JP3523400B2 - 電気加熱式触媒装置用メタル担体の製造方法およびメタル担体 - Google Patents

電気加熱式触媒装置用メタル担体の製造方法およびメタル担体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の排気ガス
浄化装置に用いられるロール状のハニカム体をなす触媒
装置用メタル担体に関し、特に電気絶縁被膜層を有する
絶縁用波板を含む電気加熱式触媒装置用メタル担体の製
造方法と、その絶縁被膜層を有する絶縁用波板を含むメ
タル担体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の排気ガス浄化装置に用いられる触
媒装置用メタル担体は、薄い金属の平板と波板の間にろ
う材を介在させて、平板と波板を重ねてロール状に巻き
込んでハニカム体を形成し、高真空炉を使用してろう材
を溶融させ、板材の接触部分において接合を行ってい
た。ろう材にはNi基ろう材を用い、かつ平板と波板に
はフェライト系ステンレス材料が使用されていた。その
ようにして形成されたハニカム体を金属製外筒内に収容
したものが触媒装置用メタル担体として知られている
(例えば特開昭56−4373号公報)。
【0003】ハニカム体のハニカム通路表面には触媒担
持層が形成され、その触媒担持層に貴金属触媒が担持さ
れて排気ガス浄化触媒の役目をなす。そして内燃機関の
排気通路に配設されて排気ガス中のHC,CO,NOx
などを浄化する。なお限られた容積中にできるだけ多く
のハニカム通路面積を確保する必要から、平板及び波板
の厚さは強度を維持できる範囲内でできるだけ薄くなっ
ている。
【0004】上述した触媒担持層に担持された貴金属触
媒は、ある程度の高温環境下で触媒反応が促進されるの
で、触媒装置はできるだけ、高温の排気ガスに曝される
ように内燃機関の排気弁の近くに設けられている。
【0005】しかしながら、このような触媒装置用メタ
ル担体においては、内燃機関の始動時には排気ガスの温
度が低いため触媒反応が充分に行われず、そのため排気
ガス中のHC,CO,NOxなどを浄化する能力が不充
分となる。この欠点を除くため種々の電気加熱式触媒装
置用メタル担体が開示されていて、始動時にメタル担体
を電気的に加熱して触媒反応を促進するようになってい
る。このような電気加熱式のメタル担体においては、図
11に示すように、ロール状に巻き回されたハニカム体
44の層の間を、表面に酸化アルミニウムなどの被膜層
を施した絶縁用波板43によって電気的に絶縁し、ハニ
カム体の巻き始めと巻き終りの板材の端部にそれぞれ電
源と接続するための電極を設け、ハニカム体44の巻き
取りの方向に電流を流す方式が採用されている。
【0006】このように形成された電気加熱式触媒装置
用メタル担体の消費電力すなわち発熱量の設定は、平板
42の枚数を増減して電気抵抗体の断面積を加減するこ
とにより行なっている。(以下これを平板多重構造とい
う)。
【0007】さらに別の例として、図12に示すよう
に、1枚の波板51と少なくとも1枚の平板52を重ね
て1層とし、その層を2層以上重ね合わせ、重ね合わせ
た層の中の少なくとも1枚の波板に電気絶縁性被膜層を
施して絶縁用波板53とし、ロール状に巻き回してハニ
カム構造のメタル担体を形成し、ハニカム体50の巻始
めと巻終りの板材の端部に電源と接続するための電極1
4,15を設け、ハニカム体50の巻取り方向に電流を
流すことによってハニカム体50を電気的に加熱するよ
うになっている。このように形成された電気加熱式触媒
装置用メタル担体の消費電力すなわち発熱量の設定は、
重ね合わせる層の数を増減することによって行なってい
る。(以下これを多層構造という)。
【0008】上述した消費電力の設定方法のほかに、ハ
ニカム体の外径、軸方向長さ、通気路の密度及び金属板
の厚さによって消費電力の調整が行なわれるが、これら
は一般に客先のニーズによって決められる場合が多い。
【0009】上述の電気絶縁用波板の製造方法には、
(1)PVD,CVDまたはイオンプレーテングによっ
て板材の表面に酸化アルミニウム(Al23 )などの
電気絶縁性被膜層を形成するか、または板材の表面にア
ルミニウムなどをコーテングした後大気焼成を行って同
様の被膜層を形成する方法や、(2)板材にアルミニウ
ムを含有するステンレス材(例えばFe−20Cr−5
Al)を用いて大気中または酸化雰囲気中で加熱し、表
面に酸化アルミニウムを析出させて電気絶縁性被膜層を
形成するなどの方法がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の電気加
熱式触媒装置用メタル担体を形成するロール状ハニカム
体の、層間を絶縁する絶縁用波板の製造方法には、次の
ような問題点がある。すなわち上述の(1)に示す方法
においては、板材の表面に任意の種類の絶縁被膜層を任
意の厚さに形成することができて便利であり、かつ板材
の片面のみまたは両面共に被膜層を形成することができ
るので選択の自由度が高いという利点がある反面、施工
費用が高くまた被膜層が剥離し易いという欠点があり、
上述の(2)に示す方法においては、大気焼成という簡
単な方法によって板材の被膜層を形成できるので便利で
はあるが、板材に含まれるアルミニウムの量が5%と少
ないために、大気焼成によって所望の厚い被膜層を形成
することは困難である。確実な絶縁を行うためには、被
膜層の厚さを1μm以上とする必要があるが、そのため
には1200℃以上の温度で焼成する必要があるため、
