JP3526506B2 - 曲り板の片面溶接装置 - Google Patents
曲り板の片面溶接装置Info
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Description
により形成された開先を、3次元的に倣って溶接する装
置に関し、特に、これに限定する意図ではないが、船体
の船首あるいは船尾等の外板にあてられる曲面鉄鋼パネ
ルどうしの突き当て部を片面溶接する装置に関する。
ル(例:15m×20m)を突き当てて片面溶接し、船
体の外板を製造する。ところで、船首あるいは船尾等の
外板のように、溶接後の形状が曲面となる部分にあてら
れる鉄鋼パネルどうしを溶接する場合には、各パネルを
所要の曲率となるよう油圧ジャッキで下から支持したま
ま、互いに突き当てて、その突き当て部すなわち開先
を、上方から溶接する。この場合の開先は、形成される
外板の曲面に沿ってのび、3次元的な曲りを有する。こ
のような開先を溶接する場合、直線状の開先を溶接する
ことが前提である自動溶接装置は使用できないので、従
来は人手による溶接作業が多い。
った開先の人手による溶接作業は、作業者の足場の確
保,溶接機器の配設などに、時間とスペ−スを要し、ま
た直線開先の溶接の場合よりも溶接作業時間がかかり、
溶接作業の生産性が低い。開先の曲り具合や溶接作業者
の技量の優劣により溶接品質にばらつきを生じ易く、後
手入れに多くの労力を要する。したがって溶接コストが
高い。
することを第1の目的とし、3次元的に曲った開先の溶
接生産性を高くすることを第2の目的とし、3次元的に
曲った開先の溶接を高品質,低コストにすることを第3
の目的とする。
接装置は、X通電指令に応じて駆動されるX走行モータ
(M1)を備え、水平X方向に走行するX走行台(Y1,Yz,RY,
Y2);X走行台(Y1,Yz,RY,Y2)に支持され、Y通電指令に
応じて駆動されるY走行モータ(M2)を備え、X走行台に
対して、X方向と直角なY方向に走行するY走行台
(4);Y走行台(4)に垂直Z方向に昇降可および垂直Z軸
(O)を中心に回転可に支持されたベ−ス(2);Z通電指令
に応じて駆動されて前記ベ−ス(2)を垂直Z方向に昇降
駆動する昇降モータ(M4)を含むZ昇降機構(12);θ通電
指令に応じて駆動されて前記ベ−ス(2)を垂直Z軸(O)を
中心に回転駆動する第1回転モータ(M3)を含むθ旋回機
構(10);前記ベース(2)に支持され、その回転中心軸(O)
の延長線上の開先のZ位置及びZ方向と垂直な方向の位
置を検出する第1検出手段(P3);前記ベース(2)に支持
され、その回転中心軸(O)より所定距離離れた位置の開
先のZ位置及びZ方向と垂直な方向の位置を検出する第
2検出手段(P2);および、前記ベ−スに支持された、開
先を溶接するための溶接ト−チ(30L,30T);を備える。
は、図面に示し後述する実施例の対応要素又は相当部分
の記号を、参考までに付記した。
行台(RY),Y方向に走行するY走行台(4)およびZ昇降
機構(12)によって、ベ−ス(2)の3次元(X,Y,Z)
の位置を定めあるいは調整することができる。しかし、
このベ−ス(2)で溶接ト−チを支持した場合、溶接ト−
チを開先の3次元分布に沿って溶接ト−チ(ベ−ス)を
駆動することはできるが、開先に対する溶接ト−チの姿
勢が開先の曲りにより基準姿勢からずれてしまう場合が
ある。本発明の溶接装置は、ベ−ス(2)を垂直Z軸(O)を
中心に回転駆動するθ旋回機構(10)を備えるので、この
θ旋回機構(10)を用いて、開先の曲りに対応して、開先
に対して常に溶接ト−チが基準姿勢を維持するように、
溶接ト−チ(ベ−ス)を旋回させることができる。
3,P2)の検出値より、被溶接材(W1,W2)の開先(b)が延び
る方向を横切る方向の開先の曲りθ’と、開先が延びる
方向の水平面に対する傾斜αを算出して、曲りθ’に対
応してθ旋回機構(10)を介してベ−ス(2)を旋回駆動
し、傾斜αに対応してZ昇降機構(12)を介してベ−ス
(2)を昇降駆動することができる。これにより、開先の
曲りθ’(旋回方向)および前後傾斜αに溶接ト−チが
倣った曲面倣いの自動溶接が実現する。
に回転可に支持され、溶接ト−チ(30L,30T)を支持す
るト−チ支持フレ−ム(3);および、γ通電指令に応じ
