JP2024078405A - 測定システム及びその動作方法並びにスタイラス運動機構 - Google Patents

測定システム及びその動作方法並びにスタイラス運動機構 Download PDF

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Abstract

Figure 2024078405000001
【課題】測定プローブを改良するシステム及び構成が望まれている。
【解決手段】測定プローブは、1以上の接触部362A・Bを持つスタイラス336と、接触部による接触に基づくスタイラスの動きを検出するように構成された検出素子と、検出素子からの信号を処理して、測定信号を出力するように構成された信号処理部と、スタイラス運動機構334を含む。スタイラス運動機構は、ワークとスタイラスの接触部との接触によって、正の軸方向PADの力が加わった時に、スタイラスの休止位置から正の軸方向への動きを可能にするように構成された第1の運動部分MP1と、ワークとスタイラスの接触部との接触によって、休止位置から正の軸方向と反対の負の軸方向NADへの動きを可能にするように構成された第2の運動部分MP2を含む。
【選択図】図4

Description

この開示は、測定機のための測定プローブに関し、特に、測定プローブ用のスタイラス運動機構に関する。
測定機(例えば座標測定機(CMM))用の測定プローブが、特許文献1に開示されており、ここで、その全体を引用して取込む。そのような測定プローブは、測定対象ワークと接触する接触部を持つスタイラスと、該スタイラスを軸中心上で支持することが可能なプローブハウジングと、前記スタイラスの動きを可能にするためのスタイラス運動機構と、ワークとの接触に対応する前記接触部の動きを検出可能な検出素子と、前記検出素子の出力を処理するための信号処理回路とを含んでいる。前記信号処理回路は、前記検出素子からのセンサ信号を処理して測定信号(例えばタッチ信号)を出力する。同様な構成要素を備え、(例えばデジタル測定信号を出力可能な)他のCMM測定プローブが、特許文献2に記載されており、ここで、その全体を引用して取込む。
米国特許第10,415,949号明細書 米国特許第10,852,119号明細書
そのような測定プローブを改良し又は増強する(例えば改良された性能及び/又は特性に関するスタイラス運動機構などのような)システム及び構成が望まれている。
この要約は、以下の詳細な説明中に更に記載された概念の選択を簡略化された形で導入するために与えられる。この要約は、特許が請求された主題の鍵となる様相を特定したり、あるいは、前記特許が請求された主題の権利範囲を決定する助けとなるように使われることを意図していない。
ここに開示された原理に従うと、測定システムは、
測定対象ワークと接触するように構成された、1以上の接触部を持つスタイラスと、
該スタイラスの接触部のワークとの接触に対応するスタイラスの動きを検出するように構成された、少なくとも1つの検出素子と、
前記少なくとも1つの検出素子の出力から得られた発生信号を処理して、測定信号を出力するように構成された信号処理部と、
ワークと前記スタイラスの接触部との接触によって、測定プローブの基端に向かう正の軸方向の力が加わった時に、前記スタイラスの休止位置から前記正の軸方向への動きを可能にするように構成された第1の運動部分、及び、
ワークと前記スタイラスの接触部との接触によって、前記休止位置から前記正の軸方向と反対の負の軸方向への動きを可能にするように構成された第2の運動部分、
を有するスタイラス運動機構と、
を備えた測定プローブを含んで与えられる。
本発明の他の側面に従うと、測定プローブを含む測定システムを動作するための方法が与えられる。この方法は、第1の運動部分を利用して、ワークとスタイラスの接触部との接触によって、前記測定プローブの基端に向かう正の軸方向の力が加わった時に、前記スタイラスの休止位置から前記正の軸方向への動きを可能にし、
前記第2の運動部分を利用して、ワークと前記スタイラスの接触部との接触によって、前記休止位置から前記正の軸方向と反対の負の軸方向への動きを可能にすることを備える。
本発明の更なる側面に従うと、測定プローブ中で利用するためのスタイラス運動機構が与えられる。このスタイラス運動機構は、
前記スタイラスに固く結合するように構成されたスタイラス結合部と、
ワークと前記スタイラスの接触部との接触によって、測定プローブの基端に向かう正の軸方向の力が加わった時に、前記スタイラスの休止位置から前記正の軸方向への動きを可能にするように構成された第1の運動部分と、
ワークと前記スタイラスの接触部との接触によって、前記休止位置から前記正の軸方向と反対の負の軸方向への動きを可能にするように構成された第2の運動部分と、
を備えている。
本発明の実施形態に従う測定プローブを用いた測定システムの例を示す概略図 図1の前記測定プローブの断面を示す概略図 図1の前記測定システムのある部分を示すブロック図 図2の前記測定プローブの運動機構の正面から見た断面を示す図 図4の前記運動機構の展開された等角図 図4の前記運動機構を上から見た等角図 図4の前記運動機構を下から見た等角図 図4の前記運動機構の平面図 図4の前記運動機構の上から見た断面図 図4の前記運動機構のキネマティック・カップリング構造の原理を示す、該キネマティック・カップリング機構の上から見た断面図 図4の前記運動機構のキネマティック・カップリング構造の原理を示す該キネマティック・カップリング機構の上から見た断面図 スタイラスの接触部のワークの上向きの表面との接触を示す図4の前記運動機構の図 スタイラスの接触部のワークの下向きの表面との接触を示す図4の前記運動機構の図 測定プローブを含む測定システムを動作させるための方法の実施例を示す流れ図 ワークの上向き及び下向きの表面を測定するために測定プローブを動かす測定システムを動作させる方法の実施例を示す流れ図
図1は、測定プローブ300を用いた測定システム100の例を示す概略図である。図1に示されるように、前記測定システム100は、前記測定プローブ300と、前記測定プローブ300を動かすように構成された測定機200(例えば座標測定機(CMM)又はコンピュータ数値制御(CNC)機械など)と、手動操作されるジョイスティック111を含む操作部110と、前記測定機200及び前記測定プローブ300の動作を制御するように構成されたシステム制御部140とを含んでいる。前記測定システム100は、更に、前記システム制御部140を介して前記測定機200を動作させると共に、前記測定機200によって獲得された測定データを処理して、例えば測定対象ワークWの寸法又は形状を獲得するように構成されたホストコンピュータ150と、例えば測定条件を入力するように構成された1つ以上の入力ユニット120(例えばキーボード、マウスなど)と、例えば測定結果を出力するように構成された1つ以上の出力ユニット(例えばディスプレイ、プリンタなど)130と、を含んでいる。図2を参照して、以下に、より詳細に説明するように、前記測定プローブ300は、前記測定対象ワークWと接触される1つ以上の接触部362(例えば接触部362A及び362B)を有するスタイラス336を含んでいる。
図1に示されるように、前記測定機200は、表面プレート210と、該表面プレート210上に立つように設けられ、前記測定プローブ300を三次元方向に動かすように構成された駆動機構220と、前記駆動機構220の駆動量を検出するように構成された駆動センサ(図示省略)とを含んでいる。前記駆動機構220は、前記測定プローブ300を三次元方向にそれぞれ動かすためのX軸、Y軸及びZ軸駆動機構222、221、及び223(例えばスライド機構)を含んでいる。
前記測定プローブ300に関して、ある既に知られた測定プローブ(例えば、あるタッチプローブ)は、典型的に(例えば正の軸方向と称され、前記測定プローブを動かすスタイラス運動機構及び/又は測定機の全て又は一部のXYZ座標系に関して+Z方向としても知られる)1つの軸方向にばねで付勢されたスタイラス運動機構を有する。そのようなスタイラス運動機構は、前記測定プローブに内部ダメージを与えることなく、前記スタイラスの前記接触部が(例えば前記ワークを測定するために)ワーク中に休止位置から前記正の軸方向/+Z方向に押し付けられるスタイラス336の動きを可能とするために、ばねで付勢されている。そのような既に知られた測定プローブ/スタイラス運動機構のいくつかは、ワークと接触した時に、典型的には、負の軸方向/-Z方向における動き及び/またはタッチ信号の感知を可能とするように構成(例えばばねで付勢)されてはいないが、前記スタイラスの前記接触部の±X及び±Y方向の動きも可能とする。以下に詳細に説明するように、休止位置からのスタイラス336の正の軸方向及び負の軸方向の両方を可能とする(例えば典型的な±X及び±Y方向の動きに加えて±Z方向の動きも可能にする)スタイラス運動機構334(図2)を備えた測定プローブが開示されている。開示された構成は、前記スタイラスがワークと接触していないときに、該スタイラス336をしっかりした位置(例えば休止位置)に保持することを可能とする。測定システムの測定機が前記測定プローブ300を動かして前記スタイラス336がワークWと接触するようにすると、前記接触が前記スタイラスを前記正の軸方向又は前記負の軸方向(例えば+Z又は-Z方向)に動かそうとするか否かに関わらず、前記スタイラス336は、前記スタイラス運動機構334内で柔軟な力(例えばばね力)に抗して動くようにされる。
