JP2006261047A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】PDPとして機能する構成要素を形成した前面側と背面側の基板を、これらの基板および構成要素への水分の付着が防止される温度以上で保持したまま対向させて、前面側の基板と背面側の基板の周辺を封着することにより、基板表面への不純物の物理吸着をなくして、パネル内に封入する放電ガスの汚染を防止する。
【解決手段】プラズマディスプレイパネルとして機能する構成要素を形成した前面側と背面側の基板を、これらの基板および構成要素への水分の付着が防止される温度以上で保持し、保持した前面側と背面側の基板を対向させて周辺を封着する。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下「PDP」と記す)の製造方法に関し、さらに詳しくは、パネル内に封入する放電ガスの汚染防止を図ることで高い性能のPDPを得るようにしたPDPの製造方法に関する。
従来のPDPとして、AC型3電極面放電形式のPDPが知られている。このPDPは、前面側(表示面側)の基板の内面に面放電が可能な表示電極を水平方向に多数設け、背面側の基板の内面に発光セル選択用のアドレス電極を表示電極と交差する方向に多数設け、表示電極とアドレス電極との交差部をセルとするものである。
前面側の基板の表示電極は誘電体層で覆われ、その上にたとえばMgOのような保護膜が形成されている。背面側の基板のアドレス電極も誘電体層で覆われ、アドレス電極とアドレス電極との間には隔壁が形成され、隔壁間には蛍光体層が形成されている。
PDPは、このように作製した前面側の基板と背面側の基板とを対向させて周辺を封止した後、内部に放電ガスを封入することにより製造されている。
このPDPの製造に際しては、たとえば前面側の基板に蒸着法で表示電極を形成し、低融点ガラスペーストを塗布して焼成することにより誘電体層を形成し、蒸着法で保護膜を形成し、これにより前面側の基板を製造し、保持しておく。
また、これと並行して、背面側の基板に蒸着法でアドレス電極を形成し、低融点ガラスペーストを塗布して焼成することにより誘電体層を形成し、隔壁材料層を成形して焼成することで隔壁を形成し、蛍光体ペーストを塗布して焼成することで蛍光体層を形成し、これにより背面側の基板を製造し、保持しておく。
そして、背面側または前面側の基板の周囲に、低融点ガラスにバインダー樹脂を混入したペースト状のシール材を塗布し(一般的には背面側にシール材を塗布する)、仮焼成してシール材に含まれる樹脂成分を除去した後、背面側の基板に前面側の基板を対面させ、シール材の融着温度まで加熱することで、背面側の基板と前面側の基板とを封着するようにしている。
この場合、前面側の基板は、保護膜を形成した後、常温大気雰囲気で保持されている。背面側の基板は、シール材の塗布後、400〜600℃の温度で仮焼成される。そして、その後、背面側の基板と前面側の基板とが封着される。
特開2002−231129号 特開2000−156160号
しかしながら、誘電体層、隔壁、及び蛍光体層や、MgOのような保護膜は、形成後の常温大気雰囲気保管により、大気中の水素、水、窒素、及び有機物質等の様々なガスを吸着してしまう。この吸着された不純物ガスは封着工程で脱離するため、封着後にパネル内に封入された放電ガスを汚染し、結果として放電電圧上昇等のパネル特性異常を引き起こす。
なお、上記のような放電ガスの汚染を防止するために、保護膜の形成から基板の封着までの工程を、乾燥雰囲気中で連続的に行うものが知られている(特許文献1参照)。
また、保護膜の形成から基板の封着までの工程を、真空中で連続的に行うものも知られている(特許文献2参照)。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、PDPとして機能する構成要素を形成した前面側と背面側の基板を、これらの基板および構成要素への水分の付着が防止される温度以上で保持したまま対向させて、前面側の基板と背面側の基板の周辺を封着することにより、基板表面への不純物の物理吸着をなくして、パネル内に封入する放電ガスの汚染を防止するものである。
本発明は、プラズマディスプレイパネルとして機能する構成要素を形成した前面側と背面側の基板を、これらの基板および構成要素への水分の付着が防止される温度以上で保持し、保持した前面側と背面側の基板を対向させて周辺を封着することからなるプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
