JP3527860B2 - 植物栽培装置 - Google Patents

植物栽培装置

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JP3527860B2
JP3527860B2 JP8020799A JP8020799A JP3527860B2 JP 3527860 B2 JP3527860 B2 JP 3527860B2 JP 8020799 A JP8020799 A JP 8020799A JP 8020799 A JP8020799 A JP 8020799A JP 3527860 B2 JP3527860 B2 JP 3527860B2
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の栽培を行う
植物栽培装置に関し、特に、栽培される植物の給水に適
用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から植物を植木鉢で栽培するときに
は、給水・日当たりなど細かな管理が必要であった。特
に、小品盆栽や山野草の栽培では、その鑑賞価値を高め
るため用土を少なくしたり、これらの植物が水はけのよ
い用土を好む傾向があるので、給水の管理や設置場所に
よる日照時間や鉢内温度に多くの神経を使わなければな
らない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、鉢植え植物の
給水技術については、別容器に水を入れ、これを毛細管
現象を利用したりチューブや管などにより供給するもの
や、ポンプによる電動式で供給するものが知られてい
る。しかしながら、これらによれば、給水機構が複雑に
なり、メンテナンスや取り扱いの面で問題が発生するこ
とがある。
【0004】また、都市部で栽培する場合には、植物が
夏の暑さに耐えられなくなるのを防止するために、植木
鉢の温度調節に気を配る必要がある。
【0005】特に、日本の夏は高温多湿となり、鉢植え
植物の栽培には最も神経を使う季節である。このように
過酷な自然環境のなかで鉢植え植物を栽培するには、植
物が好んで生育できる環境を植木鉢や植木鉢を取り巻く
環境の中に作り出す必要がある。
【0006】ところで、鉢植え植物は自然の木々や庭園
の風景を、小規模ではあるが植木鉢の中に取り込んだも
のともいえる。そこで、自然の木々や庭園を取り巻く生
育環境に目を向けてみた。
【0007】まず、植物の生育に欠かせない水は降水に
よって得られるが、自然林では何日も雨が降らなくても
植物は水不足になることはない。それは、過去に降った
雨が地中に蓄えられ、徐々にしみ出すことにより、根か
ら吸収されるからである。
【0008】強い日射については、植物には強い日差し
を好むもの、日陰を好むもの、その中間のものなど、様
々なものがお互いに太陽光線をめぐって共生しあってい
る。あるいは、山、崖、岩石といった自然環境により日
なたと日陰ができ、その自然環境にあった植物が生育し
ているのである。
【0009】また、緑色植物が生命活動を行うことによ
る蒸散や、地表から水分が蒸発することにより、植物や
地表は気化熱を奪われるので、気温に比べ低い温度を維
持することができる。自然林の中にはいると涼しく心地
良いのは、このような水の気化熱の放出によるものであ
る。
【0010】このような自然環境や生物を狭い空間の中
に微妙に生かし、お互いの持ち味を鑑賞するようにした
ものが、日本庭園やロックガーデンといわれるものであ
るといえる。
【0011】したがって、このような自然環境や自然界
の植物に見られる仕組みを、日本庭園よりさらに小規模
な植木鉢の構造の中に生かしていくことが、植物のより
よい生育環境を作り出す基本である。
【0012】また、植木鉢は鑑賞目的のものであるか
ら、見る人の目を和ませてくれるようなものが要求され
る。従来の形にこだわらずに、植木鉢の鉢自体の中に、
庭木、盆栽、庭石、池、苔、魚などの日本庭園に見られ
る素材を取り入れるようにしたい。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】本発明は、植物に安定的に水分を供給する
ことのできる植物栽培装置を提供することを目的とす
る。
【0017】そして、本発明は、手軽に日本庭園の趣向
を享受することのできる植物栽培装置を提供することを
目的とする。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る植物栽培装置は、多孔質素材または非