様々な実施例において、異なる測定システムが、ワークを測定/検査するために測定プローブを動かす測定機の異なるタイプを利用することができる。例えば、座標測定機(CMM)は、ある測定/検査プロセスで利用される。他の例では、コンピュータ数値制御(CNC)機械が、ワークを測定/検査するための測定プローブを動かすために利用される測定機のタイプであることができる(例えば前記CNC機械は、前記ワークを製造/加工するプロセスを行う事もできる)。あるCNC機械は、あるCMMよりも低い精度で動きを制御するかも知れず、及び/又は、ある条件で(例えば、前記CNC機械によって製造/加工されるワークに関して、及び、異なる向きでのワーク表面の測定/検査のために、そのようなワークの周り又は中の測定プローブの可能なある動きに関して)測定プローブを利用できるかも知れない。そのような面に関して、測定プローブのいくつかの例では、ロバストなスタイラス運動機構を持つことが特に望ましいかも知れない。例えば、望ましいスタイラス運動機構は、前記測定プローブに内部ダメージを与えることなく(例えばより長いオーバートラベル距離の)ワークと接触する動きを可能にし、(例えば前記測定プローブの前記動き及び測定/検査される必要がある前記ワーク表面の向きなどにより)前記スタイラスの正及び負の軸方向の両方の動きを可能にする。前記測定プローブ300の前記スタイラス運動機構334は、以下に詳細に説明するように、そのような望ましい特性を含んでいる。
図2は、図1の前記測定プローブ300の断面を示す概略図である。図2に示されるように、前記測定プローブ300は、前記測定対象ワークWと接触する接触部362A及び362Bを有するスタイラス336と、該スタイラス336を軸中心O上で支持することが可能なように構成されたプローブハウジング306と、前記軸中心Oから逸れて前記軸中心Oに沿う前記接触部362Aの動きを検出可能なように(例えば、前記接触部362Aと接触部362B間の知られた空間的な関係に従って前記接触部362Bの動きも検出可能なように)構成された、1以上(本実施形態では例えば4つ)の検出素子325と、該4つの検出素子325の出力を処理して、デジタル信号であることができる測定信号Str(例えばタッチ信号)を出力するように構成された信号処理回路320と、を含んでいる。特に、前記測定プローブ300は、タッチ信号プローブとも称される。前記スタイラス336は、スタイラスモジュール304(即ち、スタイラス運動機構を含む)中に含まれ、前記プローブハウジング306及び前記検出素子325は、プローブメインボディ302に含まれることに注意されたい。前記プローブメインボディ302は、前記測定機200(図1参照)の前記駆動機構220のスピンドル224によって支持されている。前記スタイラスモジュール304は、キネマティック・ジョイントを介して高い位置再現性で前記プローブメインボディ302に取外し可能に取り付けられている。
以下の説明の目的で、図2の紙面上の長手方向をZ方向と定義し、前記紙面上の水平方向をX方向と定義し、前記紙面に垂直な方向をY方向と定義する。従って、前記測定プローブ300の軸中心Oの方向(軸方向O)は、前記Z方向と一致する。
図2に示されるように、前記プローブメインボディ302は、前記プローブハウジング306と、前記信号処理回路320と、支持部材(サポータ)322及び324と、前記検出素子325と、結合軸326と、フランジ部材328と、永久磁石330と、3つの球332とを含んでいる。前記プローブハウジング306は、取付部308と、回路配置部310と、固定部材314と、底部材316と、メインボディカバー318とを含んでいる。
図2に示されるように、前記取付部308は、前記測定プローブ300の上端部に前記スピンドル224を取付けるための部分である。前記回路配置部310は、前記取付部308の下端に配置されている。様々な実施例において、前記軸中心Oに直交する前記回路配置部310の断面は、前記回路配置部310の下端に設けられる円板状上端部310Aと円板状下側フランジ312を除き略三角形であることができる。前記信号処理回路320は、前記略三角形の外周部に配置される。前記回路配置部310は、前記支持部材322及び324の上に配置される。
図2に示されるように、前記固定部材314は、前記支持部材322を間に挟んで前記下側フランジ312の下端周辺部312Bに固定される。前記固定部材314は、前記軸中心O上の開口314Aに与えられた円筒形状を有する。前記固定部材314の下端内側表面は、4つの対称な位置に4つの凹所314Cを与えられている。前記底部材316は、前記支持部材324を間に挟んで前記固定部材314の下端周辺部に固定されている。前記底部材316は環状形状を有している。前記メインボディカバー318は円筒形状であり、前記回路配置部310、前記下側フランジ312、前記固定部材314及び前記底部材316の周りに、前記信号処理回路320の全てをカバーするように配置されている。前記メインボディカバー318は、ボルトによって前記固定部材314に固定されている。
図3は、図1の前記測定システム100のある部分を示すブロック図である。図3に示すように、前記信号処理回路320は、前記検出素子325の出力を処理して、前記測定信号(例えば前記接触部362A及び362Bが前記測定対象ワークWと接触したことを感知したタッチ信号/接触感知信号)Strを出力するように構成されている。前記信号処理回路320は、信号増幅部(信号増幅回路)364と、(例えば信号処理装置を含む)信号処理部366を含んでいる。
前記信号増幅部364は、前記検出素子325の出力である各センサ信号Ss(Ss1からSs4)を増幅して、増幅信号Sa(Sa1からSa4)をそれぞれ出力するように構成された増幅器364Aから364Dを含んでいる。参照符号Ch1からCh4は、それぞれチャンネル1から4に対応している。前記信号処理部366は、前記増幅信号Saを処理して前記測定信号Strを出力する。即ち、前記検出素子325の各出力を増幅するように構成された前記信号増幅部364は、本実施形態では前記信号処理部366より前に与えられ、発生信号Sg(Sg1からSg4)は、前記信号増幅部364の前記増幅信号Saである。
前記信号処理部366は、前記4つの検出素子325の出力から得られた前記発生信号Sgを処理して、前記測定信号Strを出力するように構成されている。該信号処理部366は、前記発生信号Sg(Sg1からSg4)から3つのX-、Y-、Z-方向の移動/偏位量を獲得/決定し、3次元方向のこの移動/偏位量を合成して、前記接触部362A及び362Bが(例えばワークとの接触に対応するような)所定変位量以上を動いたことを示す前記測定信号Strを出力するように構成されている。前記信号増幅部中にブリッジ回路を形成したり、前記信号処理部中にブリッジ回路を形成することができる。前記信号処理部366及び、前記システム制御部140とホストコンピュータ150の追加の動作を、以下に詳細に説明する。
図2に示されるように、前記支持部材322及び324は、前記プローブハウジング306の軸方向Oに配置された弾性変形可能な部材であり、前記スタイラス336の向きの変化を許容する。特に、前記支持部材324は、図3中に示されるように、周方向に(前記軸中心Oの周りに)90度ずつ互いに変位された位置に全部で4つの変形可能なアーム部(例えば4つの変形可能なアーム)324Bを含む回転対称な形状を有している。これらの4つのアーム部324Bは、同じ平面状に形成されている。前記支持部材322及び324は、各アーム部の幅を除いて同じ厚さ及び同じ構造を有している。これらに限定されず、様々な実施例において、前記アーム部の前記厚さ、長さ及び形状は互いに異なることができ、或いは、支持部材322及び324の全体が互いに異なる形状を有することができる。従って、前記検出素子325が中に配置された前記支持部材324について以下に説明し、前記支持部材322の重複した説明は省略する。前記支持部材の形状は、本実施形態中に示されたものに限定されず、少なくとも1つの支持部材が与えられればよい。
図3に示す如く、前記支持部材324は、ほぼ円板の形状を有し、長方形のアーム部324Bに加えて、前記結合軸326に接続される中央部324Aと、該アーム部324Bによって前記中央部324Aに結合され、前記プローブハウジング306に接続される周辺部324Cを有する。前記周辺部324Cは、前記支持部材324の一番外側の位置に位置する。前記アーム部324Bは、放射方向に線形に伸びるように前記周辺部324Cの内側に配置されている。前記中央部324Aは、前記アーム部324Bの内側に配置されている。前記支持部材324は、前記プローブハウジング306に関する前記結合軸326の変位が、前記中央部324Aを上下左右に移動させ、その結果、(例えば前記接触部362A又は362Bのワークとの接触などに対応して)前記アーム部324Bを弾性的に変形させる。
前記検出素子325は、例えば、貼付けられる歪ゲージであり、図3中に示したように検出素子325が配置された前記支持部材324の歪みを検出する。前記4つの検出素子325は、前記支持部材324の各変形可能なアーム部324B上の4つの対称位置に配置される。前記検出素子325は、例えば接着剤によって前記アーム部324Bに固着される。汎用の歪ゲージを用いることもできるが、代わりに温度補償された歪ゲージを用いることもできる。更に、温度補償の立場から、温度補償は、例えば温度補償用のダミーの歪ゲージをブリッジ回路(図示省略)中に一体化して行うことができる。
