JP3522944B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP3522944B2
JP3522944B2 JP01202896A JP1202896A JP3522944B2 JP 3522944 B2 JP3522944 B2 JP 3522944B2 JP 01202896 A JP01202896 A JP 01202896A JP 1202896 A JP1202896 A JP 1202896A JP 3522944 B2 JP3522944 B2 JP 3522944B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクド
ライブ等で用いられる磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】近年、コンピュータの高
性能化、画像・音声情報のデジタル化、高画質化に伴
い、特に計算機周辺装置(HDD)、画像・音声装置
(DVD)、もしくはDVTR)等の分野において、よ
り高密度再生能力を有する磁気記録媒体が要求されるよ
うになってきている。
【0003】磁気記録媒体の高密度化を図るためには、
磁気記録媒体の高保磁力化が必要である。例えば、Co
NiCr、CoCrM(M=Ta、Pt)等のCo系合
金は、大きな結晶磁気異方性を有するため、高保磁力媒
体用の磁性薄膜の材料として知られており、Cr膜等の
下地膜を利用して結晶配向性を制御すると共に、高温ス
パッタリングによって磁性薄膜中のCrの粒界拡散を利
用して高保磁力を得ることができる。
【0004】しかしながら、この磁性薄膜を構成するC
o系合金は酸化され易いので、Co系合金の酸化により
出力が低下したりする。また、上記のようにして形成さ
れたCo系合金磁性薄膜を用いた磁気記録媒体において
は、Crで分断されたCo系合金の磁性粒子同士が近す
ぎるために、形成された磁区の反転部分が不規則なジグ
ザグ構造となり、媒体ノイズが大きく、記録密度を向上
させることができない。
【0005】本発明の第1の課題は、磁性薄膜を構成す
る磁性材料の酸化を防止し、しかも磁性材料の粒子間の
磁気的相互作用を低下させて、媒体ノイズが小さく、高
密度記録が可能な磁気記録媒体を提供することを目的と
する。
【0006】磁気記録媒体の大容量化は媒体の単位記録
磁区を小さくすることにより実現されるが、そのために
はハードディスクの磁気ヘッドの狭トラック化、狭ギャ
ップ化の他に磁気ヘッドと磁気記録媒体との間の狭スペ
ーシング化が必要である。
【0007】一方、記録磁区を微細にすると媒体磁界強
度が低下するので、高感度かつ低ノイズである再生ヘッ
ドが必要であり、近年従来の記録・再生一体型の誘導再
生ヘッドに代わり、記録・再生分離型の磁気抵抗効果
(MR)ヘッドが採用されている。このMRヘッドの導
入によって動作ノイズに占めるヘッドノイズが大幅に低
下し、媒体ノイズが顕在化した。また、MRヘッドにお
いては、媒体表面に電荷が蓄積されると、ヘッド−媒体
間の放電破壊により磁気ヘッドや磁気記録媒体がダメー
ジを受けるという問題を有するので、媒体表面電荷の蓄
積を防止する必要がある。特に、狭スペーシング化の最
終形態である接触動作においては、摩擦帯電による媒体
表面電荷の蓄積が顕著となるため、これらの形態を考慮
して媒体表面にある程度の導電性を付与する必要性が生
じてくる。
【0008】その一方で、横通電形のMRヘッドを絶縁
性の保護膜無しに接触動作する形態においては、磁気ヘ
ッドのセンス電流の一部が磁気記録媒体に分流して再生
感度を損なう恐れがあるので、磁気記録媒体には、ヘッ
ド抵抗に比べて充分に高い表面抵抗を有することが必要
となる。
【0009】このように、MRヘッド動作に適合し、高
密度化を促進させる磁気記録媒体においては、サブサブ
ミクロン浮上〜接触に至る狭スペーシング動作に対する
信頼性が高いこと、MRヘッド再生動作に適した低ノイ
ズ〜ノイズフリーであること、およびMRヘッド接触動
作時の分流損失や放電破壊の無いことが要求される。
【0010】本発明の第2の課題は、狭スペーシング動
作時の耐摩耗性と、MRヘッド動作時の信頼性を両立で
きる構造を有する磁気記録媒体を提供することを目的と
する。
【0011】高密度記録を実現するためには、磁気記録
媒体の磁性薄膜において磁性粒子間の磁気的相互作用を
充分に分断して交換相互作用を減少させる必要がある。
磁性薄膜中で交換相互作用が減少することは、磁性薄膜
全体の保磁力Hcが大きくなり、高分解能の急峻な磁化
転移を形成する上で有用である。また、磁性薄膜におけ
る磁化転移部の形状が良好になり、媒体ノイズが減少す
る。上述したように、媒体ノイズを減少させることは、
今後の磁気記録を発展させる上で重要な課題である。
【0012】磁性粒子間の交換相互作用を分断するため
には、磁性粒子が磁性薄膜内に分散した構造をとる必要
がある。しかしながら、従来の磁気記録媒体、すなわ
ち、磁性薄膜の結晶性を制御し、磁性薄膜の保磁力Hc
を増加させるために設けられた下地層上に結晶異方性を
有するCo系合金をスパッタリング法により被着して磁
性薄膜を形成してなる磁気記録媒体や、基板上にクラス
ターを等方的に点在させ、その上に下地層および磁性薄
膜を順次形成してなる磁気記録媒体が開示されている
が、いずれの磁気記録媒体も磁性粒子間の磁気的相互作
用が充分に分断されたものではなく、低媒体ノイズ、高
密度記録を実現することはできない。本発明の第3の課
題は、媒体ノイズが小さく、高密度記録が可能な磁気記
録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
上記第1の課題を解決するべく、非磁性基板と、前記非
磁性基板上に形成された磁性薄膜とを具備し、前記磁性
薄膜は、Co、Pt、Sm、Fe、Ni、Cr、Mn、
Bi、Al、Ta、Ti、及びこれらの合金からなる群
より選択される材料で構成された複数の磁性粒子と、そ
れら磁性粒子間に介在したアルカリ土類金属の酸化物と
を含んだことを特徴とする磁気記録媒体を提供する。
【0014】本発明の第2の発明は、上記第2の課題を
解決するべく、非磁性導電膜と、前記非磁性導電膜上に
形成され且つ磁性金属粒子と非磁性母材とから構成され
る磁性薄膜とを具備し、前記非磁性母材が電気絶縁性を
有し、前記磁性薄膜中の磁性金属粒子が前記非磁性導電
膜と少なくとも部分的に接触していることを特徴とする
磁気記録媒体を提供する。また、本発明の第2の発明
は、磁性金属粒子と非磁性母材とから構成される磁性薄
膜と、前記磁性薄膜上に形成された非磁性導電膜とを具
備し、前記非磁性母材が電気絶縁性を有し、前記磁性薄
膜中の磁性金属粒子が前記非磁性導電膜と少なくとも部
分的に接触していることを特徴とする磁気記録媒体を提
