力によって衝撃
力の吸収、緩和及び上部躯体19の原状復帰作用を助勢
するものであるが、かかる補強材27を装填することは
必須の条件ではない。又、同図(ハ)に示すものは、界
面19a、20aが夫々凸状の屈曲面状で、界面19a
には凹部19bが形成されるとともに、該界面19a、
20a間及び凹部19bを充足する中間クッション材2
1、21′が上下共凹状の屈曲面状で、その端部21
c、21′cが対車壁面6又は直面9より窪む凹陥面に
形成され、且つ上面に凸部21d、21′dを設けた略
凸型に形成されてなり、更に、同図(ニ)に示すもの
は、界面20aが凸状の曲線面状に、又、界面19aが
平坦面の中央に凸部19cを設けて形成されるととも
に、該界面19a、20a間を充足する中間クッション
材21、21′は、下面が凹状の曲線面状で上面が平坦
面に凹部21e、21′eを設けた偏平な略凹型に形成
されてなり、又、同図(ホ)に示すものは、界面19a
が凸状の屈曲面状で、界面20aが平坦面の中央に凸部
20cを設けて形成されるとともに、該界面19a、2
0a間を充足する中間クッション材21、21′は、そ
の端部21c、21′cが対車壁面6又は直面9より突
出する突出面に形成され、且つ上面が凹状の屈曲面状
で、下面が平坦面の中央に凹部21e、21′eを設け
た形状を呈してなるものである。かかる緩衝式防護柵1
にあっては、上、下部躯体19、20間に介在して衝撃
力を吸収、緩和し、又、上部躯体19を原状に復帰せし
める中間クッション材21、21′と界面19a、20
aとが、その少なくともその一面で凹凸嵌合し、相互の
一体性が確保されてなるため、衝撃力に対しても中間ク
ッション材21、21′が界面19a又は20aから離
脱することを未然に防止することができる。尚、上記実
施形態における端部21c、21′cの凹陥面或いは突
出面は、夫々側壁方向の両側に設けられてなるが、かか
る凹陥又は突出の態様はこれに限定されず片側にのみ設
けてもよく、又、凹陥面と突出面を左右に併存させても
よいものである。
【0033】更に、図11(イ)乃至(ハ)に示す中間
クッション材21、21′は、その端部21c、21′
c側において相接する界面19a、20aの端部に形成
された係止部19d、20dに係合するものであり、更
に詳しくは、同図(イ)の右側に示すものは、中間クッ
ション材21、21′の端部21c、21′c面におけ
る上下隅部が、凸状の曲線面となす界面19a、20a
の端部を水平面として隆起させることで形成される係止
部19d、20dに夫々係合され、且つ該端部21c、
21′c面が対車壁面6或いは直面9よりも少許凹陥し
てなる。又、同(イ)の左側に示すものは、中間クッシ
ョン材21、21′の上下隅部を欠設することで形成さ
れた切欠部21f、21′fが、凸状の曲線面となす界
面19a、20aの端部を該曲線面と同調に隆起させる
ことで形成される係止部19d、20dに夫々係合され
てなる。次に、同図(ロ)の左側に示すものは、中間ク
ッション材21、21′の下面及び界面20aの係合態
様が上記(イ)の左側に示すものと同様に形成され、中
間クッション材21、21′の上面及び界面19aが夫
々水平面に形成されてなり、又、同(ロ)の右側に示す
ものは、中間クッション材21、21′の上隅部を欠設
することで形成された切欠部21f、21′fが、水平
面となす界面19aの端部を水平面として隆起させるこ
とで形成される係止部19dに係合され、且つ中間クッ
ション材21、21′の下面及び界面20aを屈曲面に
形成してなる。更に、同図(ハ)の左側に示すものは、
中間クッション材21、21′の上下隅部を欠設するこ
とで形成された切欠部21f、21′fが、水平面とな
す界面19aの端部及び凸状の斜面となす界面20aの
端部を該斜面と同調に且つ平行面に隆起させることで形
成される係止部19d、20dに夫々係合されてなり、
又、同(ハ)の右側に示すものは、中間クッション材2
1、21′の上面及び界面19aが夫々水平面に形成さ
れ、中間クッション材21、21′の下隅部を欠設する
ことで形成された切欠部21f、21′fが、凸状の斜
面となす界面20aの端部を水平面として隆起させるこ
とで形成される係止部20dに係合されてなるものであ
る。尚、上記(ハ)における界面19aは、界面20a
から略山形を呈して突設する支持部30の頂点と略点接
触することで、該所を支点として回動可能な構造となる
が、かかる支持部30の道路方向への態様は、必要箇所
で必要長さに形成されてなるものであり、残余の部分、
即ち界面19aと支持部30が当接しない部分には中間
クッション材21、21′が位置し、それ自体を側壁方
向にわたり連続させる(同図(ニ)に例示)。かかる緩
衝式防護柵1における中間クッション材21、21′
は、相接する界面19a、20aの端部において係合処
置が施されてなるため、上、下部躯体19、20との一
体性が確保されてその離脱が防止されるものである。
【0034】図12(イ)及び(ロ)は、緩衝式防護柵
の他実施形態を示し、該緩衝式防護柵1は側壁方向の両
側を対車壁面6となし、側面視略鼓形をなすクッション
材4の上位の周側壁4aが対車壁面6の下位における通
孔8の下方漸縮状をなす周壁に、又、下位の周側壁4a
基礎コンクリート11の盲孔24の下方漸開状をなす
周壁に添って夫々固着されるとと もに、上、下位の周側
壁4aの付根部が底部3と基礎コンクリート11との界
面付近に位置されることで、躯体1a又は下部躯体2
0、基礎コンクリート11相互が一体的に連結されてな
るものであり、更に詳しくは、同図(イ)に示すもの
は、躯体1aの底部3の略中央部に該底部3から一体的
に突設し、基礎コンクリート11の上面に当接する断面
略台形状の支持部30が設けられ、その両側に空所12
が夫々形成されるとともに、側壁部2が下方漸縮状の斜
面10に形成され、且つ該斜面10を挟み込む基礎コン
クリート11との間には間仕切材29が設けられてなる
ものである。又、同図(ロ)に示すものは、下部躯体2
0の界面20aの略中央部に支持部30としての断面略
台形をなす凸部20cが設けられ、その両側に中央部が
断続せる中間クッション材21、21′を位置させ、
又、その上面から一体的に植設した連結部材5bに、上
部躯体19の頂部から穿設した通孔8を挿通するととも
に、前記支持部30としての凸部20cの上面と界面1
