JP3526309B2 - 光学的情報記録再生装置 - Google Patents

光学的情報記録再生装置

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JP3526309B2
JP3526309B2 JP05224793A JP5224793A JP3526309B2 JP 3526309 B2 JP3526309 B2 JP 3526309B2 JP 05224793 A JP05224793 A JP 05224793A JP 5224793 A JP5224793 A JP 5224793A JP 3526309 B2 JP3526309 B2 JP 3526309B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体に半導体レー
ザからの光束を照射して情報の記録再生を行う光学的情
報記録再生装置に関し、より詳しくは半導体レーザから
出射した光束の一部を主光束と分離して検出し、その検
出出力に基づいて半導体レーザの光出力を制御する光出
力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の光学的情報記録再生装
置では、記録媒体からの反射光が半導体レーザに戻るこ
とによって半導体レーザの出射光量が変動する。この変
動を情報の記録および再生動作に影響を与えない程度ま
でに小さくするために、半導体レーザの出射光の一部を
主光束から分離し検出して、半導体レーザの駆動電流を
制御し、それにより半導体レーザの出射光量の安定化を
図ることが従来から行われている。
【0003】特開平2−192041「光ヘッド装置」
に、このような光出力制御系を含む光ヘッドの構成とそ
の動作が開示されている。この公知例では、半導体レー
ザから記録媒体(例えば光ディスク)に導かれる光束の
一部を分離して光検出器で検出し、検出した光束の光量
と基準信号を比較して、その差分出力に応じて半導体レ
ーザの駆動電流を制御することで半導体レーザからの出
射光量の制御を行っていた。
【0004】そして、半導体レーザから記録媒体に導か
れる光束から一部を分離する光分離素子としては、光デ
ィスクからの反射光の光束を往路の光学系より分離して
情報信号やフォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号
などの信号検出系へ導くためのビームスプリッタを兼用
した構成になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の光学的
情報記録再生装置では、光ディスクの反射光を信号検出
系へ分離するための手段と光出力制御のための検出系へ
導くための光束の分離手段が共通のビームスプリッタで
あるため、次のような問題がある。
【0006】ビームスプリッタは一般に、入射光ビーム
の偏光状態によって反射および透過特性に違いがある。
一方、半導体レーザの出射光の偏光度や偏光方向は、時
間的に変化する場合が多い。従って、この半導体レーザ
の出射光の偏光状態の変動に伴い、ビームスプリッタを
透過(もしくは反射)して光ディスクに至る主光束と、
ビームスプリッタを反射(もしくは透過)して光出力制
御のための検出系に至る光束との光量の分割比が変動す
る。このため、ビームスプリッタを反射(もしくは透
過)して検出系に至る第2の光束を検出して半導体レー
ザの出力制御を行った場合、制御が正しく行われないと
いう問題点がある。
【0007】また、従来のように光ディスクの反射光を
信号検出系と光出力制御のための検出系へ分離して導く
ために共通のビームスプリッタを用いる構成では、光ヘ
ッドの光学系を組み立てた状態にならないと光出力制御
機能が得られない。さらに、半導体レーザの出射光が光
出力制御用の光検出器に到達するまでに幾つかの光学素
子を経ることから、ここでの光路長が長くなるので、光
伝搬時間が制御系での時間遅延となり、また光学素子の
特性のばらつきの影響を受けて、検出される受光量に個
体差が生じ、光出力制御系の制御精度のばらつき要因に
なっていた。
【0008】本発明は、このような従来の問題点を解決
し、半導体レーザの出力制御を安定かつ精度よく行うこ
とができる光学的情報記録再生装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は記録媒体(7)にレーザ光を照射して情報の
記録および再生を行う光学的情報記録再生装置におい
て、s偏光成分とp偏光成分を持つ光束を出射する半導
体レーザ(1)と、前記半導体レーザ(1)から出射された光
束を前記記録媒体(7)上に集光するための対物レンズ(6)
と、前記記録媒体(7)からの反射光を前記半導体レーザ
(1)から前記対物レンズ(6)により前記記録媒体に向かう
光束と分離して取り出す第1の光分離素子(4)と、前記
第1の光分離素子(4)により取り出された前記記録媒体
からの反射光を検出する第1の光検出器(10)と、前記第
1の光分離素子(4)と前記対物レンズ(6)との間に配置さ
れた波長板(5)と、前記第1の光分離素子(4)と前記波長
板(5)との間に配置され、前記半導体レーザ(1)から出射
されかつ前記第1の光分離素子(4)を透過した光束の一
部を前記記録媒体(7)に向かう光束と分離して取り出す
第2の光分離素子(11)と、前記第2の光分離素子(11)に
より取り出された光束を検出する第2の光検出器(13)
と、前記第2の光検出器(13)からの出力により前記半導
体レーザから出射される光束の強さを制御する制御手段
(101〜103)とを備え、前記第1の光分離素子(4)は、s偏
光成分の透過率がほぼ零で、前記半導体レーザ(1)から
出射された光束のうちp偏光成分のみからなる直線偏光
の光束を透過させて前記第2の光分離素子(11)に導くよ
うに構成されることを特徴とする。
【0010】また、本発明は記録媒体(7)にレーザ光を
照射して情報の記録および再生を行う光学的情報記録再
生装置において、s偏光成分とp偏光成分を持つ光束を
出射する半導体レーザ(1)と、前記半導体レーザ(1)から
出射された光束を前記記録媒体(7)上に集光するための
対物レンズ(6)と、前記記録媒体(7)からの反射光を前記
半導体レーザ(1)から前記対物レンズ(6)により前記記録
媒体に向かう光束と分離して取り出す第1の光分離素子
(4)と、前記第1の光分離素子(4)により取り出された前
記記録媒体からの反射光を検出する第1の光検出器(10)
