JP3528402B2 - リチウムイオン導電性固体電解質およびそれを用いた全固体リチウム二次電池 - Google Patents
リチウムイオン導電性固体電解質およびそれを用いた全固体リチウム二次電池Info
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Description
次電池に用いられるリチウムイオン導電性固体電解質に
関するものである。
話等のポータブル機器の開発にともない、その電源とし
て電池の需要は非常に大きなものとなっている。特に、
リチウム電池は、リチウムが小さな原子量を持ちかつイ
オン化エネルギーが大きな物質であることから、高エネ
ルギー密度を得ることができる電池として各方面で盛ん
に研究が行われている。
電解質に液体を使用しているため、電解質の漏液等の問
題を皆無とすることができない。こうした問題を解決し
信頼性を高めるため、また素子を小型、薄型化するため
にも、液体電解質を固体電解質に代えて、電池を全固体
化する試みが各方面でなされている。このような電池に
用いられる固体電解質としては、ハロゲン化リチウム、
窒化リチウム、リチウム酸素酸塩、あるいはこれらの誘
導体などが知られている。また、Li2S−SiS2、
Li2S−P2S5、 Li2S−B2S3等のリチウムイオ
ン導電性硫化物ガラス状固体電解質や、これらのガラス
にLiIなどのハロゲン化リチウム、Li3PO4などの
リチウム酸素酸塩をドープしたリチウムイオン導電性固
体電解質は、10-4〜10-3S/cmの高いイオン導電
性を有することから世界的にその物性を中心とした研究
が行われている。
特性及び電気化学特性はその原材料の純度に大きく依存
するため、原材料の合成方法が重要となる。
は、1 硫酸リチウムを炭素、あるいは鉄を用いた還元法に
より合成する方法2 塩化リチウム、あるいは硫酸リチウムなどの無水リ
チウム塩と硫化水素とを約1000℃の温度下で反応さ
せる方法3 酸化リチウムと硫化水素とをグラファイト炉中にお
いて1250〜1300℃の温度で反応させる方法4 酸化リチウムと二硫化炭素とを1100℃の温度下
で反応させる方法5 反応雰囲気中にグラファイトを存在させ、リチウム
塩または酸化物と二硫化炭素蒸気とを反応させる方法
(特開昭54−40295号公報)など種々の合成法が
検討されている。
化リチウムには炭酸リチウム(Li2CO3)や未反応の
硫酸リチウム(Li2SO4)酸化リチウム、塩化リチウ
ム、あるいは還元剤として用いた炭素または鉄が残存、
混入していることが多い。
に合成する方法(特開平6−263422号公報)2 窒素気流中で二酸化ケイ素と硫化アルミニウムを1
200〜1300℃で反応させる方法3 二酸化ケイ素含有物と炭素の混合物を硫黄蒸気ある
いは硫化水素の少なくとも一つを含有する気体雰囲気中
で1130℃以上に加熱する方法(特開昭62−252
310号公報)といった種々の合成法が検討されてい
る。
れた二硫化ケイ素中にはモリブデンや未反応の二硫化モ
リブデンやケイ素、あるいは二酸化ケイ素や酸化アルミ
ニウム、硫化アルミニウムが残存、混入することが多
い。
及び二硫化ケイ素から不純物を完全に除去することはプ
ロセスが繁雑となる上、設備が大型化し、非常に困難な
ものである。
ウム及び二硫化ケイ素の合成法として、金属リチウムと
硫黄、単体ケイ素と硫黄の直接反応による合成法が挙げ
られる。
来の残留炭素を含む硫化リチウムや、モリブデンやケイ
素が残った二硫化ケイ素を用いてX−Li2S−SiS2
(X=なし、Li2O、Li3PO4、Li2SO4、Li2
CO3、Li3BO3)系固体電解質を合成した場合、電
子電導性が残ったり、固体電解質の酸化分解を引き起こ
