JP3529313B2 - トレッド用ゴム組成物 - Google Patents

トレッド用ゴム組成物

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JP3529313B2 JP37022199A JP37022199A JP3529313B2 JP 3529313 B2 JP3529313 B2 JP 3529313B2 JP 37022199 A JP37022199 A JP 37022199A JP 37022199 A JP37022199 A JP 37022199A JP 3529313 B2 JP3529313 B2 JP 3529313B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトレッド用ゴム組成
物に関する。さらに詳しくは、湿潤路面における制動性
および操縦安定性(以下、ウエット性能という)の良好
なタイヤを製造することができるトレッド用ゴム組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、自動車の高速化にともない、タイヤに要求される特
性は年々厳しくなってきており、湿潤(ウエット)路面
における高速走行時の諸性能もその1つとしてとりあげ
られている。
【0003】トレッド用ゴム組成物のウエット性能を向
上させる方法の1つとして、たとえば特開平8−319
376号公報には、(A)(i)イソプレンを20〜6
0重量%(以下、%という)含有し、−35〜−50℃
のTgを有するイソプレン−ブタジエンゴム(IBR−
1)20〜50重量部(以下、部という)、(ii)イ
ソプレンを15〜40%含有し、−65〜−90℃のT
gを有するイソプレン−ブタジエンゴム(IBR−2)
(ただし、IBR−2のTgはIBR−1のTgよりも
少なくとも30℃低い)20〜50部、(iii)90
〜99%のシス含量および−85〜−105℃のTgを
有するシス−1,4−ポリブタジエン20〜50部、お
よび要すれば使用される(iv)Tg−20〜−50℃
の3,4−イソプレンゴム5〜30部からなるジエン系
エラストマー100部、(B)粒状沈降シリカ30〜1
10部、(C)シランカップリング剤、(D)カーボン
ブラック5〜50部からなる組成物(ただし、シリカと
カーボンブラックの重量比が少なくとも1/1で、シリ
カとカーボンブラックの合計量が40〜120部)から
製造されたトレッドを有する空気入りタイヤが開示され
ており、湿潤路面、雪、水に対して優れた性能を有する
タイヤが得られることが記載されている。
【0004】しかし、前記空気入りタイヤにおける3,
4−イソプレンゴムは任意成分であり、実施例では使用
されておらず、実施例で評価されているタイヤは、対照
のタイヤの値100に対して、湿潤スキッド抵抗性が9
7〜102、湿潤時操縦性が100というように、満足
のいくものではない。
【0005】なお、3,4−イソプレンゴムを使用する
技術として、特開平8−239514号公報、特開平8
−259734号公報、特開平9−227722号公報
および特開平10−25372号公報には、(A)ジエ
ン系エラストマーとしてたとえば3,4−イソプレンゴ
ムを100部使用し、(B)微粒子状沈降シリカとカー
ボンブラックとからなる充填剤25〜100部、(C)
N,N′−ジオルガノ−N,N′−ジチオビス(オルガ
ノスルホンアミド)、ニコチンアミド、ポリスルフィド
橋中に2〜8個の3,3′−テトラチオジプロピオニト
リルポリスルフィッド混合物またはポリスルフィド橋中
に2〜6個のイオウ原子を含むポリ(2−プロパノール
−1,3−ポリスルフィド)を含み、シリカとカーボン
ブラックとの重量比が少なくとも0.1/1であるゴム
組成物が記載されている。
【0006】しかし、前記ゴム組成物からのトレッドを
有するタイヤは、タイヤのけん引力を高めるまたは強
度、反発性、硬度および耐摩耗性などに優れており、
3,4−イソプレンゴムを使用した場合、静止摩耗特性
を向上させると記載されているが、ウエット性能が優れ
ていることに関する記載はない。また、試験例のtan
δ(60℃)はすべて0.116以下であり、高性能タ
イヤには適さない。
【0007】また、特開平8−259739号公報に
は、(A)加硫性ジエン系エラストマーとしてたとえば
3,4−イソプレンゴムを100部使用し、(B)カー
ボンブラック5〜85%を含み、沈降シリカ、アルミナ
およびアルミナシリケートのうちの少なくとも1種を含
む粒状充填剤15〜100部、(C)前記粒状充填剤に
対して5〜20%のオルガノシランポリスルフィド化合
物を含むゴム組成物からのトレッドを有するタイヤが記
載されている。
【0008】しかし、前記ゴム組成物からのトレッドを
有するタイヤは、物理的性質のばらつきが少ないと記載
されているが、ウエット性能が優れていることに関する
記載はない。また、実施例のtanδ(60℃)はすべ