多孔質素材からなる底面部と、前記底面部の外周から隆
起した形状に形成され、多孔質素材からなる本体部と、
前記底面部と前記本体部とで形成された内部空間で構成
されるとともに給水口を介して外部と連通され、水が貯
留される水貯留部と、前記本体部の表面に形成され、栽
培対象の植物を保持する凹部と、前記凹部の形成された
箇所の前記本体部の内側に形成され、前記凹部を内側か
ら包囲するとともに上方に向けて開口した水受け部とを
有することを特徴とする。
【0023】このような発明によれば、多孔質素材より
なる本体部からしみ出した水が植物に供給されるので、
植物に適度な水分を安定的に供給することが可能にな
る。また、水受け部に蓄えられた水がしみ出すことによ
り、上部に位置する凹部に保持された植物も、下部に形
成された凹部に保持された植物と同じように、最後まで
水を供給することが可能になる。
【0024】また、この隆起した形状の部分は、直射日
光に対して日なた部分と日陰部分とを作り出すため、植
木鉢本体の構造の特徴として、日陰を好む植物を日陰に
移動させることなく栽培することが可能になる。
【0025】さらに、本発明に係る植物栽培装置は、前
述した植物栽培装置において、本体部の表面に、魚の飼
育を行う池または栽培対象の植物が植えられる用土の収
容場所として選択的に使用可能な容器部が形成されてい
ることを特徴とする。
【0026】このような発明によれば、庭石に見立てた
植物栽培装置の一部で魚を飼ったり植物を栽培すること
で本物の庭や池が狭い空間の中で実現できるので、手軽
に日本庭園の趣向を享受することが可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付
図面において同一の機能を有する部材には同一の符号を
付しており、また、重複した説明は省略されている。な
お、発明の実施の形態は、本発明が実施される特に有用
な形態としてのものであり、本発明がその実施の形態に
限定されるものではない。
【0028】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1における植木鉢を示す斜視図、図2は図1のII−
II線に沿った断面図、図3は本発明の実施の形態1に
おける変形例としての植木鉢を示す縦断面図である。な
お、図1および図3においては、植木鉢に植えられた植
物は図示されていない。ここで、本明細書において植木
鉢とは、植木や草花等の植物を植える狭義の植木鉢のみ
ならず、植物や野菜などを数株ずつ栽培することが可能
なプランターも含まれる。
【0029】図1および図2に示すように、本実施の形
態の植木鉢は、水抜き孔10aが形成された底面部10
と、この底面部10の外周から上方に延びて形成された
外壁部11と、底面部10の内側から上方に延びて外壁
部11と繋がるように形成された内壁部12とを有して
いる。ここで、図示する場合には、内壁部12は水抜き
孔10aの周囲から上方に延びているが、以下に説明す
る実施の形態を含め、内壁部12は水抜き孔10aから
距離を置いた位置から延びるようにすることもできる。
【0030】そして、底面部10、外壁部11および内
壁部12は、何れも多孔質素材で形成されている。ここ
で、多孔質素材とは、たとえば素焼きの陶器、陶器、自
然石、石膏、セメント、各種素材を発泡させたり気泡を
封入して成形したものなど、水が一方側から他方側にし
み出すことができる素材をいう。また、後述する非多孔
質素材とは、たとえばプラスチックや金属のように、水
が一方側から他方側にしみ出すことができない素材をい
う。
【0031】外壁部11と内壁部12との間には隙間が
形成され、ここが水の貯留される水貯留部13とされて
いる。そして、この水貯留部13に水を注入するため
に、上方には、水貯留部13と外部とを連通する給水口
14が形成されている。給水口14には蓋15が取り付
けられ、ゴミや動植物の進入が防止されている。
【0032】内壁部12に包囲されるようにして、栽培
対象の植物Pが植えられる用土16が収容される空間で
ある用土収容部17が形成されている。
【0033】なお、設置場所が水平ではなく傾いている
ときのために、底面部10には植木鉢を水平に保つこと
のできる敷物、あるいは収納可能な突起をつけるように
してもよい。
【0034】本実施の形態の植木鉢によれば、多孔質素
材よりなる内壁部12からしみ出した水貯留部13の水
が用土16に供給されるので、たとえば数日から数週間
に一度程度の少ない給水回数でも、少量の用土16ある
