JP3524377B2 - 形状測定装置および形状測定方法 - Google Patents

形状測定装置および形状測定方法

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JP3524377B2 JP11070898A JP11070898A JP3524377B2 JP 3524377 B2 JP3524377 B2 JP 3524377B2 JP 11070898 A JP11070898 A JP 11070898A JP 11070898 A JP11070898 A JP 11070898A JP 3524377 B2 JP3524377 B2 JP 3524377B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プローブの一端を
被測定物面に接触させプローブの変位に基づき被測定物
面の凹凸形状を精密に測定する形状測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】3次元測定装置は、被測定物の形状をト
レースするプローブと、そのプローブの位置を測定する
座標測定手段の2つに分けて、構成を考えることができ
る。この時、プローブにとって重要なことは、被測定物
の表面位置を座標測定可能な部材にうつしとることであ
る。プローブが被測定物表面に対してトレースする時の
誤差をトレース誤差と呼ぶ。特公平4−52402号公
報には、このような3次元測定装置を開示している。こ
の例ではプローブをフィーラーと呼んでいるが、プロー
ブと同様である。フィーラーピンを被測定物に押しつけ
ながら測定軸を3次元的に走査し、その時の位置を干渉
計で測定する構成である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】フィーラーの押しつけ
力は、板ばねが変形したときの反力と等しいが、前記従
来例では板ばねの変形を一定に保てる保証がないので、
フィーラーの押しつけ力も変動してしまう。フィーラー
と被測定物間の剛性は有限なので、この押しつけ力の変
動はフィーラーのトレース誤差となり、測定精度を悪化
させていた。
【0004】また、形状を測定するとき、フィーラーは
軸方向に移動してしまう。この移動にともなって、フィ
ーラーの位置姿勢が変化するが、これは形状測定誤差と
なり、高精度な測定を阻害していた。
【0005】また、フィーラーは、その位置や姿勢の誤
差が形状測定誤差になる重要な部材であるので、通常は
熱膨張係数の小さい材料で製作されるべきであるが、現
実には、温度変化をゼロにすることはできず、若干の熱
膨張がフィーラーに発生してしまう。しかし従来例で示
した構造だと、板ばねの部分がフィーラーと垂直な横方
向にも熱膨張するので、測定精度を悪化させる原因とな
っていた。
【0006】また、フィーラーは被測定物から受ける反
力により、軸方向に変位するとともに軸方向に対して傾
斜してしまう。従来例の板ばねの場合、この傾斜する大
きさは反力が一定だとしても、板ばねの横方向の剛性が
方向によって異なるため、その反力を受ける方向によっ
て、傾斜する角度が異なってしまい、測定精度を悪化さ
せていた。
【0007】また、フィーラーの反力を一定にするため
にはフィーラーの軸方向の変位を検出する必要がある
が、フィーラーの軸方向の変位を同じ軸方向から検出し
た場合、フィーラーが最初に被測定物に接触したときに
想定される大きな変形が起こった際に、フィーラーの軸
方向変位を検出するセンサがフィーラーと接触してしま
い壊れてしまう可能性がある。
【0008】また、フィーラーの押しつけ力は、板ばね
が変形したときの反力と等しいため、押しつけ力を下げ
るためにはバネ定数を下げる必要がある。ばね定数を下
げるためには、板ばねの厚さを薄くするか、長さを長く
するしかない、しかし従来例のようにバネを配置する
と、ばね定数を下げるために板ばねを長くすると、プロ
ーブのサイズが大きくなってしまう。サイズが大きくな
ると、温度を均一に保つことが難しく、形状測定精度が
悪化するほか、大型化によって、プローブを走査する測