と、前記第1の光分離素子(4)と前記対物レンズ(6)との
間に配置された波長板(5)と、前記第1の光分離素子(4)
と前記波長板(5)との間に配置され、前記半導体レーザ
(1)から出射されかつ前記第1の光分離素子(4)を反射し
た光束の一部を前記記録媒体(7)に向かう光束と分離し
て取り出す第2の光分離素子(11)と、前記第2の光分離
素子(11)により取り出された光束を検出する第2の光検
出器(13)と、前記第2の光検出器(13)からの出力により
前記半導体レーザから出射される光束の強さを制御する
制御手段(101〜103)とを備え、前記第1の光分離素子
(4)は、p偏光成分の透過率がほぼ零で、前記半導体レ
ーザ(1)から出射された光束のうちs偏光成分のみから
なる直線偏光の光束を反射させて前記第2の光分離素子
(11)に導くように構成されることを特徴とする。
【0011】第2の光分離素子としては、ビームスプリ
ッタや透過型回折素子または反射型回折素子が用いられ
る。透過型回折素子または反射型回折素子の場合、回折
光が集束光となるようなものを用いると、一層の制御性
能の向上が図れる。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【作用】このように本発明では、記録媒体からの反射光
を半導体レーザから該光学系により記録媒体に向かう光
束と分離して第1の光検出器に導くための第1の光分離
素子と記録媒体との間に、半導体レーザから出射された
光束の一部を記録媒体に向かう光束と分離して取り出す
第2の光分離素子を設け、この第2の光分離素子により
取り出された光束を第2の光検出器で検出して、半導体
レーザから出射される光束の強さを制御する。
【0016】従って、例えば第1の光分離素子のs偏光
成分の透過率をほぼ零として、第1の光分離素子を透過
した光束を前記記録媒体に導くように構成するか、もし
くは第1の光分離素子のp偏光成分の反射率をほぼ零と
して、第1の光分離素子を反射した光束を記録媒体に導
くように構成し、第1の光分離素子を経た光束の偏光成
分はいずれかの方向成分しか持たない偏光光束とした
後、第2の光分離素子で分離して光束を検出すれば、記
録媒体に向かう光束と光出力の安定化のための検出され
る光束とが相似的な光量変化を示すので、高精度な光出
力の安定化制御を実現できる。すなわち、記録媒体から
の反射光が半導体レーザに戻ることによって生じる半導
体レーザの出射光量の変動が、情報の記録および再生に
影響を与えない程度にまで抑圧される。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。 (第1の実施例)図1は本発明の第1の実施例に係る光
学的情報記録再生装置の主要部の構成を示したものであ
り、半導体レーザ1、コリメーティングレンズ2、ビー
ム整形プリズム3、ビームスプリッタ4、11,1/4
波長板5、対物レンズ6、光ディスク7、集光レンズ
8,12、ホログラフィック光学素子(以下、HOEと
いう)9、光検出器10,13、フォーカス駆動コイル
14およびトラッキング駆動コイル15を備えている。
【0021】半導体レーザ1から出射した光束は、コリ
メーティングレンズ2で平行光束になり、さらにビーム
整形プリズム3で非等方なビーム形状が等方形状に整形
された後、対物レンズ6で収束して光ディスク7の記録
面上に微小ビームスポットを形成する。光ディスク7の
記録面で反射した光束は対物レンズ6を通り、第1の光
分離素子であるビームスプリッタ4で反射して、集光レ
ンズ8、HOE9、光検出器10からなる信号検出系に
入射する。光検出器10からの信号は、アンプ111、
信号演算部112を経て、情報再生信号114とフォー
カス誤差信号およびトラッキング誤差信号を生成し、そ
れぞれの誤差信号はアクチュエータドライバ113を介
してフォーカス駆動コイル14およびトラッキング駆動
コイル15に供給され、対物レンズ6を光軸方向および
半径方向に移動制御して光ディスクに記録された情報に
対して収束した微小ビームスポットの相対位置を制御し
て、安定に情報の記録および再生を行う。これらの制御
系の構成および動作に関しては、特開平3−257「光
学ヘッド装置」に詳細に述べられているので、詳細な説
明は省略する。
【0022】一方、ビームスプリッタ4を透過した光束
は、第2の光分離素子であるビームスプリッタ11で光
ディスク7に向かう光束の一部が分離され、集光レンズ
12で光検出器13上に集光されて光量変化が検出され
る。光検出器13の出力はアンプ101を介してレーザ
制御部102に供給され、光出力制御信号104と比較
演算される。レーザ制御部102の比較演算結果はレー
ザドライバ103に入力され、これにより半導体レーザ
1に供給する電流値、つまり半導体レーザ1の出射光量
が制御される。光出力制御信号104が一定レベルに指
定されているとき(再生動作のときなど)は、半導体レ
ーザ1の出射光量は一定になるように制御され、また光
出力制御信号104が記録情報に基づいて変化するよう
に指定されているときは半導体レーザ1の出射光量は光
出力制御信号104と同じ変化をするように制御され
る。
【0023】以上のように構成された光学的情報記録再
生装置において、本発明の主願とするところの、半導体
レーザ1から出射される光束が半導体レーザ1の活性層
に対して平行な偏光成分以外を持つときの動作および効
果について、図2を使って説明する。
【0024】図2は、ビームスプリッタ4における入射
および出射する光束の偏光状態を示したものである。図
2(a)はビームスプリッタ4に入射する光束の偏光状
態を示しており、ほぼ半導体レーザ1から出射される光
束の偏光状態と同じである。図2(b)はビームスプリ
ッタ4の透過光、図2(c)はビームスプリッタ4の反
射光のそれぞれの偏光成分を示している。
【0025】この図2は、ビームスプリッタ4の光束分
割特性を表しており、透過光にはs偏光成分を持たない
ような分割特性を持たせていることが分かる。一方、p
偏光成分はほとんど透過するものの、一部は反射してs
偏光成分と共にビームスプリッタ4の反射光として出射
されるが、この光束は特別な目的には供されない。な
お、従来はこの光束を検出して半導体レーザの光出力を
制御していたので、光ディスクに向かう光束と光出力を
制御するための検出に使われる光束とに偏光成分の変化
の影響が現れて、光量制御動作によって光量変動が助長
されることがあった。
【0026】このビームスプリッタ4の透過光束は、p
偏光成分しか持たない直線偏光の光束であり、この光束
