JP2002074639A - 垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置 - Google Patents

垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置

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JP2002074639A
JP2002074639A JP2000254168A JP2000254168A JP2002074639A JP 2002074639 A JP2002074639 A JP 2002074639A JP 2000254168 A JP2000254168 A JP 2000254168A JP 2000254168 A JP2000254168 A JP 2000254168A JP 2002074639 A JP2002074639 A JP 2002074639A
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JP2000254168A
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Yukio Honda
幸雄 本多
Kiwamu Tanahashi
究 棚橋
Atsushi Kikukawa
敦 菊川
Yoshiyuki Hirayama
義幸 平山
Masaaki Futamoto
正昭 二本
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた低ノイズ特性と記録磁化の安定性を有
し、超高密度磁気記録に好適な垂直磁気記録媒体及び磁
気記憶装置を提供する。 【解決手段】 基板11上に裏打磁性層13,22、垂
直磁化膜15、保護膜16の順に形成した垂直磁気記録
媒体において、裏打磁性層に含まれる軟磁性膜は、非柱
状多結晶構造の平均粒径が1〜10nmの範囲の磁性微
結晶粒からなる薄膜で構成する。また、軟磁性膜と垂直
磁化膜の間に1〜10nmの範囲の非磁性中間層を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生ノイズが小さ
く、記録分解能特性に優れた超高密度磁気記録に好適な
垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、実用的に用いられている磁気記録
方式は、磁気記録媒体面に平行に、かつ磁極のN極とN
極、S極とS極を互いに突き合わせる方向に磁化して磁
気記録を行う面内磁気記録方式である。面内磁気記録方
式において線記録密度を向上するには、記録時の反磁界
の影響を減少するために記録媒体である磁性膜の残留磁
化Brと磁性膜厚tの積(Br・t)を小さくし、保磁
力を増大する必要がある。また、磁化遷移から発生する
媒体ノイズを減少するために、磁性膜の磁化容易軸を基
板面に平行に配向させると共に、結晶粒径の制御が必要
である。
【0003】面内磁気記録用の磁性膜としては、Coを
主成分とし、これにCr,Ta,Pt,Rh,Pd,T
i,Ni,Nb,Hfなどを添加したCo合金薄膜が用
いられる。磁性薄膜を構成するCo合金は、主として六
方稠密格子構造(以下、hcp構造という)の材料を用
いる。この結晶のc軸は<00.1>方向に磁化容易軸
を持ち、この磁化容易軸を面内方向に配向させる。磁性
薄膜の結晶配向性や粒径を制御するために、基板と磁性
膜の間に構造制御用の下地層を形成する。下地層として
は、Crを主成分とし、これにTi,Mo,V,W,P
t,Pdなどを添加した材料を用いる。磁性薄膜は真空
蒸着法やスパッタリング法により形成する。また、ガラ
ス基板などを用いたとき面内磁化膜の結晶配向や磁気特
性改善のために前記Cr合金下地層の下層にNi−Al
合金やCo−Cr−Zr合金などのプリコートを形成し
た媒体が用いられる。
【0004】前記したように、面内磁気記録において媒
体ノイズを小さくし線記録密度を向上するには、磁性膜
の残留磁化Brと磁性膜厚tの積を小さくする必要があ
り、このために磁性膜の膜厚を20nm以下まで薄く
し、結晶粒径を10〜15nmまで微細化することが必
要である。しかし、このような磁性結晶粒を微細化した
媒体では、熱揺らぎにより記録磁化が減少するという極
めて重大な問題があり、高密度記録の障害となってい
る。
【0005】一方、垂直磁気記録方式は、記録媒体面に
垂直に、かつ隣り合う記録ビットが互いに反平行になる
ように磁区を形成する磁気記録方式であり、記録ビット
の境界での反磁界が小さくなり高密度記録ほど磁化が安
定に保たれ易い利点があり、高密度磁気記録の有力な手
段の一つである。面内磁気記録による高密度記録のため
には、前記したように磁性膜の厚さを20nm以下に
し、磁性結晶粒径の微細化と均一化をする必要がある
が、この場合、熱的緩和により記録磁化が消失する問題
がある。これに対して垂直磁気記録では、面内磁気記録
に比べて磁性膜厚を厚くでき、記録磁化を安定に保持で
きる利点がある。垂直磁気記録により線記録密度を向上
するためには、記録ビット内部及び磁化遷移領域に形成
される不規則構造の磁区から発生する媒体ノイズを減少
することが必要である。このためには、磁性膜の磁化容
易軸を基板面に垂直に配向させると共に、磁化容易軸の
配向分散を小さくし、垂直磁化膜の結晶粒径を制御する
ことが必要である。
【0006】垂直磁化膜としては、Coを主成分とし、
これにCr,Ta,Pt,Rh,Pd,Ti,Ni,N
b,Hfなどを添加したCo合金薄膜、又はCoに希土
類元素を添加した例えばTe−Fe−Co非晶質材料、
CoとPtやPdの多層膜材料などが用いられる。磁性
薄膜を構成するCo合金としては、主としてhcp構造
の材料を用いる。Co合金薄膜は、この結晶のc軸、<
00.1>方向に磁化容易軸を持ち、この磁化容易軸を
垂直方向に配向させる。磁性薄膜は真空蒸着法やスパッ
タリング法により形成する。磁気記録したときの線記録
密度や再生出力を向上し、再生ノイズを減少させて磁気
記録特性を向上するために、上記のCo合金薄膜のc軸
の垂直配向性を向上すると共に、結晶粒径の制御が必要
であり、このために基板と磁性膜の間に構造制御用の下
地層を形成するなどの改善策が従来から行われている。
【0007】垂直磁気記録媒体には、基板上に構造制御
層を介して垂直磁化膜を形成した単層垂直磁気記録媒体
と、基板上に軟磁性膜を形成し、この上に構造制御層を
介して垂直磁化膜を形成した2層垂直磁気記録媒体があ
る。前者の場合、媒体ノイズの主因は、反磁界の影響に
より記録ビット内部及び磁化遷移領域に形成される不規