焼成炉の建設費及び炉のランニングコストが高価とな
る。さらに被膜層の厚さを1μm以上に形成したときに
は、母材中に固溶しているアルミニウムの消費が大とな
るため、板材の耐酸化寿命が短くなるという欠点があ
る。
【0011】上述の大気焼成法によって絶縁用波板に電
気絶縁性被膜層を形成する工程には、次の二つの方法が
ある。すなわち、(イ)板材を平板のまままたは波板に
成形後、大気焼成を行って絶縁性被膜層を形成し、その
板材を巻き取ってロール状のハニカム体を形成した後ろ
う付けを施す方法と、(ロ)板材を巻き取りロール状の
ハニカム体を形成してろう付けを行った後、大気焼成を
行って絶縁性被膜層を形成する方法とがある。
【0012】(イ)に示す方法においては、1200℃
以上の温度で焼成可能なため安定した被膜層が得られる
が、ろう付けが10-3〜10-6Torrの真空中におい
て行われるため、被膜層の一部が還元されるので、ろう
付け後に再び大気中で1100℃以下の温度に加熱して
被膜層を安定化させなければならないという欠点があ
り、(ロ)に示す方法においては、ろう付け後に大気焼
成を行うため、ろう付け部に異状酸化を生じない程度の
温度すなわち1100℃以下に大気焼成の温度を抑える
必要があるが、1100℃以下の温度では大気焼成によ
る安定した絶縁性被膜層を得ることは困難である。
【0013】上述した従来の平板多重構造の電気加熱式
触媒装置用メタル担体は、設計上消費電力すなわちハニ
カム体の発熱量を増加させる場合には、平板の枚数を増
して電気抵抗体としての断面積を増して対応する必要が
あるが、そのため平板の厚みの合計が大となってハニカ
ム体の圧力損失が無視できない程度となり、したがって
平板の重量が大となり、また重ね合わせによる平板部分
の発熱が大となってハニカム体全体が均一に加熱され
ず、重ね枚数が多くなると平板に接する波板のろう付け
部が高温となって溶融するおそれがあり、さらに消費電
力の増加を図るために平板枚数を増加させた結果、加熱
すべき熱容量が大となって加熱速度はむしろ遅くなると
いう欠点があり、さらに一般に平板間はろう付けを行な
わないのでテレスコーピングを生じ易いという欠点もあ
る。
【0014】さらに、上述の従来の多層構造の電気加熱
式触媒装置用メタル担体は、積み重ねる層の数を増すこ
とによって消費電力を増し、同時に加熱速度も速くなる
ような構造となっているが、積み重ねる層が1層増減す
る毎に消費電力の増減の割合が大きいために、客先の細
かいニーズに対応できないという欠点がある。
【0015】本発明の目的は、絶縁用波板に絶縁性被膜
層を生成するに当たり、施工費用が安価で、被膜層が剥
離しにくく、所望の被膜層の厚さが得られ、またろう付
け施工後においても安定した被膜層を生成できる、工程
に自由度のある製造方法を提供すること、および、電気
加熱式メタル担体の発熱量を増す場合に圧力損失や重量
増を生ぜず、均一に加熱可能でろう付け部分が過熱せ
ず、加熱速度が速く、テレスコーピングを生じる恐れが
なく、かつ消費電力に対する客先の細かいニーズに対応
できる電気加熱式触媒装置用メタル担体を提供すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の電気加熱
式触媒装置用メタル担体の製造方法は、帯状をなす薄い
金属板を折曲げて連続的な波形の凹凸を形成した波板材
と、平坦な帯状をなす薄い金属板からなる複数枚の平板
材と、鉄を含有する帯状をなす薄い金属板を折曲げて連
続的な波形の凹凸を形成した1枚の絶縁用波板とを含む
板材のうち、少なくとも絶縁用波板を溶融したアルミニ
ウム中に浸漬して、表面に鉄とアルミニウムとの相互拡
散による合金層を形成させ、1枚の波板材と少なくとも
1枚の平板材とを重ね合わせて形成した、少なくとも一
つの第1の層と、1枚の前記合金層が形成された絶縁用
波板と少なくとも1枚の前記平板材とを重ね合わせて形
成した第2の層とを積み重ね、これら重ね合わせた板材
の中の所定の板材の間にろう材を介在させ、積み重ねた
複数の層を一方の端部から軸の周りにロール状に巻き回
して、多数の網目状通気路を具備するハニカム体を形成
した後、ハニカム体をろう付けし、ろう付けしたハニカ
ム体を酸化雰囲気中で焼成して、合金層が形成された絶
縁用波板の表面に酸化アルミニウムの電気絶縁性被膜層
を生成させるものである。
【0017】本発明の第2の電気加熱式触媒装置用メタ
ル担体の製造方法は、帯状をなす薄い金属板を折曲げて
連続的な波形の凹凸を形成した波板材と、平坦な帯状を
なす薄い金属板からなる複数枚の平板材と、鉄を含有す
る帯状をなす薄い金属板を折曲げて連続的な波形の凹凸
を形成した1枚の絶縁用波板とを含む板材のうち、少な
くとも絶縁用波板を溶融したアルミニウム中に浸漬し
て、表面に鉄とアルミニウムとの相互拡散による合金層
を形成させ、表面に鉄とアルミニウム合金層を形成させ
た絶縁用波板を、酸化雰囲気中で焼成して表面に酸化ア
ルミニウムの電気絶縁性被膜層を生成させ、1枚の波板
材と少なくとも1枚の平板材とを重ね合わせて形成し
た、少なくとも一つの第1の層と、1枚の電気絶縁性被
膜層が生成された絶縁用波板と少なくとも1枚の平板材
とを重ね合わせて形成した第2の層とを積み重ね、これ
ら重ね合わせた板材の中の所定の板材の間にろう材を介
在させ、積み重ねた複数の層を一方の端部から軸の周り
にロール状に巻き回して、多数の網目状通気路を具備す
るハニカム体を形成した後、ハニカム体をろう付けする
ものである。
【0018】本発明の第3の電気加熱式触媒装置用メタ
ル担体の製造方法は、帯状をなす薄い金属板を折曲げて