9aを当接させ、且つ通孔8内に固着材14を充填して
なる。更に、下部躯体20の底部3は、基礎コンクリー
ト11の上面が円弧状に膨出することで形成される支持
部30と当接し、その両側に空所12が夫々形成される
とともに、側壁部2と道路面Rの末端を構成する路材r
との間には、間仕切材29が設けられてなるものであ
る。かかる構成からなる緩衝式防護柵1によれば、防護
柵全体の自重が支持部30により、又、上部躯体19の
自重が支持部30としての凸部20cによって受承され
てなるため、常時においてはクッション材4又は中間ク
ッション材21、21′への載荷が少なくなって、クッ
ション材4又は中間クッション材21、21′の疲労、
劣化が未然に防止されるとともに、車両衝突時には支持
部30との当接部を支点となす回動可能な構造、及び該
当接部の両側に形成される空所12によって、躯体1a
又は上部躯体19又は下部躯体20が左右方向へより揺
れ動き易くなるという作用効果を奏するものである。
尚、同図(ロ)において、底部3と当接する支持部30
は、基礎コンクリート11上面から一体的に膨出成形さ
れてなるが、かかる構成に代えて同図の基礎コンクリー
ト11中に破線で示す如く、支持部30を別途埋設して
形成することも可能であり、又、上記各実施形態におけ
る支持部30の道路方向への態様は、必要箇所で必要長
さに設けることができて、任意箇所に回動可能な構造を
具備させることができる。
【0035】図13(イ)乃至(ハ)において、連結部
材の態様が異なる他実施形態について説明すると、同図
(イ)及び(ロ)における緩衝式防護柵1にあっては、
側壁方向の両側を対車壁面6となし、側壁部2と基礎コ
ンクリート11或いは路材rとの間に間仕切材29を設
けるとともに、側面視略鼓形をなすクッション材4の上
位の周側壁4a下部躯体20の通孔8の下方漸縮状を
なす周壁に、又、下位の周側壁4aが基礎コンクリート
11の盲孔24の下方漸開状をなす周壁に添って夫々固
着されるとともに、上、下位の周側壁4aの付根部が底
部3と基礎コンクリート11との界面付近に位置され
且つ下部躯体20を通し上部躯体19と基礎コンクリー
ト11とを連結する連結部材5cが設けられてなるもの
である。更に詳しくは、同図(イ)に示すものは、界面
19a、20a間に端部21c、21′cが漸開せる中
間クッション材21、21′を介在せしめ、界面19
a、20aの略中央から上部躯体19の頂部及びその両
側を直線状の上向面3aとなす下部躯体20の底部3中
央にわたる通孔8が夫々貫設されるとともに、基礎コン
クリート11から立設せる連結部材5cとしての鋼棒或
いは鋼板が下部躯体20を通過し、上部躯体19の下位
に至るべく長尺化されて前記上下に連通する通孔8内に
装填され、且つ該通孔8内に固着材14が充填されるこ
とで一体化が図られてなる。又、同図(ロ)に示すもの
は、凸状の曲線面をなす界面19a、20a間に中間ク
ッション材21、21′が介在され、界面20a及び全
体を曲線状の上向面3aとなす底部3より突出して、連
結部材5cとしてのアンカーボルトが下部躯体20を串
刺しする如く一体的に縦設されるとともに、上部躯体1
9の頂部より穿設した盲孔24の下端に設けた通孔8
に、前記連結部材5cの上突出部を挿通しナット26に
より締結することで上、下部躯体19、20が連結さ
れ、且つ基礎コンクリート11の上面に穿設した盲孔2
4内に固着材14を充填し、前記連結部材5cの下突出
部を挿入することで該緩衝式防護柵1が基礎コンクリー
ト11に連結されてなる。ここで、上記(イ)及び
(ロ)の下部躯体20において、凸状をなす屈曲面状又
は曲線面状の底部3の最突出部は、基礎コンクリート1
1の上面中央と一部当接する支持部30となるものであ
る。更に、同図(ハ)に示すものは、対車壁面6が片側
に設けられ、他方側が直面9に形成されることで、緩衝
式防護柵1が端面視略L字状を呈し、凸状の曲線面をな
す界面19a、20a間に中間クッション材21、2
1′が介在するとともに、前記界面19a、20aの略
中央部から上部躯体19の頂部及び下部躯体20の底部
3を一部突出させて形成した支持部30にわたる小径の
通孔8が夫々貫設され、且つ基礎コンクリート11から
立設せる連結部材5cとしてのアンカーボルトが長尺化
され、前記小径の通孔8内に位置して上、下部躯体1
9、20を貫通するとともに、上部躯体19の上面でナ
ット26により締結される。又、対車壁面6の下位の通
孔8内には、基礎コンクリート11に植設した連結部材
5aが装填され、通孔8の下方漸縮状をなす周壁及び連
結部材5aの表面と固着してクッション材4が充填さ
、通孔8内で連結部材5aとクッション材4が連結さ
てなる。尚、上記(ハ)に示す下部躯体20の支持部
30は、その底部3から一体的に形成されてなるが、か
かる支持部30の態様はこれに限定されず、例えて図
(ニ)に示す如く、平坦な底部3及び基礎コンクリー
ト11上面間に他の支持部30を別途介在させて形成す
ることも可能である(前出の図12(イ)、(ロ)に示
すものも同様で、又、同(ロ)に示す支持部30として
の凸部20cに代えて介在させることもできる)。
【0036】上記図13(イ)乃至(ニ)に示す緩衝式
防護柵1にあっては、クッション材4の連結作用に加え
て上、下部躯体19、20、中間クッション材21、2
1′及び基礎コンクリート11が一の連結部材5cによ
って連結されるから、全体を一体性に富む構造となすこ
とができるとともに、支持部30の存在により、底部3
と基礎コンクリート11間に夫々空所12が形成され
て、底部3と基礎コンクリート11との接触面積が少な
くなり、且つ支持部30と当接する部分を支点とする回
動可能な構造によって、下部躯体20が側壁方向へ傾倒
し易くなるという作用効果を奏する。
【0037】図14(イ)は、端面視略L字状をなす緩
衝式防護柵の他実施形態を示し、該緩衝式防護柵1の躯
体1aは、一方の壁面が下方で少許漸開する直面9に形
成され、対車壁面6が他方片側に形成されるとともに、
該対車壁面6の下端部を道路面R方向へ延設することで
平坦部6′が形成され、しかも、底部3と連設せる前記
直面9の下部が直面9側へ向けて漸開する曲線状の上向
面3aに形成されることで端面視が略L字状を呈する。
次に、図14(ロ)及び(ハ)において、前記通孔8内