てト−チ支持フレ−ム(3)を水平軸(31a)を中心に回転駆
動する第2回転モータ(M7)を含むγ回転機構;を更に備
える。これによれば、前後傾斜αに対応してγ回転機構
を介してト−チ支持フレ−ム(3)を回転駆動して、被溶
接材(W1,W2)に対するト−チの前後角γを、被溶接材の
前後方向の曲りにもかかわらず実質上一定に維持するこ
とができる。
L,30T)を被溶接材(W1,W2)に対して接離可に支持し;
装置は更に、接離通電指命に応じて溶接ト−チ(30L,30
T)を接離駆動するト−チ上下モ−タ(M8,M10)を含むト
−チ上下機構;を備える。これによれば、傾斜αに対応
してト−チ上下機構(M8,M10)を介して溶接ト−チ(30L,
30T)を接離駆動して溶接ト−チを開先に対して定距離
に維持しうる。
(P3)と第2検出手段(P2)を結ぶ縦線と直交する方向に溶
接ト−チ(30L,30T)を被溶接材(W1,W2)に対して往復動
可に支持し;装置は更に、前記ベース(2)に支持され、
前記縦線と直交する方向に相対的に離れ、それぞれが、
開先を構成する第1被溶接材(W1)および第2被溶接材(W
2)の表面のZ位置を検出する第3検出手段(P5)および第
4検出手段(P4);および、オシレ−ト通電指令に応じて
溶接ト−チ(30L,30T)を往復駆動するオシレートモー
タ(M9,M11)を含むオシレ−ト機構;を備える。これによ
れば、開先(b)が延びる方向と直交する方向の被溶接材
の水平面に対する傾斜βを第3および第4検出手段(P5,
P4)の検出値より算出し、傾斜βに対応してオシレ−ト
機構(M9,M11)による溶接ト−チ(30L,30T)のオシレ−
ト往復駆動の振り幅中心をずらして、振り幅中心を開先
中心に倣わせることができる。
手段(8)が、被溶接材(W1,W2)の開先(b)が延びる方向を
横切る方向の開先の曲りθ’と、開先が延びる方向の水
平面に対する傾斜αを、第1及び第2検出手段(P3,P2)
の検出値より算出し、開先(b)が延びる方向と直交する
方向の被溶接材(W1,W2)の水平面に対する傾斜βを第3
および第4検出手段(P5,P4)の検出値より算出し、曲り
θ’に対応してθ旋回機構(10)を介して前記ベ−ス(2)
を旋回駆動し、傾斜αに対応してZ昇降機構(12)を介し
て前記ベ−ス(2)を昇降駆動し、傾斜αに対応してγ回
転機構(M7)を介してト−チ支持フレ−ム(3)を回転駆動
し、傾斜αに対応してト−チ上下機構(M8,M10)を介して
溶接ト−チ(30L,30T)を接離駆動し、傾斜βに対応し
てオシレ−ト機構(M9,M11)による溶接ト−チ(30L,30
T)のオシレ−ト往復駆動の振り幅中心をずらす。
向)および前後傾斜αに溶接ト−チ(30L,30T)が倣
い、被溶接材(W1,W2)に対するト−チの前後角γが、被
溶接材の前後方向の曲り(α)にもかかわらず実質上一定
に維持され、傾斜αに対応して溶接ト−チ(30L,30T)
が開先に対して接離して溶接ト−チが開先に対して定距
離に維持され、かつ、傾斜βに対応してオシレ−ト機構
(M9,M11)による溶接ト−チ(30L,30T)のオシレ−ト往
復駆動の振り幅中心が開先中心を倣う。すなわち曲面自
動倣い溶接が実現する。
による溶接作業のための、作業者の足場の確保,溶接機
器の配設などが不要となり、これらに要する時間とスペ
−スが節約となる。開先の曲り具合や溶接作業者の技量
の優劣による溶接品質のばらつきが低減し、後手入れの
労力が低減する。したがって溶接コストが低減する。本
発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実
施例の説明より明らかになろう。
1を示す。以下に参照する図1〜図4,図7〜図10に
おいて、Z矢印方向を上とし、Y矢印方向を前とすると
ともに、X矢印方向を右とする。図1は、溶接装置1を
斜め上方から見下した斜視図相当の、機構概要を表す簡
略図である。ワーク(被溶接材)W1,W2は、図10
に示すように、互いに向いあう縁を突き当てた状態で、
作業床面F上に設置された図示しない複数の油圧ジャッ
キにより下支持され、各ジャッキの支持高の調整により
所望の曲面形状となっている。すなわち3次元的に曲が
っている。ワ−クW1,W2の突き当てられた縁と縁の
間にできた開先bは、ワークW1,W2が所要の角度で
