JPH05229941A - フェノール誘導体を含有する注射用乳剤 - Google Patents

フェノール誘導体を含有する注射用乳剤

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JPH05229941A
JPH05229941A JP3923992A JP3923992A JPH05229941A JP H05229941 A JPH05229941 A JP H05229941A JP 3923992 A JP3923992 A JP 3923992A JP 3923992 A JP3923992 A JP 3923992A JP H05229941 A JPH05229941 A JP H05229941A
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JP
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emulsion
oil
injection
compound
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JP3923992A
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Toshio Yoshioka
敏夫 吉岡
Katsumi Iga
勝美 伊賀
Zenichi Terashita
善一 寺下
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 循環器系疾患、呼吸器系疾患などの治療およ
び予防作用を有するアンチオキシディティブ・フェノー
ル誘導体の安定で安定性の高い注射用乳剤を提供する。 【構成】 下記式(I) [式中、Rは水素原子、水酸基など、RおよびR
は水素原子、水酸基または低級アルキル基か、RとR
が結合して−CH=CH−CH=CH−を形成する。
は水素原子、水酸基など、Rは水素原子または低
級アルキル基、Xはそのパラ位が特定の基で置換されて
いてもよいフェニル基またはチエニル基、Yはメチル
基、置換されていてもよいヒドロキシメチル基など、n
は3〜15の整数を示す]で表される化合物を水中油型
乳剤の油相に含ませてなる注射用乳剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脳、心、腎および肺循環
器系疾患、呼吸器系疾患、アレルギー、アナフィラキシ
ーショック、エンドトキシンショック、炎症などの治療
および予防作用または腫瘍細胞による血管新生の抑制な
どを目的とした、以下の一般式(I)で表されるアンチ
オキシディティブ・フェノール誘導体を含有する注射用
乳剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
式(I)で表わされる化合物は、白石らによって見い出さ
れた公知化合物であり(特開昭64−85942号)、
脳、心、腎および肺循環器系疾患、呼吸器系疾患、アレ
ルギー、アナフィラキシーショック、エンドトキシンシ
ョック、炎症などの治療および予防作用または腫瘍細胞
による血管新生を抑制する作用などを有し、医薬品とし
ての開発が期待されている。しかしながら、一般式
(I)で表される化合物は水への溶解性が低く、また水
溶液中では不安定で、静脈内投与製剤とすることが困難
であった。一般に、水に難溶性の薬物をシクロデキスト
リンを用いて包接化したり、水に可溶の溶剤、例えば、
ポリエチレングリコール等に溶解したり、あるいは界面
活性剤を用いて可溶化することも可能であるが、そのよ
うな投与剤においては、安定性を改善することができ
ず、また可溶化剤自身の毒性のため医薬品としての応用
に限界がある等の欠点があった。従って、一般式(I)
で表される化合物の安定で、かつ安全性の高い注射製剤
化が重要な課題となっている。
【0003】本発明の目的は、一般式(I)で表される
化合物の安定で、安全性の高い注射剤を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような事情に鑑み、
本発明者らは、一般式(I)で表される化合物の安定
で、安全性の高い注射製剤を開発するため鋭意研究を行
った結果、該化合物を微細な水中油型エマルジョンの系
に処方することにより、溶解性を著しく増加させるのみ
ならず主薬の安定性を向上させ、静脈内に投与しても、
何らの副作用も示すことなく、薬物本来の薬理効果を充
分に発揮させ得ることを見い出し、これに基づいてさら
に研究を行い本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】[式中、R1は水素原子、水酸基、低級アル
キル基または低級アルコキシ基を示す。R2およびR3
水素原子、水酸基または低級アルキル基を示すか、また
はR2とR3が結合して−CH=CH−CH=CH−を形
成してもよい。R4は、水素原子、水酸基、低級アルキ
ル基、低級アルコキシ基、チオール基、水酸基または低
