JP3525276B2 - 湿式画像形成方法及び湿式画像形成装置 - Google Patents

湿式画像形成方法及び湿式画像形成装置

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JP3525276B2
JP3525276B2 JP06211496A JP6211496A JP3525276B2 JP 3525276 B2 JP3525276 B2 JP 3525276B2 JP 06211496 A JP06211496 A JP 06211496A JP 6211496 A JP6211496 A JP 6211496A JP 3525276 B2 JP3525276 B2 JP 3525276B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンタ等の湿式画像形成装置に係わり、詳しく
は潜像担持体上の余剰現像液を除去する余剰液除去手段
を備えた湿式画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、潜像担持体上に形成された潜像
を、キャリア液にトナーが分散されてなる現像液を用い
る現像手段で現像像とし、この現像像を転写材に転写す
る湿式画像形成装置が知られている。上記現像像の転写
方法としては、潜像担持体と転写材との間に転写手段に
よって転写電界を形成し、潜像担持体の現像像を構成す
るトナーをキャリア液中における電気泳動で転写材側に
転写する静電転写方式が知られ、現像像上に転写材を重
ね、転写材の背面からトナーと逆極性のコロナチャージ
を与えて転写する方法が一般的である。これとは異な
り、上記現像液を用いて形成した現像像上に転写ローラ
で転写材を接触させ、この転写ローラにトナーと逆極性
の転写バイアスを印加して転写する方法や、現像像上に
搬送ベルト上の転写材を重ね、搬送ベルトの背面などに
トナーと逆極性のコロナチャージを与えて転写する方法
も知られている(例えば特開平5−224491号公
報)。
【0003】このような湿式画像形成装置においては、
現像領域を通過した潜像担持体表面には30〜200μ
mの現像液層が形成される。この状態で潜像担持体表面
に転写材を重ねて転写しても、液体層と転写材の密着性
が悪く、十分なトナー転写率を得られなかったり、画像
ながれや文字太りが発生したりする。一方、キャリア液
体層が少なすぎると上記電気泳動による転写が困難にな
って画像濃度が低下したり、転写材の例えば表面凹凸の
凹部に対応した部分のみの画像濃度低下や白ヌケが発生
したりする。そこで、このような不具合が発生しない適
当な量のキャリア液を残して、余剰なキャリア液をスク
イズすることが行われている。
【0004】余剰なキャリア液をスクイズする方法とし
ては、スクイズローラやコロナ放電器等で構成される余
剰液除去手段を、潜像担持体表面に対し所定間隔をとっ
て対向配置し、スクイズローラを潜像担持体との対向領
域において潜像担持体回転方向と逆の方向に回転させた
り、スクイズローラに所定のバイアス電圧を印加した
り、コロナ放電器によりトナーと同極性のイオンを発生
させて、このイオンを潜像担持体へ照射したりする方法
がある。またエアースクイズ方式もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した湿
式画像形成装置に使用される現像液は、図5に示すよう
に温度(液温)によって粘度が変化する。また、現像
後、余剰なキャリア液をスクイズしてから転写する画像
形成装置の場合、スクイズ方法が同じであっても、現像
液の粘度によってスクイズ後の感光体上に付着するキャ
リア液量は異なる。図6は、感光体(PC)と同方向に
回転するリバースローラ(RR)を用いたときに、その
線速比(VRR/VPC)とキャリア付着量の関係を示
したものである。図6に示すように、線速比Xcの時、
粘度aの現像液では感光体上のキャリア付着量はya、
粘度bの現像液では感光体上のキャリア付着量はyb、
粘度cの現像液では感光体上のキャリア付着量はycと
なる。
【0006】したがって、装置の使用環境や、連続使用
時のモータや定着手段等の発熱源により現像液の温度が