に装填されるクッション材4について説明すると、先
ず、同図(ロ)に示す如く、通孔8内に基礎コンクリー
ト11から立設せる連結部材5aとしてのアンカーボル
トを位置させ、該連結部材5aに筒状を呈するクッショ
ン材4の通孔8′を挿通するとともに、かかるクッショ
ン材4の上面に座金28を当接してナット26を螺合す
る。そして、ナット26を螺締するとクッション材4が
徐々に圧迫され、且つ弾性変形を起こすことで同図
(ハ)に示す如き、通孔8の周壁とクッション材4の周
側壁4aとが下方漸縮状の斜面にあって全面圧接状態と
なり、通孔8内で連結部材5aとクッション材4が連結
され、かかるクッション材4によって連結部材5aに躯
体1aが連結されることとなる。又、前記直面9の下位
にある上向面3aと基礎コンクリート11間にも断面略
楔形をなす底部用のクッション材32が介装されてな
る。この緩衝式防護柵1は、躯体1aの対車壁面6が全
体に丸みを帯びた形状であるため、該対車壁面6に衝突
した車両の移行がスムーズに行われる点(前図に記し
た緩衝式防護柵1と同様)、又、衝撃力Fの作用により
躯体1aが回動しようとする際の支点から連結部材5a
までの水平距離Bが長いことで転倒に対する抵抗力が大
きい点、更に、底部3の直面9側が曲線状の上向面3a
に形成されるとともに、側壁部2が下方漸縮状の斜面1
0に形成されて躯体1aが傾倒し易いと同時に、直面9
下部に位置する底部用のクッション材32が直面9側へ
向け漸次分厚くなり大なる衝撃力に対しても十分に弾性
変形して縮み、又、反発することで衝撃力の緩和並びに
原状復帰能力に優れている点から、直面9側(道路外)
が低い地形(崖、水際等)等、危険箇所への設置に適し
ている。
【0038】図15(イ)は、緩衝式防護柵の他実施形
態を示し、端面形状が略L字状に形成された緩衝式防護
柵1を2個用い、且つ相互を離隔して並列させるととも
に、その直面9を対向させクッション材4をもって基礎
コンクリート11と連結することで形成される空所12
内に土壌16を充填してなるものである。そして、該土
壌16上位に植樹を施してグリーンベルトを具備する中
央分離帯を構成するものである。更に詳しくは、左右両
側における緩衝式防護柵1の外観は、側壁方向の一方の
壁面が直面9に、又、他方が対車壁面6に形成されて端
面視略L字状を呈するが、該対車壁面6の下位を円弧状
に形成するとともに、道路面R側に延設して平坦部6′
となし、且つ該平坦部6′の側壁部2を下方漸縮状の斜
面10に、又、前記直面9の下部を直線状の上向面3a
に形成してなるものである。そして、前記平坦部6′に
穿設せる通孔8内に基礎コンクリート11から立設せる
連結部材5aとしてのアンカーボルトを装填するととも
に、通孔8の下方漸縮状をなす周壁及び連結部材5aの
表面と固着してクッション材4を充填さ、通孔8内で
連結部材5aとクッション材4を連結することで該所を
緩衝体となすものである。ここで、同図左側における緩
衝式防護柵1は、上部躯体19と下部躯体20とに二分
され、該上、下部躯体19、20間に介在する中間クッ
ション材21、21′は、直面9側へ向けて漸開状(界
面20a全体が直面9側へ下る曲線面に形成され、これ
に添って中間クッション材21、21′の下面が漸開す
る)に形成され、又、保水材22及び/又は断熱材23
が直面9に添着されてなる。
【0039】かかる緩衝式防護柵1にあっては、対車壁
面6の下位が円弧面に形成されているため、衝突車両の
タイヤが該円弧面でスリップすることで、その衝撃力を
減衰せしめる、又、図15(ロ)に示す如く、対車壁面
6に衝撃力が作用した際は、底部3の端点3bを支点と
し、通孔8内のクッション材4が伸びることで躯体1a
又は下部躯体20が直面9側へ傾倒して(直面9の下方
を上向面3aとなしているため、その端点3bと連結部
材5a間の水平距離が短くなって傾倒し易い)衝撃力を
吸収、緩和するとともに通孔8内でクッション材4と
連結する連結部材5aがその弾性及び靭性力により前記
衝撃力の吸収作用を助勢する、更に、緩衝式防護柵1自
体の重心Wが端点3bから外側に逸脱することなく底部
3内にあること、並びにクッション材4の伸びと同時に
発生する引張力Ptにより傾倒した躯体1a又は下部躯
体20が素早く原状に復帰する、又、路材rと接触する
側壁部2が下方漸縮状の斜面10に形成されているた
め、傾倒時に側壁部2が路材r面から抜け易い、といっ
た利点をも有するものである。
【0040】又、躯体1a又は上部躯体19の対車壁面
6の上端部における膨出部13によって、車両の排気ガ
スを車道側に波返し、樹木への直撃を避けることができ
るとともに、充填土壌16が直接地盤と連続し、且つ保
水材22を設けた場合は、土壌16が適度な含水状態に
保たれ、又、断熱材23を設けた場合は、日光や排気ガ
スを浴びて高温化した上、下部躯体19、20からの伝
導熱が遮断され、その乾燥が防止されるために、樹木が
枯死することなく常に繁茂し、その緑によってドライバ
ーの目の疲れを和らげることができる。更に、前記クッ
ション材4及び中間クッション材21、21′の作用効
果に加えて、充填土壌16も対車壁面6に作用する衝撃
力を受承して吸収、緩和するとともに、躯体1a又は
上、下部躯体19、20を衝突側へ押し戻すという作用
効果を奏するため、二重、三重の緩衝及び原状復帰能力
を発揮することとなる。尚、保水材22の設置にあって
は、図15の左側に示す如く、直面9側における中間ク
ッション材21、21′の端部21c、21′cと保水
材22とを当接させ、且つ中間クッション材21、2
1′が透水性を有するべく多孔質材等によって形成され
れば、上部躯体19の対車壁面6を流下する雨水等を道
路側の端部21c、21′cで吸水するとともに、その
透水機能をもって直面9側で当接する保水材22へ水分
を補給できるという作用を奏する。ここで、同図に示す
如く、中間クッション材21、21′の下面及び界面2
0aを直面9側へ向けて下向面に形成すると、保水材2
2への水流れ勾配が得られてより効率的な給水が行える
ものである。
【0041】図16は、端面視略L字状でその背後に土
壌16を有する緩衝式防護柵の他実施形態を示し、かか
る緩衝式防護柵1における上、下部躯体19、20は、
均一厚みの中間クッション材21′を介して連結部材5
bとしての鋼棒をもって夫々連結されてなる。より詳し