し、その結果、該固体電解質を用いて全固体リチウム二
次電池を構成した際、自己放電が大きかったり、充放電
サイクルに伴う容量劣化が生じるといった課題があっ
た。
性が極めて小さく、また電気化学的安定性に優れた固体
電解質を提供すると同時に、優れた充放電サイクル特性
を有する全固体リチウム二次電池を提供することを目的
とする。
に本発明は、金属リチウムと単体硫黄とを金属リチウム
の融点(186℃)以下の温度で真空中もしくは不活性
ガス雰囲気中で直接反応させることにより得られた硫化
リチウム(Li 2 S)および単体ケイ素と単体硫黄とを
500〜1300℃の温度下で真空中もしくは不活性ガ
ス雰囲気中で直接反応させることにより得られた二硫化
ケイ素(SiS 2 )を出発原料として用いたX−Li2S
−SiS2(X=なし、Li2O、Li3PO4、Li2S
O4、Li2CO3、Li3BO3)系リチウムイオン導電
性固体電解質である。上記方法により得られた高純度な
硫化リチウムと二硫化ケイ素を用いた固体電解質はイオ
ン伝導性に優れ、電子伝導性が極めて小さく、酸化分解
を生じないものとなる。
なし、Li2O、Li3PO4、Li2SO4、Li2C
O3、Li3BO3)系リチウムイオン導電性固体電解質
を用いて構成した全固体リチウム二次電池は、自己放電
が極めて小さい上、優れた充放電サイクル特性を有する
ものとなる。
始すると急激に進行し、極めて過激であるため、少量の
バッチ処理を行うことが望ましい。
法により得られた硫化リチウムおよび下記に述べる直接
合成法により得られた二硫化ケイ素を出発原料として用
いたX−Li2S−SiS2(X=なし、Li2O、Li3
PO4、Li2SO4、Li2CO3、Li3BO3)系リチ
ウムイオン導電性固体電解質である。
は、金属リチウムと単体硫黄を金属リチウムの融点(1
86℃)以下の温度で真空中、もしくは不活性ガス雰囲
気中で固相反応させ硫化リチウムを得る。
は金属リチウムを融点(186℃)以下の温度下で硫化
水素雰囲気に暴露し直接合成することにより硫化リチウ
ムを得る。
後の硫化リチウム中に還元法により合成された際に残留
する未反応物質、たとえば炭素などが混入しない、高純
度な硫化リチウムを得ることができる。ただし、リチウ
ムと硫黄では硫黄の方が生成物である硫化リチウムを精
製する際に除去しやすいことから、合成反応の出発物質
としてリチウム金属に対して化学量論比より過剰の単体
硫黄を用いることが好ましい。
45〜975℃に昇温するものである。このように硫黄
の沸点(445℃)以上でなおかつ硫化リチウムの融点
(900〜975℃)以下の温度まで上昇することによ
り、未反応で残留した硫黄を気化し、より高純度の硫化
リチウムを得ることができる。
は、単体ケイ素と単体硫黄を500〜1300℃の温度
下で真空中もしくは不活性ガス雰囲気中で反応させ二硫
化ケイ素を得る。
後の二硫化ケイ素中に未反応物質のケイ素が混入しな
い、高純度な二硫化ケイ素を得ることができる。ただ
し、ケイ素と硫黄では硫黄の方が生成物である二硫化ケ
イ素を精製する際に除去しやすいことから、合成反応の
出発物質としてケイ素に対して化学量論比より過剰の単
体硫黄を用いることが好ましい。
華管中で再度昇温し昇華精製するものである。このよう
に再度昇温することにより、未反応の単体ケイ素を昇華
し除去することにより、より高純度の二硫化ケイ素を得
ることができる。昇華温度としてはケイ素が昇華する1
000〜1500℃が好ましい。
の混入が極めて抑制されるため、イオン伝導性に優れ、
電子電導性が極めて小さく、酸化分解を生じないものと
なる。
固体リチウム二次電池は自己放電が極めて小さい上、充
