JP3528916B2 - 位相同期発振器 - Google Patents

位相同期発振器

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JP3528916B2 JP2000337043A JP2000337043A JP3528916B2 JP 3528916 B2 JP3528916 B2 JP 3528916B2 JP 2000337043 A JP2000337043 A JP 2000337043A JP 2000337043 A JP2000337043 A JP 2000337043A JP 3528916 B2 JP3528916 B2 JP 3528916B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は位相同期発振器(PLO)に関
し、特に、網同期方式の位相同期発振器からのクロック
信号の位相が外部から入力される基準クロック信号の位
相に同期できる範囲を拡大し、更に、マスター局の障害
等により基準クロック信号が入力されない場合、マスタ
ー局と同程度の周波数安定度をもつクロック信号を出力
するPLOに関する。
【従来技術】
【0002】従来、図11に示すように従属同期方式で
は、各階層ごとにPLO(位相同期発振器)から出力さ
れるクロック信号の周波数の安定度度が決められている
為、各階層の交換機に合ったPLOを搭載しなければな
らなかった。又、PLOからのクロック信号の位相が外
部から入力される基準クロック信号の位相に同期できる
範囲は電圧制御発振器(VCO)により発振されるクロ
ック信号の周波数の安定度と関連しており、PLOから
のクロック信号の位相が外部から入力される基準クロッ
ク信号の位相に同期できる範囲を拡大すると、VCOに
より発振されるクロック信号の周波数安定度が低くなる
という欠点があった。又、下位局の交換機では、PLO
からのクロック信号の位相が外部から入力される基準ク
ロック信号の位相に同期できる範囲を拡大する必要があ
ることから、クロック信号の周波数安定度の低いVCO
を使用したPLOが搭載されていた。その為、マスター
局の障害等で基準クロック信号が入力されない場合に
は、周波数安定度の低いVCOからクロック信号が発振
されるので、下位局の交換機では周波数安定度の低いク
ロック信号しか得られない欠点があった。
【本発明が解決しようとする課題】
【0003】しかしながら、上述のように各階層ごとに
異なるVCOを使用したPLOを搭載する方法では、網
構成の設計が煩雑になり、マスター局の障害等により基
準クロック信号が入力されなくなった場合、下位階層の
交換機では周波数安定度の低いクロック信号しか得られ
ないことになる。
【0004】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、本発明が解決しようとする課題は、上位階層の交
換機で使用されるVCOと下位階層の交換機で使用され
るVCOとを使用したPLOを搭載することによって全
階層の交換機で同一のPLOが搭載でき、基準クロック
信号が入力されない場合でも、上位階層の交換機で使用
されるVCOと同程度の周波数安定度をもったVCOで
発振することができるPLOを提供することにある。
【課題を解決する為の手段】
【0005】上記課題を解決する第1の発明は、位相同
期発振器であって、入力された基準クロック信号に基づ
いてクロック信号を生成する第1のクロック信号生成手
段と、同期範囲は前記第1のクロック信号生成手段にお
ける同期範囲よりも広く、周波数安定度は前記第1のク
ロック信号生成手段における周波数安定度より低い周波
数安定度を持つ第2のクロック信号生成手段と、前記基
準クロック信号の周波数が前記第1のクロック信号生成
手段における同期範囲内に対応する場合には、前記基準
クロック信号に同期したクロック信号を前記第1のクロ
ック信号生成手段で生成させ、前記基準クロック信号の
周波数が前記第1のクロック信号生成手段における同期
範囲内に対応しない場合には、前記第2のクロック信号
生成手段に基準クロック信号に同期したクロック信号を
生成させる為のクロック信号を前記第1のクロック信号
生成手段に生成させ、前記第1のクロック信号生成手段
からのクロック信号に基づいて基準クロック信号に同期
したクロック信号を前記第2のクロック信号生成手段に
生成させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0006】上記課題を解決する第2の発明は、上記の
発明において、第1のクロック信号生成手段は、発振周
波数制御電圧により制御されてクロック信号を発振する
電圧制御発振器と、前記電圧制御発振器で発振されたク
ロック信号の周波数に応じて分周比を可変設定でき、分
周されたクロック信号を出力する第1の分周器と、前記