くは、連結部材5bは予め下部躯体20の界面20aに
一体的に植設されてなり、上部躯体19の頂部から穿設
した通孔8内に、前記連結部材5bを挿通し且つ固着材
14を充填してなるものである。そして、下部躯体20
の直面9の下位を円弧状の上向面3aに形成して、その
上位の直面9に保水材22及び/又は断熱材23を添着
するとともに、対車壁面6の下位に穿設した通孔8内に
基礎コンクリート11から立設せるクッション材4を装
填する(側面視略鼓形をなすクッション材4の下位の周
側壁4aが基礎コンクリート11に穿設せる盲孔24の
下方漸縮状をなす周壁に、上位の周側壁4aが通孔8の
下方漸縮状をなす周壁に添って夫々固着されるととも
に、上、下位の周側壁4aの付根部をなす屈曲部4bが
底部3と基礎コンクリート11との界面に位置される)
ことで、該緩衝式防護柵1が基礎コンクリート11と連
結されてなるものであり、本図においては、他の構造物
17間とに空所12を形成し、且つ土壌16を充填して
植樹を施すことで路側にグリーンベルトを構築するもの
である。尚、当該クッション材4内には、その上下方向
にわたり鋼棒からなる補強材27が装填され、特に大き
な引張力が作用する屈曲部4bを増強してなるものであ
る。
【0042】上記各実施形態において、緩衝式防護柵1
を連結部材5a、5b、5cによって一体的に連結する
構成となした場合は、かかる連結部材5a、5b、5c
も弾性力を有するために、衝撃力の吸収、緩和並びに
上、下部躯体19、20の原状復帰作用を助勢し、且つ
衝撃力が極度に大きい場合は、連結部材5a又は5b又
は5cが上部躯体19又は下部躯体20とともに折れ曲
がることにより、その衝撃を吸収するという作用効果を
奏することとなる。特に、長尺化された連結部材5cに
よれば、その弾性及び靭性力も長さに比例して増大し、
衝撃力の吸収、緩和能力並びに上、下部躯体19、20
の原状復帰能力も一層高まり、緩衝式防護柵1全体を安
全な構造となすことができる。
【0043】又、前記各実施形態において外部に露出す
るクッション材4の上端部及び/又は中間クッション材
21、21′の端部21c、21′cの少なくとも一部
に、必要に応じて着色材、反射材、蓄光材及び蛍光材か
らなる群から選ばれた少なくとも一を標示することがで
きるものであり、該群から選ばれた材を有するクッショ
ン材によれば、その材を有する部位が視線誘導効果を奏
して交通の円滑化を図れるとともに、緩衝式防護柵1自
体を危険位置としてドライバーに明示し、特に夜間にお
ける衝突を回避することができる。尚、上記群から選ば
れた材を各クッション材の素材中に元から混入させても
よく、又、その色調も自由で、更に、後塗装、後接着す
る等、その標示手段は自由である。
【0044】上記各実施形態における緩衝式防護柵1の
基本的な断面形状は一例であり、具体的な形状はこれら
に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内で
設計変更可能である。又、側面視を略鼓形となすクッシ
ョン材4の外観全体形状は、円柱、楕円柱、角柱、多角
柱等、種々の柱体状となすことが可能で、要は、その略
中央部に屈曲部4bが形成されて側面視を略鼓形に形成
するものであればよく、その外観全体形状は問わない。
しかも、該クッション材4の装填方法や数も限定されな
い。
【0045】更に、上記各実施形態における中間クッシ
ョン材21、21′の道路方向への長さは、緩衝式防護
柵1の長さによって制約されるものではなく、本発明の
意図する範囲内で任意に変更可能である。又、その端面
形状も一例であり、側壁方向に向けて漸開するもの、均
一厚みのもの、上下面の少なくとも一方が凹状の屈曲面
又は曲線面のもの、その略中央部が断続してなるもの、
或いは、その上面及び/又は下面に凸部21d、21′
d及び/又は凹部21e、21′eを設けたもの等に夫
々置換して種々な緩衝式防護柵1を構成することが可能
である。
【0046】又、連結部材5、5b、5c又は補強材
27としての鋼棒又はアンカーボルトは、機械的性質た
る弾性及び靭性力において優位性を有し、その使用に好
適であるが、該連結部材5、5b、5c又は補強材2
7には鋼板、ワイヤー、ロープ等を使用することもでき
るもので、その具体的な材質や連結方法は問わない、更
に、該連結部材5、5b、5c及び補強材27の数や
位置等も限定されない。
【0047】又、上記各実施形態において、基礎コンク
リート11の態様が、断面形状を略凹型になすもの、支
持部30や盲孔24及び付属品(連結部材5a、5cや
間仕切材29等)を有してなるもの、或いはこれらが混
在してなるもの等、複雑化してその現場施工が煩雑にな
る恐れのあるものは、これに代えて予め上記要件を具備
させて製品化してなる基礎用ブロックと置換することも
でき、この場合は、基礎用ブロック上位の緩衝式防護柵
1を含めて迅速施工性を確保することができる。
【0048】
【発明の効果】本発明に係る緩衝式防護柵は、躯体の車
両走行側に位置する側壁を対車壁面となし車両の走行方
向に沿って設置される防護柵であって、前記対車壁面の
下位にその周壁が下方漸縮状をなす通孔を穿設し、該通
孔内に側面視略鼓形をなす緩衝体たるクッション材の上
位の周側壁を装着するとともにその下位の周側壁を基礎
コンクリート内に位置せしめてなるために、該緩衝式防
護柵のクッション材を基礎コンクリート内に連結せしめ
ると、車両が誤って当該緩衝式防護柵の対車壁面に衝突
しても、その衝撃力により躯体が車両衝突側と反対側に
傾倒し、車両衝突側にあって側面視略鼓形をなすクッシ
ョン材が躯体の底部と基礎コンクリートの上面間で引っ
張りによる弾性変形を起こして伸びることで、その衝撃
力が吸収、緩和されて衝突車両の損傷やドライバーの負
傷を未然に防止するとともに、衝撃力退避後には、前記
伸び変形を起こすと同時に発生するクッション材の引張
力が躯体を車両衝突側へ引き戻すことで、防護柵が起立
して原状に復帰する。
【0049】又、本発明に係る緩衝式防護柵は、車両走
行側に位置する上部躯体と下部躯体の側壁を対車壁面と
なし車両の走行方向に沿って設置される防護柵であっ
て、前記上、下部躯体の界面間に、その側壁方向の側部
に向けて漸開する中間クッション材が介在され、或いは
前記界面間にその密度又は硬度を変化せしめることで両