定軸の大きさも大きくならざるを得ず、装置コストが高
くなっていた。
【0009】つまり、前記従来技術では次のような欠点
があった。 (1)フィーラーの押しつけ力を正確に保つことができ
ない。 (2)フィーラーの移動誤差が測定誤差になる。 (3)フィーラーピンが温度変化によって横方向にずれ
る。 (4)被測定物の傾斜の方向によって、プローブの姿勢
が変化する。 (5)フィーラーの軸方向に取付けられたセンサが壊れ
てしまう。 (6)押しつけ力を小さくするために、板ばねのサイズ
が大きくなる。
【0010】そこで、本発明の目的は、上記の解決すべ
き課題を克服し、高精度な測定を行うことができる形状
測定装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく本
発明の形状測定装置は、基準部材に対して3次元方向に
移動可能なスライダと、該スライダまたは該スライダと
一体である部材に対して所定方向に移動可能に支持され
たプローブと、該基準部材と該プローブとの該所定方向
における距離を検出する第1検出手段とを有し、該プロ
ーブの一端を被測定物に接触させ、該第1検出手段の検
出結果に基づき該被測定物の形状を測定する形状測定装
置において、該プローブには球面の中心が該プローブの
移動軸上に位置している凸球面ミラーが取付けられてお
り、該スライダまたは該スライダと一体である部材に対
する該プローブの該所定方向における相対変位を検出す
る第2検出手段とを有し、該第2検出手段は、光束を出
射する光束出射手段と、光を集光する光学系と、該集光
する位置を検出するセンサとを有し、該センサは前記凸
球面ミラーに反射された該集光する光の集光位置に配置
され、該センサが検出した集光位置により、該所定方向
と交差する方向から前記プローブの前記所定方向におけ
該相対変位を非接触で検出することを特徴とする。
【0012】
【0013】
【0014】さらに、前記光束出射手段が出射した光束
と、前記凸球面ミラーに反射された光とを含む平面が、
前記所定方向を含むように第2検出手段を配置すると良
く、また、前記光束出射手段が出射した光束と、前記凸
球面ミラーに反射された光とを含む平面が、前記所定方
向と交差するように配置しても良い。
【0015】また、前記第2検出手段を前記平面内に2
つ配置しても良く、また、前記第2検出手段を前記所定
方向に対して平行な方向に2つ配置しても良い。
【0016】また、前記プローブの前記所定方向におけ
る相対変位がほぼ一定となるように、前記スライダの移
動量を制御することが望ましい。
【0017】また、前記第2検出手段は、前記プローブ
の前記所定方向における相対変位を検出すると共に、該
プローブの該所定方向と直交する方向における相対変位
を検出可能であることが好ましい。
【0018】また、前記センサは、前記光束出射手段が
出射した光束と、前記凸球面ミラーに反射された光とを
含む平面と直交し、前記所定方向と平行な平面における
前記集光位置を検出すると好ましい。
【0019】また、前記支持手段は、少なくとも3回対
称性を有する板ばねであることを特徴とする。
【0020】また、前記板ばねは、実質的にばね長さを
長くするように、前記プローブと連結する部位と、前記
スライダまたはスライダと一体である部材と連結する部
位が、ともに該板ばねの外径よりも内側に配置され、折
り畳んだ形状をしていることが好ましい。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【発明の実施の形態】<実施形態1>1図に本発明の第
1の実施形態における形状測定装置の概略図を示す。
【0026】同図において、球1はプローブチップ2に
接着固定される。スペーサ3と板ばね4をはさみ、プロ
ーブシャフト5の下側にネジこみ、固定する。ミラーA
6をミラー固定駒7に接着固定する。このミラー固定駒
にはネジ部とともに、穴が設けられており、この穴に棒
を差し込むことによって、ねじを締めることができる。
これは、ミラー部分をつかんでネジを締める方法に比べ
て、ミラーにかかる負担を軽減できる。ミラー固定駒7