供する。
【0015】本発明の第3の発明は、上記第3の課題を
解決するべく、ガラス基板と、前記ガラス基板上に設け
られた金属微粒子と、前記ガラス基板上に設けられ且つ
前記金属微粒子を被覆した磁性薄膜とを具備し、前記磁
性薄膜は、前記金属微粒子を核として成長してなる第1
の領域と、前記第1の領域に分断された第2の領域と
備え、前記第1の領域はCo、Fe、及びNiからなる
群より選択される少なくとも一種の元素を含有した強磁
性材料で構成され、前記第2の領域は非磁性材料で構成
されたことを特徴とする磁気記録媒体を提供する。
た、本発明の第3の発明は、上記第3の発明を解決する
べく、ガラス基板と、前記ガラス基板上に設けられ且つ
酸化物、窒化物、弗化物、及び炭化物からなる群より選
択される材料で構成された非磁性微粒子と、前記ガラス
基板上に設けられ且つ前記非磁性微粒子を被覆した磁性
薄膜とを具備し、前記磁性薄膜は、前記非磁性微粒子を
核として成長してなる第1の領域と、前記第1の領域に
分断された第2の領域とを備え、前記第1の領域は非磁
性材料で構成され、前記第2の領域は磁性材料で構成さ
れたことを特徴とする磁気記録媒体を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して具体的に説明する。本発明の第1の発明におい
て、非磁性基板を構成する材料としては、金属、ガラ
ス、セラミック等を用いることができる。非磁性基板と
磁性薄膜との間に、磁性体または非磁性体からなる下地
層を設けてもよい。特に、金属基板を用いる場合には、
磁気ヘッドと磁気記録媒体との間の短絡を防止するため
に、電気絶縁性を有する下地層を用いることが望まし
い。また、磁気記録媒体の表面には、必要に応じて極薄
い(100オングストローム以下)保護膜を設けてもよ
い。さらに、保護膜上にフルオロカーボン等の潤滑剤か
らなる厚さ50オングストローム以下程度の潤滑剤膜を
設けてもよい。
【0017】第1の発明において、磁性薄膜を構成する
材料としては、飽和磁化Isが大きく、かつ磁気異方性
が大きいものが望ましい。このようなものとして、例え
ばCo、Pt、Sm、Fe、Ni、Cr、Mn、Bi、
Al、Ta、Tiまたはこれらの合金を用いることがで
きる。特に、Co(1-x)x (ただし、Mは、Cr、N
i、Pt、Taのうち少なくとも一種からなる金属、x
は0.1≦x≦0.5)の組成を有するCo系合金のよ
うな酸化され易い金属である場合に効果が大きい。
【0018】第1の発明において、磁性薄膜は少なくと
も一種のアルカリ土類金属の酸化物、特にBe、Mg、
Ca、Sr、またはBaの酸化物を含有する。アルカリ
土類金属の酸化物は硬度が高いので、磁性薄膜の強度向
上に寄与するので好ましい。また、Be、Mg、Ca、
Sr、またはBaは磁性薄膜を構成する材料よりも優先
的に酸化する、すなわち酸素との親和性が高いので、磁
性薄膜における磁性粒子の酸化を防止することができる
ので好ましい。なお、磁性薄膜中にアルカリ土類金属の
酸化物が包含されていれば、磁性薄膜中に他の物質、例
えばSiO、SiN、Al−O、Al−N、TiO、T
iN等が包含されていてもよい。
【0019】さらに、アルカリ土類金属の酸化物は、経
時変化における磁性粒子の酸化を防止するために、化学
量論比よりも酸素欠損状態であることが好ましい。この
ようにすることにより、酸素が磁性粒子と結合する前に
アルカリ土類金属と結合して磁性粒子の酸化を阻止する
ことができる。
【0020】これらのアルカリ土類金属の酸化物は、磁
性薄膜において磁性粒子間の磁気的相互作用を分断して
媒体ノイズを低下させると共に、磁性粒子の酸化を防い
で出力の低下を防止する。なお、アルカリ土類金属の酸
化物は、磁性粒子間の磁気的相互作用を分断する程度に
磁性薄膜中に分散して存在していればよい。
【0021】第1の発明において、アルカリ土類金属の
酸化物を包含する磁性薄膜を形成する方法としては、磁
性金属材料およびアルカリ土類金属の酸化物を真空中に
おいてスパッタリング法により基板上に堆積させる方法
を挙げることができる。スパッタリング法としては、次
に示す方法が挙げられる。 (a)磁性金属材料のターゲットおよびアルカリ土類金
属の酸化物のターゲットを用いて同時スパッタリング。 (b)複数の金属材料のタ一ゲットを用い、酸素、窒素
または炭素を含む不活性ガス雰囲気中における同時スパ
ッタリング。
【0022】なお、(a)および(b)の場合におい
て、磁性金属粒子とアルカリ土類金属の酸化物の材料
は、それぞれ別々のターゲットに配置されていてもよ
く、両材料を同じターゲットに配置した複合ターゲット
でもよい。前者の場合は、磁性金属材料とアルカリ土類
金属酸化物の含有率を変え易いという利点かあり、後者
の場合は、大量生産に適しているという利点がある。
【0023】本発明の第2の発明において、磁性薄膜
は、例えば、結晶磁気異方性と形状磁気異方性の両方を
有する磁性金属粒子が非磁性母材に分散された構造を有
しており、磁性粒子の磁気的相互作用がほとんど無い程
度に磁性粒子が分離された状態である。
【0024】この磁性金属粒子は、磁気記録システムに
応じた情報にしたがって所定の方向に磁化され、長手記
録、斜め記録または垂直記録が可能である。また、磁性
金属粒子は、形状磁気異方性および結晶磁気異方性を有
し、数kOeの保磁力を有することが好ましい。
【0025】ここで、形状磁気異方性と結晶磁気異方性
について簡単に説明する。磁気異方性とは、物体の方向
によって磁気的特性が異なる性質のことであり、その異
なる特性の原因が磁性体の形状によるものが形状磁気異
方性、結晶構造によるものが結晶磁気異方性である。例
えば、針状の磁性体は長軸の方向に磁化され易いので、
形状磁気異方性がある。また、Coは結晶構造上のある
特定の方向(C軸)が磁化され易いので、結晶磁気異方
性がある。また、磁化され易い方向と困難な方向に磁化
を向けるのに必要なエネルギーの差が、磁気異方性エネ
ルギーであり、このエネルギーか大きいほど、ある方向
に磁化を安定して向けることができる。また、磁気異方
性エネルギーが大きいと、記録した情報を安定して保持
することができ、また、信号出力を大きくすることがで
きる等の磁気記録媒体にとって好ましい磁気特性が得ら
れる。
【0026】第2の発明においては、例えば、磁性金属
粒子に膜厚方向に細長い形状を有するものを用いて、形
状磁気異方性を膜厚方向に付与することによって、垂直
磁化膜とすることができる。また、磁性金属粒子にCo
系合金を用いて、膜厚方向へ結晶のC軸が向くように成
長させることによって、同様に垂直磁化膜とすることが
できる。磁性金属粒子が形状磁気異方性と結晶磁気異方
性の両方を有することによって、より大きな垂直磁気異
方性を磁性薄膜に付与することができ、また、垂直・斜