を第2のビームスプリッタ11で2つに分割すると、光
ディスク7に向かう光束と光検出器13に向かう光束の
光量変動は、相似的な振る舞いを示す。これにより、光
検出器13の出力に基づいて半導体レーザ1の出射光量
を制御すれば、光ディスク7に向かう光束に対して同様
な形に制御できる。例えば、光ディスク7から情報を再
生するときは、光出力制御信号104として一定値が入
力され、光検出器13の出力も一定になるような制御が
成され、これに伴って光ディスク7に向かう光束も一定
光量になる。
【0027】(第2の実施例)図3は、本発明の第2の
実施例に係る光学的情報記録再生装置の主要部の構成を
示したものである。第1の実施例との相違点は、半導体
レーザ1の出射光に対してビームスプリッタ4で反射し
た光束を光ディスク7に導くことにあり、その他の構成
およびその動作は、第1の実施例と同様である。
【0028】この実施例におけるビームスプリッタ4の
光束分割特性は、反射光にはp偏光成分を持たないよう
な分割特性を持たせている。一方、s偏光成分はほとん
ど反射するものの、一部は透過してp偏光成分と共にビ
ームスプリッタ4の透過光として出射される。このビー
ムスプリッタ4の反射光束は、第1の実施例と同様な光
出力制御系を介して半導体レーザ1の出射光量制御に用
いられる。
【0029】(第3の実施例)図4は、本発明の第3の
実施例に係る光学的情報記録再生装置の主要部の構成を
示したものである。この実施例は、光ディスク7からの
反射光を検出する信号検出系の構成に特徴がある。信号
検出系で検出される3つの信号を(1) 情報再生信号の検
出系と、(2) フォーカス誤差信号とトラッキング誤差信
号の検出系とに別々に設ける。2つの誤差信号の検出に
は受光面が複数に分割されたいわゆる分割光検出器が使
われ、このような光検出器から信号周波数が高い情報再
生信号を得ようとすると、複数の広帯域増幅器が必要と
なり、システムの大型化、高価格化の要因となる。本実
施例によると、このような問題を解決できる。
【0030】(第4の実施例)図5は、本発明の第4の
実施例に係る光学的情報記録再生装置の主要部の構成を
示したものである。第1の実施例との相違点は、1/4
波長板5を光軸に対して傾けて配設し、その反射光を集
光レンズ12を介して光検出器13で検出することにあ
る。これによって、第2のビームスプリッタ11を省略
することができる。
【0031】通常の使用状況では、1/4波長板の表裏
には反射防止膜が施されるが、本実施例における1/4
波長板5は、半導体レーザ1からの光束が入射する面に
は反射防止膜が無く、必要に応じて1/4波長板5の表
面に反射膜を設けて反射率を適宜設定している。これに
より、半導体レーザ1の出射光量を制御するための光出
力制御系を最適条件で動作可能にならしめることができ
るように、反射光量を設定する。なお、本実施例の構成
は第2の実施例に対しても適用できる。
【0032】以上説明した第1〜第4の実施例は、偏光
特性が時間変動するような半導体レーザの出射光量を安
定化するに際して、記録媒体からの反射光を記録媒体に
向かう光束と分離して取り出す第1の光分離素子に一方
向に偏光した成分のみを透過(もしくは反射)するよう
な特性を持たせ、この第1の光分離素子を経た後の光束
を分割して検出し、この検出出力に基づいて半導体レー
ザの駆動電流を制御して光出力を制御するように構成し
た点に特徴がある。従って、第1の実施例においては、
第1の光分離素子であるビームスプリッタ4に、透過光
にはs偏光成分を持たない分割特性の素子を用いが、透
過光にはp偏光成分を持たない分割特性の素子を用い
て、その透過光を記録媒体に導いてもよい。同様に、第
2の実施例において、反射光にs偏光成分を持たない分
割特性の素子を使い、その反射光を記録媒体に導いても
よい。
【0033】(第5の実施例)図6は本発明の第5の実
施例に係る光学的情報記録再生装置の主要部の構成を示
したものであり、半導体レーザ21、コリメータレンズ
22、ビーム整形プリズム23、ビームスプリッタ2
4、回折型素子25、ミラー26、1/4波長板27、
対物レンズ28、光記録媒体29、集光レンズ10、ホ
ログラフィック光学素子(HOE)31、光検出器3
2、増幅器33、誤差信号演算器34、フォーカスとト
ラッキングのドライブ回路35,36、フォーカス駆動
コイル37およびトラッキング駆動コイル38を備えて
いる。
【0034】1/4波長板27は、基本的にビームスプ
リッタ24と対物レンズ28の間にあれば良く、図6に
示す位置でなくても良い。また、回折型素子25につい
ても同様に、基本的にビームスプリッタ24と対物レン
ズ28の間にあれば良い。
【0035】半導体レーザ21から出射した光束は、コ
リメータレンズ22で平行光束になり、さらにビーム整
形プリズム23で非等方なビーム形状を等方形状に整形
された後、対物レンズ28で集束されて光記録媒体29
の記録面上に微小ビームスポットを形成する。光記録媒
体29の記録面で反射した光束は対物レンズ28を通
り、ビームスプリッタ24を反射して、集光レンズ1
0、HOE31、光検出器32からなる信号検出系に入
射される。光検出器32からの信号より増幅器33と誤
差信号演算器34で、フォーカス誤差信号およびトラッ
キング誤差信号が生成される。それぞれの誤差信号に基
づき、フォーカスとトラッキングのドライブ回路35,
36でフォーカス駆動コイル37およびトラッキング駆
動コイル38を駆動して、対物レンズ28を光軸方向お
よび半径方向に移動制御することにより、光ディスクに
記録された情報に対して集束した微小ビームスポットの
相対位置を制御し、安定に情報の記録および再生を行
う。また、再生信号は増幅器33より得られる。
【0036】次に、半導体レーザ21の光出力制御につ
いて説明する。ビームスプリッタ24を透過した後、回
折型素子25の回折光を利用して光記録媒体29に向か
う光束の一部を分離する。回折型素子25の回折光を光
検出器39で検出する。この光検出器39出力は、アン
プ20を介してレーザ制御部41に供給され、光出力制
御信号42と比較演算した結果を用いて、レーザドライ
バ43で半導体レーザ21に供給する電流値を変化さ
せ、半導体レーザ21の出射光量を制御する。光出力制
御信号42が一定レベルに指定されているとき(再生動
作のときなど)は半導体レーザ21の出射光量は一定に
なるように制御され、光出力制御信号42が記録情報に
基づいて変化するように指定されているときは半導体レ
