JP3521355B2 - 偏光板用保護フィルム - Google Patents
偏光板用保護フィルムInfo
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Description
に関し、特に接着性に優れた偏光板用保護フィルムに関
する。
ル膜(PVA膜)の偏光子に、セルローストリアセテー
トフィルムを保護フィルムとして貼り合わせた偏光フィ
ルムは、広く液晶表示素子として、電卓の表示部、パソ
コンや液晶テレビ、自動車のディスプレイ等に利用され
ている。
て、各種環境下で高い信頼性と耐久性を発揮するため
に、偏光子と保護フィルム間には強固な接着性が要求さ
れる。この接着性を向上させる方法として、最も広く保
護フィルムとして使用されるセルローストリアセテート
フィルムの場合、予めアルカリ液で表面のケン化処理を
行い、しかるのちにポリビニルアルコール系接着剤等で
積層し偏光フィルムとしている。
リ液を使用するため、作業安全上、又環境保全の上で好
ましくなく、更にアルカリ処理によって、可塑剤のブリ
ードアウトや、ヘイズが高くなるなど品質を落とすおそ
れがある。
ハードコート加工などの機能性付与の加工を行うと、ア
ルカリ処理によってその効果が減殺されるため、保護フ
ィルムの機能性付与はアルカリ処理後に限定される等の
問題がある。
PVA膜と接着し易い偏光板用保護フィルムを提供する
ことにある。第2に作業上安全で環境に悪影響を及ぼさ
ない加工により接着性の優れた偏光板用保護フィルムを
提供することにある。第3に生産性の良い高品質の接着
性に優れた偏光板用保護フィルムを提供することにあ
る。
の構成により達成される。
護フィルムにおいて、少なくとも偏光子と接着される面
に偏光子側から、親水性高分子化合物の少なくとも1種
を含有する層、次いで該親水性高分子とは異なり、下記
一般式〔1〕又は〔2〕で表される−COOM基含有高分子
化合物の少なくとも1種を含む層を有することを特徴と
する偏光板用保護フィルム。
る構造単位、Bは水素原子、−CO−OM又は−CO−Rを表
し、Mは水素原子又はカチオンを表し、z=0のとき、
Bは水素原子である。Rは−O−R′又は−N(R′)(R″)
を表し、ここでR′はアルキル基、アラルキル基、アリ
ール基、複素環残基又はR″と共同して複素環を形成す
るに必要な非金属原子を表し、R″は水素原子、低級ア
ルキル基又はR′と共同して複素環を形成するに必要な
非金属原子を表し、R1及びR2は各々、水素原子又は低
級アルキル基を表し、Xは−CO−O−又は−O−CO−を表
し、R3はハロゲノアルキル基又はハロゲノアルキルオ
キシアルキル基を表し、m、p、q、r、x、y及びz
は各々、各単量体のモル%を示す値であって、m及びx
は各々0〜60、p、q、r、x、y及びzは各々0〜10
0であり、m+p+q+r=100、x+y+z=100であ
る。
ロース誘導体、ポリビニルアルコール誘導体、天然高分
子、親水性ポリエステル誘導体及び親水性ポリビニル誘
導体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
る請求項1記載の偏光板用保護フィルム。
好ましくは親水性セルロース誘導体(例えば、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシセ
ルロース等)、ポリビニルアルコール誘導体(例えば、
ポリビニルアルコール、酢酸ビニル-ビニルアルコール
共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマー
ル、ポリビニルベンザール等)、天然高分子化合物(例
えば、ゼラチン、カゼイン、アラビアゴム等)、親水性
ポリエステル誘導体(例えば、部分的にスルホン化され
たポリエチレンテレフタレート等)、ポリビニル誘導体
(例えば、ポリ-N-ビニルピロリドン、ポリアクリルア
ミド、ポリビニルインダゾール、ポリビニルピラゾール
等)が挙げられる。
るいは2種以上併用して用いられる。
で表される構造単位を生成するビニル単量体としては、
例えばスチレン、ニトロ基、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、クロロメチル基、低級アルキル基等で置換され
たスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエー
テル、ビニルクロロエチルエーテル、酢酸ビニル、クロ
ロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸、メタ