て0.100以下であり、高性能タイヤには適さない。
【0009】さらに、特開平8−53578号公報に
は、(A)ジエン系エラストマーとしてたとえば3,4
−イソプレンゴムを100部使用し、(b)粒状シリカ
5〜90部、(C)カーボンブラック0〜80部、
(D)フェノキシ酢酸の亜鉛塩、アンモニウム塩、ナト
リウム塩またはこれらの混合物を含み、カーボンブラッ
クが含まれる場合には、シリカのカーボンブラックに対
する重量比が少なくとも0.1/1であり、シリカおよ
びカーボンブラックの全量が30〜120部であるゴム
組成物が記載されている。
【0010】しかし、前記ゴム組成物からのトレッドを
有するタイヤは、(D)成分のカップリング剤なしで使
用される場合と比較して良好な性能を有すると記載され
ているが、ウエット性能が優れていることに関する記載
はない。また、試験例のtanδ(60℃)はすべて
0.111以下である。
【0011】すなわち、前述の従来の技術には、ジエン
系ゴムとしてたとえば3,4−イソプレンゴムを使用し
た組成物からトレッドを形成し、タイヤのけん引力を高
める、静止摩擦を増大させることに関する記載はある
が、ウエット性能を向上させることに関する記載も示唆
もない。
【0012】また、前記3,4−イソプレンゴムは、ジ
エン系エラストマーとして、シス−1,4−イソプレン
ゴム、SBR、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴ
ム、シス−1,4−ブタジエンゴム、乳化重合スチレン
−ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ブタジエン−ア
クリロニトリルゴムなどとともに記載されているゴムで
あり、低いTgのゴムである。
【0013】以上のように、ウエット性能の改善のため
に、任意成分として3,4−イソプレンゴムを使用する
技術は知られているが、たとえば特開平8−31937
6号公報の実施例では3,4−イソプレンゴムは使用さ
れておらず、該実施例で製造されているタイヤの評価結
果は、対照のタイヤの値100に対して、湿潤スキッド
抵抗性が97〜102、湿潤時操縦性が100というよ
うに、満足のいくものではない。
【0014】また、3,4−イソプレンゴムをウエット
性能の改善に使用することに関する記載さえもない。
【0015】なお、ウエット性能を改善する方法として
は、3,4−イソプレンゴムを使用する方法ではない
が、欧州特許第501227号明細書には、特殊なシリ
カと混練りの工夫でウエット性能を向上させたトレッド
用ゴム組成物およびその製造方法について記載されてお
り、また、特開平7−149950号公報、特開平8−
59894号公報、特開平8−59893号公報、特開
平9−255814号公報などには、水酸化アルミニウ
ムなどの無機粉体を使用することにより、ウエット性能
を改善する方法が記載されている。
【0016】しかし、欧州特許第501227号明細書
に記載されているトレッド用ゴム組成物では加工性に問
題があり、特開平7−149950号公報、特開平8−
59894号公報、特開平8−59893号公報、特開
平9−255814号公報などに記載されているタイヤ
トレッド用ゴム組成物では耐摩耗性に問題がある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記のごと
き実情に鑑み、ウエット性能を改善することができるト
レッド用ゴム組成物を開発すべく鋭意検討を重ねた結
果、特定のゴムとシリカとからなる組成物を用いること
により、ウエット性能を改善することができることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0018】すなわち、本発明はジエン系ゴム10〜7
0部と、ハロゲン化ブチルゴムおよびイソブチレン−p
−メチルスチレン共重合体のハロゲン化物の1種以上1
0〜60部と、3,4−イソプレン単位が50重量%
(以下、%という)以上のポリイソプレン10〜70部
との合計量100部に対して、シリカ40〜150部を
配合してなるトレッド用ゴム組成物に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明においては、ジエン系ゴ
ム(なお、該ジエン系ゴムには、ハロゲン化ブチルゴ
ム、イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体のハロ
ゲン化物および3,4−イソプレン単位が50%以上の
ポリイソプレンは含まれない、以下同様)、ハロゲン
化ブチルゴムおよびイソブチレン−p−メチルスチレン
共重合体のハロゲン化物の1種以上10〜60部および
3,4−イソプレン単位が50%以上のポリイソプレ
ンからなる合計量が100部になるゴム組成物(以下、
ゴム組成物(I)ともいう)が使用される。
