JP3521627B2 - ダイアフラムポンプ - Google Patents

ダイアフラムポンプ

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JP3521627B2
JP3521627B2 JP18883096A JP18883096A JP3521627B2 JP 3521627 B2 JP3521627 B2 JP 3521627B2 JP 18883096 A JP18883096 A JP 18883096A JP 18883096 A JP18883096 A JP 18883096A JP 3521627 B2 JP3521627 B2 JP 3521627B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はダイアフラムポンプに関
し、より詳しくは、カムシャフトによりダイアフラムを
往復作動させて空気を吐出させるようにしたダイアフラ
ムポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイアフラムポンプとして、ダイ
アフラムケース内に圧力室を区画形成し、かつ往復作動
により圧力室内の容積を増減させて空気を吸入、吐出さ
せるダイアフラムと、このダイアフラムに連結した作動
部材と、この作動部材を作動させて上記ダイアフラムを
往復動させるカムシャフトとを備えたものが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した構成を有する
従来のダイアフラムポンプにおいては、上記カムシャフ
トの回転数に伴って空気の吐出量が変化しており、カム
シャフトの回転数が増大するとそれに伴って空気の吐出
量が増大することになる。したがって、カムシャフトの
回転数の変動幅が大きい場合には、カムシャフトの低回
転域で好適な吐出量が得られるように設定すると、高回
転域では吐出量が多くなりすぎ、逆に高回転域で好適な
吐出量が得られるように設定すると、低回転域では不足
する結果となる。本発明はそのような事情に鑑み、カム
シャフトの回転数が一定でも空気の吐出量を調整するこ
とができるようにして、低回転域でも高回転域でも好適
な吐出量を得ることができるようにしたダイアフラムポ
ンプを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は上述し
た従来のダイアフラムポンプにおいて、上記カムシャフ
トにカム形状が異なる第1カムと第2カムとを設け、ま
た上記作動部材に、上記第1カムに係合する第1カムフ
ォロワと、この第1カムフォロワ内に摺動自在に設けら
れ、該第1カムフォロワからの突出時に上記カムシャフ
トに設けた第2カムに係合するとともに第1カムフォロ
ワを第1カムから離隔させる第2カムフォロワとを設け
たものである。また必要に応じて、上記カムシャフト
に、該カムシャフトの回転軸と同軸の同軸部を設け、さ
らに上記第2カムフォロワ内に、該第2カムフォロワに
摺動自在に設けられ、該第2カムフォロワからの突出時
に上記同軸部に係合するとともに該第2カムフォロワを
第2カムから離隔させるピストンを設けてもよい。
【0005】
【作用】上記構成によれば、第2カムフォロワを第1カ
ムフォロワ内に退没させている状態では、第1カムフォ
ロワが第1カムに係合するので、上記ダイアフラムの往
復作動量は第1カムのカム形状に従ったものとなる。他
方、第2カムフォロワを第1カムフォロワ内から突出さ
せている状態では、第2カムフォロワが第2カムに係合
するので、上記ダイアフラムの往復作動量は第2カムの
カム形状に従ったものとなる。そして上記第1カムと第
2カムとは両者のカム形状を異ならせているので、カム
シャフトの回転数が一定でも第1カムに基づく空気の吐
出量と第2カムに基づく空気の吐出量とを異ならせるこ
とができる。したがって、カムシャフトの低回転域で好
適な吐出量が得られるように一方のカムを設定するとと
もに、他方のカムを、カムシャフトの高回転域で好適な
吐出量が得られるように設定することができるので、低
回転域でも高回転域でも好適な吐出量を得ることができ
る。また、同軸部とピストンとを設けたものにあって
は、必要時にピストンを第2カムフォロワから突出させ
ることにより各カムフォロワを各カムから離隔させるこ
とができ、この状態ではピストンはカムシャフトの回転
軸と同軸の同軸部に係合しているのでダイアフラムが往
復作動されることはなく、したがってダイアフラムポン
プによる空気の吐出を停止させることができる。
【0006】
【実施例】以下図示実施例について本発明を説明する
と、図1において、ダイアフラムポンプはロワーケース
1とアッパーケース2とを備えており、両ケース1、2
の間でダイアフラム3を挟持することにより、アッパー
ケース2内に圧力室4を、またロワーケース1内に大気
室5をそれぞれ区画形成している。上記圧力室4は、チ
ェック弁6を介して吸入口7に連通するとともに、チェ
ック弁8を介して吐出口9に連通しており、ダイアフラ
ム3の往復作動に伴う圧力室4内の容積の増減により、
上記吸入口7からチェック弁6を介して圧力室4内に空
気を吸入し、かつ圧力室4内の空気をチェック弁8を介
して吐出口9に吐出することができるようになってい
る。上記ダイアフラム3の上下面には円盤状のプレート
15、16をそれぞれ重合させてあり、両プレート1
5、16の中央部に作動ロッド17の上端部を気密を保
