JP3521331B2 - 新規ポリペプチド - Google Patents

新規ポリペプチド

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JP3521331B2 JP2002545153A JP2002545153A JP3521331B2 JP 3521331 B2 JP3521331 B2 JP 3521331B2 JP 2002545153 A JP2002545153 A JP 2002545153A JP 2002545153 A JP2002545153 A JP 2002545153A JP 3521331 B2 JP3521331 B2 JP 3521331B2
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    • C12N2799/022Uses of viruses as vector for the expression of a heterologous nucleic acid where the vector is derived from an adenovirus

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、新規ポリペプチドに関する。
背景技術 変形性関節症(osteoarthritis;以
下、OAと略称することがある)は、関節軟骨の損傷及
び/又は変性を主病変とする関節疾患の中でも、最も患
者数の多い疾患である。OA疾患に対する現行の薬物治
療法では、痛みを軽減する目的で対症療法的に鎮痛消炎
剤やヒアルロン酸製剤が用いられていて、充分な治療効
果を上げているとは言えない状況にあり、最終的には外
科的治療が必要な状態に至る。
関節軟骨は自己修復能に乏しい組織と考えられてお
り、OA病態における関節軟骨の修復を目的とした治療
法の開発の一例としては、関節軟骨細胞を生体から取り
出して、イン・ビトロ(In Vitro)で培養して
増殖させ、欠損した関節部位に埋め戻すという方法があ
る。しかし、この方法は、外科手術を必要とする上に多
くの問題点を抱えていて、治療法としては確立していな
い(Onstott A.T.ら,AORN J.,7
1,843−845,848−851,2000)。ま
た、軟骨細胞の分化誘導活性を示す各種生理活性物質を
治療剤として用いる試みがされているが、軟骨を欠損さ
せた関節を作成した動物モデルで効果を検証している段
階に留まっていて、臨床応用まで至っていない(Sel
lers R.S.ら,J. Bone Joint
Surg.Am.,79A,1452−1463,19
97;及びTrippel S.B.,J.Rheum
atol.Suppl.,43,129−132,19
95)。
軟骨組織の内部には、血管、神経、及びリンパ管が存
在しない。関節軟骨は、軟骨細胞と、軟骨細胞が産生す
る細胞外基質とで構成されており、関節軟骨細胞が産生
するII型コラーゲンやプロテオグリカンなどの細胞外基
質は、軟骨組織に特有の弾性と硬度、圧力に対する抵抗
性を持たせて、関節軟骨として機能するために重要な役
割を担っている[Huber M.ら,Investi
gative Radiology,35(10),5
73−580,2000]。しかし、OA疾患では、関
節軟骨組織の変性破壊やコラーゲンの繊維化が引き起こ
されており、特に、II型コラーゲンが分解されて、正常
に機能するII型コラーゲンの減少が顕著である[Hol
lander A.P.ら,J.Clin.Inves
t.,93(4),1722−1732,1994]。
アグリカンは、II型コラーゲン同様、関節軟骨細胞よ
り産生されていて、軟骨組織を構成する主要なプロテオ
グリカンである。アグリカンは、関節軟骨として機能す
るために重要な役割を担っているが、OA疾患では、ア
グリカンの分解及び変性が観察されている[Neame
P.J.ら,J.Fla.Med.Assoc.,8
1(3),191−193,1994]。
発明の開示 本発明は、OA治療に有用な、II型コラーゲン産生促
進活性及び/又はアグリカン産生促進活性を有する物質
の提供、並びに、新規なOA治療及び/又は予防用医薬
組成物の提供を課題としている。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を行
なった結果、II型コラーゲン産生促進活性を示す新規ポ
リペプチドをコードする新規ポリヌクレオチドを見出し
た。次いで、前記ポリヌクレオチドのmRNAの発現分
布を解析し、関節軟骨組織に特異的に発現していること
を確認した。また、前記ポリヌクレオチドは、OAの遺
伝的要因となる感受性遺伝子が存在するとして知られて
いる。ヒト染色体の11q22に存在することを確認し
た。そして、前記ポリペプチドをヒト関節軟骨細胞中で
過剰発現させることにより、II型コラーゲン産生及びア
グリカン産生を促進することを確認し、前記ポリペプチ
ドが、OA治療及び/又は予防用に有用であることを明
らかにし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、 [1](1)配列番号2で表されるアミノ酸配列におけ
る第23番〜第388番のアミノ酸からなる配列を有す
るポリペプチド、又は(2)配列番号2で表されるアミ
ノ酸配列における第23番〜第388番のアミノ酸から
なる配列の1又は複数の箇所において、1又は複数個の
アミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加されたアミノ酸
配列を有し、しかも、II型コラーゲン産生促進活性及び
/又はアグリカン産生促進活性を示すポリペプチド; [2]配列番号2で表されるアミノ酸配列における第2
3番〜第388番のアミノ酸からなる配列を含み、しか
も、II型コラーゲン産生促進活性及び/又はアグリカン
産生促進活性を示すポリペプチド; [3]配列番号2で表されるアミノ酸配列における第2
3番〜第388番のアミノ酸からなる配列、又は配列番
号2で表されるアミノ酸配列との相同性が90%以上で
あるアミノ酸配列を有し、しかも、II型コラーゲン産生
促進活性及び/又はアグリカン産生促進活性を示すポリ
ペプチド; [4]II型コラーゲン産生促進活性及びアグリカン産生
促進活性を有する、[1]〜[3]記載のポリペプチ
ド; [5]配列番号2で表されるアミノ酸配列における第1
番〜第388番又は第23番〜第388番のアミノ酸か
らなる配列を有するポリペプチド; [6][1]〜[5]記載のポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチド; [7][6]記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクタ
ー; [8][7]記載の発現ベクターでトランスフェクショ
ンされた細胞; [9][1]〜[5]記載のポリペプチド、[6]記載
のポリヌクレオチド、又は[7]記載の発現ベクター
と、薬剤学的に許容することのできる担体とを含む、II
型コラーゲン産生促進用医薬組成物; [10][1]〜[5]記載のポリペプチド、[6]記
載のポリヌクレオチド、又は[7]記載の発現ベクター
と、薬剤学的に許容することのできる担体とを含む、ア
グリカン産生促進用医薬組成物; [11][1]〜[5]記載のポリペプチド、[6]記
載のポリヌクレオチド、又は[7]記載の発現ベクター
と、薬剤学的に許容することのできる担体とを含む、変