【0020】前記ジエン系ゴムはゴムの加硫強度を発揮
するために使用される成分であり、また、ハロゲン化ブ
チルゴムおよびイソブチレン−p−メチルスチレン共重
合体のハロゲン化物の1種以上は低温特性が良好で、ウ
エット性能が良好という特性を付与するために使用され
る成分であり、さらに、3,4−イソプレン単位が50
%以上のポリイソプレンはウエット性能を改善するだけ
でなく、ハロゲン化ブチルゴムやイソブチレン−p−メ
チルスチレン共重合体のハロゲン化物を用いることによ
る加工性、耐摩耗性の低下を改善するために使用される
成分である。
【0021】前記ジエン系ゴム(ただし、ハロゲン化ブ
チルゴム、イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体
のハロゲン化物および3,4−イソプレン単位が50%
以上のポリイソプレンは含まない)としては、たとえば
天然ゴムや、ブタジエン、イソプレンなどのジエン系モ
ノマー、好ましくはブタジエンを20〜100%と、こ
れらと共重合性を有するモノマー、たとえばスチレンな
どの芳香族ビニル化合物、イソブチレン、アクリロニト
リルなど0〜80%とを(共)重合させて得られるブタ
ジエン系ゴムがあげられる。一般にタイヤ用に用いられ
るものである限り特別な限定はないが、重量平均分子量
が1万〜500万、分子量分布(重量平均分子量/数平
均分子量)が1.1〜5、Tgが−50〜0℃程度のも
のが、加工性がよく性能のバランスがよい点から好まし
い。
【0022】前記ジエン系ゴムのうちの合成ゴムの具体
例としては、たとえばブタジエンゴム(BR)(好まし
くは溶液重合BR(S−BR))、スチレン−ブタジエ
ンゴム(SBR)(好ましくは溶液重合SBR(S−S
BR))、ポリ1,4−イソプレンゴム(IR)、クロ
ロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム(NBR)などがあげられる。これらは、単独で用
いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、
これらのうちでは、機械的強度、耐疲労性、耐熱性の点
から、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴムが好まし
い。
【0023】前記ハロゲン化ブチルゴムとしては、一般
にトレッド用ゴム組成物の製造に用いられるものであれ
ばとくに制限はないが、通常はハロゲン含有率が、塩素
化ブチルゴムで1.1〜1.3%、臭素化ブチルゴムで
1.8〜2.4%のものが、加硫速度の速さという点か
ら好ましく用いられる。また、前記ハロゲン化ブチルゴ
ムのムーニー粘度(ML1+8(125℃))は、20〜
60であるのが加工性の点から好ましい。好ましいハロ
ゲン化ブチルゴムの具体例としては、たとえばジェイエ
スアール(株)製のJSR BROMOBUTYL22
44(商品名)、エクソン化学(株)製のクロロブチル
1066(商品名)、エクソン化学(株)製のクロロブ
チルHT1068(商品名)などがあげられる。
【0024】前記イソブチレン−p−メチルスチレン共
重合体のハロゲン化物としては、一般にトレッド用ゴム
組成物の製造に用いられるものであればとくに制限はな
いが、一般に臭素化物が用いられ、イソブチレン単位/
p−メチルスチレン単位が重量比で90/10〜98/
2、臭素含有率が0.5〜5%のものが、共架橋性の点
から好ましく用いられる。好ましいイソブチレン−p−
メチルスチレン共重合体のハロゲン化物の具体例として
は、たとえばエクソン化学(株)製のEXXPRO 9
0−10(商品名)ムーニー粘度(ML1+8 125℃
は45±5)、EXXPRO 93−5などがあげられ
る。
【0025】前記3,4−イソプレン単位が50%以上
のポリイソプレンとしては、たとえば3,4−イソプレ
ン単位を50〜95%、さらには70〜95%含む高T
gイソプレンゴム(以下、高Tg−IRともいう)であ
るのが、ウエットグリップ性向上の点から好ましい。
3,4−イソプレン単位含量が50%未満の場合、低T
gのためウエットグリップ性が不充分となる。一方、9
5%をこえるものは製造が困難になり、架橋可能なジエ
ン部分が少なくなる。
【0026】なお、高Tg−IRに含まれる3,4−イ
ソプレン単位以外の単位は、一般に1,2−イソプレン
単位である。
【0027】前記3,4−イソプレン単位が50%以上
のポリイソプレンの具体例としては、たとえばカーボケ
ム(KARBOCHEM)社製のVESTGRIP(T
g−2℃、3,4−イソプレン単位70〜95%)など
があげられる。
【0028】前記ジエン系ゴムと、ハロゲン化ブチルゴ
ムおよびイソブチレン−p−メチルスチレン共重合体の
ハロゲン化物の1種以上(以下、ハロゲン化ブチル系ゴ
ムともいう)と、3,4−イソプレン単位が50%以上
のポリイソプレンの合計量100部中におけるハロゲン