図2に及び図3中に示す如く、前記結合軸326は、概ね円筒形状を有し、前記2つの支持部材322と324を互いに結合する。前記結合軸326は、前記下側フランジ312、前記固定部材314及び前記底部材316と接触することなく、前記2つの支持部材322及び324によって前記軸中心O上に保持されている。前記結合軸326は、前記フランジ部材328を一体的に支持している。
図2に示されるように、前記フランジ部材328は、略円板形状を有する。該フランジ部材328は、前記軸方向O中で非接触で前記底部材316に面し、前記放射方向に非接触で前記メインボディカバー318に面している。前記フランジ部材328は、前記スタイラスモジュール304を支持している。前記底部材316と前記フランジ部材328の間のギャップの少なくとも一部は、グリースオイルのような粘性材料で満たされている。前記永久磁石330は、前記軸中心O上で、前記フランジ部材328の下面に固定されている。該フランジ部材328の下端の外側領域で、前記3つの球332が(例えばマクスウェル・キネマティック・カップリング構造の一部として)前記永久磁石330を取り囲むように、周方向に120度の間隔で回転対称に配置されている。
前記スタイラスモジュール304は、前記スタイラス運動機構334とフランジ部338を含んでいる。様々な実施例において、前記フランジ部338は、前記スタイラス運動機構334のケーシングCS(図4)の上端部分と一体的に形成され、又は固定的に取り付けられることができる。図2に示されるように、前記フランジ部338は、前記フランジ部材328に対応する部材である。即ち、キネマティック・カップリング構造(例えばマックスウェル・キネマティック・カップリング構造)の一部として、3つのV字形溝340が、前記3つの球332と接触するように、前記フランジ部338の前記周方向に120度の間隔で配設されている。前記永久磁石330に引き付けられる永久磁石であることができる磁性部材342が、前記永久磁石330に面するように前記フランジ部338中に配設されている。
特に、前記フランジ部338と前記フランジ部材328が、着脱可能なカップリングであるキネマティック・ジョイントを構成している。様々な実施例において、前記スタイラスモジュール304に十分な力が加わると、該スタイラスモジュール304は前記プローブメインボディ302から切り離されることができる。(例えば前記測定機200によって前記測定プローブ300が動かされて)例えば、前記スタイラスモジュール304又は前記スタイラス336とワークW又は他の障害物間の意図しない衝突が発生すると、その結果生じる力は、前記スタイラスモジュール304を前記プローブメインボディ302から離れさせる(例えばこの分離により前記プローブメインボディ302及び/又はスタイラス運動機構334にダメージを与えるのを防止する)。様々な実施例において、異なるスタイラスモジュール304が前記プローブメインボディ302と共に交換可能に利用される(例えば各スタイラスモジュール304が結合のための3つのV字形溝340と磁性部材342を有するフランジ部338を備えた、前記キネマティック・カップリング構造を利用して交換されることができる)。
図2に示すように、前記スタイラス336は、前記スタイラスモジュール304の前記スタイラス運動機構334に支持されている。いくつかの実施例において、前記スタイラス運動機構334は、オーバートラベル機構334とも、又は選択的に呼ばれる。様々な実施例において、前記スタイラス運動機構334は、対応する力(例えば前記測定信号Strを生じさせるために印加される測定力よりも大きな力)が前記スタイラス336に加わると、前記スタイラス336の位置を変更し、そのような力が消えると前記スタイラス336の前記位置を自動的に元に戻すように構成されている。
例えば、様々な実施例において、測定機200が前記測定プローブ300を動かして、前記スタイラス336の接触部362A又は362Bがワーク表面に最初に接触すると、前記接触の前記力は最初は比較的小さい(例えば前記測定信号Strを生じさせる「測定力」に対応する)。前記力が前記測定力を超えて増える(即ち、いくつかの例では前記ワーク表面に向けての「オーバートラベル」と呼ばれる前記移動の「継続」の一部として、前記測定機200が前記最初の接触の後で前記ワーク表面に向けて前記接触部362A及び362Bを動かし続ける)と、前記スタイラス運動機構334は、この大きな力に適応する。詳しくは、前記スタイラス運動機構334は、前記測定プローブに対して内部ダメージを与えることなく、(即ち、前記大きな力に対応する/から生じる)前記スタイラス336の動きを可能とする。前記スタイラス運動機構334は、それから前記大きな力が消えると(例えば前記スタイラスの前記接触部が前記ワークから離れると)、前記スタイラス336の位置を(例えば休止位置に)自動的に戻す。前記スタイラス運動機構334の構成及び動作を、図4-図14を参照して以下に詳細に説明する。
図2に示すように、前記スタイラス336は、前記軸方向Oに伸びるように構成されたロッド部360と、該ロッド部360の前記先端に設けられた前記球形接触部362Aと、前記ロッド部360からの延長部(例えば90度で延長)の先端に設けられた前記球形接触部362Bを含む。動作に際して、前記接触部362A及び362Bは、測定対象ワークWと接触するように構成される。例えば、前記接触部362Aは、(例えば前記測定プローブ300が前記測定機200によって下方に動かされた時)ワークの上向きの表面に接触するのに利用される。他の例においては、前記接触部362Bは、(例えば前記測定プローブ300が前記測定機200によって上方に動かされた時)ワークの下向きの表面に接触するのに利用される。そのような例を、図11及び図12を参照して以下に詳細に説明する。
ある実施例において、前記信号処理部366は、様々な部分を含むことができる。例えば先にこの明細書に取り込んだ特許文献2に記載されているように、様々な実施例において、前記信号処理部366は、信号組合せ処理部、トリガ閾値処理部、オフセット補償部などを含むことができる。
様々な実施例において、前記信号処理部366は、タッチプローブ設計の分野の当業者に知られた原理に従って実施することができる。従って、ここでは、1つの実施例について簡単に説明する。ある設計原理に従えば、前記信号処理部366を、(例えばタッチトリガー信号切替閾値と比較される)組合せ信号を与えるために複数の変位センサ信号(例えばSa1からSa4に対応)を組み合わせることができる。従って、前記信号処理部366は、4つの増幅信号(例えば、ある実施例においてはオフセット補償信号)Sa1からSa4を入力し、これはデジタル信号に変換される。前記信号処理部366は、組合せ変位信号を決定し、これは切替閾値と比較される。前記組合せ変位信号が前記切替閾値を超えた時、前記信号処理部366は、前記スタイラス336の前記接触部362A又は362Bがワーク表面に接触したことを示す測定信号Str(例えばタッチ信号に対応)を出力することができる。
(例えば前記測定信号Strを含む)前記測定プローブ300の出力がシステム制御部140に与えられる(例えばタッチ信号が発生した時に、前記CMM200のXYZ座標系又は他のものに関して、前記スタイラスの前記現在の座標及びそれが接触しているワーク表面の前記測定座標を示すように、現在の測定値が記録される)。
様々な実施例において、前記システム制御部140は、タッチ信号が発生された時に対応する前記測定プローブ300の前記座標を与えたり又は指示することができる。例えば、そのような座標は、前記測定機200の前記X軸、Y軸及びZ軸駆動機構222、221、223による前記測定プローブ300の前記位置に対応するXYZ座標(例えば機械座標系)に従うことができる。前記測定プローブ300の前記位置に対応するそのような座標は、前記接触部362A又は前記接触部362Bによって接触(即ち前記タッチ信号となった前記接触)された前記ワーク上の表面点の前記測定座標を決定するのに用いられる。
様々な実施例において、そのような測定座標の決定は、前記スタイラスの前記長さのような因子を含むことができる。そのような因子は、前記スタイラスが複数の接触部(例えば接触部362A及び362B)を有するか否かや、(例えば前記期待されたワークWの特性に関する前記測定機200の前記知られた動きに基づく少なくとも一部として、及び/又は、前記測定機200によって動かされた前記スタイラス336の前記知られた向きなどによって決定されるような)前記ワークに接触したのはどの接触部であるかの決定に関する。様々な実施例において、前記接触部362Aは、該接触部362Aに対する前記スタイラスの前記長さ(例えば前記ロッド部360の前記長さ)が因子となるワークの上向きの表面への接触のために利用される。前記接触部362Bは、該接触部362B及び(前記ロッド部360から90度に伸びた)前記延長部の前記長さを含む前記延長部に対する前記接触部362Bの終端が因子となる前記ロッド部360の前記長さがワークの下向きの表面の接触のためにに利用される。そのような長さなどを考慮した座標決定が、既知の方法によって達成される(これは部分的に三角測量及び/又は他の原理などに基づくことができる)。
ホストコンピュータ150は、前記システム制御部140からの信号を受信し、送信する。様々な実施例において、前記ホストコンピュータ150は、前記システム制御部140を介して前記測定機200を動作させ、及び/又は、通信し、前記座標測定機200によって獲得された測定データ(例えば座標を含む)を(例えば、少なくとも一部は前記測定プローブ300が動いて前記ワークWと接触した時に受信するタッチ信号に基づいて)処理して、例えば測定対象ワークWの寸法又は形状を決定するように構成されている。