形性関節症治療及び/又は予防用医薬組成物; [12][1]〜[5]記載のポリペプチド、[6]記
載のポリヌクレオチド、又は[7]記載の発現ベクター
を、II型コラーゲン産生促進が必要な対象に、有効量で
投与することを含む、II型コラーゲン産生を促進する方
法; [13][1]〜[5]記載のポリペプチド、[6]記
載のポリヌクレオチド、又は[7]記載の発現ベクター
を、アグリカン産生促進が必要な対象に、有効量で投与
することを含む、アグリカン産生を促進する方法; [14][1]〜[5]記載のポリペプチド、[6]記
載のポリヌクレオチド、又は[7]記載の発現ベクター
を、変形性関節症の治療及び/又は予防が必要な対象
に、有効量で投与することを含む、変形性関節症を治療
及び/又は予防する方法; [15][1]〜[5]記載のポリペプチド、[6]記
載のポリヌクレオチド、又は[7]記載の発現ベクター
の、II型コラーゲン産生促進用医薬組成物、アグリカン
産生促進用医薬組成物、あるいは、変形性関節症治療及
び/又は予防用医薬組成物を製造するための使用;並び
に [16][1]〜[5]記載のポリペプチドに結合する
抗体又はその断片 に関する。
図面の簡単な説明 図1は、ヒト間葉系幹細胞の軟骨分化前後での、配列
番号2で表されるアミノ酸配列からなる本発明のポリペ
プチドをコードする遺伝子の発現を示すグラフである。
図2は、感染後7日目のII型コラーゲン遺伝子の発現
量を示すグラフである。
図3は、感染後4日目のアグリカン遺伝子の発現量を
示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリペプチドには、 (1)配列番号2で表されるアミノ酸配列における第2
3番〜第388番のアミノ酸からなる配列を有するポリ
ペプチド(以下、「ポリペプチド23/388」と称す
ることがある); (2)配列番号2で表されるアミノ酸配列における第2
3番〜第388番のアミノ酸からなる配列(すなわち、
「ポリペプチド23/388」のアミノ酸配列)の1又
は複数の箇所において、1又は複数個のアミノ酸が欠
失、置換、及び/又は付加されたアミノ酸配列を有し、
しかも、II型コラーゲン産生促進活性(好ましくは、関
節軟骨細胞のII型コラーゲン産生促進活性)及び/又は
アグリカン産生促進活性(好ましくは、関節軟骨細胞の
アグリカン産生促進活性)を示すポリペプチド(以下、
機能的等価改変体と称する);及び (3)「ポリペプチド23/388」のアミノ酸配列又
は配列番号2で表されるアミノ酸配列との相同性が90
%以上であるアミノ酸配列を有し、しかも、II型コラー
ゲン産生促進活性(好ましくは、関節軟骨細胞のII型コ
ラーゲン産生促進活性)及び/又はアグリカン産生促進
活性(好ましくは、関節軟骨細胞のアグリカン産生促進
活性)を示すポリペプチド(以下、相同ポリペプチドと
称する)が含まれる。
本発明のポリペプチドである前記ポリペプチド(1)
〜(3)の内、II型コラーゲン産生促進活性(好ましく
は、関節軟骨細胞のII型コラーゲン産生促進活性)及び
アグリカン産生促進活性(好ましくは、関節軟骨細胞の
アグリカン産生促進活性)を併せ持つポリペプチドがよ
り好ましい。
本発明のポリペプチドの1つである、分泌シグナル配
列が切断されたポリペプチド(N末端が、配列番号2で
表されるアミノ酸配列における第23番目のアミノ酸、
すなわち、ポリペプチド23/388であると推定され
る)は、II型コラーゲン産生促進活性(好ましくは、関
節軟骨細胞のII型コラーゲン産生促進活性)を示し、し
かも、アグリカン産生促進活性(好ましくは、関節軟骨
細胞のアグリカン産生促進活性)も併せ持つ。
本明細書において、或るポリペプチドが「II型コラー
ゲン産生促進活性(特には、関節軟骨細胞のII型コラー
ゲン産生促進活性)」を示すか否かは、特に限定される
ものではないが、例えば、以下の方法(好ましくは、後
述の実施例12に記載の方法、又は後述の実施例16に
記載の方法)により確認することができる。すなわち、
前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む
発現ベクターと、前記ポリヌクレオチドを含まないコン
トロール用発現ベクターとで、それぞれ、所望の細胞
(特には、ヒト関節軟骨細胞)をトランスフェクション
し、所定日数(例えば、3日間)が経過した後、それぞ
れの細胞におけるII型コラーゲンmRNAの発現量を測
定する。コントロール用発現ベクターでトランスフェク
ションした細胞に比べて、前記ポリペプチドをコードす
るポリヌクレオチドを含む発現ベクターでトランスフェ
クションした細胞におけるII型コラーゲンmRNAの発
現量が上昇していれば、前記ポリペプチドが「II型コラ
ーゲン産生促進活性(特には、関節軟骨細胞のII型コラ
ーゲン産生促進活性)」を示すと判定することができ
る。
あるいは、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドを含むウイルスベクターをトランスフェクトして
得られるウイルスと、前記ポリヌクレオチドを含まない
コントロール用ウイルスベクターをトランスフェクトし
て得られるコントロール用ウイルスとを、それぞれ、所
望の細胞(特には、ヒト関節軟骨細胞)に感染させ、所
定日数(例えば、4日間又は7日間)が経過した後、そ
れぞれの細胞におけるII型コラーゲンmRNAの発現量
を測定する。コントロール用ウイルスを感染させた細胞
に比べて、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオ
チドを含むウイルスベクターをトランスフェクトして得
られるウイルスを感染させた細胞におけるII型コラーゲ
ンmRNAの発現量が上昇していれば、前記ポリペプチ
ドが「II型コラーゲン産生促進活性(特には、関節軟骨
細胞のII型コラーゲン産生促進活性)」を示すと判定す
ることができる。
本明細書において、或るポリペプチドが「アグリカン
産生促進活性(特には、関節軟骨細胞のアグリカン産生
促進活性)」を示すか否かは、特に限定されるものでは
ないが、例えば、以下の方法(好ましくは、後述の実施
例16に記載の方法)により確認することができる。す
なわち、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ドを含むウイルスベクターをトランスフェクトして得ら
れるウイルスと、前記ポリヌクレオチドを含まないコン
トロール用ウイルスベクターをトランスフェクトして得
られるコントロール用ウイルスとを、それぞれ、所望の
細胞(特には、ヒト関節軟骨細胞)に感染させ、所定日
数(例えば、4日間又は7日間)が経過した後、それぞ
れの細胞におけるアグリカンmRNAの発現量を測定す
る。コントロール用ウイルスを感染させた細胞に比べ
て、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを
含むウイルスベクターをトランスフェクトして得られる
ウイルスを感染させた細胞におけるアグリカンmRNA
の発現量が上昇していれば、前記ポリペプチドが「アグ
リカン産生促進活性(特には、関節軟骨細胞のアグリカ
ン産生促進活性)」を示すと判定することができる。
本発明の機能的等価改変体は、ポリペプチド23/3
88のアミノ酸配列の1又は複数の箇所において、1又
は複数個(好ましくは1〜22個、より好ましくは1〜
10個、更に好ましくは1〜5個)、例えば、1〜数個
のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加されたアミノ
酸配列を有し、しかも、II型コラーゲン産生促進活性
(好ましくは、関節軟骨細胞のII型コラーゲン産生促進
活性)及び/又はアグリカン産生促進活性(好ましく
は、関節軟骨細胞のアグリカン産生促進活性)を示すこ
とができるポリペプチド(例えば、ポリペプチド23/
388のアミノ酸配列を含み、しかも、II型コラーゲン
産生促進活性及び/又はアグリカン産生促進活性を示す
ポリペプチド)である限り、特に限定されるものではな
いが、II型コラーゲン産生促進活性(好ましくは、関節
軟骨細胞のII型コラーゲン産生促進活性)及びアグリカ
ン産生促進活性(好ましくは、関節軟骨細胞のアグリカ
ン産生促進活性)を併せ持つポリペプチドであることが
より好ましい。
本発明の機能的等価改変体の起源はヒトに限定されな
い。例えば、ポリペプチド23/388のヒトにおける
変異体が含まれるだけでなく、ヒト以外の生物(例え
ば、マウス、ラット、ハムスター、又はイヌ)由来の機
能的等価改変体が含まれる。更には、それらの天然ポリ
ペプチド(すなわち、ヒト由来の変異体、又はヒト以外
の生物由来の機能的等価改変体)又はポリペプチド23
/388を元にして遺伝子工学的に人為的に改変したポ
リペプチドなどが含まれる。なお、本明細書において
「変異体」(variation)とは、同一種内の同
一ポリペプチドにみられる個体差、あるいは、数種間の
相同ポリペプチドにみられる差異を意味する。
ポリペプチド23/388のヒトにおける変異体、又
はヒト以外の生物由来の機能的等価改変体は、当業者で
あれば、ポリペプチド23/388の遺伝子の塩基配列
(例えば、配列表の配列番号1で表される塩基配列にお
ける第103番〜第1203番の塩基からなる配列)の
情報を基にして、取得することができる。なお、遺伝子
組換え技術については、特に断りがない場合、公知の方
法(例えば、Sambrook,J.ら,“Molec
ular Cloning−A Laboratory
Maunual”,Cold Spring Har
bor Laboratory,NY,1989等の遺
伝子操作実験マニュアル)に従って実施することが可能
である。
例えば、ポリペプチド23/388の遺伝子の塩基配
列の情報を基にして適当なプライマー又はプローブを設
計し、前記プライマー又はプローブと、目的とする生物
[例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、
ハムスター、又はイヌ)]由来の試料(例えば、総RN
A若しくはmRNA画分、cDNAライブラリー、又は
ファージライブラリー)とを用いてポリメラーゼ連鎖反
応(PCR)法(Saiki,R.K.ら,Scien
ce,239,487−491,1988)又はハイブ
リダイゼーション法を実施することにより、ポリペプチ
ドの遺伝子を取得し、その遺伝子を適当な発現系を用い
て発現させ、発現したポリペプチドが、例えば、実施例
12に記載の方法により、関節軟骨細胞のII型コラーゲ
ン産生促進活性を示すことを確認することにより、ある
いは、実施例16に記載の方法により、関節軟骨細胞の
アグリカン産生促進活性を示すことを確認することによ
り、所望のポリペプチドを取得することができる。
また、前記の遺伝子工学的に人為的に改変したポリペ
プチドは、常法、例えば、部位特異的突然変異誘発法
(site−specific mutagenesi
s;Mark,D.F.ら,Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA,81,5662−5666,1
984)により、ポリペプチドの遺伝子を取得し、その
遺伝子を適当な発現系を用いて発現させ、発現したポリ
ペプチドが、例えば、実施例12に記載の方法により、
関節軟骨細胞のII型コラーゲン産生促進活性を示すこと
を確認することにより、あるいは、実施例16に記載の
方法により、関節軟骨細胞のアグリカン産生促進活性を
示すことを確認することにより、所望のポリペプチドを
取得することができる。
また、本発明の機能的等価改変体には、ポリペプチド
23/388[あるいは、ポリペプチド23/388の
アミノ酸配列の1又は複数の箇所において、1又は複数
個(好ましくは1〜22個、より好ましくは1〜10
個、更に好ましくは1〜5個)、例えば、1〜数個のア
ミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加されたアミノ酸配
列を有するポリペプチド]を含むポリペプチド、例え
ば、N末端及び/又はC末端に、適当なマーカー配列等
を付加したポリペプチド(すなわち、融合ポリペプチ
ド)も、II型コラーゲン産生促進活性(好ましくは、関
節軟骨細胞のII型コラーゲン産生促進活性)及び/又は
アグリカン産生促進活性(好ましくは、関節軟骨細胞の
アグリカン産生促進活性)を示す限り、含まれる。
前記マーカー配列としては、ポリペプチドの発現の確
認、細胞内局在の確認、あるいは、精製等を容易に行な
うための配列を用いることができ、例えば、FLAGエ
ピトープ、ヘキサ−ヒスチジン・タグ、ヘマグルチニン
・タグ、又はmycエピトープなどを挙げることができ
る。
更に、本発明の機能的等価改変体には、配列番号2で
表されるアミノ酸配列(すなわち、配列番号2で表され
アミノ酸配列における第1番〜第388番のアミノ酸か
らなる配列)からなるポリペプチドそれ自体、配列番号
2で表されるアミノ酸配列の1又は複数の箇所におい
て、1又は複数個(好ましくは1〜22個、より好まし
くは1〜10個、更に好ましくは1〜5個)、例えば、
1〜数個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加され
たアミノ酸配列を有するポリペプチド、あるいは、これ
らのポリペプチドのN末端及び/又はC末端に、適当な
マーカー配列等を付加したポリペプチド(すなわち、融
合ポリペプチド)も、II型コラーゲン産生促進活性(好
ましくは、関節軟骨細胞のII型コラーゲン産生促進活
性)及び/又はアグリカン産生促進活性(好ましくは、
関節軟骨細胞のアグリカン産生促進活性)を示す限り、
含まれる。
本発明の相同ポリペプチドは、ポリペプチド23/3
88のアミノ酸配列又は配列番号2で表されるアミノ酸
配列(すなわち、配列番号2で表されるアミノ酸配列に
おける第1番〜第388番のアミノ酸からなる配列)と
の相同性が90%以上であるアミノ酸配列を有し、しか
も、II型コラーゲン産生促進活性(好ましくは、関節軟
骨細胞のII型コラーゲン産生促進活性)及び/又はアグ
リカン産生促進活性(好ましくは、関節軟骨細胞のアグ
リカン産生促進活性)を示すポリペプチドである限り、
特に限定されるものではないが、ポリペプチド23/3
88のアミノ酸配列又は配列番号2で表されるアミノ酸
配列に関して、好ましくは95%以上、より好ましくは
98%以上、更に好ましくは99%以上の相同性を有す
るアミノ酸配列を有することができる。また、II型コラ
ーゲン産生促進活性(好ましくは、関節軟骨細胞のII型
コラーゲン産生促進活性)及びアグリカン産生促進活性
(好ましくは、関節軟骨細胞のアグリカン産生促進活
性)を併せ持つポリペプチドであることがより好まし
い。
なお、本明細書における前記「相同性」とは、BLA
ST(Basic local alingment
search tool;Altschul,S.F.