変化すると、スクイズ後の感光体上のキャリア付着量も
変化する。そして、スクイズ後の感光体上のキャリア付
着量が変化すると、その後の転写前処理や転写処理にも
影響を与える。
【0007】例えば、転写前処理として、スクイズ後に
感光体上のトナー粒子同士を結着させるものがあるが、
この結着による効果はスクイズ後の感光体上のキャリア
付着量によって異なったものとなる。図7は、感光体と
の間にギャップをもって対向配置したセットローラ(S
R)にトナーと同極性、又は逆極性の電圧を印加し、感
光体との間で放電させる方法により結着させたときの特
性図である。図7の縦軸はリバースローラの速度(VR
R)を示している。速度VRR(実際には感光体線速と
RR線速との比)が速くなると、図6で示したように感
光体上のキャリア付着量は少なくなる。また、図7の横
軸はセットローラの速度(VSR)を示している。符号
はローラの回転方法を示しており、負の符号は感光体と
同方向に回転した場合、正の符号(図中省略)は感光体
と反対方向に回転した場合を示している。速度VSRが
速いと、感光体とSRとの間にキャリアが満たされにく
くなる。図中に示されている曲線は感光体とSRとの間
がキャリア液で満たされるか否かの境界線を示してお
り、線より上側が満たされている場合、下側が満たされ
ていない場合を示している。また、〇、◇等の記号は結
着効果の度合いを示している。感光体とSRとの間にキ
ャリア液が満たされている状態では結着効果がなく、感
光体上のキャリア付着量が少なくなる(VRR、VSR
が大きくなる)に従って結着効果は徐々に悪くなる。最
も結着効果が良いのは、感光体とSRとの間がキャリア
液で満たされるか否かの境界線付近である。このように
結着効果が異なると、良好なトナー転写率を得るために
必要な転写電界形成用の電圧や電流の値に影響を与え
る。すなわち、良好なトナー転写率を得るための電圧や
電流の適正範囲がキャリア液の付着量により変化するた
め、設定値による転写電界では転写像にムラを生じるこ
とになる。
【0008】また、他の転写前処理がなく、スクイズの
次に転写を行う場合、キャリア液の付着量が転写像に影
響を与える。すなわち、液温が低く感光体上のキャリア
付着量が多すぎると、文字部の太りやベタ部後端の流れ
などが生じ、また、液温が高く感光体上のキャリア付着
量が少なすぎると、転写率の低下や部分的な白抜けが生
じることになる。
【0009】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、現像液の温度変化に
係わらず、良好な画像を形成することができる湿式画像
形成方法及び湿式画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、潜像が形成された潜像担持体の
表面に、キャリア液にトナーが分散されてなる現像液を
供給して該潜像を現像した後、余剰液除去手段によって
該潜像担持体上の余剰現像液を除去して液膜を規制し、
この液膜の表面際に電圧を印加したローラ表面を対向さ
せ、上記潜像担持体と上記電圧を印加したローラとの間
の放電によって潜像担持体上のトナーを結着させてから
転写材に転写する湿式画像形成方法において、前記余剰
液除去手段を液除去力可変に構成しておき、前記現像液
の温度を検出し、該検出温度に基づいて前記液除去力を
制御することにより、前記余剰液除去手段通過後の潜像
担持体上のキャリア付着量を潜像担持体が前記ローラと
対向する時に潜像担持体との間で放電するのに適した
定量に維持することを特徴とするものである。
【0011】請求項2の発明は、表面に潜像が形成され
る潜像担持体と、前記潜像をキャリア液にトナーが分散
されてなる現像液により現像してトナー像を形成する現
像装置と、液除去力可変に構成され、前記潜像担持体上
の余剰現像液を除去して液膜を規制する余剰液除去手段
と、潜像担持体の表面移動方向において該余剰液除去手
段よりも下流、かつ、上記転写装置よりも上流で、潜像
担持体上の液膜表面際に表面が対向するよう配置された
ローラと該ローラに電圧を印加する手段とを有し、該ロ
ーラに電圧を印加して潜像担持体との間で放電させるこ
とで潜像担持体上のトナーを結着させるトナー結着手段