め・長手記録用のいずれの磁気記録媒体にも適用するこ
とができる。例えば、Co系合金からなる磁性金属粒子
が膜厚方向に細長の形状を有し、かつ結晶のC軸が膜厚
方向に沿って成長している場合は、2つの磁気異方性の
相乗効果によってより大きな磁気異方性を得ることがで
きる。この場合、保磁力を大きくすることができ、記録
磁区の小さな、より高密度の記録ができるようになる。
【0027】長手記録用の媒体の場合は、ある程度の垂
直磁気異方性を有する方が高密度記録に適していると言
われており、これは、例えば、膜面内方向にC軸が配向
している磁性金属粒子が膜厚方向に細長い形状を有する
ことにより実現できる。なお、形状磁気異方性と結晶磁
気典方性とはその起源が異なるので、媒体作製プロセス
や材料選択等の面で独立に制御し易い。したがって、こ
の2つの磁気異方性を具備することは、高密度磁気記録
媒体にとって好ましいと言える。なお、磁気異方性の大
きさや向きは、磁気記録媒体を構成する材料、作製装
置、ドライブに要求される仕様等により決定される。
【0028】第2の発明における磁性薄膜は、膜厚方向
および膜面内方向に連続して存在する非磁性母材並びに
非磁性母材内に保持された磁性金属粒子からなる磁性薄
膜から構成されており、接触して形成された非磁性導電
膜と磁性金属粒子とが少なくとも部分的に接触している
ことを特徴としている。非磁性母材が磁性薄膜の膜厚方
向および膜面内方向に連続して存在するということは、
非磁性母材がネットワーク状の構造を持つことを意味す
る。この場合、非磁性母材は、磁性薄膜全体の機械的強
度を向上させ、電気抵抗率を高め、かつ磁性金属粒子間
の磁気的相互作用を分断する役割を担っている。
【0029】磁性金属粒子としては、飽和磁化Isが大
きく、かつ磁気異方性が大きいものが望ましい。このよ
うなものとして、例えばCo、Pt、Sm、Fe、N
i、Cr、Mn、Bi、Al、Ta、Tiまたはこれら
の合金を用いることができる。特に、大きな結晶磁気異
方性を有するCoPt、SmCo、CoCr、CoTa
Cr等のCo系合金や、大きい異方性エネルギーを有す
るMnBi、MnAl等のMn系合金を用いることが好
ましい。また、これらの金属または合金に、磁気特性を
制御する目的で、Feおよび/またはNiを添加しても
よい。さらに、これらの金属または合金に、磁気特性を
向上させるために、例えばCr、Nb、V、Ta、T
i、W、Hf、In、Si、B等を添加してもよい。
【0030】磁性金属粒子の形状は、球状であっても良
いが、形状磁気異方性を向上させるために円柱状、回転
楕円体形状等でも良い。磁性金属粒子は、記録される情
報にしたがって所望の方向(例えば、媒体表面の面内、
媒体表面に垂直な方向、またはその中間の方向)に磁化
され、これにより情報が記録される。磁性金属粒子を、
その長軸方向が磁気記録媒体表面の面内方向に傾くよう
に配置すると面内に磁化され易くなる。
【0031】磁気記録媒体に磁気ヘッドが接触したとき
の損傷を防ぐという目的を達成するために磁気記録媒体
が満たすべき物理特性を正確に決定することは一般には
困難であるが、1つの基準として硬度を採用することが
できる。原理的には、硬度が大きいほど磁気ヘッドとの
接触による磁気記録媒体の損傷が小さくなると考えられ
る。
【0032】このような観点から、非磁性母材としては
バルク状態で高い硬度で高い抵抗率を有するものが用い
られる。一般的に、バルクで硬い材料は薄膜化しても充
分な硬度を保つ。このような非磁性母材の材料として、
例えば一般式M−Gで表される化合物が挙げられる。こ
こで、MはSi、Al、Zr、Ti、In、Snおよび
Bからなる群より選択される少なくとも1種であり、G
は酸素、窒素および炭素からなる群より選択される少な
くとも1種である。具体的には、Si−O、Al−O、
Zr−O、Ti−O、Si−N、Al−N、Zr−N、
Ti−N、B−N、Si−C、Ti−C、B−C、Si
Al−ON、Si−ON、AlTi−OC、In−Sn
−O等が好ましい。また、非磁性母材の材料としては、
潤滑性に優れバルク状態で高硬度である炭素の同素体、
例えばダイヤモンド、アモルファスカーボン、ダイヤモ
ンドライクカーボン等を用いることもできる。これらの
非磁性母材を構成する材料のバルクにおける硬度は、バ
ルクのSiO2 が有するビッカース硬度2GPaと同程
度またはそれ以上であることが好ましい。さらに、非磁
性母材の材料として、電気絶縁体または半導体からなる
材料を用いることにより、磁気記録媒体全体の電気抵抗
率を金属薄膜媒体に比べて大幅に高くすることが可能で
ある。
【0033】また、非磁性母材の硬度や耐摩耗性を向上
させるために、上記材料に非磁性の元素を添加してもよ
い。この場合、添加元素が非磁性母材中に固溶していて
もよく、相分離した状態で添加されていてもよい。ま
た、添加元素が微粒子の状態で非磁性母材中に存在して
いてもよい。添加元素が存在する状態は、磁性金属粒子
が分散される状態における磁性薄膜の機械的特性や磁気
的特性により適宜選択する。
【0034】第2の発明における磁性薄膜は、磁性金属
粒子や非磁性母材の特性向上のために上述したような添
加元素を加える場合に、磁性金属粒子と非磁性母材とに
同じ元素が添加されていてもよい。また、原子レベルで
磁性金属粒子と非磁性母材とが完全に分離された状態の
複合膜を形成することは事実上不可能であるので、磁性
金属粒子に対する添加元素が非磁性母材中に存在しても
よい。この場合、添加元素の効果をより効率的に発揮さ
せるために、非磁性母材中の添加元素は磁性金属粒子内
に比べて1/10以下、より好ましくは1/100以下
の割合であればよい。この関係は、非磁性母材と磁性金
属粒子とを入れ換えても成り立つ。
【0035】第2の発明の磁性薄膜においては、磁性金
属粒子と非磁性母材との間に、磁性金属粒子と非磁性母
材とを効率よく結合させ、あるいは磁性金属粒子および
非磁性母材の構成元素の相互拡散を防止するための界面
層が存在していてもよい。この界面層には、磁性金属粒
子あるいは非磁性母材の少なくとも一方を構成する元素
が主成分として存在してもよく、磁性金属粒子および非
磁性母材を構成する元素がほとんど存在していなくても
よい。前者の場合、磁性金属粒子と非磁性母材とを機械
的に強固に結合させるという点で好ましく、後者は磁性
金属粒子と非磁性母材とを磁気的に完全に分離するとい
う点で好ましい。
【0036】第2の発明において、非磁性体からなる下
地層、すなわち非磁性導電膜は、磁性金属粒子や非磁性
母材の結晶構造を制御する目的、あるいは基板からの不
純物の混入を防ぐ目的で配置される。例えば、磁性金属
粒子の所望の結晶構造の格子間隔に近い格子間隔を持つ
材料からなる非磁性導電膜を用いることにより、磁性金
属粒子の結晶の格子間隔を制御することが可能である。