(1)放電ガスの汚染がなくなることで、保護膜表層の変質を防止できるため、基板の放置による放電電圧の変動が防止される。
(2)放電ガスの汚染がなくなることで、保護膜の電子放出特性を安定化できるため、初期パネル特性としてのマージンが拡がる。
(3)放電ガスの汚染がなくなることで、保護膜の電子放出特性を安定化できるため、放電電圧安定化処理(エージング)時間が短縮される。
(4)パネル内の構成要素の一つであるである蛍光体は、水分との化学反応により発光効率が低下するが、本発明により放電ガスを汚染する水分を低減できるため、蛍光体層の劣化が防止される。
(5)パネル内の構成要素に吸着される水分を低減できるため、パネル内の不純物ガスを排出するための排気処理時間が短縮される。
(6)封着前の加熱工程の熱量をそのまま封着に利用できるため、省エネルギーとなる。
本発明において、前面側と背面側の基板としては、ガラス、石英、セラミックス等の基板が含まれる。プラズマディスプレイパネルとして機能する構成要素としては、電極、誘電体層、保護膜、隔壁、蛍光体層等が挙げられる。
電極は、当該分野で公知の各種の材料と方法を用いて形成することができる。電極に用いられる材料としては、例えば、ITO、SnO2などの透明な導電性材料や、Ag、Au、Al、Cu、Crなどの金属の導電性材料が挙げられる。電極の形成方法としては、当該分野で公知の各種の方法を適用することができる。たとえば、印刷などの厚膜形成技術を用いて形成してもよいし、物理的堆積法または化学的堆積法からなる薄膜形成技術を用いて形成してもよい。厚膜形成技術としては、スクリーン印刷法などが挙げられる。薄膜形成技術の内、物理的堆積法としては、蒸着法やスパッタ法などが挙げられる。化学的堆積方法としては、熱CVD法や光CVD法、あるいはプラズマCVD法などが挙げられる。
誘電体層は、低融点ガラスフリットとバインダー樹脂からなる低融点ガラスペーストを、基板にスクリーン印刷法で塗布し、焼成することで形成することができる。低融点ガラスとしては、酸化シリコン、ホウケイ酸ガラス、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化鉛等のガラス材を適用することができる。またプラズマCVD法により成膜したSiO2等も適用できる。
保護膜は、表示の際の放電により生じるイオンの衝突による損傷から誘電体層を保護するためのものである。保護膜は、MgOやSiO2を用いて、薄膜形成プロセスで形成することができる。この保護膜は、電子ビーム蒸着法やスパッタ法のような、当該分野で公知の薄膜形成プロセスによって形成してもよい。
隔壁は、サンドブラスト法、印刷法、フォトエッチング法等によりストライプ状又はメッシュ状に形成することができる。例えば、サンドブラスト法では、低融点ガラスフリット、バインダー樹脂、溶媒等からなるガラスペーストを誘電体層上に塗布して乾燥させた後、そのガラスペースト層上に隔壁パターンの開口を有する切削マスクを設けた状態で切削粒子を吹きつけて、マスクの開口に露出したガラスペースト層を切削し、さらに焼成することにより形成することができる。また、フォトエッチング法では、切削粒子で切削することに代えて、バインダー樹脂に感光性の樹脂を使用し、マスクを用いた露光及び現像の後、焼成することにより形成することができる。
蛍光体層は、蛍光体粉末とバインダー樹脂と溶媒とを含む蛍光体ペーストを隔壁間の凹溝状の放電空間内にスクリーン印刷、又はディスペンサーを用いた方法などで塗布し、これを各色毎に繰り返した後、焼成することにより形成することができる。この蛍光体層は、蛍光体粉末と感光性材料とバインダー樹脂とを含むシート状の蛍光体層材料(いわゆるグリーンシート)を使用し、フォトリソグラフィー技術で形成することもできる。この場合、所望の色のシートを基板上の表示領域全面に貼り付けて、露光、現像を行い、これを各色毎に繰り返すことで、対応する隔壁間に各色の蛍光体層を形成することができる。
上記製造方法においては、背面側の基板にプラズマディスプレイパネルとして機能する構成要素が形成された後、背面側の基板の周辺に封着用のシール材を塗布して仮焼成する工程をさらに備えることが望ましい。その場合、背面側の基板は、その仮焼成の工程に引き続いて基板および構成要素への水分の付着が防止される温度以上で保持されることが望ましい。
前面側の基板にプラズマディスプレイパネルとして機能する構成要素が形成された後、前面側の基板は、その構成要素の形成工程に引き続いて基板および構成要素への水分の付着が防止される温度以上で保持されることが望ましい。