3次元的に曲げられているので、図示例においては、ワ
−クは左前方が高い登り傾斜になっている。
に延びるX方向レールX1が敷設されており、該レール
X1よりも前方上方に(床面Fより離れて)、レールX
1と平行なX方向レールX2が、図示しない支持柱によ
り支持されている(図4)。2本のレールX1とX2を
Xレール対RXとする。
にX走行台Y2が載っており、これらのX走行台Y1と
Y2が支持柱YzおよびY方向レ−ルRYを支持してい
る。支持柱YzおよびY方向レ−ルRYは直交し一体連
続である(図4)。X走行台Y1の駆動車輪は、X走行
台Y1に搭載されたモータM1により図示しない減速機
構を介して回転駆動される。モータM1が通電され、X
走行台Y1の駆動車輪が回転駆動されてX走行台Y1が
レールX1上を走行すると、支持柱YzおよびY方向レ
−ルRYがレールX1,X2に沿ってY軸に平行な状態
でX方向左または右に移動する。
(Y走行台)4の車輪4a〜dが載せられている。走行
台車4の車輪4a〜dの回転軸には、図示しないスプロ
ケットホイールが一体固着されており、該スプロケット
ホイールに、レールRYに沿って配設された輪状のチェ
ーンベルトch(図4)が噛み合う。チェーンベルトc
hは、走行台車4に載置されたモータM2により回転駆
動され、それに伴い走行台車4がレールRY上をY方向
に移動する。
線矢印2A方向より見た図を示し、図3には、溶接装置
1を図1に示した一点鎖線矢印3A方向より見た図を示
す。走行台車4の中央部には、上下に貫通する穴が開い
ており、該穴を中空で柱状の昇降管12がZ方向に昇降
自在に貫通している。昇降管12の外面には、それぞれ
Z方向に延びるレール13a〜cが装着されており、そ
れらは、それと対向する走行台車4の穴の内面に設けら
れたスライダに、Z方向に昇降自在にはまっている。昇
降管12の下部の外壁には、z方向に延びるネジ棒M4
sを回転駆動する昇降モータM4が固着支持されてい
る。走行台車4には、台車部をZ方向に貫通するねじ穴
があり、該ねじ穴とネジ棒M4sがねじ結合している。
ここで、走行台車4は、Yレ−ルRYで下支持されてい
るので、昇降モータM4がネジ棒M4sを回転駆動する
と、走行台車4に対して昇降管12が、Z方向に昇降す
る。昇降管12の軸心を、Z方向に延びる中空の旋回軸
10が水平回転自在に貫通する。走行台車4の上面から
突出する昇降管12の上開口近くの外壁に、回転モータ
M3が固着支持されている。回転モータM3の回転軸に
は平歯車が固着されており、水平方向に回転する。旋回
軸10の上開口の縁には平ギアが一体になっており、該
ギアに回転モータM3の平歯車が噛み合う。回転モータ
M3が通電されると、その回転軸に一体の平歯車が回転
し、ギアを介して旋回軸10が昇降管12に対して回転
中心線Oを中心として回転する。
が支持されている。旋回軸10の回転に伴いセンサベー
ス2が水平方向に回転する。回転モータM3の回転軸に
は、ポテンショメータP1の回転軸が連結されており、
ポテンショメータP1は、旋回軸10の旋回角θを示す
電気信号を発生する。
位置には、該中心線Oと直交する水平方向(図2では紙
面と垂直な方向,図3ではx方向)とZ方向に移動自在
の第1の開先倣いロ−ラがあり、この第1の開先倣いロ
−ラに2軸型のポテンショメ−タP3が結合されてい
る。ポテンショメ−タP3は、第1の開先倣いロ−ラを
回転自在に支持する支持杆の水平方向位置を検出するポ
テンショメ−タと、該支持杆のZ位置を検出するポテン
ショメ−タを有し、回転中心線Oの位置での、センサベ
−ス2に対する開先の水平方向位置およびZ位置を表わ
す電気信号を発生する(図2)。
ら所定距離離れた位置には、水平方向(図2では紙面と
垂直な方向,図3ではx方向)とZ方向に移動自在の第
2の開先倣いロ−ラがあり、この第2の開先倣いロ−ラ
に2軸型のポテンショメ−タP2が結合されている。ポ
テンショメ−タP2も、第2の開先倣いロ−ラを回転自
在に支持する支持杆の水平方向位置を検出するポテンシ
ョメ−タと、該支持杆のZ位置を検出するポテンショメ
−タを有し、回転中心線Oから所定距離離れた位置で
の、センサベ−ス2に対する開先の水平方向位置および
Z位置を表わす電気信号を発生する(図2)。
平方向位置の差は、センサベース2(の水平な基準線)