級アルキルチオ基を示す。R5は水素原子または低級ア
ルキル基を示す。ただし、R1、R2、R3およびR4の少
なくとも1個は水酸基である。Xはそのパラ位がハロゲ
ン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基で置換
されていてもよいフェニル基またはチエニル基を示す。
Yはメチル基、置換されていてもよいヒドロキシメチル
基、エステル化またはアミド化されていてもよいカルボ
キシル基、シアノ基またはテトラゾリル基を示す。nは
3から15の整数を示す。]で表される化合物を水中油
型乳剤の油相に含ませてなる注射用乳剤を提供するもの
である。
【0008】一般式(I)で表される化合物におけるR
1で示される低級アルキル基としては、炭素数1〜4の
アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル等が挙げら
れる。R1で示される低級アルコキシ基としては、炭素
数1〜4のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブト
キシ、t−ブトキシ等が挙げられる。R2およびR3で示
される低級アルキル基としては、R1について定義した
と同様のものが挙げられる。R4で示される低級アルキ
ル基および低級アルコキシ基としては、R1について定
義したと同様のものが挙げられる。R4で示される低級
アルキルチオ基としては、そのアルキルの炭素数が1〜
4のもの、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピル
チオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチ
オ、t−ブチルチオ等が挙げられる。R5で示される低
級アルキル基としては、R1について定義したと同様の
ものが挙げられる。Xで示されるフェニル基のパラ位置
換基のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素が、
また、低級アルキル基および低級アルコキシ基として
は、R1について定義したと同様のものが挙げられる。
チエニル基としては、2−チエニル基、3−チエニル基
が挙げられる。
【0009】Yで示されるヒドロキシメチル基は置換さ
れていてもよく、非置換のヒドロキシメチル基のほか、
例えば、メトキシメチル、アセトキシメチル、2−テト
ラヒドロピラニルオキシメチル、ベンジルオキシメチ
ル、ニトロオキシ、アミノカルボニルオキシメチル、置
換アミノカルボニルオキシメチル(例えば、メチルアミ
ノカルボニルオキシメチル、エチルアミノカルボニルオ
キシメチル、ジメチルアミノカルボニルオキシメチル、
フェニルアミノカルボニルオキシメチル)、環状アミノ
カルボニルオキシメチル(例えば、モルホリノカルボニ
ルオキシメチル、ピペリジノカルボニルオキシメチ
ル)、t−ブチルジメチルシリルオキシメチルなどが、
また、エステル化されたカルボキシル基としては、例え
ば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどの低
級アルコキシカルボニルが挙げられる。Yで示されるア
ミド化されたカルボキシル基は、そのアミノ基が置換さ
れた置換アミノカルボニルでもよく、また、環状アミノ
カルボニルでもよい。置換アミノカルボニルのアミノ基
の置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチルなどの炭素数1〜4のアルキ
ルや、例えばフェニル、ナフチルなどの炭素数6〜10
のアリール(これらはさらに環の任意の位置に、例え
ば、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、ハロゲン、メチ
ル、メトキシなどの置換基を有していてもよい)、ヒド
ロキシル基などが挙げられる。アミド化されたカルボキ
シル基の具体例としては、例えば、アミノカルボニル、
モノ−またはジアルキルアミノ(メチルアミノ、エチル
アミノ、イソプロピルアミノ、ジメチルアミノ)カルボ
ニル、アラルキルアミノ[ベンジルアミノ、α−フェネ
チルアミノ、β−フェネチルアミノ、1−(α−ナフチ
ル)エチルアミノ]カルボニル、フェニルアミノカルボ
ニル、置換フェニルアミノ(p−ヒドロキシフェニルア
ミノ、p−メトキシフェニルアミノ、m−クロロフェニ
ルアミノ、p−ブロモフェニルアミノ)カルボニル、ジ
フェニルアミノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニ
ル、N−ヒドロキシ−N−メチルアミノカルボニル、N
−ヒドロキシ−N−フェニルアミノカルボニルや、アミ
ノ酸のアミノ基から水素1個を除いたアミノ酸残基(グ
リシン残基、アルギニン残基、ヒスチジン残基、アスパ
ラギン酸残基、プロリン残基、フェニルアラニン残基、
アラニン残基、メチオニン残基、ロイシン残基など)カ
ルボニルなどが挙げられる。環状アミノカルボニルとし
ては、例えば、モルホリノカルボニル、ピペリジノカル