基準クロック信号の周波数に応じて分周比を可変設定で
き、分周されたクロック信号を出力する第2の分周器
と、前記第1の分周器からのクロック信号の位相と前記
第2の分周器からのクロック信号の位相とを比較する位
相比較器とを有することを特徴とする。
【0007】上記課題を解決する第3の発明は、上記の
発明において、第2のクロック信号生成手段は、第1の
クロック信号生成手段で生成されたクロック信号の周波
数に応じて分周比を可変設定でき、分周されたクロック
信号を出力する第1の分周器と、周波数安定度は前記第
1のクロック信号生成手段における電圧制御発振器の周
波数安定度よりも低いが、同期範囲は前記第1のクロッ
ク信号生成手段における電圧制御発振器の同期範囲より
も広い同期範囲を持ち、発振周波数制御電圧により制御
されてクロック信号を発振する第2の電圧制御発振器
と、前記第2の電圧制御発振器で発振されたクロック信
号の周波数に応じて分周比を可変設定でき、分周された
クロック信号を出力する第2の分周器と、前記第1の分
周器からのクロック信号の位相と前記第2の分周器から
のクロック信号の位相とを比較する位相比較器とを有す
ることを特徴とする。
【0008】上記課題を解決する第4の発明は、上記の
発明において、第1のクロック信号生成手段における第
2の分周器は、外部からの基準クロック信号の遮断を検
出できるように構成されていることを特徴とする。
【0009】上記課題を解決する第5発明は、上記の発
明において、制御手段は、第1のクロック信号生成手段
における第2の分周器が基準クロック信号の遮断を検出
すると、前記第1のクロック信号生成手段における電圧
制御発振器に対して所定の周波数のクロック信号を出力
させるように構成されていることを特徴とする。
【0010】上記課題を解決する第6の発明は、上記の
発明において、制御手段は、第1のクロック信号生成手
段における位相比較器からの比較結果が前記第1のクロ
ック信号生成手段における電圧制御発振器の同期範囲内
に対応するか否かを判断し、前記範囲内に対応する場合
には、前記第1のクロック信号生成手段における電圧制
御発振器にクロック信号を発振させるよう発振周波数制
御電圧を制御し、前記範囲内に対応しない場合には、第
2のクロック信号生成手段における位相比較器からの比
較結果が前記第2のクロック信号生成手段における第2
の電圧制御発振器の同期範囲内に対応するか否かを判断
し、前記範囲内に対応する場合には、前記第2のクロッ
ク信号生成手段における第2の電圧制御発振器にクロッ
ク信号を発振させるよう発振周波数制御電圧を制御する
ことを特徴とする。
【0011】上記課題を解決する第7の発明は、上記の
発明において、位相同期発振器は、第1のクロック信号
生成手段における電圧制御発振器の同期範囲が記憶され
ている記憶手段を有し、制御手段は、前記第1のクロッ
ク信号生成手段における位相比較器からの比較結果が前
記記憶手段に記憶されている同期範囲内に対応しない場
合、前記位相比較器からの比較結果が前記第1のクロッ
ク信号生成手段における電圧制御発振器の同期範囲内に
対応するように前記第1のクロック信号生成手段におけ
る第2の分周器からのクロック信号の周波数を変化させ
る制御信号を出力し、前記第2の分周器からのクロック
信号の周波数を変化させた分だけ元に戻すように第2の
クロック信号生成手段における第1の分周器からのクロ
ック信号の周波数を変化させる制御信号を出力するよう
構成されていることを特徴とする。
【0012】上記課題を解決する第8の発明は、上記の
発明において、制御手段は、基準クロック信号の周波数
により第1のクロック信号生成手段における第2の分周
器の分周比を変化させるための制御信号を出力すること
を特徴とする。
【0013】上記課題を解決する第9の発明は、上記の
発明において、第1のクロック信号生成手段における第
1の分周器または第2の分周器は、制御手段からの制御
信号により分周比が変化するように構成されていること
を特徴とする。
【0014】上記課題を解決する第10の発明は、上記
の発明において、第2のクロック信号生成手段における
第1の分周器または第2の分周器は、制御手段からの制
御信号により分周比が変化するように構成されているこ
とを特徴とする。
【発明の実施の形態】
【0015】本発明による実施の形態について図1〜図
10を用いて説明する。図1はPLOのブロック図であ
る。図2は分周器4の内部構成のブロック図である。図
3は基準クロック信号を分周する動作について説明する
為の図である。図4は位相比較器5の内部構成のブロッ
ク図である。図5は位相データについて説明する為の図
である。図6は分周器6の内部構成のブロック図であ
る。図7は位相比較器8の内部構成のブロック図であ
る。図8は分周器4の分周比を変更する動作を説明する
為の図である。図9は基準クロック信号が入力されてい