クリル酸又はイタコン酸等の不飽和酸、アクリル酸若し
くはメタクリル酸のアルキルエステル(該アルキル基は
炭素数1〜5の、非置換アルキル基又は塩素原子、フェ
ニル基等で置換したアルキル基)、アクリル酸若しくは
メタクリル酸のフェニルエステル(該フェニル基は非置
換フェニル基又は塩素原子、フェニル基等で置換したフ
ェニル基)、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、エチレン、アクリルアミド、炭素数1〜5のア
ルキル基あるいは塩素、フェニル基等で置換したアクリ
ルアミド、ビニルアルコール、クリシジルアクリレー
ト、アクロレイン等があり、好ましくはスチレン、置換
基を有するスチレン、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテ
ル、アルキルアクリレート、アクリロニトリル等であ
る。
しては、炭素数1〜24のものが好ましく、直鎖アルキル
基、分岐アルキル基及びシクロアルキル基のいずれでも
よく、また該アルキル基は置換基を有していてもよく、
この置換基としてはヒドロキシル基、ヒドロキシカルボ
ニル基、−COOM′(M′はカチオンを表す)基等で、特
にフッ素原子のようなハロゲン原子で置換された炭素数
2〜18のハロゲノアルキル基又は炭素数2〜18のハロゲ
ノアルキルオキシアルキル基は本発明の目的に対して好
ましい結果が得られる。該ハロゲノアルキル基及び該ハ
ロゲノアルキルオキシアルキル基に置換されたハロゲン
原子数は望ましくは1〜37である。このハロゲノアルキ
ル基及びハロゲノアルキルオキシアルキル基並びに一般
式〔2〕中のR3が表すハロゲノアルキル基及びハロゲ
ノアルキルオキシアルキル基は、好ましくは下記一般式
〔A〕で示される。
びR10は各々、水素原子又はフッ素原子を表し、nは1
〜12の整数を表し、n2は0または1であり、n2が0の
ときにはn1は0、n2が1のときにはn1は2または3
であって、n3は1〜17の整数を表す。 但し、n1+n3は
1〜17である。なお、R4が一般式〔A〕中で2個以上
ある場合には1個が水素で他がフッ素原子であるように
異なる基であってもよく、同様にR5、R6及びR7がそ
れぞれ一般式〔A〕中に複数個あるときには、異なる基
であってもよい。) また、前記一般式〔1〕及び一般式〔2〕において、
R′が前述のようなハロゲノアルキル基又はハロゲノア
ルキルオキシアルキル基のときには、好ましくは前記一
般式〔1〕及び一般式〔2〕中のRは−O−R′である。
また、R′が表すフェニル基のようなアリール基又はベ
ンジル基のようなアラルキル基は置換基を有していても
よく、この置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子等のハロゲン原子で置換された低級アルキル基、
ヒドロキシル基、ヒドロキシカルボニル基、カチオンの
オキシカルボニル基、ニトリル基、ニトロ基等が挙げら
れる。
で形成する複素環は、酸素原子、イオウ原子又は窒素原
子を含む飽和又は不飽和の複素環であって、例えばアジ
リジン、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾ
ール、イミダゾリン、トリアゾール、ピペリジン、ピペ
ラジン、オキサジン、モルホリン、チアジン等の複素環
から選択される複素環である。また、Mが表すカチオン
は、例えばアンモニウムイオン、ナトリウムイオン、カ
リウムイオン、リチウムイオン等のカチオンである。
〔2〕で示される−COOM基含有高分子化合物は、単独で
又は2種以上併用して用いられ、好ましくは平均分子量
約500〜500,000(重量平均)程度のものが用いられる。
合物の代表的なものとしては、下記を挙げることができ
る。しかし、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
COOM基含有高分子化合物は、公知の方法で合成すること
ができる。即ち、無水マレイン酸共重合物は極く一般的
な重合物であることは周知のとおりであり、これらの誘
導体もそれらに適合するアルコール又はアミン類を無水
マレイン酸共重合物に反応させれば簡単に得られ、また
無水マレイン酸単量体に適合するアルコール又はアミン
類を反応し精製したものを他のビニル単量体と共重合さ
せても得られる。また、ハロゲノアルキル、ハロゲノア
ルキルオキシアルキル等のアクリレート類は、ジャーナ
ル・オブ・ポリマー・サイエンス(Journal of Polymer