ーザ21の出射光量を光出力制御信号42と同じ変化を
するように制御する。
【0037】次に、以上のように構成された光学的情報
記録再生装置において、本発明の主願とするところの、
半導体レーザ21から出射される光束が半導体レーザの
活性層に対して平行な偏光成分以外を持つときの動作お
よび効果について、図7を使って説明する。
【0038】図7は、ビームスプリッタ24における入
射および出射する光束の偏光状態を示したものである。
図7(a)は、ビームスプリッタ24に入射する光束の
偏光状態を示しており、ほぼ半導体レーザ21から出射
される光束の偏光状態と同じである。図7(b)はビー
ムスプリッタ24の透過光、図7(c)はビームスプリ
ッタ24の反射光の偏光状態を示している。これらは、
ビームスプリッタ24の光束分割特性を示しており、透
過光にはs偏光成分を持たないような分割特性を持たせ
ている。従って、ビームスプリッタ24の入射光の偏光
状態が変化しても、ビームスプリッタ24の透過光の偏
光状態は変化しない。一方、p偏光成分はほとんど透過
するものの一部は反射して、s偏光成分と共にビームス
プリッタ24の反射光として出射する。図7(c)に示
すようにs偏光成分が存在する。このため、ビームスプ
リッタ24の入射光の偏光状態が変化した場合、ビーム
スプリッタ24の反射光の偏光状態も変わり、透過光の
偏光状態と同一にはならない。従って、この光束を特別
な目的に使用できない。なお、従来はこの光束を検出し
て半導体レーザの光出力を制御していたので、光ディス
クに向かう光束と光出力を制御するための検出に使われ
る光束とに偏光成分の変化の影響が現れて、光量制御動
作によって光量変動が助長されることがあった。
【0039】ビームスプリッタ24の透過光束は、p偏
光成分しか持たない直線偏光の光束である。この光束の
一部を回折型素子25の回折光で検出する。光記録媒体
29に向かう光束と光検出器39に向かう光束の偏光状
態は等しいので、半導体レーザ21への戻り光等で生じ
る光量変動は、相似的な振る舞いを示す。これにより、
光検出器39の出力に基づいて半導体レーザ21の出射
光量を制御すれば、光記録媒体29に向かう光束を任意
の値に制御できる。例えば、光記録媒体29から情報を
再生するときは、光出力制御信号42として一定値が入
力され、光検出器39の出力も一定になるような制御が
成され、これに伴って光記録媒体29に向かう光束も一
定光量になる。
【0040】また、この回折型素子25は回折光が集束
光になる回折型素子である。図8を使って、回折型素子
25をもう少し詳しく説明する。透明基板81と点光源
82と平行光源83とを図8の配置とし、点光源82と
平行光源83で透明基板81を照射すると、干渉パター
ンができる。レジスト等を使って、この干渉パターンを
透明基板81に形成したものが、回折型素子25であ
る。図8の透明基板81に干渉パターンを生成し、透明
基板81の左側から平行光を入射すると、回折光は集束
光となるが、零次光は平行光となる。また、回折型素子
25の製作は、数値計算により干渉パターンを求め、マ
スクプロセス等を用いて作製しても良い。回折型素子2
5は、透過効率が高い位相型の素子が望ましい。
【0041】(第6の実施例)図9は、本発明の第6の
実施例に係る光学的情報記録再生装置の主要部の構成を
示したものである。第5の実施例との相違点は、半導体
レーザ21の出射光に対してビームスプリッタ44で反
射した光束を光記録媒体29に導くことにある。但し、
ビームスプリッタ44は、p偏光成分すべてを透過する
特性である。従って、光記録媒体29に照射される光束
はs偏光のみとなる。その他の構成および動作は、第5
の実施例と同様である。
【0042】この回折型素子25の回折光を第5の実施
例と同様な方法で検出し、出力制御系を介して、半導体
レーザ21の出射光量を制御する。ここで、ビームスプ
リッタ44に対して半導体レーザ21の活性層を垂直に
するため、ビーム整形プリズム23とコリメータレンズ
22と半導体レーザ21で構成される光学系は、紙面に
垂直方向に傾く。
【0043】(第7の実施例)図10は、本発明の第7
の実施例に係る光学的情報記録再生装置の主要部の構成
を示したものである。第5の実施例との相違点は、回折
型素子25の位置である。回折型素子25が、ビームス
プリッタ24より前に位置し、回折型素子25の回折光
が、ビームスプリッタ24を透過する構成である。ビー
ムスプリッタ24を透過した後、回折型素子25の回折
光を光検出器39で検出し、半導体レーザ21の出射光
量を制御する。従って、半導体レーザ21の偏光状態が
変化し、回折型素子25に入射光の偏光状態が変わって
も、光記録媒体29に照射する光束と回折型素子25の
回折光は、両方ともビームスプリッタ24を透過するの
で、それぞれの偏光状態が等しくなる。
【0044】光検出器39の出力に基づいて半導体レー
ザ21の出射光量を制御すれば、光記録媒体29に向か
う光束を任意の値に制御できる。また、回折型素子25
の位置は、基本的に、その回折光が、ビームスプリッタ
24を透過すれば、半導体レーザ21とビームスプリッ
タ24の間のどの位置にあっても良い。その他の構成お
よび動作は、第5の実施例と同様である。
【0045】(第8の実施例)図11は、本発明の第8
の実施例に係る光学的情報記録再生装置の主要部の構成
を示したものである。第6の実施例との相違点は、回折
型素子25の位置である。回折型素子25がビームスプ
リッタ44より前に位置し、回折型素子25の回折光が
ビームスプリッタ44を反射する構成である。ビームス
プリッタ44を反射した後、回折型素子25の回折光を
光検出器39で検出し、半導体レーザ21の出射光量を
制御する。
【0046】従って、半導体レーザ21の偏光状態が変
化し、回折型素子25に入射光の偏光状態が変わって
も、光記録媒体29に照射する光束と回折型素子25の
回折光は、両方ともs偏光成分のみがビームスプリッタ
44を反射するので、それぞれの偏光状態が等しくな
る。光検出器39の出力に基づいて半導体レーザ21の
出射光量を制御すれば、光記録媒体29に向かう光束を
任意の値に制御できる。また、回折型素子25の位置
は、基本的に、その回折光が、ビームスプリッタ24を
透過すれば、半導体レーザとビームスプリッタ24の間
のどの位置にあっても良い。その他の構成および動作
は、第6の実施例と同様である。
【0047】なお、第5〜第8の実施例においてはλ/
4板を使用したが、本発明の所期の目的を達成する上で
は使用しなくとも良い。