様々な実施例において、前記信号処理部366は、1以上のプロセッサ367Pとメモリ367Mを含むことができ、前記システム制御部140は、1以上のプロセッサ141Pとメモリ141Mを含むことができ、前記ホストコンピュータ150は、1以上のプロセッサ151Pとメモリ151Mを含むことができる。様々な実施例において、各部分のために、各メモリはそれぞれ1以上のプロセッサと結合されることができ、前記1以上のプロセッサによって実行された時に該1以上のプロセッサに(例えばここで記載したような)ある機能及び/又は動作を実行させるプログラム指令を記憶することができる。
当業者は、記載されたような、又はここに記載した、又は前記要素及び方法と共に使用可能な、そのある部分又は構成要素が分散され、又はネットワーク化された計算環境などを含む適切な計算システム又は装置を用いて実現できることを理解できるであろう。そのような計算システム又は装置は、ここに記載した機能を達成するためにソフトウェアを実行する1以上の汎用又は専用プロセッサ(例えば非カスタム又はカスタム装置)を含むことができる。ソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリなど、又は、そのような構成要素の組合せのようなメモリ中に記憶されることができる。ソフトウェアは、又、光ディスク、フラッシュメモリ装置、又はデータを記憶するための他のタイプの不揮発性記憶媒体に記憶されることもできる。ソフトウェアは、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データタイプを実現するプロセス、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含む1以上のプログラムモジュールを含むことができる。分散された計算環境において、前記プログラムモジュールの前記機能は、組み合わせられ、又は、複数の計算システム又は装置に渡って分散され、ワイヤ接続された又はワイヤレス構成によるサービス要求を介してアクセスされることができる。
図4-図14を参照して以下に詳細に説明するように、前記スタイラス運動機構334は、前記スタイラス336が該スタイラス336を休止位置RPから動かすために十分な対応する力が前記スタイラス336のワークWとの接触部362A又は362Bの接触によって加えられていない時は、前記スタイラス336が前記休止位置RP(例えば運動機構ホールド部346に対して、又は他のスタイラス運動機構334の基準位置のようなケーシングCSの一部に対して)にあるように構成されることができる。いくつかの実施例において、前記十分な対応する力は、図2及び図3を参照して上記に説明したように、前記測定信号Str(例えばタッチ信号)を出力するのに必要な測定力よりも大きいことができる。
様々な実施例において、前記スタイラス336上の任意の基準点が前記休止位置(例えば前記接触部362の1つの幾何学的中央位置に対応、又は前記スタイラス336の長さの中央、又は前記スタイラス336の頂部位置など)を示すために利用できる。同様に、前記スタイラス運動機構334の任意の他の構成要素の任意の基準点が、その構成要素の休止位置を示すのに利用できる。例えば図2に示したように、前記接触部362Aの中央点が(例えば座標X、Y及びZにより)前記スタイラス336の休止位置RPを示すようにラベル付けされ、スタイラス結合部SCPの中央点(即ち前記スタイラス336が前記スタイラス運動機構334に固く取り付けられている場所)が前記スタイラス結合部SCPの休止位置RPCPを示すようにラベル付けされる。
様々な実施例において、前記休止位置RP及び/又はRPCPの座標は、測定プローブ座標系の中、及び/又は、前記スタイラス運動機構334の運動機構ホールド部346又は他の基準点のような、ケーシングCSの一部に対応する基準位置に関係することができる。従って、前記スタイラス336及びスタイラス結合部SCPの休止位置RP及びRPCPからの動きは、前記運動機構ホールド部346又は前記スタイラス運動機構334の他の基準点に対応するような、ケーシングCSの一部に対応する基準位置に関係する動きを示すことができる。
図4は、図2の前記測定プローブの前記スタイラス運動機構334の正面から見た断面図であり、図5は、図4の前記スタイラス運動機構334の展開された等角図である。図4及び図5に示されるように、前記スタイラス運動機構334は、ワークWと前記スタイラス336の接触部362との接触によって(図11の「FT1」参照)、前記測定プローブ300の基端PEに向かう正の軸方向PAD(図2参照)に対応する力が加えられた時に、前記スタイラス336の休止位置RPから正の軸方向PADへの動きを可能にするように構成された第1の運動部分MP1を含む。
前記スタイラス運動機構334は、更に、ワークWと前記スタイラス336の接触部362との接触によって(図12の「FT2」参照)、前記正の軸方向PADと反対の負の軸方向NADの力に対応する力が加えられた時に、前記休止位置RPから前記負の軸方向NADへの動きを可能にするように構成された第2の運動部分MP2を含む。
様々な実施例において、前記スタイラス336は、該スタイラス336の前記接触部362のワークWとの接触によって前記休止位置RPから前記スタイラス336を動かすのに十分な力が加えられていない時は、前記スタイラス336が(例えば前記運動機構ホールド部346又は前記スタイラス運動機構334の他の基準部のようなケーシングCSの一部に対する)前記休止位置RPにあるように構成されている。いくつかの実施例において、前記十分な対応する力は、図2及び図3に関して上記に説明したように、前記測定信号Str(例えばタッチ信号)を出力するのに必要な測定力よりも大きい。
様々な実施例において、前記第1の運動部分MP1は、更に、前記スタイラス336の前記接触部362が前記ワークWから離れた時に、前記スタイラス336を前記休止位置RPに戻すため、前記スタイラス336を前記負の軸方向NADに動かすように構成され、前記第2の運動部分MP2は、更に、前記スタイラス336の前記接触部362が前記ワークWから離れた時に、前記スタイラス336を前記休止位置RPに戻すため、前記スタイラス336を前記正の軸方向PADに動かすように構成されている。
例えば、前記第1の運動部分MP1は、前記正の軸方向PADへの動きを可能とするように構成され、前記スタイラス336を前記休止位置RPに向けて前記負の軸方向NADに戻す力を与える第1のフレキシブル要素350(例えば第1のスプリング)を備えている。前記第2の運動部分MP2は、前記負の軸方向NADへの動きを可能とするように構成され、前記休止位置RPに向かう前記正の軸方向PADに戻すように前記スタイラス336に力を与えるようにされた第2のフレキシブル要素390(例えば第2のスプリング)を備えている。実施例において、前記第1のフレキシブル要素350は、第1のコイルスプリングのような第1のスプリングを備え、前記第2のフレキシブル要素390は、第2のコイルスプリングのような第2のスプリングを備えている。
様々な実施例において、前記第1のフレキシブル要素350は、前記正の軸方向PADへの動きを可能とするように圧縮するように構成され、前記第2のフレキシブル要素390は、前記負の軸方向NADへの動きを可能とするように圧縮するように構成されている。実施例において、前記第1のフレキシブル要素350を圧縮する前記休止位置から前記正の軸方向PADへの動きは、前記第2のフレキシブル要素390に力を与えることがなく、前記第2のフレキシブル要素390を圧縮する前記休止位置から前記負の軸方向NADへの動きは、前記第1のフレキシブル要素350に力を与えることがない。
図4及び図5に示した実施例において、前記第1の運動部分MP1は、第1のベース部356及び第1のトップ要素357を備えている。ここで、前記第1のフレキシブル要素350は、前記第1のベース部356と前記第1のトップ要素357の間に位置するように構成され、前記第1のベース部356は、前記正の軸方向PADに動いて、前記第1のベース部356と前記第1のトップ要素357の間で前記第1のフレキシブル要素350に対して該第1のフレキシブル要素350を圧縮するように構成されている。前記第2の運動部分MP2は、第2のベース部396と、該第2のベース部396に結合された第2のトップ要素397を備えている。ここで、前記第2のトップ要素397は、前記負の軸方向NADに動いて、前記第2のフレキシブル要素390に対して該第2のフレキシブル要素390を圧縮するように構成されている。図示された例において、前記第2のトップ要素397は結合要素397CE(例えばロッド)によって前記第2のベース部396に結合され、前記第2のトップ要素397が前記第2のベース部396に対してピボット(例えばチルト)することを可能にするように構成されたピボット部分397PPを含んでいる。
様々な実施例において、前記結合要素397CEの前記ボトムは、更に又は選択的にピボット部分を含むことができ、及び/又は、前記結合要素397CEを可能にするフレキシブルな特性を持ち、及び/又は、前記第2のトップ要素397を前記第2のベース部396に対してピボットするようにすることができる。様々な実施例において、前記結合要素397CE(例えばロッド)は、前記第1のベース部356中の孔356Aを通って伸びるように構成されている。様々な実施例において、前記第2のトップ要素397と前記第2のベース部396間の距離は(例えば前記スタイラス336が前記休止位置RPから前記負の軸方向NADに動かない時に前記第2のフレキシブル要素390を圧縮する量に対応するような前記第2のフレキシブル要素390上に加えられるプレロード又はバイアス力を調整して)調整可能であることができる。例えばそのような調整は、前記第2のトップ要素397と前記第2のベース部396間の前記結合要素397CEの長さの調整を含むことができる。様々な実施例において、前記結合要素397CEは、前記第2のトップ要素397と前記第2のベース部396間の距離を調整するために、前記第2のベース部396に前記ボトムでねじ込むような、又は、前記第2のトップ要素397の前記トップでねじ込むような、又は、前記結合要素397CEの第1の部分を前記結合要素397CEの第2の部分に中央でねじ込むような、ねじ部分を有することができる。