はスペーサ8と板ばね4をはさみ、プローブシャフト5
の上側にネジで固定する。板ばね4はネジ9とスペーサ
ー10を挟んでハウジング11に固定する。
【0027】ハウジング11は測定軸12に固定されて
いる。測定軸12はプローブ軸と同じ方向、すなわち上
下方向(Z方向)にガイド13で移動可能に、XYテー
ブル16に対して支持され、ボールネジ14とサーボモ
ータ15で駆動される。測定軸12は、XYZ方向に対
して移動するスライダの機能を有し、フレーム20に対
して3軸方向に移動可能である。
【0028】サーボモータ15はサーボアンプ29に接
続され、サーボアンプ29は、制御系切り替え装置31
に接続される。サーボモータ15の回転軸にはエンコー
ダ33が接続してあり、その出力を位置制御補償回路3
0に接続する。先ほど説明した制御系切り替え装置31
が、位置制御系に接続している時は、測定軸12の位置
を制御することができる。
【0029】この制御系切り替え装置は、不図示のコン
トローラで自動制御され、後述する測定動作が行われ
る。
【0030】XYテーブル16は図示しない定盤に対し
てX、Y方向に移動可能にガイドされ、サーボモータ1
5で位置決めされる。干渉計17および4分の1波長板
18を測定軸12に固定し、その上方にミラーB19を
設け、ミラーBはフレーム20に固定する。このよう
に、構成すると、干渉計17(第1検出手段)はミラー
A6、とミラーB19の間の距離を測定することができ
る。
【0031】フレーム20(基準部材)には、ミラーB
19のほかに被測定物21が固定されている。
【0032】図示しない光源から光ファイバー22(光
束射出手段)に光を入射し、光ファイバー固定駒23か
ら光束を出射させる。この光ファイバー固定駒は、固定
部材24でハウジング11に固定される。レンズ25
(光学系)をハウジング11に固定して設け、光束を集
光させる。集光した光はシャフト5に固定された凸球面
ミラー26で反射し、ポジションセンサ27上で焦点を
結ぶ。ここで、凸球面ミラー26の球面の中心を、プロ
ーブシャフトのセンター軸上に配置する。
【0033】図2に上述の凸面球面ミラーを用いた変位
測定手段(第2検出手段)の原理を示す。
【0034】点光源Fを設け、Fから出射した光はレン
ズLによって集光され、球面ミラーMで反射されてSで
焦点を結ぶ。この時、入反射角度を2θとし、その半分
のθ方向をX’軸とし、このX’軸方向と直角な方向を
Y’軸方向とし、X’とY’に垂直な、すなわち紙面に
対して垂直な方向をZ’軸方向とする。
【0035】同図において、 a)球面ミラーMがY’方向に変位すると、その変位が
拡大されて焦点Sの位置の変位となるので、Sの位置を
光点位置検出手段、例えばPINフォトダイオードなど
のポジションセンサで測定することができる。 b)同様に球面ミラーMがZ’方向に変位すると、その
変位が拡大されて焦点Sの位置の変位となるので、Sの
位置を光点位置検出手段、例えばPINフォトダイオー
ドなどのポジションセンサで測定することができる。 c)Sの位置を2方向の測定が可能な光点位置検出手段
とすることにより、上記a)およびb)を同時に測定で
きる。すなわち、Y’とZ’の2方向を同時に測定でき
る。
【0036】以下に、球面ミラーMの変位が拡大されて
焦点Sの変位になることを示す。図3は光学系の模式図
である。点光源Fからでた光束は距離、L1離れたレン
ズLによってL2離れた位置Eに点像を作る。レンズの
焦点距離をfとすると、近軸公式より次の関係がなりた
っている。
【0037】1/f=(1/L1)+(1/L2)
【0038】点光源の像Eは球面ミラーによって、Sに
写像される。図2は、説明のため、球面ミラーMで反射
する光束をMの右側に描いている。球面ミラーMの半径
をRとすると、次の関係がある。
【0039】2/R=(1/L3)−(1/L4)この
倍率はL4/L3である。従って、球面ミラーがY’方
向にδ変位したとすると、Sは次の量だけ変位する。
【0040】(1−(L4/L3))δ
【0041】これが、この光学系によって変位が拡大さ
れる倍率を表している。例えばRを4mm,L3を2.