連続的な波形の凹凸を形成した波板材と、平坦な帯状を
なす薄い金属板からなる複数枚の平板材と、鉄を含有す
る帯状をなす薄い金属板を折曲げて連続的な波形の凹凸
を形成した1枚の絶縁用波板とを含む板材を用い、1枚
の波板材と少なくとも1枚の平板材とを重ね合わせて形
成した少なくとも一つの第1の層と、1枚の絶縁用波板
と少なくとも1枚の平板材とを重ね合わせて形成した第
2の層とを積み重ね、これら重ね合わせた板材の中の所
定の板材の間にろう材を介在させ、積み重ねた複数の層
を一方の端部から軸の周りにロール状に巻き回して、多
数の網目状通気路を具備するハニカム体を形成した後、
ハニカム体をろう付けし、ろう付けしたハニカム体を、
溶融したアルミニウム中に浸漬して、少なくとも絶縁用
波板の表面に鉄とアルミニウムの合金層を形成させ、ハ
ニカム体を酸化雰囲気中で焼成して合金層が形成された
絶縁用波板の表面に酸化アルミニウムの電気絶縁性被膜
層を生成させるものである。
【0019】本発明の第4の電気加熱式触媒装置用メタ
ル担体の製造方法は、帯状をなす薄い金属板を折曲げて
連続的な波形の凹凸を形成した波板材と、平坦な帯状を
なす薄い金属板からなる複数枚の平板材と、鉄を含有す
る帯状をなす薄い金属板を折曲げて連続的な波形の凹凸
を形成した1枚の絶縁用波板とを含む板材を用い、1枚
の波板材と少なくとも1枚の平板材とを重ね合わせて形
成した、少なくとも一つの第1の層と、1枚の絶縁用波
と少なくとも1枚の平板材とを重ね合わせて形成した第
2の層とを積み重ね、これら重ね合わせた板材の中の所
定の板材の間にろう材を介在させ、積み重ねた複数の層
を一方の端部から軸の周りにロール状に巻き回して、多
数の網目状通気路を具備するハニカム体を形成し、ハニ
カム体を溶融したアルミニウム中に浸漬して、少なくと
も絶縁用波板の表面に鉄とアルミニウムの合金層を形成
した後、ハニカム体をろう付けし、ろう付けしたハニカ
ム体を酸化雰囲気中で焼成して、合金層が形成された絶
縁用波板の表面に酸化アルミニウムの電気絶縁性被膜層
を生成させるものである。
【0020】上述した本発明の各方法によって製造した
電気加熱式触媒装置用メタル担体は、帯状をなす薄い金
属板を折曲げて連続的な波形の凹凸を形成した1枚の波
板材と、平坦な帯状をなす薄い金属板からなる少なくと
も1枚の平板材とが相互に当接して重なり合って形成さ
れた、少なくとも一つの第1の層と、電気絶縁性被膜層
を具備する1枚の絶縁用波板と少なくとも1枚の平板材
が接合されることなく相互に当接して重なり合って形成
された第2の層とが積み重ねられ、積み重ねた複数の層
が一方の端部から軸の周りにロール状に巻かれて形成さ
れて、多数の網目状通気路を備えたハニカム体をなし、
ハニカム体のロール状に巻き回された層間が電気的に絶
縁され、ハニカム体の巻き始めと巻き終りに電極を有
し、電極の間にを電流を流すことによってハニカム体が
加熱される電気加熱式触媒装置用メタル担体であって、
少なくとも絶縁用波板が、溶融したアルミニウム中に浸
漬されて、表面付近に形成した鉄とアルミニウムの合金
層を酸化雰囲気中で焼成して生成した、酸化アルミニウ
ムの電気絶縁性被膜層を有している。
【0021】上述の電気絶縁性被膜層を有する絶縁用波
板は、焼成前に、当接する平板材と一方の面においてろ
う材によって接合されると、テレスコーピング防止する
上で好適である。
【0022】上述のメタル担体の消費電力を設計上増減
させるには、積み重ねる層の数と平板の枚数のうちの少
なくとも何れか一方の数を増減して行ない、或いはさら
に層の巻取り方向の長さを増減して行なうことが好適で
ある。
【0023】メタル担体の消費電力を設計上増加させる
場合、長さlの波板と平板よりなる層を中央にて切断し
て長さl/2の層を形成すれば、消費電力は2倍とな
り、長さl/2の層を2層積み重ねた場合には4倍の消
費電力のハニカム体が得られる。この場合板材の長さの
合計が当初と変らぬため、ハニカム体の重量や圧力損失
は不変であり、加熱速度は速くなる。
【0024】さらに長さlの1枚の波板と1枚の平板か
らなる層を2層積み重ね巻き回して形成したハニカム体
に於て、2層のうちの1層の平板を2枚に増加した場合
の消費電力は、(5/4倍)=1.25倍となる。
【0025】このように、ハニカム体を形成する層の積
み重ねの数、平板の枚数及び層の全長を増減することに
より、設計上所望の消費電力のハニカム体を形成するこ
とができる。
【0026】
【発明の実施の形態】1枚の波板材と複数枚の平板材と
を重ね合わせ、隣り合う2枚の平板材の間に電気絶縁性
被膜層を有する絶縁用波板を装入して、これら重ね合わ
せた板材の中の所定の板材の間にろう材を介在させ、重
ね合わせた板材の一方の端部からロール状に巻き回して
ハニカム体を形成し、巻き取り方向に電流を流してハニ
カム体を加熱する形式の電気加熱式触媒装置用メタル担
体を製造する場合、または、1枚の波板と少なくとも1
枚の平板とを重ね合わせた層を、少なくとも2層以上積
み重ね、積み重ねた層のうちの少なくとも1層の波板に
電気絶縁性被膜層を施し、絶縁用波板として層間を電気
的に絶縁し、積み重ねた層の一方の端部を中心としてロ
ール状に巻いてハニカム体を形成し、ハニカム体の巻取
り方向に電流を流すことによってハニカム体の加熱を行
なうようにした形式の電気加熱式触媒装置用メタル担体
を製造するに際し、絶縁用波板の表面に酸化アルミニウ
ムの絶縁性被膜層を形成する手段として、図1に示すよ
うに、鉄(Fe)を含有する母材mから形成した波板
を、溶融したアルミニウム中に浸漬し、母材mに含まれ