基板および構成要素への水分の付着が防止される温度は、約80℃以上であることが好ましいが、より好ましくは約150℃以上である。
構成要素が形成された前面側の基板と背面側の基板は、これらの基板および構成要素への水分の付着が防止される温度以上で、かつ両基板の温度差が10℃以下で保持されて周辺が封着されることが望ましい。
本発明は、また、上記製造方法のいずれかで製造されたプラズマディスプレイパネルである。
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を詳述する。なお、本発明はこれによって限定されるものではなく、各種の変形が可能である。
図1(a)および図1(b)は本発明の製造方法により製造されたPDPの構成を示す説明図である。このPDPはカラー表示用のAC型3電極面放電形式のPDPである。図1(a)はPDP全体を示し、図1(b)はPDPの部分分解斜視図である。
PDP10は、PDPとして機能する構成要素が形成された前面側の基板11と背面側の基板21から構成されている。前面側の基板11と背面側の基板21としては、ガラス基板、石英基板、セラミック基板等を使用することができる。
前面側の基板11の内側面には、水平方向に対となる表示電極X,Yが放電の発生しない間隔(非放電ギャップ)を置いて形成されている。表示電極Xと表示電極Yとの間が表示ラインLとなる。各表示電極X,Yは、ITO、SnO2などの幅の広い透明電極12と、例えばAg、Au、Al、Cu、Cr及びそれらの積層体(例えばCr/Cu/Crの積層構造)等からなる金属製の幅の狭いバス電極13から構成されている。表示電極X,Yは、Ag、Auについてはスクリーン印刷のような厚膜形成技術を用い、その他については蒸着法、スパッタ法等の薄膜形成技術とエッチング技術を用いることにより、所望の本数、厚さ、幅及び間隔で形成することができる。
表示電極X,Yの上には、表示電極X,Yを覆うように交流(AC)駆動用の誘電体層17が形成されている。誘電体層17は、低融点ガラスペーストを、前面側の基板11上にスクリーン印刷法で塗布し、焼成することにより形成している。
誘電体層17の上には、表示の際の放電により生じるイオンの衝突による損傷から誘電体層17を保護するための保護膜18が形成されている。この保護膜はMgOで形成されている。
背面側の基板21の内側面には、平面的にみて表示電極X,Yと交差する方向に複数のアドレス電極Aが形成され、そのアドレス電極Aを覆って誘電体層24が形成されている。アドレス電極Aは、Y電極との交差部で発光セルを選択するためのアドレス放電を発生させるものであり、Cr/Cu/Crの3層構造で形成されている。このアドレス電極Aは、その他に、例えばAg、Au、Al、Cu、Cr等で形成することもできる。アドレス電極Aも、表示電極X,Yと同様に、Ag、Auについてはスクリーン印刷のような厚膜形成技術を用い、その他については蒸着法、スパッタ法等の薄膜形成技術とエッチング技術を用いることにより、所望の本数、厚さ、幅及び間隔で形成することができる。誘電体層24は、誘電体層17と同じ材料、同じ方法を用いて形成することができる。
隣接するアドレス電極Aとアドレス電極Aとの間の誘電体層24上には、複数のストライプ状の隔壁29が形成されている。隔壁29は、サンドブラスト法、印刷法、フォトエッチング法等により形成することができる。例えば、サンドブラスト法では、低融点ガラスフリット、バインダー樹脂、溶媒等からなるガラスペーストを誘電体層24上に塗布して乾燥させた後、そのガラスペースト層上に隔壁パターンの開口を有する切削マスクを設けた状態で切削粒子を吹きつけて、マスクの開口に露出したガラスペースト層を切削し、さらに焼成することにより形成する。また、フォトエッチング法では、切削粒子で切削することに代えて、バインダー樹脂に感光性の樹脂を使用し、マスクを用いた露光及び現像の後、焼成することにより形成する。
隔壁29の側面及び隔壁間の誘電体層24上には、赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体層28R,28G,28Bが形成されている。蛍光体層28R,28G,28Bは、蛍光体粉末とバインダー樹脂と溶媒とを含む蛍光体ペーストを隔壁29間の凹溝状の放電空間内にスクリーン印刷、又はディスペンサーを用いた方法などで塗布し、これを各色毎に繰り返した後、焼成することにより形成している。この蛍光体層28R,28G,28Bは、蛍光体粉末と感光性材料とバインダー樹脂とを含むシート状の蛍光体層材料(いわゆるグリーンシート)を使用し、フォトリソグラフィー技術で形成することもできる。この場合、所望の色のシートを基板上の表示領域全面に貼り付けて、露光、現像を行い、これを各色毎に繰り返すことで、対応する隔壁間に各色の蛍光体層を形成することができる。