【0048】(第9の実施例)図12は本発明の第9の
実施例に係る光学的情報記録再生装置の主要部の構成を
示したものであり、半導体レーザ51、コリメータレン
ズ52、ビーム整形プリズム53、ビームスプリッタ5
4、反射型回折素子55、ミラー57、1/4波長板5
6、対物レンズ58、光記録媒体59、集光レンズ6
0、ホログラフィック光学素子(HOE)61、光検出
器62、増幅器63、誤差信号演算器64、フォーカス
とトラッキングのドライブ回路65,66、フォーカス
駆動コイル67およびトラッキング駆動コイル68を備
えている。
【0049】ここで1/4波長板56は、基本的にビー
ムスプリッタ54と対物レンズ58の間にあれば良く、
図12に示す位置でなくて良い。また、反射型回折素子
55についても同様に、基本的にビームスプリッタ54
と対物レンズ58の間にあれば良い。但し、反射型回折
素子55と1/4波長板56の順序が入れ代わることは
ない。ミラー57の機能は、光束の進行方向を変えるた
めのものであり、ミラー57がなくても、実際の光ヘッ
ドの機能には何も影響を与えない。
【0050】半導体レーザ51から出射した光束は、コ
リメータレンズ52で平行光束になり、さらにビーム整
形プリズム53で非等方なビーム形状を等方形状に整形
した後、対物レンズ58で収束して光記録媒体59の記
録面上に微小ビームスポットを形成する。光記録媒体5
9の記録面で反射した光束は対物レンズ58を通り、ビ
ームスプリッタ54で反射して、集光レンズ60、HO
E61、光検出器62からなる信号検出系に入射する。
【0051】光検出器62からの信号より、増幅器63
と誤差信号演算器64で、フォーカス誤差信号およびト
ラッキング誤差信号を生成する。それぞれの誤差信号を
使い、フォーカスとトラッキングのドライブ回路65,
66で、フォーカス駆動コイル67およびトラッキング
駆動コイル68を動かし、対物レンズ58を光軸方向お
よび半径方向に移動制御して光ディスクに記録された情
報に対して収束した微小ビームスポットの相対位置を制
御して、安定に情報の記録および再生を行う。また、再
生信号は、増幅器63より得られる。
【0052】次に、半導体レーザ51の光出力制御につ
いて説明する。ビームスプリッタ54を透過した後、反
射型回折素子55の回折光を利用して光記録媒体59に
向かう光束の一部を分離する。反射型回折素子55の回
折光は、再びビームスプリッタ54を透過し、光検出器
69で検出する。この光検出器69の出力は、アンプ7
0を介してレーザ制御部71に供給され、光出力制御信
号72と比較演算した結果を用いて、レーザドライバ7
3で半導体レーザ51に供給する電流値を変化させ、半
導体レーザ51の出射光量を制御する。光出力制御信号
72が一定レベルに指定されているとき(再生動作のと
きなど)は半導体レーザ51の出射光量は一定になるよ
うに制御され、光出力制御信号72が記録情報に基づい
て変化するように指定されているときは半導体レーザ5
1の出射光量を光出力制御信号72と同じ変化をするよ
うに制御する。
【0053】以上のように構成された光学的情報記録再
生装置において、半導体レーザ51から出射される光束
が半導体レーザの活性層に対して平行な偏光成分以外を
持つときの動作および効果について、図13を使って説
明する。
【0054】図13は、ビームスプリッタ54における
入射および出射する光束の偏光状態を示したものであ
る。図13(a)は、ビームスプリッタ54に入射する
光束の偏光状態を示しており、ほぼ半導体レーザ51か
ら出射される光束の偏光状態と同じである。図13
(b)はビームスプリッタ54の透過光、図13(c)
はビームスプリッタ54の反射光の偏光状態を示してい
る。これらは、ビームスプリッタ54の光束分割特性を
示しており、透過光にはs偏光成分を持たないような分
割特性を持たせている。従って、ビームスプリッタ54
の入射光の偏光状態が変化しても、ビームスプリッタ5
4の透過光の偏光状態は変化しない。一方、p偏光成分
はほとんど透過するものの一部は反射して、s偏光成分
と共にビームスプリッタ54の反射光として出射する。
図13(c)に示すようにs偏光成分が存在する。この
ため、ビームスプリッタ54の入射光の偏光状態が変化
した場合、ビームスプリッタ54の反射光の偏光状態も
変わり、透過光の偏光状態と同一にならない。従って、
この光束を特別な目的に使用できない。従来は、この光
束を検出して半導体レーザの光出力を制御していたの
で、光ディスクに向かう光束と光出力を制御するための
検出に使われる光束とに偏光成分の変化の影響が現れ
て、光量制御動作によって光量変動が助長されることが
あった。
【0055】ビームスプリッタ54の透過光束は、p偏
光成分しか持たない直線偏光の光束である。この光束の
一部を、反射型回折素子55の回折光で検出する。反射
型回折素子55の回折光は、再びビームスプリッタ54
を通過するが、この場合もp偏光成分のみが透過するの
で、光検出器69に向かう回折光と光記録媒体59に向
かう光束の偏光状態は等しいので、半導体レーザ51へ
の戻り光等で生じる光量変動は、相似的な振る舞いを示
す。
【0056】これにより、光検出器69の出力に基づい
て半導体レーザ51の出射光量を制御すれば、光記録媒
体59に向かう光束を任意の値に制御できる。例えば、
光記録媒体59から情報を再生するときは、光出力制御
信号72として一定値が入力され、光検出器69の出力
も一定になるような制御が成され、これに伴って光記録
媒体59に向かう光束も一定光量になる。
【0057】なお、図12に示すように半導体レーザ5
1と光検出器69を一つのパッケージ24に収めること
により、光ヘッドの小型化が実現できる。しかし、基本
的に前記した効果を得るためには、半導体レーザ51と
光検出器69は別々に配置しても構わない。
【0058】図14を使って、反射型回折素子55をも
う少し詳しく説明する。透明基板141と平行光源14
2と平行光源143とを図14の配置とし、平行光源1
42と平行光源143で透明基板141を照射すると、
干渉パターンができる。レジスト等を使って、この反射
型の干渉パターンを透明基板141に生成したものが、
反射型回折素子55である。図14の透明基板141に
反射型の干渉パターンを生成し、透明基板141の右側
から平行光を入射すると、回折光が生じる。
【0059】(第10の実施例)図15は、本発明の第
10の実施例に係る光学的情報記録再生装置の主要部の
構成を示したものである。第9の実施例との相違点は、
