JP3522843B2 - リポ製剤 - Google Patents

リポ製剤

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JP3522843B2 JP20904294A JP20904294A JP3522843B2 JP 3522843 B2 JP3522843 B2 JP 3522843B2 JP 20904294 A JP20904294 A JP 20904294A JP 20904294 A JP20904294 A JP 20904294A JP 3522843 B2 JP3522843 B2 JP 3522843B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静注用に適したリポ製
剤に関し、特に乳化物の乳化安定性および油脂類の酸化
安定性を高めた製剤に関するものである。さらに詳しく
は本発明は、油脂成分としてオリーブ油などのトリグリ
セリド画分を用いたリポ製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ほとんどの天然油脂類にはトリグリセリ
ド以外の成分として、ジグリセリド、モノグリセリド等
のグリセリド、ステロール類、炭化水素等の不けん化物
が多く言まれる。不けん化物をはじめモノグリセリド等
トリグリセリド以外の成分は乳化を不安定化することが
多い。そうした成分を除去するため精製が行われるが、
大豆油のようにもともとの純度が高く水蒸気精製で不純
物が除去できる様な特別な場合を除き、通常の水蒸気精
製では十分な精製は行えない。そのため、レシチンを主
体とするリポ製剤等の用途では安定な乳化が行えず、使
用できる油成分には制限があった。すなわち、静注用リ
ポ製剤の配合は特開昭58−222014号、特開昭6
0−149524号、特開平2−101009号、特開
平4−69340号等により説明されているが、使用さ
れている油成分としては大豆油、ゴマ油に制限されてい
るのが現状である。
【0003】しかし、これらはいずれもリノール酸等の
高度不飽和脂肪酸を含み、酸化安定性の面で充分とは言
い難い。原料や乳化工程で酸化による過酸化物の発生が
生じやすい。過酸化脂質を直接静脈注射することになれ
ば膜脂質の酸化等の生体に損傷を与えることになりかね
ない。そこで酸化安定性が高い油を原料に用いることは
体内への過酸化物注入を防ぐ意味からも重要である。酸
化安定性が高い油脂としては、通常構成する脂肪酸の飽
和度の高いものが挙げられるが、注射の用途に利用する
場合、体温で液状で無いものは血管の閉塞が生じるため
利用に適さない。また、5℃の長期保存条件で、油脂が
完全に固体化してしまうと油脂の結晶によって乳化粒子
同士が凝集し、乳化が崩壊することからも不飽和度の高
い脂肪酸で構成された油脂は使用できない。
【0004】また、特開平1−146818号ではモノ
エン脂肪酸およびポリエン脂肪酸の含量を規定している
が、ここで言うポリエン脂肪酸とはEPA、DHA等の
生理活性の高い必須脂肪酸の添加を目的とするものであ
る。また、特開昭61−291520号ではMCTを油
脂成分に使用する請求項をたてているが、MCTは人体
内に存在比率が極めて低い脂肪酸から成り立っているこ
とや乳化の安定性が劣ると言う面から充分な成分とは考
えがたい。「製剤と機械」平成元年12月15日号にオ
リーブの乳化に関する引用がなされている。ここには油
脂と乳化剤の処方が記載されている。これによるとオリ
ーブ油は大豆油、綿実油より悪い結果を示している。一
般にオリーブ油は乳化が不安定であるため、注射用乳剤
への利用は不可能とされていた。また、特開平4−35