ボニル、ピロリジノカルボニルなどが挙げられる。
【0010】一般式(I)で表される化合物は、例え
ば、特開昭64−085942号に記載の方法により製
造することができる。
【0011】本発明の注射用乳剤は水中油型エマルジョ
ンであり、一般式(I)で表される化合物は、その個々
の化合物の活性により異なるが、一般に、乳剤中の濃度
が乳剤に対して0.001〜10w/w%、より好ましく
は0.01〜2w/w%となるようにエマルジョンに処方
する。
【0012】本発明の注射用乳剤において油相に使用す
る油成分としては、製薬の技術分野における乳剤の調製
に通常用いられる、体温以下の融点を有する生理学的に
許容され得る油脂類の全てが使用可能である。かかる油
脂類としては、脂肪酸グリセリド、例えば、大豆油、綿
実油、ナタネ油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ
油、米ヌカ油、コーン胚芽油、ヒマワリ油、ケシ油など
の植物油またはこれら植物油の部分水素添加処理で得ら
れるかエステル交換反応で得られる油の単品あるいはそ
れらの複合品などを挙げることができる。これら油脂類
の使用量は、乳剤中の濃度が1.0〜20w/w%、より
好ましくは2.5〜10w/w%から選ばれる。油成分中
の過酸化脂質濃度は、好ましくは20μmol/ml以下の
ものが、より好ましくは10μmol/ml以下のものが選
ばれる。
【0013】本発明の注射用乳剤における乳化剤として
は、生理学的に許容され得るリン脂質および非イオン性
界面活性剤の一または二以上の混合物を使用することが
可能である。リン脂質としては天然で得られるリン脂
質、例えば、卵黄レシチン、大豆レシチン、これらの水
素添加生成物、あるいは合成的に得られるリン脂質、例
えば、フォスファチジルコリン、フォスファチジルエタ
ノールアミン類などが挙げられる。これらの中では、卵
黄および大豆由来のフォスファチジルコリンが好ましく
用いられる。また、非イオン性界面活性剤としては、分
子量800〜20,000の高分子系のもの、例えば、
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルアリールエーテル、硬化ヒマシ油ポリオキ
シエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン誘導
体、ポリオキシエチレンソルビトール誘導体、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルカルボキシレート、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルサルフェートなどを挙げ
ることができる。これら乳化剤の使用量は、乳剤中の濃
度が0.1〜10w/w%、より好ましくは0.5〜5w/w
%から選ばれる。
【0014】また、炭素数6〜30の脂肪酸、これら脂
肪酸の塩またはモノグリセリド、例えば、カプロン酸、
カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミトオレ
イン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、エイ
コサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびこれら
のカルボン酸の塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩、およびこれらのカルボン酸のモノグ
リセリドも、乳化剤として単独で、または乳化補助剤と
して前記乳化剤と共に使用することができる。
【0015】本発明の注射用乳剤は、上記した通り、一
般式(I)で表される化合物と、油成分と、乳化剤から
成り、これに水を混合して調製されるが、上記の成分の
他に、必要によっては主薬の安定性を向上させるために
抗酸化剤あるいはキレート剤を、また浸透圧を調製する
ために等張化剤を、更に乳化剤の安定性に向上させるた
めに乳化安定剤を加えることができる。
【0016】かかる等張化剤の具体例としては、水溶性
の糖アルコール(例、グリセリン等)、糖類(例、単糖
類、二糖類等)、アミノ酸などが挙げられる。
【0017】また主薬の安定化剤としては、水溶性また
は油溶性の抗酸化剤、キレート剤などが挙げられ、これ
らは単独でも二種以上組み合わせて用いることもでき
る。水溶性抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン
酸、リボフラビン、ヒスチジン、D−マンニトールなど
が挙げられる。油溶性抗酸化剤としては、例えば、トコ
フェロール、リボフラビン酪酸エステル、没食子酸プロ
ピルなどが挙げられる。本発明においては特に、水溶性
および油溶性の抗高酸化剤を組み合わせて用いることが
好ましい。キレート剤としては、例えば、クエン酸、酒
石酸などが挙げられる。安定化剤の使用量は、乳剤中の
濃度が0.00001〜10w/w%、より好ましくは0.