則構造の磁区である。一方、後者の2層垂直磁気記録媒
体の場合、媒体ノイズは、記録ビット内部及び磁化遷移
領域に形成される不規則構造の磁区に加えて、垂直磁化
膜の下層に設けた軟磁性膜など裏打磁性層の磁区構造の
乱れによっても発生する。すなわち垂直磁化膜と軟磁性
膜の間には磁気的な相互作用が働き、軟磁性膜の磁区構
造の乱れがこの上に形成した垂直磁化膜の磁区構造の乱
れを増大し媒体ノイズを大きくする原因となっている。
また上記の2層垂直磁気記録媒体では、媒体周囲の浮遊
磁界によって軟磁性膜の磁化が変動し、その結果垂直磁
化膜の記録信号が劣化する問題が指摘されている。
【0008】軟磁性膜の磁区構造を制御、浮遊磁界によ
るする記録信号劣化を防止する方式として、例えば特開
平11−191217号公報「垂直磁気記録媒体の製造
方法」のように、軟磁性膜の下層に磁化容易軸が面内方
向に配向した硬磁性膜を形成する方法が提案されてい
る。この方法によれば、外部磁界による軟磁性膜の磁区
構造の変化をある程度低下できる効果は認められるが、
軟磁性膜の下層に直接面内配向の硬磁性膜を接して形成
したとき硬磁性膜の磁区の乱れがこの上の軟磁性膜に転
写され、その結果、軟磁性膜から発生したノイズが垂直
磁化膜の再生信号の中に含まれて高密度記録の障害にな
る問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】垂直磁気記録媒体、特
に裏面に軟磁性裏打層を備えた2層垂直磁気記録媒体に
より超高密度磁気記録を実現するには、線記録密度の向
上の他に再生信号に含まれるノイズ、特に媒体の微細構
造に起因する媒体ノイズを低減することが重要である。
本発明は、このような問題認識のもとに、従来技術の欠
点を解消し、優れた低ノイズ特性と記録磁化の安定性を
有し超高密度磁気記録に好適な垂直磁気記録媒体及び磁
気記憶装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、裏打磁性
層を備えた垂直磁気記録媒体における媒体ノイズの原因
と記録分解能特性に及ぼす軟磁性膜の影響について詳細
に検討した結果、裏打磁性層の構造と裏打磁性層表面の
磁区構造が磁気記録したときの垂直磁気記録媒体表面の
漏洩磁界分布に影響し、媒体ノイズを増大させ、記録分
解能特性を阻害していることを見出した。
【0011】裏打磁性層を備えた垂直磁気記録媒体にお
いて、前記裏打磁性層は、(1)垂直磁気記録の際の記
録ヘッドの記録効率向上のためのリターンパスの役割
と、(2)垂直磁化膜からの再生信号出力向上、を主た
る目的として従来用いられている。本発明では、裏打磁
性層の構造と表面の磁区構造の関係、及び裏打磁性層と
垂直磁化膜の相互作用による磁区構造の関係、特に裏打
磁性層に含まれる軟磁性膜の微細構造と磁区構造の関係
を系統的に調べ、垂直磁気記録媒体の媒体ノイズ低減と
記録密度特性向上に好適な手段を見い出した。
【0012】本発明においては、垂直磁化膜の結晶配向
及び結晶粒径制御に加えて垂直磁化膜の下層に形成する
裏打磁性層、特に軟磁性膜の構造を制御することによっ
て、裏打磁性層表面の磁区構造を制御し、磁気記録した
とき垂直磁化膜表面に形成される不規則構造の磁区を低
減することにより前記目的を達成する。具体的には、基
板上に裏打磁性層、垂直磁化膜、保護膜の順に形成した
垂直磁気記録媒体において、裏打磁性層の一部を構成す
る軟磁性膜の微細構造と表面の磁区構造の関係を系統的
に調べることにより、媒体ノイズの小さい記録磁化の安
定性に優れた超高密度磁気記録に好適な垂直磁気記録媒
体を提供する。
【0013】すなわち、本発明による垂直磁気記録媒体
は、基板の片面もしくは両面上に裏打磁性層を介して垂
直磁化膜を設けた垂直磁気記録媒体において、裏打磁性
層は、基板面に平行な断面及び基板面に垂直な断面で計
測した粒子面積をそれと同じ面積の円に近似したときの
平均粒径が1〜10nmの範囲である軟磁性粒子を含む
軟磁性膜を備えることを特徴とする。
【0014】本発明による垂直磁気記録媒体は、また、
基板の片面もしくは両面上に裏打磁性層を介して垂直磁
化膜を設けた垂直磁気記録媒体において、裏打磁性層は
非柱状多結晶構造の磁性微結晶粒を含む軟磁性膜を備え
ることを特徴とする。軟磁性膜と垂直磁化膜の間に厚さ
1〜10nmの範囲の非磁性中間層を設けたことが好ま
しい。
【0015】裏打磁性層は上層に軟磁性膜、下層に保磁
力1kOe以上の硬磁性膜を有する構造をとることもで
きる。軟磁性膜はFe又はCoを主成分とし、これにT
a,Hf,Nb,Zr,C,Al,Cr,Si,B,R
uの中から選ばれる少なくとも1種類の元素を含む合
金、もしくはこれらの合金の積層膜で構成することがで
きる。
【0016】また、軟磁性膜の下層に設けられる硬磁性
層は、Coを主成分としこれにCr,Pt,Ta,H
f,Smの何れかを添加した合金とすることができる。
本発明による磁気記憶装置は、磁気記録媒体と、単磁極
型の磁気記録用ヘッドと、磁気抵抗効果型、スピンバル
ブ型もしくは磁気トンネル型の信号再生用ヘッドとを備
える磁気記憶装置において、垂直磁気記録媒体として、
基板の片面もしくは両面上に裏打磁性層を介して垂直磁
化膜が設けられ、裏打磁性層は基板面に平行な断面及び
基板面に垂直な断面で計測した粒子面積をそれと同じ面
積の円に近似したときの平均粒径が1〜10nmの範囲
である軟磁性粒子を含む軟磁性膜を備える垂直磁気記録
媒体を用いたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を挙げ、図
面を参照しながら詳細に説明する。図において、同一の
符号を付した部分は、同様の性能特性を有する部分を示
す。本発明による垂直磁気記録媒体は、基板面の片面も
しくは両面に記録層を設けることが可能である。図1
に、本発明による垂直磁気記録媒体の基本構造の断面模
式図の一例を示す。
【0018】図1(a)に断面構造を模式的に示す垂直
磁気記録媒体は、基板11上にプリコート層12、裏打
軟磁性膜13、非磁性中間層14、垂直磁化膜15、及
び保護膜16を有する。プリコート層12は、この上に
形成する裏打軟磁性膜13の初期成長層の構造を制御
し、磁性粒子の粒径や軟磁気特性を改善するために用い
る。プリコート層としては非磁性材料が望ましく、T
i,Hf,TaやCr−X合金(X:Ti,Ni,M
o,W,Co,Ru)、あるいはSi,Geなどの薄膜
が使用できる。プリコート層の膜厚は5〜30nmが望
ましい。
【0019】図1(b)に断面構造を模式的に示す垂直
磁気記録媒体は、基板11上に裏打磁性層22、非磁性
中間層14、垂直磁化膜15、及び保護膜16を有す
る。裏打磁性層22は、高保磁力の硬磁性膜23と軟磁