Science,15 515〜574(1955)あるいは英国特許1,12
1,357号明細書に記載されている単量体及び重合体の合
成法によって容易に合成される。
分子化合物の使用量は、10〜1000mg/m2であることが好
ましく、更には20〜300mg/m2であることが特に好まし
い。
とも1種を含有する層(以下「上層」と記すことがあ
る)及び前記一般式〔1〕又は〔2〕で表される高分子
化合物の少なくとも1種を含有する層(以下「下層」と
記すことがある)が設けられる保護フィルムとしては、
従来主として用いられているセルローストリアセテート
フィルムの他に、セルロースジアセテート、セルロース
アセテートブチレート、セルロースプロピオネートなど
のセルロースエステル、ポリカーボネート、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリアクリレート等からなるフィル
ムが挙げられる。保護フィルムの厚みは特に制限はない
が、機能上および取扱い易さから10〜500μm、特に30〜
300μmが好ましい。保護フィルムには所望により紫外線
吸収剤、可塑剤、滑り剤、マット剤等を含有させてもよ
い。
物及びその他必要に応じで含有させる添加剤を溶剤に溶
解ないし分散させた塗布液の形態でグラビアコーター、
ディプコーター、リバースロールコーター、押し出しコ
ーター等の公知の方法で保護フィルムの表面に塗設して
形成させることができる。上層の親水性高分子化合物の
付量及び下層の前記高分子化合物の付量は、好ましくは
それぞれ10〜1000mg/m2の範囲であり、特に安定な接着
力及び塗布後の仕上り性の点からそれぞれ20〜300mg/m
2の範囲が好ましい。
ては特に制限はないが、乾燥後の残留溶媒量は5wt%以
下とするのが好ましい。残留溶媒量が多いと、偏光子と
積層された後の乾燥過程で接着界面に気泡を生じる場合
があり好ましくない。
より紫外線吸収剤、滑り剤、マット剤、帯電防止剤、架
橋剤、及び活性剤などを添加してもよい。特に架橋剤は
偏光子のポリビニルアルコールフィルムとの接着を促進
する上で好ましい。この様な架橋剤としては、例えば多
価のエポキシ化合物、アジリジン化合物、イソシアネー
ト化合物や、明バン、ホウ素化合物等が挙げられる。
ムの該上層の側の面と偏光子とを貼り合わせるのに使用
する接着剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポ
リビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤
や、ブチルアクリレートなどビニル系ラテックス等を用
いることができる。
れらの実施態様に限定されるものではない。
の面に下記組成の下層液(1)及び上層液(1)をこの
順に、それぞれ20ml/m2の割合で塗布し、100℃で10分
間乾燥した後、本発明に係る偏光板用保護フィルム試料
1を得た。
えた以外は実施例1と同様にして本発明に係る偏光板用
保護フィルム試料2を得た。
えた以外は実施例1と同様にして本発明に係る偏光板用
保護フィルム試料3を得た。
えた以外は実施例1と同様にして本発明に係る偏光板用
保護フィルム試料4を得た。
えた以外は実施例1と同様にして本発明に係る偏光板用
保護フィルム試料5を得た。
えた以外は実施例1と同様にして本発明に係る偏光板用
保護フィルム試料6を得た。
えた以外は実施例1と同様にして本発明に係る偏光板用
保護フィルム試料7を得た。
えた以外は実施例1と同様にして本発明に係る偏光板用
保護フィルム試料8を得た。
護フィルム試料9を得た。
護フィルム試料10を得た。
護フィルム試料11を得た。
護フィルム試料12を得た。
護フィルム試料13を得た。
護フィルム試料14を得た。
護フィルム試料15を得た。
の水酸化ナトリウム溶液に60℃で3分間浸漬し、さらに
水洗し乾燥して表面がアルカリケン化処理されたセルロ
ーストリアセテートフィルムを得た。これを比較用保護
フィルム試料17とする。
製した保護フィルム試料1〜17について下記の方法で接
着力テストを行った。その結果を表1に示す。
張り合わせて偏光フィルムを作製した。
を塗工面を上にしてガラス板上に配置する。
伸されたポリビニルアルコール染色フィルムからなる偏
光子を固形分2wt%のポリビニルアルコール接着剤槽中
に1〜2秒間浸漬(偏光子の両面を)する。
剤を軽く取り除き、上記の保護フィルム試料上にのせ
て、さらに上記と同一の試料フィルムの塗工面と接着
剤とが接するように次の保護フィルム試料を積層し配置
する。
光子と保護フィルムとの積層物の端部から過剰の接着剤