0001〜5w/w%から選ばれる。
【0018】また、乳化安定剤としては、コレステロー
ル、コレステロールエステル、トコフェロール、アルブ
ミン、脂肪酸アミド誘導体、多糖類、多糖類の脂肪酸エ
ステルの誘導体などが使用され得る。これら油分に対
し、通常0.1重量倍以下で用いられる。
【0019】本発明の注射用乳剤は、基本的には公知の
乳化技術において得られるが、一般式(I)で表される
化合物を予め油相に溶解させておくのが好ましい。例え
ば、所定量の主薬、油成分、乳化剤、必要によっては更
に等張化剤、主薬の安定化剤、乳化補助剤、および乳化
安定剤を混合し、40〜80℃の温度に加温し、これに
所定量の水を加えて混合したものを、通常のホモジナイ
ザーまたはホモミキサー、例えば、加圧噴射型ホモジナ
イザー、超音波ホモジナイザー、高速回転型ミキサーな
どを用いて均質化処理して粗乳化液とし、必要によって
水を加え、さらに上記のホモジナイザーで均質化処理し
た後、フィルターで5μm以上の大粒子を除去して得ら
れる。粒子径は0.01〜5μmの範囲が好ましく、0.
01〜0.5μmの範囲がより好ましく、0.02〜0.2
μmの範囲がさらに好ましい。
【0020】上記のとおり、一般式(I)で表される化
合物は、脳、心、腎および肺循環器系疾患、呼吸器系疾
患、アレルギー、アナフィラキシーショック、エンドト
キシンショック、炎症などの治療および予防作用または
腫瘍細胞による血管新生の抑制作用などを有し、これを
含有する本発明の注射用乳剤は、これらの疾患の治療ま
たは予防に使用することができる。本発明の注射用乳剤
は毒性が低く、公知の薬学的に許容される方法により、
注射剤として安全に投与することができる。投与量は、
投与対象、投与ルート、症状などにより多少異なるが、
例えば、成人の患者に対して、通常1回量として約0.
1〜10mg/kg体重程度、好ましくは0.25〜3
mg/kg体重程度を1日1回〜3回程度投与するのが
好都合である。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体
的に説明する。 実施例1 精製大豆油(日局、過酸化脂質濃度10μmol/ml以下)
5gに化合物(A)(一般式(I)において、R1=H、R2
=H、R3=OH、R4=OH、R5=H、X=C6
4F、Y=CH3、n=5である化合物)0.2gを加え、加
温して溶解した。これに精製卵黄リン脂質2.4gおよび
グリセリン2.5gを加え、加温しながら激しく撹拌して
溶解後、適当量の蒸留水を加えてポリトロンホモジナイ
ザーで撹拌し、粗乳化液を調製した。この粗乳化液をさ
らにマイクロフルイダイザーにより乳化した後、アスコ
ルビン酸0.05gを添加した後、蒸留水を加えて100
mlとし、化合物(A)を含む極めて微細な脂肪粒子が分散
した注射剤を得た。分散脂肪粒子の平均粒子径は0.0
7μmであり、5μm以上の粒子は含まなかった。
【0022】実施例2 化合物(A)0.2gの代わりに化合物(B)(一般式(I)に
おいて、R1=OH、R2=H、R3=OH、R4=H、R
5=H、X=フェニル(Ph)、Y=CH3、n=5である
化合物)0.2gを添加すること以外、実施例1と同様の
操作を行うことにより、化合物(B)を含む極めて微細な
脂肪粒子が分散した注射剤を得た。分散脂肪粒子の平均
粒子径は0.06μmであり、5μm以上の粒子は含まな
かった。
【0023】実施例3 化合物(A)0.2gの代わりに化合物(C)(一般式(I)に
おいて、R1=H、R2=OH、R3=H、R4=OH、R
5=H、X=Ph、Y=CH3、n=5である化合物)0.2
gを添加すること以外、実施例1と同様の操作を行うこ
とにより、化合物(C)を含む極めて微細な脂肪粒子が分
散した注射剤を得た。分散脂肪粒子の平均粒子径は0.