放電サイクルにおいて、放電効率が100%となり容量
劣化が極めて少ない、優れた特性を有するものとなる。
用いて詳細に説明する。
って得られた二硫化ケイ素およびリン酸リチウムを用い
て固体電解質の合成を行った。以下にその詳細を示す。
で2.8:1で充分に混合し、該混合物をタングステン
製坩堝に入れた後、石英管に挿入し、真空ポンプで引き
ながら150℃で24時間固相反応させた。この際、こ
の合成反応は極めて過激であるため、少量ごと連続的に
合成することが望ましい。
たところ、硫化リチウムの回折パターンが得られたが、
わずかな硫黄の回折ピークも認められた。また、元素定
量分析からはリチウムと硫黄がモル比で2:1.13と
なっていたことから、以上の方法で過剰の硫黄を含んだ
硫化リチウムが生成していることがわかった。
モル比で1:1秤量し、混合した後、石英管中に真空封
入し、1100℃で48時間固相反応させた。
出し、X線回折により同定を行ったところ、二硫化ケイ
素の回折パターンに加えて、モリブデン及び二硫化モリ
ブデンの回折線がわずかに認められた。また、元素分析
からもモリブデンが検出されたことから得られた二硫化
ケイ素中に二硫化モリブデンおよびモリブデンが不純物
として含まれていることがわかった。
接合成により得られた二硫化ケイ素およびリン酸リチウ
ムをモル比で63:36:1で充分混合し、該混合物粉
体をグラッシーカーボン製坩堝に充填し、アルゴンガス
気流中で1000℃で2時間溶融した。該溶融物を双ロ
ーラーで超急冷することにより、ガラスリボン状リチウ
ムイオン導電性固体電解質を得た。
に電極としてカーボンペーストを塗布し、交流インピー
ダンス法によりインピーダンス測定を行い、ガラスリボ
ン状固体電解質の長さ、厚さ、幅を測定し、イオン伝導
度を算出した。
S/cmであった。また、該固体電解質ガラスを粉砕
し、直径10mm、厚さ3mmのペレットとし、該ペレ
ットの一方の端面に可逆電極として金属リチウム箔を、
反対側の端面にイオンブロッキング電極として白金板を
圧接し、電流−電位特性を2〜10V(vs.Li+/
Li)の電位範囲でサイクリックボルタンメトリーによ
り測定した。
目の走査では7V(vs.Li+/Li)付近から酸化
電流が流れ始め、10V(vs.Li+/Li)では
0.4μAの酸化電流が観測され、2サイクル目以降、
漸次酸化電流は減少し、サイクルを重ねることにより
0.09μAまで減少した。
て得られた硫化リチウムと間接合成によって得られた二
硫化ケイ素およびリン酸リチウムを用いて固体電解質の
合成を行った。以下にその詳細を示す。
で2.8:1で充分に混合し、該混合物をタングステン
製坩堝に入れた後、石英管に挿入し、真空ポンプで引き
ながら150℃で24時間固相反応させた。その後、4
80℃まで昇温し、過剰の硫黄を除去した。
たところ、硫化リチウムの回折パターンが得られ、元素
定量分析からはリチウムと硫黄がモル比で2:1となっ
ていたことから、以上の方法で高純度の硫化リチウムが
生成していることがわかった。
同様の方法で行った。直接合成で得られた硫化リチウム
と間接合成で得られた二硫化ケイ素およびリン酸リチウ
ムをモル比で63:36:1で充分混合し、該混合物粉
体をグラッシーカーボン製坩堝に充填し、アルゴンガス
気流中で1000℃で2時間溶融した。該溶融物を双ロ
ーラーで超急冷することにより、ガラスリボン状リチウ
ムイオン導電性固体電解質を得た。
に電極としてカーボンペーストを塗布し、交流インピー
ダンス法によりインピーダンス測定を行い、ガラスリボ
ン状固体電解質の長さ、厚さ、幅を測定し、イオン伝導
度を算出した。
S/cmであった。また、該固体電解質ガラスを粉砕
し、直径10mm、厚さ3mmのペレットとし、該ペレ