と、前記トナー像を転写材に転写する転写装置と、前記
現像液の温度を検出する検出手段と、前記検出手段で検
出された温度に基づいて前記液除去力を制御することに
より、前記余剰液除去手段通過後の潜像担持体上のキャ
リア付着量を潜像担持体が前記ローラと対向する時に潜
像担持体との間で放電するのに適した所定量に維持する
制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】ここで、上記余剰液除去手段として、上記
潜像担持体上の表面に対して所定間隔をもって対向配置
され、トナーと同極性のイオンを発生させて、該イオン
を潜像担持体の表面に照射するコロナ放電器で構成され
る余剰液除去手段を用いた場合には、上記現像液の検出
温度に基づいて前記コロナ放電器に印加する電圧を制御
することにより、前記余剰液除去手段通過後の潜像担持
体上のキャリア付着量を所定範囲内に維持する。
【0013】また、上記余剰液除去手段として、上記潜
像担持体上の表面に対して所定間隔をもって対向配置さ
れ、トナーと同極性のバイアス電圧が印加されたスクイ
ズローラで構成される余剰液除去手段を用いた場合に
は、上記現像液の検出温度に基づいて前記スクイズロー
ラに印加するバイアス電圧を制御することにより、前記
余剰液除去手段通過後の潜像担持体上のキャリア付着量
を所定範囲内に維持する。
【0014】また、上記余剰液除去手段として、上記潜
像担持体上の表面に対して所定間隔をもって対向配置さ
れ、前記潜像担持体に対して所定の方向に回転するスク
イズローラで構成される余剰液除去手段を用いた場合に
は、上記現像液の検出温度に基づいて前記スクイズロー
ラと潜像担持体との線速比を制御することにより、前記
余剰液除去手段通過後の潜像担持体上のキャリア付着量
を所定範囲内に維持する。
【0015】また、上記余剰液除去手段として、上記潜
像担持体上の表面に対して所定間隔をもって対向配置さ
れ、圧縮空気を噴射するスリットノズルで構成される余
剰液除去手段を用いた場合には、上記現像液の検出温度
に基づいて前記スリットノズルから噴射される圧縮空気
の圧力を制御することにより、前記余剰液除去手段通過
後の潜像担持体上のキャリア付着量を所定範囲内に維持
する。
【0016】請求項1又は2の発明においては、検出さ
れた現像液の温度に基づいて余剰液除去手段の液除去力
が制御され、余剰液除去手段通過後の潜像担持体上のキ
ャリア付着量を所定範囲内に維持する。具体的には、検
出された現像液の温度における余剰キャリア液のスクイ
ズに必要な除去力と、この液除去力を余剰液除去手段で
発生させるための電圧値とを対応付けた変換テーブル又
は変換式を設定しておき、現像液の温度が高いときには
液除去力が小さくなるように、また現像液の温度が低い
ときには液除去力が大きくなるように制御する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る湿式画像形成
方法及び湿式画像形成装置を、画像形成装置である電子
写真複写機(以下、複写機という)に適用した場合の実
施形態について説明する。
【0018】[実施形態1]図1は、実施形態1に係る
複写機の概略構成図である。図中、1は感光体ドラム、
2はメインチャージャ、3は露光用レーザスキャナ、4
はイレーサ、5は湿式現像装置、6は転写材、7は転写
チャージャ、8はクリーニングブレード、9は除電ラン
プ、10はコロナ放電器用の電源回路を含む制御部、1
1は変換装置、12は感光体ドラム表面の温度センサ、
13は現像液の温度センサ、51は現像容器、52は現
像ローラ、53はコロナ放電器、54は現像液供給部、
55はスクレーパ、56は樫状部である。
【0019】潜像担持体部ある感光体ドラム1は、複写
時には一定速度で矢印a方向に回転駆動される。そし
て、感光体ドラム1の外周表面はメインチャージャ2よ
り暗中にて一様に帯電された後、露光用レーザスキャナ
3により原稿光像が照射結像されて静電潜像が形成され
る。次に、イレーサ4により感光体ドラム1の外周表面
上の作像領域外部分が除電される。その後、感光体ドラ
ム1上の静電潜像は、湿式現像装置5との対向領域を通