08μmであり、5μm以上の粒子は含まなかった。
【0024】実施例4 精製大豆油(日局、過酸化脂質濃度10μmol/ml以下)
10gに化合物(A)0.2gおよびdl−α−トコフェロー
ル0.01gを加え、加温して溶解した。これに精製卵黄
リン脂質1.2gおよびグリセリン2.5gを加え、加温し
ながら激しく撹拌して溶解後、適当量の蒸留水を加えて
ポリトロンホモジナイザーで撹拌し粗乳化液を調製し
た。この粗乳化液をさらにマイクロフルイダイザーによ
り乳化した後、蒸留水を加えて100mlとし、化合物
(A)を含む極めて微細な脂肪粒子が分散した注射剤を得
た。分散脂肪粒子の平均粒子径は0.13μmであり、5
μm以上の粒子は含まなかった。
【0025】実施例5 精製大豆油(日局、過酸化脂質濃度10μmol/ml以下)
2gに化合物(A)0.04gを加え、加温して溶解した。
これにジパルミトイルフォスファチジルコリン1.44g
およびグリセリン1gを加え、加温しながら激しく撹拌
して溶解後、適当量の蒸留水を加えてポリトロンホモジ
ナイザーで撹拌し、粗乳化液を調製した。この粗乳化液
をさらに超音波ホモジナイザーにより乳化した後、蒸留
水を加えて40mlとし、化合物(A)を含む極めて微細な
脂肪粒子が分散した注射剤を得た。分散脂肪粒子の平均
粒子径は0.03μmであり、5μm以上の粒子は含まな
かった。
【0026】実施例6 ジパルミトイルフォスファチジルコリン1.44gの代わ
りにジステアロイルフォスファチジルコリン1.44gを
添加すること以外、実施例5と同様の操作を行うことに
より、化合物(A)を含む極めて微細な脂肪粒子が分散し
た注射剤を得た。分散脂肪粒子の平均粒子径は0.07
μmであり、5μm以上の粒子は含まなかった。
【0027】実施例7 ジパルミトイルフォスファチジルコリン1.44gを0.
96gに変更し、精製大豆油(日局、過酸化脂質濃度10
μmol/ml以下)2gの代わりに日局綿実油2gを添加する
こと以外、実施例5と同様の操作を行うことにより、化
合物(A)を含む極めて微細な脂肪粒子が分散した注射剤
を得た。分散脂肪粒子の平均粒子径は0.05μmであ
り、5μm以上の粒子は含まなかった。
【0028】実施例8 化合物(A)0.04gを0.08gに変更し、ジパルミトイ
ルフォスファチジルコリン1.44gを0.96gに変更す
ること以外、実施例5と同様の操作を行うことにより、
化合物(A)を含む極めて微細な脂肪粒子が分散した注射
剤を得た。分散脂肪粒子の平均粒子径は0.05μmであ
り、5μm以上の粒子は含まなかった。
【0029】実施例9 精製大豆油(日局、過酸化脂質濃度10μmol/ml以下)
5gに化合物(A)0.2gを加え、加温して溶解した。こ
れに精製大豆リン脂質2.4gおよびグリセリン2.5gを
加え、加温しながら激しく撹拌して溶解後、適当量の蒸
留水を加えてポリトロンホモジナイザーで撹拌し、粗乳
化液を調製した。この粗乳化液をさらにマイクロフルイ
ダイザーにより乳化した後、アスコルビン酸0.05gを
添加した後、蒸留水を加えて100mlとし、化合物(A)
を含む極めて微細な脂肪粒子が分散した注射剤を得た。
分散脂肪粒子の平均粒子径は0.07μmであり、5μm
以上の粒子は含まなかった。
【0030】実施例10 グリセリン2.5gをマンニトール2.5gに変更するこ
と以外、実施例1と同様の操作を行うことにより、化合
物(A)を含む極めて微細な脂肪粒子が分散した注射剤
を得た。分散脂肪粒子の平均粒子径は0.10μmであ
り、5μm以上の粒子は含まなかった。
【0031】実施例11 グリセリン2.5gをシュクロース2.5gに変更するこ
と以外、実施例1と同様の操作を行うことにより、化合
物(A)を含む極めて微細な脂肪粒子が分散した注射剤
を得た。分散脂肪粒子の平均粒子径は0.09μmであ
り、5μm以上の粒子は含まなかった。
【0032】本発明注射用乳剤の優れた血液中濃度の持