に対する開先の水平方向の曲り(斜め角)に対応し、ポ
テンショメ−タP3とP2が検出したZ位置の差は、水
平面に対する開先線の傾斜角(前後角)α(図2)に対
応する。
の開先倣いロ−ラ(P3,P2)を結ぶ縦線と直交し、
回転中心線Oから所定距離離れた位置に、第1のワ−ク
倣いロ−ラがあり、このロ−ラを回転自在に支持する支
持杆のZ位置を、ポテンショメ−タP5が検出し、該Z
位置を表わす電気信号を発生する(図3)。また、セン
サベース2の下部の、前記縦線と直交し、回転中心線O
から所定距離離れかつ回転中心線Oに関して第1のワ−
ク倣いロ−ラと対向する位置に、第2のワ−ク倣いロ−
ラがあり、このロ−ラを回転自在に支持する支持杆のZ
位置を、ポテンショメ−タP4が検出し、該Z位置を表
わす電気信号を発生する(図3)。ポテンショメ−タP
5とP4が検出したZ位置の差は、水平面に対するワ−
クの傾斜角(左右)β(図3)に対応する。
−タリエンコ−ダP6が結合されており、該ロ−ラ(P
5)の所定小角度の回転につき1パルスの電気信号を発
生する。このパルスをカウントすることにより、センサ
ベース2の、開先に沿った移動量が分かり、所定時間の
間のカウントアップ値は、センサベース2の、開先に沿
った移動の速度V(溶接速度)を表わす。
ク倣いロ−ラ(P5,P4)の配列方向(図2の紙面に
垂直な方向)に延びる回転軸31aが、センサベース2
の略中央を回転自在に貫通している。センサベース2に
はモータM7があり、その出力軸は減速機構を介して、
回転軸31aに連結され、モータM7に通電があると、
モータM7の回転軸の回転は減速機構により減速されて
回転軸31aに伝えられる。回転軸31aには、ト−チ
支持フレ−ム3が固着されている。回転軸31aの回転
に伴いト−チ支持フレ−ム3が回転軸31aを中心とし
て回動し、フレ−ム3で支持された溶接トーチ30L,
30Tの、ワ−クに対する前後角γが変わる。回転軸3
1aの回転角度を表わす電気信号をポテンショメ−タP
7が発生する。
引き込み(接離)駆動を行うモータM8を含む接離機
構、ならびに、溶接トーチ30Lを開先の幅方向にオシ
レ−ト駆動するオシレートモータM9を含むオシレ−ト
機構を介して、ト−チ支持フレ−ム3で、開先の深さ方
向に昇降(接離)可および開先の幅方向にオシレ−ト可
に支持されている。溶接ト−チ30Tも、トーチの突き
出し,引き込み(接離)駆動を行うモータM10を含む
接離機構、ならびに、溶接トーチ30Tを開先の幅方向
にオシレ−ト駆動するオシレートモータM11を含むオ
シレ−ト機構を介して、ト−チ支持フレ−ム3で、開先
の深さ方向に昇降(接離)可および開先の幅方向にオシ
レ−ト可に支持されている。
置5がある。ワイヤ供給装置5は、2組のワイヤフィー
ダとそれらを駆動するモータM5,M6からなる。2本
の溶接ワイヤwa1,wa2は、走行台車4の上部に載
置されているワイヤパックwpより、旋回軸10内軸心
部をZ方向に貫通する管14内を通り、管14の排出口
14aよりワイヤ供給装置5に供給され、その中のワイ
ヤフィーダを通り、溶接トーチ30L,30Tにそれぞ
れ供給される。
ワイヤフィーダを駆動し、ワイヤwa2,wa1をワイ
ヤパックwpから溶接トーチ30T,30Lにそれぞれ
供給する。溶接トーチ30LのモータM8は、溶接トー
チ30Lの突出長(開先bとの距離)を所定値(後述す
る制御回路からの通電指令に基づく)に調整し、モータ
M9が溶接速度Vに応じた速さで、溶接トーチ30Lを
オシレート駆動する。また、溶接トーチ30Tのモータ
M10は、溶接トーチ30Tの突出長(開先bとの距
離)を所定値(後述する制御回路からの通電指令に基づ
く)に調整し、モータM11が溶接速度Vに応じた速さ
で、溶接トーチ30Tをオシレート駆動する。
ポテンショメ−タP1〜P5,P7及びロ−タリエンコ
−ダP6の配置および機能をまとめて示す。また図5に
は、上述したモータM1〜M11の駆動対象を示し、図
6には、上述したポテンショメ−タP1〜P5,P7お
よびロ−タリエンコ−ダP6の検知対象を示す。図5上
のA〜Dは、作業環境により調整する値である。
制御は、センサベース2の近傍に取り外し可能に装着で
きるペンダント9(図3)を介して、初期設定の時には
作業者が行うが、溶接を開始すると、ペンダント9内の