って連結している。この作動ロッド17の軸方向中央部
とロワーケース1との間にダイアフラム18を張設して
あり、このダイアフラム18と上記ダイアフラム3とに
よりロワーケース1内に上述した大気室5を区画形成し
ている。そしてこの大気室5は、ロワーケース1に形成
した大気孔19を介して大気に連通させている。
【0007】上記ロワーケース1にはピン21を介して
カムレバー22を揺動自在に取り付けてあり、このカム
レバー22の左端部を上記作動ロッド17の下端部に連
動させるとともに、カムレバー22の右端部をエンジン
のカムシャフト23に連動させている。上記カムレバー
22は、これの右側部とロワーケース1との間に弾装し
たバネ24によって上記ピン21を中心として時計方向
に付勢してあり、それによって該カムレバー22の右端
部が常に上記カムシャフト23に係合するようにしてい
る。他方、上記ロワーケース1とダイアフラム3の下面
に重合させたプレート16との間にバネ25を弾装して
ダイアフラム3を上方に付勢してあり、これによって作
動ロッド17の下端部に設けた突部17aをカムレバー
22の左端部に設けた凹部22aに当接させて、両者を
常に連動させている。
【0008】図2に示すように、上記カムシャフト23
には、それぞれカム形状が異なる第1カム31と第2カ
ム32とを設けるとともに、該カムシャフト23の回転
軸と同軸の同軸部33を設けている。図示実施例では、
同軸部33の両側に一対の小径で偏心量の小さな偏心カ
ムからなる第2カム32を配設し、また一対の第2カム
32の外側に大径で偏心量の大きな偏心カムからなる第
1カム31を配設している。他方、上記カムレバー22
の右端部に第1カムフォロワ34を一体に設けてあり、
この第1カムフォロワ34は第1カム31に係合するよ
うになっている。そしてこの第1カムフォロワ34の内
部には段付円筒状の第2カムフォロワ35を摺動自在に
嵌合してあり、図3に示すように、この第2カムフォロ
ワ35を第1カムフォロワ34から突出させた際には、
該第2カムフォロワ35を上記カムシャフト23に設け
た第2カム32に係合させるとと同時に、第1カムフォ
ロワ34を第1カム31から離隔させることができるよ
うにしている。さらに上記第2カムフォロワ35内にピ
ストン36を摺動自在に嵌合してあり、図4に示すよう
に、第1カムフォロワ34から突出した第2カムフォロ
ワ35に対してさらにピストン36を突出させた際に
は、該ピストン36を上記同軸部33に係合させると同
時に、第2カムフォロワ35を第2カム32から離隔さ
せることができるようにしている。
【0009】上記第1カムフォロワ34内に摺動自在に
設けた第2カムフォロワ35は、第1カムフォロワ34
と第2カムフォロワ35との間に弾装したバネ37によ
り第1カムフォロワ34内に収納される方向に、すなわ
ち上記第2カム32から離隔する方向に付勢されてお
り、通常は第1カムフォロワ34に取付けたプラグ38
に当接した位置に保持されている。また、上記第2カム
フォロワ35内に摺動自在に設けたピストン36は、第
2カムフォロワ35とピストン36との間に弾装したバ
ネ39により第2カムフォロワ35内に収納される方向
に、すなわち上記同軸部33から離隔する方向に付勢さ
れており、通常は第2カムフォロワ35に取付けたリテ
ーナ40に当接した位置に保持されている。このとき、
ピストン36を付勢するバネ39の弾撥力は、第2カム
フォロワ35を付勢するバネ37の弾撥力よりも大きく
なるように設定してある。上記第2カムフォロワ35は
シール部材41により第1カムフォロワ34に液密を保
って、またピストン36はシール部材42により第2カ
ムフォロワ35に液蜜を保ってそれぞれ摺動自在に設け
てあり、カムシャフト23とは反対側における各シール
部材41、42の一側に両者に共通に作動室43を形成
している。この作動室43に圧油を供給する通路は、図
1、図5に示すように、カムレバー22に形成した通路
44、45、ピン21に形成した通路46、および上記
ピン21を支持するフレーム47に形成した通路48か
ら構成してあり、作動室43内へエンジン回転数の上昇
によって上昇する油圧を、又は図示しないオイルコント
ロールバルブによって制御した油圧を供給できるように
してある。そして上記作動室43に上記第2カムフォロ
ワ35を付勢するバネ37の弾撥力よりも大きく、かつ
上記ピストン36を付勢するバネ39の弾撥力よりも小
さな油圧を供給した際には、バネ37の弾撥力に抗して
第2カムフォロワ35のみを第1カムフォロワ34から
突出させ(図3)、また作動室43に上記ピストン36
を付勢するバネ39の弾撥力よりも大きな油圧を供給し
た際には、バネ39の弾撥力に抗して第2カムフォロワ
35およびピストン36を共に第1カムフォロワ34か
ら突出させることができるようにしている(図4)。
【0010】以上の構成において、カムシャフト23の
回転数が小さい場合には作動室43内の油圧は零若しく
は小さく保たれており、したがって図2に示すように、
第1カムフォロワ34が第1カム31に係合している。
この状態では、第1カム31の偏心量は大きく設定して
あるので、カムレバー22は大きく揺動され、したがっ
て作動ロッド17およびダイアフラム3は大きく進退動
されるので、カムシャフト23の回転数が小さくても相
対的に大きな吐出量の空気が吐出口9から吐出されるこ
とになる。他方、カムシャフト23の回転数が増大して