る場合のフローチャートである。図10は基準クロック
信号が入力されない場合のフローチャート図である。
【0016】図1中、1はVCOであり、例えば水晶発
振器である。VCO1は、発振周波数制御電圧により制
御されてクロック信号を発振し、かつ上位階層の交換機
で使用できる高い周波数安定度を持っている。ここで、
周波数安定度とは、VCO1対して特定の発振周波数制
御電圧を加えた場合に発振されるクロック信号の周波数
のふれを意味する。例えば、発振周波数制御電圧2[V]
をVCO1に加えた場合、VCO1から発振するクロッ
ク信号の周波数が18[MHz]±0.1[ppm]ふれる
ことである。又、発振周波数制御電圧とは、VCO1か
ら発振されるクロック信号の周波数を変化させる為の制
御電圧である。
【0017】2はVCO(電圧制御発振器)である。V
CO2の周波数安定度は、VCO1における周波数安定
度よりも低いが、VCO2の同期範囲はVCO1におけ
る同期範囲より広い同期範囲をもち、発振周波数制御電
圧により制御されてクロック信号を発振する。ここで、
同期範囲とは、VCO2から発振されるクロック信号の
周波数が基準クロック信号の周波数に追従できる範囲を
意味する。
【0018】3は分周器である。分周器3はVCO1で
出力されたクロック信号の周波数をN(Nは整数)の分
周比で分周する。例えば、VCO1で発振されたクロッ
ク信号の周波数が18MHzであり、分周比N=225
0である場合、分周器2からのクロック信号の周波数
は、18MHz×(1/2250)=8KHzとなる。
なお、VCO1で発振するクロック信号の周波数帯域が
固定されている場合には、分周器3の分周比は固定され
る。
【0019】4は分周器である。分周器4は基準クロッ
ク信号の周波数をM(Mは整数)の分周比で分周する。
例えば、基準クロック信号の周波数が8MHzであり、
分周比M=2000である場合、分周器3からのクロッ
ク信号の周波数は、8MHz×(1/2000)=4K
Hzとなる。なお、VCO1からのクロック信号の位相
が基準クロック信号の位相に同期できる場合には、分周
器4の分周比は固定される。
【0020】次に、図2を用いて分周器4の内部構成に
ついて説明する。41は分周回路である。分周回路41
は、基準クロック信号を分周してカウンタ43のロード
信号を生成させる為のクロック信号を生成する。
【0021】42は微分回路である。微分回路42は、
分周回路41からのクロック信号の立ち上がりを検出
し、この立ち上がりをロード信号としてカウンタ43に
送信する。ここで、ロード信号とは、後述する制御手段
10から送信されるカウンタ制御信号Xで示されるカウ
ント値をレジスタ43Aにセットするタイミングを計る
為の信号である。
【0022】43はカウンタである。カウンタ43は、
VCO1からのクロック信号をカウンタ43の動作クロ
ック信号とし、レジスタ43Aに設定されているカウン
ト値までカウントアップして基準クロック信号を分周し
たクロック信号を生成する。例えば、図3に示すが如
く、カウント値として4が設定されている場合、基準ク
ロック信号(波形1)が入力されると、カウンタ43
は、基準クロック信号の立ち上がりをカウントアップし
ていき、カウント値が4(T→T→T→T→T
)になったときにカウンタ43からのクロック信号
(波形2)の周期が1周期(T0〜T4)になるように
クロック信号を生成する。そして、カウンタ43は、カ
ウント値が4になるとカウントアップした値をリセット
して、再びカウントアップを始め同様にクロック信号を
生成する。又、基準クロック信号の位相とVCO1で生
成されるクロック信号の位相とが同期でない場合、基準
クロック信号の位相とVCO1で生成されるクロック信
号の位相とが同期できるように後述する制御手段10か
らのカウンタ制御信号Xによりレジスタ43Aに新たな
カウント値を設定して分周比を変更する。ここで、制御
手段10からのカウンタ制御信号Xによってレジスタ4
3Aの値を変更するタイミングは、微分回路42からの
ロード信号がカウンタ43に入力された時点である。
【0023】43Aはレジスタである。レジスタ43A
は、基準クロック信号の周波数を分周するためのカウン
ト値が記憶されている。
【0024】なお、本実施の形態では、レジスタ43A
内のカウント値まで基準クロック信号の立ち上がりをカ
ウントアップしてく方法について説明したが、レジスタ
に設定されているカウント値をカウントダウンすること
によって、基準クロック信号を分周したクロック信号を
生成することも可能である。
【0025】44は基準クロック信号断検出回路であ
る。基準クロック信号断検出回路44は、外部から入力
される基準クロック信号が遮断されたことを検出して、
この遮断の検出結果を制御手段10に送信する。
【0026】5は位相比較器であり、位相比較器5は分