いは水はけのよい用土16に植えられた植物Pに対し
て、水貯留部13の水がなくなるまで適度な水分が供給
されることになる。
【0035】これにより、乾きやすい植物Pや葉に水を
かけない方がよい植物Pの栽培、あるいは真夏の乾きや
すい時期での栽培などを含め、日常の頻繁な給水作業が
軽減されて鉢植えの植物Pが乾燥しすぎることがなくな
り、給水の管理に神経質になることなく植物を栽培する
ことが可能になる。
【0036】そして、このように多孔質素材よりなる内
壁部12からしみ出した水が用土16に供給されるの
で、シンプルな給水機構を有する植木鉢を得ることが可
能になる。
【0037】また、本実施の形態の植木鉢によれば、多
孔質素材からなる外壁部11から積極的に水が気化して
大量の気化熱を鉢内部より吸収するので、非常に高温と
なる夏でも鉢内部の温度を気温よりも低く保つことが可
能になる。これにより、高山植物や山野草などを快適な
環境下で栽培することができる。
【0038】ここで、図3に示すように、外壁部11の
外周にはフィン11aを形成することができる。このよ
うにすれば、外壁部11の表面積が増加して水の気化が
促進されるので、鉢内部の温度をより低く保つことが可
能になる。
【0039】(実施の形態2)図4は本発明の実施の形
態2における植木鉢を示す断面図、図5は本発明の実施
の形態2における変形例としての植木鉢を示す断面図で
ある。
【0040】図示する植木鉢においては、底面部10
が、たとえばプラスチックのような非多孔質素材で形成
されているものである。
【0041】前述した実施の形態1のように、植木鉢全
体を同一の素材である多孔質素材で構成することもでき
るが、本実施の形態のように底面部10に非多孔質素材
を使用することもできる。
【0042】このようにすれば、素焼きなど多孔質素材
の成形が楽になるのみならず、植え付けや植木鉢の移動
の際に、比較的壊れやすい底面部10の破損を防止する
ことができる。
【0043】なお、このような植木鉢においても、図5
に示すように、外壁部11の外周にフィン11aを形成
し、鉢内部の温度をより低く保つようにしてもよい。
【0044】(実施の形態3)図6は本発明の実施の形
態3における植木鉢を示す断面図である。
【0045】本実施の形態の植木鉢では、底面部10お
よび外壁部11が非多孔質素材で構成されているもので
ある。
【0046】このように外壁部11も非多孔質素材で構
成すれば、外壁部11からの水の蒸発量が抑制されるの
で、水の蒸発による気化熱が奪われることで鉢内部を気
温より低く保つ機能は低下するものの、水貯留部13に
貯留された水の蒸発速度が低下して、給水間隔をより広
げることが可能になる。
【0047】なお、外壁部11は、このような非多孔質
素材ではなく、多孔質素材で構成し、その表面に釉薬を
塗布して高温で焼成することにより、表面に不透水層を
形成するようにしてもよい。このような不透水層を形成
しても、その部分からの水の蒸発が抑制されるので、同
様に水貯留部13に貯留された水の蒸発速度が低下し
て、給水間隔をより広げることが可能になる。なお、不
透水層は釉薬以外を用いて形成することもできる。
【0048】また、特に釉薬を用いると、植木鉢に自由
な彩色を施すことができ、色彩的な変化を楽しむことが
可能になる。さらに、植木鉢の外壁部11にコケ類等が
付着することを防止することが可能になる。
【0049】(実施の形態4)図7は本発明の実施の形
態4における植物栽培装置を示す斜視図、図8は図7の
VIII−VIII線に沿った縦断面図、図9は本発明
の実施の形態4における変形例としての植物栽培装置を
示す断面図である。
【0050】図7および図8に示すように、本実施の形
態の植物栽培装置は、底面部20と、底面部20の外周
から隆起した形状に形成された本体部21とを有してい
る。そして、底面部20および本体部21は、何れも多
孔質素材で形成されている。
【0051】なお、本実施の形態において、本体部21
は山形になっているが、たとえば底面部20から外方に
迫り出すようにして隆起した形状など、種々の形状を採
ることができる。
【0052】底面部20と本体部21との間には内部空
間が形成され、ここが水の貯留される水貯留部22とさ
れている。そして、この水貯留部22に水を注入するた
めに、上方には、水貯留部22と外部とを連通する給水
口23が形成されている。給水口23には蓋24が取り
付けられ、ゴミや動植物の進入が防止されている。
【0053】本体部21の表面の複数箇所には、栽培対