端部側の部位程漸次大きな弾性変形を起こす帯状の中間
クッション材がその側壁方向にわたって介在され、更
に、下部躯体の対車壁面下位にその周壁が下方漸縮状を
なす通孔を穿設し、該通孔内に側面視略鼓形をなす緩衝
体たるクッション材の上位の周側壁を装着するととも
に、その下位の周側壁を基礎コンクリート内に位置しめ
るか、或いは、前記通孔内に装着した緩衝体たるクッシ
ョン材と基礎コンクリートに植設した連結部材とを通孔
内で連結せしめてなるために、車両のタイヤ等が誤って
前記下部躯体の対車壁面に接触すると、その衝撃力によ
り下部躯体が車両接触側と反対側に傾倒し、通孔内に設
けたクッション材が底部と基礎コンクリート間にあって
引っ張られることで弾性変形を起こして伸び、又、衝突
の度合いが激しくその車両が防護柵の上位に至って、上
部躯体の対車壁面に衝突すると、該上部躯体が車両衝突
側と反対側に傾倒し、上、下部躯体の界面間に介在され
た中間クッション材が圧縮されることで弾性変形を起こ
して縮む。この時、上、下部躯体の側部へ行く程、界面
間の距離変位が大きくなり、これに伴って圧縮力も大き
くなるが、側壁方向の側部に向けて漸開状に形成された
中間クッション材にあっては、側部末端に大なる圧縮力
が作用しても、その分厚い端部が十分に弾性変形して縮
み、上部躯体の傾倒に追随する。而して、中間クッショ
ン材にその密度又は硬度を変化せしめて両端部側の部位
程漸次大きな弾性変形を起こす帯状のものを使用する
と、側壁方向の中央部から側部へ移行する程大きくなる
圧縮力に応じた弾性変形(縮み)を中間クッション材に
生じさせることが可能となるから、その厚みが側壁方向
にわたって均一に形成されていても、上記弾性変形によ
って傾倒せる上部躯体を確実に受承する。従って、下部
躯体の通孔内に設けられるクッション材並びに上、下部
躯体間の中間クッション材の弾性変形作用によって、車
両衝突時の衝撃力が二重に吸収、緩和されて衝突車両の
損傷やドライバーの負傷を未然に防止するとともに、衝
撃力が退避した後には、前記伸び変形せるクッション材
の引張力及び圧縮変形せる中間クッション材の反発力に
より傾倒せる上、下部躯体を車両衝突側へ引っ張り又は
押し戻し、原状に起立せしめて交通の安全を確保する。
【0050】又、本発明に係る緩衝式防護柵は、上、下
部躯体の界面の少なくとも一方が凸状の屈曲面又は曲線
面に形成され、これに添うべく中間クッション材の上下
面の少なくとも一方が凹状の屈曲面又は曲線面に形成さ
れてなるために、界面が呈する凸状の面形状によって上
部躯体が側壁方向へ揺れ動き易くなるとともに、対車壁
面側から作用する衝撃力により上部躯体が傾倒して大な
る圧縮力が作用する端部側程、中間クッション材の厚み
が分厚く形成されてなり、対車壁面に作用する大なる衝
撃力に対しても中間クッション材が挫滅することなく縮
んで衝撃力を効率的に吸収、緩和し、又、その反発力も
大きくなってより短時間のうちに上部躯体を原状に復帰
させる。
【0051】又、本発明に係る緩衝式防護柵は、中間ク
ッション材の略中央部が断続してなるために、その平面
形状が略梯子状を呈して、上、下部躯体の界面間におけ
る略中央部に空所を形成し、中間クッション材と界面相
互間の接触面積及び抵抗を少なくすることで上部躯体を
より傾倒し易くする。
【0052】又、本発明に係る緩衝式防護柵は、中間ク
ッション材が車両走行方向に断続してなるために、上、
下部躯体の界面間に空所が形成され、防護柵によって区
画された車線間が断続的に連通するので、走行車両が発
する騒音や排気ガスが前記空所内を透過し、滞留せずに
消音、拡散することで道路環境が保全され、且つ中間ク
ッション材の使用量が減少して一連の防護柵が安価に構
成される。
【0053】又、本発明に係る緩衝式防護柵は、中間ク
ッション材が上、下部躯体のそれぞれの界面に固着され
てなるために、上部躯体の傾倒により衝撃力を吸収した
片側の中間クッション材が界面間において圧縮による弾
性変形を起こして縮んでいる時、これとは反対側の中間
クッション材が固着された該界面間で伸び変形を起こす
と同時に上部躯体を下部躯体側へ引き戻す引張り作用を
奏することとなり、衝撃力退避後には前記中間クッショ
ン材の圧縮による反発作用と引っ張り作用とが左右交互
に繰り返されることで、上部躯体の過度な傾倒を防止す
るとともに、短時間のうちに上部躯体を原状に復帰させ
る。
【0054】又、本発明に係る緩衝式防護柵は、上部躯
体及び下部躯体が連結部材によって連結されるか、或い
は、上部躯体が下部躯体を通し基礎コンクリートと連結
する連結部材によって連結されてなるために、かかる連
結部材の弾性及び靭性力により、中間クッション材によ
る衝撃力の吸収、緩和並びに上部躯体の原状復帰作用を
助勢し、且つ極度な衝撃力に対しても連結部材の強靭な
締結力により、上、下部躯体、並びに基礎コンクリート
とを一体化させて上部躯体の移動や転倒を阻止する。
【0055】又、本発明に係る緩衝式防護柵は、通孔が
対車壁面の下端部から車両走行側に延設せる平坦部に設
けられてなるために、衝撃力の作用により防護柵が車両
衝突側と反対側へ回動しようとする際の支点から、クッ
ション材を有して緩衝体及び基礎コンクリートとの連結
部をなす通孔までの水平距離が長くなり、該水平距離と
自重が乗じられて得られる抵抗モーメントを大となし、
転倒に対する抵抗力に富む構造となす。
【0056】又、本発明に係る緩衝式防護柵は、底部の
少なくとも片側又は全幅が側壁方向へ向けて直線状又は
屈曲線状又は曲線状の上向面に形成されてなるために、
該底部の上向面の下位には空所が形成されて、底部と基
礎コンクリートとの接触面積及び抵抗が少なくなり、対
車壁面に作用する衝撃力に対して躯体及び下部躯体が側
壁方向へ傾倒し易くなる。
【0057】又、本発明に係る緩衝式防護柵は、前記上
向面と基礎コンクリート間に底部用のクッション材を介
在させてなるために、対車壁面に衝撃力を受けて傾倒す
る側程分厚くなる底部用のクッション材が、上向面の下
位にあって躯体又は下部躯体を受承し、前記クッション
材或いは中間クッション材の作用と相まって衝撃力を効
率的に吸収、緩和するとともに、その反発力が躯体又は
下部躯体の原状復帰作用に寄与する。
【0058】又、本発明に係る緩衝式防護柵は、対車壁
面の一方が直面に形成され、端面視略L字状に形成され
てなるために、対車壁面側を車道となし、且つ他方直面
