JP3524866B2 - 乾燥状可食性担子菌類の殺菌方法 - Google Patents

乾燥状可食性担子菌類の殺菌方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成長した子実体の
形状の一部または全部を有しつつ、乾燥、殺菌されてい
る可食性担子菌類の殺菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】食用キノコ類を中心とする可食性担子菌
類は、特有の風味を有することから広く食されている。
可食性担子菌類は、その栽培において肥料として鳥獣の
糞(鶏糞、牛糞、豚糞など)を使用することや、採取後
天日乾燥するために土の混入もあることから、雑菌汚染
が避けられない食品である。従来、可食性担子菌類は、
一般食品として食するときは、加熱処理を伴う加工・調
理がなされることからそのときに汚染微生物が殺菌され
るので、採取時の衛生状態には特別の注意が払われてい
なかった。
【0003】最近になり、可食性担子菌類は、体に対す
る生理効果が明らかになるにつれ、健康食品としても注
目されるようになっている。健康食品として利用する場
合、採取時の子実体になるべく近い形状を有し、しかも
流通上・保存上からは乾燥した状態であることが要望さ
れている。健康食品として摂取する場合、過度の加熱加
工・調理を施すことなく、できるだけ天然状態に近いか
たちで食したり、単なる粉砕や煎汁の程度で食すること
が多い。したがって、なるべく採取した形状を有しつ
つ、しかも衛生的な食品として流通させることが望まれ
てきている。しかしながら、可食性担子菌類は、その
色、形状、食味、食感などを維持し乾燥状態で、食用上
問題がない程度までに殺菌処理する、実用的方法は未だ
開発されていない。
【0004】従来、キノコの殺菌方法としては、特開平
11−155517号公報において「キノコの水分を1
0〜20%に調整し、密封容器に入れ、加圧下で熱水を
スプレーし滅菌することを特徴とする乾燥キノコの殺菌
方法」が知られている。この特許公開公報には、熱水ス
プレー法では水分10%以下の場合は加熱に際して熱が
キノコに十分に伝わらず殺菌が不十分になる、と記載さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、殺菌方法は
物理的方法と化学的方法に分類され、物理的方法として
は、紫外線、放射線、濾過滅菌、加熱があり、化学的方
法には、ガス、消毒薬が知られている(食品衛生検査指
針;微生物編/(社)日本食品衛生協会 1990)。
しかし、可食性担子菌類について、その採取時の姿(子
実体)の一部または全部を有しつつ、乾燥状態において
殺菌する方法は、今までに十分に検討されているとは言
い難い。
【0006】前記特開平11−155517号公報記載
の方法は、キノコの水分を10〜20%に調整後、熱水
スプレーにより殺菌するとされているが、この方法にお
いても次のように解決すべき課題が残されている。 ・キノコの水分を10〜20%という中間的な領域に調
整することが作業上簡便性を欠く。 ・この水分領域のキノコを密封容器中で加熱すると、容
器の内部表面に凝結水を生じ、水分20%に近づくほど
多く発生する。殺菌後、凝結水がキノコに付着し、製品
水分が不均一になり易く、また湿気た手触りや食感にな
りやすい。
【0007】・この殺菌後に、袋を入れ替えたり、小分
作業が必要なときには、落下菌等による雑菌繁殖による
再汚染を受けやすく、腐敗をまねきやすいので、厳しい
環境管理が必要である。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】このよ
うな状況の中で、本発明者は、可食性担子菌類を、その
商品価値を損なわずに殺菌する方法を開発するために、
種々の検討を重ねた。一般的に食品に利用できる滅菌方
法としては、紫外線、消毒薬(主にエタノール)、加熱
があげられる。しかし、可食性担子菌類の子実体の場
合、ひだがあり紫外線は、内部まで滅菌することができ
ず、殺菌効果が認められないことがわかった。またエタ
ノールを噴霧ないしはその中に浸漬する方法も殺菌効果