性膜24で構成される積層構造である。高保磁力の硬磁
性膜23は、この上に形成する軟磁性膜24の磁区構造
が外部磁界によって変化するのを防止する役割があり、
その保磁力は上部に形成する軟磁性膜より大きく20〜
4000Oeの範囲、望ましくは1000〜4000O
eの範囲が良い。硬磁性層はCoを主成分とし、これに
Cr,Pt,Ta,Hf,Smの何れかを添加した合金
を使用する。
【0020】軟磁性膜13及び24の保磁力は、20O
e以下が良く、1Oe以下が望ましい。軟磁性膜は、F
e又はCoを主成分とし、これにTa,Hf,Nb,Z
r,C,Al,Cr,Si,B,Ruの中から選ばれる
少なくとも1種類の元素を含む合金、もしくはこれらの
積層膜で構成される。
【0021】非磁性中間層14は、軟磁性膜上に形成す
る垂直磁化膜の結晶構造を制御する役割と、軟磁性膜と
垂直磁化膜の間の磁気的相互作用を弱め、媒体ノイズを
低減する役割がある。非磁性中間層としては、Ti,H
f,Ti−Cr合金、Hf−Cr合金、Ni−Cr合
金、非磁性のCo−Cr合金あるいはSi,Ge,Cな
どの非晶質材料などを用いることができる。
【0022】垂直磁化膜15としては、Coを主成分と
し、これにCr,Ta,Pt,Rh,Pd,Ti,N
i,Nb,Hfなどを添加したCo合金薄膜、又はCo
に希土類元素を添加した例えばTe−Fe−Co非晶質
材料、CoとPtやPdの多層膜材料などを用いること
ができる。
【0023】図1に示した本発明による垂直磁気記録媒
体の記録再生特性の評価に用いた磁気記憶装置の一例を
図2により説明する。磁気記憶装置は、磁気ディスク3
1、記録再生用の磁気ヘッド32、磁気ヘッドを支持す
るサスペンジョン33、アクチュエータ34、ボイスコ
イルモータ35、記録再生回路36、位置決め回路3
7、インターフェース制御回路38などで構成される。
磁気ディスク31は図1にて説明した垂直磁気記録媒体
からなり、保護膜上には潤滑膜が被覆されている。磁気
ヘッド32は、スライダー、この上に設けられた磁気記
録用ヘッド及び信号再生用の磁気抵抗効果型、巨大磁気
抵抗効果型もしくはスピンバルブ型素子あるいは磁気ト
ンネル型素子からなる再生用ヘッドで構成される。記録
信号再生用の磁気ヘッドのギャップ長は、高分解能の再
生信号を得るために0.25μm以下とし、望ましくは
0.08〜0.15μmとする。磁気記録用のヘッド
は、単磁極型ヘッドを用いた。再生用ヘッドのトラック
幅は、記録用ヘッド磁極のトラック幅より狭くし、記録
トラック両端部から生じる再生ノイズを低減する。本装
置を用いて、垂直磁気記録媒体の媒体ノイズ特性や記録
再生特性評価を行った。
【0024】〔実施例1〕図1(a)に断面構造を示す
垂直磁気記録媒体を、インライン型の高速形成スパッタ
リング装置により作製した。洗浄したガラス基板11を
スパッタリング装置に設置し、赤外線ランプ加熱ヒータ
に1200ワットの電力を投入し、約10秒間基板表面
の予備加熱(約300℃)を行った。続いて同一真空中
で膜厚20nmのプリコート層12を形成した。プリコ
ート層としては前記のいずれの材料を用いても良いが、
本実施例では一例としてTi−10at%Cr合金を用
いた。このプリコート層の上に膜厚400nmの軟磁性
膜13を形成した。軟磁性膜は、Fe又はCoを主成分
とし、これにTa,Hf,Nb,Zr,C,Al,C
r,Si,B,Ruの中から選ばれる少なくとも1種類
以上元素を含む合金を用いたが、ここではFe−8at
%Ta−12at%C−3at%Al合金の例で説明す
る。
【0025】軟磁性膜形成の後、再び赤外線ランプ加熱
ヒータに1200ワット〜1600ワットの電力を投入
し、軟磁性膜の表面を約10秒間加熱(約300℃〜約
450℃)した。この加熱処理により、軟磁性膜の磁気
特性(飽和磁束密度、保磁力、透磁率)が改善され、例
えば上記加熱温度範囲(約300℃〜約450℃)にお
いて温度上昇と共に飽和磁束密度は0.8T(テスラ)
から1.7Tに向上した。すなわち、加熱温度が約30
0℃のとき軟磁性膜の飽和磁束密度は0.8Tとなり、
加熱温度が約450℃のとき飽和磁束密度は1,7Tと
なった。
【0026】引き続き同一真空中で膜厚5nmの非磁性
中間層14、膜厚25nmの垂直磁化膜15を連続して
形成した。ここでは一例として非磁性中間層14にTi
−10at%Cr合金、垂直磁化膜15にCo−22a
t%Cr−12at%Pt合金を用いた例で説明する。
垂直磁化膜15の形成に引き続いて、赤外線ランプ加熱
ヒータに1200ワットの電力を投入し、約10秒間媒
体表面を加熱(約300℃)し、そののち垂直磁化膜1
5形成用スパッタリングターゲット前面で約40秒間試
料を保持し、スパッタリングターゲットの後方に設置さ
れたマグネットの漏洩磁界による磁場中冷却処理を行っ
た。垂直磁化膜15形成用スパッタリングターゲット前
面には50〜300ガウスの半径方向の漏洩磁界があ
り、軟磁性膜はこの磁界方向に磁気異方性を付与され
る。上記の後、垂直磁化膜の表面に保護膜16として膜
厚5nmのカーボン膜を形成した。本実施例における各
薄膜の形成速度は約10nm/秒であった。
【0027】上記の形成プロセスにおいて、軟磁性膜形
成後の加熱条件と軟磁性膜の磁性粒径の関係を調べるた
めに、1600ワット/10秒間の加熱を1サイクルと
して、1〜9サイクルの加熱処理をした試料を作製し
た。上記の高速形成スパッタリング装置を用いて、ガラ
ス基板11、プリコート層12、非磁性中間層14、垂
直磁化膜15及び保護膜16を同じ材料を用い、同様の
形成プロセスにより軟磁性膜13としてFe−8at%
Hf−12at%C−3at%SiとFe−8at%T
a−12at%C−3at%Bを用いた試料を作製し
た。
【0028】比較のためにバッチ型の高真空DCマグネ
トロンスパッタリング装置により、図1(a)に断面構
造を示す媒体を作製した。加熱方式は、基板ホルダの背
面からヒータで加熱する方式を採用した。洗浄したガラ
ス基板11をスパッタリング装置に設置し、Ti−10
at%Cr合金からなる膜厚20nmのプリコート層1
2を形成した。この上に同一真空中で膜厚400nmの
Fe−8at%Ta−12at%C−3at%Al合金
からなる軟磁性膜13を形成した。軟磁性膜の形成速度
は約0.6nm/秒であった。軟磁性膜13を形成した
後、同一真空中で450℃で15分間加熱した。この加
熱により飽和磁束密度1.7Tの軟磁性膜が得られた。
引き続き350℃において前記軟磁性膜の上に膜厚5n
mのTi−10at%Cr非磁性中間層14、膜厚25
nmのCo−22at%Cr−12at%Pt合金垂直
磁化膜15を形成し、この垂直磁化膜形成用スパッタリ
ングターゲットの上面において約10分間試料を保持し