様々な実施例において、前記第1のトップ要素357と前記第1のベース部356間の距離も同様に(例えば前記スタイラス336が前記休止位置RPから前記正の軸方向PADに動かなかった時の前記第1のフレキシブル要素350の圧縮量に対応するような前記第1のフレキシブル要素350に加えられるプレロード又はバイアス力を調整して)調整可能とすることができる。例えば、そのような調整は、前記第1のトップ要素357の前記軸方向位置の調整(例えば軸調整方向ADJDへの調整)を含むことができる。様々な実施例において、前記第1のトップ要素357は、前記第1のトップ要素357と第1のベース部356間の距離を調整可能とするために前記ケーシングCS中にねじ込むためのねじ部をエッジの周りに持つことができる。様々な実施例において、前記第1のトップ要素357は、(例えば、前記第2のトップ要素397が前記孔357A内で前記第1のトップ要素357によって拘束され又は押し付けられることがないように上方への動きの自由、及び/又は、位置の自由を有し)前記第2のトップ要素397を受け入れるのに十分な直径の孔357A(図8参照)を中心に持つことができる。
様々な実施例において、前記第2のベース部396は、前記正の軸方向PADに動き、前記第1のベース部356に対して押し付けて、前記第1のベース部356が前記正の軸方向PADに動いて、前記第1のフレキシブル要素350に対して押し付け、前記第1のフレキシブル要素350を圧縮するように構成することができる。様々な実施例において、前記第2のベース部396は、前記スタイラス336に固く結合するように構成されたスタイラス結合部SCPを備えている。様々な実施例において、前記スタイラス結合部SCPは取付要素を備えた孔、又は前記スタイラス336の上端を受け入れて固く保持することが可能な構成を含むことができ、このための様々なスタイラス結合構造が知られている。
様々な実施例において、図4に示したように、前記第1のベース部356は、第1のキネマティック・カップリング構造KN1の一部として前記運動機構ホールド部346に結合されており、前記第2のベース部396は、第2のキネマティック・カップリング構造KN2の一部として前記第1のベース部356に結合されている。様々な実施例において、前記第1の運動部分MP1は前記第1のキネマティック・カップリング構造KN1を備え、前記第2の運動部分MP2は前記第2のキネマティック・カップリング構造KN2を備えている。
公知のように、キネマティック・カップリング構造は、2つの対応する部分を、正確に且つ位置の確実性を与えつつ正確に拘束するように一般的に設計されている。キネマティック・カップリング構造の一つのタイプは、(例えば前記第1及び第2のキネマティック・カップリング構造KN1及びKN2のそれぞれに用いることができる)マクスウェル・キネマティック・カップリング構造である。公知のように、マクスウェル・キマネティック・カップリング構造は、他方の部分の3つの曲面(例えば球、半球、球面部など)と合う(一方の中心に向けられた)3つの放射状V字形溝を一方に有する。各曲面は、V字形溝と合うと、部品の全ての6つの自由度を拘束するのに十分な合計6つの接触点に対する2つの接触点を有する。この設計は対称という利点を有し、従って容易に製造できる技術である。前記マクスウェル・カップリング構造は、この対称性によって前記曲面が前記V字形溝内で一致して膨張又は収縮できるので熱的に安定である。
前記第1及び第2のキネマティック・カップリング構造KN1及びKN2を含む前記スタイラス運動機構334の構造を、図6-図12を参照して更に詳細に説明する。図6は、図4の前記スタイラス運動機構334を上から見た等角図である。図7は、前記スタイラス運動機構334を下から見た等角図である。図8は、前記スタイラス運動機構334の平面図である。図9は、前記スタイラス運動機構334の上から見た断面図である。
様々な実施例において、前記第1のキネマティック・カップリング構造KN1(例えば第1のマクスウェル・キネマティック・カップリング構造)は、(例えば前記運動機構ホールド部346の取付部348APに固定的に取り付けられた前記球の前記曲面348を含む前記運動機構ホールド部346内で)他方の部分に前記周方向に120度の間隔で配置された3つの曲面348(例えば各球の3つの表面)の第1のセットと合う、一方の部分(例えば前記第1のベース部356)に周方向に120度の間隔で配置された3つの放射状V字形溝358(図5参照)の第1のセットを備えることができる。
図5に更に示されているように、前記ケーシングCSは(例えば前記ケーシングの側面を含む)延長部344及び前記ホールド部346を含んでいる。様々な実施例ににおいて、前記ホールド部346は、(例えば図6及び図7中にも示されているように)前記ケーシングCSのボトムにあり、曲面348を有する球が取り付けられる前記取付部348APを含んでいる。組み立てられると、前記第1のベース部356の前記V字形溝358は、前記球の前記曲面348の上に位置する。図5に一番よく示されるように、前記第1のベース部356は、曲面388を有する球が取り付けられる取付部388APを含む。組み立てられると、前記球の前記曲面388は前記第2のベース部396のV字形溝398中に収まり、前記第2のキネマティック・カップリング構造KN2の一部を形成する。
特に、前記第2のキネマティック・カップリング構造KN2(例えば第2のマクスウェル・キネマティック・カップリング構造)は、(例えば前記第1のベース部356の前記取付部388APに固定的に取り付けられた前記球の前記曲面388を含む前記第1のベース部356内で)他方の部分に前記周方向に120度の間隔で配置された3つの曲面388(例えば各球の表面)の第2のセットと合う、一方の部分(例えば前記第2のベース部396)に前記周方向に120度の間隔で配置された3つの放射状V字形溝398の第2のセットを備えることができる。
上記の実施例の構造及び組立体によれば、前記第1のキネマティック・カップリング構造KN1は、前記運動機構ホールド部346に関して(例えば前記正の軸方向PADの前記測定力の前記範囲で前記第1のフレキシブル要素350の前記圧縮力を超えることなく)前記第1のベース部356(従って、前記第2のベース部396と前記スタイラス336も)の高い位置決め再現性を達成する。同様に、前記第2のキネマティック・カップリング構造KN2は前記運動機構ホールド部346に関して(例えば前記負の軸方向NADの前記測定力の前記範囲内で前記第2のフレキシブル要素390の前記圧縮力を超えることなく)前記第1のベース部356(従って前記スタイラス336)に関して前記第2のベース部396の高い位置決め再現性を達成する。
様々な実施例において、3つの放射状V字形溝398の前記第2のセットの各V字形溝398は、3つの放射状V字形溝358の前記第1のセットの各V字形溝358に対して反対の軸方向に向けられている。図示された例において、各V字形溝358は(例えば上下逆のVとして示されるように)前記正の軸方向PADにとがっており、各V字形溝398は(例えば正立したVで示されるように)前記負の軸方向NADにとがっており、これにより前記V字形溝358、398は逆の軸方向に向いている。
図示された例において、前記第1及び第2のキネマティック・カップリング構造KN1とKN2は共通の平面内に存在することができる(例えば前記曲面348、396を備えた前記球が前記プローブ座標系の共通のXY平面のような共通の平面内に全て存在する幾何学的中心をもつことができる)。様々な実施例において、3つの放射状V字形溝398の前記第2のセットは、図9に一番よく示されるように、(そして例えば角度A12に関して図10A及び図10Bについて更に説明するように)前記測定プローブ300の軸中心Oの周りの回転に関して、3つの放射状V字形溝358の前記第1のセットに対して60度オフセットしている。
公知のあるシステムにおいて、前記接触点の前記幾何学的なセットアップにより単一のキネマティック・カップリング構造(例えば単一のマクスウェル・キネマティック・カップリング構造)を利用した様々な測定プローブ(例えばタッチプローブ)に、ロービング(lobing)型の誤差/問題が存在/発生している。そのような問題は、前記プローブによってなされた測定のアプローチの前記XY角度に依存する検出誤差のタイプに影響することができる。詳細には、(例えば120度間隔で配置された)前記3つのV字形溝/球面構造は、アプローチの前記角度に依存する動きに対して(例えばV字形溝間のアプローチと、2つのV字形溝の中央の部分でのアプローチで最大の違い)より強い抵抗を与える。ここに開示した技術によれば、互いに60度オフセットした(例えば全体として60度の間隔の分布で合計6つのV字形溝/曲面の構造となる)2つのマクスウェル・キネマティック・カップリング構造の利用が、改良された結果を達成する(例えば、前記3つのV字形溝/曲面構造を採用した単一のマクスウェル・キネマティック・カップリング構造を利用した従来のシステム/装置によって生じる典型的な三角形状誤差に対して、より丸められた六角形状の誤差を生じる)。ある実施例において、前記第1及び第2のフレキシブル要素350及び390は(例えば前記測定プローブによる測定のアプローチの異なる角度に関する相対的にバランスされた構造を達成するために)、ほぼ同じばね定数及びプレロード力を有するように構成されることができる。