周器3らのクロック信号の位相と分周器4からのクロッ
ク信号の位相との差をカウンタ53でカウントし、カウ
ントした結果を位相比較データとして出力する。
【0027】次に、図4を用いて位相比較器5の内部構
成について説明する。51は微分回路である。微分回路
51は、カウンタ53のカウントを開始するスタート信
号を生成するために分周器4からのクロック信号の立ち
上がりを検出する。
【0028】微分回路52は、カウンタ53のカウント
を終了させるストップ信号を生成する為に分周器3から
のクロック信号の立ち上がりを検出する。
【0029】カウンタ53は、VCO1で生成されたク
ロック信号をカウンタ53の動作クロック信号とし、微
分回路51からのスタート信号によりカウントを開始
し、微分回路52からのストップ信号を受信するとカウ
ントを終了する。そして、カウンタ53でカウントされ
たカウント値を位相比較データとして出力する。ここ
で、カウント値とは、分周器3からのクロック信号の立
ち上がりと分周器4からのクロック信号の立ち上がりと
の間に存在するVCO1で生成されたクロック信号の立
ち上がりの数をいう。例えば、図5で示すが如く、分周
器4からのクロック信号(波形3)の周波数が4KH
z、分周器3からのクロック信号(波形4)の周波数が
8KHz、VCO1で生成されるクロック信号(波形
5)の周波数が18MHzであり、分周器3からのクロ
ック信号の位相が分周器4からのクロック信号の位相よ
りπ/8遅れである場合、分周器4からのクロック信号
の周期(t1)は250ns、VCO1からのクロック
信号の周期(t2)は0.0556nsであることか
ら、VCO1からのクロック信号の立ち上がりの数は、
(t1/8)/t2=(250/8)/0.0556≒
562となり、カウンタ53でカウントされるカウンタ
値は562となる。
【0030】6は分周器である。分周器6は、VCO1
で発振されたクロック信号の周波数をK(Kは整数)の
分周比で分周したクロック信号を出力する。例えば、V
CO1で発振されたクロック信号の周波数が18MHz
であり、分周比(K)がK=4500である場合、分周
器7からのクロック信号の周波数は、18MHz×(1
/4500)=4KHzとなる。なお、VCO1からの
クロック信号の位相が基準クロック信号の位相に同期で
きる場合には、分周器6の分周比は固定される。
【0031】次に、図6を用いて分周部6の内部構成に
ついて説明する。61は分周回路である。分周回路61
は、カウンタ63のロード信号を生成する為に基準クロ
ック信号を分周する。
【0032】62は微分回路である。微分回路62は、
分周回路61からのクロック信号の立ち上がりを検出
し、後述する制御手段10からのカウンタ制御信号Yで
示されるカウント値をレジスタ63Aにセットするタイ
ミングを計る為のロード信号を生成する。
【0033】63はカウンタである。カウンタ63は、
VCO1からのクロック信号をカウンタ63の動作クロ
ック信号とし、レジスタ63Aに設定されているカウン
ト値になるまでカウントアップして基準クロック信号を
分周したクロック信号を生成する。又、基準クロック信
号の位相とVCO1で生成されるクロック信号の位相と
が同期でない場合、後述する制御手段10からのカウン
タ制御信号Yで示されるカウント値にレジスタ63Aの
カウント値を変更する。
【0034】63Aはレジスタである。レジスタ63A
は、VCO1で発振されるクロック信号の周波数を分周
するためのカウント値が記憶されている。
【0035】7は分周器であり、分周器7はVCO2か
らのクロック信号の周波数をK(Kは整数)の分周比で
分周する。例えば、VCO2で発振されたクロック信号
の周波数が18MHzであり、分周比K=2250であ
る場合、分周器7からのクロック信号の周波数は、18
MHz×(1/2250)=8KHzとなる。なお、V
CO2から発振されるクロック信号の周波数帯域が固定
されている場合には、分周器4の分周比も固定される。
【0036】8は位相比較器であり、位相比較器8は分
周器6からのクロック信号の位相と分周器7からのクロ
ック信号の位相との差をカウンタ83でカウントし、カ
ウントされた結果を位相比較データとして出力する。
【0037】次に、図7を用いて位相比較器8の内部構
成について説明する。81は微分回路である。微分回路
81は、カウンタ83のカウントを開始するスタート信
号を生成する為に分周器6からのクロック信号の立ち上
がりを検出する。
【0038】微分回路82は、カウンタ83のカウント
を終了させるストップ信号を生成する為に分周器7から
のクロック信号の立ち上がりを検出する。
【0039】カウンタ83は、VCO2で生成されたク
ロック信号をカウンタ83の動作クロック信号とし、微
分回路81からのスタート信号によりカウントを開始
し、微分回路82からのストップ信号でカウントを終了