6417号には、使用される脂質としては、常温で液状
のものであればよく、特に限定されるものではないが、
中でも大豆油、ゴマ油、菜種油、綿実油、紅花油、オリ
ーブ油、structured lipid等が好まし
いと、一例としてオリーブ油が列挙されているが、乳化
安定性のためにトリグリセリドのみの純度を把握するこ
と、その脂肪酸成分の特定の成分を用いることなどの技
術思想は示されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記課題を解決するリ
ポ製剤に使用する脂質は、(1)酸化安定性のため、ポ
リエン脂肪酸は特に不安定であるので、目的により選択
する必要がある、および(2)乳化安定性のため、脂質
の純度が重要で、不ケン化物が多いと乳化が不安定にな
り易く、粒子径が大きくなったり、乳化が崩壊しやすい
等の問題がある点を考慮して選択されるべきである。そ
の際、さらに、(3)体温で液状であるため、流通およ
び保管を考えて低温で液状であることが必要である点も
考慮することが好ましい。本発明は、乳化物の乳化安定
性および油脂類の酸化安定性を高めた静注用に適したリ
ポ製剤を提供することを目的とする。さらに、本発明
は、酸化され難く、体温で液状であり、しかも安定な乳
化物を提供できる油を用いた静注用に適したリポ製剤を
提供することを目的とする。
【0006】従来、静注用に適したリポ製剤に使用され
ている油成分としては大豆油に限定されているのが現状
であるが、本発明は、それ以外の油、例えば水蒸気精製
された局方精製油であっても純度が低く、乳化が不安定
なオリーブ油の利用を可能にすることを目的とする。本
発明は、油脂成分としてオリーブ油などのトリグリセリ
ド画分を用いた静注用に適したリポ製剤を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決する実用性のある静注用に適したリポ製剤用の油脂
を得るため、種々の油脂について、酸化され難く、しか
も安定な乳化物を提供できるという条件を満足する組
成、純度などを検討し、その脂肪酸成分の特定の成分を
用いることによって、レシチンを主体とするリポ製剤等
の用途において安定な乳化が行えることを見いだし、こ
の知見に基づき、本発明を完成したものである。
【0008】本発明は、油脂成分として、トリグリセリ
ドのみの純度を高めた、その脂肪酸成分の特定の成分を
採用したことを特徴とするリポ製剤である。その特定の
脂肪酸成分の油は、酸化され難く、体温で液状であり、
5℃、さらに望ましくは0℃付近でも完全に結晶化しな
いで、しかも純度の高いトリグリセリドを含み、安定な
乳化物を提供できるものであり、オリーブ油、ハイオレ
イックサフラワー油、ハイオレイックサンフラワーおよ
び分別パーム油からなる群から選ばれる1以上の油のエ
タノールで分画されたトリグリセリド画分である。
【0009】したがって、本発明は、オリーブ油、ハイ
オレイックサフラワー油、ハイオレイックサンフラワー
および分別パーム油からなる群から選ばれる1以上の油
のエタノールで分画されたトリグリセリド画分を用いた
静注用に適したリポ製剤である。
【0010】上記トリグリセリド画分は、不けん化物は
0.5%以下、さらに望ましくは0.1%以下、トリグ
リセリド97%以上、さらに望ましくは99%以上であ
る。天然油脂を用いる場合は不けん化物等の不純物が多
く含まれるので、乳化が良好に行えなかったり、乳化物
が不安定になる。不けん化物等の不純物を除去すること
によって、従来の乳剤用に使用される大豆油以上の乳化
性及び乳化安定性を持つ。
【0011】トリグリセリドはエタノールに溶けにくい