様々な実施例において、図2に示されるように、前記スタイラス336の前記1以上の接触部362は、(例えば図11に示されるように、ワークの上向きの表面UFWSに接触するのに用いられるように構成される)前記第1の接触部362A及び(例えば図12に示されるように、ワークの下向きの表面DFWSに接触するのに用いられるように構成される)第2の接触部362Bを備えている。様々な実施例において、前記測定プローブ300は、測定機200(例えば座標測定機(CMM)又は測定が可能なコンピュータ数値制御(CNC)など)に結合され、図1に示されるように、前記測定機200の機械座標系MCSのZ軸と平行に前記測定プローブ300の軸中心Oが向けられるように構成される。図11を参照して以下に、より詳細に説明するように、様々な実施例において、前記測定プローブ300は、前記測定機200により下方に動くように構成され、前記スタイラス336の前記第1の接触部362AがワークWの上向きの表面UFWSと接触するようにされ、これにより前記スタイラス336に前記正の軸方向PADの力が生じ、これにより、前記第1の運動部分MP1が前記スタイラス336の前記休止位置RPから前記正の軸方向PADの動きを可能にする。図12を参照してより詳細に説明するように、様々な実施例において、前記測定プローブ300は、前記測定機200により上方に動くように構成され、前記スタイラス336の前記第2の接触部362BがワークWの下向きのワーク表面DFWSに接触するようにされ、これにより前記スタイラス336に前記負の軸方向NADの力を生じ、これにより、前記第2の運動部分MP2が前記スタイラス336の前記休止位置RPから前記負の軸方向NADの動きを可能にする。
様々な実施例において、前記少なくとも1つの検出素子325(図2及び図3参照)が、前記第1の接触部362Aと前記ワークWの前記上向きのワーク表面UFWSとの接触を検出するように構成され、これに対して前記信号処理部366は、前記ワークWの前記上向きのワーク表面UFWSとの接触を示す測定信号を出力するように構成される。更に、前記少なくとも1つの検出素子325は、前記ワークWの前記下向きの表面DFWSとの接触を検出するように構成され、これに対して前記信号処理部366は、前記ワークWの前記下向きのワーク表面DFWSとの接触を示す測定信号を出力するように構成される。
図10A及び10Bは、図4の前記運動機構334の前記キネマティック・カップリング構造KN1及びKN2の原理を図解したキネマティック・カップリング構造KN1’及びKN2’の上面から見た断面図である。1つの側面において、図9に示した前記キネマティック・カップリング構造KN1及びKN2は、図10A及び図10Bの前記キネマティック・カップリング構造KN1’及びKN2’の組合せとして概念的に理解される。
詳細には、図10Aは、対応する力が前記スタイラス336の前記接触部362(例えば362A)のワークWとの接触により加えられた時に、前記休止位置RPから前記正の軸方向PADへの前記スタイラス336の動きを可能とする第1の分離方向に分離するように構成され、更に、前記接触部362が前記ワークWから離れた時に、前記休止位置RPに戻る前記スタイラス336の前記負の軸方向NADへの動きに対応する前記休止位置RPに戻る前記スタイラス336の高い位置決め再現性を可能にする前記第1のキネマティック・カップリング構造KN1’を示している。前記第1のキネマティック・カップリング構造KN1’は、曲面348’上にあるV字形溝358’の3つのセットを含み、前記曲面348’のそれぞれは、6つの全接触点CONPのうち、2つの接触点CONPで前記対応するV字形溝358’の側面と接触することができる。上記のように、6つの接触点CONPは、様々な実施例において、前記スタイラス336の6つの自由度を拘束するのに十分である。第1の中心点CENP1は、V字形溝358’と前記曲面348’の前記3つのセットによって形成される三角形の中心点として規定され、第1の中心線CENL1が、前記三角形の前記3つの点の1つから前記第1の中心点CENP1を通って延びている。
詳細には、図10Bは、対応する力が前記スタイラス336の前記接触部362(例えば362B)のワークWとの接触により加えられた時に、前記休止位置RPから前記負の軸方向NADへの前記スタイラス336の動きを可能とする第2の分離方向に分離するように構成され、更に、前記接触部362が前記ワークWから離れた時に、前記休止位置RPに戻る前記スタイラス336の前記正の軸方向PADへの動きに対応する前記休止位置RPに戻る前記スタイラス336の高い位置決め再現性を可能にする前記第2のキネマティック・カップリング構造KN2’を示している。前記第2のキネマティック・カップリング構造KN2’は、曲面388’上にあるV字形溝398’の3つのセットを含み、前記曲面388’のそれぞれは、6つの全接触点CONPのうち、2つの接触点CONPで前記対応するV字形溝398’の側面と接触することができる。上記のように、6つの接触点CONPは、様々な実施例において、前記スタイラス336の6つの自由度を拘束するのに十分である。第2の中心点CENP2は、V字形溝398’と前記曲面388’の前記3つのセットによって形成される三角形の中心点として規定され、第2の中心線CENL2が、前記三角形の前記3つの点の1つから前記第2の中心点CENP2を通って延びている。様々な実施例において、前記第1の中心線CENL1と前記第2の中心線CENL2で形成される角度A12は、図10Bに示されるように、60度であることができる。
図11は、前記スタイラス336の前記接触部362Aと上向きのワーク表面UFWSの接触を示す図4の前記運動機構334の図である。図11に示されるように、ある1つの実施例において、前記プローブ300は、前記スタイラス336の接触部(例えば接触部362A)が上向きのワーク表面UFWSに対して押し付けられる(例えば前記上向きのワーク表面UFWS上の表面点SP1で前記接触が発生する)ように第1の方向MD1(例えば下方への運動方向)に(例えば前記測定機200によって)動かされる。図示の構造において、前記接触は、正の軸方向PADとしても示される上方に移送力FT1を発生させ/結果として生じる。(図2及び図3で上記説明したように測定力を持つ)前記最初の接触は、前記検出素子325に出力を発生させ、これは前記信号処理回路320で処理され、測定信号Str(例えばタッチ信号)を出力し、これにより、前記第1の表面点SP1に対する(例えば機械座標系での)前記X、Y、Z座標が決定される。
前記下向きの第1の方向MD1への前記プローブ300の継続した動き(例えば、いくつかの場合、前記継続した動きは「オーバートラベル」運動と称される)が、前記スタイラス336に生じ、(例えば前記ホールド部346又は前記ケーシングCS又は運動機構334の他の部分に関して規定される)前記休止位置RPから前記正の軸方向PADの上方に押される。前記スタイラス336が前記休止位置RPから上方(即ち前記正の軸方向PAD)に動く(例えば押される)と、前記第1のフレキシブル要素350(例えば第1のスプリング)が圧縮される(例えば前記第2のフレキシブル要素390は圧縮されない)。詳細には、前記スタイラス336が上方に動くと、前記第2のベース部396は上方の前記正の軸方向PADに押され、これは(前記第2のベース部396の前記V字形溝398中にある前記球の前記曲面388を有する前記第2のベース部396のトップ上にある)前記第1のベース部356を上方に押す。従って、(前記第1のベース部356のトップ上にある)前記第1のフレキシブル要素350は、(前記ケースCSの前記トップに取付けられている)前記第1のトップ要素357に向かって上方に圧縮される。前記上方(即ち前記正の軸方向PAD)への動きは、前記V字形溝358を前記球の前記曲面348から持ち上げる(即ち、前記第1のベース部356が前記ケーシングCSの前記ボトムで前記ホールド部346から離される)。
前記移送力FT1から前記上方への力が取り除かれると(例えば前記表面点SP1の測定が終わった後の上方へのように前記プローブ300が動くと、前記接触部362Aは、前記上向きのワーク表面UFWSから離れる)、前記第1のフレキシブル要素350は前記スタイラス336に(例えば前記ホールド部346/ケーシングCSに関して)前記休止位置RPへ戻る力を与える。様々な実施例において、前記第1のキネマティック・カップリング構造KN1は、第1の分離方向に分離するように構成され、これは、図示された例においては、前記正の軸方向PADである。前記第1のキネマティック・カップリング構造KN1は、前記V字形溝358が前記曲面348上の再現性の高い位置に置かれるので、前記休止位置RPに戻る前記スタイラス336の高い位置決め再現性を可能とする。