たのち、垂直磁化膜の表面に保護膜16として膜厚5n
mのカーボン膜を形成した。
【0029】また上記のバッチ型の高真空DCマグネト
ロンスパッタリング装置により、ガラス基板11、プリ
コート層12、非磁性中間層14、垂直磁化膜15及び
保護膜16を同じ材料を用い、同様の形成プロセスによ
り軟磁性膜13としてFe−8at%Hf−12at%
C−3at%SiとFe−8at%Ta−12at%C
−3at%Bを用いた試料を作製した。
【0030】本実施例で作製した試料の断面と基板面に
平行な面での軟磁性膜の透過電子顕微鏡像の観察を行
い、観察視野における100個以上の粒子の軟磁性膜の
結晶粒径の測定を行い、平均粒径を求めた。通常、結晶
粒は図3(a)に示したように不規則な形状をしてい
る。本実施例では、図3(a)に示した不規則構造の結
晶粒の形状をデジタル画像として処理し、不規則構造の
結晶粒のピクセル数(すなわち面積)を測定した。続い
て図3(b)に示したように、上記不規則構造の結晶粒
のピクセル数(すなわち面積)と同じピクセル数(すな
わち面積)を有する円を近似して、この円の直径を求め
た。同様の処理を観察視野における100個以上の軟磁
性膜の結晶粒に対して実施し、平均粒径を求めた。
【0031】図4は、本実施例で作製した試料におい
て、軟磁性膜の形成条件と軟磁性粒子の平均粒径の関係
を比較した結果の一例を示す図である。図から明らかな
ように、軟磁性膜の形成条件(例えば加熱サイクルや加
熱時間)により軟磁性膜の結晶粒径が変化することが明
らかである。
【0032】図5は、図4と同様の試料に図2に示した
磁気録装置より磁気記録を行い、媒体ノイズと記録分解
能特性を測定した結果の一例を示す図である。ここで媒
体ノイズは、線記録密度400kFCI(kilo Flux Ch
ange per Inch)で磁気記録を行い、0〜50MHzの
範囲のノイズパワーを測定し、このノイズパワーを低記
録密度(5kFCI)の出力信号で規格化した値で示し
た。記録分解能は、低記録密度(5kFCI)の出力信
号に対して50%の出力信号になるときの線記録密度
(D50)で定義した。図の比較から明らかなように、軟
磁性膜の形成条件(例えば加熱サイクルや加熱時間)に
より軟磁性膜の結晶粒径が変化し、これと共に媒体ノイ
ズや記録分解能特性が変化することがわかる。特に軟磁
性膜の平均結晶粒径を10nm以下にすることにより、
規格化媒体ノイズ約8Vrms/Vpp以下、記録分解
能200kFCI以上の媒体を提供できることがわか
る。一方、軟磁性膜の平均結晶粒径を1nm以下に微細
化し過ぎると軟磁性膜の磁気特性、例えば飽和磁束密度
の低下、透磁率の低下などが生じ望ましくない。
【0033】本実施例で作製した試料の軟磁性膜の断面
側と平面側の透過電子顕微鏡観察を行った。図6に、平
面側から観察した透過電子顕微鏡像の一例を比較して示
す。なお、軟磁性膜の構造は断面側と平面側からの観察
結果はほぼ同じ構造で、いずれも柱状構造は観察されな
かった。図6(a)は平均粒径約5nmのFe−8at
%Ta−12at%C−3at%Al軟磁性膜の透過電
子顕微鏡像、図6(b)は比較用媒体である平均粒径約
20nmのFe−8at%Ta−12at%C−3at
%Al軟磁性膜の透過電子顕微鏡像である。この透過電
子顕微鏡像から明らかなように、軟磁性膜結晶は柱状構
造ではなく、むしろ粒状の構造であることがわかる。ま
た形成条件により軟磁性膜の粒径を制御でき、軟磁性膜
結晶の微細化により低ノイズ化と高記録分解能化ができ
ることを示す。他の軟磁性膜でもほぼ同様の傾向が認め
られた。本実施例で作製した試料の軟磁性膜の構造をX
線回折法により測定した結果、Feの(110)及び
(200)回折に対応するピークが検出された。
【0034】図7は、平均粒径の異なる軟磁性膜の上に
図1(a)に示した構成のCoCrPt垂直磁化膜を形
成した試料表面の磁化状態を磁気力顕微鏡で観察し、表
面に形成された不規則構造の磁区の大きさを測定し比較
した結果の一例である。図において実線は図6(a)に
示した平均粒径約5nmのFe−8at%Ta−12a
t%C−3at%Al軟磁性膜の上にCoCrPt垂直
磁化膜を形成した試料、破線は図6(b)に示した比較
用媒体である平均粒径約20nmのFe−8at%Ta
−12at%C−3at%Al軟磁性膜の上にCoCr
Pt垂直磁化膜を形成した試料である。
【0035】図7の横軸は磁気力顕微鏡で観察した不規
則構造磁区の直径を示す。不規則構造磁区の直径は次の
ようにして求めた。図3(a)に示した不規則構造の磁
区の形状をデジタル画像として処理し、不規則構造の磁
区のピクセル数(すなわち面積)を測定した。続いて図
3(b)に示したように上記不規則構造の磁区のピクセ
ル数(すなわち面積)と同じピクセル数(すなわち面
積)を有する円を近似して、この円の直径を求めた。同
様の処理を観察視野における100個以上の不規則構造
の磁区に対して実施し、平均粒径を求めた。また図7の
縦軸は、小さい面積を有する不規則構造磁区から大きい
面積を有する磁区に向かって順次積算して、全面積に対
する割合を示している。平均粒径が小さい軟磁性膜を用
いたとき不規則磁区の平均直径は約85nmに対して、
平均粒径が大きい軟磁性膜を用いたとき不規則磁区の平
均直径は約125nmである。
【0036】図7の比較から明らかなように、同じ構成
のCoCrPt垂直磁化膜であっても、平均粒径が小さ
い軟磁性膜を用いることにより記録膜表面に形成される
不規則磁区の直径を微細化ができ、その結果、磁気記録
をしたとき媒体ノイズの低減と記録分解能の向上ができ
る。
【0037】〔実施例2〕図1(a)に断面構造を示す
垂直磁気記録媒体をインライン型の高速形成スパッタリ
ング装置により作製した。洗浄したガラス基板11をス
パッタリング装置に設置し、赤外線ランプ加熱ヒータに
1200ワットの電力を投入し、約10秒間基板表面の
予備加熱(約300℃)を行った。続いて同一真空中で
膜厚20nmのプリコート層12を形成した。プリコー
ト層としては前記のいずれの材料を用いても良いが、本
実施例では一例としてTi−10at%Cr合金を用い
た。このプリコート層の上に膜厚400nmの軟磁性膜
13を形成した。軟磁性膜はFe又はCoを主成分と
し、これにTa,Hf,Nb,Zr,C,Al,Cr,
Si,B,Ruの中から選ばれる少なくとも1種類以上
元素を含む合金の積層膜用いたが、ここではFe−8a
t%Ta−12at%C合金とRuの積層膜とした例で
説明する。
【0038】上記のプリコート層の上に膜厚1nmのR
u,膜厚20nmのFe−8at%Ta−12at%C
合金膜の順に順次積層した構造の全膜厚400nmの軟