PDPは、このような構成要素を形成した前面側の基板11と背面側の基板21とを、表示電極X,Yとアドレス電極Aとが交差するように対向配置し、周囲を封止し、隔壁29で囲まれた放電空間30に放電ガスを充填することにより作製されている。このPDPでは、表示電極X,Yとアドレス電極Aとの交差部の放電空間30が表示の最小単位である1つのセル領域(単位発光領域)となる。1画素はR、G、Bの3つのセルで構成される。
図2はパネル基板の製造から封着までの製造工程を示す説明図である。
前面側の基板の製造工程においては、まず、ガラス製の前面側の基板を投入した後(ステップS1)、その基板上に透明電極を形成し(ステップS2)、その透明電極上にバス電極を形成し(ステップS3)、それらの透明電極とバス電極とからなる表示電極を覆って基板全体に誘電体層を形成し(ステップS4)、その誘電体層上に保護膜を形成し(ステップS5)、これにより前面側の基板を製造する。
保護膜は、蒸着、スパッタ、印刷などで形成する。保護膜形成の際の温度は150〜400℃である。
背面側の基板の製造工程においては、まず、ガラス製の背面側の基板を投入した後(ステップS6)、その基板上にアドレス電極を形成し(ステップS7)、そのアドレス電極を覆って基板全体に誘電体層を形成し(ステップS8)、その誘電体層上に隔壁を形成し(ステップS9)、隔壁間に蛍光体層を形成し(ステップS10)、基板の周囲に封着用のシール材を塗布して仮焼成することで、基板の周囲にシール部を形成し(ステップS11)、これにより背面側の基板を製造する。
シール部は、低融点ガラスにバインダー樹脂を混入した低融点ガラスペーストを基板の周囲に塗布し、これを仮焼成することで形成する。仮焼成の温度は300〜600℃である。
その後、背面側の基板に前面側の基板を対向させて、シール材が融着する温度である350〜450℃まで加熱して、背面側の基板と前面側の基板の周辺を封着する(ステップS12)。
前面側の基板を製造した後は、保護膜の形成工程が終了した時点からパネル封着工程の時点まで、前面側の基板を80℃以上、望ましくは150℃以上の温度で保持する。この温度維持の方法は、たとえば、搬送経路に切れ目なくヒーター(シースヒーター、ランプヒーターなど)を置いたり、温風循環機構を設けたり、前面側の基板の製造工程の現場とパネル封着工程の現場を近接させて配置するなど、各種の方法を適用することができる。
図3は温風循環機構の一例を示す説明図である。
温風循環機構は、例えば、前面側の基板11または背面側の基板21の搬送ローラー51を備える作業室52に通気路53を接続し、この通気路53内にヒーター54、フィルター55、温風循環ポンプ56などを設けた機構とする。
図4は前面側の基板の製造工程を具体的に示す説明図である。
前面側の基板の製造は、まず、前面側の基板11に透明電極12を形成し(図4(a)参照)、その透明電極12上にバス電極13を形成し(図4(b)参照)、それらの透明電極12とバス電極13を覆って基板全体に誘電体層17を形成し(図4(c)参照)、その誘電体層17上に保護膜18を形成し(図4(d)参照)、これにより前面側の基板を製造する。
図5は背面側の基板の製造工程を具体的に示す説明図である。
背面側の基板の製造工程においては、まず、背面側の基板21にアドレス電極Aを形成し(図5(a)参照)、そのアドレス電極Aを覆って基板全体に誘電体層24を形成し(図5(b)参照)、その誘電体層24上に隔壁29を形成し(図5(c)参照)、隔壁間に蛍光体層を形成し(図5(d)参照)、これにより背面側の基板を製造する。
図6はパネル封着の工程を具体的に示す説明図である。
パネル封着の工程においては、隔壁や蛍光体層のような構成要素を形成した背面側の基板31の周辺に、低融点ガラスフリットにバインダー樹脂を混入した低融点ガラスペーストからなるシール材を塗布し、これを仮焼成することでシール部32を形成する。
シール部32の仮焼成の温度は300〜600℃である。そして、背面側の基板31については、その仮焼成の後、80℃以上、望ましくは150℃以上の温度で保持された状態のものである(図6(a)参照)。