図12は、前記スタイラス336の前記接触部362Bと下向きのワークの表面DFWSの接触を示す図4の前記運動機構334の図である。図12に示されるように、もう1つの実施例において、前記プローブ300は、第2の方向MD2(例えば上方への運動方向)に動かされて、(例えば前記測定機200によって)前記スタイラス336の接触部(例えば接触部362B)が、(例えば前記下向きのワーク表面DFWS上の表面点SP2で前記接触が発生するように)下向きのワーク表面DFWSに対して引っ張られる(例えば、いくつかの例では押し付けられると称する)。図示の構造において、前記接触は、負の軸方向NADとしても示される下方に移送力FT2を発生させ/結果として生じる。(図2及び図3で上記説明したように測定力を持つ)前記最初の接触は、前記検出素子325に出力を発生させ、これは前記信号処理回路320で処理され、測定信号Str(例えばタッチ信号)を出力し、これにより、前記第2の表面点SP2に対する(例えば機械座標系での)前記X、Y、Z座標が決定される。
前記上向きの第2の方向MD2への前記プローブ300の継続した動き(例えば、いくつかの場合、前記継続した動きは「オーバートラベル」運動と称される)が、前記スタイラス336に生じ、(例えば前記ホールド部346又は前記ケーシングCSに関して規定される)前記休止位置RPから下方に引かれる。前記スタイラス336が前記休止位置RPから下方(即ち前記負の軸方向NAD)に動く(例えば引かれる)と、前記第2のフレキシブル要素390(例えば第2のスプリング)が圧縮される(例えば前記第1のフレキシブル要素350は圧縮されない)。詳細には、前記スタイラス336が下方に動くと、前記取付けられた第2のトップ要素397は下方の前記負の軸方向NADに引かれる。従って、(前記第2のトップ要素397の下にある)前記第2のフレキシブル要素390は、前記第1のベース部356に向かって下方に圧縮される。前記第1のベース部356は、前記ケーシング(図11参照)の前記ホールド部346の前記球の前記曲面348のトップ上にある前記第1のベース部356の前記V字形溝358により、前記ホールド部346/ケーシングCSに対して動かない。図12において、前記下方への動きは、前記第2のベース部396の前記V字形溝398を前記球の前記曲面388から引き離して、前記第2のベース部396を前記第1のベース部356から引き離させる。
前記移送力FT2から前記下方への力が取り除かれると(例えば前記表面点SP2の測定が終わった後の下方へのように前記プローブ300が動くと、前記接触部362Bは、前記下向きのワーク表面DFWSから離れる)、前記第2のフレキシブル要素390は前記スタイラス336に(例えば前記ホールド部346/ケーシングCSに関して)前記休止位置RPへ戻る力を与える。様々な実施例において、前記第2のキネマティック・カップリング構造KN2は、第2の分離方向に分離するように構成され、これは、図示された例においては、図11の前記第1のキネマティック・カップリング構造KN1の前記第1の分離方向とは反対の前記負の軸方向NADである。前記第2のキネマティック・カップリング構造KN2は、前記V字形溝398が前記曲面388上の再現性の高い位置に置かれるので、前記休止位置RPに戻る前記スタイラス336の高い位置決め再現性を可能とする。
図11及び図12の前記プロセスによって示されているように、前記スタイラス運動機構334は、(例えば測定機200によって)前記測定プローブ300(例えば相対的に長いオーバートラベル距離の可能性をもって)前記測定プローブ300に内部ダメージを与えることなくワークW’に接触する測定プローブ300の動きを可能とし、前記スタイラス336の正及び負の軸方向の両方の動きを可能とする。例えば(表面点SP1及びSP2のような)表面点の座標の決定が、前記ワークW’のある寸法及び/又は形状特性の決定を可能とすることができる。例えば図12に示される構成において、前記ワークW’の寸法D12は、前記表面点SP1とSP2間の距離に従って決定される(この例において、前記Z座標間の距離D12=Z-Zに対応)。図示の構造において、そのようなプロセス(例えばワーク表面の上向き面及び下向き面の両方を測定)は、前記測定プローブ300の前記軸中心Oを前記測定機座標系の前記Z軸と整向させたまま達成される(例えば前記測定プローブ300をワークの上向きの面及び下向きの面の両方を測定する際に、回転したり、又は向きを変える必要が無い)。
図13は、測定プローブ300を含む測定システム100を動作させるための方法1300の実施例を示すフロー図である。ブロック1310で、スタイラス運動機構334の第1の運動部分MP1は、ワークとスタイラスの接触部363との接触によって、正の軸方向に対応する力が加わった時に、前記スタイラス336の休止位置RPから前記正の軸方向PADへの動きを可能にするのに利用される。ブロック1320で、前記スタイラス運動機構334の第2の運動部分MP2は、ワークと前記スタイラスの接触部362の接触によって、前記スタイラス336の前記休止位置RPから前記正の軸方向と反対の負の軸方向NADへの動きを可能にするのに利用される。
図14は、ワークの上向き及び下向きの表面を測定するために測定プローブ300を動かすための測定システム100を動作させる方法1400の実施例を示すフロー図である。ブロック1410で、スタイラス336の第1の接触部(例えば362A)がワークの上向きの表面UFWSに接触するように前記測定プローブが下方に動かされ、前記スタイラス336に正の軸方向PADの力を生じさせ、第1の運動部分MP1の前記利用を生じさせて、前記スタイラス336の前記休止位置RPから前記正の軸方向の前記動きを可能とする。ブロック1420で、前記第1の接触部の前記ワークの前記上向きの表面UFWSとの接触を検知するように前記少なくとも1つの検出素子が利用され、信号処理部366が、前記ワークの前記上向きの表面との前記接触を示す測定信号を出力する。
ブロック1430で、スタイラス336の第2の接触部(例えば362B)がワークの下向きの表面DFWSに接触するように前記測定プローブ300が上方に動かされ、前記スタイラス336に負の軸方向NADの力を生じさせ、前記第2の運動部分の利用を生じさせて、前記スタイラス336の前記休止位置RPから前記負の軸方向の動きを可能とする。ブロック1440で、少なくとも1つの検出素子325が、前記第2の接触部の前記ワークの前記下向きの表面DFWSとの接触を検知するのに利用され、前記信号処理部366が、前記ワークの前記下向きの表面との前記接触を示す測定信号を出力する。
望ましい本願の開示の実施例が図示され説明されているが、図示され説明された様相の配置及び動作のシークエンスの様々な変形が、この開示に基づいて当業者に自明である。様々な他の形式が、ここに開示された原理を実現するのに利用できる。更に、上記の様々な実施例が、更なる実施例を与えるために結び付けられる。この明細書中に引用された米国特許出願の全部が、ここに取り込められる。前記実施例の側面は改良され、必要であれば更なる実施例を与えるために様々な特許及び出願の概念が採用される。
これらの及び他の変化を、前記の記載に照らして前記実施例に対して行うことができる。一般的に、以下の特許請求の範囲において用いられた文言は、明細書及び特許請求の範囲中に開示された特定の実施例に権利範囲を限定するように解釈されてはならず、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の完全な範囲に沿って可能な解釈を全て含むように解釈されるべきである。
100…測定システム
110…操作部
120…入力ユニット
130…出力ユニット
140…システム制御部
150…ホストコンピュータ
200…座標測定機
210…表面プレート
220…駆動機構
221…Y軸駆動機構
222…X軸駆動機構
223…Z軸駆動機構
224…スピンドル
300…測定プローブ
304…スタイラスモジュール
320…信号処理回路
325…検出素子
332…球
334…スタイラス運動機構(オーバートラベル機構)
336…スタイラス
346…運動機構ホールド部
348、348’、388、388’396…曲面
350…第1のフレキシブル要素
356…第1のベース部
357…第1のトップ要素
358、358’、398、398’…放射状V字形溝
362、362A、362B…接触部
390…第2のフレキシブル要素
396…第2のベース部
397…第2のトップ要素
397CE…結合要素
A12…角度
CENL1…第1の中心線
CENL2…第2の中心線
CENP1…第1の中心点
CENP2…第2の中心点
CONP…接触点
CS…ケーシング
DFWS…ワークの下向き表面
FT1…第1の移送力
FT2…第2の移送力
KN1…第1のキネマティック・カップリング構造
KN2…第2のキネマティック・カップリング構造
MP1…第1の運動部分
MP2…第2の運動部分
NAD…負の軸方向
O…軸中心
PAD…正の軸方向
PE…基端
RP、RPCP…休止位置
SCP…スタイラス結合部
Sa、Sa1~Sa4…増幅信号
Sg、Sg1~Sg4…発生信号
SP1、SP2…表面点
Ss、Ss1~Ss4…センサ信号
Str…測定信号
UFWS…ワークの上向き表面
W…(測定対象)ワーク

Claims (17)

  1. 測定対象ワークと接触するように構成された、1以上の接触部を持つスタイラスと、
    該スタイラスの接触部のワークとの接触に対応するスタイラスの動きを検出するように構成された、少なくとも1つの検出素子と、
    前記少なくとも1つの検出素子の出力から得られた発生信号を処理して、測定信号を出力するように構成された信号処理部と、
    ワークと前記スタイラスの接触部との接触によって、測定プローブの基端に向かう正の軸方向の力が加わった時に、前記スタイラスの休止位置から前記正の軸方向への動きを可能にするように構成された第1の運動部分、及び、