側を歩道や自転車道等となすことにより、道路の路側に
おける交通の安全をも確保する。
【0059】又、本発明に係る緩衝式防護柵は、端面視
略L字状の防護柵を離隔して並列させ、且つその直面を
対向させることで形成される直面間の空所内に土壌を充
填してなるために、前記クッション材及び中間クッショ
ン材による衝撃力の吸収、緩和作用に加えて、直面と接
する充填土壌が衝撃力を受承して吸収することで、衝突
車両に対する耐力が更に向上するとともに、土壌面に植
樹を施すとグリーンベルトを有する防護柵が形成され
て、その緑がドライバーの目の疲れを和らげる。
【0060】又、本発明に係る緩衝式防護柵は、前記直
面に保水材及び/又は断熱材を設けてなるために、直面
側に充填された土壌が保水材によって適度な含水状態に
保たれ、又、断熱材によって日光や排気ガスを浴びて高
温化した躯体又は上、下部躯体からの伝導熱が遮断さ
れ、その乾燥が防止されるので、充填土壌が植生繁茂に
好適な状態に常時維持される。
【0061】又、本発明に係る緩衝式防護柵は、対車壁
面の下端部に設けられる側壁部が下方漸縮状の斜面に形
成されてなるために、該側壁部が設置に際して道路面下
に位置し、路材と当接しても、下方漸縮状の斜面に形成
されてなる側壁部は、躯体又は下部躯体の傾倒時に、当
接せる路材面から容易に離脱してその動作に支障を来さ
ない。
【0062】又、本発明に係る緩衝式防護柵は、躯体の
車両走行側に位置する側壁を対車壁面となし車両の走行
方向に沿って設置される防護柵であって、一方の対車壁
面の下位、又はその対車壁面の下端部を車両走行側に延
設せしめた平坦部にその周壁が下方漸縮状をなす通孔を
穿設し、他方の対車壁面を直面に形成してその下部を上
向面となし、躯体を端面視略L字状に形成するととも
に、前記通孔内に側面視略鼓形をなす緩衝体たるクッシ
ョン材の上位の周側壁を装着するとともに、その下位の
周側壁を基礎コンクリート内に位置しめるか、或いは、
前記通孔内に装着した緩衝体たるクッション材と基礎コ
ンクリートに植設した連 結部材とを通孔内で連結せしめ
てなるために、対車壁面側を車道となし、又、他方直面
側を歩道や自転車道等となすことが可能で、道路の路側
における交通の安全をも確保することができるととも
に、直面の下部にある上向面が底部と基礎コンクリート
との接触面積及び抵抗を減少せしめて、対車壁面に作用
する衝撃力に対し躯体をより傾倒しやすくし、更に、通
孔内に装着されたクッション材が弾性変形を起こして伸
びることで、前記衝撃力を吸収、緩和し、且つ衝撃力退
避後には、前記び変形を起こすと同時に発生するクッ
ション材の弾性引張力によって躯体を原状の起立状態に
復帰させることができる。
【0063】又、本発明に係る緩衝式防護柵用のクッシ
ョン材は、その側面視が略鼓形に形成されて上位周側壁
が通孔の周壁に、下位周側壁が基礎コンクリートの盲孔
の周壁に添うようになされているために、通孔内に装填
され、又基礎コンクリート内に埋設される際には、側面
視略鼓形で略く字状を呈する上位及び下位の周側壁に通
孔及び基礎コンクリートの周壁が添って食い込む如く接
するので、引張力が作用しても、その接触抵抗によりク
ッション材が通孔又は基礎コンクリートから離脱しない
うえに、略く字状の屈曲部がその両端部より細く形成さ
れて引っ張りに伴う伸び変形を起こし易くする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す緩衝式防護柵であっ
て、(イ)は敷設状態を示す一部正面図、(ロ)は同平
面図、(ハ)は(イ)におけるA−A断面図、(ニ)は
クッション材の正面図、(ホ)は同平面図、(ヘ)は
(ニ)におけるB−B断面図。
【図2】(イ)は図1に示す緩衝式防護柵の衝突状態を
示す敷設断面図、(ロ)は同一部拡大断面図。
【図3】本発明の他実施形態を示す緩衝式防護柵であっ
て、(イ)は敷設状態を示す一部正面図、(ロ)は同平
面図、(ハ)は(イ)におけるC−C断面図、(ニ)は
他のクッション材の正面図、(ホ)は同平面図、(ヘ)
は(ニ)におけるD−D断面図。
【図4】本発明に係る中間クッション材の一実施形態を
示し、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)におけるE−E
断面図。
【図5】(イ)乃至(ホ)は図に示す緩衝式防護柵の
衝突状態を示す敷設断面図、但し(ニ)及び(ホ)は一
部拡大断面図。
【図6】本発明の他実施形態を示す緩衝式防護柵であっ
て、(イ)は敷設断面図、(ロ)は上、下部躯体及び中
間クッション材の連結部を示す一部拡大断面図、(ハ)
は同連結部の衝突状態を示す一部拡大断面図、(ニ)は
他の中間クッション材を示す断面図、(ホ)は中間クッ
ション材の他の核部を示す断面図。
【図7】本発明の他実施形態を示す緩衝式防護柵であっ
て、(イ)は敷設状態を示す一部正面図、(ロ)は
(イ)におけるF−F断面図、(ハ)は同G−G断面
図、(ニ)は同J−J断面図、(ホ)は(ニ)における
L−L断面図、(ヘ)及び(ト)は他の上、下部躯体の
連結部を示す一部断面図、(チ)は他の中間クッション
材を示す平面図。
【図8】本発明の他実施形態を示す緩衝式防護柵であっ
て、(イ)及び(ロ)は敷設状態を示す一部正面図、
(ハ)は(イ)及び(ロ)におけるH−H断面図、
(ニ)は同I−I断面図。
【図9】(イ)及び(ロ)は本発明の他実施形態を示す
緩衝式防護柵の敷設断面図、(ハ)及び(ニ)は衝突状
態を示す一部敷設断面図。
【図10】(イ)乃至(ホ)は本発明の他実施形態に係
る緩衝式防護柵の上、下部躯体の連結状態を示す一部断
面図。
【図11】(イ)乃至(ハ)は本発明の他実施形態に係
る緩衝式防護柵の上、下部躯体の連結状態を示す一部断
面図、(ニ)は(ハ)におけるK−K断面図。
【図12】(イ)及び(ロ)は本発明の他実施形態を示
す緩衝式防護柵の敷設断面図。
【図13】(イ)乃至(ハ)は本発明の他実施形態を示
す緩衝式防護柵の敷設断面図、(ニ)は同一部敷設断面
図。
【図14】本発明の他実施形態を示す緩衝式防護柵であ
って、(イ)は敷設断面図、(ロ)及び(ハ)は連結状
態を示す一部拡大断面図。
【図15】本発明の他実施形態を示す緩衝式防護柵であ
って、(イ)は敷設断面図、(ロ)は衝突状態を示す一
部断面図。