制御回路8が、P1〜P7の検出値を参照しつつ自動で
行う。センサベース2内には、各モータをそれぞれ駆動
するモータドライバがあり、ペンダント9から与えられ
た通電指令は、これらのモータドライバに伝えられ、各
モータドライバは、ペンダント9より与えられた通電指
令に従って、それぞれに接続されているモータを駆動す
る。
と、それまでにペンダント9から入力された情報と、ポ
テンショメ−タP1〜P5,P7及びロ−タリエンコ−
ダP6の検出値に従って、開先bに溶接ト−チを倣わ
せ、かつ開先に対して溶接ト−チを設定された姿勢およ
びねらい位置に制御し、溶接速度を設定速度とする、X
走行台(Y1,Yz,RY,Y2),Y走行台4の走行速度制御,セ
ンサベ−ス2のθ回転制御,ト−チ支持フレ−ム3のγ
回転制御,ト−チの突出し(接離)およびオシレ−ト幅
中心の開先倣い制御を行なう。
メインルーチンを示す。制御回路8は電源が投入される
と、ステップ1において、内部メモリ,カウンタ等を全
てクリアする。そして、ペンダント9上のランプ(図示
せず)を点灯してメモリの初期化が終了したことを示
し、作業者の入力待ちになる(初期化)。この時、各モ
ータM1〜M11は、ペンダント9の制御盤(図示せ
ず)上のキー操作に応じて作業者が駆動できる。以降の
図11及び図12の説明において、カッコ内には「ステ
ップ」という語を省略してステップNo.数字のみを示
す。
により初期化が終了したことを確認すると、ペンダント
9の制御盤(図示せず)上のキーを操作して、モータM
1〜M11を選択的に駆動(通電)して、溶接トーチ3
0L,30Tの開先bに対する姿勢及び距離を決定す
る。詳しくいえば、 1.モータM1,M2を駆動して、回転中心線Oを開先
b上のセンシング開始点Op(図1,2,3)に移動さ
せ、モ−タM4を駆動してセンサベース2を降ろし、第
1の開先倣いロ−ラ(P3)を該センシング開始点(開
先内)に置く。センシング開始点は、開先線の両端部の
うち、Z位置(高さ)が低い方の端部である。なお、ワ
−クW1,W2は、開先線がY軸と大略で平行になるよ
うに、床Fに配置されている。
ンサベース2)を旋回させ、第2の開先倣いロ−ラ(P
2)を、第1の開先倣いロ−ラ(P3)に対して溶接方
向前方の開先b内に置く。
を昇降して、第1および第2の開先倣いロ−ラ(P3,
P2)が開先内にあって、それらのZ位置がZ位置移動
範囲の中央近くに有り、しかも第1および第2のワ−ク
倣いロ−ラ(P5,P4)がワ−クに当りそれらのZ位
置がZ位置移動範囲の中央近くにあるように、センサベ
−ス2の高さを調節する。
は開始姿勢設定指示に応答して、この時のポテンショメ
−タP3,P2のの電気信号をデジタル変換して読込
む。そして、ポテンショメ−タP3,P2の水平方向位
置(図2の紙面に垂直な方向)が中立点(水平方向位置
ずれ零)となるように、モ−タM3でセンサベ−ス2を
回転駆動する。これにより、第1の開先倣いロ−ラ(P
3)および第2の開先倣いロ−ラ(P2)の水平方向位
置がセンサベ−ス2に対して基準位置(水平方向位置ず
れなし)となり、両ロ−ラ(P3,P2)を結ぶ縦線上
に溶接ト−チ30L,3OTが位置する。
γ回転駆動し、溶接トーチ30T,30Lの開先bに倣
う方向の角度(前後角γ)を、適値に調整する。
ーチ30T,30Lに溶接ワイヤwa1,wa2を供給
する。
トーチ30T,30Lをオシレートさせ、開先bに対
し、直交する方向のオシレ−ト幅およびオシレ−ト幅中
心位置を調整する。
トーチ30T,30Lの突き出し長すなわち、開先bと
トーチ先端部との距離を調整する。
であり、順序は必要に応じて変更,操り返しあるいは省
略すれば良い。さらに、作業者はペンダント9上の操作
盤上のキーを介して所要の溶接速度Vsを入力する。作
業者は初期設定が完了すると、ペンダント9上の操作盤
上で、初期設定が完了したことを示すキー操作を行う。
をレジスタにセ−ブし、初期設定完了の入力があると、
この時のポテンショメ−タP1〜P5,P7の電気信号
をデジタル変換して読込み、かつ、オシレ−ト幅および
オシレ−ト幅中心位置をレジスタにセ−ブする。そし
て、ポテンショメ−タP3,P2の水平方向位置(図2
の紙面に垂直な方向)が中立点(水平方向位置ずれ零)
でないときには、上記4.と同様に、モ−タM3でセン