    ワークと前記スタイラスの接触部との接触によって、前記休止位置から前記正の軸方向と反対の負の軸方向への動きを可能にするように構成された第2の運動部分、
    を有するスタイラス運動機構と、
    を有する測定プローブを備えた
    ことを特徴とする測定システム。
  2. 前記第1の運動部分が、更に、前記スタイラスの前記接触部が前記ワークから離れた時に、前記スタイラスを前記負の軸方向に動かして、前記スタイラスを前記休止位置に戻るように動かすように構成され、
    前記第2の運動部分が、更に、前記スタイラスの前記接触部が前記ワークから離れた時に、前記スタイラスを前記正の軸方向に動かして、前記スタイラスを前記休止位置に戻るように動かすように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の測定システム。
  3. 前記第1の運動部分が、前記正の軸方向への前記動きを可能とするように構成された、前記スタイラスに前記休止位置に向けて前記負の軸方向へ戻るように動かす力を与える第1のフレキシブル要素を備え、
    前記第2の運動部分が、前記負の軸方向への前記動きを可能とするように構成された、前記スタイラスに前記休止位置に向けて前記正の軸方向へ戻るように動かす力を与える第2のフレキシブル要素を備えていることを特徴とする請求項2に記載の測定システム。
  4. 前記第1のフレキシブル要素が、前記正の軸方向への前記動きを可能にするために圧縮されるように構成され、
    前記第2のフレキシブル要素が、前記負の軸方向への前記動きを可能にするために圧縮されるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の測定システム。
  5. 前記第1のフレキシブル要素を圧縮する、前記休止位置から前記正の軸方向への動きが、前記第2のフレキシブル要素に力を加えることがなく、
    前記第2のフレキシブル要素を圧縮する、前記休止位置から前記負の軸方向への動きが、前記第1のフレキシブル要素に力を加えることがないことを特徴とする請求項4に記載の測定システム。
  6. 前記第1の運動部分が第1のベース部と第1のトップ要素を備え、前記第1のフレキシブル要素が前記第1のベース部と前記第1のトップ要素の間に位置するように構成され、前記第1のベース部が、前記正の軸方向に動いて、前記第1のフレキシブル要素に対して押し付けて前記第1のベース部と前記第1のトップ要素の間で前記第1のフレキシブル要素を圧縮するように構成され、
    前記第2の運動部分が第2のベース部と該第2のベース部に結合された第2のトップ要素を備え、該第2のトップ要素が、前記負の軸方向に動いて、前記第2のフレキシブル要素に対して押し付けて前記第2のフレキシブル要素を圧縮するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の測定システム。
  7. 前記第2のトップ要素が連結要素によって前記第2のベース部に結合されると共に、前記第2のトップ要素が前記第2のベース部に対してピボットできるように構成されたピボット部分を含むことを特徴とする請求項6に記載の測定システム。
  8. 前記第2のベース部が、前記正の軸方向に動いて、前記第1のベース部に対して押し付け、前記第1のベース部が前記正の軸方向に動いて、前記第1のフレキシブル要素に対して押し付けて前記第1のフレキシブル要素を圧縮するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の測定システム。
  9. 前記測定プローブが、更に運動機構ホールド部分を備え、
    前記第1のベース部が、第1のキネマティック・カップリング構造の一部として、前記運動機構ホールド部分に結合され、
    前記第2のベース部が、第2のキネマティック・カップリング構造の一部として、前記第1のベース部に結合されていることを特徴とする請求項8に記載の測定システム。
  10. 前記第2のベース部が、前記スタイラスに固く結合されるように構成されたスタイラス結合部を備えていることを特徴とする請求項8に記載の測定システム。
  11. 前記第1の運動部分が第1のキネマティック・カップリング構造を備え、
    前記第2の運動部分が第2のキネマティック・カップリング構造を備え、
    前記第1のキネマティック・カップリング構造が第1の分離方向に分離するように構成され、
    前記第2のキネマティック・カップリング構造が前記第1の分離方向とは反対の第2の分離方向に分離するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の測定システム。
  12. 前記第1のキネマティック・カップリング構造が、1つの部分で、もう1つの部分の3つの曲面の第1のセットと合う、3つの放射状V字形溝の第1のセットを備え、
    前記第2のキネマティック・カップリング構造が、1つの部分で、もう1つの部分の3つの曲面の第2のセットと合う、3つの放射状V字形溝の第2のセットを備え、
    前記3つの放射状V字形溝の第2のセットのそれぞれのV字形溝が、前記3つの放射状V字形溝の第1のセットのそれぞれのV字形溝と反対の軸方向に向けられていることを特徴とする請求項11に記載の測定システム。
  13. 前記スタイラスの前記1以上の接触部が、上向きのワーク表面と接触するのに使われるように構成された第1の接触部と、下向きのワーク表面と接触するのに使われるように構成された第2の接触部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の測定システム。
  14. 測定対象ワークと接触するように構成された、1以上の接触部を持つスタイラスと、
    該スタイラスの接触部のワークとの接触に対応するスタイラスの動きを検出するように構成された、少なくとも1つの検出素子と、
    前記少なくとも1つの検出素子の出力から得られた発生信号を処理して、測定信号を出力するように構成された信号処理部と、
    第1の運動部分と第2の運動部分を備え、前記スタイラスの動きを可能にするように構成されたスタイラス運動機構と、
    を備えた測定プローブを含む測定システムを動作させるための方法であって、
    前記第1の運動部分を利用して、ワークと前記スタイラスの接触部との接触によって、前記測定プローブの基端に向かう正の軸方向の力が加わった時に、前記スタイラスの休止位置から前記正の軸方向への動きを可能にし、
    前記第2の運動部分を利用して、ワークと前記スタイラスの接触部との接触によって、前記休止位置から前記正の軸方向と反対の負の軸方向への動きを可能にすることを特徴とする測定システムの動作方法。
  15. 前記スタイラスの第1の接触部がワークの上向きの表面に接触するように前記測定プローブを下方に動かして、前記スタイラスに前記正の軸方向の力を生じさせ、前記スタイラスの前記休止位置から前記正の軸方向の前記動きを可能とする前記第1の運動部分の利用を生じさせ、
    前記スタイラスの第2の接触部がワークの下向きの表面に接触するように前記測定プローブを上方に動かして、前記スタイラスに前記負の軸方向の力を生じさせ、前記スタイラスの前記休止位置から前記負の軸方向の前記動きを可能とする前記第2の運動部分の利用を生じさせ、
    前記信号処理部が、前記ワークの前記上向きの表面との前記接触を示す測定信号を出力するため、前記第1の接触部の前記ワークの前記上向きの表面との接触を検知するように前記少なくとも1つの検出素子を利用し、
    前記信号処理部が、前記ワークの前記下向きの表面との前記接触を示す測定信号を出力するため、前記第2の接触部の前記ワークの前記下向きの表面との接触を検知するように前記少なくとも1つの検出素子を利用することを特徴とする請求項14に記載の測定システムの動作方法。
  16. 測定対象ワークと接触するように構成された、1以上の接触部を持つスタイラスと、
    該スタイラスの接触部のワークとの接触に対応するスタイラスの動きを検出するように構成された、少なくとも1つの検出素子と、
    前記少なくとも1つの検出素子の出力から得られた発生信号を処理して、測定信号を出力するように構成された信号処理部と、
    前記スタイラスに固く結合するように構成されたスタイラス結合部、
    ワークと前記スタイラスの接触部との接触によって、測定プローブの基端に向かう正の軸方向の力が加わった時に、前記スタイラスの休止位置から前記正の軸方向への動きを可能にするように構成された第1の運動部分、及び、
    ワークと前記スタイラスの接触部との接触によって、前記休止位置から前記正の軸方向と反対の負の軸方向への動きを可能にするように構成された第2の運動部分、
    を備えた前記スタイラス運動機構と、
    を備えた前記測定プローブを利用するためのスタイラス運動機構。
  17. 前記第1の運動部分が、1つの部分で、もう1つの部分の3つの曲面の第1のセットと合う、3つの放射状V字形溝の第1のセットを備え、
    前記第2の運動部分が、1つの部分で、もう1つの部分の3つの曲面の第2のセットと合う、3つの放射状V字形溝の第2のセットを備え、
    前記3つの放射状V字形溝の第2のセットのそれぞれのV字形溝が、前記3つの放射状V字形溝の第1のセットのそれぞれのV字形溝と反対の軸方向に向けられていることを特徴とする請求項16に記載のスタイラス運動機構。
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