また、例えば、ある表面エネルギーを有するアモルファ
ス材料を用いて、磁性金属粒子あるいは非磁性母材の結
晶性あるいはアモルファス性を制御してもよい。また、
基板からの不純物の混入を防止する場合には、格子間隔
の小さい薄膜あるいは緻密な薄膜を非磁性導電膜として
用いればよい。
【0037】第2の発明において、非磁性導電膜の材料
としては、MRヘッドを接触摺動した場合のセンス電流
の媒体への分流を防止し得る程度に電気抵抗が高く、か
つ連続摺動もしくはCSS動作において媒体表面に電荷
の蓄積が無い程度に電気抵抗が低いものを選択する。セ
ンス電流の分流防止に関しては、保護膜の無い横通電形
MRヘッドにおいて必須である。また、縦通電形MRヘ
ッド、保護膜のある横通電形MRヘッド、高抵抗のすく
い上げヨークを具備する横通電形MRヘッドの場合は分
流を考慮しなくて良いので、非磁性導電膜の比抵抗に下
限を設ける必要はなく、これにより材料選択範囲が広が
る。
【0038】非磁性導電膜の材料としては、分流防止を
考えない場合は、幅広く各種の金属を選択することがで
きるが、分流防止を狙う形態では比抵抗が10-5(Ω・
cm)程度以上の金属、例えば単元素ではTi、V、C
r、Zr、Nb、Pd、Sn、Hf、Ta、Pt、およ
びランタノイド系の金属、並びにそれらの合金;カーボ
ン;ITO(Indium Tin Oxide);Ti−N、Ta−
N、Zr−N等の遷移金属の窒化物等が挙げられる。こ
の非磁性導電膜の厚さや種類を選択することにより、磁
性薄膜の特性を維持した状態で磁性薄膜の電気伝導性を
制御することができる。
【0039】第2の発明において、磁性薄膜を支持する
基板を構成する材料としては、金属、ガラス、セラミッ
ク等を用いることができる。例えば、保護膜無しの横通
電形の場合においては原則的にガラスやシリコン等の非
導電性材料が用いられ、保護膜無しの横通電形ヘッド以
外との組合せの場合においてはAl等の導電性材料を用
いても良い。
【0040】第2の発明において、磁性薄膜上には保護
膜を設けない方が好ましい実施形態であるが、適度な導
電性を有する保護膜であれば磁性薄膜上に設けてもよ
い。第2の発明における磁性薄膜は、磁性金属材料およ
び非磁性材料を真空中において物理的蒸着法により基板
上に堆積させることにより形成する。物理的蒸着法とし
ては、次に示す方法が挙げられる。 (a)磁性金属材料のターゲットおよび非磁性材料のタ
ーゲットを用いて同時スパッタリング。 (b)複数の金属材料のタ一ゲットを用い、酸素、窒素
または炭素を含む不活性ガス雰囲気中における同時スパ
ッタリング。
【0041】この場合、一部の金属と酸素、窒素または
炭素との化合物からなる非磁性母材が形成される。な
お、(a)および(b)の場合において、磁性金属粒子
と非磁性母材の材料は、それぞれ別々のターゲットに配
置されていてもよく、両材料を同じターゲットに配置し
た複合ターゲットでもよい。前者の場合は、磁性体と母
材の含有比率を変え易いという利点かあり、後者の場合
は、大量生産に適しているという利点がある。
【0042】すなわち、これらの薄膜形成方法では、一
般に結晶が柱状に成長することが知られている。したが
って、投入電力、スパッタリング圧力、反応性ガス種、
成膜速度、バイアス電力等のプロセスパラメータを選択
することにより、磁性金属粒子および非磁性母材を共に
柱状に成長させることができる。また、スパッタリング
法による薄膜形成の場合、一般に磁性金属は柱状に成長
し易く、硬質誘電体薄膜はアモルファス化し易い。この
ことから、スパッタリング法で磁性金属と硬質誘電体材
料を同時に成長させることにより、アモルファス化した
硬質誘電体からなる非磁性母材中に形状磁気異方性の大
きな柱状の磁性金属粒子が混入した磁性薄膜を得ること
が可能となる。
【0043】このとき、磁性金属粒子の形状磁気異方性
は、磁性金属粒子が細長い柱状に成長した場合には、磁
性薄膜の膜厚方向に付与されるが、結晶の成長の状態に
よっては、円柱状の結晶粒がその中心軸を膜面内方向に
向けて成長することもある。その場合には、膜面内方向
に形状磁気異方性が付与されることになる。また、結晶
磁気異方性の向きは、異方性を有する結晶軸が膜厚方向
/膜面内方向のどの方向に向くかによって決まる。これ
は、結晶成長の状態により制御することが可能である。
結晶成長の状態に影響を与えるプロセスパラメータとし
ては、上述の投入電力、スパッタリング圧力、反応性ガ
ス種、成膜速度、バイアス電力等が挙げられる。この他
にも、基板の状態や下地膜の成膜の状態、例えば結晶方
位や表面エネルギー等も磁気異方性に影響を及ぼすの
で、これらのパラメータを選択することによっても所定
の磁気異方性を得ることができる。また、必要に応じて
基板上に堆積された材料に熱処理を施して、非磁性母材
中に磁性金属粒子を析出させてもよい。
【0044】磁性薄膜を基板上に形成する際に、媒体表
面側で磁性金属粒子が非磁性母材に示める割合を小さく
し、基板界面側でその割合を大きくすることにより、磁
気ヘッドとの間の短絡をより完全に防止することができ
る。反対に、上記割合を媒体表面側で大きくし、基板界
面側で小さくすることにより、媒体磁界強度を向上させ
ることができる。なお、磁性金属材料のターゲットと非
磁性材料のターゲットに投入するパワー比等の成膜条件
を変えることにより、非磁性母材中の磁性金属粒子の割
合や分布状態を選択することができる。
【0045】第2の発明において、形状磁気異方性をも
つ磁性金属粒子は、球形以外の異方的な物理的形状をも
つのが一般的であり、異方性を生じさせたい方向に円
柱、回転楕円体などの長い棒状の形状であることが好ま
しい。ここで、磁性金属粒子の形状についてさらに詳細
に説明する。いま、磁化Iを持つ体積vの磁性粒子につ
いて、その反磁界係数をN、真空の透磁率をμ0 とする
と、Nの方向の静磁エネルギーは、 U=1/2μ0 ・N・I2 ・v で表される。磁性粒子がz軸に関して軸対称であれば、
x、y、z軸方向の反磁界係数Nx 、Ny 、Nz は Nx =Ny =(1−Nz )/2 である。磁性粒子の形状が回転楕円体である場合を考え
ると、飽和磁化Isがz軸から角度θで傾いている場合
の静磁エネルギーUは、 U=1/4μ0 ・Is2 ・v・(3Nz −1)cos2
θ+const. である。この式から、形状磁気異方性エネルギーの大き
さは(1−3Nz )に比例することがわかる。また、形
状磁気異方性が最大になるのはNz =0、最小になるの
はNz =1/3のときである。z軸に沿って細長の回転
楕円体の(長軸の長さ)/(短軸の長さ)をrとし、r
と(1−3Nz )との関係を調べると、r=1、1.
5、2、3、5、10に対してそれぞれ(1−3Nz
=0、0.30、0.48、0.67、0.83、0.