磁性膜を形成した。この積層構造の軟磁性膜形成の後、
再び赤外線ランプ加熱ヒータに1600ワットの電力を
投入し、前記軟磁性膜の表面を約10秒間加熱(450
℃)した。この加熱処理により、軟磁性膜の磁気特性
(飽和磁束密度、保磁力、透磁率)が改善され、例えば
上記加熱温度条件(約450℃)において飽和磁束密度
は1.6T(テスラ)、保磁力0.2Oe、透磁率20
00の軟磁性膜が形成された。
【0039】引き続き同一真空中で膜厚5nmの非磁性
中間層14、膜厚25nmの垂直磁化膜15を連続して
形成した。ここでは一例として非磁性中間層14にTi
−10at%Cr合金、垂直磁化膜15にCo−22a
t%Cr−12at%Pt合金を用いた例で説明する。
垂直磁化膜15の形成に引き続いて、赤外線ランプ加熱
ヒータに1200ワットの電力を投入し、約10秒間媒
体表面を加熱(約300℃)し、垂直磁化膜15形成用
スパッタリングターゲット前面で約40秒間試料を保持
し、スパッタリングターゲットの後方に設置されたマグ
ネットの漏洩磁界による磁場中冷却処理を行った。垂直
磁化膜15形成用スパッタリングターゲット前面には5
0〜300ガウスの半径方向の漏洩磁界があり、前記軟
磁性膜はこの磁界方向に磁気異方性を付与される。上記
の後、垂直磁化膜の表面に保護膜16として膜厚5nm
のカーボン膜を形成した。本実施例における薄膜の形成
速度は約10nm/秒であった。
【0040】上記の高速形成スパッタリング装置を用い
て、ガラス基板11、プリコート層12、非磁性中間層
14、垂直磁化膜15及び保護膜16を同じ材料を用
い、同様の形成プロセスにより上記のプリコート層12
の上に軟磁性膜13として膜厚20nmのFe−8at
%Hf−12at%Cと膜厚1nmのSiの積層膜、膜
厚20nmのFe−12at%Al−5at%Siと膜
厚1nmのCの積層膜からなる全膜厚400nmの軟磁
性膜を作製した。この積層構造の軟磁性膜形成の後、再
び赤外線ランプ加熱ヒータに1600ワットの電力を投
入し、前記軟磁性膜の表面を約20秒間加熱(450
℃)した。この加熱処理により、軟磁性膜の磁気特性
(飽和磁束密度、保磁力、透磁率)が改善された。すな
わち、軟磁性膜に必要な特性、飽和磁束密度1.4T以
上、保磁力20Oe以下、透磁率100〜2000の条
件を満たすようになった。
【0041】この形成プロセスにおいて、軟磁性膜形成
後の加熱条件と軟磁性膜の磁性粒径の関係を調べるため
に、1600ワット/10秒間の加熱を1サイクルとし
て、1〜9サイクルの加熱処理をした試料を作製した。
本実施例で作製した試料の軟磁性膜の断面側と平面側の
透過電子顕微鏡観察を行ったところ、軟磁性膜にはいず
れも柱状構造は観察されなかった。また軟磁性膜の構造
をX線回折法により測定した結果、Feの(110)及
び(200)回折に対応するピークが検出された。
【0042】図8は、本実施例で作製した試料につい
て、軟磁性膜の形成条件と軟磁性粒子の平均粒径の関係
と、図2に示した磁気録装置より磁気記録を行い、媒体
ノイズと記録分解能特性を測定した結果の一例を比較し
て示した図である。ここで媒体ノイズは、線記録密度4
00kFCI(kilo Flux Change per Inch)で磁気記
録を行い、0〜50MHzの範囲のノイズパワーを測定
し、このノイズパワーを低記録密度(5kFCI)の出
力信号で規格化した値で示した。記録分解能は、低記録
密度(5kFCI)の出力信号に対して50%の出力信
号になるときの線記録密度(D50)で定義した。
【0043】図の比較から明らかなように、軟磁性膜の
形成条件(例えば加熱サイクルや加熱時間)により軟磁
性膜の結晶粒径が変化し、これと共に媒体ノイズや記録
分解能特性が変化することがわかる。特に軟磁性膜の平
均結晶粒径を10nm以下にすることにより、規格化媒
体ノイズ約8Vrms/Vpp以下、記録分解能200
kFCI以上の媒体を提供できることがわかる。
【0044】〔実施例3〕図1(a)に断面構造を示す
媒体をインライン型の高速形成スパッタリング装置によ
り作製した。洗浄したガラス基板11をスパッタリング
装置に設置し、赤外線ランプ加熱ヒータに1200ワッ
トの電力を投入し、約10秒間基板表面の予備加熱(約
300℃)を行った。続いて同一真空中で膜厚20nm
のプリコート層12を形成した。プリコート層としては
前記のいずれの材料を用いても良いが、本実施例では一
例としてTi−10at%Cr合金を用いた。このプリ
コート層の上に膜厚400nmの軟磁性膜13を形成し
た。
【0045】ここでは、軟磁性膜の構造(すなわち非晶
質構造、柱状構造及び非柱状多結晶構造)による比較を
した。非晶質構造軟磁性膜の一例としてCo−10at
%Ta−2at%Zrを用いた試料A、柱状構造軟磁性
膜の一例としてFe−12at%Al−5at%Siを
用いた試料B、非柱状多結晶構造軟磁性膜の一例として
Fe−8at%Ta−12at%C−2at%Bを用い
た試料Cの例で説明する。
【0046】上記のプリコート層の上に軟磁性膜を形成
した後、再び赤外線ランプ加熱ヒータに1600ワット
の電力を投入し、試料A,B,Cの前記軟磁性膜の表面
を約10秒間加熱(450℃)した。引き続き同一真空
中で膜厚20nmの非磁性中間層14、膜厚25nmの
垂直磁化膜15を連続して形成した。ここでは一例とし
て非磁性中間層14にCo−35at%Cr合金、垂直
磁化膜15にCo−22at%Cr−14at%Pt合
金を用いた例で説明する。垂直磁化膜15の形成に引き
続いて、赤外線ランプ加熱ヒータに1200ワットの電
力を投入し、約10秒間媒体表面を加熱(約300℃)
し、そののち垂直磁化膜15形成用スパッタリングター
ゲット前面で約40秒間試料を保持し、スパッタリング
ターゲットの後方に設置されたマグネットの漏洩磁界に
よる磁場中冷却処理を行った。垂直磁化膜15形成用ス
パッタリングターゲット前面には50〜300ガウスの
半径方向の漏洩磁界があり、前記軟磁性膜はこの磁界方
向に磁気異方性を付与される。上記の後、垂直磁化膜の
表面に保護膜16として膜厚5nmのカーボン膜を形成
した。本実施例における薄膜の形成速度は約10nm/
秒であった。
【0047】図9は、軟磁性膜の構造の異なる上記試料
A、試料B、及び試料Cの断面構造を透過電子顕微鏡で
観察した結果の一例を示す図である。図9(a)は非晶
質構造の軟磁性膜を用いた試料Aの断面構造、(b)は
柱状構造の軟磁性膜を用いた試料Bの断面構造、(c)
は本発明の非柱状多結晶構造の軟磁性膜を用いた試料C
の断面構造である。X線回折法により試料A、試料B、
及び試料Cの軟磁性膜の構造を調べた結果、試料Aの軟
磁性膜は非晶質構造、試料Bの軟磁性膜はFeの(11