ら,J.Mol.Biol.,215,403−41
0,1990)検索により得られた値を意味し、アミノ
酸配列の相同性は、BLAST検索アルゴリズムを用い
て決定することができる。具体的には、BLASTパッ
ケージ(sgi32bit版,バージョン2.0.1
2;NCBIより入手)のbl2seqプログラム(T
atiana A.Tatusova及びThomas
L.Madden,FEMS Microbiol.
Lett.,174,247−250,1999)を用
い、デフォルトパラメーターに従って算出することがで
きる。ペアワイズ・アラインメント・パラメーターとし
て、プログラム名「blastp」を使用し、Gap挿
入Cost値を「0」で、Gap伸長Cost値を
「0」で、Query配列のフィルターとして「SE
G」を、Matrixとして「BLOSUM62」をそ
れぞれ使用する。
本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチド
をコードする限り、特に限定されるものではなく、例え
ば、配列表の配列番号1で表される塩基配列における第
103番〜第1203番の塩基からなる配列、あるい
は、配列表の配列番号1で表される塩基配列における第
37番〜第1203番の塩基からなる配列を有するポリ
ヌクレオチドを挙げることができる。なお、本明細書に
おける用語「ポリヌクレオチド」には、DNA及びRN
Aの両方が含まれる。配列表の配列番号1で表される塩
基配列における第103番〜第1203番の塩基からな
る配列を有する前記ポリヌクレオチドは、ポリペプチド
23/388をコードする。また、配列表の配列番号1
で表される塩基配列における第37番〜第1203番の
塩基からなる配列を有する前記ポリヌクレオチドは、配
列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
をコードする。
本発明のポリヌクレオチドは、本発明の組換えポリペ
プチドを製造するために用いることができるばかりでな
く、遺伝子治療により体内で本発明のポリペプチドを産
生させるために用いることもできる。
本発明のポリヌクレオチドの製造方法は、特に限定さ
れるものではないが、例えば、(1)PCRを用いた方
法、(2)常法の遺伝子工学的手法(すなわち、cDN
Aライブラリーで形質転換した形質転換株から、所望の
cDNAを含む形質転換株を選択する方法)を用いる方
法、又は(3)化学合成法などを挙げることができる。
以下、各製造方法について、順次、説明する。
PCRを用いた方法では、例えば、以下の手順によ
り、本発明のポリヌクレオチドを製造することができ
る。
すなわち、本発明のポリペプチドを産生する能力を有
するヒト細胞又は組織からmRNAを抽出する。次い
で、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ドの塩基配列に基づいて、本発明のポリペプチドに相当
するmRNAの全長を挟むことのできる2個1組のプラ
イマーセット、あるいは、その一部のmRNA領域を挟
むことのできる2個1組のプライマーセットを作成す
る。変性温度又は変性剤添加条件などを適宜選択し、作
成した各々のプライマーセットに適した逆転写酵素−ポ
リメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を行なうことによ
り、本発明のポリペプチドの全長cDNA又はその一部
を得ることができる。
あるいは、本発明のポリペプチドを産生する能力を有
するヒト細胞又は組織から調製したmRNAから逆転写
酵素により作製したcDNA、あるいは、市販のヒト細
胞又は組織由来のcDNAを鋳型として、PCRを行な
うことにより、本発明のポリペプチドの全長cDNA又
はその一部を得ることができる。
より詳細には、まず、本発明のポリペプチドの産生能
力を有する細胞又は組織から、本発明のポリペプチドを
コードするmRNAを含む総RNAを既知の方法により
抽出する。抽出法としては、例えば、グアニジン・チオ
シアネート・ホット・フェノール法、グアニジン・チオ
シアネート−グアニジン・塩酸法、又はグアニジン・チ
オシアネート塩化セシウム法等を挙げることができる
が、グアニジン・チオシアネート塩化セシウム法を用い
ることが好ましい。本発明のポリペプチドの産生能力を
有する細胞又は組織は、例えば、本発明のポリペプチド
をコードするポリヌクレオチド又はその一部を用いたノ
ーザンブロッティング法、あるいは、本発明のポリペプ
チドに特異的な抗体を用いたウエスタンブロッティング
法などにより特定することができる。
続いて、抽出したmRNAを精製する。mRNAの精
製は常法に従えばよく、例えば、mRNAをオリゴ(d
T)セルロースカラムに吸着後、溶出させることにより
精製することができる。所望により、ショ糖密度勾配遠
心法等によりmRNAを更に分画することもできる。ま
た、mRNAを抽出しなくても、市販されている抽出精
製済みのmRNAを用いることもできる。
次に、精製されたmRNAを、例えば、ランダムプラ
イマー、オリゴdTプライマー、及び/又はカスタム合
成したプライマーの存在下で、逆転写酵素反応を行な
い、第1鎖cDNAを合成する。この合成は、常法によ
って行なうことができる。得られた第1鎖cDNAを用
い、目的ポリヌクレオチドの全長又は一部の領域を挟ん
だ2種類のプライマーを用いてPCRを実施し、目的と
するcDNAを増幅することができる。得られたDNA
をアガロースゲル電気泳動等により分画する。所望によ
り、前記DNAを制限酵素等で切断し、接続することに
よって目的とするDNA断片を得ることもできる。
常法の遺伝子工学的手法を用いる方法では、例えば、
以下の手順により、本発明のポリヌクレオチドを製造す
ることができる。
まず、先述の方法で調製したmRNAを鋳型として、
逆転写酵素を用いて1本鎖cDNAを合成した後、この
1本鎖cDNAから2本鎖cDNAを合成する。その方
法としては、例えば、S1ヌクレアーゼ法(Efstr
atiadis,A.ら,Cell,7,279−28
8,1976)、Land法(Land,H.ら,Nu
cleic Acids Res.,9,2251−2
266,1981)、O.Joon Yoo法(Yo
o,O.J.ら,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,79,1049−1053,1983)、
又はOkayama−Berg法(Okayama,
H.及びBerg,P.,Mol.Cell.Bio
l.,2,161−170,1982)などを挙げるこ
とができる。
次に、前記2本鎖cDNAを含む組換えプラスミドを
作製した後、大腸菌(例えば、DH5α株、HB101
株、又はJM109株等)に導入して形質転換させ、例
えば、テトラサイクリン、アンピシリン、又はカナマイ
シン等に対する薬剤耐性を指標として、組換体を選択す
る。宿主細胞の形質転換は、例えば、宿主細胞が大腸菌
の場合には、Hanahanの方法(Hanahan,
D.J.,Mol.Biol.,166,557−58
0,1983)、すなわち、CaCl2、MgCl2、又
はRbClを共存させて調製したコンピテント細胞に、
前記組換えDNA体を加える方法により実施することが
できる。もちろん、市販のコンピテント細胞を使用する
こともできる。なお、ベクターとしては、プラスミド以
外にもラムダ系などのファージベクターを用いることも
できる。
このようにして得られる形質転換株から、目的のcD
NAを有する形質転換株を選択する方法としては、例え
ば、以下に示す(1)合成オリゴヌクレオチドプローブ
を用いるスクリーニング法、(2)PCRにより作製し
たプローブを用いるスクリーニング法、(3)他の動物
細胞で目的ポリペプチドを産生させてスクリーニングす
る方法、(4)本発明のポリペプチドに対する抗体を用
いて選択する方法、又は(5)セレクティブ・ハイブリ
ダイゼーション・トランスレーション系を用いる方法を
採用することができる。