サベ−ス2を回転駆動し、これを終えると、上記5.〜
8.の調整をうながす報知をする。ポテンショメ−タP
3,P2の水平方向位置(図2の紙面に垂直な方向)が
中立点にあり、しかも、ポテンショメ−タP1が表わす
回転角度θ,ポテンショメ−タP7が表わす回転角度
(γ:水平面に対するト−チ前後角),ト−チの突出し
長(接離距離),オシレ−ト幅およびオシレ−ト幅中心
位置がそれぞれ適値であるかを、それぞれが各設定範囲
内にあるかをチェックすることにより判定し、適値であ
ると溶接スタ−ト可を報知する。適値でないと、適値で
ないものの再調整をうながす報知を発生する。
は、作業者のキー操作による溶接開始指示が到来するま
で待機し、溶接開始指示が到来すると溶接を開始する
(3)。なお、溶接を中断したい場合にも作業者は、や
はりペンダント9の操作キーのキー操作により「溶接停
止」を入力する。「溶接停止」については後述する。
ーチンを示す。ここで制御回路8は、ロ−タリエンコ−
ダP6が1パルス発生するごとにそれをカウントアップ
し、所定周期で、カウントアップ値を読んで溶接速度V
を算出してレジスタにセ−ブしてカウントアップ値を初
期化(クリア)する(41)と共に、ポテンショメ−タ
P1〜P5,P7の電気信号をデジタル変換して読込む
(42)。そして次の状態情報を演算する(43)。
−ス2に対する開先bの曲りθ’の算出。ポテンショメ
−タP3とP2が検出した水平方向の位置の差より算出
する。
先線の水平面とのなす角α(図2)の算出。ポテンショ
メ−タP3とP2が検出したZ位置の差より算出する。
ワ−クの傾斜角β(図3)の算出。ポテンショメ−タP
5とP4が検出したZ位置の差より算出する。
すると、制御回路8は、センサベ−ス2に対する開先の
曲りθ’を零とするための、センサベ−ス2のθ回転の
目標角度Θ=θ+θ’を算出して、 X走行目標速度Vsx=Vs cosΘ, Y走行目標速度Vsy=Vs sinΘ, X走行速度 Vx =V cosΘ, Y走行速度 Vy =V sinΘ を算出する(44)。θはポテンショメ−タP1の検出
値である。図9には、センサベ−ス2の移動方向および
移動速度(溶接速度)Vと、開先線との関係を示す。移
動速度VのX方向成分はV cosΘ、Y方向成分はV sin
Θとなる。
5)。これにおいてはまずX走行目標速度Vsxに対する
X走行速度Vxの偏差を算出し、PID演算によりこの
偏差を零とするためのモ−タM1の通電電流目標値を算
出する。同様に、Y走行目標速度Vsyに対するY走行速
度Vyの偏差を算出し、PID演算によりこの偏差を零
とするためのモ−タM2の通電電流目標値を算出する。
更に、初期設定を完了したときに読込んだポテンショメ
−タP2〜P5,P7の検出デ−タならびにオシレ−ト
幅,オシレ−ト幅中心位置およびト−チ突出し長(接離
距離)と、今回読込んだポテンショメ−タP2〜P5,
P7の検出デ−タに基づいて、初期設定のときと実質上
同一の、開先/ト−チ間の相対位置および姿勢を維持す
るためのト−チ前後角γの目標値,ト−チ突出し長目標
値,オシレ−ト幅目標値およびオシレ−ト幅中心位置目
標値を算出する。図7には、ワ−クの左右傾斜βに対応
した、オシレ−ト幅中心位置の所要ずらし量dxβを示
す。初期設定のときの所要ずらし量に対する今回算出し
た所要ずらし量dxβの偏差分、初期設定のときのオシ
レ−ト幅中心位置デ−タをシフトした値をオシレ−ト幅
中心位置目標値とする。
いてM1〜M11を駆動する(46)。すなわち最新の
目標値に従ったモ−タ駆動を行なう。これにおいて、制
御回路8は、ポテンショメ−タP3が検出したZ位置が
初期設定を完了したときのZ位置となるようにモ−タM
4を駆動してセンサベ−ス2を昇降駆動し、ポテンショ
メ−タP1の検出角度θが目標角度Θになるようにモ−
タM3を駆動し、ト−チ前後角γ,ト−チ突出し長,オ
シレ−ト幅およびオシレ−ト幅中心位置をそれぞれ目標
値に合わすようにモ−タM7〜M11を駆動する。ま
た、X走行速度VxおよびY走行速度Vyがそれぞれ目標
値VsxおよびVsyに合致するようにモ−タM1およびM
2を加,減速する。
9上の操作キーを介して「溶接停止」指示を入力した
か、あるいは第2の開先倣いロ−ラ(ポテンショメ−タ
P2)が開先bの終端に到達したかをチェックして(4
7)、そのどちらかであれば図11のステップ5に戻