05mmとすると式2よりL4は82mmとなり、上式
より球面ミラーの変位は39倍に拡大される。この光点
の変位を測定することによって、高い精度で変位を測定
することができる。
【0042】また、図2において、球面はその中心Oを
中心に回転しても同じ形状なので、この測定方法は、球
面の傾斜角度に影響されない特徴がある。例えば球面の
中心をプローブシャフトの中心軸上に配置しておけば、
プローブシャフトの傾斜角度に影響されない変位測定が
可能である。しかし、形状としては球面に限るものでは
なく、例えば円筒面や曲面または傾斜面をもつ反射ミラ
ーでも、プローブシャフトの中心軸方向の変位の測定が
可能である。
【0043】焦点Sを測定する光点検出手段であるポジ
ションセンサ27は、微動テーブル28の上に固定され
ており、Z方向に位置を調整できる。微動テーブルは測
定軸12に固定されている。
【0044】ポジションセンサ27は、センサアンプ3
4に接続され、光点位置を電気信号に変換する。センサ
アンプは針圧制御補償回路32に接続され、さらに制御
系切り替え装置31に接続されている。この制御系切り
替え装置31が針圧制御系に接続されている時は、セン
サアンプ34の出力が一定になるように、サーボモータ
を制御する。
【0045】次に板ばね4の実施形態の形状例を図4お
よび図5に示す。
【0046】図に示す通り、中央にプローブシャフト5
に固定するために使用する穴4aが設けられ、その周囲
にハウジング11に固定するための穴4bが空いてい
る。板ばね4の形状は、シャフトに固定するために使用
する穴4aを中心に120度回転しても同一形状となる
3回対称性を有している。ここで、n回対称性とは、2
π/nだけ回転させたものが、もとの形状や配置と一致
している性質をいう。
【0047】また、板ばねの外周4cの外径より内側に
シャフト固定穴4aとハウジング固定穴4bを配置し、
シャフト固定穴4aとハウジング固定穴4bは板ばねの
外周4cを介して連結するようにしている。そのため、
シャフト固定穴4aとハウジング固定穴4bを直線的に
連結する場合よりも、実質的な板ばね長さが長くなって
おり、結果として固定部材であるハウジングと可動部材
であるプローブとの間の板ばね長さを実質的に長くなっ
ている。
【0048】軸対称な板ばね構造を採用することで、プ
ローブの周囲の温度が変化し、板ばねが熱膨張により形
状が変化しても、従来例のようにプローブ軸に垂直な横
方向に変位することがなく、温度変化の変形も軸対称と
考えられるため、測定に及ぼす影響を軽減させることが
できる。
【0049】また、3回対称な板ばね構造によって、ば
ね定数に方向性を持たせないようにしている。しかし、
3回対称に限るものではなく、少なくとも3回以上の対
称なばねであれば、剛性に方向性を持たせずに済む。こ
こでは、その中で最少の3回対称を採用している。
【0050】さらに、板ばねの長さを長く、しかもサイ
ズを小さくするために、板ばねを内側に折り畳んだ形状
とする。固定部材と可動部材の間を連結する平行板ばね
の構造を、一方の連結位置を中央の一点とし、もう一方
の連結位置を板ばね外周よりも内側に配置する。2つの
連結位置間の距離を短くすることができるので、装置サ
イズを小さくできる。また、板ばねの実質的な長さも長
くできるので、ばね定数を下げることができ、結果とし
てプローブの押し付け力を小さくすることができる。
【0051】以上の構成において、球1が被測定物に接
触し、反力を受けると、その大きさに従って2枚の板ば
ね4が変形する。その変形に従ってプローブシャフト5
の位置がハウジング11に対して変化する。従って、プ
ローブシャフトの動きはプローブが被測定物を押しつけ
る押しつけ力を表している。
【0052】光ファイバー固定駒23から出射した光束
は次第に広がりながらレンズ25に入射、集光しなが
ら、プローブシャフト5に固定された球面ミラー26に
反射し、ポジションセンサ27の上で焦点を結ぶ。その
焦点の位置がポジションセンサの中心位置にくるよう
に、あらかじめ、微動テーブル28を調整しておく。プ
ローブシャフト5が移動すると、前に説明したとおり、
球面ミラーに入射する光束と反射する光束の中間方向に
垂直な方向、すなわち、図1の矢印方向35の移動量が
拡大されて、ポジションセンサ上の焦点位置が移動す
る。プローブシャフトは垂直方向に平行板ばねでガイド
されているので、方向35は、ほぼ、プローブシャフト
の移動方向と考えられる。プローブ移動方向と、変位測
定方向の角度差はθなので、プローブ移動量のcos
(θ)を測定することになる。その位置変化をセンサア
ンプ34で電気信号に変える。板ばねの変位は、それに