そして、背面側の基板31に対し、位置合わせを行って、表示電極や誘電体層のような構成要素を形成した前面側の基板41を対面させ、図中矢印Pで示す方向に当接させる(図6(b)参照)。
このとき、前面側の基板41は、150〜400℃の温度で保護膜を形成した後、80℃以上、望ましくは150℃以上の温度で保持された状態のものである。
その後、シール部32が融着する温度である350〜450℃まで加熱して、背面側の基板31と前面側の基板41の周辺を封着する(図6(c)参照)。
図7は物理吸着水の脱離カーブを示すグラフである。
このグラフにおいて、横軸は、背面側の基板や前面側の基板のような試料の温度(℃)を示し、縦軸は水イオン強度(A)を示している。
このグラフに示すように、物体からの物理吸着水の脱離温度は、70℃と100℃付近にピークを持っている。これは物体がその温度以上であれば物理吸着しないことを意味する。
つまり、物体(試料)の温度を上昇させていくと、まず、約70℃の時点で物理吸着水の脱離がピークとなる。この時点で、試料に吸着している物理吸着水の半分近くが試料から脱離する。そして、さらに試料の温度を上昇させていくと、約100℃(水の沸点)の時点で、物理吸着水の脱離が2度目のピークとなる。この時点で、試料に吸着している物理吸着水のほとんどが試料から脱離する。
したがって、試料の温度を150℃以上に保持しておけば、70℃と100℃に脱離のピークを持つ物理吸着水に対して、物理吸着を防止することができる。
また、試料の温度を80℃以上に保持しておけば、70℃に脱離のピークを持つ物理吸着水に対して、物理吸着を防止することができる。この場合、100℃に脱離のピークを持つ物理吸着水に対しては、物理吸着を防止することはできないが、物理吸着水の半分近くの吸着については、防止することができる。したがって、温度を保持するための設備、手間、ランニングコストなどの観点から、いずれかを選択すればよい。
前面側の基板については、保護膜形成工程からパネル封着工程までの経路にヒーターのような保温機構を設けるか、または、工程の配置を考慮して、保護膜形成工程からパネル封着工程までの経路を短くするか、あるいは経路の搬送速度を上昇させて、前面側の基板の温度が保護膜形成時の温度(150〜400℃)から150℃以下にならない内に、前面側の基板がパネル封着工程に到着するようにする。
また、背面側の基板についても同様に、シール材の仮焼成工程からパネル封着工程までの経路にヒーターのような保温機構を設けるか、または、工程の配置を考慮して、保護膜形成工程からパネル封着工程までの経路を短くするか、あるいは経路の搬送速度を上昇させて、背面側の基板の温度がシール材の仮焼成温度(300〜600℃)から150℃以下にならない内に、背面側の基板がパネル封着工程に到着するようにする。
図8はパネル基板を150℃で保持した場合の物理吸着水の脱離カーブを示すグラフである。
このグラフは、試料の温度を150℃以上に上昇させて水分を脱離した後、大気雰囲気に150℃で30分間放置したサンプルの水分脱離カーブを示している。
この場合、試料からは、試料温度が150〜200℃の間でわずかに物理吸着水が脱離する程度であり、試料にはほとんど物理吸着水が吸着されていない。つまり、試料を150℃以上で保持することで、物理吸着水の吸着がほぼ完全に防止されていることがわかる。
このように、パネル基板を150℃以上で保持しておけば、大気雰囲気であっても、水分の物理吸着を防止することができる。
前面側の基板と背面側の基板との温度差については、封着する際の基板のアライメント精度を考慮する必要がある。
最も規格の緩い製品である32インチVGAの場合には、前面側の基板と背面側の基板とのアライメント精度は±55μmである。表示領域の長辺の長さを700mmとし、ガラス基板の熱膨張係数を85×10-7/℃とすると、許容できる温度差は、
0.055/(700×85×10-7)=9.2℃
となる。これ以上の温度差があると、±55μmのアライメント精度が保てなくなる。
また、最も規格の厳しい製品である50インチFull HDの場合には、前面側の基板と背面側の基板とのアライメント精度は±20μmである。表示領域の長辺の長さを1100mmとし、ガラス基板の熱膨張係数を85×10-7/℃とすると、許容できる温度差は
0.02/(1100×85×10-7)=2.1℃
となる。これ以上の温度差があると、±20μmのアライメント精度が保てなくなる。