94となる。このことから、rが1.5以上であれば最
大の形状磁気異方性のほぼ30%、さらにrが3以上で
あればほぼ70%の形状磁気異方性を得ることができ
る。またこれは、磁性金属粒子の形状が長い棒状であれ
ば、回転楕円体に限らずほぼ同様の関係が満足される。
【0046】本発明の第3の発明においては、磁性薄膜
が磁性材料および非磁性材料から構成されており、微粒
子を核として成長してなる第1の領域と、第1の領域に
分断された第2の領域とを有する。ここで、第1の領域
を構成する材料および第2の領域を構成する材料は、磁
性材料および非磁性材料のうちで異なっていればよく、
いずれの材料であってもよい。言い換えると、第3の発
明における磁性薄膜は、基板上に実質的に分断されて設
けられた微粒子を核として成長した材料で構成される第
1の領域における該材料の濃度が、第1の領域に分断さ
れた第2の領域における該材料の濃度よりも高い状態を
有する。
【0047】第3の発明において、微粒子としては、金
属微粒子または非磁性微粒子を用いることができる。微
粒子として金属微粒子を用いる場合には、金属微粒子上
に磁性材料を成長させることができ、微粒子として非磁
性微粒子を用いる場合には、非磁性微粒子上に非磁性材
料を成長させることができる。
【0048】金属微粒子の材料としては、例えば、C
r、Au、Ag、Ta、Co、Fe、Ni等を用いるこ
とができる。これらの金属微粒子上には、磁性材料とし
ては、少なくともCo、Fe、Niから選択された少な
くとも一種の元素を含有する強磁性材料、例えば、Co
PtCr、CoTaCr、CoTaPt、CoNiT
a、CoPt等を用いることができる。一方、非磁性微
粒子の材料としては、酸化物、窒化物、弗化物、炭化
物、例えば、SiO2 、SiO、Si34 、Al23
、AlN、TiN、BN、CaF、TiC等を用いる
ことができる。また、第1の領域を構成する材料が金属
微粒子を核として成長した磁性材料である場合には、非
磁性母材中に磁性金属粒子が分散されてなる状態とほぼ
同じであるので、この他、磁性材料や非磁性材料として
は、第2の発明における材料を用いることができる。さ
らに、この場合における材料に関する条件等も第2の発
明と同様に適用することができる。
【0049】これらの微粒子の粒径は、その上に成長す
る磁性粒子が熱攪乱を受けない程度に大きく、かつ高密
度記録に適した程度に小さいことが要求される。微粒子
の粒径を磁性粒子の粒径と同程度以下、好ましくは50
〜500オングストローム程度にすることにより、微粒
子による基板の平滑性への影響を小さくすることがで
き、磁性薄膜自体の平滑性に反映させることができるの
で、平滑性に優れた磁気記録媒体を提供することができ
る。このような平滑性に優れた磁気記録媒体は、将来の
接触記録・再生にも有用である。
【0050】これらの微粒子を基板に供給する方法とし
ては、スパッタリング法、真空蒸着法、ガス中蒸着法、
ガスフロースパッタリング法等の物理蒸着法を用いるこ
とができる。この中で、供給する微粒子の粒径を広い範
囲で制御するためには、Ar等の不活性ガス中でのガス
中蒸着法やガスフロースパッタリング法が有効である。
また、微粒子を供給する際に基板を冷却することによっ
て、基板に付着した微粒子を瞬時に固定させることが可
能である。なお、付着した微粒子が小さすぎる場合には
基板加熱を行い、基板上で粒子を凝集させてもよい。
【0051】また、微粒子を基板上に膜となるように供
給し、基板を一様に加熱したり、レーザー照射等するこ
とによって、膜を構成する微粒子を凝集させて島状クラ
スターを形成させ、微粒子を分散形成することも可能で
ある。例えば、10nm程度のPb微粒子膜を形成した
後、基板を一様に加熱することによって粒径約30nm
のクラスターを形成することができる。
【0052】第3の発明においては、実質的に分断され
た微粒子を核として磁性材料または非磁性材料を成長さ
せるので、より分散構造を実現し易い。なお、いくつか
の微粒子同士が点接触している場合でも、微粒子間が実
質的には分断されていれば、微粒子を核として成長した
磁性材料または非磁性材料は分散構造を実現することが
できる。したがって、微粒子は鎖状構造、島状構造を形
成していてもよい。例えば、微粒子の鎖状構造が基板面
に対して垂直に形成された場合には、その上に成長する
材料が柱状構造を形成し易くなるので好ましい。また、
微粒子を核として成長する第1の領域を構成する材料
は、微粒子を完全に被覆している必要はなく、微粒子が
部分的に露出して第2の領域を構成する材料と接触して
いてもよい。
【0053】第3の発明においては、微粒子を核として
第1の領域を構成する材料を成長させているので、多結
晶材料の下地膜を用いる場合に比べてかなり薄い数〜数
十オングストロームの分断された微粒子層により結晶の
配向性・表面性を制御することができる。また、数〜数
十nm程度の島状の微粒子層として、分散性を制御する
だけでなく、配向性を制御することも可能である。
【0054】磁性薄膜は、磁性材料と非磁性材料の同時
スパッタリング或いは蒸着等により形成することができ
る。また、第3の発明においては、磁性材料と非磁性材
料を交互にスパッタリング或いは蒸着しても磁性薄膜を
形成することができる。これは、第1の領域が、微粒子
を核として材料が成長することにより形成されるので、
選択的に形成することができるためである。例えば、微
粒子が金属微粒子である場合には、初めに磁性材料をス
パッタリング或いは蒸着して島状分散膜構造を形成し、
その間の粒子間に非磁性材料をスパッタリング或いは蒸
着する。
【0055】第3の発明において、磁性薄膜を支持する
基板の材料・形状は特に限定しないが、微粒子の孤立球
状化、島状構造化を促進させるためには、基板材料とし
て表面エネルギーの大きなものを用いることが望まし
い。したがって、アルミニウム、プラスチック等を用い
ることができ、また、基板形状としては、円板、テー
プ、ドラム等でもよい。
【0056】次に、本発明の磁気記録媒体の効果を明確
にするために行った実施例について説明する。 (実施例1)以下の実施例1,2は本発明の第1の発明
に関するものである。
【0057】図1は本発明の第1の発明にかかる磁気記
録媒体の一実施形態を示す断面図である。図1に示す磁
気記録媒体は、非磁性基板としてのガラス基板1と、ガ
ラス基板1上に形成された磁性薄膜であるCo−Pt−
CaO磁性膜2と、Co−Pt−CaO磁性膜2上に形
成された保護膜であるカーボン膜3と、カーボン膜3上
に形成された潤滑剤膜4とから構成されている。
【0058】上記構成を有する磁気記録媒体は次のよう
にして作製した。まず、真空チャンバー内に、Co80
20合金ターゲットおよびCaOターゲットを設置し、
両ターゲットと向い合うようにして洗浄済みのガラス基
板1を設置した。次いで、真空チャンバー内を10-5
aの高真空にして、ガラス基板1を公転させた。
【0059】次いで、Arガスを真空チャンバー内に導
入して内圧を0.2Paに設定し、その雰囲気中におい
てCo80Pt20ターゲットにDC200WおよびCaO
ターゲットにRF400Wをそれぞれ印加してスパッタ
リングして、ガラス基板1上に厚さ20nmのCo−P
t−CaO磁性膜2を形成した。
【0060】次いで、真空チャンバー内のターゲットを
カーボンターゲットに交換して、内圧をArガスで0.