過する間に湿式現像装置5により顕像化される。顕像化
された静電潜像は、給紙装置(図示せず)から給送され
てきた転写材6へ転写チャージャ7により転写される。
感光体ドラム1は転写材6の分離後、クリーニングブレ
ード8により残留トナーが除去される。なお、クリーニ
ングブレード8の配設方向はトレーリング方向でもカウ
ンタ方向でも良い。その後、感光体ドラム1の表面は除
電ランプ9により残留電位が除去されて次の複写に備え
られる。
【0020】湿式現像装置5においては、現像容器51
内に作像順にトナー付着手段としての現像ローラ52が
配置され、余剰液除去手段としてのコロナ放電器53が
感光体ドラム1と近接対向して配置されている。なお、
トナー付着手段としては、前記現像ローラ52の他に、
現像皿やスポンジローラ等があり、これらを採用しても
良い。
【0021】上記現像ローラ52は、モータ等(図示せ
ず)の駆動手段によって感光体ドラム1と逆方向である
矢印b方向へ回転駆動される。この現像ローラ52の上
方には、この現像ローラ52へ現像液を供給する現像液
供給部54が配設されている。現像ローラ52の図中右
側にはスクレーパ55がその端部を現像ローラ52外周
表面上に接触させて配設されている。現像液供給部54
から供給されたキャリア液にトナーが分散されてなる現
像液は、現像ローラ52とスクレーパ55とによって形
成される樫状部56に溜まり、現像ローラ52の回転に
よって感光体ドラム1と現像ローラ52とが対向する現
像部に供給される。なお、現像ローラ52には、現像バ
イアスが印加され、地肌部へのトナー付着、すなわち、
かぶりが防止される。
【0022】図1に示す余剰液除去手段としては、コロ
ナ放電器53を用いているが、このコロナ放電器53の
他に、スクイズローラやエアナイフ等がある。この実施
形態1においては、コロナ放電器53を用いたコロナス
クイズを例に説明する。
【0023】コロナ放電器53は、トナーと同極性のイ
オン(実施形態1ではマイナスイオン)を発生させ、こ
のイオンを感光体ドラム1上に照射することにより、現
像後の感光体ドラム1上の余剰キャリア液をスクイズし
て液膜厚を減少させる。
【0024】この実施形態1では、現像液の温度を検出
するため、湿式現像装置5の液だまり5aに温度センサ
13を設置し、また感光体ドラム1の表面近傍に温度セ
ンサ12を設置している。そして、感光体ドラム1表面
の温度センサ12、現像液の温度センサ13のいずれか
一方、あるいは両方で検出された液温を変換装置11へ
出力している。なお、これらの温度センサは、一般に知
られている接触型、非接触型などを用いることができ
る。とくに、現像液により変質しないものが望ましい。
【0025】なお、本発明に係る湿式画像形成方法及び
湿式画像形成装置では、現像液の温度を検出するための
検出手段や検出場所は、実施形態の構成例に限定されな
い。この実施形態1では、湿式現像装置5の液だまり5
aに温度センサ13を設置しているが、後述の実施形態
2に示すように現像タンク内に温度センサ13を設置し
てもよい。また、実施形態1で示すように、感光体ドラ
ム1の表面近傍に温度センサ12を設置してもよい。こ
のように感光体ドラム1表面に温度センサを設置するの
は、現像液は殆どいつも感光体ドラム1の表面を巡回し
ているので、現像液と感光体ドラム1表面とはほぼ同温
となるからである。
【0026】一方、実施形態1の複写機では、上記感光
体ドラム1表面の温度センサ12、現像液の温度センサ
13のいずれか一方、あるいは両方で検出された液温に
基づいてコロナ放電器53に印加する電圧値を算出する
変換装置11が設けられている。この変換装置11に
は、検出された液温における余剰キャリア液のスクイズ
に必要なイオン照射量と、このイオン照射量をコロナ放
電器53で発生させるための電圧値とを対応付けた変換
テーブル又は変換式が内部に記憶されている。そして、
この変換テーブル又は変換式を用いて、検出された液温
を余剰キャリア液のスクイズに必要な量のイオンを発生
させる電圧値に変換し、この電圧値の信号をコロナ放電
器53用の電源回路を含む制御部10に送るようにして
いる。すなわち、この実施形態の複写機では、検出され
た液温に基づいて、コロナ放電器53に印加する電圧を
