JP3526650B2 - Pdpの製造方法 - Google Patents
Pdpの製造方法Info
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Description
スプレイパネル)の製造方法に関する。PDPは、高速
表示の可能な薄型表示デバイスであり、ハイビジョン映
像用の大型カラー表示デバイスとして注目されている。
PDPの市場が拡がるにつれて、特性の安定した高品質
のPDPを製造する技術の重要性が増している。
である。図5において、PDP1は、放電空間30を挟
んで対向する一対の基板(通常はガラス板)11,21
を基体とする構造の表示パネルである。
図示しない複数の電極が所定ピッチで配列されており、
これらの電極によって表示領域EHが画定される。ま
た、電極は放電空間から基板の端縁部まで導出され、フ
レキシブル配線板によって外部の駆動回路と接続され
る。駆動回路との接続を可能とするため、各基板11,
21は、それぞれの両端縁が他方の基板の端縁より外側
に張り出すように、その大きさ及び対向配置位置が設定
される。
11及び背面側のガラス基板21について別個に電極及
び他の構成部材を設けた後、一方の基板の表面に封止材
として枠状の低融点ガラス層40を設けておく。そし
て、両基板11,21を重ね合わせ、互いに押し当てた
状態で400〜450℃程度に加熱する。これにより、
基板11,21が融着により一体化されて放電空間30
が形成される。
放電空間30の排気を行って放電ガスを充填する。この
ため、あらかじめ一方の基板(通常は背面側)21には
直径5mm程度の貫通孔25が設けられており、排気に
先立ってガラス基板21の外面に数cm程度の長さのガ
ラス管(チップ管)60が融着される。つまり放電空間
30と真空ポンプ(又は放電ガスボンベ)とを接続する
ための配管の一部としてチップ管60が取付けられ、貫
通孔25とチップ管60とを介して排気及びガス充填が
行われる。チップ管60は、放電ガスを充填した後に通
気路を塞ぐように溶断され、その時点で放電空間30が
完全に密閉される。
電に壁電荷を利用するAC型PDPでは、電極が放電空
間30に対して誘電体(通常は低融点ガラス)で被覆さ
れている。
て、電極がCr/Cu/Crなどの金属薄膜からなる場
合には、電極の端部(すなわち放電空間30の外側に導
出された部分)を含めて電極の全体を被覆するように誘
電体層を設けていた。そして、一対の基板を一体化して
放電空間を密閉した後の段階で、電極と外部との導電接
続を可能とするため、電極の端部を覆う誘電体層を取り
除いていた。
ておくことにより、基板を封止するための熱処理での酸
化を防止することができる。つまり、誘電体層は、60
0℃程度の熱に対する耐熱性を有しており、PDPの製
造段階において、電極(金属薄膜)の熱による変質を防
ぐ電極保護層として用いられる。
場合には、不活性雰囲気中で処理を行う必要があり、生
産性が大幅に低下してしまう。
おいては、放電空間30に残留する不純物をできるだけ
少なくするのが望ましい。水分や炭酸ガスなどの不純物
が残存すると、放電特性が不安定になり、焼付きが生じ
易くなる。
るため、基板11,21を350℃程度に加熱した状態
で排気が行われていた。しかし、350℃程度の熱エネ
ルギーでは不純物を十分に除去することが困難であっ
た。
て物理的及び化学的に除去することが考えられる。この
放電による清浄化は、特に内壁面が活性な状態であるベ
ーキング(真空熱処理)中に行なえばより効果的であ
る。
は電極全体が誘電体層(絶縁層)で被覆されているの
で、放電による内部の清浄化を行うことができなかっ
た。本発明は、この問題に鑑みてなされたもので、電極
を変質させることなく、放電による放電空間の清浄化を
行って特性の安定したPDPを製造することを目的とし