半導体レーザ51の出射光に対して、ビームスプリッタ
74で反射した光束を光記録媒体59に導くことにあ
る。但し、ビームスプリッタ74はp偏光成分全てを透
過する特性である。また、ビームスプリッタ74に対し
て半導体レーザ51の活性層を垂直にする。なお、図1
5では半導体レーザ51からビーム整形プリズム53の
光学系とその後の光学系を同位置平面に描いているが、
実際はいずれかの光学系が光軸を中心に90度回転して
いる。その他の構成および動作は第9の実施例と同様で
あり、反射型回折素子55の回折光を第9の実施例と同
様な方法で検出し、出力制御系を介して、半導体レーザ
51の出射光量を制御する。
【0060】(第11の実施例)図16は、本発明の第
11の実施例に係る光学的情報記録再生装置の主要部の
構成を示したものである。第9の実施例との相違点は、
反射型回折素子75の回折光が集束光であることと、光
検出器69の位置である。反射型回折素子75の回折光
が、ビームスプリッタ54を再び透過して、光検出器6
9に出射される。図16では、反射型回折素子75の回
折光がビーム整形プリズム53を通過しているが、本発
明の目的達成のためには、ビーム整形プリズム53をビ
ームスリッタ54と離して、反射型回折素子75の回折
光がビーム整形プリズム53を通過化しなくても良い。
反射型回折素子75の回折光を光検出器69が検出し、
半導体レーザ51の出射光量を制御する。
【0061】(第12の実施例)図17は、本発明の第
12の実施例に係る光学的情報記録再生装置の主要部の
構成を示したものである。第11の実施例との相違点
は、半導体レーザ51の出射光に対してビームスプリッ
タ74で反射した光束を光記録媒体59に導くことにあ
る。但し、ビームスプリッタ74はp偏光成分全てを透
過する特性である。また、ビームスプリッタ74に対し
て半導体レーザ51の活性層を垂直にする。図17で
は、半導体レーザ51からビーム整形プリズム53の光
学系とその後の光学系を同位置平面に描いているが、実
際は、どちらかの光学系が光軸を中心に90度回転して
いる。その他の構成動作は第9の実施例と同様であり、
反射型回折素子75の回折光を第11の実施例と同様な
方法で検出し、出力制御系を介して、半導体レーザ51
の出射光量を制御する。
【0062】第9〜第12の実施例においてはλ/4板
を使用しているが、本発明の所期の目的達成のために
は、基本的にはλ/4板は必要ない。
【0063】(第13の実施例)図18は本発明の第1
3の実施例に係る光学的情報記録再生装置における光出
力制御装置の構成を示したものであり、半導体レーザ9
1、反射型回折素子92、光検出器93、半導体レーザ
ケース94、増幅器101、レーザ制御部102および
レーザドライバ103を備えている。
【0064】半導体レーザ91から出射した光束は、反
射型回折素子92を透過して半導体レーザケース94の
外に取り出される主光束と、反射・回折した光束とに分
離される。半導体レーザケース94の外に取り出された
主光束は、従来と同様に目的に応じた光学系、例えば半
導体レーザからの出射光を光ディスク上へ集光するため
の光学系に導かれる。
【0065】一方、反射型回折素子92で反射・回折し
た光束は、光検出器3の受光面に集光されて検出され
る。光検出器93の出力は、増幅器101で適当なレベ
ルまで増幅された後、レーザ制御部102に光出力信号
105として入力される。レーザ制御部102では、光
出力制御信号104と光出力信号105を比較し、その
相違量に応じた信号を生成してレーザドライバ103に
入力する。レーザドライバ103は、この信号に基づい
て半導体レーザ91の駆動電流を制御するように構成さ
れ、レーザ駆動信号106を半導体レーザ1に供給す
る。
【0066】このように構成することによって、従来と
同様な半導体レーザケース94の外形でありながら、半
導体レーザケース94の外に取り出されて実際の用途に
供される主光束と同じ光量変動を伴う光束を半導体レー
ザケース93内で検出して、半導体レーザ1の出射光の
光量を制御することができる。このため、制御系の最適
調整は半導体レーザ91が単体の状態でできる。また、
半導体レーザ91から光検出器93に至る光路は短く、
しかもその光路には反射型回折素子92があるのみであ
る。従って、光伝搬による時間遅延が少なく、素子特性
のばらつきが少ない(素子数が少ない効果)ことから、
制御性能の個体差を小さく押さえることができる。
【0067】図19は、反射型回折素子92を製作する
ための一実施例を示す。ここでは、光源に使用するレー
ザの波長は、組み込む半導体レーザの波長と同レベルの
ものとする。Aは、図18に示した半導体レーザ91の
出射端面に相当する位置で、反射型回折素子92との距
離は実装時の距離に同じである。また、Bは反射型回折
素子92からの反射回折光が集光する位置で、図18に
おける光検出器93の受光面に相当する位置である。A
から出射すると光束とB′に集光する光束とを基板12
2上の記録膜121に照射し、干渉縞を記録する。露光
後、記録膜121を処理して、記録膜121の表面形状
を露光量に応じた凹凸量に置換して、回折素子とする。
ここで、光検出器93へ導く光束の光量は、前記の凹凸
量もしくは、記録膜121の反射率などで設定する。好
ましくは、回折効率が高くなるように凹凸量が1/4波
長になるようにし、反射率そのものはでき得る限り低く
押さえた方が、反射型回折素子を透過する光束を大きく
することができる。
【0068】ここでは、2光束を干渉させて回折素子を
製作する方法を述べたが、計算手段でこの干渉縞に相当
するパターンを生成して電子線描画などの一連のフォト
リソグラフィー技術でも同様な反射型回折素子2を作る
ことができる。
【0069】図20は、電気回路の光出力制御部と光検
出器を同一の半導体基板上に作り付けた、オプトエレク
トロ・ICの構成を示すブロック図である。このよう
に、光出力制御装置の主たる部分をオプトエレクトロ・
IC化することができる。
【0070】図21に、図20に示したオプトエレクト
ロ・ICを用いた光出力制御装置の実施例を示す。光出
力検出・制御部100をオプトエレクトロ・IC化した
ものを用い、半導体レーザケース内に実装すると一層扱
いやすく高性能な光出力制御装置とすることができる。
この場合は、必要に応じて光出力制御系の最適化を図る
ための利得調整や位相補償などの出力端子を半導体レー
ザケース4に設けることが重要である。
【0071】図22は、反射型回折素子2の表面状態の