制御するように構成されている。
【0027】制御部10では、変換装置11から送られ
てきた電圧値の信号に基づいてコロナ放電器53に所定
の電圧を印加する。
【0028】以上のように構成された複写機によれば、
現像液の温度が感光体ドラム1表面の温度センサ12、
現像液の温度センサ13のいずれか一方、あるいは両方
で検出され、検出された液温は変換装置11に出力され
る。変換装置11では、検出された液温を、余剰キャリ
ア液のスクイズに必要な量のイオンを発生させる電圧値
に変換し、この電圧値の信号を制御部10に送る。制御
部10では、変換装置11からの電圧値に基づいてコロ
ナ放電器53に所定の電圧を印加する。これによると、
余剰液除去手段としてのコロナ放電器53を通過した後
の感光体ドラム1表面のキャリア付着量を所定範囲内に
維持することができるので、現像液の温度変化に係わら
ず良好な画像を形成することができる。
【0029】[実施形態2]図2は、実施形態2に係る
複写機の概略構成図であり、余剰液除去手段としてスク
イズローラを用いた場合の例を示している。図中、57
はスクイズローラ、58はスクイズローラブレード、6
0は現像液タンクであり、図1と同等部分は同一符号を
付してある。図2において図1と異なる点は、余剰液除
去手段としてコロナ放電器53の代わりに、トナーと同
極性のバイアス電圧が印加されたスクイズローラ57を
用いている点である。
【0030】スクイズローラ57は感光体ドラム1と近
接対向して配置されており、モータ等(図示せず)の駆
動手段によって、感光体ドラム1と同回転方向である矢
印c方向へ回転駆動される。スクイズローラ57はトナ
ーと同極性のバイアス電圧が印加されることにより、現
像後の感光体ドラム1上の余剰キャリア液をスクイズす
る。スクイズローラ57の感光体ドラム1との対向領域
よりも回転方向下流側には、スクイズローラブレード5
8がスクイズローラ57外周表面上にその端部を接触し
て配設されている。スクイズローラブレード58はスク
イズローラ57上に付着した現像液をクリーニングす
る。また、現像ローラ52には、現像液タンク60から
の現像液が供給され、かつ、現像に使用されなかった現
像液は現像容器51から図示せぬ吸引ポンプにより現像
液タンク60に回収されることにより、現像装置5と現
像液タンク60との間で現像液が循環されている。
【0031】なお、実施形態2では、感光体ドラム1の
表面近傍に温度センサ12を設置するとともに、温度セ
ンサ13を現像液タンク60内に設置しているが、温度
センサ13を前記実施形態1のように湿式現像装置5の
液だまり5a内に設置してもよい。また、この実施形態
2においても、感光体ドラム1表面の温度センサ12、
現像液タンク60の温度センサ13のいずれか一方、あ
るいは両方で検出された液温を変換装置15へ出力して
いる。
【0032】一方、実施形態2の複写機では、上記感光
体ドラム1表面の温度センサ12、現像液タンク60の
温度センサ13のいずれか一方、あるいは両方で検出さ
れた液温に基づいてスクイズローラ57に印加する電圧
値を算出する変換装置15が設けられている。この変換
装置15には、所定の液温と、この液温における余剰キ
ャリア液のスクイズに必要なバイアス電圧とを対応付け
た変換テーブル又は変換式が内部に記憶されている。そ
して、この変換テーブル又は変換式を用いて、検出され
た液温を余剰キャリア液のスクイズに必要なバイアス電
圧に変換し、このバイアス電圧値の信号をスクイズロー
ラ57用の電源回路を含む制御部10に送るようにして
いる。すなわち、この実施形態の複写機では、検出され
た液温に基づいて、スクイズローラ57に印加するバイ
アス電圧を制御するように構成されている。
【0033】制御部10では、変換装置15から送られ
てきたバイアス電圧値の信号に基づいてスクイズローラ
57に電圧を印加する。
【0034】以上のように構成された複写機によれば、
現像液の温度が感光体ドラム1表面の温度センサ12、
現像液タンク60の温度センサ13のいずれか一方、あ
るいは両方で検出される。そして、検出された液温は変
換装置15に出力される。変換装置15では、検出され