続性、安全性および安定性を以下の実験例により示す。 実験例1(ラットに静脈内投与した後の血液中濃度推移) (a) 実験動物 6週令のSD系雄性ラット(1群4匹)を使用した。 (b) 被験注射液 実施例8の注射用乳剤および化合物(A)を50%ポリエ
チレングリコール−400あるいは2.5%マルトシル
−β−シクロデキストリン溶液に溶解した溶液を用い
た。
【0033】(c) 実験方法 ラットに、エーテル麻酔下、大腿部静脈より被験注射液
を投与した。(5.0mg/kg)薬物投与後、経時的に尾静
脈より採血し、採取した血液から薬物を抽出、分離し、
血液中に存在する薬物量を高速液体クロマトグラフィー
により測定した。 (d) 実験結果 図1に示した結果から明らかなように、溶液投与時に比
較して、本発明の注射用乳剤とすることにより血液中濃
度は3〜5倍に増大し、また投与1時間後も血液中に残
存した。
【0034】実験例2(溶血性) (a) 実験動物 6週令のSD系雄性ラット(1群5匹)を使用した。 (b) 被験注射液 実施例8の注射用乳剤および化合物(A)を50%ポリエ
チレングリコール−400生理食塩水溶液に溶解したも
のを用いた。
【0035】(c) 実験方法 ラットに、エーテル麻酔下、尾静脈より被験注射液を静
脈内投与した。(20.0mg/kg)薬物投与30分後にエ
ーテル麻酔下開腹し、下大動脈よりヘパリン処理した注
射筒を用いて採血した。採取した血液から血漿を分離
し、血漿中に遊離したヘモグロビン量を測定した。 (d) 実験結果 図2に示す結果から明らかなように、本発明の注射用乳
剤を投与した群では全く溶血性が見られなかったのに対
し、ポリエチレングリコール−400溶液投与群では投
与した5例全てに溶血性が認められた。
【0036】実験例3(安定性) (a) 被験注射液 実施例1の注射用乳剤および化合物(A)を実施例1の注
射用乳剤と等しい濃度になる様に50%ポリエチレング
リコール−400あるいは2.5%マルトシル−β−シ
クロデキストリン溶液に溶解した溶液を用いた。 (b) 実験方法 実施例1の注射用乳剤および化合物(A)を50%ポリエ
チレングリコール−400あるいは2.5%マルトシル
−β−シクロデキストリン溶液に溶解した溶液をバイア
ル瓶に入れ、40℃で2ケ月保存した後、残存する化合
物(A)を液体クロマトグラフィーにより定量した。 (c) 実験結果 図3の結果より明らかなように、本発明の注射用乳剤中
の化合物(A)は、40℃、2ケ月後も含量低下は認めら
れなかった。しかし、他の溶液系では、著しい含量低下
が認められた。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、一般式(I)で表され
る化合物の水への溶解性が飛躍的に増大し、静脈内投与
製剤とすることが困難であった該化合物の注射剤化が可
能となった。また、得られる本発明の注射用乳剤は、溶
液投与時に比較して一般式(I)で表される化合物の高
い血液中濃度が得られるとともに、より持続的に有効血
液中濃度を確保できるため、より優れた薬理効果が期待
できる。また、可溶化系の注射剤と比較して、製剤自身
の局所刺激性、毒性がほとんどない上に、溶血性を大幅
に軽減するなど、安全性の点においても従来の可溶化系
のものより優れている。さらに、注射用乳剤とすること
により一般式(I)で表される化合物の安定性も増大す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 5.0mg/kg相当の化合物(A)を含有する本
発明の注射用乳剤および対照溶液をそれぞれ別個にラッ
トに静脈内投与した場合の血液中濃度推移を示す。図中
の略称の、乳剤は本発明の注射用乳剤を、PEG溶液は
50%ポリエチレングリコール−400溶液を、CyD
溶液は2.5%マルトシル−β−シクロデキストリン溶
液を示す。
【図2】 20mg/kg相当の化合物(A)を含有する本発
明の注射用乳剤および対照溶液をそれぞれ別個にラット
に静脈内投与した場合の溶血性を示す。図中の略称の、
乳剤は本発明の注射用乳剤を、PEG溶液は50%ポリ