が弱く、また変色の問題もあり、とりわけ殺菌処理後に
エタノールを除去するために加熱などの処理をするとき
より一層変色がおこり可食性担子菌類の商品価値が失わ
れることが認められた。
【0009】一方、加熱殺菌法としては、高熱空気ある
いは火炎を用いる乾熱方式と蒸煮や流通蒸気あるいは高
圧蒸気を用いる湿熱方式があげられる。可食性担子菌類
の殺菌には、高熱空気、流通蒸気と高圧蒸気を原理上利
用できるが、これらのうち高熱空気および流通蒸気によ
る殺菌では、可食性担子菌類の変色が起こった。また、
組み合わせ殺菌方法として、可食性担子菌類にあらかじ
め水やエタノール溶液を噴霧ないしはその中に浸漬した
後に高圧空気や流通蒸気で滅菌処理する方法もあるが、
殺菌効果および色調変化などの面で現実的には利用でき
なかった。
【0010】これらの検討過程において、本発明者は、
可食性担子菌類を水分10%未満に乾燥した後、密封し
た容器内に入れた後に高圧蒸気加熱を試みたところ、意
外にも担子菌類の色調、形状、さらには食味や食感に変
化を起こさずに、殺菌できることを見出した。本発明者
らは、この新たな知見に基いて、簡便でしかも効果的な
可食性担子菌類の殺菌方法を開発すべく鋭意検討した結
果、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本件発明は次の発明を包含する
ものである
【0012】1)子実体の形状を有し、含有水分が2〜
9重量%である可食性担子菌類を、脱気しまたは脱気せ
ずに、容器に充填・密封したのち、加圧蒸気で加熱処理
することを特徴とする乾燥状可食性担子菌類の殺菌方
法。2) 蒸気温度105〜123℃の加圧下で加熱処理する
ことを特徴とする上記1)項記載の乾燥状可食性担子菌
類の殺菌方法。
【0013】3)前記加熱処理された可食性担子菌類を
開放状態下で、乾熱空気中に放置し水分量を均一化する
ことを特徴とする上記1)または2)項記載の乾燥状可
食性担子菌類の殺菌方法。4) 前記可食性担子菌類が、アガリクス茸、ヤマブシ
茸、霊芝、舞茸、メシマコブ、椎茸、えのきたけ、きく
らげ、しめじ、たもぎたけ、なめこ、はつたけ、ひらた
け、ふくろたけ、マッシュルーム及びまつたけよりなる
群から選択された1種または2種以上である上記1)〜
3)項のいずれかに記載の乾燥状可食性担子菌類の殺菌
方法。
【0014】本発明における殺菌された乾燥状可食性担
子菌類は、大腸菌群陰性で、一般生菌数が103/g以
下にまで殺菌されており、食品衛生上安全である。さら
にカビ・酵母は0個/g以下である。また、採取時の子
実体(姿)を有しつつ、食味や食感が良好に保持されて
おり、しかも含有水分が2〜9重量%であることから保
存性にも優れている。従って、本可食性担子菌類は流通
性のよい食品材料として広く利用できるが、とりわけ健
康上有用な生理活性物質を含む可食性担子菌類を、その
子実体を有するかたちで商業的に供給できることから、
健康食品あるいはその材料としての用途に適している。
【0015】本発明の可食性担子菌類の殺菌方法による
と、含有水分が2〜9重量%の乾燥状態であるにもかか
わらず、可食性担子菌類がその子実体を有するかたちで
しかも色調や食味・食感の変化が抑えられた状態で食品
衛生上安全なまでに殺菌できる。この乾燥状可食性担子
菌類の水分状態は均一であり、製品品質のバラツキが少
ないものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明で対象とする可食性担子菌
類の種類は、食用キノコが中心であり、アガリクス茸、
ヤマブシ茸、霊芝、舞茸、メシマコブ、椎茸、えのきた
け、きくらげ、しめじ、たもぎたけ、なめこ、はつた
け、ひらたけ、ふくろたけ、マッシュルームああるいは
まつたけなどが例示される。これ以外にも、食用ないし
健康食品に利用されている担子菌類であれば特に限定さ
れない。また、本可食性担子菌類には、その類縁、変種
などであっても可食性である限り包含され、さらに天然
品あるいは人工栽培品の別を問わない。
【0017】本発明における可食性担子菌類は、その採
取時のものから必要により異物や非可食部を取り除いた