た液温を、余剰キャリア液のスクイズに必要なバイアス
電圧に変換し、この電圧値の信号を制御部10に送る。
制御部10では、変換装置15からの電圧値に基づいて
スクイズローラ57に所定の電圧を印加する。これによ
ると、余剰液除去手段としてのスクイズローラ57を通
過した後の感光体ドラム1表面のキャリア付着量を所定
範囲内に維持することができるので、現像液の温度変化
に係わらず良好な画像を形成することができる。
【0035】[実施形態3]図3は、実施形態3に係る
複写機の概略構成図であり、余剰液除去手段としてリバ
ースローラを用いた場合の例を示している。図中、61
はリバースローラ、62はリバースローラブレードであ
り、図1と同等部分は同一符号を付してある。図3にお
いて図1と異なる点は、余剰液除去手段としてコロナ放
電器53の代わりに、感光体ドラム1と同方向に回転す
るリバースローラ61を用いている点である。
【0036】リバースローラ61は感光体ドラム1と近
接対向して配置されており、モータ等(図示せず)の駆
動手段によって、感光体ドラム1と同回転方向である矢
印c方向へ回転駆動されることにより、現像後の感光体
ドラム1上の余剰キャリア液をスクイズする。リバース
ローラ61は感光体ドラム1との線速比(リバースロー
ラ線速/感光体ドラム線速)によりスクイズ量が異な
る。一方、リバースローラ61の感光体ドラム1との対
向領域よりも回転方向下流側には、リバースローラブレ
ード62がリバースローラ61外周表面上にその端部を
接触して配設されている。リバースローラブレード62
はリバースローラ61上に付着した現像液をクリーニン
グする。また、図3では図示していないが、現像ローラ
52には、図2のように現像液タンク60からの現像液
が供給され、かつ、現像に使用されなかった現像液は現
像容器51から図示せぬ吸引ポンプにより現像液タンク
60に回収されることにより、現像装置5と現像液タン
ク60との間で現像液が循環されている。 (以下、余白)
【0037】実施形態3では、図3において温度センサ
13の設置場所を具体的に示していないが、温度センサ
13は実施形態1のように湿式現像装置5の液だまり5
a内に設置してもよいし、実施形態2のように現像液タ
ンク60内に設置してもよい。なお、温度センサ12は
感光体ドラム1の表面近傍に設置している。そして、こ
の実施形態3においても、感光体ドラム1表面の温度セ
ンサ12、湿式現像装置5の液だまり5a又は現像液タ
ンク60の温度センサ13のいずれか一方、あるいは両
方で検出された液温を変換装置16へ出力している。
【0038】一方、実施形態3の複写機では、上記感光
体ドラム1表面の温度センサ12、湿式現像装置5の液
だまり5a又は現像液タンク60の温度センサ13のい
ずれか一方、あるいは両方で検出された液温に基づいて
リバースローラ61を回転駆動する際の電圧値を算出す
る変換装置16が設けられている。この変換装置16に
は、所定の液温と、この液温における余剰キャリア液の
スクイズに必要な線速比とを対応付けた変換テーブル又
は変換式が内部に記憶されている。そして、この変換テ
ーブル又は変換式を用いて、検出された液温を余剰キャ
リア液のスクイズに必要な線速比に変換し、この線速比
に対応する電圧値の信号をリバースローラ61用の電源
回路を含む制御部10に送るようにしている。すなわ
ち、この実施形態の複写機では、検出された液温に基づ
いて、リバースローラ61と感光体ドラム1との線速比
を制御するように構成されている。
【0039】制御部10では、変換装置16から送られ
てきた電圧値の信号に基づいてリバースローラ61に電
圧を印加する。なお、この実施形態3ではリバースロー
ラ61の回転速度を決める電圧値を制御するようにして
いるが、回転速度は他の手法により制御してもよい。
【0040】ここで、線速比の設定について説明する。
先に図5で説明したように、現像液の液温により粘度は
変化する。図5において、液温約20度のとき粘度は
a、液温約28度のとき粘度はb、液温約38度のとき
粘度はcとなる。また、図6で説明したように、現像液
の粘度によってスクイズ後の感光体上のキャリア付着量
は変化する。図6において、特性線aは現像液粘度3.