合成オリゴヌクレオチドプローブを用いるスクリーニ
ング法では、例えば、以下の手順により、目的のcDN
Aを有する形質転換株を選択することができる。
すなわち、本発明のポリペプチドの全部又は一部に対
応するオリゴヌクレオチドを合成し、これをプローブ(
32P又は33Pで標識する)として、形質転換株のDNA
を変性固定したニトロセルロースフィルター又はポリア
ミドフィルターとハイブリダイズさせ、得られた陽性株
を検索して、これを選択する。なお、プローブ用のオリ
ゴヌクレオチドを合成する場合には、コドン使用頻度を
用いて導いたヌクレオチド配列とすることもできるし、
あるいは、考えられるヌクレオチド配列を組合せた複数
個のヌクレオチド配列とすることもできる。後者の場合
には、イノシンを含ませてその種類を減らすことができ
る。
PCRにより作製したプローブを用いるスクリーニン
グ法では、例えば、以下の手順により、目的のcDNA
を有する形質転換株を選択することができる。
すなわち、本発明のポリペプチドの一部に対応するセ
ンスプライマー及びアンチンセンスプライマーの各オリ
ゴヌクレオチドを合成し、これらを組合せてPCRを行
ない、目的ポリペプチドの全部又は一部をコードするD
NA断片を増幅する。ここで用いる鋳型DNAとして
は、本発明のポリペプチドを産生する細胞のmRNAよ
り逆転写反応にて合成したcDNA、又はゲノムDNA
を用いることができる。このようにして調製したDNA
断片を、例えば、32P又は33Pで標識し、これをプロー
ブとして用いてコロニーハイブリダイゼーション又はプ
ラークハイブリダイゼーションを行なうことにより、目
的のcDNAを有する形質転換株を選択する。
他の動物細胞で目的ポリペプチドを産生させてスクリ
ーニングする方法では、例えば、以下の手順により、目
的のcDNAを有する形質転換株を選択することができ
る。
すなわち、形質転換株を培養し、ポリヌクレオチドを
増幅させ、そのポリヌクレオチドを動物細胞にトランス
フェクトし、ポリヌクレオチドにコードされたポリペプ
チドを細胞外に産生させる。なお、この場合、自己複製
可能で転写プロモーター領域を含むプラスミド、あるい
は、動物細胞の染色体に組み込まれ得るようなプラスミ
ドのいずれを用いることもできる。本発明のポリペプチ
ドに対する抗体を用いて、本発明のポリペプチドを検出
することにより、元の形質転換株の中から、目的のcD
NAを有する形質転換株を選択する。
本発明のポリペプチドに対する抗体を用いて選択する
方法では、例えば、以下の手順により、目的のcDNA
を有する形質転換株を選択することができる。
すなわち、予め、cDNAを発現ベクターに組込み、
形質転換株の培養上清、細胞内、又は細胞表面にポリペ
プチドを産生させ、本発明のポリペプチドに対する抗体
及び前記抗体に対する2次抗体を用いて、所望のポリペ
プチド産生株を検出し、目的のcDNAを有する形質転
換株を選択する。
セレクティブ・ハイブリダイゼーション・トランスレ
ーション系を用いる方法では、例えば、以下の手順によ
り、目的のcDNAを有する形質転換株を選択すること
ができる。
すなわち、形質転換株から得られるcDNAを、ニト
ロセルロースフィルター等にブロットし、本発明のポリ
ペプチドの産生能力を有する細胞から別途調製したmR
NAをハイブリダイズさせた後、cDNAに結合したm
RNAを解離させ、回収する。回収されたmRNAを適
当なポリペプチド翻訳系、例えば、アフリカツメガエル
の卵母細胞への注入したり、あるいは、ウサギ網状赤血
球ライゼート又は小麦胚芽等の無細胞系を用いて、ポリ
ペプチドに翻訳させる。本発明のポリペプチドに対する
抗体を用いて検出して、目的のcDNAを有する形質転
換株を選択する。
得られた目的の形質転換株より本発明のポリヌクレオ
チドを採取する方法は、公知の方法(例えば、Samb
rook,J.ら,“Molecular Cloni
ng−A Laboratory Manual”,C
old Spring Harbor Laborat
ory,NY,1989等の遺伝子操作実験マニュア
ル)に従って実施することができる。例えば、細胞より
プラスミドDNAに相当する画分を分離し、得られたプ
ラスミドDNAからcDNA領域を切り出すことにより
行なうことができる。
化学合成法を用いた方法では、例えば、化学合成法に
よって製造したDNA断片を結合することによって、本
発明のポリヌクレオチドを製造することができる。各D
NAは、DNA合成機[例えば、Oligo 1000
M DNA Synthesizer(Beckman
社製)、又は394 DNA/RNA Synthes
izer(Applied Biosystems社
製)など]を用いて合成することができる。
また、本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポリペ
プチドの情報に基づいて、例えば、ホスファイト・トリ
エステル法(Hunkapiller,M.ら,Nat
ure,10,105−111,1984)等の常法に
従い、核酸の化学合成により製造することもできる。な
お、所望アミノ酸に対するコドンは、それ自体公知であ
り、その選択も任意でよく、例えば、利用する宿主のコ
ドン使用頻度を考慮して、常法に従って決定することが
できる(Crantham,R.ら,Nucleic
Acids Res.,9,r43−r74,198
1)。更に、これら塩基配列のコドンの一部改変は、常
法に従い、所望の改変をコードする合成オリゴヌクレオ
チドからなるプライマーを利用した部位特異的突然変異
誘発法(site specific mutagen
esis)(Mark,D.F.ら,Proc.Nat
l.Acad.Sci.aUS,81,5662−56
66,1984)等により実施することができる。
これまで述べた種々の方法により得られるDNAの配
列決定は、例えば、マキサム−ギルバートの化学修飾法
(Maxam,A.M.及びGilbert,W.,
“Methods in Enzymology”,6
5,499−559,1980)やジデオキシヌクレオ
チド鎖終結法(Messing,J.及びVieir
a,J.,Gene,19,269−276,198
2)等により行なうことができる。
単離された本発明のポリヌクレオチドを、適当なベク
ターDNAに再び組込むことにより、真核生物又は原核
生物の宿主細胞を形質転換させることができる。また、
これらのベクターに適当なプロモーター及び形質発現に
かかわる配列を導入することにより、それぞれの宿主細
胞においてポリヌクレオチドを発現させることが可能で
ある。
本発明の発現ベクターは、本発明のポリヌクレオチド
を含む限り、特に限定されるものではなく、例えば、用
いる宿主細胞に応じて適宜選択した公知の発現ベクター
に、本発明のポリヌクレオチドを挿入することにより得
られる発現ベクターを挙げることができる。
また、本発明の細胞も、本発明の前記発現ベクターで
トランスフェクションされ、本発明のポリヌクレオチド
を含む限り、特に限定されるものではなく、例えば、本
発明のポリヌクレオチドが、宿主細胞の染色体に組み込
まれた細胞であることもできるし、あるいは、本発明に
よるポリヌクレオチドを含む発現ベクターの形で含有す
る細胞であることもできる。また、本発明のポリペプチ
ドを発現している細胞であることもできるし、あるい
は、本発明のポリペプチドを発現していない細胞である
こともできる。本発明の細胞は、例えば、本発明の発現
ベクターにより、所望の宿主細胞をトランスフェクショ
ンすることにより得ることができる。
例えば、真核生物の宿主細胞には、脊椎動物、昆虫、
及び酵母等の細胞が含まれ、脊椎動物細胞としては、サ
ルの細胞であるCOS細胞(Gluzman,Y.,C
ell,23,175−182,1981)、チャイニ
ーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO)のジヒドロ葉酸レ
ダクターゼ欠損株(Urlaub,G.及びChasi
n,L.A.Proc.Natl.Acad.Sci.