る。しかし、どちらも成立していないときには、制御周
期を定めるタイマのタイムオ−バを待って、ステップ4
1に進み、次の制御サイクルを開始する。
は、ポテンショメ−タ2の電気信号が開先終端を示すも
のになると、制御回路8は、ステップ5(図11)の終
了処理を実行し、溶接トーチ30L,30Tの溶接を停
止して各モータを停止する。
視図であり、機構要素を簡略化して示す。
線矢印2A方向より見た側面図であり、一部分は断面を
示す。
線矢印3A方向より見た正面図であり、一部分は断面を
示す。
動する電気モ−タとセンサであるポテンショメ−タP1
〜P5,P7およびロ−タリエンコ−ダP6の概略位置
を簡略化して示す。
対象と駆動範囲およびモ−タ種類を示す図表である。
5,P7およびロ−タリエンコ−ダP6の検出対象と、
それに基づいた制御対象を示す図表である。
心の所要ずらし量dxβを示す図面であり、ワ−クW
1,W2は開先を横切る方向の断面を示す。
り、図4に示すポテンショメ−タP2〜P5の、ワ−ク
W1,W2に対する検出方向を示す。
移動速度(溶接速度)Vと、開先線bとの位置関係を示
す平面図である。
斜視図である。
ロ−チャ−ト(メインルーチン)である。
(サブルーチン)を示すフロ−チャ−トである。
ベース 3:ト−チ支持フレ−ム 4:Y走行
台車 4a〜d:車輪 5:ワイヤ
供給装置 8:制御回路 9:ペンダ
ント 10:旋回軸 12:昇降
管 13a〜c:レール 14:管 14a:排出口 31a:回
転軸 30L,30T:溶接トーチ b:開先 ch:チェーンベルト F:水平床
面 M1〜M11:モータ M4s:ネ
ジ棒 X1,X2:X方向レール RX:Xレ
ール対 Y1,Y2:X走行台 Yz:支持
柱 RY:Y方向レ−ル O:回転中
心線 P1〜P5,P7:ポテンショメータ P6:ロー
タリエンコーダ W1,W2:ワーク wa1,w
a2:溶接ワイヤ wp:ワイヤパック
Claims (8)
- 【請求項1】X通電指令に応じて駆動されるX走行モー
タを備え、水平X方向に走行するX走行台;X走行台に
支持され、Y通電指令に応じて駆動されるY走行モータ
を備え、X走行台に対して、X方向と直角な水平Y方向
に走行するY走行台;Y走行台に垂直Z方向に昇降可お
よび垂直Z軸を中心に回転可に支持されたベ−ス;Z通
電指令に応じて駆動されて前記ベ−スを垂直Z方向に昇
降駆動する昇降モータを含むZ昇降機構;θ通電指令に
応じて駆動されて前記ベ−スを垂直Z軸を中心に回転駆
動する第1回転モータを含むθ旋回機構;前記ベースに
支持され、その回転中心軸の延長線上の開先のZ位置及
びZ方向と垂直な方向の位置を検出する第1検出手段;
前記ベースに支持され、その回転中心軸より所定距離離
れた位置の開先のZ位置及びZ方向と垂直な方向の位置
を検出する第2検出手段;および、 前記ベ−スに支持された、開先を溶接するための溶接ト
−チ;を備える曲り板の片面溶接装置。 - 【請求項2】被溶接材の開先が延びる方向を横切る方向
の開先の曲りθ’と、開先が延びる方向の水平面に対す
る傾斜αを、第1及び第2検出手段の検出値より算出
し、曲りθ’に対応してθ旋回機構を介して前記ベ−ス
を旋回駆動し、傾斜αに対応してZ昇降機構を介して前
記ベ−スを昇降駆動する制御手段;を更に備える請求項
1記載の曲り板の片面溶接装置。 - 【請求項3】前記ベースに水平X軸を中心に回転可に支
持され、溶接ト−チを支持するト−チ支持フレ−ム;お
よび、 γ通電指令に応じてト−チ支持フレ−ムを水平軸を中心
に回転駆動する第2回転モータを含むγ回転機構;を更
に備える請求項1記載の曲り板の片面溶接装置。 - 【請求項4】被溶接材の開先が延びる方向を横切る方向
の開先の曲りθ’と、開先が延びる方向の水平面に対す
る傾斜αを、第1及び第2検出手段の検出値より算出
し、曲りθ’に対応してθ旋回機構を介して前記ベ−ス
を旋回駆動し、傾斜αに対応してZ昇降機構を介して前
記ベ−スを昇降駆動し、傾斜αに対応してγ回転機構を
介してト−チ支持フレ−ムを回転駆動する制御手段;を
更に備える請求項3記載の曲り板の片面溶接装置。 - 【請求項5】ト−チ支持フレ−ムは、溶接ト−チを被溶
接材に対して接離可に支持し;装置は更に、 接離通電指命に応じて溶接ト−チを接離駆動するト−チ