5cP、特性線bは現像液粘度2.8cP、特性線cは
現像液粘度2.2cPの場合に対応している。したがっ
て、例えば感光体ドラム上のキャリア付着量をycに設
定したとすると(図6)、現像液の液温が20度ならば
粘度はaなので(図5)、リバースローラ61と感光体
ドラム1との線速比はxaに設定すればよい(図6)。
また、現像液の液温が28度ならば粘度はbなので、線
速比はxbに設定すればよい(図6)。
【0041】以上のように構成された複写機によると、
現像液の温度が感光体ドラム1表面の温度センサ12、
湿式現像装置5の液だまり5a又は現像液タンク60の
温度センサ13のいずれか一方、あるいは両方で検出さ
れる。そして、検出された液温は変換装置16に出力さ
れる。変換装置16では、検出された液温を、余剰キャ
リア液のスクイズに必要な線速比に変換し、この線速比
に対応する電圧値の信号を制御部10に送る。制御部1
0では、変換装置16からの電圧値に基づいてリバース
ローラ61を回転駆動する。これによれば、余剰液除去
手段としてのリバースローラ61を通過した後の感光体
ドラム1表面のキャリア付着量を所定範囲内に維持する
ことができるので、現像液の温度変化に係わらず良好な
画像を形成することができる。なお、この実施形態3で
は、感光体ドラム1と同方向に回転するリバースローラ
61を用いた例を示したが、感光体ドラム1と反対方向
に回転するスクイズローラを用いることもできる。
【0042】[実施形態4]図4は、実施形態4に係る
複写機の概略構成図であり、余剰液除去手段としてエア
ナイフスクイズを用いた場合の例を示している。図中、
59がエアナイフで、その他、図1と同等部分は同一符
号を付してある。図4において図1と異なる点は、余剰
液除去手段としてコロナ放電器53の代わりに、圧縮空
気を噴射するエアナイフ59を用いている点である。
【0043】エアナイフ59は、感光体ドラム1面に対
してほぼ垂直で全幅にわたってスリットノズルから圧縮
空気を噴射し、風圧で通過する液膜の厚さを制御する。
圧縮空気の供給は、流量が多いためにリングブロワが用
いられる。この方式はエアナイフと呼ばれ、スリット幅
や圧力を調整することでトナー像を乱すことなく、通過
液量を自由に制御することができる。また、図4では図
示していないが、現像ローラ52には、図2のように現
像液タンク60からの現像液が供給され、かつ、現像に
使用されなかった現像液は現像容器51から図示せぬ吸
引ポンプにより現像液タンク60に回収されることによ
り、現像装置5と現像液タンク60との間で現像液が循
環されている。
【0044】実施形態4においても、図4において温度
センサ13の設置場所を具体的に示していないが、温度
センサ13は実施形態1のように湿式現像装置5の液だ
まり5a内に設置してもよいし、実施形態2のように現
像液タンク60内に設置してもよい。なお、温度センサ
12は感光体ドラム1の表面近傍に設置している。そし
て、この実施形態4においても、感光体ドラム1表面の
温度センサ12、湿式現像装置5の液だまり5a又は現
像液タンク60の温度センサ13のいずれか一方、ある
いは両方で検出された液温を変換装置17へ出力してい
る。
【0045】一方、実施形態4の複写機では、上記感光
体ドラム1表面の温度センサ12、湿式現像装置5の液
だまり5a又は現像液タンク60の温度センサ13のい
ずれか一方、あるいは両方で検出された液温に基づいて
エアナイフ59から噴射させる空気の圧力を決める電圧
値を算出する変換装置17が設けられている。この変換
装置17には、所定の液温と、この液温における余剰キ
ャリア液のスクイズに必要な空気の圧力とを対応付けた
変換テーブル又は変換式が内部に記憶されている。そし
て、この変換テーブル又は変換式を用いて、検出された
液温を余剰キャリア液のスクイズに必要な空気の圧力に
変換し、この圧力に対応する電圧値の信号をエアナイフ
59からの圧縮空気噴出用の電源回路を含む制御部10
に送るようにしている。すなわち、この実施形態の複写
機では、検出された液温に基づいてエアナイフ59から
噴射する圧縮空気の圧力の強弱を制御するように構成さ
れている。
【0046】制御部10では、変換装置17から送られ
てきた電圧値の信号に基づいて噴射する圧縮空気の圧力
を制御している。すなわち、現像液の粘度が高いときに
はエアナイフ59から強い圧力で圧縮空気を噴射させ、
また粘度が低いときは弱い圧力で圧縮空気を噴射させ