ている。
は、図1及び図2に示すように、第1の基板上に複数の
電極を配列し、前記各電極の全体を耐熱性保護層で被覆
した後に、前記第1の基板と第2の基板とを前記各電極
の端部が前記第2の基板の端縁から張り出すように対向
配置し、前記第1及び第2の基板を一体化して放電のた
めの内部空間を形成し、前記第1及び第2の基板を加熱
した状態で前記内部空間の排気を行うPDPの製造方法
であって、前記耐熱性保護層の内の前記各電極の前記端
部を被覆する部分の層として導電性を有した層を形成し
ておき、前記内部空間の排気の途中の段階で前記内部空
間に放電ガスを導入し、前記導電性を有した層を介して
前記各電極に電圧を印加し、前記第1及び第2の基板が
加熱された状態の前記内部空間内で放電を生じさせた後
に、再び前記内部空間の排気を行って放電ガスを導入
し、前記内部空間を完全に密閉する方法である。
した層を全ての前記電極の端部に跨がるように形成し、
前記導電性を有した層を介して全ての前記電極に一括に
前記電圧を印加して放電を生じさせ、前記内部空間を完
全に密閉した後に前記導電性を有した層を取り除くもの
である。
電性を有した耐熱性保護層によって外気と分断され、加
熱時の化学変化(酸化)による変質が防止される。
と外部の電源とを電気的に接続することができるので、
電極を保護した状態で放電を生じさせることができる。
図2はPDP1の要部平面図である。また、図3は本発
明に係るPDP1の分解斜視図であり、1つの画素EG
に対応する部分の基本的な構造を示している。なお、こ
れらの図において、図5に対応する構成要素には同一の
符号を付してある。
の単位発光領域EUに一対の表示電極X,Yとアドレス
電極Aとが対応する3電極構造の面放電型PDPであ
り、蛍光体の配置形態による分類の上で反射型と呼称さ
れている。
H側(前面側)のガラス基板11上に設けられ、誘電体
層17によって放電空間30に対して被覆されている。
誘電体層17の表面には、数千Å程度の厚さのMgO膜
18が設けられている。放電空間30は、ガラス基板1
1,21の対向領域の周囲を融着する封止ガラス40
(図1参照)によって密閉されている。
対して表示面H側に配置されることから、面放電を広範
囲とし且つ表示光の遮光を最小限とするため、ネサ膜な
どからなる幅の広い透明導電膜41とその導電性を補う
ための幅の狭い3層構造(Cr/Cu/Cr)の金属膜
42とから構成されている。
ように駆動系との接続のためにガラス基板11の端縁部
まで導出され、なお且つ先端(図1の斜線を付した部
分)が図2のように接続端子43として幅広に形成され
ている。
せるためのアドレス電極Aは、厚膜電極であって、背面
側のガラス基板21上に表示電極X,Yと直交するよう
に一定ピッチで配列されている。各アドレス電極Aの間
には、120〜150μm程度の高さを有したストライ
プ状の隔壁29が設けられ、これによって放電空間30
がライン方向に単位発光領域EU毎に区画され且つ放電
空間30の間隙寸法が規定されている。
Aの上面及び隔壁29の側面を含めて背面側の内面を被
覆するように、R(赤),G(緑),B(青)の3原色
の蛍光体28が設けられている。各色の蛍光体28は、
面放電時に放電空間30内の放電ガスが放つ紫外線によ
って励起されて発光する。PDP1では、R,G,Bの
組み合わせによるフルカラー表示が可能である。
を、低融点ガラスからなる誘電体層17と導電性耐熱層
50とによって保護する。導電性耐熱層50は、例えば
銀ペースト又は銀と鉛ガラスと主成分とする導電性ペー
ストの焼成によって得られ、封止材40の外側に位置す
る接続端子43を被覆する。本実施例では、図2のよう
に表示電極Yを構成する全ての金属膜42の先端の接続
端子43に跨がるように導電性耐熱層50を形成する。