USA,77,4216−4220,1980)、ヒト
胎児腎臓由来HEK293細胞、及び前記HEK293
細胞にエプスタイン・バーウイルスのEBNA−1遺伝
子を導入した293−EBNA細胞(Invitrog
en社)等を挙げることができる。
本発明の発現ベクターには、本発明の組換えポリペプ
チドを製造するための発現ベクターと、遺伝子治療によ
り体内で本発明のポリペプチドを産生させるための発現
ベクターとが含まれる。
脊椎動物細胞の発現ベクターとしては、通常発現しよ
うとするポリヌクレオチドの上流に位置するプロモータ
ー、RNAのスプライス部位、ポリアデニル化部位、及
び転写終結配列等を有するものを使用することができ、
更に必要により、複製起点を有していることができる。
前記発現ベクターの例としては、例えば、SV40の初
期プロモーターを有するpSV2dhfr(Subra
mani,S.ら,Mol.Cell.Biol.,
1,854−864,1981)、ヒトの延長因子プロ
モーターを有するpEF−BOS(Mizushim
a,S.及びNagata,S.,Nucleic A
cids Res.,18,5322,1990)、又
はサイトメガロウイルスプロモーターを有するpCEP
4(Invitrogen社)等を挙げることができ
る。
宿主細胞としてCOS細胞を用いる場合には、発現ベ
クターとして、SV40複製起点を有し、COS細胞に
おいて自律増殖が可能であり、更に、転写プロモータ
ー、転写終結シグナル、及びRNAスプライス部位を備
えたものを用いることができ、例えば、pME18S
(Maruyama,K.及びTakebe,Y.,M
ed.Immunol.,20,27−32,199
0)、pEF−BOS(Mizushima,S.及び
Nagata,S.,Nucleic Acids R
es,18,5322,1990)、又はpCDM8
(Seed,B.,Nature,329,840−8
42,1987)等を挙げることができる。
前記発現ベクターは、例えば、DEAE−デキストラ
ン法(Luthman,H.及びMagnusson,
G.,Nucleic Acids Res.,11,
1295−1308,1983)、リン酸カルシウム−
DNA共沈殿法(Graham,F.L.及びvan
der Ed,A.J.,Virology,52,4
56−457,1973)、市販のトランスフェクショ
ン試薬(例えば、FuGENETM6 Transfec
tion Reagent;Roche Diagno
stics社製)を用いた方法、あるいは、電気パスル
穿孔法(Neumann,E.ら,EMBO J.,
1,841−845,1982)等により、COS細胞
に取り込ませることができる。
また、宿主細胞としてCHO細胞を用いる場合には、
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを
含む発現ベクターと共に、G418耐性マーカーとして
機能するneo遺伝子を発現することのできるベクタ
ー、例えば、pRSVneo(Sambrook,J.
ら,“Molecular Cloning−A La
boratory Manual”,Cold Spr
ing Harbor Laboratory,NY,
1989)又はpSV2−neo(Southern,
P.J.及びBerg,P.,J.Mol.Appl.
Genet.,1,327−341,1982)等をコ
・トランスフェクトし、G418耐性のコロニーを選択
することにより、本発明のポリペプチドを安定に産生す
る形質転換細胞を得ることができる。
更に、宿主細胞として293−EBNA細胞を用いる
場合には、発現ベクターとして、エプスタイン・バーウ
イルスの複製起点を有し、293−EBNA細胞で自己
増殖が可能なpCEP4(Invitrogen社)な
どを用いることができる。
遺伝子治療のベクターとしては、例えば、(1)ウイ
ルスベクター、又は(2)非ウイルスベクターがあり、
一般的に使用されているベクター(ウイルスベクターと
しては、例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、又
はセンダイウイルス等)を用いることができる[高久史
麿監修,実験医学(増刊号)「遺伝子治療の最前線」,
第12巻,第15号,1994年]。
本発明の細胞は、常法に従って培養することができ、
前記培養により細胞外に本発明のポリペプチドが生産さ
れる。前記培養に用いることのできる培地としては、採
用した宿主細胞に応じて慣用される各種の培地を適宜選
択することができる。例えば、COS細胞の場合には、
例えば、RPMI−1640培地又はダルベッコ修飾イ
ーグル最小必須培地(DMEM)等の培地に、必要に応
じて牛胎仔血清(FBS)等の血清成分を添加した培地
を使用することができる。また、293−EBNA細胞
の場合には、牛胎仔血清(FBS)等の血清成分を添加
したダルベッコ修飾イーグル最小必須培地(DMEM)
等の培地にG418を加えた培地を使用することができ
る。
本発明の細胞を培養することにより、前記細胞の細胞
外に生産される本発明のポリペプチドは、前記ポリペプ
チドの物理的性質や生化学的性質等を利用した各種の公
知の分離操作法により、分離精製することができる。具
体的には、例えば、本発明のポリペプチドを含む培養液
を、通常のポリペプチド沈殿剤による処理、限外濾過、
各種液体クロマトグラフィー[例えば、分子ふるいクロ
マトグラフィー(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィ
ー、イオン交換体クロマトグラフィー、アフィニティク
ロマトグラフィー、又は高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)等]、若しくは透析法、又はこれらの組合
せ等を用いて処理することにより、本発明のポリペプチ
ドを精製することができる。
本発明のポリペプチドは、マーカー配列とインフレー
ムで融合して発現させることにより、本発明のポリペプ
チドの発現の確認及び精製等が容易になる。前記マーカ
ー配列としては、例えば、FLAGエピトープ、ヘキサ
−ヒスチジン・タグ、ヘマグルチニン・タグ、又はmy
cエピトープなどを挙げることができる。また、マーカ
ー配列と本発明のポリペプチドとの間に、プロテアーゼ
(例えば、エンテロキナーゼ、ファクターXa、又はト
ロンビンなど)が認識する特異的なアミノ酸配列を挿入
することにより、マーカー配列部分をこれらのプロテア
ーゼにより切断除去することが可能である。例えば、ム
スカリンアセチルコリン受容体とヘキサ−ヒスチジン・