ットの一方の端面に可逆電極として金属リチウム箔を、
反対側の端面にイオンブロッキング電極として白金板を
圧接し、電流−電位特性を2〜10V(vs.Li+/
Li)の電位範囲でサイクリックボルタンメトリーによ
り測定した。
(vs.Li+/Li)付近から酸化電流が流れ始め、
10V(vs.Li+/Li)では0.3μAの酸化電
流が観測され、2サイクル目以降、漸次酸化電流は減少
し、サイクルを重ねることにより0.06μAまで減少
した。
って得られた二硫化ケイ素およびリン酸リチウムを用い
て固体電解質の合成を行った。以下にその詳細を示す。
堝に入れた後、石英管に挿入し、硫化水素雰囲気下で1
50℃で36時間気固相反応させた。この際、この合成
反応は過激であるため、少量ごと連続的に合成すること
が望ましい。
たところ、硫化リチウムの回折パターンが得られたが、
わずかな硫黄の回折ピークも認められた。また、元素定
量分析からはリチウムと硫黄がモル比で2:1.08と
なっていたことから、以上の方法で過剰の硫黄を含んだ
硫化リチウムが生成していることがわかった。
同様の方法で行った。直接合成により得られた硫化リチ
ウムと間接合成により得られた二硫化ケイ素およびリン
酸リチウムをモル比で63:36:1で充分混合し、該
混合物粉体をグラッシーカーボン製坩堝に充填し、アル
ゴンガス気流中で1000℃で2時間溶融した。該溶融
物を双ローラーで超急冷することにより、ガラスリボン
状リチウムイオン導電性固体電解質を得た。
に電極としてカーボンペーストを塗布し、交流インピー
ダンス法によりインピーダンス測定を行い、ガラスリボ
ン状固体電解質の長さ、厚さ、幅を測定し、イオン伝導
度を算出した。
S/cmであった。また、該固体電解質ガラスを粉砕
し、直径10mm、厚さ3mmのペレットとし、該ペレ
ットの一方の端面に可逆電極として金属リチウム箔を、
反対側の端面にイオンブロッキング電極として白金板を
圧接し、電流−電位特性を2〜10V(vs.Li+/
Li)の電位範囲でサイクリックボルタンメトリーによ
り測定した。
V(vs.Li+/Li)付近から酸化電流が流れ始
め、10V(vs.Li+/Li)では0.3μAの酸
化電流が観測され、2サイクル目以降、漸次酸化電流は
減少し、サイクルを重ねることにより0.07μAまで
減少した。
ムを、真空ポンプで引きながら480℃まで昇温し、過
剰の硫黄を除去して得られた物質の元素定量分析を行っ
たところ、リチウムと硫黄がモル比で2:1となってい
たことから、本実施例の直接合成法でも、合成後昇温し
て過剰の硫黄を除去することにより高純度の硫化リチウ
ムを生成できることがわかった。
られた硫化リチウムおよびリン酸リチウムを用いて固体
電解質の合成を行った。以下にその詳細を示す。
で1:2.5で充分に混合し、該混合物をグラッシーカ
ーボン製坩堝に入れた後、石英管に挿入し、真空ポンプ
で引きながら1100℃で72時間固相反応させた。
たところ、二硫化ケイ素の回折パターンとわずかな硫黄
の回折パターンが得られ、元素定量分析からはケイ素と
硫黄のみが検出され、そのモル比は1:2.11となっ
ていたことから、以上の方法で遊離の硫黄を含んだ二硫
化ケイ素が生成していることがわかった。
で1:2を秤量・混合し、タングステン製坩堝中に充填
した後、石英管に挿入し、真空ポンプで引きながら10
00℃で72時間反応させた。
たところ、硫化リチウムの回折パターンが得られた。ま
た、赤外吸収分光スペクトルを測定したところ炭酸根に
帰属される吸収と硫酸根に帰属される吸収が観測された
ことから、X線回折に現れない微量の硫酸リチウムと炭
酸リチウムが不純物として含まれていることがわかっ
た。