る鉄(Fe)とアルミニウム(Al)との拡散作用によ
り母材mの表面付近に鉄とアルミニウムの合金層を形成
させて、大気中または酸化雰囲気中で母材を加熱すれ
ば、鉄とアルミニウムの合金層は酸化アルミニウム(A
23 )の被膜層を生成し、強固な電気絶縁性被膜層
を形成することができる。
【0027】絶縁用波板に電気絶縁性被膜層を施すに
は、 A.板材の段階で溶融アルミニウム中に浸漬した後、A
1 .巻き取ってハニカム体とし、ろう付け、焼成を行う
か、A2 .焼成後、巻き取ってハニカム体とし、ろう付
けを行う。
【0028】B.板材を巻き取ってハニカム体に形成し
た後、B1 .ろう付け後、溶融アルミニウムに浸漬、焼
成を行うか、B2 .溶融アルミニウムに浸漬、ろう付け
後、焼成を行う。などの方法により実施する。
【0029】また、この電気加熱式触媒装置用メタル担
体の消費電力を設計上所望の値に調整するには、ハニカ
ム体を構成する層の数と平板の枚数のうちの、少なくと
も何れか一方の数を増減することによって行なうか、或
いはさらに層の巻取り方向の長さを増減することによっ
て、ハニカム体の電気抵抗値を変化させて行なう。
【0030】図2(A)に示すように、全長がlの波板
1枚と平板1枚を重ねた層を2層積み重ねた多層構造の
ハニカム体を、本発明によるハニカム体の基本形式とす
ると、その積み重ねた2層を長手方向中央で切断して長
さがl/2となった層を、図2(B)に示すように積み
重ねた場合には、巻取り方向の抵抗値が1/4となるか
ら消費電力を4倍とすることが出来る。しかも重量は増
加せず、圧力損失に変化は無く、ハニカム体全体を均一
に加熱することが出来、かつ重量当りの消費電力が増加
することによって加熱速度が向上する。さらに多層構造
に於て層の数が多くなればろう材で固定されている部分
の断面積が大きくなるため、テレスコーピングが発生し
づらくなる。
【0031】上述の本発明の基本形式のハニカム体を、
図2(C)に示すように、板材の全長を変えずに平板の
枚数を2枚から3枚にした平板多重構造のハニカム体に
於ては、板材全体の枚数が4枚から5枚に増すために、
各々の板材の電気抵抗値が同一と仮定すれば、全体の電
気抵抗値は(4/5倍)となり、従って消費電力は(5
/4倍)=1.25倍となる。この場合、板材の全長が
不変であるから個々の板材に流れる電流密度は同じであ
り全体の加熱速度も変らない。
【0032】このように多層構造の層を更に積み重ね、
さらに各層の板材の全長を短縮することにより、比較的
大幅の消費電力の増加を行うことが出来、また平板多重
構造の平板の枚数を増減することによって比較的小幅の
消費電力の増減が可能となるので、この多層構造と平板
多重構造との両者を組み合わせることによって更に細か
い客先のニーズに合致した消費電力のハニカム体を設計
することが出来る。
【0033】積み重ねた層のうちの少なくとも1層を形
成する波板に電気絶縁性被膜層を施して絶縁用波板を形
成する場合、その被膜層は波板の片面又は両面に施すこ
とが出来る。両面に被膜層を施した場合には平板と接合
しないが、片面のみに被膜層を施した場合には、被膜層
を施さない面を平板と接合できるので、テレスコーピン
グの防止に効果がある。
【0034】電気絶縁性被膜層を両面に施した絶縁用波
板を用いて形成したロール状ハニカム体において、絶縁
用波板の巻き始め及び巻き終りの部分を平板材とろう付
けすることにより、絶縁用波板にも電流を流して発熱体
とすることが出来るので消費電力を増加させる方法とし
て効果がある。また片面のみに被膜層を施した絶縁用波
板は、平板と片面を接合出来るので発熱体とすることが
出来同様の効果が得られる。
【0035】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の電気加熱式触媒装置用メタ
ル担体のハニカム体に用いる絶縁用波板に、電気絶縁被
膜層を生成させる工程の説明図、図3は、本発明のメタ
ル担体のハニカム体を形成する板材の構成を示す模式的
断面図、図4は、本発明によるメタル担体の軸に直角な
断面の略図である。
【0036】図1において、絶縁用波板材には、通常ア
ルミニウムを含有するフェライト系ステンレスの薄板
(厚さ約50μm)の母材m(例えばFe−20Cr−
5Al)が用いられるが、必ずしもアルミニウムを含む
母材を用いる必要はなく、SUS430などのステンレ
スや鉄鋼材料を用いてもよい。
【0037】溶融アルミニウムには、通常純アルミニウ
ムを用い650℃〜900℃(700℃を基準)に加熱
して溶融アルミニウムとするが、別のアルミニウム合金
を用いることもできる。
【0038】母材mを溶融アルミニウム中に浸漬すれ
ば、母材mの表面に近い部分において、母材mの主成分
である鉄(Fe)と溶融アルミニウム(Al)との間に
相互拡散が行われて、FeとAlの合金層aが表面から
深さtまで生成する。深さtは浸漬時間及び溶融アルミ
ニウムの温度に比例するが、厚さ約50μmの母材を使
用する場合には、t<25μmとするのが好ましい。こ
の理由は合金層が母材に比べて脆いため母材の耐久性を
保つために母材部分を残す必要があるからである。
【0039】また合金層aは、浸漬時間と溶融アルミニ
ウムの温度によってFeとAlの組成を異にするため、
合金層中のAlの濃度が20〜80%(好ましくは50
〜60%)になるように浸漬時間と温度をコントロール
する。Alの濃度が20%以下の場合には合金層が形成
されない。Al濃度が80%以上の場合には融点が降下
して1150℃以下となるため、ハニカム体をろう付け