する。そして、カウンタ83でカウントされたカウント
値を位相比較データとして出力する。ここで、カウント
値とは、分周器6からのクロック信号の立ち上がりと分
周器7からのクロック信号の立ち上がりとの間に存在す
るVCO2で生成されたクロック信号の立ち上がりの数
をいう。
【0040】9はMEM(記憶手段)であり、例えばI
Cメモリである。MEM9には分周器3からのクロック
信号の位相が分周器4からのクロック信号の位相と同期
できる範囲をカウント値で表した値と、分周器7からの
クロック信号の位相が分周器6からのクロック信号の位
相と同期できる範囲をカウント値で表した値とが記憶さ
れている。例えば、分周器3からのクロック信号の位相
が分周器4からのクロック信号の位相と同期できる範囲
を0〜1/8πとし、分周器3からのクロック信号の周
波数が8KHz、分周器4からのクロック信号の周波数
が4KHz(周期t3=250ns)、VCO1からの
クロック信号が18MHz(周期t4=0.0556n
s)とした場合、分周器3からのクロック信号の位相と
分周器4からのクロック信号の位相との差が1/8πの
ときのカウント値は(t3/8)/t4≒562である
ことからMEM9に記憶されるカウント値の範囲は0〜
562となる。
【0041】10は制御手段であり、例えばMPU(M
icro ProcessingUnit)である。制
御手段10は、位相比較器5からの位相比較データがM
EM9に記憶さているカウント値の範囲内に対応するか
否かを判断し、前記範囲内に対応する場合には、VCO
1からクロック信号を発振させる為の制御データを出力
する。そして、前記範囲内に対応しない場合には、位相
比較器5からの位相比較データが前記範囲内に対応する
ように制御手段10は、分周器4からのクロック信号の
周波数を変更するカウンタ制御信号Xを分周器4に送信
し、分周器4からのクロック信号の周波数を変更した分
だけ分周器6からのクロック信号の周波数を元に戻す為
に、カウンタ制御信号Yを分周器6に送信する。例え
ば、分周器4からのクロック信号の周波数を4KHzか
ら3.2KHzに変更するクロック制御信号Xが分周器
4に送信された場合、分周器6からのクロック信号の周
波数を4KHzから4.8KHzに変更するようなクロ
ック制御信号Yを分周器6に送信する。更に具体的に説
明すると、図8に示すが如く、分周器3からのクロック
信号の位相が分周器4からのクロック信号の位相と同期
できる範囲を0〜1/8π(MEM9に記憶されている
カウント値の範囲は0〜562)とし、分周器3からの
クロック信号(波形6)の位相と分周器4からのクロッ
ク信号(波形7)の位相との差が3/8π(位相比較デ
ータで示されるカウント値=(3×t3/8)/t4≒
1687)である場合、分周器3からのクロック信号
(波形6)の位相と分周器4からのクロック信号(波形
7)の位相との差を1/8πにするようにレジスタ43
Aのカウント値を2000から2500に設定して分周
器4からのクロック信号の周波数を4KHzから3.2
KHzに変更する。そして、分周器4からのクロック信
号の周波数を変更した分だけ元に戻す為に、分周器6か
らのクロック信号を4KHzから4.8KHzに変更す
るよう制御手段10からのクロック制御信号Yによりレ
ジスタ82Aのカウント値を4500から3750に設
定する。なお、レジスタ43Aにカウント値を設定する
タイミングは、微分回路42からのロード信号がカウン
タ43に入力される時点であり、レジスタ83Aにカウ
ント値を設定するタイミングは、微分回路82からのロ
ード信号がカウンタ83に入力された時点である。更
に、制御手段10は、位相比較器8からの位相比較デー
タがMEM9に記憶されているカウント値の範囲内に対
応するか否かを判断し、前記範囲内対応する場合には、
VCO2からクロック信号を発振させる為の制御データ
を出力する。前記範囲内に対応しない場合には、VCO
2からのクロック信号の周波数が最大又は最小になるよ
うな制御データを出力する。
【0042】11,12はD/A変換器(Digita
l Analog Converter)である。D/A
変換器11,12は制御手段10からの制御データであ
るディジタル信号を発振周波数制御電圧であるアナログ
信号に変換するものである。
【0043】なお、分周器4.6の分周比を制御手段1
0により変更させることで外部から入力される基準クロ
ック信号の周波数帯域の変化に対応することができる。
又、分周器3,7の分周比を制御手段10により変更さ
せることでVCO1、2からのクロック信号の周波数帯
域の変化に対応することができる。
【0044】次に、上記構成における動作について説明
する。まず、外部から基準クロック信号が入力されてい
る場合について図9のフローチャートを用いて説明す
る。
【0045】分周器4は、レジスタ43Aの設定されて