これにより各表示電極Yに一括に電圧を印加することが
できる。なお、表示電極Xについては、全体を誘電体層
17によって保護する。
7の表面にMgO膜18を真空蒸着によって形成する。
そして、表示電極X,Yを有するガラス基板11と、別
途にアドレス電極Aなどを設けた背面側のガラス基板2
1とを、接続端子43がガラス基板21の端縁から張り
出すように対向配置して一体化する。これにより、内部
に放電空間30が形成される。ただし、この時点では放
電空間30は大気状態である。
放電空間30と排気装置とを接続し、真空排気及び35
0℃のベーキング(加熱処理)を行う。このとき、加熱
に先立って導電性耐熱層50に通電用プローブを取り付
けておく。
と、排気を中断して放電空間30に放電ガスを導入す
る。放電ガスとしては、例えばネオンとキセノンと酸素
との混合ガスを用いる。また、ガス圧力は数十〜数百T
orrの範囲内の適当な値とする。
表示電極Yに対して共通に電圧パルス(200V、10
kHz)を印加し、ガラス基板11を加熱状態に保った
状態で放電空間30を清浄化するための放電を生じさせ
る。本実施例では、放電空間30の前面側及び背面側の
両方の壁面を清浄化するため、図4のように表示電極Y
とアドレス電極Aとを電源80に接続し、ガラス基板1
1,21の対向方向の放電を生じさせる。ここで、アド
レス電極Aについては、導電性耐熱層50と同様の層又
はステンレス板などの冶具を短絡導体55として用いる
ことによって、複数のアドレス電極Aを一括して電源8
0に接続する。
作用によって水分や炭素などの不純物を内壁面から遊離
させた後、再び排気を行って放電ガスとともに不純物を
排出する。その後、新たに放電ガスを導入してチップ管
60を溶断し、放電空間30を完全に密閉する。そし
て、硝酸溶液を用いて導電性耐熱層50を除去し、表示
電極Yを電気的に分離する。これによりPDP1の組立
てが終了する。
1を例示したが、本発明は対向放電型のPDPにも適用
可能である。また、放電空間30の排気と並行して放電
ガスを導入することもできる。その場合は、例えば放電
空間30の対角の隅にそれぞれチップ管60を取り付
け、一方を排気装置と接続し、他方を放電ガスの供給源
と接続すればよい。
電極を変質させることなく、放電による放電空間の清浄
化を行って特性の安定したPDPを製造することができ
る。
て表示領域の全域で放電を生じさせるための外部電源と
の接続が容易になる。
層) Y 表示電極(電極)
Claims (2)
- 【請求項1】第1の基板上に複数の電極を配列し、前記
各電極の全体を耐熱性保護層で被覆した後に、前記第1
の基板と第2の基板とを前記各電極の端部が前記第2の
基板の端縁から張り出すように対向配置し、前記第1及
び第2の基板を一体化して放電のための内部空間を形成
し、前記第1及び第2の基板を加熱した状態で前記内部
空間の排気を行うPDPの製造方法であって、 前記耐熱性保護層の内、前記各電極の前記端部を被覆す
る部分の層として導電性を有した層を形成しておき、 前記内部空間の排気の途中の段階で前記内部空間に放電
ガスを導入し、前記導電性を有した層を介して前記各電
極に電圧を印加し、前記第1及び第2の基板が加熱され
た状態の前記内部空間内で放電を生じさせた後に、 再び前記内部空間の排気を行って放電ガスを導入し、前
記内部空間を完全に密閉することを特徴とするPDPの
製造方法。 - 【請求項2】前記導電性を有した層を全ての前記電極の
端部に跨がるように形成し、前記導電性を有した層を介
して全ての前記電極に一括に前記電圧を印加して放電を
生じさせ、 前記内部空間を完全に密閉した後に前記導電性を有した
層を取り除く、 請求項1記載のPDPの製造方法。
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