する際に母材が溶融するおそれがあり、また担体として
の耐熱性も損なわれる。
【0040】浸漬時間は温度によって変える必要がある
が、1分〜30分(10分を標準とする)の間で調整を
行う。1分以下においては合金層aの生成が不充分とな
ってムラを生じ、30分以上ではAlとFeが拡散する
際にFeの溶け出す量が多くなって母材の重量が減少す
るという問題を生じる。
【0041】以上のような点を考慮して、母材mの表面
に所定の深さtを有する合金層aを生成し、かつ合金層
中のAlの組成を所望の値となるように浸漬時間及び温
度を設定して、溶融アルミニウム中に母材を浸漬した後
母材を引き上げる。引き上げた母材の表面には、10μ
m程度のAl層が付着するから、母材の見掛けの厚さは
約70μmとなっている(図1(B)参照)。
【0042】このようにして合金層aの上に付着したA
lの層は、不活性雰囲気中または大気中で加熱して合金
層へと変化させる。この際不活性雰囲気中ではAlの酸
化のおそれがないため、一般に900℃以下に加熱し、
大気中加熱の場合にはAlの酸化を防ぐため650℃以
下で加熱することが望ましい。ろう付けを行えばAl層
も同時に合金層へ変化する。Alが合金層へ変化した後
の母材の見掛けの厚さは<70μmとなる(図1(C)
参照)。
【0043】合金層aが生成した母材を約1000℃の
酸化雰囲気中で1〜2時間加熱することによって、合金
層aの表面に厚さ1〜2μmの酸化アルミニウム(Al
2 3 )の電気絶縁性被膜層が形成され、見掛けの厚さ
が約70μmの絶縁用波板ができる(図1(D)参
照)。
【0044】上記において、絶縁用波板を単独に溶融ア
ルミニウムの中に浸漬した後酸化雰囲気中で焼成して、
表面にAl23 の被膜層を生成して電気絶縁性被膜層
を有する絶縁用波板を形成する工程を述べたが、この絶
縁用波板を含んでメタル担体を製造する方法には、次の
4通りの方法がある。すなわち、 A.板材の段階で合金層を生成させた後、(A1 )ハニ
カム体を形成し、ろう付けし、大気焼成を行う(A2
大気焼成した後、ハニカム体を形成し、ろう付けを行う B.板材でハニカム体を形成した後、(B1 )ろう付け
し、合金層を生成させ、大気焼成を行う(B2 )合金層
を生成させた後、ろう付けし、大気焼成を行う。
【0045】実施例1(A1 ) 1枚の絶縁用波板(母材の組成Fe−20Cr−5A
l)を、700℃に加熱溶融させた純アルミニウムの中
に10分間浸漬し、表面にAl濃度50〜60%を含む
FeとAlの合金層を形成させた後引き上げる。次に、
図3に示すように、1枚の波板材1と1枚の平板材2と
を重ね合わせて第1の層21を形成し、1枚の平板材2
と合金層が形成された絶縁用波板13とを重ね合わせて
第2の層22を形成し、波板材1の上下にろう材4を介
在させて、第1の層21と第2の層22を重ねてその一
方の端部よりロール状に巻き回して、図4に示すような
断面形状のハニカム体10を形成した後、真空加熱炉内
においてろう付けを行う。合金層を有する絶縁用波板1
3の表面には、アルミニウムの薄膜(約10μm厚)が
付着しているが、真空炉内における加熱によって合金層
に変化する。ろう付けしたハニカム体10を大気中また
は酸化雰囲気中で1000℃で1〜2時間焼成すること
により、合金層を有する絶縁用波板13の両面に厚さ1
〜2μmの安定した酸化アルミニウム(Al23 )の
電気絶縁性被膜層が生成されて、電気絶縁性被膜層を有
する絶縁用波板23を含むメタル担体11が形成され
る。
【0046】実施例2(A2 ) 実施例1と同様の方法でFeとAlの合金層を形成させ
た絶縁用波板13を、大気中または酸化雰囲気中で10
00℃で1〜2時間焼成して、両面に厚さ1〜2μmの
安定した酸化アルミニウム(Al23 )の電気絶縁性
被膜層を生成させて絶縁用波板23を形成し、さらに板
材を重ね合わせて図4に示すハニカム体10を形成した
後、真空炉内でろう付けを行う。絶縁用波板23には既
に被膜層が生成されているから、層間が絶縁された電気
加熱式メタル担体11が得られる。
【0047】実施例3(B1 ) 図3に示す構成の板材を重ね合わせ、波板材1の上下に
ろう材4を介在させて、ハニカム体10を形成した後、
真空炉内でろう付けを行い、ろう付けを行ったハニカム
体10を溶融アルミニウムの中に浸漬して少なくとも表
面にFeとAlの合金層が形成された絶縁用波板13を
形成し、、ハニカム体10を大気中または酸化雰囲気中
で焼成して、絶縁用波板13の表面に酸化アルミニウム
(Al23 )の電気絶縁性被膜層を生成させて、図4
に示す層間が絶縁された電気加熱式メタル担体11を得
る。
【0048】実施例4(B2 ) 実施例3と同様の方法で、ハニカム体10を形成した
後、ハニカム体10を溶融したアルミニウム中に浸漬し
て少なくとも絶縁用波板3の表面にFeとAlの合金層
を形成させた後、ハニカム体10を真空炉中でろう付け
を行い、さらにハニカム体10を大気中または酸化雰囲
気中で焼成して合金層が形成された絶縁用波板13の表
面に酸化アルミニウム(Al23 )の電気絶縁性被膜
層を生成させて、図4に示す層間が絶縁された電気加熱
式メタル担体11を得る。
【0049】上記の実施例に述べた製造方法によるハニ
カム体10は、波板材1と平板材2との間がろう材4に
より接合されているが、電気絶縁被膜層を有する絶縁用
波板23と2枚の平板材2との間はろう材による接合が
行われていないため、ハニカム体の熱による膨張・収縮
に対し自由度を有し、ハニカム体の熱応力を緩和する役
目を果たしている。