化ブチル系ゴムの量は、前述のごとく10〜60部、さ
らには20〜60部、ことには30〜40部である。ハ
ロゲン化ブチル系ゴムの使用量が10部未満になると、
充分なウエット性能が得られず、60部をこえると、耐
摩耗性が低下する。
【0029】残りのジエン系ゴムの使用量としては、1
0〜70部、さらには15〜50部、3,4−イソプレ
ン単位が50%以上のポリイソプレンの使用量として
は、10〜70部、さらには20〜60部であるのが好
ましい。ジエン系ゴムの使用量が少なすぎる場合には、
加硫およびシリカとカップリング剤の反応が困難になる
傾向が生じる。また、3,4−イソプレン単位が50%
以上のポリイソプレンの使用量が少なすぎる場合には、
ウエットグリップ性能が不充分となり、多すぎる場合に
は、硬くなる傾向が生じる。
【0030】本発明に使用されるシリカは、補強剤とし
て使用される成分である。数ある補強剤のうちでもとく
にシリカを使用するのは、タイヤにした場合のウエット
グリップ性能改善効果が良好であるなどのためである。
【0031】前記シリカとしては、汎用ゴムの配合用に
一般に用いられるものが使用される。具体的には、乾式
法シリカ、湿式法シリカ、コロイダルシリカ、および特
開昭62−62838号公報に開示されている沈降シリ
カなどが例示される。これらのシリカは単独で用いても
よく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】前記シリカとしては、たとえばCTAB吸
着比表面積(以下、CTABという)が100〜200
2/g、BETチッ素吸着比表面積(以下、BETと
いう)が100〜250m2/gのものが使用される。
【0033】前記シリカの具体例としては、たとえばU
ltrasil VN3(デグッサ社製、商品名)、ニ
プシルVN3(日本シリカ(株)製、CTAB 144
2/g、BET 210m2/g)、ニプシルAQ(日
本シリカ(株)製、CTAB 150m2/g、BET
227m2/g)などがあげられる。
【0034】前記シリカの使用量は、前記ゴム成分の合
計量100部に対して40〜150部、好ましくは60
〜120部である。該使用量が少なすぎる場合には、補
強性が不足し、耐摩耗性、強度が低下し、ウエットグリ
ップ性能も低下する。逆に多すぎる場合には、組成物の
粘度が高くなりすぎて加工性が低下する。
【0035】前記シリカはシランカップリング剤で処理
したものであるのが、製造されるタイヤのウエットおよ
びドライグリップ性能、耐摩耗性、加工性をよくする点
から好ましい。
【0036】前記シランカップリング剤で処理したシリ
カは、シリカおよびシランカップリング剤を別々にゴム
に加え、混練り時にシリカをシランカップリング剤で処
理するのではなく、あらかじめシリカをシランカップリ
ング剤で処理したものであるのが好ましい。
【0037】シリカをシランカップリング剤で処理する
場合には、シリカに対して、通常、シランカップリング
剤が1〜10%、さらには1〜8%使用される。前記シ
リカに対するシランカップリング剤の使用割合が少なす
ぎる場合には、充分なゴム補強性が得られず、逆に多す
ぎる場合には、過剰にシランカップリング剤を使用する
ことになり、不経済である。
【0038】シリカにシランカップリング剤を付着させ
たのち、そのまま放置し、シリカとシランカップリング
剤とを反応させてもよいが、200〜500℃に加熱
し、反応を促進させるとともに生成するアルコールを蒸
散させやすくするのが、加工性の点から好ましい。
【0039】前記シランカップリング剤は、シリカとゴ
ムの両者に対して好ましくは化学的に結合して、シリカ
とゴムを自身を介して好ましくは化学的に結合させる機
能を果たす。
【0040】前記シランカップリング剤としては、従来
から充填剤であるシリカと併用されている任意のシラン
カップリング剤を用いることができる。前記シランカッ
プリング剤の具体例としては、たとえば 一般式(1): Z−R−Sn−R−Z (1)、 一般式(2): Z−R−SH (2)、 一般式(3): Z−R−NH2 (3)、 一般式(4): Z−CH=CH2 (4)または 一般式(5): Z−R−Cl (5) (式中、Rは炭素数1〜18の炭化水素基、nは2〜8
の整数、Zは−Si(R 12(OR2)、−SiR1(O
22、または−Si(OR23(ただし、R1は炭素
数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基またはフェニ
ル基、OR2は炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素
数5〜8のシクロアルコキシ基)である)で示されるシ
ランカップリング剤があげられる。
【0041】前記式中、Zは、前述のごとく−Si(R
12(OR2)、−SiR1(OR22または−Si(R
23で示されるが、R1はメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、シク