いるカウント値に従って外部から入力された基準クロッ
ク信号を分周する。例えば、分周器4からのクロック信
号の周波数を4KHzにする為に、外部から入力される
基準クロック信号の周波数が8MHzである場合には、
レジスタ43Aにカウント値として2000が設定さ
れ、外部から入力された基準クロック信号の周波数が2
MHzである場合には、レジスタ43Aにカウント値と
して500が設定される(Step101)。
【0046】分周器3は、VCO1からのクロック信号
を分周器3の分周比に従って分周する(Step10
2)。
【0047】分周器3からのクロック信号の位相と分周
器4からのクロック信号の位相との差を位相比較器5の
カウンタ53でカウントし、カウントした値を位相比較
データとして出力する(Step103)。
【0048】制御手段10は、位相比較データがMEM
9に記憶されているカウント値の範囲内に対応するか否
かを判断し(Step104)、前記範囲内に対応しな
い場合には、位相比較データがMEM9に記憶されてい
るカウント値の範囲内に対応するようレジスタ43Aの
カウント値を変更させるカウンタ制御信号Xを制御手段
10から送信する(Step105)。
【0049】制御手段10は、分周器4からのクロック
信号の周波数を変更した分だけ分周器6からのクロック
信号の周波数を元に戻す為に、レジスタ63Aのカウン
タ値を変更させるようカウンタ制御信号Yを送信し(S
tep106)、分周器3からのクロック信号の位相が
分周器4からのクロック信号の位相と同期するように制
御データを出力する(Step107)。
【0050】一方、前記範囲内に対応する場合には、分
周器3からのクロック信号の位相が分周器4からのクロ
ック信号の位相と同期するように制御データを出力する
(Step108)。
【0051】D/A変換器11は、制御手段10から送
られてきた制御データであるディジタル信号を発振周波
数制御電圧であるアナログ信号に変換し(Step10
9)する。
【0052】VCO1は、アナログ信号に変換された発
振周波数制御電圧に従ってクロック信号を発振する(S
tep110)。
【0053】分周手段6は、レジスタ63Aに設定され
ているカウント値に従ってVCO1から発振されたクロ
ック信号の周波数を分周する。例えば、分周器6からの
クロック信号の周波数を4KHzにする為に、VCO1
からのクロック信号の周波数が18MHzである場合に
は、レジスタ63Aにカウント値として4500が設定
される(Step111)。
【0054】分周器7は、VCO2からのクロック信号
の周波数を分周器7の分周比に従って分周する(Ste
p112)。
【0055】位相比較器8は、分周器6からのクロック
信号の位相と分周器7からのクロック信号の位相との差
をカウンタ83でカウントし、このカウント値を位相比
較データとして制御手段10に送信する(Step11
3)。
【0056】制御手段10は、位相比較器8から送信さ
れた位相比較データが、MEM9に記憶されているカウ
ント値の範囲内に対応するか否かを判断し、範囲内に対
応する場合には、分周器6からのクロック信号の位相が
分周器7からのクロック信号の位相と同期するように制
御データを出力する(Step114)。
【0057】D/A変換器12は、制御手段10から送
信された制御データであるディジタル信号を発振周波数
制御電圧であるアナログ信号に変換する(Step11
5)。
【0058】VCO2は、アナログ信号に変換された発
振周波数制御電圧に従ってクロック信号を発振する(S
tep116)。
【0059】一方、範囲外である場合には、VCO2か
ら発振されるクロック信号の周波数が最大又は最小にな
るような制御データを出力する。
【0060】次に、外部から基準クロック信号が入力さ
ない場合について図10のフローチャートを用いて説明
する。分周器3からのクロック信号の位相が分周器3か
らのクロック信号の位相と同期していた場合に、制御手
段10から出力された制御データを制御手段10はME
M9に記憶させる(Step201)。
【0061】外部から基準クロック信号が入力されなく
なると、制御手段10は、MEM9に記憶されていた制
御データをD/A変換器11に送信する(Step20
2)。
【0062】D/A変換器11は、制御手段10から送
信された制御データであるディジタル信号を発振周波数
制御電圧であるアナログ信号に変換する(Step20
3)。
【0063】VCO1は、アナログ信号に変換された発
振周波数制御電圧に従ってクロック信号を発振する(S
tep204)。
【0064】分周器6は、レジスタ83Aに設定されて
いるカウント値に基づいてVCO1から発振されたクロ
ック信号の周波数を分周する(Step205)。
【0065】分周器7は、VCO2からのクロック信号
の周波数を分周器7の分周比に従って分周する(Ste