【0050】また本発明による酸化アルミニウムの電気
絶縁性被膜層の焼成温度は1000℃であって、ハニカ
ム体のろう付け部に異状酸化を生じる温度1100℃よ
り低い。すなわち、ろう付け後において絶縁性被膜層の
焼成が可能であるので、絶縁用波板3又は13の片面
を、当接する一方の平板材2と接合した後焼成を行うこ
とができる。したがって、絶縁用波板の片側の面のみを
平板材と接合した後焼成して形成されたハニカム体は、
従来の両面とも平板材に接合されない絶縁用波板23を
有するハニカム体よりも、ガス圧によるテレスコーピン
グに対して強い抵抗力を有している。
【0051】次に本発明の電気加熱式触媒装置用メタル
担体を加熱するための消費電力の設計上の増減を行なう
方法を説明する。図5は本発明の電気加熱式触媒装置用
メタル担体の種々の板材の構成を示す模式的断面の図で
あって、従来の技術による全長がlの各1枚の平板と波
板を含む1層からなるハニカム体を基準層とし、以下こ
の基準層を分割して長さl/2ないしl/8の層として
それら各層を積み重ねたときの板材の構成を示す断面略
図と、基準層を基準とした夫々の比較消費電力(発熱
量)とを示している。この際層毎の各板材の電気抵抗値
を同一と仮定し、また波板のうち少なくとも1枚に絶縁
被膜層を施して、全ての板材に対し巻取り方向に電流を
流しうるようにしてある。
【0052】図5に於て、従来の技術による全長lの波
板1と平板2各1枚からなる「基準層」を、長手方向に
1/2に切断して積み重ねて、本発明の基本形式である
2層積み重ね構造を形成すれば、板材の断面積の合計は
基準層に比し2倍となり、全長は1/2であるため電気
抵抗値は1/4となり、従って消費電力を4倍とするこ
とができるのに対して、重量と圧力損失は不変であり、
加熱速度は速くなる。以下同様に全長lを1/3ないし
1/8に切断して3層ないし8層に積み重ねれば、板材
の断面積は3倍ないし8倍となり、全長は1/3ないし
1/8となるため、従来の技術の基準層に対し電気抵抗
値は1/9ないし1/64となり、従って消費電力を9
倍ないし64倍とすることができる。
【0053】このようにして形成した本発明による多層
構造のハニカム体は、重量及び圧力損失を増加させるこ
となく大幅な消費電力の増加を計ることができる。
【0054】さらに本発明の基本形式の2層構造を基準
にとれば、3層に積み重ねた場合の消費電力は9/4倍
すなわち2.25倍となる。この場合2.25倍迄の間
に更に細かい段階の消費電力の設定が必要な場合には、
図6に示すように、本発明の基本構造である2層積み重
ね構造に於て、板材の全長を変えずに平板1枚を追加す
ることによって板材の断面積が5/4倍となり、従って
消費電力も5/4倍=1.25倍となる。同様にして2
層積み重ね構造の平板をさらに1枚づつ増すことによっ
て1.5倍、1.75倍、2.0倍と細かい消費電力の
増加設定が可能となる。
【0055】このように本発明により2層構造を基本形
式として層の数と平板の枚数の少なくとも何れか一方の
数を増減し、さらに層の巻き取り方向長さを増減するこ
とを併せて行えば、所望の消費電力を有するハニカム体
が得られる。
【0056】図7は、1枚の波板1と1枚の平板2より
なる層を3層積み重ねた、本発明によるロール状のハニ
カム体20の図であって、図7(A)はハニカム体の軸
に直角な断面略図、図7(B)は板材の構成を示す略図
であって、内側の波板が絶縁用波板23を形成してい
る。図7(C)はハニカム体の斜視略図で、中心及び外
周にハニカム体の巻き取り方向に電流を流す為の電極1
4,15が設けられている。
【0057】図8は、図7と同様の本発明による5層積
み重ねたロール状のハニカム体30の図であって、外側
の波板が絶縁用波板23を形成している。絶縁用波板2
3の位置は、積み重ねた層のどの層の波板の位置に配設
することもできる。図8(C)は図7(C)と同様の斜
視図である。
【0058】図9は、1枚の波板1と3枚の平板2とを
重ねた層を3層積み重ねた本発明によるロール状のハニ
カム体40の図であって、外側の波板が絶縁用波板23
として配置されている。図9(A)のX部詳細図に、平
板2が3枚重ねられた状態を示してある。
【0059】図10は、本発明によるロール状のハニカ
ム体を形成する絶縁用波板のろう付けの要領を示す説明
図であって、図10(A)は3層積み重ねられた層のう
ちの最下部の層の波板が絶縁用波板23を形成し、その
両面が絶縁性被膜層3aを有する場合に、巻始めと巻終
りの部分のみの被膜を除き平板2とろう材6で接合し
て、絶縁用波板23にも電流を通して他の板材と同様の
発熱体とすることが出来る。図10(B)は3層積み重
ねられた層のうちの最下部の層の波板23が、その片面
にのみ絶縁性被膜層3aが施され、他の面は被膜層が施
されないためその面を平板2にろう材6で接合すること
が出来る。この場合は絶縁用波板23にも電流を流して
他の板材と同様に発熱体となしうる。図10(A)
(B)に示す絶縁用波板23以外の波板1がすべて平板
2と接合されても、絶縁用波板23の平板2と接合され
ない面が滑りに対する自由度を有するので、ハニカム体
の熱応力を緩和する役割を果すことができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、溶融した
アルミニウム中に絶縁用波板の母材を浸漬して、浸漬中
にAlとFeとの相互拡散作用によりAl濃度20〜8
0%を含むFeとAlの合金層を形成し、酸化雰囲気中
でろう付け温度より低温で焼成してAl23 の被膜を