ものであるが、たとえば第1図における担子果(キノ
コ)において、いぼ、傘、子実層のあるひだ、柄を原則
的に有する形状のものである。本発明においては、これ
らの部位を完全に揃えたものであってもよいし、部分形
状のものであってもよい。可食性担子菌類と認識し得る
形状を有すればよく、その粗砕品、例えば子実体全体を
1/2乃至1/3程度に粗切したものも包含する。ま
た、子実体のひだが肉眼で確認できる程度、すなわち長
さ1cm程度以上、厚み5mm以上のものであっても、
本発明でいう「子実体の形状を有する」という範囲に入
る。なお、本発明の殺菌方法は、100メッシュ程度に
粉砕した粉末、通常は子実体の形状を有しないと判定さ
れる原料に対しても実施できる。
【0018】本発明における可食性担子菌類は、含有水
分が2〜9重量%の範囲である。含有水分がこの範囲を
越えると、殺菌処理を終えた前記担子菌類は、湿気た状
態を呈し、局所的に水分が高く蒸煮したような部分を生
じ、食感的にも劣ってくる。また、保存性も悪くなり、
開放状態では落下菌などにより腐敗を起こ易くなる。一
方、含有水分が2重量%に達しないときは、壊れやすく
なり、流通商品としての価値が失われてくる。日本にお
いて健康食品の分野で利用されるキノコ類、例えばアガ
リクス茸などは中国、ブラジルなどの海外で生産され、
輸入されたものが殆どであり、かかる輸入キノコは腐敗
を起こさないように通常、水分を2〜9重量%に乾燥し
た状態で流通されている。本発明の殺菌方法は、このよ
うな輸入・乾燥キノコ類に好適に適用できる。
【0019】次に、本発明の可食性担子菌類の殺菌方法
を工程順に説明する。前記可食性担子菌類は、採取時に
は通常80%以上の水分を有するが、これを前記のとお
り2〜9重量%に乾燥する。このときの乾燥方法は、天
日乾燥、通風乾燥、これらの併用など、極端に風味を損
ねたり収縮変形などを起こさない方法であれば特に限定
することなく採用できる。含有水分が上記の範囲を越え
ると、後で高圧蒸気加熱処理したときに、密封容器内の
部位によって水分のバラツキが多くなる。
【0020】乾燥した可食性担子菌類は、耐熱性・耐圧
性の容器に充填し密封される。このときの密封容器とし
ては、合成樹脂製のフィルム袋やアルミ製袋など、通常
の加熱殺菌可能な食品用包装材料を用いることができ
る。可食性担子菌類を充填したあと、ヒートシ−ルによ
り密封されるが、このとき脱気を伴って密封することが
好ましく、これによって加熱処理後の変色等がより顕著
に抑制される。このためには、ヒートシーラーと脱気装
置を組合わせた密封装置を使用することが好ましい。
【0021】次いで、密封された可食性担子菌類を加圧
蒸気で加熱し、殺菌処理を行う。この加圧蒸気による加
熱には、高圧釜(オートクレーブ)を使用することがで
きる。このときの加圧加熱条件としては、一般的に温度
105〜123℃であり、圧力はこの温度に依存して定
まってくる。また、加熱処理時間は、原料の汚染の状況
や個体の大きさなどにより適宜選択されるが、通常は5
分間〜5時間の範囲から選択されるが、一般的に15分
間〜1時間の範囲で目的を達成できることが多い。本発
明でいう殺菌とは、食品を非冷蔵の保存条件下であって
も食品衛生上有害および無害な微生物が再発生せず増殖
し得ない状態に殺菌されていることをいう(商業的殺
菌)。通常、食品衛生上は、大腸菌群陰性で、一般生菌
数(標準平板菌数)が103個/g以下であることが商
業的殺菌の指標とされている。かび・酵母は一般に0個
/gである。
【0022】前記加熱処理された可食性担子菌類は、開
放状態で乾空気中に放置し含有水分量の均一化をはかる
ことが好ましい。このときの放置温度は約40〜150
℃であり、放置時間は約2分間〜1時間、好ましくは5
〜20分間である。このような温度と時間の範囲から適
宜、放置条件を設定すればよい。従来、高圧蒸気加熱
は、器具類の滅菌法として利用されており、特殊な利用
例としてレトルト食品の殺菌が行われている。レトルト
食品は、例えば、レトルトのカレー、おでん、ソース、
炊き込みご飯の素などのように、通常、水の量が多くい
わば熱循環のよい状態で殺菌がなされているものであ