接合成により得られた硫化リチウムおよびリン酸リチウ
ムをモル比で36:63:1で充分混合し、該混合物粉
体をグラッシーカーボン製坩堝に充填し、不活性雰囲気
で1000℃で2時間溶融した。該溶融物を双ローラー
で超急冷することにより、ガラスリボン状リチウムイオ
ン導電性固体電解質を得た。
に電極としてカーボンペーストを塗布し、交流インピー
ダンス法によりインピーダンス測定を行い、ガラスリボ
ン状固体電解質の長さ、厚さ、幅を測定し、イオン伝導
度を算出した。
S/cmであった。また、該固体電解質ガラスを粉砕
し、直径10mm、厚さ3mmのペレットとし、該ペレ
ットの一方の端面に可逆電極として金属リチウム箔を、
反対側の端面にイオンブロッキング電極として白金板を
圧接し、電流−電位特性を2〜10V(vs.Li+/
Li)の電位範囲でサイクリックボルタンメトリーによ
り測定した。
V(vs.Li+/Li)付近から酸化電流が流れ始
め、10V(vs.Li+/Li)では0.3μAの酸
化電流が観測され、2サイクル目以降、漸次酸化電流は
減少し、サイクルを重ねることにより0.06μAまで
減少した。
間接合成で得られた硫化リチウムおよびリン酸リチウム
を用いて固体電解質の合成を行った。以下にその詳細を
示す。
で1:2.5で充分に混合し、該混合物をグラッシーカ
ーボン製坩堝に入れた後、石英管に挿入し、真空ポンプ
で引きながら1100℃で72時間固相反応させた。合
成した後、生成物を昇華管の中に移し、再度1200℃
まで昇温し、24時間で昇華精製を行った。
たところ、二硫化ケイ素の回折パターンが得られ、元素
定量分析からはケイ素と硫黄のみが検出され、そのモル
比は1:2となっていたことから、以上の方法で高純度
の二硫化ケイ素が生成していることがわかった。
の方法で行った。直接合成により得られた二硫化ケイ素
と間接合成により得られた硫化リチウムおよびリン酸リ
チウムをモル比で36:63:1で充分混合し、該混合
物粉体をグラッシーカーボン製坩堝に充填し、不活性雰
囲気で1000℃で2時間溶融した。該溶融物を双ロー
ラーで超急冷することにより、ガラスリボン状リチウム
イオン導電性固体電解質を得た。
に電極としてカーボンペーストを塗布し、交流インピー
ダンス法によりインピーダンス測定を行い、ガラスリボ
ン状固体電解質の長さ、厚さ、幅を測定し、イオン伝導
度を算出した。
S/cmであった。また、該固体電解質ガラスを粉砕
し、直径10mm、厚さ3mmのペレットとし、該ペレ
ットの一方の端面に可逆電極として金属リチウム箔を、
反対側の端面にイオンブロッキング電極として白金板を
圧接し、電流−電位特性を2〜10V(vs.Li+/
Li)の電位範囲でサイクリックボルタンメトリーによ
り測定した。
V(vs.Li+/Li)付近から酸化電流が流れ始
め、10V(vs.Li+/Li)では0.25μAの
酸化電流が観測され、2サイクル目以降、漸次酸化電流
は減少し、サイクルを重ねることにより0.04μAま
で減少した。
イ素を用いて固体電解質の合成を行った。以下にその詳
細を示す。
化ケイ素の直接合成は実施例4と同様にして行った。
び硫化リチウムとリン酸リチウムをモル比で36:6
3:1で充分混合し、該混合物粉体をグラッシーカーボ
ン製坩堝に充填し、不活性雰囲気で1000℃で2時間
溶融した。該溶融物を双ローラーで超急冷することによ
り、ガラスリボン状リチウムイオン導電性固体電解質を
得た。
に電極としてカーボンペーストを塗布し、交流インピー
ダンス法によりインピーダンス測定を行い、ガラスリボ
ン状固体電解質の長さ、厚さ、幅を測定し、イオン伝導
度を算出した。
S/cmであった。また、該固体電解質ガラスを粉砕