る。
【0047】以上のように構成された複写機によれば、
現像液の温度が感光体ドラム1表面の温度センサ12、
湿式現像装置5の液だまり5a又は現像液タンク60の
温度センサ13のいずれか一方、あるいは両方で検出さ
れる。そして、検出された液温は変換装置17に出力さ
れる。変換装置17では、検出された液温を、余剰キャ
リア液のスクイズに必要な空気の圧力に変換し、この圧
力に対応する電圧値の信号を制御部10に送る。制御部
10では、変換装置17からの電圧値に基づいてエアナ
イフ59から噴射する圧縮空気の圧力を制御する。これ
によると、余剰液除去手段としてのエアナイフ59を通
過した後の感光体ドラム1表面のキャリア付着量を所定
範囲内に維持することができるので、現像液の温度変化
に係わらず良好な画像を形成することができる。
【0048】
【発明の効果】請求項1又は2の発明によれば、検出さ
れた現像液の温度に基づいて余剰液除去手段の液除去力
を制御することにより、余剰液除去手段通過後の潜像担
持体上のキャリア付着量を潜像担持体が前記ローラと対
向する時に潜像担持体との間で放電するのに適した所定
量に維持するようにしたので、現像液の温度が変化した
場合にも、潜像担持体上のキャリア付着量は常に適正な
ものとなり、良好な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る複写機の概略構成図。
【図2】実施形態2に係る複写機の概略構成図。
【図3】実施形態3に係る複写機の概略構成図。
【図4】実施形態4に係る複写機の概略構成図。
【図5】現像液の温度と粘度との関係を示す特性図。
【図6】線速比と感光体上のキャリア付着量との関係を
示す特性図。
【図7】VRR及びVSRの変化と結着効果との関係を
示す特性図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 5 湿式現像装置 10 制御部 11、15〜17 変換装置 12、13 温度センサ 51 現像容器 52 現像ローラ 53 コロナ放電器 57 スクイズローラ 59 エアナイフ 61 リバースローラ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潜像が形成された潜像担持体の表面に、キ
    ャリア液にトナーが分散されてなる現像液を供給して該
    潜像を現像した後、余剰液除去手段によって該潜像担持
    体上の余剰現像液を除去して液膜を規制し、この液膜に
    電圧を印加したローラ表面を対向させ、上記潜像担持体
    と上記電圧を印加したローラとの間の放電によって潜像
    担持体上のトナーを結着させてから転写材に転写する湿
    式画像形成方法において、 前記余剰液除去手段を液除去力可変に構成しておき、前
    記現像液の温度を検出し、該検出温度に基づいて前記液
    除去力を制御することにより、前記余剰液除去手段通過
    後の潜像担持体上のキャリア付着量を潜像担持体が前記
    ローラと対向する時に潜像担持体との間で放電するのに
    適した所定量に維持することを特徴とする湿式画像形成
    方法。
  2. 【請求項2】表面に潜像が形成される潜像担持体と、 前記潜像をキャリア液にトナーが分散されてなる現像液
    により現像してトナー像を形成する現像装置と、 液除去力可変に構成され、前記潜像担持体上の余剰現像
    液を除去して液膜を規制する余剰液除去手段と、 前記トナー像を転写材に転写する転写装置と、 潜像担持体の表面移動方向において該余剰液除去手段よ
    りも下流、かつ、上記転写装置よりも上流で、潜像担持
    体表面に対して間隔をおいて対向するローラと該ローラ
    に電圧を印加する手段とを有し、該ローラに電圧を印加
    して潜像担持体との間で放電させることで潜像担持体上
    のトナーを結着させるトナー結着手段と、 前記現像液の温度を検出する検出手段と、 前記検出手段で検出された温度に基づいて前記液除去力
    を制御することにより、前記余剰液除去手段通過後の潜
    像担持体上のキャリア付着量を潜像担持体が前記ローラ
    と対向する時に潜像担持体との間で放電するのに適した
    所定量に維持する制御手段と、 を備えたことを特徴とする湿式画像形成装置。
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