0)及び(200)回折に対応するピーク、試料Cの軟
磁性膜はFeの(110)及び(200)回折に対応す
るピークがそれぞれ観察された。
【0048】図10は、上記試料A、試料B、及び試料
Cの垂直磁化膜表面の磁区構造を磁気力顕微鏡で観察
し、表面に形成された不規則構造磁区の大きさを比較し
た結果の一例を示す図である。図10の横軸は、磁気力
顕微鏡で観察した不規則構造磁区の直径である。不規則
構造磁区の直径は次のようにして求めた。図3(a)に
示したような不規則構造の磁区の形状をデジタル画像と
して処理し、不規則構造の磁区のピクセル数(すなわち
面積)を測定した。続いて図3(b)に示したように上
記不規則構造の磁区のピクセル数(すなわち面積)と同
じピクセル数(すなわち面積)を有する円を近似して、
この円の直径を求めた。同様の処理を観察視野における
100個以上の不規則構造の磁区に対して実施し、平均
粒径を求めた。また図10の縦軸は、小さい面積を有す
る不規則構造磁区から大きい面積を有する磁区に向かっ
て順次積算して、全面積に対する割合を示している。
【0049】図10から明らかなように、柱状構造の軟
磁性膜を用いた試料Bは、垂直磁化膜表面に大きなサイ
ズの不規則磁区が形成され易く、不規則磁区の平均直径
は約350nmと大きい。一方、本発明の非柱状多結晶
構造の軟磁性膜を用いた試料Cは、垂直磁化膜表面の不
規則磁区の直径を小さくでき、不規則磁区の平均直径は
約90nmである。また非晶質構造の軟磁性膜を用いた
試料Aは、試料Bに比べて垂直磁化膜表面の不規則磁区
のサイズは小さくできるが(平均直径は約120n
m)、本発明の媒体に比べて大きなサイズの不規則磁区
が形成され易い傾向が認められる。
【0050】本実施例で作製した3種類の試料A,B,
Cに図2に示した磁気録装置より磁気記録を行い、媒体
ノイズと記録分解能特性を測定した。媒体ノイズは、線
記録密度400kFCI(kilo Flux Change per Inc
h)で磁気記録を行い、0〜50MHzの範囲のノイズ
パワーを測定し、このノイズパワーを低記録密度(5k
FCI)の出力信号で規格化した値で示した。記録分解
能は、低記録密度(5kFCI)の出力信号に対して5
0%の出力信号になるときの線記録密度(D50)で定義
した。この方法で測定した試料Aの規格化ノイズと記録
分解能はそれぞれ10Vrms/Vpp、254kFC
I、試料Bの規格化ノイズと記録分解能はそれぞれ40
Vrms/Vpp、115kFCI、一方本発明の試料
Cの規格化ノイズと記録分解能はそれぞれ7Vrms/
Vpp、312kFCIであった。
【0051】〔実施例4〕インライン型の高速形成スパ
ッタリング装置により図1(b)に示した高保磁力の硬
磁性膜23と軟磁性膜24で構成される積層構造の裏打
磁性層22を備えた試料Dを作製した。高保磁力の硬磁
性膜23は、この上に形成する軟磁性膜24の磁区構造
が外部磁界によって変化するのを防止し、スパイク状ノ
イズの原因となる磁区が軟磁性膜に形成されるのを防止
する役割があり、その保磁力は上部に形成する軟磁性膜
より大きく20〜4000Oeの範囲、望ましくは10
00〜4000Oeの範囲が良い。硬磁性層はCoを主
成分としこれにCr,Pt,Ta,Hf,Smの何れか
を添加した合金を使用する。
【0052】洗浄した直径2.5インチのガラス基板1
1をスパッタリング装置に設置し、赤外線ランプ加熱ヒ
ータに1200ワットの電力を投入し、約10秒間基板
表面の予備加熱(約300℃)を行った。続いて同一真
空中でプリコート層として膜厚20nmのNiAl膜と
膜厚5nmのCr−10at%Ti膜を形成した。この
上に膜厚20nmのCo−20at%Cr−14at%
Pt合金からなる硬磁性膜23を形成した。この硬磁性
膜23は面内方向の磁気異方性を有し保磁力は2300
Oeであった。硬磁性膜23の上に膜厚1nmのRu層
を形成した後、膜厚400nmの軟磁性膜24を形成し
た。軟磁性膜24として非柱状多結晶構造軟磁性膜であ
るFe−8at%Ta−12at%C−2at%Bを用
いた。軟磁性膜を形成した後、再び赤外線ランプ加熱ヒ
ータに1600ワットの電力を投入し、前記軟磁性膜の
表面を約10秒間加熱(450℃)した。軟磁性膜は、
この加熱処理によって、軟磁性膜に必要な特性、飽和磁
束密度1.4T以上、保磁力20Oe以下、透磁率10
0〜2000の条件を満たすようになった。
【0053】引き続き同一真空中で膜厚5nmの非磁性
中間層14、膜厚25nmの垂直磁化膜15を連続して
形成した。ここでは一例として非磁性中間層14にTi
−10at%Cr合金、垂直磁化膜15にCo−22a
t%Cr−14at%Pt合金を用いた例で説明する。
垂直磁化膜15の形成に引き続いて、赤外線ランプ加熱
ヒータに1200ワットの電力を再び投入し、約10秒
間媒体表面を加熱(約300℃)し、そののち垂直磁化
膜15形成用スパッタリングターゲット前面で約40秒
間試料を保持し、スパッタリングターゲットの後方に設
置されたマグネットの漏洩磁界による磁場中冷却処理を
行った。垂直磁化膜15形成用スパッタリングターゲッ
ト前面には50〜300ガウスの半径方向の漏洩磁界が
あり、前記軟磁性膜はこの磁界方向に磁気異方性を付与
される。上記の後、垂直磁化膜の表面に保護膜16とし
て膜厚5nmのカーボン膜を形成した。本実施例におけ
る薄膜の形成速度は約10nm/秒であった。
【0054】比較のために、インライン型の高速形成ス
パッタリング装置により高保磁力の硬磁性膜23を備え
ていない図1(a)に示した構成の試料Eを作製した。
洗浄した直径2.5インチのガラス基板11をスパッタ
リング装置に設置し、赤外線ランプ加熱ヒータに120
0ワットの電力を投入し、約10秒間基板表面の予備加
熱(約300℃)を行った。続いて同一真空中でプリコ
ート層として膜厚20nmのNiAl膜と膜厚5nmの
Cr−10at%Ti膜を形成した。この上に膜厚1n
mのRu層を形成した後、膜厚400nmの軟磁性膜1
3を形成した。軟磁性膜13として非柱状多結晶構造軟
磁性膜であるFe−8at%Ta−12at%C−2a
t%Bを用いた。軟磁性膜を形成した後、再び赤外線ラ
ンプ加熱ヒータに1600ワットの電力を投入し、前記
軟磁性膜の表面を約10秒間加熱(450℃)した。
【0055】引き続き同一真空中で膜厚5nmの非磁性
中間層14、膜厚25nmの垂直磁化膜15を連続して
形成した。非磁性中間層14にはTi−10at%Cr
合金、垂直磁化膜15にはCo−22at%Cr−14
at%Pt合金を用いた。垂直磁化膜15の形成に引き
続いて、赤外線ランプ加熱ヒータに1200ワットの電
力を再び投入し、約10秒間媒体表面を加熱(約300