p206)。
【0066】位相比較器8は、分周器6からのクロック
信号の位相と分周器7からのクロック信号の位相との差
をカウンタ83でカウントし、このカウント値を位相比
較データとして制御手段10に送信する(Step20
7)。
【0067】制御手段10は、位相比較器8から送信さ
れた位相比較データが、MEM9に記憶されているカウ
ント値の範囲内に対応するか否かを判断し、範囲内に対
応する場合には、分周器7からのクロック信号の位相が
分周器6からのクロック信号の位相と同期するように制
御データを出力する(Step208)。
【0068】D/A変換器12は、制御手段10から送
信された制御データであるディジタル信号を発振周波数
制御電圧であるアナログ信号に変換する(Step20
9)。
【0069】VCO2は、アナログ信号に変換された発
振周波数制御電圧に従ってクロック信号を発振する(S
tep210)。
【0070】一方、範囲内に対応しない場合には、VC
O2から発振されるクロック信号の周波数が最大又は最
小になるような制御データを出力する。
【0071】なお、最初から基準クロック信号が入力さ
れない場合には、制御手段10は、D/A変換器11か
らVCO1に送信される発振周波数制御電圧がVCO1
を制御できる発振周波数制御電圧の範囲の中間値になる
ように制御データを出力する。例えば、VCO1で制御
可能な発振周波数制御電圧の範囲が1[V]〜5[V]であ
る場合、D/A変換器11からVCO1に送信される発
振周波数制御電圧が2.5[V]になるように制御データ
が制御手段10から出力される。
【効果】
【0072】同期範囲が異なるVCOを使用すること
で、VCOからのクロック信号の位相から入力される基
準クロック信号の位相に同期できる範囲を拡大すること
ができ、又、VCOからのクロック信号の周波数を分周
器で分周することで、VCOの発振周波数の帯域を変更
させた合でも、PLOの構成を変更させることなく、V
COの発振周波数の帯域変更に対応できる。更に、上段
で周波数安定度の高いVCOを直列に接続しておくこと
で、外部から入力された基準クロック信号が遮断された
場合でも位相のずれを発生させることなく周波数安定度
の高いクロック信号を発振することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 PLOのブロック図
【図2】 分周器4の内部構成のブロック図
【図3】 基準クロック信号を分周する動作についての
説明図
【図4】 位相比較器5の内部構成のブロック図
【図5】 位相データについての説明図
【図6】 分周器6の内部構成のブロック図
【図7】 位相比較器8の内部構成のブロック図
【図8】 分周器4の分周比を変更する動作の説明図
【図9】 基準クロック信号が入力されている場合のフ
ローチャート
【図10】基準クロック信号が入力されない場合のフロ
ーチャート図
【図11】従属同期方式の説明図
【符号の説明】
9 MEM 10 制御手段 11,12 D/A変換器

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相同期発振器であって、 入力された基準クロック信号に基づいてクロック信号を
    生成する第1のクロック信号生成手段と、 同期範囲は前記第1のクロック信号生成手段における同
    期範囲よりも広く、周波数安定度は前記第1のクロック
    信号生成手段における周波数安定度より低い周波数安定
    度を持つ第2のクロック信号生成手段と、 前記基準クロック信号の周波数が前記第1のクロック信
    号生成手段における同期範囲内に対応する場合には、前
    記基準クロック信号に同期したクロック信号を前記第1
    のクロック信号生成手段で生成させ、前記基準クロック
    信号の周波数が前記第1のクロック信号生成手段におけ
    る同期範囲内に対応しない場合には、前記第2のクロッ
    ク信号生成手段に基準クロック信号に同期したクロック
    信号を生成させる為のクロック信号を前記第1のクロッ
    ク信号生成手段に生成させ、前記第1のクロック信号生
    成手段からのクロック信号に基づいて基準クロック信号
    に同期したクロック信号を前記第2のクロック信号生成
    手段に生成させる制御手段とを有することを特徴とする
    位相同期発振器。
  2. 【請求項2】 第1のクロック信号生成手段は、 発振周波数制御電圧により制御されてクロック信号を発
    振する電圧制御発振器と、 前記電圧制御発振器で発振されたクロック信号の周波数
    に応じて分周比を可変設定でき、分周されたクロック信
    号を出力する第1の分周器と、 前記基準クロック信号の周波数に応じて分周比を可変設
    定でき、分周されたクロック信号を出力する第2の分周