したがって、前面側の基板と背面側の基板との温度差は、最も規格の緩い製品である32インチVGAの場合には、10℃以下とすることが望ましい。また、最も規格の厳しい製品である50インチFull HDの場合には、3℃以下とすることが望ましい。よって、前面側の基板と背面側の基板との温度差は、10℃以下、望ましくは3℃以下とする。
このように、前面側の基板と背面側の基板との温度差を10℃以下、望ましくは3℃以下にして、前面側の基板と背面側の基板を80℃以上、望ましくは150℃以上の温度でそれぞれ保持した状態で封着することにより、パネル内に封入する放電ガスの汚染を防止して、放電電圧上昇等のパネル特性異常の発生を防止することができる。
本発明の製造方法により製造されたPDPの構成を示す説明図である。 パネル基板の製造から封着までの製造工程を示す説明図である。 温風循環機構の一例を示す説明図である。 前面側の基板の製造工程を具体的に示す説明図である。 背面側の基板の製造工程を具体的に示す説明図である。 パネル封着の工程を具体的に示す説明図である。 物理吸着水の脱離カーブを示すグラフである。 パネル基板を150℃で保持した場合の物理吸着水の脱離カーブを示すグラフである。
符号の説明
10 PDP
11,41 前面側の基板
12 透明電極
13 バス電極
17,24 誘電体層
18 保護膜
21,31 背面側の基板
28R,28G,28B 蛍光体層
29 隔壁
30 放電空間
51 搬送ローラー
52 作業室
53 通気路
54 ヒーター
55 フィルター
56 温風循環ポンプ
A アドレス電極
L 表示ライン
X,Y 表示電極

Claims (8)

  1. プラズマディスプレイパネルとして機能する構成要素を形成した前面側と背面側の基板を、これらの基板および構成要素への水分の付着が防止される温度以上で保持し、保持した前面側と背面側の基板を対向させて周辺を封着することからなるプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 背面側の基板にプラズマディスプレイパネルとして機能する構成要素が形成された後、背面側の基板の周辺に封着用のシール材を塗布して仮焼成する工程をさらに備え、背面側の基板が、その仮焼成の工程に引き続いて基板および構成要素への水分の付着が防止される温度以上で保持される請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 前面側の基板にプラズマディスプレイパネルとして機能する構成要素が形成された後、前面側の基板が、その構成要素の形成工程に引き続いて基板および構成要素への水分の付着が防止される温度以上で保持される請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 前記基板および構成要素への水分の付着が防止される温度が約80℃である請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 前記基板および構成要素への水分の付着が防止される温度が約150℃である請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  6. 構成要素が形成された前面側の基板と背面側の基板は、これらの基板および構成要素への水分の付着が防止される温度以上で、かつ両基板の温度差が10℃以下で保持されて周辺が封着される請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  7. 前面側の基板および背面側の基板を搬送する搬送経路にヒーターまたは温風機構を備え、搬送経路を基板および構成要素への水分の付着が防止される温度以上に保持することからなる請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の製造方法で製造されたプラズマディスプレイパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012195300A (ja) * 2012-06-13 2012-10-11 Panasonic Corp ガス放電表示パネル

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JP2012195300A (ja) * 2012-06-13 2012-10-11 Panasonic Corp ガス放電表示パネル

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