℃)し、そののち垂直磁化膜15形成用スパッタリング
ターゲット前面で約40秒間試料を保持し、スパッタリ
ングターゲットの後方に設置されたマグネットの漏洩磁
界による磁場中冷却処理を行った。垂直磁化膜15形成
用スパッタリングターゲット前面には50〜300ガウ
スの半径方向の漏洩磁界があり、前記軟磁性膜はこの磁
界方向に磁気異方性を付与される。上記の後、垂直磁化
膜の表面に保護膜16として膜厚5nmのカーボン膜を
形成した。本実施例における薄膜の形成速度は約10n
m/秒であった。
【0056】垂直磁化膜の裏面に軟磁性裏打層を備えた
垂直磁気記録媒体では、図11に示したような磁区が軟
磁性膜にしばしば形成されることが知られている。軟磁
性膜にこような磁区が形成されると磁気記録再生におい
て、スパイク状ノイズとして検出され磁気記録特性を低
下させる原因の一つとなる。
【0057】上記の試料Dと試料Eを図2に示した記録
再生装置に搭載し、スパイク状ノイズ特性の評価をし
た。周速度6000rpmで回転する磁気ディスクの半
径24mmの位置に磁気ヘッド移動し、この位置で巨大
磁気抵抗型再生ヘッドで1周当たりに検出されるスパイ
ク状ノイズの数を数えた。その結果、裏打磁性層に硬磁
性膜を設けた試料Dでは1周当たりに検出されるスパイ
ク状ノイズの数は12個であった。一方、裏打磁性層に
硬磁性膜を設けない試料Eでは、1周当たりに検出され
るスパイク状ノイズの数は26個であった。更に試料D
と試料Eを図2に示した記録再生装置に搭載し、線記録
密度500kFCIで磁気記録したときのエラーレート
を測定した。その結果、試料Dでは1×10−6、一方
試料Eでは8×10−5であった。
【0058】また、記録再生プロセスにおいて媒体に外
部磁界を印加して記録磁化の安定性を評価した。その結
果、裏打磁性層に硬磁性膜を設けない試料Eでは約10
ガウスの磁界により約10%の出力減少が観察された。
一方、裏打磁性層に硬磁性膜を設けた試料Dでは約10
0ガウスの磁界を印加しても出力減少は10%以下であ
った。
【0059】〔実施例5〕インライン型の高速形成スパ
ッタリング装置により、図1(b)に示した高保磁力の
硬磁性膜23と軟磁性膜24で構成される積層構造の裏
打磁性層22を備えた試料F(1,2,3,4,5,
6)を作製した。
【0060】洗浄した直径2.5インチのガラス基板1
1をスパッタリング装置に設置し、赤外線ランプ加熱ヒ
ータに1200ワットの電力を投入し、約10秒間基板
表面の予備加熱(約300℃)を行った。続いて同一真
空中でプリコート層として膜厚20nmのNiAl膜と
膜厚5nmのCr−10at%Ti膜を形成した。この
上に膜厚20nmのCo−20at%Cr−14at%
Pt合金からなる硬磁性膜23を形成した。この硬磁性
膜23は面内方向の磁気異方性を有し保磁力は2300
Oeであった。硬磁性膜23の上に膜厚1nmのRu層
を形成した後、膜厚400nmの軟磁性膜24を形成し
た。軟磁性膜24として非柱状多結晶構造軟磁性膜であ
るFe−8at%Ta−12at%C−2at%Bを用
いた。軟磁性膜を形成した後、再び赤外線ランプ加熱ヒ
ータに1600ワットの電力を投入し、前記軟磁性膜の
表面を約10秒間加熱(450℃)した。この加熱処理
により、軟磁性膜は必要な特性、すなわち飽和磁束密度
1.4T以上、保磁力20Oe以下、透磁率100〜2
000の条件を満たすようになった。
【0061】引き続き同一真空中で膜厚を0,1,2,
5,10,20nmと変化した非磁性中間層14、及び
膜厚25nmの垂直磁化膜15を連続して形成した。非
磁性中間層14の膜厚が0,1,2,5,10,20n
mの媒体をそれぞれ試料F(1,2,3,4,5,6)
とする。ここでは一例として非磁性中間層14にTi−
10at%Cr合金、垂直磁化膜15にCo−22at
%Cr−14at%Pt合金を用いた例で説明する。垂
直磁化膜15の形成に引き続いて、赤外線ランプ加熱ヒ
ータに1200ワットの電力を再び投入し、約10秒間
媒体表面を加熱(約300℃)し、そののち垂直磁化膜
15形成用スパッタリングターゲット前面で約40秒間
試料を保持し、スパッタリングターゲットの後方に設置
されたマグネットの漏洩磁界による磁場中冷却処理を行
った。上記の後、垂直磁化膜の表面に保護膜16として
膜厚5nmのカーボン膜を形成した。本実施例における
薄膜の形成速度は約10nm/秒であった。
【0062】また、インライン型の高速形成スパッタリ
ング装置により、高保磁力の硬磁性膜23を備えていな
い図1(a)に示した構成の試料G(1,2,3,4,
5,6)を作製した。洗浄した直径2.5インチのガラ
ス基板11をスパッタリング装置に設置し、赤外線ラン
プ加熱ヒータに1200ワットの電力を投入し、約10
秒間基板表面の予備加熱(約300℃)を行った。続い
て同一真空中でプリコート層として膜厚20nmのNi
Al膜と膜厚5nmのCr−10at%Ti膜を形成し
た。この上に膜厚1nmのRu層を形成した後、膜厚4
00nmの軟磁性膜13を形成した。軟磁性膜13とし
て非柱状多結晶構造軟磁性膜であるFe−8at%Ta
−12at%C−2at%Bを用いた。軟磁性膜を形成
した後、再び赤外線ランプ加熱ヒータに1600ワット
の電力を投入し、前記軟磁性膜の表面を約10秒間加熱
(450℃)した。この加熱処理により、軟磁性膜は必
要な特性、すなわち飽和磁束密度1.4T以上、保磁力
20Oe以下、透磁率100〜2000の条件を満たす
ようになった。
【0063】引き続き同一真空中で膜厚を0,1,2,
5,10,20nmと変化した非磁性中間層14、及び
膜厚25nmの垂直磁化膜15を連続して形成した。非
磁性中間層14の膜厚が0,1,2,5,10,20n
mの媒体をそれぞれ試料G(1,2,3,4,5,6)
とする。ここでは一例として非磁性中間層14はTi−
10at%Cr合金、垂直磁化膜15はCo−22at
%Cr−14at%Pt合金を用いた例で説明する。垂
直磁化膜15の形成に引き続いて、赤外線ランプ加熱ヒ
ータに1200ワットの電力を再び投入し、約10秒間
媒体表面を加熱(約300℃)し、そののち垂直磁化膜
15形成用スパッタリングターゲット前面で約40秒間
試料を保持し、スパッタリングターゲットの後方に設置
されたマグネットの漏洩磁界による磁場中冷却処理を行
った。上記の後、垂直磁化膜の表面に保護膜16として
膜厚5nmのカーボン膜を形成した。本実施例における
薄膜の形成速度は約10nm/秒であった本実施例で作
製した媒体に図2に示した磁気録装置より磁気記録を行
い、媒体ノイズと記録分解能特性を測定した。媒体ノイ
ズは、線記録密度400kFCI(kilo Flux Change p
er Inch)で磁気記録を行い、0〜50MHzの範囲の