    器と、 前記第1の分周器からのクロック信号の位相と前記第2
    の分周器からのクロック信号の位相とを比較する位相比
    較器とを有することを特徴とする請求項1の位相同期発
    振器。
  3. 【請求項3】 第2のクロック信号生成手段は、 第1のクロック信号生成手段で生成されたクロック信号
    の周波数に応じて分周比を可変設定でき、分周されたク
    ロック信号を出力する第1の分周器と、 周波数安定度は前記第1のクロック信号生成手段におけ
    る電圧制御発振器の周波数安定度よりも低いが、同期範
    囲は前記第1のクロック信号生成手段における電圧制御
    発振器の同期範囲よりも広い同期範囲を持ち、発振周波
    数制御電圧により制御されてクロック信号を発振する第
    2の電圧制御発振器と、 前記第2の電圧制御発振器で発振されたクロック信号の
    周波数に応じて分周比を可変設定でき、分周されたクロ
    ック信号を出力する第2の分周器と、 前記第1の分周器からのクロック信号の位相と前記第2
    の分周器からのクロック信号の位相とを比較する位相比
    較器とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2
    の位相同期発振器。
  4. 【請求項4】 第1のクロック信号生成手段における第
    2の分周器は、外部からの基準クロック信号の遮断を検
    出できるように構成されていることを特徴とする請求項
    2の位相同期発振器。
  5. 【請求項5】 制御手段は、 第1のクロック信号生成手段における第2の分周器が基
    準クロック信号の遮断を検出すると、前記第1のクロッ
    ク信号生成手段における電圧制御発振器に対して所定の
    周波数のクロック信号を出力させるように構成されてい
    ることを特徴とする請求項2〜請求項4いずれかの位相
    同期発振器。
  6. 【請求項6】 制御手段は、 第1のクロック信号生成手段における位相比較器からの
    比較結果が前記第1のクロック信号生成手段における電
    圧制御発振器の同期範囲内に対応するか否かを判断し、
    前記範囲内に対応する場合には、前記第1のクロック信
    号生成手段における電圧制御発振器にクロック信号を発
    振させるよう発振周波数制御電圧を制御し、前記範囲内
    に対応しない場合には、第2のクロック信号生成手段に
    おける位相比較器からの比較結果が前記第2のクロック
    信号生成手段における第2の電圧制御発振器の同期範囲
    内に対応するか否かを判断し、前記範囲内に対応する場
    合には、前記第2のクロック信号生成手段における第2
    の電圧制御発振器にクロック信号を発振させるよう発振
    周波数制御電圧を制御することを特徴とする請求項2〜
    請求項5いずれかの位相同期発振器。
  7. 【請求項7】 位相同期発振器は、 第1のクロック信号生成手段における電圧制御発振器の
    同期範囲が記憶されている記憶手段を有し、 制御手段は、 前記第1のクロック信号生成手段における位相比較器か
    らの比較結果が前記記憶手段に記憶されている同期範囲
    内に対応しない場合、前記位相比較器からの比較結果が
    前記第1のクロック信号生成手段における電圧制御発振
    器の同期範囲内に対応するように前記第1のクロック信
    号生成手段における第2の分周器からのクロック信号の
    周波数を変化させる制御信号を出力し、前記第2の分周
    器からのクロック信号の周波数を変化させた分だけ元に
    戻すように第2のクロック信号生成手段における第1の
    分周器からのクロック信号の周波数を変化させる制御信
    号を出力するよう構成されていることを特徴とする請求
    項2〜請求項6いずれかの位相同期発振器。
  8. 【請求項8】 制御手段は、 基準クロック信号の周波数により第1のクロック信号生
    成手段における第2の分周器の分周比を変化させるため
    の制御信号を出力することを特徴とする請求項2〜請求
    項7いずれかの位相同期発振器。
  9. 【請求項9】 第1のクロック信号生成手段における第
    1の分周器または第2の分周器は、制御手段からの制御
    信号により分周比が変化するように構成されていること
    を特徴とする請求項2〜請求項8いずれかの位相同期発
    振器。
  10. 【請求項10】 第2のクロック信号生成手段における
    第1の分周器または第2の分周器は、制御手段からの制
    御信号により分周比が変化するように構成されているこ
    とを特徴とする請求項3の位相同期発振器。
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