バネ定数をかければプローブ押しつけ力になるので、結
局、センサアンプ34の出力は、プローブの押しつけ力
を表している。また、このセンサアンプの出力は、球2
6の中心まわりの傾斜には影響されないことは、発明の
効果の節で述べたとおりである。球26の中心はプロー
ブシャフトのセンター軸に一致しているので、プローブ
の傾斜角度に影響されない変位測定が可能である。
【0053】測定動作を図6のフローチャートを用いて
説明する。
【0054】(100)制御系切り替え装置31を位置
制御系に設定する。すなわち、測定軸の位置が一定にな
るようなフィードバック制御系を選択する。そして、安
全位置、すなわち、プローブが最も被測定物から離れる
方向に測定軸11を退避させる。
【0055】(101)最初の測定位置にX、Yテーブ
ルを移動する。
【0056】(102)測定軸を下げて、プローブが被
測定物に接触させる。プローブが被測定物に接触したか
しないかは、プローブの変位測定信号、すなわち、セン
サアンプ34の信号をモニタしていれば判別できる。
【0057】(103)制御系切り替え装置31を針圧
制御系に設定する。すなわち、測定軸を、センサアンプ
34の出力が一定になるように制御する。センサアンプ
34の出力はプローブの押しつけ力に対応しているの
で、この制御により、プローブ押しつけ力を一定にする
ことができる。
【0058】(104)被測定物の測定領域をXYテー
ブル16を用いて走査し、同時に、測定軸の位置を図示
しない、座標測定装置で測定する。また、プローブの上
下方向については、参照ミラーAと参照ミラーBの間の
距離を測定する、干渉計17で直接測定する。
【0059】(105)全測定領域を走査したら、制御
系切り替え装置31を再び位置制御系に切り替え、測定
軸を安全位置に退避する。
【0060】本実施形態によれば、プローブのZ方向の
変位を非接触で精密に測定することができるため、プロ
ーブの板ばねの変位の誤差要因を極力減らすことができ
る。そのため、プローブの変位を一定に保つことによっ
て、プローブの押しつけ力を一定に保つことができる。
【0061】さらに、凸球面ミラーを用いた変位検出手
段により、プローブの傾斜角の変動を受けずにプローブ
のZ方向の変位を非接触で検出することができる。
【0062】また、非接触でプローブの変化を測定して
いるため、また、Z方向の変位をZ方向と交差する方向
から(例えばXY方向)から検出可能であるため、プロ
ーブが最初に被測定物に接触したときに想定される大き
な変形が起こっても、変位検出手段が壊されずに済む。
【0063】また本実施形態によれば、板ばねが対称で
あるので、測定領域の温度が変化した場合、その熱変形
も対称である。従って、横方向に熱変形することはな
い。縦方向の変形は、縦方向の位置を干渉計17で測定
しているので、縦方向の位置の測定誤差にはならない。
板ばねの形状を3回対称とし、取り付け位置を内側にす
ることによって、サイズを小さくすることができる。対
称なので、周囲の温度が変化しても、その変形も対称で
あり、プローブの位置が変化することはない。
【0064】また本実施形態では、測定軸12の制御を
サーボモータとボールネジで構成しているが、これが他
の駆動手段、例えばリニアモータとしても、同様であ
る。
【0065】また、ポジションセンサ27を2方向が測
定可能なものとすれば、プローブの上下方向だけではな
く、横方向の変位も測定できる。この横方向の変位を位
置測定結果から差し引くことにより、位置測定精度を向
上させることができる。具体的には図6で説明したフロ
ーチャートの中の(104)で測定した座標位置から、
プローブ位置の測定結果を差し引くことで行われる。
【0066】<実施形態2>図7に本発明の第2実施形
態における形状測定装置に用いられる変位検出手段の断
面図を示す。
【0067】第1の実施形態では、球面ミラーに入射・
反射する光束を含む面の中に、プローブの軸があった。
これに対して、本実施形態ではプローブの軸が、球面ミ
ラーに入射・反射する光束を含む面に垂直な方向をむい
ている点が異なる。
【0068】変位を測定する部分以外は前述の実施形態
と同じなので、説明を省略する。
【0069】同図において、図示しない光源から光ファ
イバー22に光を入射し、光ファイバー固定駒23から
光束を出射させる。レンズ25をハウジング11に固定
して設け、光束を集光させる。集光した光はシャフト5
に固定された凸球面ミラー26で反射し、ポジションセ
ンサ27上で焦点を結ぶ。ポジションセンサ27は微動
テーブル28の上に固定されており、Z’方向に位置を
調整できる。微動テーブルは測定軸12に固定されてい
る。
【0070】以上の構成において、プローブシャフト5