し、直径10mm、厚さ3mmのペレットとし、該ペレ
ットの一方の端面に可逆電極として金属リチウム箔を、
反対側の端面にイオンブロッキング電極として白金板を
圧接し、電流−電位特性を2〜10V(vs.Li+/
Li)の電位範囲でサイクリックボルタンメトリーによ
り測定した。
V(vs.Li+/Li)付近から酸化電流が流れ始
め、10V(vs.Li+/Li)では0.1μAの酸
化電流が観測され、2サイクル目以降では酸化電流は観
測されなかった。
て得られたに硫化リチウムおよび直接合成の後、昇温し
昇華精製を行った二硫化ケイ素を用いて固体電解質の合
成を行った。以下にその詳細を示す。
化ケイ素の直接合成は参考例5と同様にして行った。
び硫化リチウムとリン酸リチウムをモル比で36:6
3:1で充分混合し、該混合物粉体をグラッシーカーボ
ン製坩堝に充填し、不活性雰囲気で1000℃で2時間
溶融した。該溶融物を双ローラーで超急冷することによ
り、ガラスリボン状リチウムイオン導電性固体電解質を
得た。
に電極としてカーボンペーストを塗布し、交流インピー
ダンス法によりインピーダンス測定を行い、ガラスリボ
ン状固体電解質の長さ、厚さ、幅を測定し、イオン伝導
度を算出した。
S/cmであった。また、該固体電解質ガラスを粉砕
し、直径10mm、厚さ3mmのペレットとし、該ペレ
ットの一方の端面に可逆電極として金属リチウム箔を、
反対側の端面にイオンブロッキング電極として白金板を
圧接し、電流−電位特性を2〜10V(vs.Li+/
Li)の電位範囲でサイクリックボルタンメトリーによ
り測定した。
目の走査では9.5V(vs.Li+/Li)付近から
酸化電流がわずかに流れ始め、10V(vs.Li+/
Li)では0.02μAの酸化電流が観測され、2サイ
クル目以降では酸化電流は観測されなかった。
ケイ素とリン酸リチウムを用いて実施例1と同様の方法
で固体電解質ガラスの合成を行った。
に電極としてカーボンペーストを塗布し、交流インピー
ダンス法によりインピーダンス測定を行い、ガラスリボ
ン状固体電解質の長さ、厚さ、幅を測定し、イオン伝導
度を算出した。
S/cmであった。また、該固体電解質ガラスを粉砕
し、直径10mm、厚さ3mmのペレットとし、該ペレ
ットの一方の端面に可逆電極として金属リチウム箔を、
反対側の端面にイオンブロッキング電極として白金板を
圧接し、電流−電位特性を2〜10V(vs.Li+/
Li)の電位範囲でサイクリックボルタンメトリーによ
り測定した。
目の走査では4V(vs.Li+/Li)付近から酸化
電流が流れ始め、10V(vs.Li+/Li)では5
μAの酸化電流が観測され、2サイクル目以降では酸化
電流は漸次減少したが、サイクルを重ねても1μA以下
とはならなかった。
チウム二次電池を構成し、充放電特性を調べた。以下に
その詳細を示す。
導電性ガラス状固体電解質を乳鉢で100メッシュ以下
に粉砕し、10mmφ、厚さ1.0mmのディスク状に
加圧成形した。
O2)と上記リチウムイオン導電性ガラス状固体電解質
粉末を重量比で2:3に混合、加圧成形し厚さ0.5m
m、10mmφの正極とした。
0mmφに切り抜いて用いた。上記で得られた固体電解
質成形体を正極、および負極で挟み圧接し、全固体リチ
ウム二次電池とした。
A/cm2で充放電サイクル試験を行った。その結果、
200サイクル経過時点で充放電容量は初期の93.2
%であり、また放電に対する充電電気量は108%であ
った。この結果を(表1に示す)。
実施例1、実施例2および比較例1で合成した固体電解
質ガラスを用いて構成した全固体リチウム二次電池の実
施例を表にまとめて示す。なお、固体電解質以外は参考
例1と同様にして全固体リチウム二次電池を構成し、測