3Paにし、その雰囲気中においてカーボンをDC20
0Wでスパッタリングして、Co−Pt−CaO磁性膜
2上に厚さ10nmのカーボン膜3を形成した。
【0061】その後、このガラス基板1を真空チャンバ
ーから取り出して、カーボン膜3の表面をアルミナ研磨
テープにより研磨し、洗浄した後ディッピング法により
カーボン膜3上に潤滑剤を塗布して厚さ約20オングス
トロームの潤滑剤膜4を形成した。
【0062】このようにして実施例1の磁気記録媒体を
作製した。 (実施例2)図2は本発明の第1の発明にかかる磁気記
録媒体の他の実施形態を示す断面図である。図2に示す
磁気記録媒体は、非磁性基板としてのガラス基板1と、
ガラス基板1上に形成された磁性薄膜であるCo−Pt
−SiO−MgO磁性膜5と、Co−Pt−SiO−M
gO磁性膜5上に形成された潤滑剤膜4とから構成され
ている。
【0063】上記構成を有する磁気記録媒体は次のよう
にして作製した。まず、真空チャンバー内に、Co80
20合金ターゲット、SiO2 ターゲット、およびMg
Oターゲットを設置し、全ターゲットと向い合うように
して洗浄済みのガラス基板1を設置した。次いで、真空
チャンバー内を10-5Paの高真空にして、ガラス基板
1を公転させた。
【0064】次いで、Arガスを真空チャンバー内に導
入して内圧を0.2Paに設定し、その雰囲気中におい
てCo80Pt20ターゲットにDC200W、SiOター
ゲットにRF200WおよびMgOターゲットにRF3
00Wをそれぞれ印加してスパッタリングして、ガラス
基板1上に厚さ20nmのCo−Pt−SiO−MgO
磁性膜5を形成した。さらにそのままの雰囲気中におい
て、RF100Wで2分間スパッタエッチを行った。
【0065】その後、このガラス基板1を真空チャンバ
ーから取り出して、洗浄した後ディッピング法によりC
o−Pt−SiO−MgO磁性膜5上に潤滑剤を塗布し
て厚さ約20オングストロームの潤滑剤膜4を形成し
た。
【0066】このようにして実施例2の磁気記録媒体を
作製した。 (比較例1)比較のために、SiO2 を含むCoPt合
金磁性薄膜を有する磁気記録媒体を作製した。すなわ
ち、まず、真空チャンバー内に、Co80Pt20合金ター
ゲットおよびSiO2 ターゲットを設置し、両ターゲッ
トと向い合うようにして洗浄済みのガラス基板を設置し
た。次いで、真空チャンバー内を10-5Paの高真空に
して、ガラス基板を公転させた。
【0067】次いで、Arガスを真空チャンバー内に導
入して内圧を0.2Paに設定し、その雰囲気中におい
てCo80Pt20ターゲットにDC200WおよびSiO
ターゲットにRF400Wをそれぞれ印加してスパッタ
リングして、ガラス基板上に厚さ20nmのCo−Pt
−SiO磁性膜を形成した。さらにそのままの雰囲気中
において、DC100Wで2分間スパッタエッチを行っ
た。
【0068】その後、このガラス基板を真空チャンバー
から取り出して、洗浄した後ディッピング法によりCo
−Pt−SiO磁性膜上に潤滑剤を塗布して厚さ約20
オングストロームの潤滑剤膜を形成した。
【0069】このようにして比較例1の磁気記録媒体を
作製した。上記のようにして作製された実施例1,2お
よび比較例1の磁気記録媒体の磁性薄膜をSEM(高分
解能分析電子顕微鏡)により分析したところ、実施例1
のものはCoPt粒界にCaの酸化物が存在しているこ
とが確認され、実施例2のものはCoPt粒界にMgの
酸化物およびSiの酸化物が存在していることが確認さ
れ、比較例1のものはCoPt粒界にSiの酸化物が存
在していることが確認された。
【0070】これらの磁気記録媒体について、磁気特性
および電磁変換特性を調べた。それらの結果を下記第1
表に示す。なお、磁気特性はVSM(振動試料形磁力
計)を用いて、Hc(保磁力)およびMr(残留磁化)
を測定した。電磁変換特性評価については、記録にMi
gヘッド(ギャップ長0.3μm、トラック幅4.0μ
m)、再生にMRヘッド(ギャップ長0.3μm、トラ
ック幅3.0μm)を用いて、浮上量0.07μmで測
定した。
【0071】
【表1】
【0072】第1表から分かるように、本発明の磁気記
録媒体(実施例1,2)は、保磁力を損なうことなく、
より大きな残留磁化が得られ、記録分解能も高く、媒体
ノイズが低かった。これは、磁性薄膜に包含されたアル
カリ土類金属の酸化物により、磁性粒子間の磁気的相互
作用を分断し、しかも酸化物による磁性粒子の酸化が防
止されたためであると考えられる。また、実施例2の場
合のように、SiO2等の他の酸化物がアルカリ土類金
属の酸化物と共に磁性薄膜に包含されていても、効果が
得られることが分かった。 (実施例3)以下の実施例3〜6は本発明の第2の発明
に関するものである。
【0073】図3は本発明の第2の発明にかかる磁気記
録媒体の一実施形態を示す断面図である。図3に示す磁
気記録媒体は、非磁性基板としてのガラス基板1と、ガ
ラス基板1上に形成された非磁性導電膜であるTi−N
膜6と、Ti−N膜6上に形成された磁性薄膜7とから
構成されている。磁性薄膜7は、磁性金属粒子であるC
o−Pt合金粒子7aと、非磁性母材であるSi34
母材7bとから構成されており、Co−Pt合金粒子7
aがTi−N膜6と電気的に接触されている。
【0074】上記構成を有する磁気記録媒体は次のよう
にして作製した。まず、多元スパッタリング装置の真空
チャンバー内に、Tiターゲットを設置し、Tiターゲ
ットと向い合うようにして洗浄済みのガラス基板1を設
置した。次いで、真空チャンバー内を10-5Paの高真
空にして、ガラス基板1を公転させた。
【0075】次いで、ArガスとN2 ガスの混合ガスを
真空チャンバー内に導入して内圧を0.2Paに設定
し、その雰囲気中においてTiをDC500Wでスパッ
タリングして、ガラス基板1上に非磁性で適度な導電性
を有する厚さ20nmのTi−N膜6を形成した。
【0076】次いで、内圧を純Arガスで0.2Paに
し、その雰囲気中においてCo−Pt合金ターゲットに
DC200WおよびSi34 ターゲットにRF500
Wを印加して同時にスパッタリングして、Ti−N膜6
上にSi34 母材7b中にCo−Pt合金粒子が分散
されてなる厚さ20nmの磁性薄膜7を形成した。
【0077】このようにして実施例3の磁気記録媒体を
作製した。 (実施例4〜6)基板材料、導電膜材料、磁性金属粒
子、および母材材料として、下記第2表に示すものを用
いること以外は実施例3と同様にして実施例4〜6の磁
気記録媒体を作製した。なお、スパッタリングの際の条
件(真空チャンバー内の圧力、印加電圧、処理時間)等
は用いる材料に応じて適宜変更した。 (比較例2)Crターゲットを用いてガラス基板上に厚
さ100nmのCr膜を形成し、そのCo−Ta−Cr
ターゲットを用いてスパッタリングしてCr膜上に厚さ
20nmのCo−Ta−Cr磁性薄膜を形成して比較例
2の磁気記録媒体を作製した。この磁性薄膜は、Co−