の位置がハウジング11に対して軸方向に移動すると、
先に説明したように、その変位が拡大されてポジション
センサ27上の光点位置の変化となる。その方向は紙面
に対して垂直方向である。光学系の模式図は前述の図3
と同じである。
【0071】前述の第1実施形態の場合にはプローブ移
動方向と、変位測定方向がθ傾いていたのでプローブ移
動量のcos(θ)倍の移動量を測定していた。しか
し、本実施形態では、プローブ移動方向をそのまま測定
できるので、感度が高い。従って、より精密に板ばねの
変位を測定することができる。
【0072】また、第1実施形態の場合と同じく、ポジ
ションセンサ27を2方向が測定可能なものとすれば、
プローブの上下方向だけではなく、横方向の変位も測定
できる。この横方向の変位を球の位置測定結果から差し
引くことにより、球の位置測定精度を向上させることが
できる。
【0073】<実施形態3>図8に本発明の第3実施形
態における形状測定装置に用いられる変位検出手段を示
す。
【0074】本実施形態では、第2実施形態で示した変
位検出手段を2セット用意し、一方の変位検出手段の入
・反射する光束を含む平面と他方の変位検出手段の光束
を含む平面が一致するように配置し、互いに直交するよ
うに設ける。変位を測定する部分以外は第1実施形態と
同じなので、説明を省略する。
【0075】図示しない光源から光ファイバー22aに
光を入射し、光ファイバー固定駒23aから光束を出射
させる。レンズ25aをハウジング11に固定して設
け、光束を集光させる。集光した光はシャフト5に固定
された凸球面ミラー26aで反射し、ポジションセンサ
27a上で焦点を結ぶ。2方向が測定可能なポジション
センサ27aは2段の微動テーブル28aの上に固定さ
れており、紙面に垂直なZ方向と上下方向に位置を調整
できる。微動テーブルは測定軸12に固定されている。
このとき、図のように、入反射角の半分の方向をY’軸
とするとこれと直角な方向にも、第2の位置測定系を設
ける。図示しない光源から光ファイバー22bに光を入
射し、光ファイバー固定駒23bから光束を出射させ
る。レンズ25bをハウジング11に固定して設け、光
束を集光させる。集光した光はシャフト5に固定された
凸球面ミラー26bで反射し、ポジションセンサ27b
上で焦点を結ぶ。2方向が測定可能なポジションセンサ
27bは2段の微動テーブル28bの上に固定されてお
り、紙面に垂直なZ方向と左右方向に位置を調整でき
る。微動テーブルは測定軸12に固定されている。この
とき、図のように、入反射角の半分の方向をX’軸とす
る。また、X’,Y’軸に垂直、すなわち、紙面に垂直
な方向をZ軸とする。
【0076】ポジションセンサ27a,27bをセンサ
アンプ34a,34bに接続し、プローブ横方向の位置
信号38,39を出力し、Z方向の信号は平均値計算回
路36に導き、プローブ上下位置信号37を得る。
【0077】以上の構成において、まず、光点位置がほ
ぼ、ポジションセンサの中心になるように、微動テーブ
ル28a,28bの位置を調整しておく。プローブが被
測定物をトレースするため、被測定物に接触すると、プ
ローブシャフト5の位置がハウジング11に対して変化
する。その方向は紙面に対して垂直方向である。光学系
の模式図は図3と同じである。プローブシャフトの移動
量が拡大され、2つのポジションセンサ27a,27b
の光点位置が変化する。この時、プローブのZ方向の移
動に伴って、2つのポジションセンサのZ方向の信号が
変化し、それらの平均値を平均値計算回路36で計算
し、プローブ上下信号37を得る。このようにすると、
Z’方向の位置信号を平均して出力するため、偶然誤差
が軽減されており、高精度な変位測定が可能である。ま
た、プローブが横方向に移動すると、同様に2つのポジ
ションセンサのそれぞれX’,Y’方向の信号が変化
し、横方向の移動量が測定できる。従って、プローブの
正確な位置がわかり、測定精度が向上する。
【0078】<実施形態4>図9に本発明の第4実施形
態における形状測定装置の概略図を示す。
【0079】第2実施形態で示した変位検出手段を2セ
ットを、上下位置をずらしてプローブの軸方向と平行に
設ける。変位を測定する部分以外は第1実施形態と同じ
なので、説明を省略する。
【0080】図示しない光源から光ファイバー22aに
光を入射し、光ファイバー固定駒23aから光束を出射
させる。レンズ25aをハウジング11に固定して設
け、光束を集光させる。集光した光はシャフト5に固定
された凸球面ミラー26aで反射し、ポジションセンサ
27a上で焦点を結ぶ。2方向が測定可能なポジション
センサ27aは2段の微動テーブル28aの上に固定さ