上下モ−タを含むト−チ上下機構;を備える、請求項1
又は請求項3記載の曲り板の片面溶接装置。 - 【請求項6】被溶接材の開先が延びる方向を横切る方向
の開先の曲りθ’と、開先が延びる方向の水平面に対す
る傾斜αを、第1及び第2検出手段の検出値より算出
し、曲りθ’に対応してθ旋回機構を介して前記ベ−ス
を旋回駆動し、傾斜αに対応してZ昇降機構を介して前
記ベ−スを昇降駆動し、傾斜αに対応してト−チ上下機
構を介して溶接ト−チを接離駆動する制御手段;を更に
備える請求項5記載の曲り板の片面溶接装置。 - 【請求項7】ト−チ支持フレ−ムは、第1検出手段と第
2検出手段を結ぶ縦線と直交する方向に溶接ト−チを被
溶接材に対して往復動可に支持し;装置は更に、 前記ベースに支持され、前記縦線と直交する方向に相対
的に離れ、それぞれが、開先を構成する第1被溶接材お
よび第2被溶接材の表面のZ位置を検出する第3検出手
段および第4検出手段;および、 オシレ−ト通電指令に応じて溶接ト−チを往復駆動する
オシレートモータを含むオシレ−ト機構;を備える、請
求項1,請求項3又は請求項5記載の曲り板の片面溶接
装置。 - 【請求項8】被溶接材の開先が延びる方向を横切る方向
の開先の曲りθ’と、開先が延びる方向の水平面に対す
る傾斜αを、第1及び第2検出手段の検出値より算出
し、曲りθ’に対応してθ旋回機構を介して前記ベ−ス
を旋回駆動し、傾斜αに対応してZ昇降機構を介して前
記ベ−スを昇降駆動し、開先が延びる方向と直交する方
向の被溶接材の水平面に対する傾斜βを第3および第4
検出手段の検出値より算出し、傾斜βに対応してオシレ
−ト機構による溶接ト−チのオシレ−ト往復駆動の振り
幅中心をずらす制御手段;を更に備える請求項7記載の
曲り板の片面溶接装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29843996A JP3526506B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 曲り板の片面溶接装置 |
KR1019970059185A KR100264745B1 (ko) | 1996-11-11 | 1997-11-11 | 곡판의 편면용접 장치 및 방법 |
CNB971222800A CN1235713C (zh) | 1996-11-11 | 1997-11-11 | 弯曲板材的单面焊接装置和方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29843996A JP3526506B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 曲り板の片面溶接装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10137933A JPH10137933A (ja) | 1998-05-26 |
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Family
ID=17859731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP29843996A Expired - Lifetime JP3526506B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 曲り板の片面溶接装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3526506B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
CN105665903B (zh) * | 2016-04-07 | 2017-11-07 | 湘潭大学 | 一种双丝旋转电弧传感器 |
-
1996
- 1996-11-11 JP JP29843996A patent/JP3526506B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10137933A (ja) | 1998-05-26 |
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