のに対し、ジグリセリド、モノグリセリド、不けん化物
等は比較的エタノールに溶けやすい。この性質を利用し
てトリグリセリドの精製を行う。油脂中の不純物はトリ
グリセリドに比べエタノールに溶けやすいことからエタ
ノールで抽出分画することによってトリグリセリド純度
の高い油が得られる。
【0012】エタノールの純度は高い方が、不純物の溶
解性が高く、精製効率は高い。エタノールの容量濃度が
およそ90%以上、望ましくは95%以上であれば、十
分に精製できる。
【0013】上記エタノールで分画するための抽出の操
作としては、例えば原料油脂1重量部に対して、2から
20重量部のエタノールを加え加温・撹拌して、トリグ
リセリド以外の成分を抽出後、冷却してから油層とエタ
ノール層を分離することによって行える。加温温度とし
ては30℃〜70℃程度が取り扱いやすく、冷却は0℃
〜40℃程度が扱いやすい。これらの温度は、エタノー
ルの濃度や添加量によって変化し、この範囲外でも良好
な条件がある場合も考えられる。但し冷却しすぎるとス
テロール類がエタノールに溶けなくなるので、注意が必
要である。このような操作をさらに繰り返すことによっ
て、確実に不けん化物をはじめとするトリグリセリド以
外の不純物を低減することができる。
【0014】分画手段として、上記エタノールによる分
画法のほかに分子蒸留を使用できる。蒸気圧の違いから
分子蒸留で分画することによっても同様の油が得られ
る。分子蒸留法による場合、本発明は、油脂成分として
オリーブ油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイ
ックサンフラワーおよび分別パーム油からなる群から選
ばれる1以上の油の分子蒸留で分画されたトリグリセリ
ド画分を用いることを特徴とするリポ製剤である。一般
には水蒸気精製でもある程度の不けん化物は除去できる
が、多くの部分は残存し、ジグリセリドも多くの部分が
残存する。また、モノグリセリドも一部残存する。しか
し、分子蒸留では、多くの不けん化物、モノグリセリ
ド、ジグリセリドはトリグリセリドよりも蒸留されやす
く、容易にトリグリセリドの純度を高めることができ
る。一般にオリーブ油は乳化が不安定であるため、注射
用乳剤への利用は不可能とされていた。水蒸気精製され
た局方精製オリーブ油でも純度が低く、乳化が不安定と
なる。したがって、オリーブ油を使用する場合、本発明
のようなエタノール処理または分子蒸留が必須要件とな
【0015】エタノールで洗浄された、または分子蒸留
されたトリグリセリド画分は、油脂成分中の脂肪酸組成
が、炭素数14〜22のモノエン脂肪酸60%以上、炭
素数14〜22のジエン脂肪酸20%以下、炭素数14
〜22で二重結合が3つ以上のポリエン脂肪酸5%以
下、および炭素数14〜22の飽和脂肪酸20%以下の
油である。
【0016】炭素数が14〜22であることは、乳化剤
であるレシチンを構成する脂肪酸の炭素数、及び生体を
構成する油脂の脂肪酸組成と類似のものである点で好ま
しい。さらに二重結合を2つ含んだジエン脂肪酸が20
%以下、3つ以上の脂肪酸が5%以下であることは、油
脂の酸化安定性の面から好ましい。飽和の脂肪酸が20
%以下であることは、低温での結晶化防止の観点からが
好ましい。モノエン脂肪酸60%以上であることは、二
重結合を1つ持つモノエン脂肪酸は酸化安定性が比較的
強く、さらに比較的液状状態を保ちやすいことから好ま
しい。モノエン脂肪酸であっても、炭素数によっては低
温時に固化することもあるため、二重結合が2つ以上の
脂肪酸を適度に含むことも必要である。また、不けん化
物等の不純物が多く含まれると、乳化が良好に行えなか
ったり、乳化物が不安定になるため、不けん化物は0.