ノイズパワーを測定し、このノイズパワーを低記録密度
(5kFCI)の出力信号で規格化した値で示した。記
録分解能は、低記録密度(5kFCI)の出力信号に対
して50%の出力信号になるときの線記録密度(D50
で定義した。
【0064】測定結果の一例を図12に示す。図12の
横軸は、軟磁性膜と垂直磁化膜の間に挿入する非磁性中
間層14の膜厚である。縦軸は規格化媒体ノイズと記録
分解能特性を示す。図12から明らかなように、非磁性
中間層の膜厚が0nmでは磁気記録の際にヘッドと補助
磁極として作用する裏打磁性層とのスペーシングが小さ
くなるため記録効率が向上し、高い記録分解能が得られ
る。しかし、一方では軟磁性膜と垂直磁化膜の間の磁気
的な相互作用が強く媒体ノイズが増大する欠点がある。
非磁性中間層を挿入することにより媒体ノイズが大幅に
低減できることがわかる。しかし非磁性中間層の膜厚が
厚くなり過ぎると磁気記録の際にヘッドと媒体間のスペ
ーシングが大きくなるため記録効率が低下し、記録分解
能が低下する傾向が認められる。媒体ノイズ低減と高記
録分解能を同時に実現するのに適した非磁性中間層の膜
厚は、1〜10nmであり、望ましくは1〜5nmであ
る。上記実施例では、垂直磁化膜、構造制御層、軟磁性
膜、硬磁性膜の一例を挙げて内容の説明を行ったが、実
施例に記述した他の材料のいずれを組み合わせて用いて
も同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0065】
【発明の効果】本発明によると、媒体ノイズの原因とな
る軟磁性膜表面の磁区の微細化を促進し、垂直磁化膜媒
表面における不規則磁区の寸法の微細化が可能となり、
媒体ノイズが小さく記録分解能が高い、また記録磁化の
安定性に優れた超高密度磁気記録に好適な垂直磁気記録
媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による垂直磁気記録媒体の基本構造の一
例を示す断面模式図。
【図2】磁気記憶装置の説明図。
【図3】粒径と不規則磁区直径の計測法の説明図。
【図4】形成条件と軟磁性膜結晶粒径の関係の説明図。
【図5】形成条件と媒体ノイズ、記録分解能の関係の説
明図。
【図6】軟磁性膜の透過電子顕微鏡像の一例の説明図。
【図7】軟磁性膜結晶粒径と垂直磁化膜表面の不規則磁
区径の関係の説明図。
【図8】形成条件と軟磁性膜結晶粒径、媒体ノイズ、記
録分解能の関係の説明図。
【図9】本発明による媒体と比較用媒体の軟磁性膜の透
過電子顕微鏡像の説明図。
【図10】軟磁性膜の構造と垂直磁化膜表面の不規則磁
区径の関係の説明図。
【図11】軟磁性膜表面の磁区構造の一例の説明図。
【図12】非磁性中間層の膜厚と媒体ノイズ、記録分解
能の関係の説明図。
【符号の説明】
11:基板、12:プリコート層、13:軟磁性膜、1
4:非磁性中間層、15:垂直磁化膜、16:保護層、
22:裏打磁性層、23:硬磁性膜、24:軟磁性膜、
31:磁気ディスク、32:磁気ヘッド、33:サスペ
ンジョン、34:アクチュエータ、35:ボイスコイル
モータ、36:記録再生回路、37:位置決め回路、3
8:インターフェース制御回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H01F 41/18 H01F 41/18 (72)発明者 菊川 敦 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 平山 義幸 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 二本 正昭 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5D006 BB07 BB08 CA03 CA05 CA06 FA09 5E049 AA01 AA04 AA09 AC00 AC05 BA08 BA12 DB04 DB12 GC01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の片面もしくは両面上に裏打磁性層
    を介して垂直磁化膜を設けた垂直磁気記録媒体におい
    て、 前記裏打磁性層は、基板面に平行な断面及び基板面に垂
    直な断面で計測した粒子面積をそれと同じ面積の円に近
    似したときの平均粒径が1〜10nmの範囲である軟磁
    性粒子を含む軟磁性膜を備えることを特徴とする垂直磁
    気記録媒体。
  2. 【請求項2】 基板の片面もしくは両面上に裏打磁性層
    を介して垂直磁化膜を設けた垂直磁気記録媒体におい
    て、 前記裏打磁性層は非柱状多結晶構造の磁性微結晶粒を含
    む軟磁性膜を備えることを特徴とする垂直磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2項記載の垂直磁気記録媒
    体において、前記軟磁性膜と前記垂直磁化膜の間に厚さ
    1〜10nmの範囲の非磁性中間層を設けたことを特徴
    とする垂直磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の垂直
    磁気記録媒体において、前記裏打磁性層は上層に軟磁性
    膜、下層に保磁力1kOe以上の硬磁性膜を有すること
    を特徴とする垂直磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の垂直
    磁気記録媒体において、前記軟磁性膜はFe又はCoを
    主成分とし、これにTa,Hf,Nb,Zr,C,A
    l,Cr,Si,B,Ruの中から選ばれる少なくとも
    1種類の元素を含む合金、もしくはこれらの合金の積層
    膜で構成されることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 磁気記録媒体と、単磁極型の磁気記録用
    ヘッドと、磁気抵抗効果型、スピンバルブ型もしくは磁
    気トンネル型の信号再生用ヘッドとを備える磁気記憶装
    置において、 前記垂直磁気記録媒体として、基板の片面もしくは両面
    上に裏打磁性層を介して垂直磁化膜が設けられ、前記裏
    打磁性層は基板面に平行な断面及び基板面に垂直な断面
    で計測した粒子面積をそれと同じ面積の円に近似したと
    きの平均粒径が1〜10nmの範囲である軟磁性粒子を
    含む軟磁性膜を備える垂直磁気記録媒体を用いたことを
    特徴とする磁気記憶装置。
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