ロヘキシル基またはフェニル基で、OR2はメトキシ
基、エトキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜8のアル
コキシ基またはフェノキシ基、ベンジルオキシ基などの
炭素数5〜8の芳香環を有するアリールオキシ基または
アラルキルオキシ基である。また、Rはエチレン基、プ
ロピレン基などの炭素数1〜18の2価の炭化水素基で
ある。
【0042】一般式(1)で示されるシランカップリン
グ剤の具体例としては、たとえば
【0043】
【化1】
【0044】などがあげられる。市販のものとしては、
たとえばデグサ社製のSi69(3,3′−ビス(トリ
エトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)などがあ
げられる。
【0045】また、一般式(2)で示されるシランカッ
プリング剤の具体例としては、たとえば
【0046】
【化2】
【0047】などがあげられる。市販のものとしては、
たとえば東芝シリコーン(株)製のTSL8380、信
越化学工業(株)製のKBM803(3−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン)などがあげられる。
【0048】一般式(3)で示されるシランカップリン
グ剤の具体例としては、たとえば
【0049】
【化3】
【0050】などがあげられる。市販のものとしては、
たとえば信越化学工業(株)製のKBM903(γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン)などがあげられる。
【0051】一般式(4)で示されるシランカップリン
グ剤の具体例としては、たとえば
【0052】
【化4】
【0053】などがあげられる。市販のものとしては、
たとえば信越化学工業(株)製のKBM1003(ビニ
ルトリメトキシシラン)などがあげられる。
【0054】また、一般式(5)で示されるシランカッ
プリング剤の具体例としては、たとえば
【0055】
【化5】
【0056】などがあげられる。市販のものとしてはた
とえば信越化学工業(株)製のKBM703(γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン)などがあげられる。
【0057】前記シランカップリング剤のなかでも、シ
ランカップリング剤を添加する効果(スコーチ)とコス
トの両立の点から、3,3′−ビス(トリエトキシシリ
ルプロピル)テトラスルフィドが好ましい。
【0058】本発明のゴム組成物には、前記成分のほか
に、たとえば前記シリカ以外のタルク、クレーなどの白
色充填剤、カーボンブラックなどの充填剤、パラフィン
系、アロマ系、ナフテン系のプロセスオイルなどの軟化
剤、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、シクロペン
タジエン系樹脂などの粘着付与剤、硫黄、過酸化物など
の加硫剤、加硫促進剤、ステアリン酸、酸化亜鉛などの
加硫助剤、老化防止剤など一般にタイヤの製造に使用さ
れる成分を、本発明の効果を損わない範囲で適宜配合し
てもよい。これらの成分が使用される場合、ゴム成分1
00部に対して前記シリカを除く充填剤の場合たとえば
20〜200部、軟化剤の場合たとえば10〜200
部、粘着付与剤の場合たとえば5〜50部配合されるの
が好ましい。また、加硫剤、加硫促進剤および加硫助剤
の場合、合計量がゴム成分100部に対して4〜15部
であるのが好ましく、老化防止剤の場合、1〜10部で
あるのが好ましい。
【0059】本発明のゴム組成物は、バンバリーミキサ
ー、オープンロールなどを用いて、常法により製造する
ことができる。
【0060】
【実施例】以下、本発明の組成物を実施例に基づいて具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0061】なお、実施例および比較例で用いた原料お
よび評価方法を以下にまとめて示す。
【0062】SBR:スチレン−ブタジエンゴム、住友
化学工業(株)製のSBR 1502(スチレン単位含
有率23.5%) EXXPRO:イソブチレン−p−メチルスチレン共重
合体の臭素化物、エクソン社製のEXXPRO 90−
10 C1−IIR:エクソン社製のクロロブチルHT106
8(イソブチレン−イソプレン共重合体の塩素化物、塩
素含有量1.26%) 3,4−IR:カーボケム社製のVESTGRIP(T
g−2℃、3,4−イソプレン単位75%) シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3 シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(化学