生成して絶縁用波板を形成するようにしたため、ろう付
け後に焼成できるので、(1)母材に合金層形成−巻き
取り−ろう付け−焼成、(2)合金層形成−焼成−巻き
取り−ろう付け、(3)巻き取り−ろう付け−合金層形
成−焼成、(4)巻き取り−合金層形成−ろう付け−焼
成、などハニカム体の製造工程に自由度が与えられると
いう効果があり、焼成後ろう付けを行った場合でも、被
膜層が緻密なためにろう付けにより還元されにくいので
再加熱を行う必要がなく、また、Alの含有量が多いた
めに耐酸化寿命が長く、さらに、絶縁用波板の片面をろ
う付けし、他方の面に絶縁被膜層を生成させてテレスコ
ーピングに強いハニカム体を形成できるという効果があ
り、焼成温度が低いため炉の設備費及びランニングコス
トを低減することができ、また絶縁用波板に組成がFe
−20Cr−5Alのような高価な母材を使用する必要
がなく、安価なSUS430や鉄鋼材料を使うことがで
きるという効果を奏する。
【0061】さらにまた本発明は、1枚の波板と少なく
とも1枚の平板とで形成された層を、少なくとも2層積
み重ね、積み重ねた層の中の少なくとも1枚の波板を絶
縁用波板としてロール状のハニカム体を形成し、積み重
ねた層の数と平板の枚数のうちの少なくとも何れか一方
の数を増減するか、或いはさらに層の巻き取り方向の長
さを増減するようにして、設計時の消費電力を広範囲に
かつ細かく設定出来るようにしたため、ハニカム体の重
量や圧力損失を増加させず、均一に加熱可能でろう付け
部分が過熱せず、加熱速度が速く、テレスコーピングを
生じる恐れがなく、かつ消費電力に対する客先の細かい
ニーズに対応できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気加熱式触媒装置用メタル担体のハ
ニカム体に用いる絶縁用波板に、絶縁性被膜層を生成さ
せる工程の説明図である。
【図2】本発明の電気加熱式触媒装置用メタル担体の、
ハニカム体を形成する板材の構成を示す模式図で、
(A)は基本形式、(B)は多層構造、(C)は多層+
平板多重構造の図である。
【図3】本発明のハニカム体を形成する板材の構成を示
す模式的断面図である。
【図4】図3に示す板材を用いて形成するメタル担体の
軸に直角な断面略図である。
【図5】本発明の電気加熱式触媒装置用メタル担体の、
種々の多層構造を示す模式的断面と、基準層と比較した
各多層構造の消費電力の比較を示す図表である。
【図6】本発明の電気加熱式触媒装置用メタル担体の、
多層+平板多重構造の消費電力の比較を示す図表であ
る。
【図7】本発明の電気加熱式触媒装置用メタル担体の略
図であって、(A)はハニカム体の軸に直角な断面の
図、(B)は板材の構成を示す模式図、(C)はハニカ
ム体の斜視図である。
【図8】図7と同様の図である。
【図9】図8と同様の図である。
【図10】本発明の電気加熱式触媒装置用メタル担体
の、絶縁用波板のろう付けの要領を示す説明図である。
【図11】従来の技術による電気加熱式触媒装置用メタ
ル担体の図で、(A)は板材の構成を示す模式図、
(B)はハニカム体の軸に直角な断面略図である。
【図12】従来の技術による電気加熱式触媒装置用メタ
ル担体の図で、(A)は板材の構成を示す図、(B)は
ハニカム体の斜視図である。
【符号の説明】
1,41,51 波板材/波板 2,42,52 平板材/平板 3 絶縁用波板 3a 絶縁用被膜層 4,6 ろう材 10,20,30,40,44,50 ハニカム体 11 メタル担体 13 合金層が形成された絶縁用波板 14,15 電極 21 第1の層 22 第2の層 23 電気絶縁被膜層を有する絶縁用波板 a 合金層 m 母材

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状をなす薄い金属板を折曲げて連続的
    な波形の凹凸を形成した波板材と、平坦な帯状をなす薄
    い金属板からなる複数枚の平板材と、鉄を含有する帯状
    をなす薄い金属板を折曲げて連続的な波形の凹凸を形成
    した1枚の絶縁用波板とを含む板材のうち、少なくとも
    前記絶縁用波板を溶融したアルミニウム中に浸漬して、
    表面に前記鉄とアルミニウムとの相互拡散による合金層
    を形成させ、 1枚の前記波板材と少なくとも1枚の前記平板材とを重
    ね合わせて形成した、少なくとも一つの第1の層と、1
    枚の前記合金層が形成された絶縁用波板と少なくとも1
    枚の前記平板材とを重ね合わせて形成した第2の層とを
    積み重ね、 これら重ね合わせた板材の中の所定の板材の間にろう材
    を介在させ、 前記積み重ねた複数の層を一方の端部から軸の周りにロ
    ール状に巻き回して、多数の網目状通気路を具備するハ
    ニカム体を形成した後、該ハニカム体をろう付けし、 ろう付けした該ハニカム体を酸化雰囲気中で焼成して、
    前記合金層が形成された絶縁用波板の表面に酸化アルミ
    ニウムの電気絶縁性被膜層を生成させる、電気加熱式触
    媒装置用メタル担体の製造方法。
  2. 【請求項2】 帯状をなす薄い金属板を折曲げて連続的
    な波形の凹凸を形成した波板材と、平坦な帯状をなす薄
    い金属板からなる複数枚の平板材と、鉄を含有する帯状
    をなす薄い金属板を折曲げて連続的な波形の凹凸を形成
    した1枚の絶縁用波板とを含む板材のうち、少なくとも
    前記絶縁用波板を溶融したアルミニウム中に浸漬して、
    表面に前記鉄とアルミニウムとの相互拡散による合金層