象である植物Pを保持する凹部25が形成されている。
なお、凹部25は必要な位置に必要な数だけ形成するこ
とができ、1箇所であってもよい。
【0054】また、本実施の形態においては単一の植物
栽培装置が示されているが、たとえばこれを大小取り揃
え、相互に積み重ねて使用するようにしてもよい。
【0055】ここで、凹部25とは、茶碗の内側のよう
にくぼんだ部分で、植物Pを保持することができる場所
を指す。なお、植物Pによっては凹部25を斜めに設置
したり、凹部25に隙間を設けたりすることもできる。
また、凹部25は、道路の側溝にみられるU字溝のよう
に水を蓄えられない形状のものでもよい。さらに、爪楊
枝の先が入る程度の隙間であってもコケ類等の栽培は可
能であるので、このような形状を採用してもよい。
【0056】したがって、凹部25は、植物P(用土に
植えられた植物も含む)を保持することはできるが、雨
水や散水による余分な水を流れ出すことのできる構造で
あればよい。
【0057】凹部25の形成された箇所の本体部21で
は、その厚みが他の箇所よりも薄くなっており、水貯留
部22からの水が表面にしみ出しやすくなるように配慮
されている。但し、凹部25の位置は必ずしも薄くしな
くてもよい。
【0058】本実施の形態の植物栽培装置は庭石のよう
に使用される。そして、凹部25には、苔や小型のシ
ダ、山野草、小品盆栽などを植え付けることができる。
【0059】通常、住宅地では、庭石に地衣類やコケ類
等の植物は生えないか、または条件が良くても長い年月
が必要である。
【0060】しかし、本実施の形態の植物栽培装置によ
れば、多孔質素材よりなる本体部21からしみ出した水
が植物Pに供給されるので、植物Pには適度な水分が安
定的に与えられるようになり、地衣類やコケ類等はもち
ろんのこと、植物Pを手間なく短期間で栽培することが
可能になる。
【0061】そして、前述のように凹部25の位置を薄
くすれば、より多くの水を植物Pに供給することが可能
になる。
【0062】また、多孔質素材からなる本体部21から
積極的に水が気化して大量の気化熱が吸収されるので、
直射日光の当たる環境でも温度を気温よりも低く保つこ
とができ、植物Pの生育に適した環境を提供することが
できる。
【0063】さらに、装置を屋外に設置したときに日な
た部分と日陰部分とが作り出されるので、日なた部分に
は日なたを好む植物Pを、日陰部分には日陰を好む植物
Pをそれぞれ配置することにより、装置を移動させるこ
となく同じ場所でより多様な植物Pを栽培することが可
能になる。
【0064】ここで、図9に示すように、凹部25の形
成された箇所の本体部21の内側には、凹部25を内側
から包囲するとともに上方に向けて開口した水受け部2
6を形成することができる。そして、この水受け部26
には、凹部25にしみ出る水が保持される。ここで、水
受け部26は、たとえば上部に形成された凹部25の少
し下から上に向かって形成する。
【0065】水貯留部22内の水の水位は、時間の経過
に伴って下降する。そして、底の方まで水位が下がった
とき、小さな装置では、水は毛細管現象により上部の植
物Pにも供給されるが、大きな装置では、上部にある植
物Pにはほとんど水が供給されなくなる。
【0066】そこで、前述した水受け部26を設けれ
ば、この水受け部26に蓄えられた水がしみ出すことに
より、上部に位置する凹部25に保持された植物Pも、
下部に形成された凹部25に保持された植物Pと同じよ
うに、最後まで水を供給することが可能になる。
【0067】さらに、凹部25の形成された箇所以外の
本体部21の表面には、釉薬などを用いて不透水層を形
成することができる。
【0068】不透水層を形成すれば、本体部21からの
水の蒸発量が抑制されるので、水貯留部22に貯留され
た水の蒸発速度が低下して、給水間隔をより広げること
が可能になる。また、本体部21にコケ類等が付着する
ことを防止することが可能になる。特に釉薬を用いれ
ば、装置に自由な彩色を施すことができ、色彩的な変化
を楽しむことが可能になる。
【0069】(実施の形態5)図10は本発明の実施の
形態5における植物栽培装置を示す斜視図、図11は図
10のIX−IX線に沿った縦断面図である。
【0070】本実施の形態の植物栽培装置は、魚Fの飼
育を行う池または栽培対象の植物が植えられる用土の収
容場所として選択的に使用可能な大きさの容器部27が
形成されているものである。
【0071】そして、池として使用される場合に備え、