5%以下、さらに望ましくは0.1%以下、トリグリセ
リド97%以上、さらに望ましくは99%以上である。
【0017】上記油脂成分は常温で液状であり、5℃で
も流動性を保持している油である。すなわち本発明は、
油脂成分は常温で液状であり、5℃でも流動性を保持し
ており、油脂成分中の脂肪酸組成は、炭素数14〜22
のモノエン脂肪酸60%以上、炭素数14〜22のジエ
ン脂肪酸20%以下、炭素数14〜22で二重結合が3
つ以上のポリエン脂肪酸5%以下、および炭素数14〜
22の飽和脂肪酸20%以下の油であることを特徴とす
るリポ製剤である。
【0018】このようにして得られた油には酸化安定の
ため、もともと存在していた程度のトコフェロール、た
とえば数百ppm程度のトコフェロールを添加すること
が望ましい(以下、精製油と呼ぶ。)。精製油はリポ製
剤の調製に好適で、調製後の平均粒子径分布の精度や乳
化安定性が高く、5℃でも乳化が安定しており、油脂の
結晶時に発生する乳化の崩壊は全く見られない。これは
大豆油と同等であり、他の固形脂や通常程度の精製度の
油より再現性が高く、粒子径が変化し難いという特徴を
有している。しかも、油脂の酸化安定性は大豆油、精製
ごま油より高く、原料の流通保管時、乳化処理及びアン
プル充填時等でも酸化し難いため、静注薬として望まし
いと言える。
【0019】本発明のリポ製剤は上記精製油を用いて通
常の方法で調製することができる。例えば、所定量の上
記精製油、レシチン、脂溶性成分(脂肪酸、脂肪酸エス
テル、ステロール類)などに必要量の水を加え、通常の
ホモジナイザー(たとえば、TKホモミキサー、ポリト
ロンのような高速撹拌型等)で粗乳化後、微細乳化に適
したホモジナイザー(たとえば、加圧噴射型ホモジナイ
ザー、超音波ホモジナイザー等)を用いて均質化処理を
して、乳化の安定性と血管内血栓防止の観点から1.0
μm以下の粒子径の水中油型乳剤とする。
【0020】製造上の都合によっては、脂肪乳剤の生成
後に安定化剤、等張剤などの添加剤を加えてもよい。乳
化補助剤としての炭素数6〜22の脂肪酸は、医薬品に
添加可能なものであれば使用できる。乳化安定化剤用高
分子物質としてアルブミン、ビニル重合体、非イオン性
界面活性剤が用いられる。薬物としては、プロスタグラ
ンジンE1をはじめとするプロスタグランジン類縁体、
ロイコトリエンなどの高度不飽和脂肪酸カスケード系の
ホルモン、ゲスターゲンをはじめとするステロイドホル
モン等の脂溶性ホルモン、アドリアマイシンをはじめと
する脂溶性の抗ガン剤、イブプロフェンをはじめとする
非ステロイド系の脂溶性鎮痛剤、その他薬理作用をもつ
脂溶性成分やその誘導体、さらには脂溶性でない薬物の
脂溶化誘導体等、少量で薬理作用の発現する薬剤が挙げ
られる。これらの薬剤の乳剤は、油脂、乳化剤及びその
他の脂溶性成分に予め溶解した後、水成分と混合乳化す
ることによって調製できる。
【0021】
【実施例】本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発
明はこれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。以下の実施例において、平均粒子径はゼータサイザ
ー3(英国、マルバーン社製)により測定した。高速液
体クロマトグラフィーはFette.Seifen.A
nstrichmittel,Vol.87,No.
5,177−180(1985)に記載の方法によって
行った。
【0022】実施例1 オリーブ油100gにエタノール400mlを加え、6
0℃で10分間撹拌混合後、25℃に冷却し、上澄みの
エタノールを除去する。同様の操作を更に2回行うと、
高速液体クロマトグラフィーで、不純物がほとんど検出
できなくなった。下層のオリーブ油にトコフェロール製
剤を200ppm添加後、ロータリーエバポレーターで
エタノールを除去し、精製オリーブ油とした。精製オリ
ーブ油10gに卵黄レシチン1.8g及びオレイン酸
0.24gを60℃で混合後、60℃に加温したグリセ
リン等張液を加え100mlとし、撹拌型のホモミキサ
ーで粗乳化した後、高圧乳化装置(商品名:ナノマイザ
ー)を用いて合計圧600kg/cmで10パスさせ
て乳化物を得た。
【0023】この脂肪乳剤の平均粒子径は蒸留水中で1
89nmであり、リン酸緩衝生理食塩水中に滴下した場