    を形成させ、 前記合金層が形成された絶縁用波板を、酸化雰囲気中で
    焼成して表面に酸化アルミニウムの電気絶縁性被膜層を
    生成させ、 1枚の前記波板材と少なくとも1枚の前記平板材とを重
    ね合わせて形成した、少なくとも一つの第1の層と、 1枚の前記電気絶縁性被膜層が生成された絶縁用波板と
    少なくとも1枚の前記平板材とを重ね合わせて形成した
    第2の層とを積み重ね、 これら重ね合わせた板材の中の所定の板材の間にろう材
    を介在させ、 前記積み重ねた複数の層を一方の端部から軸の周りにロ
    ール状に巻き回して、多数の網目状通気路を具備するハ
    ニカム体を形成した後、該ハニカム体をろう付けする、
    電気加熱式触媒装置用メタル担体の製造方法。
  3. 【請求項3】 帯状をなす薄い金属板を折曲げて連続的
    な波形の凹凸を形成した波板材と、平坦な帯状をなす薄
    い金属板からなる複数枚の平板材と、鉄を含有する帯状
    をなす薄い金属板を折曲げて連続的な波形の凹凸を形成
    した1枚の絶縁用波板とを含む板材を用い、 前記1枚の波板材と少なくとも1枚の前記平板材とを重
    ね合わせて形成した、少なくとも一つの第1の層と、 1枚の前記絶縁用波板と少なくとも1枚の前記平板材と
    を重ね合わせて形成した第2の層とを積み重ね、 これら重ね合わせた板材の中の所定の板材の間にろう材
    を介在させ、 前記積み重ねた複数の層を一方の端部から軸の周りにロ
    ール状に巻き回して、多数の網目状通気路を具備するハ
    ニカム体を形成した後、該ハニカム体をろう付けし、 ろう付けした該ハニカム体を、溶融したアルミニウム中
    に浸漬して、少なくとも前記絶縁用波板の表面に前記
    とアルミニウムとの相互拡散による合金層を形成させ、 該ハニカム体を酸化雰囲気中で焼成して、前記合金層が
    形成された絶縁用波板の表面に酸化アルミニウムの電気
    絶縁性被膜層を生成させる、電気加熱式触媒装置用メタ
    ル担体の製造方法。
  4. 【請求項4】 帯状をなす薄い金属板を折曲げて連続的
    な波形の凹凸を形成した波板材と、平坦な帯状をなす薄
    い金属板からなる複数枚の平板材と、鉄を含有する帯状
    をなす薄い金属板を折曲げて連続的な波形の凹凸を形成
    した1枚の絶縁用波板とを含む板材を用い、 前記1枚の波板材と少なくとも1枚の前記平板材とを重
    ね合わせて形成した、少なくとも一つの第1の層と、 1枚の前記絶縁用波板と少なくとも1枚の前記平板材と
    を重ね合わせて形成した第2の層とを積み重ね、 これら重ね合わせた板材の中の所定の板材の間にろう材
    を介在させ、 前記積み重ねた複数の層を一方の端部から軸の周りにロ
    ール状に巻き回して、多数の網目状通気路を具備するハ
    ニカム体を形成し、 該ハニカム体を、溶融したアルミニウム中に浸漬して、
    少なくとも前記絶縁用波板の表面に前記鉄とアルミニウ
    ムとの相互拡散による合金層を形成させ、 該ハニカム体をろう付けし、 ろう付けした該ハニカム体を酸化雰囲気中で焼成して、
    前記合金層が形成された絶縁用波板の表面に酸化アルミ
    ニウムの電気絶縁性被膜層を生成させる、電気加熱式触
    媒装置用メタル担体の製造方法。
  5. 【請求項5】 帯状をなす薄い金属板を折曲げて連続的
    な波形の凹凸を形成した1枚の波板材と、平坦な帯状を
    なす薄い金属板からなる少なくとも1枚の平板材とが相
    互に当接して重なり合って形成された、少なくとも一つ
    の第1の層と、電気絶縁性被膜層を具備する1枚の絶縁
    用波板と少なくとも1枚の前記平板材が接合されること
    なく相互に当接して重なり合って形成された第2の層と
    が積み重ねられ、該積み重ねられた複数の層が一方の端
    部から軸の周りにロール状に巻かれて形成されて多数の
    網目状通気路を備えたハニカム体をなし、該ハニカム体
    のロール状に巻き回された層間が電気的に絶縁され、前
    記ハニカム体を加熱するために、該ハニカム体の巻き始
    めと巻き終りに電極を有する電気加熱式触媒装置用メタ
    ル担体において、 前記絶縁用波板の電気絶縁性被膜層が、鉄を含有する絶
    縁用波板を溶融したアルミニウム中に浸漬して表面付近
    に形成された鉄とアルミニウムの合金層を、酸化雰囲気
    中で焼成して生成した酸化アルミニウムの電気絶縁性被
    膜層であることを特徴とする、電気加熱式触媒装置用メ
    タル担体。
  6. 【請求項6】 前記絶縁用波板が焼成前に、当接する前
    記平板材と一方の面において接合される、請求項5に記
    載の電気加熱式触媒装置用メタル担体。
  7. 【請求項7】 前記ハニカム体を加熱するための、前記
    二つの電極間に流す電流による消費電力の設計上の増減
    を、前記第1の層の数と前記平板材の枚数のうちの、少
    なくとも何れか一方の数の増減によって行なう、請求項
    5または6に記載の電気加熱式触媒装置用メタル担体。
  8. 【請求項8】 前記ハニカム体を加熱するための、前記
    二つの電極間に流す電流による消費電力の設計上の増減
    を、さらに前記複数の層の巻取り方向の長さの増減によ
    って行なう、請求項7に記載の電気加熱式触媒装置用メ
    タル担体。
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