タグとをトロンビン認識配列で連結した報告がある(H
ayashi,M.K.及びHaga,T.,J.Bi
ochem.,120,1232−1238(199
6)。
本発明のポリペプチドの内、関節軟骨細胞のII型コラ
ーゲンの発現量を上昇させるポリペプチドは、関節軟骨
細胞のII型コラーゲン産生促進用医薬組成物の有効成分
として有用である。また、II型コラーゲンは、関節軟骨
として機能するために重要な役割をもつことが知られて
いるので、前記ポリペプチドは、変形性関節症治療及び
/又は予防用医薬組成物の有効成分としても有用であ
る。
本発明のポリペプチドの内、アグリカンの産生を促進
する活性を有するポリペプチドは、アグリカン産生促進
用医薬組成物の有効成分として有用である。また、アグ
リカンは軟骨組織を構成する主要なプロテオグリカンで
あるので、変形性関節症の治療及び/又は予防用医薬組
成物の有効成分としてより有用である。
本発明においては、本発明のポリペプチドを、それ単
独で、あるいは、所望により薬剤学的又は獣医学的に許
容することのできる通常の担体と共に、動物、好ましく
は哺乳動物(特にはヒト)に投与することができる。
また、本発明のポリペプチドは、II型コラーゲン産生
促進用医薬組成物、アグリカン産生促進用医薬組成物、
あるいは、変形性関節症治療及び/又は予防用医薬組成
物を製造するために使用することができる。
本発明による関節軟骨細胞のII型コラーゲン産生促進
用医薬組成物、アグリカン産生促進用医薬組成物、又は
変形性関節症治療及び/又は予防用医薬組成物は、有効
成分に応じて、それらの製剤化に通常用いられる添加剤
を用いて調製することができる。
投与方法としては、例えば、錠剤、丸剤、カプセル
剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、又は経口用液剤などによる
経口投与、あるいは、静注、若しくは関節注などの注射
剤、坐剤、経皮投与剤、又は経粘膜投与剤などによる非
経口投与を挙げることができる。特に酵素の影響を受け
るポリペプチドにあっては、静注等の非経口投与とする
か、あるいは、消化酵素の影響の少ない消化管の下部
(例えば、空腸、回腸、結腸、又は大腸)に前記ポリペ
プチドが分解されずに送達される製剤技術を用いること
が好ましい。このような製剤技術としては、例えば、徐
放性製剤(例えば、国際公開パンフレットWO94/0
6414号)、結腸放出製剤(例えば、国際公開パンフ
レットWO95/28963号)、又は時間放出型若し
くはパルス放出型製剤(国際公開パンフレットWO93
/05771号)を挙げることができる。
非経口のための注射剤には、無菌の水性若しくは非水
性の溶液剤、懸濁剤、又は乳濁剤が含まれる。水溶性の
溶液剤又は懸濁剤における希釈剤としては、例えば、注
射用蒸留水又は生理用食塩水などを挙げることができ
る。非水溶性の溶液剤又は懸濁剤の希釈剤としては、例
えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、植物油(例えば、オリーブ油)、アルコール類(例
えば、エタノール)、又はポリソルベート80等を挙げ
ることができる。
前記注射剤は、更に、溶解補助剤、保存剤、安定剤、
乳化剤、無痛化剤、等張化剤、緩衝剤、賦形剤、着色
剤、又は増粘剤などの添加剤を配合することができる。
前記溶解補助剤としては、例えば、シクロデキストリン
類等を挙げることができる。前記保存剤としては、例え
ば、パラ安息香酸メチル等を挙げることができる。前記
乳化剤としては、例えば、レシチン等を挙げることがで
きる。前記無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコ
ール等を挙げることができる。前記等張化剤としては、
例えば、塩化ナトリウム等を挙げることができる。前記
賦形剤としては、例えば、マルトース等を挙げることが
できる。前記増粘剤としては、例えば、ヒアルロン酸等
を挙げることができる。
前記注射剤は、例えば、バクテリア保留フィルターを
通過させる濾過、殺菌剤の配合、あるいは、照射によっ
て無菌化することができる。また、無菌の固体組成物と
して製造し、使用に際して、無菌水又はその他の無菌用
注射用媒体に溶解し、使用することもできる。
投与量は、例えば、症状、投与対象の年齢、又は性別
等を考慮して適宜決定することができる。
例えば、経口投与の場合、その投与量は、通常、成人
(体重60kgとして)において、1日につき約0.0
1〜1000mg、好ましくは0.01〜100mgで
ある。また、非経口投与の場合、注射剤の形では、1日
につき約0.01〜1000mg、好ましくは0.01
〜100mgである。
遺伝子治療のための、遺伝子伝達方法としては、例え
ば、(1)ウイルスベクター、(2)非ウイルスベクタ
ー、又は(3)むきだしのDNAを用いることができ
る。また、遺伝子治療の方法としては、遺伝子導入細胞
を患者に移植する方法(ex vivo法)、あるい
は、細胞を介さずに直接個体にこれらの遺伝子自体を注
入する方法(in vivo法)を用いることができる
[新津洋司郎ら編集,蛋白質核酸酵素(増刊号)「遺伝
子治療」,第40巻,第17号,1995年]。
投与方法は、その有効量が患部に到達するような方法
で投与される限り、特に限定されるものではない。例え
ば、全身的投与(例えば、静脈内投与、動脈内投与、皮
下投与、筋肉内投与、又は経口投与など)、局所投与
(例えば、関節腔内投与又は髄腔内投与など)、経粘膜
投与(例えば、鼻腔内投与、気管内投与、又は口腔内投
与など)、又は腸管内投与(例えば、座剤投与など)な
どによる治療方法が含まれるが、関節腔内投与が好まし
い[Baragi,V.M.,Curr.Opin.M
ol.Ther.,2(2),216−220,200
0]。
また、本発明のポリヌクレオチド又は本発明の発現ベ
クターと、薬学的に許容することのできる担体又は溶媒
(例えば、生理食塩水、pH緩衝液、安定剤、保存剤、
又は懸濁剤など)とを混合して、II型コラーゲン産生促
進、アグリカン産生促進、及び/又は治療及び/又は予
防のための組成物とすることができる。また、遺伝子治
療の効果をあげるために、例えば、ベクター自身を生分
解性のゲルに包埋する技術を用いることができる。具体
的には、アテロコラーゲン(KOKEN Tokyo,
Japan)を用いて、DNAの放出を持続させる方法
(T.OCHIYAら,Nature Medicin
e,5,707−710,1999)を用いることがで
きる。あるいは、遺伝子の細胞導入効率を向上させる目
的で、リン脂質及び/又はコレステロールを配合するこ