合の乳化物の安定性は6日以上であった。また、25℃
1週間保存後の過酸化物価は検出されなかった。さら
に、4℃1カ月後も粒子径の分布に変化は見られなかっ
た。
【0024】実施例2 オリーブ油40gを0.02torrの真空下195℃
に加温しながら分子蒸留試験装置(LEYBOLD社製
KDL1)に循環したところ、高速液体クロマトグラ
フィーで、不純物がほとんど検出できなくなった。こう
して得られた精製オリーブ油10gに卵黄フォスファチ
ジルコリン1.8g、オレイン酸0.24gを55℃で
均一混合後、55℃に加温したグリセリン等張液を加え
100mlとし、撹拌型のホモミキサーで粗乳化した
後、高圧乳化装置(商品名:ナノマイザー)を用いて合
計圧450kg/cmで10パスさせて乳化物を得
た。
【0025】この脂肪乳剤の平均粒子径は蒸留水中で2
03nmであり、リン酸緩衝生理食塩水中に滴下した場
合の乳化物の安定性は6日以上であった。また、25℃
1週間保存後の過酸化物価は検出されなかった。
【0026】比較例1 オリーブ油10gに卵黄レシチン1.8g及びオレイン
酸0.24gを60℃で混合後、60℃に加温したグリ
セリン等張液を加え100mlとし、撹拌型のホモミキ
サーで粗乳化した後、高圧乳化装置(商品名:ナノマイ
ザー)を用いて合計圧600kg/cmで10パスさ
せて乳化物を得た。この脂肪乳剤の平均粒子径は蒸留水
中で264nmであり、リン酸緩衝生理食塩水中に滴下
した場合の乳化物の安定性は2日以下であった。また、
25℃1週間保存後の過酸化物価は検出されなかった。
【0027】比較例2 精製大豆油10gに卵黄フォスファチジルコリン1.8
g及びオレイン酸0.24gを60℃で混合後、60℃
に加温したグリセリン等張液を加え100mlとし、撹
拌型のホモミキサーで粗乳化した後、高圧乳化装置(商
品名:ナノマイザー)を用いて合計圧600kg/cm
で10パスさせて乳化物を得た。この脂肪乳剤の平均
粒子径は蒸留水中で191nmであり、リン酸緩衝生理
食塩水中に滴下した場合の乳化物の安定性は6日以上で
あった。しかし、25℃1週間保存後の過酸化物価は
1.4me/kgであった。
【0028】比較例3 精製パーム油(融点17℃)10gに卵黄フォスファチ
ジルコリン1.8g及びオレイン酸0.24gを65℃
で混合後、65℃に加温したグリセリン等張液を加え1
00mlとし、撹拌型のホモミキサーで粗乳化した後、
高圧乳化装置(商品名:ナノマイザー)を用いて合計圧
600kg/cmで10パスさせて乳化物を得た。こ
の脂肪乳剤の平均粒子径は蒸留水中で188nmであ
り、リン酸緩衝生理食塩水中に滴下した場合の乳化物の
安定注は5日であった。また。25℃1週間保存後の過
酸化物価は検出されなかった。しかし、4℃1ケ月の保
存によって乳化物の凝集が肉眼で観察できた。
【0029】
【発明の効果】オリーブ油などを用いた静注用に適した
リポ製剤を提供できる。特に乳化物の乳化安定性及び油
脂類の酸化安定性を高めた製剤を提供できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−693(JP,A) 特開 平4−164024(JP,A) 特開 昭53−250321(JP,A) 特表 平4−505762(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/93 A61K 9/107 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂成分としてオリーブ油からエタノー
    ルで分画された、または分子蒸留で分画されたトリグリ
    セリド画分であって、脂肪酸組成が炭素数14〜22の
    モノエン脂肪酸60%以上、炭素数14〜22のジエン
    脂肪酸20%以下、炭素数14〜22で二重結合が3つ
    以上のポリエン脂肪酸5%以下、および炭素数14〜2
    2の飽和脂肪酸20%以下のトリグリセリド画分を用い
    ることを特徴とするリポ製剤。
  2. 【請求項2】 25℃で液状であり、5℃でも流動性を
    保持しているトリグリセリド画分よりなる請求項記載
    のリポ製剤。
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