る。これに対して、本発明では、可食性担子菌類の含有
水分2〜9重量%という乾燥状態であるにもかかわら
ず、食品として満足する状態にまで殺菌し得たことに予
想外の効果を有するものである。
【0023】
【実施例】以下に、比較例および実施例をあげて本発明
をより具体的に説明する。 比較例1 採取して天日乾燥したアガリクス茸(水分8.9重量
%)を24時間紫外線照射したが、大腸菌群陽性であっ
た。 比較例2 採取して天日乾燥したアガリクス茸(水分8.9重量
%)を99.5%のエタノールに浸漬したところ、エタ
ノール中に色素の溶出が認められた。さらに80℃で1
時間加熱空気で処理(殺菌)したところ、色調が著しく
悪化し、商品価値が損なわれた。
【0024】比較例3 採取して天日乾燥したアガリクス茸(水分8.9重量
%)に99.5%のエタノールを噴霧し、80℃で1時
間加熱空気で殺菌したところ、色調が著しく悪くなり、
商品価値が損なわれた。 比較例4 採取して天日乾燥したアガリクス茸(水分8.9重量
%)に水を噴霧または噴霧せずに、加熱空気による処理
条件(温度および時間)を以下のように種々変化させて
加熱したが、全ての条件で大腸菌が陽性であり、殺菌効
果が認められなかった。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】比較例5 採取して乾燥したアガリクス茸の子実体(水分8.0重
量%)を、一旦水に浸漬し、80℃に調整した乾熱装置
で乾燥し、水分を10重量%と15重量%の二通りに調
整した。各水分のアガリクス茸1.5kgずつをビニー
ル袋に充填しヒートシールして、各8袋を用意した。こ
れらの袋詰アガリクス茸(計16袋)を加圧釜(885
×685×1160mm)に入れ、110℃、1.5k
g/cm 2(ゲージ圧)で、90分間加熱処理を行っ
た。処理後のアガリクス茸は全体的に水分が高く、とく
に袋内で局所的に水分が異常に高くなり、蒸煮状態を示
し潰すと弾力を呈する個体が生じ、均一性に欠けてい
た。また、袋の内部には多量の凝結水の発生がみられ
た。
【0028】次に、加熱処理を終えた密封袋の一部をカ
ットした後、80℃の乾熱装置中で10分間乾燥した
が、前記の蒸煮状態を呈したものはこのような短時間で
は水分10重量%以下にすることはできず、変色してき
た。水分を10重量%以下にするために、80℃で10
分間以上の長時間乾燥、および100℃での高温乾燥を
試みたがいずれも変色が起り品質上問題を生じた。 実施例1 採取して乾燥したアガリクス茸の子実体(水分:8.9
重量%)を1.5kgづつビニール袋に詰めヒートシー
ルした。これを内容積885×685×1160mmの
加圧釜に16袋(24kg)を入れ、110℃、1.5
kg/cm2(ゲージ圧)で、90分間加熱処理した。
この加熱処理後のアガリクス茸は、大腸菌群陰性で、一
般細菌が3.5×102個/gであり、商業的殺菌の目
的を達していた。しかも、加熱処理後においても、子実
体の色調は処理前とくらべて大きな変化はなく良好であ
った。アガリクス茸の水分は、7.6〜11.0重量%
であった。次いで、各密封袋の一部をカットした後、8
0℃の乾熱装置において10分間放置し水分量を8.0
重量%に調整することにより、殺菌された乾燥アガリク
ス茸を得た。
【0029】実施例2 採取して乾燥したアガリクス茸の子実体(水分:7.1
重量%)を1.5kgづつアルミ袋に詰めヒートシール
した。これを内容積885×685×1160mmの加
圧釜に16袋(24kg)を入れ、110℃、1.5k
g/cm2(ゲージ圧)で、90分間加熱処理した。
この加熱処理をしたアガリクス茸は、大腸菌群陰性で、
一般細菌が1.1×102個/gであり、商業的殺菌の
目的を達していた。しかも、加熱処理後においても、子
実体の色調は処理前とくらべて大きな変化はなく良好で
あった。このときアガリクス茸の水分は平均7.1重量
%であったが、袋の中心部においては5%前後、外側部
分においては8%前後であり食感および手触りにおいて
やや不均一であった。さらに、実施例1と同様にして、
開封状態で80℃で10分間乾燥したところ、袋全体に