れており、紙面に垂直な方向と上下方向に位置を調整で
きる。微動テーブルは測定軸12に固定されている。こ
のとき、図のように、紙面の右方向をX軸とする。第2
の位置測定系についても、同様に、図示しない光源から
光ファイバー22bに光を入射し、光ファイバー固定駒
23bから光束を出射させる。レンズ25bをハウジン
グ11に固定して設け、光束を集光させる。集光した光
はシャフト5に固定された凸球面ミラー26bで反射
し、ポジションセンサ27b上で焦点を結ぶ。2方向が
測定可能なポジションセンサ27bは2段の微動テーブ
ル28bの上に固定されており、紙面に垂直な方向と上
下方向に位置を調整できる。微動テーブルは測定軸12
に固定されている。
【0081】ポジションセンサ27a,27bをセンサ
アンプ34a,34bに接続し、プローブ横方向の位置
信号39aおよび39bを得る。Z方向の信号は平均値
計算回路36に導き、プローブ上下位置信号37を得
る。
【0082】以上の構成において、まず、光点位置がほ
ぼ、ポジションセンサの中心になるように、微動テーブ
ル28a,28bの位置を調整しておく。プローブが被
測定物をトレースするため、被測定物に接触すると、プ
ローブシャフト5の位置がハウジング11に対して変化
する。その方向は紙面に対して垂直方向である。光学系
の模式図は図3と同じである。プローブシャフトの移動
量が拡大され、2つのポジションセンサ27a,27b
の光点位置が変化する。この時、プローブのZ方向の移
動に伴って、2つのポジションセンサのZ方向の信号が
変化し、それらの平均値を平均値計算回路36で計算
し、プローブ上下信号37を得る。このようにすると、
Z方向の位置信号を平均して出力するため、誤差が軽減
されており、高精度な変位測定が可能である。また、プ
ローブがY方向に移動すると、同様に2つのポジション
センサの信号、39a,39bが変化する。これは、プ
ローブシャフト5のY方向の平行移動と、Y方向の傾斜
を表している。従って、プローブの正確な位置、姿勢が
わかり、これを補正することによって、測定精度が向上
する。具体的には図6で説明したフローチャートの中の
(104)で測定した座標位置から、プローブ位置の測
定結果を差し引くことによって行われる。
【0083】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の形状測定装置に
よれば、プローブとスライダ(もしくはスライダと一体
である部材)との所定方向における相対変位を、所定方
向と直交する方向から検出することができる。このた
め、プローブが被測定物に接触したときに想定される大
きな変形が起こっても、相対変位を計測するための第2
検出手段を壊さずに済む。
【0084】また、請求項記載の形状測定装置によれ
ば、所定方向と交差する方向から、プローブの所定方向
の相対変位を非接触で測定することができる。
【0085】また、請求項記載の形状測定装置によれ
ば、凸球面ミラーを利用することで、プローブの傾斜角
度に影響されずに変位測定が可能となる。
【0086】また、請求項記載の形状測定装置によれ
ば、非接触でプローブの相対変位を検出することができ
る。
【0087】また、請求項記載の形状測定装置によれ
ば、プローブの相対変位を感度良く測定することができ
る。
【0088】また、請求項または記載の形状測定装
置によれば、プローブの所定方向の変位を平均値計測定
できるため、より高精度な変位測定が可能である。
【0089】また、請求項記載の形状測定装置によれ
ば、プローブの所定方向の相対変位をほぼ一定になるよ
うに制御するため、プローブの押しつけ力を正確に保つ
ことができる。
【0090】また、請求項記載の形状測定装置によれ
ば、プローブの所定方向の相対変位だけでなく、プロー
ブの該所定方向と直交する方向の相対変位を検出するこ
とができ、プローブの移動誤差を補正して測定できるた
め、測定精度が向上する。
【0091】本発明の請求項記載の形状測定装置によ
れば、プローブをスライダ(もしくはスライダと一体で
ある部材)から少なくとも3回対称の板ばねで支持し
た。3回対称の板ばねを用いることで、剛性に方向性を
持たせずに済むほか、温度変化による熱変形が対称とな
り、横方向のプローブの位置ずれを軽減することができ
る。
【0092】また、請求項10記載の形状測定装置によ
れば、板ばねの実質的なばね長さを長くすることができ
るため、装置の小型化を図ることができる。
【0093】
【0094】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の形状測定装置の概略図
【図2】第1実施形態の凸球面ミラーを用いた変位測定