Ta−Cr磁性粒子間隙にCrが優先析出した膜構造を
示すが、特に非磁性母材は存在しない。 (比較例3)Co−Pt合金ターゲットおよびSiO2
ターゲットを用いてガラス基板上に同時にスパッタリン
グを行い、SiO2 母材7b中にCo−Pt合金粒子が
分散されてなる厚さ20nmの磁性薄膜を形成した。こ
の磁気記録媒体は、特願平6−158842号に開示さ
れている媒体である。
【0078】上記のようにして得られた実施例3〜6お
よび比較例2,3の磁気記録媒体について、比抵抗とC
SS(コンタクト・スタート・ストップ)耐性を調べ
た。その結果を下記第2表に併記する。なお、比抵抗は
四端子法により測定し、CSS耐性は媒体表面に表面潤
滑剤を塗布した後にCSS試験を行うことにより評価し
た。
【0079】磁性薄膜の膜厚が数10〜数100nmの
実用的な厚さであって、MRヘッド通電電流の分流を防
止すると共に、表面電荷蓄積によるダメージを防止する
ためには、媒体表面から見た比抵抗は5×10-5Ω・c
m以上10-2Ω・cm以下とするのことが良い。
【0080】
【表2】
【0081】第2表から分かるように、本発明の磁気記
録媒体(実施例3〜6)の比抵抗は全て上記範囲に入っ
ている。これに対して、非磁性母材中に磁性金属粒子が
分散する構造を有しないもの(比較例2)の比抵抗は上
記範囲に入っているが、磁性薄膜自身の比抵抗が低いこ
とに起因して横通電MRヘッドを用いた直接接触動作に
は適応できない。また、導電膜を有しないもの(比較例
3)の比抵抗は非常に高く、表面電荷蓄積が顕著であっ
た。
【0082】また、CSS耐性に着目すると、本発明の
磁気記録媒体(実施例3〜6)は実用的な耐久性が発揮
されたが、非磁性母材中に磁性金属粒子が分散する構造
を有しないもの(比較例2)は金属が直接ヘッドと接触
するために耐久性に乏しかった。なお、比較例2におい
ては、磁性薄膜上に硬質保護膜を設ければ実用的な耐久
性を確保することができるが、保護膜に適度な電気伝導
性が無いと絶縁破壊の問題が生じる。また、電気特性の
適正化が図れたとしても、保護膜の存在によるスペーシ
ング損失の増加は避けられない。
【0083】上記実施例3〜6においては、単層の導電
膜と単層の磁性薄膜とを積層した例について述べている
が、磁性薄膜が磁性金属粒子と非磁性母材とから構成さ
れており、磁性薄膜中の磁性金属粒子が導電膜と少なく
とも部分的に接触していれば、導電膜、磁性薄膜ともに
単層に限定されず、多層でもよい。 (実施例7)以下の実施例7〜10は本発明の第3の発
明に関するものである。
【0084】以下の実施例において微粒子の構造・粒径
・分散性は、微粒子のみを基板上にスパッタリングある
いは蒸着し、これをTEM(透過形電子顕微鏡)により
観察することにより、前もって条件出しを行った。スパ
ッタリング法ではほとんど粒径制御はできないが、ガス
中における蒸着法では粒径を数nm〜数十nmの間で制
御することが可能である。
【0085】図4は本発明の第3の発明にかかる磁気記
録媒体の一実施形態を示す断面図である。図4に示す磁
気記録媒体は、非磁性基板としてのガラス基板1と、ガ
ラス基板1上に分散された微粒子8と、微粒子8を核と
して磁性材料もしくは非磁性材料が成長してなる第1の
領域9と、第1の領域9間に形成された第2の領域10
とから構成されている。
【0086】上記構成を有する磁気記録媒体は次のよう
にして作製した。まず、真空チャンバー内に、Auター
ゲットを設置し、Auターゲットと向い合うようにして
洗浄済みのガラス基板1を設置した。次いで、真空チャ
ンバー内を10-5Paの高真空にして、ガラス基板1を
公転させた。
【0087】次いで、Arガスを真空チャンバー内に導
入して内圧を7Paに設定し、その雰囲気中においてA
uをDC50Wでマグネトロンスパッタリングして、ガ
ラス基板1上にAu微粒子を分散形成した。高ガス圧、
低パワー条件を選択することにより、スパッタリング法
によっても微粒子島状のAuを作製することができる。
【0088】次いで、真空チャンバー内のAuターゲッ
トをCoPt合金ターゲット(磁性材料)およびSiO
2 ターゲット(非磁性材料)に交換して、内圧をArガ
スで0.2Paにし、その雰囲気中においてCoPt合
金ターゲットにDC200WおよびSiO2 ターゲット
にRF400Wを印加してスパッタリングして、第1の
領域9がCoPt合金からなり、第2の領域10がSi
2 からなる厚さ20nmの磁性薄膜をガラス基板1上
に形成した。
【0089】このようにして実施例7の磁気記録媒体を
作製した。この磁気記録媒体をFE−TEM(電界放射
形高分解能電子顕微鏡)で平面観察を行ったところ、磁
性薄膜は非晶質中に結晶が分散された分散膜構造を持つ
ことが分かった。結晶粒はCoPtが主成分であり、非
晶質はSiO2 が主成分であった。この試料を断面TE
Mで観察したところ、図4に示す断面が確認された。す
なわち、微粒子8を中心に第1の領域9を構成する結晶
粒が観察され、その結晶粒間に第2の領域を構成する非
磁性非晶質が観察された。このように、磁性薄膜におい
ては、微粒子を核として磁性材料が成長したと言うこと
ができる。 (実施例8)微粒子としてSiN微粒子を用いること以
外は実施例7と同様にして実施例8の磁気記録媒体を作
製した。なお、Si−N微粒子の作製は、高周波誘導加
熱蒸発源を用いてガス中蒸発法により行った。この場合
は、第1の領域9を構成する材料はSiO2 となり、第
2の領域を構成する材料はCo−Ptとなる。この磁気
記録媒体をFE−TEMで平面観察したところ、実施例
7の磁気記録媒体とほぼ等しい構造であることが分かっ
た。また、非晶質部分をマイクロオージェで分析したと
ころ、非晶質のSiO2 を主成分とした第1の領域の基
板近傍部分にSiNが存在していることが確認された。
【0090】なお、SiN微粒子の代わりにSiO2
粒子を用いることも可能である。この場合、成膜工程
や、SiOx 等による微細構造の違いにより、例えばマ
イクロオージェ等の分析手段により、非磁性母材として
のSiO2 と区別することは可能である。 (実施例9)Au微粒子の供給時間(成膜時間)を長く
して、Auの島状構造をガラス基板上に形成させた後
に、磁性薄膜を形成すること以外は実施例7と同様にし
て実施例9の磁気記録媒体を作製した。この磁気記録媒
体をFE−TEMで平面観察したところ、実施例7の磁
気記録媒体とほぼ等しい構造であったが、断面構造にお
いてCoPt結晶粒(第1の領域)が柱状に形成されて
いるのが観察された。すなわち、実施例7の磁気記録媒
体では、微粒子が分散されている構造であったが、実施
例9の磁気記録媒体では、Auが島状クラスターとな
り、垂直方向に立った柱状構造を形成していた。 (実施例10)微粒子としてCo微粒子を用い、Co微
粒子をガス中蒸着法でガラス基板上に供給した後に、磁
性薄膜を形成すること以外は実施例7と同様にして実施