容器部27の側面上方には、所定量以上の水が排出され
る排水口30が形成されている。
【0072】なお、本実施の形態において容器部27は
1箇所に形成されているが、複数箇所であってもよい。
また、容器部27の形成された箇所の本体部21でも、
その厚みを他の箇所よりも薄くし、水貯留部22からの
水がしみ出しやすくすることができる。
【0073】容器部27の底面には、池として使用され
るときには蓋28により閉塞され、用土の収容場所とし
て使用されるときには開放される水抜き孔29が形成さ
れている。
【0074】このような植物栽培装置によれば、凹部2
5と容器部27とを組み合わせてミニ庭園のように使用
することができる。
【0075】すなわち、容器部27には水を入れてメダ
カなどの魚Fを飼い、あるいは小さな水草を入れるなど
し、池として使用する。または、用土を入れて植物Pを
栽培する。
【0076】容器部27の水は蒸発して減少するが、水
貯留部22からの水が水圧の差により少しずつしみ出す
ので、結果的に、長期間にわたって容器部27に水を蓄
えておくことが可能になる。
【0077】これにより、庭石に見立てた植物栽培装置
の一部で魚Fを飼ったり植物を栽培することができるの
で、本物の庭や池が狭い空間の中で実現される。したが
って、スペース効率に優れ、手軽に日本庭園のよさを味
わうことが可能になる。
【0078】なお、本実施の形態において、凹部25お
よび容器部27の形成された箇所以外の本体部21の表
面に釉薬などにより不透水層を形成することができる。
これによれば、前述のように、給水間隔をより広げるこ
とができ、本体部21にコケ類等が付着することを防止
することができ、特に釉薬を用いれば色彩的な変化を楽
しむことができる。
【0079】また、本植物栽培装置でも、実施の形態4
で説明した水受け部を設けることができる。これによれ
ば、上部に形成された凹部25に保持された植物Pにも
安定的に水を供給することが可能になる。
【0080】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば以下の効果を奏することができる。
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】(1).多孔質素材よりなる植物栽培装置の本
体部からしみ出した水が植物に供給されるので、植物に
適度な水分を安定的に供給することが可能になる。これ
により、植物を手間なく栽培することができる。
【0089】(2).多孔質素材からなる本体部から積極的
に水が気化して大量の気化熱が吸収されるので、直射日
光の当たる環境でも温度を気温よりも低く保つことがで
き、植物の生育に適した環境を得ることが可能になる。
【0090】(3).植物栽培装置を庭石風に成形して自然
の山や谷、池などを演出すれば、小さいながらも日本庭
園の要素をほとんどすべて含んだ鑑賞価値の高い庭園を
造形することが可能になる。
【0091】(4).また、植物栽培装置の本体部を種々の
形状に形成することができるので、自然石にはないよう
な特異な形状を、自由に作り上げることが可能になる。
【0092】(5).凹部の形成された箇所の本体部の内側
に水受け部を形成すれば、水受け部に蓄えられた水がし
み出すことにより、上部に位置する凹部に保持された植
物も、下部に形成された凹部に保持された植物と同じよ
うに、最後まで水を供給することが可能になる。
【0093】(6).植物栽培装置に容器部を形成すれば、
庭石に見立てた植物栽培装置の一部で魚を飼ったり植物
を栽培することにより、本物の庭や池が狭い空間の中で
実現できるので、スペース効率に優れ、手軽に日本庭園
の趣向を享受することが可能になる。
【0094】(7).植物栽培装置における隆起した本体部
により日なた部分と日陰部分とが作り出されるので、日
なたを好む植物と日陰を好む植物とを所定の位置に配置
することにより、装置を移動させることなく同じ場所で
より多様な植物を栽培することが可能になる。
【0095】(8).本発明の植物栽培装置を用いることに
より、たとえば自然の杉の木に見立ててスギゴケを植え
たり、錦鯉に見立てて赤メダカを飼育したりというよう
に、遊び心を刺激しながら自然とふれあうことが可能に
なる。
【0096】(9).植物栽培装置における凹部や容器部の
形成された箇所の本体部の厚みを他の箇所よりも薄くす
れば、水貯留部からの水がより多くしみ出しやすくな
る。
【0097】(10)凹部や容器部の形成された箇所以外の
本体部の表面に不透水層を形成すれば、本体部からの水