【図16】本発明の他実施形態に係る緩衝式防護柵の一
部敷設断面図。
【符号の説明】 1…緩衝式防護柵、2…側壁部、3…底部、3a…上向
面、3b…端点、4,4″,4″′,32…クッション
材、4a…周側壁、4b…屈曲部、5a,5b,5c…
連結部材、6…対車壁面、6′…平坦部、7…接続壁、
8,8′…通孔、9…直面、11…基礎コンクリート、
12…空所、13…膨出部、14…固着材、16…土
壌、19…上部躯体、20…下部躯体、19a,20a
…界面、19b,20b,21e,21′e…凹部、1
9c,20c,21d,21′d…凸部、19d,20
d…係止部、21,21′…中間クッション材、21′
a…核部、21′b…表皮層、21c,21′c…端
部、21f,21′f…切欠部、22…保水材、23…
断熱材、24…盲孔、25…キャップ、26…ナット、
27…補強材、28…座金、29…間仕切材、30…支

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 躯体(1a)の車両走行側に位置する側
    壁を対車壁面(6)となし車両の走行方向に沿って設置
    される防護柵であって、前記対車壁面(6)の下位に
    の周壁が下方漸縮状をなす通孔(8)を穿設し、該通孔
    (8)内に側面視略鼓形をなす緩衝体たるクッション材
    (4)の上位の周側壁(4a)を装着するとともに、そ
    の下位の周側壁(4a)を基礎コンクリート(11)内
    に位置せしめることを特徴とする緩衝式防護柵。
  2. 【請求項2】 車両走行側に位置する上部躯体(19)
    と下部躯体(20)の側壁を対車壁面(6)となし車両
    の走行方向に沿って設置される防護柵であって、前記
    上、下部躯体(19)、(20)の界面(19a)、
    (20a)間に、その側壁方向の側部に向けて漸開する
    中間クッション材(21)が介在されるとともに、下部
    躯体(20)の対車壁面(6)下位にその周壁が下方漸
    縮状をなす通孔(8)を穿設し、該通孔(8)内に側面
    視略鼓形をなす緩衝体たるクッション材(4)の上位の
    周側壁(4a)を装着するとともに、その下位の周側壁
    (4a)を基礎コンクリート(11)内に位置せしめる
    か、或いは、前記通孔(8)内に装着した緩衝体たるク
    ッション材(4)と基礎コンクリート(11)に植設し
    た連結部材(5a)とを通孔(8)内で連結せしめてな
    ることを特徴とする緩衝式防護柵。
  3. 【請求項3】 車両走行側に位置する上部躯体(19)
    と下部躯体(20)の側壁を対車壁面(6)となし車両
    の走行方向に沿って設置される防護柵であって、前記
    上、下部躯体(19)、(20)の界面(19a)、
    (20a)間に、その密度又は硬度を変化せしめること
    で両端部(21′c)側の部位程漸次大きな弾性変形を
    起こす帯状の中間クッション材(21′)がその側壁方
    向にわたって介在されるとともに、下部躯体(20)の
    対車壁面(6)下位にその周壁が下方漸縮状をなす通孔
    (8)を穿設し、該通孔(8)内に側面視略鼓形をなす
    緩衝体たるクッション材(4)の上位の周側壁(4a)
    装着するとともに、その下位の周側壁(4a)を基礎
    コンクリート(11)内に位置せしめるか、或いは、前
    記通孔(8)内に装着した緩衝体たるクッション材
    (4)と基礎コンクリート(11)に植設した連結部材
    (5a)とを通孔(8)内で連結せしめてなることを特
    徴とする緩衝式防護柵。
  4. 【請求項4】 前記界面(19a)、(20a)の少な
    くとも一方が凸状の屈曲面又は曲線面に形成され、これ
    に添うべく中間クッション材(21)、(21′)の上
    下面の少なくとも一方が凹状の屈曲面又は曲線面に形成
    されてなる請求項2又は3記載の緩衝式防護柵。
  5. 【請求項5】 前記中間クッション材(21)、(2
    1′)の略中央部が断続してなる請求項2乃至4の何れ
    かに記載の緩衝式防護柵。
  6. 【請求項6】 前記中間クッション材(21)、(2
    1′)が車両走行方向に断続してなる請求項2乃至5の
    何れかに記載の緩衝式防護柵。
  7. 【請求項7】 前記中間クッション材(21)、(2
    1′)が上、下部躯体(19)、(20)の界面(19
    a)、(20a)に固着されてなる請求項2乃至6の何
    れかに記載の緩衝式防護柵。
  8. 【請求項8】 前記上部躯体(19)及び下部躯体(2
    0)が連結部材(5b)によって連結されるか、或い
    は、上部躯体(19)が下部躯体(20)を通し基礎コ
    ンクリート(11)と連結する連結部材(5c)によっ
    て連結されてなる請求項2乃至7の何れかに記載の緩衝
    式防護柵。
  9. 【請求項9】 前記通孔(8)が対車壁面(6)の下端
    部から車両走行側に延設せる平坦部(6′)に設けられ
    てなる請求項1乃至8の何れかに記載の緩衝式防護柵。
  10. 【請求項10】 前記防護柵の底部(3)の少なくとも
    片側又は全幅が側壁方向へ向けて直線状又は屈曲線状又
    は曲線状の上向面(3a)に形成されてなる請求項1乃
    至9の何れかに記載の緩衝式防護柵。
  11. 【請求項11】 前記上向面(3a)と基礎コンクリー
    ト(11)間に底部用のクッション材(32)を介在さ
    せてなる請求項10記載の緩衝式防護柵。
  12. 【請求項12】 前記対車壁面(6)の一方が直面
    (9)に形成され、端面視略L字状に形成されてなる請
    求項1乃至11の何れかに記載の緩衝式防護柵。
  13. 【請求項13】 前記防護柵を離隔して並列させ、且つ
    その直面(9)を対向させることで形成される直面
    (9)間の空所(12)内に土壌(16)を充填してな
    る請求項12記載の緩衝式防護柵。
  14. 【請求項14】 前記直面(9)に保水材(22)及び
    /又は断熱材(23)を設けてなる請求項12又は13
    記載の緩衝式防護柵。
  15. 【請求項15】 前記対車壁面(6)の下端部に設けら