及び気泡を取り除き貼り合わせる。ハンドローラの圧力
は約2〜3kg/cm2、ローラスピードは約2m/分とし
た。
間放置する。
いて、偏光子と保護フィルムとの接着性を下記により評
価した。
合わせ後、手で剥離性を測定し材料破壊の発生の程度で
下記〜の3段階に評価した。
示す。) 一部材料破壊が起こるが、試料フィルムとPVAフ
ィルム間で剥がれる面積が大きい。(表1中「△」で示
す。) 試料フィルムとPVAフィルムとの間で剥がれる。
(表1中「×」で示す。) 加工性:片刃を用いて断裁して接着面の浮きの程度で下
記〜の3段階に評価した。
「○」で示す。) 僅かに接着面の浮きが起こる。(表1中「△」で示
す。) 接着面の浮きが起こる。(表1中「×」で示す。) 耐久性能:75℃で相対湿度90%の条件(A)下、及び90
℃の条件(B)下に500時間放置し、外観変化を観察
し、端部からの剥離の幅を測定した。表1中の符号の意
味は下記のとおりである。
接着性であれば実用上問題なく、表1において「○」の
評価を与えている。
透過率を島津製作所(株)製MPS−2000を用い、波長35
0〜700nmの範囲で測定した。結果を表1に示す。
明の保護フィルム試料は、アルカリケン化処理を行うこ
となく良好な接着性を示す。また、可塑剤のブリードア
ウトもなく、優れた光線透過率を示す。
偏光子のPVA膜との接着性及び透過率に優れ、かつそ
の製造工程において、アルカリ液で表面のケン化処理を
行ったセルローストリアセテートフィルムからなる保護
フィルムと対比して、ケン化のために高濃度のアルカリ
液を使用する必要がないので、作業安全性及び環境保全
性が改善され、生産性が良好であり、かつ、従来のセル
ローストリアセテートフィルムの表面のケン化のための
アルカリ処理による可塑剤のブリードアウト及びヘイズ
が高くなる問題が改善される。
Claims (2)
- 【請求項1】 偏光子に隣接して接着する偏光板用保護
フィルムにおいて、少なくとも偏光子と接着される面に
偏光子側から、親水性高分子化合物の少なくとも1種を
含有する層、次いで該親水性高分子とは異なり、下記一
般式〔1〕又は〔2〕で表される−COOM基含有高分子化
合物の少なくとも1種を含む層を有することを特徴とす
る偏光板用保護フィルム。 【化1】 〔式中、Aはビニル単量体が重合して生成する構造単
位、Bは水素原子、−CO−OM又は−CO−Rを表し、Mは
水素原子又はカチオンを表し、z=0のとき、Bは水素
原子である。Rは−O−R′又は−N(R′)(R″)を表し、
ここでR′はアルキル基、アラルキル基、アリール基、
複素環残基又はR″と共同して複素環を形成するに必要
な非金属原子を表し、R″は水素原子、低級アルキル基
又はR′と共同して複素環を形成するに必要な非金属原
子を表し、R1及びR2は各々、水素原子又は低級アルキ
ル基を表し、Xは−CO−O−又は−O−CO−を表し、R3
はハロゲノアルキル基又はハロゲノアルキルオキシアル
キル基を表し、m、p、q、r、x、y及びzは各々、
各単量体のモル%を示す値であって、m及びxは各々0
〜60、p、q、r、x、y及びzは各々0〜100であ
り、m+p+q+r=100、x+y+z=100である。〕 - 【請求項2】 前記親水性高分子化合物が親水性セルロ
ース誘導体、ポリビニルアルコール誘導体、天然高分
子、親水性ポリエステル誘導体及び親水性ポリビニル誘
導体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
る請求項1記載の偏光板用保護フィルム。
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JP12915294A JP3521355B2 (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | 偏光板用保護フィルム |
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CN108395607B (zh) * | 2017-02-08 | 2021-03-19 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种紫外光转蓝光树脂及其制备方法和应用 |
-
1994
- 1994-06-10 JP JP12915294A patent/JP3521355B2/ja not_active Expired - Fee Related
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