エチレングリコール−400溶液を示す。横線は(−)は
各投与群の平均値を示す。
【図3】 本発明の注射用乳剤および対照溶液を40℃
で2ケ月保存した場合の化合物(A)の残存率の経日変化
を示す。図中の略称の、乳剤は本発明の注射用乳剤を、
PEG溶液は50%ポリエチレングリコール−400溶
液を、CyD溶液は2.5%マルトシル−β−シクロデキ
ストリン溶液を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/095 8413−4C 31/10 8413−4C 31/16 8413−4C 31/19 ADS 8413−4C 31/275 ABE 8413−4C 31/38 ACD 7252−4C 31/41 ABF 7252−4C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 [式中、R1は水素原子、水酸基、低級アルキル基または
    低級アルコキシ基を示す。R2およびR3は水素原子、水
    酸基または低級アルキル基を示すか、またはR2とR3
    結合して−CH=CH−CH=CH−を形成してもよ
    い。R4は、水素原子、水酸基、低級アルキル基、低級
    アルコキシ基、チオール基、水酸基または低級アルキル
    チオ基を示す。R5は水素原子または低級アルキル基を
    示す。ただし、R1、R2、R3およびR4の少なくとも1
    個は水酸基である。Xはそのパラ位がハロゲン原子、低
    級アルキル基または低級アルコキシ基で置換されていて
    もよいフェニル基またはチエニル基を示す。Yはメチル
    基、置換されていてもよいヒドロキシメチル基、エステ
    ル化またはアミド化されていてもよいカルボキシル基、
    シアノ基またはテトラゾリル基を示す。nは3から15
    の整数を示す。]で表される化合物を水中油型乳剤の油
    相に含ませてなる注射用乳剤。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、R1〜R4の1また
    は2個が水酸基である請求項1記載の注射用乳剤。
  3. 【請求項3】 油成分として、脂肪酸トリグリセリドを
    用いる請求項1記載の注射用乳剤。
  4. 【請求項4】 乳化剤として、リン脂質を用いる請求項
    1記載の注射用乳剤。
  5. 【請求項5】 等張化剤として、水溶性糖類または糖ア
    ルコールを用いる請求項1記載の注射用乳剤。
  6. 【請求項6】 安定化剤として、5.0w/w%以下の抗酸
    化剤を用いる請求項1記載の注射用乳剤。
  7. 【請求項7】 抗酸化剤として、水溶性抗酸化剤および
    油溶性抗酸化剤の一方または双方を用いる請求項6記載
    の注射用乳剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001056562A1 (fr) * 2000-02-04 2001-08-09 Takeda Chemical Industries, Ltd. Compositions d'emulsions stables
WO2002078673A1 (fr) * 2001-03-29 2002-10-10 Takeda Chemical Industries, Ltd. Procede de production d'un medicament sous forme de granules fins
JP2008524304A (ja) * 2004-12-22 2008-07-10 チバ ホールディング インコーポレーテッド 抗ラジカル剤
JP2012197266A (ja) * 2011-03-04 2012-10-18 Daiichi Sankyo Healthcare Co Ltd セチリジン塩酸塩を含有する医薬組成物

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