わたってほぼ7.1%の水分に平衡化することができ
た。
【0030】実施例3 採取して乾燥したアガリクス茸の子実体(水分:7.4
重量%)を1.5kgづつアルミ袋に詰め、内部の空気
を吸引することにより追い出して(脱気処理)ヒートシ
ールした。これを内容積885×685×1160mm
の加圧釜に16袋(24kg)入れ、110℃、1.5
kg/cm2(ゲージ圧)で、90分間加熱処理した。
この加熱処理を行ったアガリクス茸(水分変化なし)
は、大腸菌群陰性で、一般細菌が1.1×103個/g
であり、商業的殺菌の目的を達していた。しかも、加熱
処理後においても、子実体の色調が良好で、実施例2で
処理したものにくらべても色調の変化がより少なかっ
た。
【0031】実施例4 採取して乾燥したアガリクス茸の子実体(水分:8.9
重量%)を約2〜3cm程度に粗砕して、1.5kgづ
つビニール袋に詰めヒートシールした。これを内容積8
85×685×1160mmの加圧釜に16袋(24k
g)入れ、110℃、1.5kg/cm2(ゲージ圧)
で、90分間加熱処理した。加熱処理後のアガリクス茸
は、大腸菌群陰性で、一般細菌が1.0×103個/g
であり、商業的殺菌の目的を達していた。しかも子実体
の色調が良好に維持されていた。次いで、開封した状態
で80℃の乾熱装置において10分間放置し、水分量を
分7.2重量%に調整することにより、殺菌された乾燥
アガリクス茸を得た。
【0032】実施例5 ヤマブシ茸、霊芝、舞茸、メシマコブ、椎茸、えのきた
け、きくらげ、しめじ、たもぎたけ、なめこ、はつた
け、ひらたけ、ふくろたけ、マッシュルーム、まつたけ
についても、実施例1と同様の方法により内容積885
×685×1160mmの加圧釜に16袋(24kg)
入れ、110℃、1.5kg/cm2(ゲージ圧)で、
90分間加熱処理した。この加熱処理物は、大腸菌群陰
性で、一般細菌が1×103個/g以下であり、商業的
殺菌の目的を達していた。しかも子実体の色調が良好に
維持されていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】典型的な担子菌類の器官部位を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−155517(JP,A) 特開 平7−155145(JP,A) 特開 昭55−124447(JP,A) 特開 昭60−153748(JP,A) 特開 平10−23881(JP,A) 特開 平1−304841(JP,A) 特開 昭52−120155(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23B 7/00 - 9/34 A23L 3/36 - 3/54 A23L 3/00 - 3/3598

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】子実体の形状を有し、含有水分が2〜9重
    量%である可食性担子菌類を、脱気しまたは脱気せず
    に、容器に充填・密封したのち、加圧蒸気で加熱処理す
    ることを特徴とする乾燥状可食性担子菌類の殺菌方法。
  2. 【請求項2】蒸気温度105〜123℃の加圧下で加熱
    処理することを特徴とする請求項1)記載の乾燥状可食
    性担子菌類の殺菌方法。
  3. 【請求項3】前記加熱処理された可食性担子菌類を開放
    状態下、乾熱空気中に放置し水分量を均一化することを
    特徴とする請求項1または2記載の乾燥状可食性担子菌
    類の殺菌方法。
  4. 【請求項4】前記担子菌類が、アガリクス茸、ヤマブシ
    茸、霊芝、舞茸、メシマコブ、椎茸、えのきたけ、きく
    らげ、しめじ、たもぎたけ、なめこ、はつたけ、ひらた
    け、ふくろたけ、マッシュルーム及びまつたけよりなる
    群から選択された1種または2種以上である請求項1〜
    のいずれかに記載の乾燥状可食性担子菌類の殺菌方
    法。
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