定を行った。
により、優れた充放電効率を有し、容量維持率の良い全
固体リチウム二次電池となることがわかった。
i2S−SiS2固体電解質ガラスのXがリン酸リチウム
(Li3PO4)の場合についてのみ説明を行ったが、X
が無い場合、あるいは酸化リチウム(Li2O)、硫酸
リチウム(Li2SO4)、炭酸リチウム(Li2C
O3)、ホウ酸リチウム(Li3BO3)の場合について
も同様の効果が得られ、本発明はXがリン酸リチウムの
場合にのみ限定されるものではない。
リチウム電池の負極材料にインジウム箔を用いたが、金
属リチウム、リチウムと合金化しやすい金属、あるいは
リチウム合金、さらに遷移金属酸化物、遷移金属硫化物
などを用いても同様の効果が得られ、本発明は負極材料
がインジウム箔にのみ限定されるものではない。
リチウム電池の正極材料にコバルト酸リチウムを用いた
が、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等他の遷
移金属酸化物や二硫化チタン、二硫化モリブデン等の遷
移金属硫化物を用いても同様の効果が得られ、本発明は
正極材料がコバルト酸リチウムにのみ限定されるもので
はない。
Li3PO4−Li2S−SiS2系固体電解質ガラスの原
料である硫化リチウムおよび二硫化ケイ素をリチウムと
硫黄、ケイ素と硫黄とからそれぞれ直接合成したものを
用いることにより、イオン伝導度および電気化学的安定
性に優れた固体電解質ガラスが得られることがわかっ
た。
電効率を有し、長寿命の全固体リチウム二次電池を構成
することができることがわかった。
性固体電解質の電流−電位特性を示す図
性固体電解質の電流−電位特性を示す図
−電位特性を示す図
Claims (4)
- 【請求項1】金属リチウムと単体硫黄とを金属リチウム
の融点(186℃)以下の温度で真空中もしくは不活性
ガス雰囲気中で直接反応させることにより得られた硫化
リチウム(Li2S)および単体ケイ素と単体硫黄とを
500〜1300℃の温度下で真空中もしくは不活性ガ
ス雰囲気中で直接反応させることにより得られた二硫化
ケイ素(SiS2)を出発原料として用いたことを特徴
とするX−Li2S−SiS2(X=なし、Li2O、L
i3PO4、Li2SO4、Li2CO3、Li3BO3)系リ
チウムイオン導電性固体電解質。 - 【請求項2】直接反応の完了後、さらに445〜975
℃に昇温することにより得られた硫化リチウムである請
求項1記載のX−Li2S−SiS2(X=なし、Li2
O、Li3PO4、Li2SO4、Li2CO3、Li3B
O3)系リチウムイオン導電性固体電解質。 - 【請求項3】直接反応の完了後、昇華管中で昇華精製す
ることにより得られた二硫化ケイ素である請求項1記載
のX−Li2S−SiS2(X=なし、Li2O、Li3P
O4、Li2SO4、Li2CO3、Li3BO3)系リチウ
ムイオン導電性固体電解質。 - 【請求項4】請求項1〜3に記載のX−Li2S−Si
S2(X=なし、Li2O、Li3PO4、Li2SO4、L
i2CO3、Li3BO3)系リチウムイオン導電性固体電
解質を用いて構成した全固体リチウム二次電池。
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-
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- 1996-03-13 JP JP05573196A patent/JP3528402B2/ja not_active Expired - Lifetime
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