    れる側壁部(2)が下方漸縮状の斜面(10)に形成さ
    れてなる請求項1乃至14の何れかに記載の緩衝式防護
    柵。
  16. 【請求項16】 躯体(1a)の車両走行側に位置する
    側壁を対車壁面(6)となし車両の走行方向に沿って設
    置される防護柵であって、一方の対車壁面(6)の下
    位、又はその対車壁面(6)の下端部を車両走行側に延
    設せしめた平坦部(6′)にその周壁が下方漸縮状をな
    通孔(8)を穿設し、他方の対車壁面(6)を直面
    (9)に形成してその下部を上向面(3a)となし、躯
    体(1a)を端面視略L字状に形成するとともに、前記
    通孔(8)内に側面視略鼓形をなす緩衝体たるクッショ
    ン材(4)の上位の周側壁(4a)を装着するととも
    に、その下位の周側壁(4a)を基礎コンクリート(1
    1)内に位置せしめるか、或いは、前記通孔(8)内に
    装着した緩衝体たるクッション材(4)と基礎コンクリ
    ート(11)に植設した連結部材(5a)とを通孔
    (8)内で連結せしめてなることを特徴とする緩衝式防
    護柵。
  17. 【請求項17】 防護柵を構成する躯体(1a)又は下
    部躯体(20)にある通孔(8)内に装着され、基礎コ
    ンクリート(11)と連結するクッション材(4)であ
    って、その側面視が略鼓形に形成されて上位周側壁(4
    a)が通孔(8)の周壁に、下位周側壁(4a)が基礎
    コンクリート(11)の盲孔(24)の周壁に添うよう
    になされたことを特徴とする緩衝式防護柵用のクッショ
    ン材。
JP21767699A 1999-06-26 1999-06-26 緩衝式防護柵とそれのためのクッション材 Expired - Lifetime JP3531101B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21767699A JP3531101B2 (ja) 1999-06-26 1999-06-26 緩衝式防護柵とそれのためのクッション材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21767699A JP3531101B2 (ja) 1999-06-26 1999-06-26 緩衝式防護柵とそれのためのクッション材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001011830A JP2001011830A (ja) 2001-01-16
JP3531101B2 true JP3531101B2 (ja) 2004-05-24

Family

ID=16707988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21767699A Expired - Lifetime JP3531101B2 (ja) 1999-06-26 1999-06-26 緩衝式防護柵とそれのためのクッション材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3531101B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107675648A (zh) * 2017-08-11 2018-02-09 汤始建华建材(苏州)有限公司 一种防护弹性桩
CN113393626B (zh) * 2021-05-08 2022-12-09 上海客欧电子科技有限公司 一种具有防盗报警功能的便携安装式电子围栏

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001011830A (ja) 2001-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1947244B1 (en) Mixed wooden and metal safety guardrail for roads for contention of lateral impact of vehicles
US6840706B1 (en) Multipurpose road barrier, having a double dampening-resistant effect
CN205775840U (zh) 高架桥防护栏
KR101283689B1 (ko) 교통안전시설물의 지주보강구조
KR100549162B1 (ko) 도로의 커브길 설치용 충격흡수대
JP3531101B2 (ja) 緩衝式防護柵とそれのためのクッション材
CN110965466A (zh) 减振降噪防震伸缩装置及方法
KR102171516B1 (ko) 중앙분리대용 비상회차장치의 충격 저감형 전방블록부를 구비한 회전데크
JP2001011828A (ja) 緩衝式防護柵、その構築方法、それのための躯体及び緩衝体
JP3639954B2 (ja) 緩衝式防護柵とその上部躯体
CN111945633A (zh) 山区公路防坠崖交通保护结构
JP3306588B2 (ja) 緩衝式防護柵、その構築方法及びそれのためのクッション材
JP3306587B2 (ja) 緩衝式防護柵
KR100952895B1 (ko) 도로확장용 블록구조물과 시공방법
CN111088806A (zh) 一种环保的防公路边坡滑坡装置
KR100903214B1 (ko) 가드레일
CN108867235A (zh) 一种高速公路建造方法
CN212505678U (zh) 一种市政道路路桥过渡段的路基结构
CN206655120U (zh) 一种防撞护栏
KR100526399B1 (ko) 충격흡수용 가드레일 겸용 난간
KR100467245B1 (ko) 다목적 녹화용 블럭 및 그 제조방법
CN212426898U (zh) 山区公路防坠崖交通保护结构
CN218712493U (zh) 一种防护车辆撞击上跨桥桥墩的系统
KR19990040748U (ko) 포스트용 지지구조체
CN206553913U (zh) 一种新型防撞减震桥梁墩柱

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150