の蒸発量が抑制されるので、水貯留部に貯留された水の
蒸発速度が低下して、給水間隔をより広げることが可能
になる。また、本体部にコケ類等が付着することを防止
することが可能になる。特に、釉薬で不透水層を形成す
れば、装置に自由な彩色を施すことができ、色彩的な変
化を楽しむことが可能になる。
【0098】(11)給水間隔は、天候の影響である日照、
降水量、湿度、風、あるいは植物自体の株の大きさや蒸
散の量などにより異なる。そして、本発明の植木鉢およ
び植物栽培装置においては、これらの要因により容器が
乾くと供給される水の量も増加する。逆に言えば、雨天
や湿った日、あるいは小さな株の植物には、水があまり
供給されない。したがって、本発明によれば、刻々と変
化する植物の栽培環境に対して、給水量を自動的に最適
な状態に調整することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における植木鉢を示す斜
視図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1における変形例としての
植木鉢を示す縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2における植木鉢を示す断
面図である。
【図5】本発明の実施の形態2における変形例としての
植木鉢を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3における植木鉢を示す断
面図である。
【図7】本発明の実施の形態4における植物栽培装置を
示す斜視図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿った縦断面図
である。
【図9】本発明の実施の形態4における変形例としての
植物栽培装置を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態5における植物栽培装置
を示す斜視図である。
【図11】図10のIX−IX線に沿った縦断面図であ
る。
【符号の説明】
10 底面部 10a 水抜き孔 11 外壁部 11a フィン 12 内壁部 13 水貯留部 14 給水口 15 蓋 16 用土 17 用土収容部 20 底面部 21 本体部 22 水貯留部 23 給水口 24 蓋 25 凹部 26 水受け部 27 容器部 28 蓋 29 水抜き孔 30 排水口 F 魚 P 植物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 9/02 A01G 27/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質素材または非多孔質素材からなる
    底面部と、 前記底面部の外周から隆起した形状に形成され、多孔質
    素材からなる本体部と、 前記底面部と前記本体部とで形成された内部空間で構成
    されるとともに給水口を介して外部と連通され、水が貯
    留される水貯留部と、 前記本体部の表面に形成され、栽培対象の植物を保持す
    る凹部と、 前記凹部の形成された箇所の前記本体部の内側に形成さ
    れ、前記凹部を内側から包囲するとともに上方に向けて
    開口した水受け部とを有することを特徴とする植物栽培
    装置。
  2. 【請求項2】 前記本体部の表面には、魚の飼育を行う
    池または栽培対象の植物が植えられる用土の収容場所と
    して選択的に使用可能な容器部が形成されていることを
    特徴とする請求項1記載の植物栽培装置。
  3. 【請求項3】 前記容器部の底面には、池として使用さ
    れるときには閉塞され、用土の収容場所として使用され
    るときには開放される水抜き孔が形成されていることを
    特徴とする請求項2記載の植物栽培装置。
  4. 【請求項4】 前記凹部、または前記凹部および前記容
    器部の形成された箇所の前記本体部は、その厚みが他の
    箇所よりも薄くなっていることを特徴とする請求項1〜
    の何れか一項に記載の植物栽培装置。
  5. 【請求項5】 前記凹部、または前記凹部および前記容
    器部の形成された箇所以外の前記本体部の表面には、不
    透水層が形成されていることを特徴とする請求項1〜
    の何れか一項に記載の植物栽培装置。
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