一例を示すものである。半導体レーザケース4内に設け
た光検出器3に外部からの光束が入射することを低減す
るために、半導体レーザ91の出射光が通過する以外の
領域に遮光部131を設けたものである。この遮光部1
31は、回折格子部132と同一の面に形成されるが、
半導体レーザケース94の外部と接する面に設けても同
様の効果が得られることはもとより、半導体レーザ91
の利用状態に応じて使用時に制限する開口を設けること
ができる。
【0072】図23は、本発明の光出力制御装置を使っ
て、光学的情報記録再生装置を構成したときの模式図で
ある。図18に示した光出力制御装置を含む半導体レー
ザ1から出射した光束は、コリメーティングレンズ2で
平行光束になり、さらにビーム整形プリズム3で非等方
なビーム形状を等方形状に整形した後、対物レンズ6で
集束して光ディスク7の記録面上に微小ビームスポット
を形成する。光ディスク7の記録面で反射した光束は対
物レンズ6を通り、ビームスプリッタ4で反射して、集
光レンズ8、HOE7、光検出器10からなる信号検出
系に入射する。光検出器10からの信号は、アンプ11
1、信号演算部112を経て、情報再生信号114とフ
ォーカス誤差信号およびトラッキング誤差信号を生成
し、それぞれの誤差信号はアクチュエータドライバ11
3を介してトラッキング駆動コイル14およびフォーカ
ス駆動コイル15に供給され、対物レンズ6を光軸方向
および半径方向に移動制御して、光ディスク7に記録さ
れた情報に対して集束した微小ビームスポットの相対位
置を制御し、安定に情報の記録および再生を行う。これ
らの制御系の構成および動作に関しては、特開平3−2
57「光学ヘッド装置」に詳細に述べられているので、
詳細な説明を省略する。
【0073】一方、光ディスク7からの反射光は往路と
同様な経路を経て、再び半導体レーザ1に戻る。この戻
り光束で半導体レーザ1の出射光量は変動を受けるが、
図18のように構成された光出力制御装置の動作によっ
て実際の出射光束に光量変動は生じない。このように、
本発明の光出力制御装置を用いて光学機器を作ると、外
部からの戻り光による光量変動を著しく低減することが
でき、高精度に制御された光出力が得られるので、これ
に伴って光学機器の精度の向上を図れる。
【0074】(第14の実施例)図24は本発明の第1
4の実施例に係る光出力制御装置の構成を示したもので
あり、図18と対応する部分に同一符号を付して第13
の実施例との相違点を説明する。この実施例では図24
に示されるように、半導体レーザケース94の外部に取
り出された主光束が導かれる光学系の光軸に対して反射
型回折格子92が傾けて配置されている。反射型回折格
子92の傾ける方向は、半導体レーザ91の活性層に平
行な方向である。このように反射型回折格子92を傾け
て配置することで、該回折格子92の表裏からの正反射
光が光検出器93で受光される量を低減できる。
【0075】さらに、反射型回折格子92の傾き角と基
板(図19の122)の厚さを次の条件を満たすように
設定する。
【0076】ΔZ=(d/n*cosi′)*(1− cos2
i/ cos2 i′) 但し、ΔZ:半導体レーザの発光波長における基板の屈
折率 d:基板の厚さ sini=n*sini′ この実施例にすると、半導体レーザ91の出射光が持っ
ている非点隔差を補正して外部に設けた光学系へと導く
ことができるという効果が新たに得られる。
【0077】上述した第13および第14の実施例によ
る光出力制御装置は、光学的情報記録再生装置以外の用
途にも使用できることはいうまでもない。
【0078】
【発明の効果】このように本発明では、記録媒体からの
反射光を半導体レーザから光学系により記録媒体に向か
う光束と分離して第1の光検出器に導くための第1の光
分離素子と記録媒体との間に、半導体レーザから出射さ
かつ第1の光分離素子を透過あるいは第1の光分離素
子で反射された光束の一部を記録媒体に向かう光束と分
離して取り出す第2の光分離素子を設け、この第2の光
分離素子により取り出された光束を第2の光検出器で検
出して、半導体レーザから出射される光束の強さを制御
する。さらに、第1の光分離素子をs偏光成分の透過率
がほぼ零で、半導体レーザから出射された光束のうちp
偏光成分のみからなる直線偏光の光束を透過させて第2
の光分離素子に導くか、あるいは第1の光分離素子をp
偏光成分の反射率がほぼ零で、半導体レーザから出射さ
れた光束のうちs偏光成分のみからなる直線偏光の光束
を反射させて第2の光分離素子に導くように構成する。
このような構成によって、記録媒体に向かう光束と光出
力の安定化のための検出される光束とが相似的な光量変
化を示すようになり、高精度な光出力の安定化制御を実
現できる。すなわち、記録媒体からの反射光が半導体レ
ーザに戻ることによって生じる半導体レーザの出射光量
の変動情報の記録および再生に影響を与えない程度に
まで抑圧することができる。
【0079】
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る光学的情報記録
再生装置の要部を模式的に示す図
【図2】 図1の第1の光分離素子における入射光・出
射光の偏光状態を示す図
【図3】 本発明の第2の実施例に係る光学的情報記録
再生装置の要部を模式的に示す図
【図4】 本発明の第3の実施例に係る光学的情報記録
再生装置の要部を模式的に示す図
【図5】 本発明の第4の実施例に係る光学的情報記録
再生装置の要部を模式的に示す図
【図6】 本発明の第5の実施例に係る光学的情報記録
再生装置の要部を模式的に示す図
【図7】 図6の第1の光分離素子における入射光・出
射光の偏光状態を示す図
【図8】 回折型素子を説明する図
【図9】 本発明の第6の実施例に係る光学的情報記録
再生装置の要部を模式的に示す図
【図10】 本発明の第7の実施例に係る光学的情報記
録再生装置の要部を模式的に示す図
【図11】 本発明の第8の実施例に係る光学的情報記
録再生装置の要部を模式的に示す図
【図12】 本発明の第9の実施例に係る光学的情報記
録再生装置の要部を模式的に示す図
【図13】 図6の第1の光分離素子における入射光・
出射光の偏光状態を示す図
【図14】 反射型回折素子を説明する図
【図15】 本発明の第10の実施例に係る光学的情報
記録再生装置の要部を模式的に示す図
【図16】 本発明の第11の実施例に係る光学的情報
記録再生装置の要部を模式的に示す図
【図17】 本発明の第12の実施例に係る光学的情報