例10の磁気記録媒体を作製した。この磁気記録媒体を
断面TEMで観察したところ、CoPt粒塊(第1の領
域)の下にCo微粒子が存在するのが分かった。また、
マイクロオージェ分析においてもCoPt粒塊の下にC
oが存在していることが確認された。本実施例において
採用したガス中蒸着は、微粒子の生成、粒径制御が容易
であるので好ましい方法であるが、スパッタリングによ
り微粒子を供給してもよい。 (比較例4)微粒子を供給する代わりに、ガラス基板上
に多結晶Cr膜を下地膜として形成すること以外は実施
例7と同様にして比較例4の磁気記録媒体を作製した。
【0091】このようにして作製された実施例7〜10
および比較例4の磁気記録媒体について、静磁気特性お
よび電磁変換特性、すなわち保磁力Hc、残留磁化M
r、静的な磁気的交換相互作用の大きさ(ΔM)、媒体
ノイズ(Nm)、およびS/Nmを調べた。その結果を
下記第3表に示す。なお、保磁力Hc、残留磁化Mr、
およびΔMはすべてVSMを用いて測定し、Nmはおよ
びS/Nmはスピンスタンド形の電磁変換特性測定装置
により測定した。また、電磁変換特性評価については、
記録にMigヘッド(ギャップ長0.3μm、トラック
幅4.0μm)、再生にMRヘッド(ギャップ長0.3
μm、トラック幅3.0μm)を用いて、浮上量0.0
7μmで測定した。
【0092】
【表3】
【0093】第3表において、実施例9の磁気記録媒体
のHcが高いのは、第1の領域(磁性材料)の柱状構造
による形状異方性が起因していると思われる。また、実
施例10の磁気記録媒体のMrが他よりも高いのは、C
o微粒子と磁性薄膜中のCoPt合金粒子間に交換相互
作用が作用してMrが大きくなり、交換相互作用が幾分
増加した結果、ΔMと媒体ノイズが若干増加したのでは
ないかと思われる。このことは、媒体ノイズが増加した
にも関わらず、媒体S/Nが増加していることからも理
解できる。
【0094】比較例4の磁気記録媒体は、△Mが最も大
きく、磁性材料の粒子の分断が不充分であり、本発明の
磁気記録媒体(実施例7〜10)は、△Mがほとんど0
であり、磁性材料の粒子が完全に分散され交換相互作用
がほとんど無い状態であった。また、本発明の磁気記録
媒体(実施例7〜10)は、電磁変換特性評価からも媒
体ノイズがほとんどシステムノイズと見分けがつかない
レベルになっている。さらに、媒体S/Nも比較例4の
磁気記録媒体に比べて、約3dBも向上していることが
分かる。したがって、本発明の第3の発明のように微粒
子を用いることにより、磁性結晶粒の分散性が向上し、
より低ノイズ化されることが分かる。
【0095】なお、本発明の磁気記録媒体は、記録・再
生装置(へッド)が磁気記録媒体に接触する方式、ヘッ
ドが磁気記録媒体から浮上する方式のいずれにも適用す
ることができる。また、本発明の第1〜第3の発明は、
適宜組み合わせて実施することができる。
【0096】
【発明の効果】以上説明したような本発明の第1の発明
によれば、磁性薄膜中における磁性粒子間に存在するア
ルカリ土類金属の酸化物が磁気的交換相互作用を分断し
て、出力が大きく、しかも媒体ノイズが小さい磁気記録
媒体を得ることができる。
【0097】本発明の第2の発明によれば、磁性金属粒
子の非磁性母材への分散による低ノイズ化、硬質非磁性
母材による保護膜無しの接触高耐久性、非磁性導電膜の
付与によるMRヘッドに最適な適度な電気伝導性、適度
な電気伝導性によるヘッド通電電流分流防止、並びに表
面電荷蓄積による絶縁破壊防止を全て実現することがで
きる。
【0098】特に、本発明の第2の発明によれば、非磁
性導電膜により導電性を制御することができるので、磁
性薄膜を構成する磁性金属粒子や非磁性母材の材料選択
の幅を広げることができる。
【0099】本発明の第3の発明によれば、微粒子の分
散性、磁性材料間の分断が良好であり、低ノイズでかつ
高密度記録が可能な磁気記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の発明にかかる磁気記録媒体の一
実施形態を示す断面図。
【図2】本発明の第1の発明にかかる磁気記録媒体の他
の実施形態を示す断面図。
【図3】本発明の第2の発明にかかる磁気記録媒体の一
実施形態を示す断面図。
【図4】本発明の第3の発明にかかる磁気記録媒体の一
実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…Co−Pt−CaO磁性膜、3…
カーボン膜、4…潤滑剤膜、5…Co−Pt−SiO−
MgO磁性膜、6…Ti−N膜、7…磁性薄膜、7a…
Co−Pt合金粒子、7b…Si34 母材、8…微粒
子、9…第1の領域、10…第2の領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−301903(JP,A) 特開 平5−143953(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/66

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板と、前記非磁性基板上に形成
    された磁性薄膜とを具備し、前記磁性薄膜は、Co、P
    t、Sm、Fe、Ni、Cr、Mn、Bi、Al、T
    a、Ti、及びこれらの合金からなる群より選択される
    材料で構成された複数の磁性粒子と、それら磁性粒子間
    に介在したアルカリ土類金属の酸化物とを含んだことを
    特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 ガラス基板と、前記ガラス基板上に設け
    られた金属微粒子と、前記ガラス基板上に設けられ且つ
    前記金属微粒子を被覆した磁性薄膜とを具備し、 前記磁性薄膜は、前記金属微粒子を核として成長してな
    る第1の領域と、前記第1の領域に分断された第2の領
    域とを備え、 前記第1の領域はCo、Fe、及びNiからなる群より
    選択される少なくとも一種の元素を含有した強磁性材料
    で構成され、前記第2の領域は非磁性材料で構成された
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 ガラス基板と、前記ガラス基板上に設け
    られ且つ酸化物、窒化物、弗化物、及び炭化物からなる
    群より選択される材料で構成された非磁性微粒子と、前
    記ガラス基板上に設けられ且つ前記非磁性微粒子を被覆
    した磁性薄膜とを具備し、 前記磁性薄膜は、前記非磁性微粒子を核として成長して
    なる第1の領域と、前記第1の領域に分断された第2の
    領域とを備え、 前記第1の領域は非磁性材料で構成され、前記第2の領
    域は磁性材料で構成された ことを特徴とする磁気記録媒
    体。
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