名:3,3′−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テ
トラスルフィド) アロマオイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスA
H40 老化防止剤:住友化学工業(株)製のアンチゲン6C ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸 酸化華:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号 硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄 加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラ
ーCZ(化学名:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチア
ゾリルスルフェンアミド) 加硫促進剤D:住友化学工業(株)製のソクシノールD
(化学名:1,3−ジフェニルグアニジン)
【0063】(ウエット性能)トレッド用ゴム組成物か
らのトレッドを有する10*4.00−5のサイズのK
ARTタイヤを作製し、レーシングカートに装着し、水
をまいた1周2kmのレーシングコースを走行し、評価
した。ドライバーのフィーリング評価によりグリップ特
性の高いものを指数5とし、数字が小さいものほどグリ
ップ特性がわるくなるように評価した。
【0064】(摩耗外観)アブレージョン摩耗の摩耗の
波のピッチから5点満点で指数表示した。点数が大きい
方がよい。
【0065】実施例1〜4および比較例1 表1に記載の各成分(ただし、硫黄および加硫促進剤を
除く)を表1記載の割合で配合した混合物をBR型バン
バリーミキサーを用いて145℃排出で約3分間混練り
した。得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を表1記
載の割合で加えて、オープンロールを用いて50℃で5
分間混練りした組成物を用いて、トレッドを作製し、1
0*4.00−5サイズのKARTタイヤを試作し、前
記評価に供した。結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】表1から、ゴム組成物として、ジエン系ゴ
ムと、ハロゲン化ブチルゴムおよびイソブチレン−p−
メチルスチレン共重合体のハロゲン化物の1種以上と、
3,4−イソプレン単位が50%以上のポリイソプレン
を用いた場合にウエット性能が良好であることがわか
る。また、3,4−イソプレン単位が50%以上のポリ
イソプレンが40部の実施例2、4のウエット性能が2
0部、60部の実施例3、1より良好であることがわか
る。なお、ウエット性能が良好な実施例2、4における
ハロゲン化ブチル系ゴム/3,4−イソプレン単位が5
0%以上のポリイソプレンは重量比で1/1である。し
たがって、ハロゲン化ブチル系ゴム/3,4−イソプレ
ン単位が50%以上のポリイソプレンは重量比で1/
0.8〜1/1.5程度が好ましいと考えられる。
【0068】
【発明の効果】本発明の組成物を使用すると、従来品と
比較してウエット性能が良好なタイヤが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 慎太郎 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9 号 住友ゴム工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−304903(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 9/00 - 21/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエン系ゴム10〜70重量部と、ハロ
    ゲン化ブチルゴムおよびイソブチレン−p−メチルスチ
    レン共重合体のハロゲン化物の1種以上10〜60重量
    部と、3,4−イソプレン単位が50重量%以上のポリ
    イソプレン10〜70重量部との合計量100重量部に
    対して、シリカ40〜150重量部を配合してなるトレ
    ッド用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化ブチルゴムおよびイソブチレ
    ン−p−メチルスチレン共重合体のハロゲン化物の1種
    以上/3,4−イソプレン単位が50重量%以上のポリ
    イソプレンが、重量比で1/0.8〜1/1.5である
    請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
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