その回転数が所定値以上となると、上記作動室43内の
油圧は上記第2カムフォロワ35を付勢するバネ37の
弾撥力よりも大きく、かつ上記ピストン36を付勢する
バネ39の弾撥力よりも小さな値に制御される。これに
よりバネ37の弾撥力に抗して第2カムフォロワ35が
第1カムフォロワ34から突出されるので、第2カムフ
ォロワ35が第2カム32に係合するとと同時に、第1
カムフォロワ34を第1カム31から離隔させるように
なる(図3)。すると、第2カム32の偏心量は第1カ
ム31の偏心量よりも小さく設定してあるので、カムレ
バー22の揺動量が小さくなり、したがって作動ロッド
17およびダイアフラム3の進退量も小さくなる。その
結果、カムシャフト23の回転数が増大しても空気の吐
出量は相対的に小さく増大するようになり、したがって
不必要に大きな吐出量の空気が吐出口9から吐出される
ことはない。さらに、カムシャフト23の回転数が異常
に大きくなり、或いは故障等が発生した場合には、上記
作動室43内の油圧は上記ピストン36を付勢するバネ
39の弾撥力よりも大きな値に制御される。これにより
バネ39の弾撥力に抗して第2カムフォロワ35および
ピストン36が突出されるので、ピストン36が同軸部
33に係合するとと同時に、各カムフォロワ34、35
を各カム31、32から離隔させるようになる(図
4)。その結果、カムレバー22の揺動が停止されるの
で、作動ロッド17およびダイアフラム3の進退動が停
止されて空気の吐出が停止される。
【0011】なお、上記実施例では作動ロッド17とカ
ムレバー22とによってダイアフラム3に連動させた作
動部材を構成しているが、これに限定されるものではな
く、例えば作動ロッド17とカムレバー22とのいずれ
か一方を省略してもよい。また必要に応じて、ピストン
36を省略することも可能である。
【0012】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、カムシ
ャフトの低回転域においても高回転域においても好適な
吐出量を得ることができるという効果が得られる。ま
た、第1カムフォロワと第2カムフォロワとをコンパク
トに組立てることができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図。
【図2】図1のII−II線に沿う拡大断面図。
【図3】図2とは異なる作動状態を示す断面図。
【図4】図2、図3とは異なる作動状態を示す断面図。
【図5】図1のV−V線に沿う拡大断面図。
【符号の説明】
1 ロワーケース 2 アッパーケー
ス 3 ダイアフラム 4 圧力室 17 作動ロッド(作動部材) 22 カムレバー
(作動部材) 23 カムシャフト 31 第1カム 32 第2カム 33 同軸部 34 第1カムフォロワ 35 第2カムフ
ォロワ 36 ピストン 43 作動室

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイアフラムケース内に圧力室を区画形
    成し、かつ往復作動により圧力室内の容積を増減させて
    空気を吸入、吐出させるダイアフラムと、このダイアフ
    ラムに連結した作動部材と、この作動部材を作動させて
    上記ダイアフラムを往復動させるカムシャフトとを備え
    たダイアフラムポンプにおいて、 上記カムシャフトにカム形状が異なる第1カムと第2カ
    ムとを設け、また上記作動部材に、上記第1カムに係合
    する第1カムフォロワと、この第1カムフォロワ内に摺
    動自在に設けられ、該第1カムフォロワからの突出時に
    上記カムシャフトに設けた第2カムに係合するとともに
    第1カムフォロワを第1カムから離隔させる第2カムフ
    ォロワとを設けたことを特徴とするダイアフラムポン
    プ。
  2. 【請求項2】 上記カムシャフトに、該カムシャフトの
    回転軸と同軸の同軸部を設け、さらに上記第2カムフォ
    ロワ内に、該第2カムフォロワに摺動自在に設けられ、
    該第2カムフォロワからの突出時に上記同軸部に係合す
    るとともに該第2カムフォロワを第2カムから離隔させ
    るピストンを設けたことを特徴とする請求項1に記載の
    ダイアフラムポンプ。
  3. 【請求項3】 上記第2カムフォロワとピストンとは、
    通常はそれぞれバネによってカムシャフトから離隔する
    方向に付勢されて非作動位置に保持されており、また上
    記第1カムフォロワ内に、上記カムシャフトとは反対側
    で第2カムフォロワとピストンとが臨む作動室を形成
    し、さらにピストンを付勢するバネの弾撥力を第2カム
    フォロワを付勢するバネの弾撥力よりも大きく設定した
    ことを特徴とする請求項2に記載のダイアフラムポン
    プ。
  4. 【請求項4】 上記作動部材は、一端がダイアフラムに
    連結された作動ロッドと、揺動自在に設けられて一端が
    上記作動ロッドの他端に連結されたカムレバーとを備え
    ており、このカムレバーの他端に上記第1カムフォロワ
    が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求
    項3のいずれかに記載のダイアフラムポンプ。
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