手段の概略図
【図3】第1実施形態の凸球面ミラーを用いた変位測定
手段の説明図
【図4】第1実施形態の3回対称板ばねの第1例
【図5】第1実施形態の3回対称板ばねの第2例
【図6】第1実施形態の測定動作のフローチャート
【図7】第2実施形態の凸球面ミラーを用いた変位測定
手段の概略図
【図8】第3実施形態の凸球面ミラーを用いた変位測定
手段の概略図
【図9】第4実施形態の形状測定装置の概略図
【符号の説明】
1 球 2 プローブチップ 3 スペーサ 4 板ばね 5 プローブシャフト 6 ミラーA 7 ミラー固定駒 8 スペーサ 9 ネジ 10 スペーサ 11 ハウジング 12 測定軸 13 ガイド 14 ボールネジ 15 サーボモータ 16 XYテーブル 17 干渉計 18 4分の1波長板 19 ミラーB 20 フレーム 21 被測定物 22 光ファイバー 23 光ファイバー固定駒 24 固定部材 25 レンズ 26 凸球面ミラー 27 ポジションセンサ 28 微動テーブル 29 サーボアンプ 30 位置制御補償回路 31 制御系切り替え装置 32 針圧制御補償回路 33 エンコーダ 34 センサアンプ

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準部材に対して3次元方向に移動可能
    なスライダと、該スライダまたは該スライダと一体であ
    る部材に対して所定方向に移動可能に支持されたプロー
    ブと、該基準部材と該プローブとの該所定方向における
    距離を検出する第1検出手段とを有し、該プローブの一
    端を被測定物に接触させ、該第1検出手段の検出結果に
    基づき該被測定物の形状を測定する形状測定装置におい
    て、該プローブには球面の中心が該プローブの移動軸上に位
    置している凸球面ミラーが取付けられており、 該スライダまたは該スライダと一体である部材に対する
    該プローブの該所定方向における相対変位を検出する第
    2検出手段とを有し、 前記第2検出手段は、光束を出射する光束出射手段と、
    光を集光する光学系と、該集光する位置を検出するセン
    サとを有し、該センサは前記凸球面ミラーに反射された
    該集光する光の集光位置に配置され、該センサが検出し
    た集光位置により、該所定方向と交差する方向から前記
    プローブの前記所定方向における相対変位を非接触で検
    出することを特徴とする形状測定装置。
  2. 【請求項2】 前記光束出射手段が出射した光束と、前
    記ミラーに反射された光とを含む平面が、前記所定方向
    を含むように第2検出手段を配置することを特徴とする
    請求項記載の形状測定装置。
  3. 【請求項3】 前記光束出射手段が出射した光束と、前
    記ミラーに反射された光とを含む平面が、前記所定方向
    と交差するように第2検出手段を配置することを特徴と
    する請求項記載の形状測定装置。
  4. 【請求項4】 前記第2検出手段を前記平面内に2つ配
    置することを特徴とする請求項または記載の形状測
    定装置。
  5. 【請求項5】 前記第2検出手段を前記所定方向に対し
    て平行な方向に2つ配置することを特徴とする請求項
    または記載の形状測定装置。
  6. 【請求項6】 前記プローブの前記所定方向における相
    対変位がほぼ一定となるように、前記スライダの移動量
    を制御することを特徴とする請求項1乃至5いずれか記
    載の形状測定装置。
  7. 【請求項7】 前記第2検出手段は、前記プローブの前
    記所定方向における相対変位を検出すると共に、該プロ
    ーブの該所定方向と直交する方向における相対変位を検
    出することが可能であることを特徴とする請求項1乃至
    いずれか記載の形状測定装置。
  8. 【請求項8】 前記センサは、2次元方向の前記集光位
    置を検出することを特徴とする請求項記載の形状測定
    装置。
  9. 【請求項9】 支持手段は、少なくとも3回対称性を有
    する板ばねであることを特徴とする請求項記載の形状
    測定装置。
  10. 【請求項10】 前記板ばねは、実質的にばね長さを長
    くするように、前記プローブと連結する部位と、前記ス
    ライダまたはスライダと一体である部材と連結する部位
    が、ともに該板ばねの外径よりも内側に配置され、折り
    畳んだ形状をしていることを特徴とする請求項記載の
    形状測定装置。
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