記録再生装置の要部を模式的に示す図
【図18】 本発明の第13の実施例に係る光出力制御
装置の要部を模式的に示す図
【図19】 図18の反射型回折素子を製作する方法を
模式的に示す図
【図20】 オプトエレクトロ・ICの構成を示すブロ
ック図
【図21】 図20に示すオプトエレクトロ・ICを使
った光出力制御装置の構成を模式的に示す図
【図22】 図18の反射型回折素子の表面状態の一実
施例を示す図
【図23】 光出力制御装置を光ディスク装置に適用し
たときの構成を模式的に示す図
【図24】 本発明の第14の実施例に係る光出力制御
装置の要部を模式的に示す図
【符号の説明】
1…半導体レーザ、2…コリメーティングレンズ、3…
ビーム整形プリズム、4,11…ビームスプリッタ、5
…1/4波長板、6…対物レンズ、7…光ディスク、
8,12…集光レンズ、9…HOE、10,13…光検
出器、14…フォーカス駆動コイル、15…トラッキン
グ駆動コイル、111…アンプ、112…信号演算部、
113…アクチュエータドライバ、114…情報再生信
号。 21…半導体レーザ、22…コリメータレンズ、23…
ビーム整形プリズム、24…ビームスプリッタ、25…
回折型素子、26…ミラー、27…1/4波長板、28
…対物レンズ、29…光記録媒体、10…レンズ、31
…HOE、32…光検出器、33…増幅器、34…誤差
信号演算器、35…フォーカスドライブ回路、36…ト
ラッキングドライブ回路、37…フォーカス駆動コイ
ル、38…トラッキング駆動コイル、39…光検出器、
20…アンプ、41…レーザ制御部、42…光出力制御
信号、43…レーザドライバ、44…ビームスプリッ
タ、81…透明基板、82…点光源、83…平行光源。 51…半導体レーザ、52…コリメータレンズ、53…
ビーム整形プリズム、54…ビームスプリッタ、55…
反射型回折素子、56…1/4波長板、57…ミラー、
58…対物レンズ、59…光記録媒体、60…レンズ、
61…HOE、62…光検出器、63…増幅器、64…
誤差信号演算器、65…フォーカスドライブ回路、66
…トラッキングのドライブ回路、67…フォーカス駆動
コイル、68…トラッキング駆動コイル、69…光検出
器、70…アンプ、71…レーザ制御部、72…光出力
制御信号、73…レーザドライバ、141…透明基板、
142,143…平行光源、74…ビームスプリッタ、
75…反射型回折素子。 91…半導体レーザ、92…反射型回折素子、93…光
検出器、94…半導体レーザケース、98…光出力制御
部、100…光出力検出・制御部、101…増幅器、1
02…レーザ制御部、103…レーザドライバ、104
…光出力制御信号、105…光出力信号、106…レー
ザ駆動信号、110…増幅器、111…信号演算部、1
13…アクチュエータドライバ、114…情報再生信
号、121…記録膜、122…基板、131…遮光部、
132…回折格子部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−215402(JP,A) 特開 平1−125738(JP,A) 実開 平4−54029(JP,U) 実開 平3−71417(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/12 - 7/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体にレーザ光を照射して情報の記
    録および再生を行う光学的情報記録再生装置において、 s偏光成分とp偏光成分を持つ光束を出射する半導体レ
    ーザと、 前記半導体レーザから出射された光束を前記記録媒体上
    に集光するための対物レンズと、 前記記録媒体からの反射光を前記半導体レーザから前記
    対物レンズにより前記記録媒体に向かう光束と分離して
    取り出す第1の光分離素子と、 前記第1の光分離素子により取り出された前記記録媒体
    からの反射光を検出する第1の光検出器と、 前記第1の光分離素子と前記対物レンズとの間に配置さ
    れた波長板と、 前記第1の光分離素子と前記波長板との間に配置され、
    前記半導体レーザから出射されかつ前記第1の光分離素
    子を透過した光束の一部を前記記録媒体に向かう光束と
    分離して取り出す第2の光分離素子と、 前記第2の光分離素子により取り出された光束を検出す
    る第2の光検出器と、 前記第2の光検出器からの出力により前記半導体レーザ
    から出射される光束の強さを制御する制御手段とを備
    え、 前記第1の光分離素子は、s偏光成分の透過率がほぼ零
    で、前記半導体レーザから出射された光束のうちp偏光
    成分のみからなる直線偏光の光束を透過させて前記第2
    の光分離素子に導くように構成されることを特徴とする
    光学的情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】 記録媒体にレーザ光を照射して情報の記
    録および再生を行う光学的情報記録再生装置において、 s偏光成分とp偏光成分を持つ光束を出射する半導体レ
    ーザと、 前記半導体レーザから出射された光束を前記記録媒体上
    に集光するための対物レンズと、 前記記録媒体からの反射光を前記半導体レーザから前記
    対物レンズにより前記記録媒体に向かう光束と分離して
    取り出す第1の光分離素子と、 前記第1の光分離素子により取り出された前記記録媒体
    からの反射光を検出する第1の光検出器と、 前記第1の光分離素子と前記対物レンズとの間に配置さ
    れた波長板と、 前記第1の光分離素子と前記波長板との間に配置され、
    前記半導体レーザから出射されかつ前記第1の光分離素
    子を反射した光束の一部を前記記録媒体に向かう光束と
    分離して取り出す第2の光分離素子と、 前記第2の光分離素子により取り出された光束を検出す
    る第2の光検出器と、 前記第2の光検出器からの出力により前記半導体レーザ
    から出射される光束の強さを制御する制御手段とを備
    え、 前記第1の光分離素子は、p偏光成分の透過率がほぼ零
    で、前記半導体レーザから出射された光束のうちs偏光
    成分のみからなる直線偏光の光束を反射させて前記第2
    の光分離素子に導くように構成されることを特徴とする
    光学的情報記録再生装置。
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