とができる。
本発明のポリペプチドに反応する抗体(例えば、ポリ
クローナル抗体又はモノクローナル抗体)は、各種動物
に、本発明のポリペプチド、又はその断片を直接投与す
ることで得ることができる。また、本発明のポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチドを導入したプラスミド
を用いて、DNAワクチン法(Raz,E.ら,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,91,95
19−9523,1994;又はDonnelly,
J.Jら,J.Infect.Dis.,173,31
4−320,1996)によっても得ることができる。
ポリクローナル抗体は、例えば、本発明のポリペプチ
ド又はその断片を適当なアジュバント(例えば、フロイ
ント完全アジュバントなど)に乳濁した乳濁液を、腹
腔、皮下、又は静脈等に免疫して感作した動物(例え
ば、ウサギ、ラット、ヤギ、又はニワトリ等)の血清又
は卵から製造することができる。このように製造された
血清又は卵から、常法のポリペプチド単離精製法により
ポリクローナル抗体を分離精製することができる。その
ような分離精製方法としては、例えば、遠心分離、透
析、硫酸アンモニウムによる塩析、又はDEAE−セル
ロース、ハイドロキシアパタイト、若しくはプロテイン
Aアガロース等によるクロマトグラフィー法を挙げるこ
とができる。
モノクローナル抗体は、例えば、ケーラーとミルスタ
インの細胞融合法(Kohler,G.及びMilst
ein,C.,Nature,256,495−49
7,1975)により、当業者が容易に製造することが
可能である。
すなわち、本発明のポリペプチド又はその断片を適当
なアジュバント(例えば、フロイント完全アジュバント
など)に乳濁した乳濁液を、数週間おきにマウスの腹
腔、皮下、又は静脈に数回繰り返し接種することにより
免疫する。最終免疫後、脾臓細胞を取り出し、ミエロー
マ細胞と融合してハイブリドーマを作製する。
ハイブリドーマを得るためのミエローマ細胞として
は、例えば、ヒポキサンチン−グアニン−ホスホリボシ
ルトランスフェラーゼ欠損又はチミジンキナーゼ欠損の
ようなマーカーを有するミエローマ細胞(例えば、マウ
スミエローマ細胞株P3×63Ag8.U1)を利用す
ることができる。また、融合剤としては、例えば、ポリ
エチレングリコールを利用することができる。更には、
ハイブリドーマ作製における培地として、例えば、イー
グル氏最小必須培地、ダルベッコ氏変法最小必須培地、
又はRPMI−1640などの通常よく用いられている
培地に、10〜30%のウシ胎仔血清を適宜加えて用い
ることができる。融合株は、HAT選択法により選択す
ることができる。ハイブリドーマのスクリーニングは培
養上清を用い、ELISA法又は免疫組織染色法などの
周知の方法により行ない、目的の抗体を分泌しているハ
イブリドーマのクローンを選択することができる。ま
た、限界希釈法によってサブクローニングを繰り返すこ
とにより、ハイブリドーマの単クローン性を保証するこ
とができる。このようにして得られるハイブリドーマ
は、培地中で2〜4日間、あるいは、プリスタンで前処
理したBALB/c系マウスの腹腔内で10〜20日間
培養することで、精製可能な量の抗体を産生することが
できる。このように製造されたモノクローナル抗体は、
培養上清又は腹水から常法のポリペプチド単離精製法に
より分離精製することができる。
以上のように分離精製された抗体について、常法によ
り、ポリペプチド分解酵素(例えば、ペプシン又はパパ
イン等)によって消化を行ない、引き続き、常法のポリ
ペプチド単離精製法により分離精製することで、活性の
ある抗体の一部分を含む抗体断片、例えば、F(a
b’)2、Fab、Fab’、又はFvを得ることがで
きる。
更には、本発明のポリペプチドに反応する抗体を、ク
ラクソンらの方法又はゼベデらの方法(Clackso
n,T.ら,Nature,352,624−628,
1991;又はZebedee,S.ら,Proc.N
atl.Acad.Sci.USA,89,3175−
3179,1992)により、一本鎖(single
chain)Fv又はFabとして得ることも可能であ
る。また、マウスの抗体遺伝子をヒト抗体遺伝子に置き
換えたトランスジェニックマウス(Lonberg,
N.ら,Nature,368,856−859,19
94)に免疫することで、ヒト抗体を得ることも可能で
ある。
実施例 以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、
これらは本発明の範囲を限定するものではない。なお、
特に断らない限り、公知の方法(例えば、Sambro
ok,Jら,“Molecular Cloning−
A Laboratory Manual”,Cold
Spring Harbor Laborator
y,NY,1989等の遺伝子操作実験マニュアル)に
従って実施した。
実施例1:配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる
ポリペプチドの全長ORF遺伝子配列の決定 市販のcDNAライブラリーと本発明者が設計したプ
ライマーを使用し、5’−RACE(Rapid Am
plification of cDNA Ends)
及び3’−RACEを行なった。
まず、5’−RACEの初段PCRでは、市販のヒト
卵巣及びヒト子宮のcDNAライブラリー(Marat
hon−ReadyTM cDNA;Clontech社
製)を鋳型とし、配列番号3で表される塩基配列からな
るGSP2プライマーと、AP1プライマー[Mara
thon−ReadyTM cDNA kit(Clon
tech社)に添付]とをプライマーとし、Taqポリ
メラーゼ(LA−TaqTM;宝酒造社製)をDNAポリ
メラーゼとして、PCRを行なった。前記PCRでは、
94℃(2分間)の初期変性反応を実施した後、98℃
(5秒間)と72℃(90秒間)とからなるサイクル反
応を5回、98℃(5秒間)と70℃(90秒間)とか
らなるサイクル反応を5回、及び98℃(5秒間)と6
8℃(90秒間)とからなるサイクル反応を25回、そ
れぞれ繰り返し、最後に、68℃(5分間)の最終伸長
反応を行なった。
続いて、前記の初段PCRで得られた反応液を鋳型と
して、第2段のネスティッド(nested)PCRを
実施した。第2段PCRでは、初段PCR産物を鋳型と
し、配列番号4で表される塩基配列からなるGSP1プ
ライマーと、AP2プライマー[Marathon−R
eadyTM cDNA kit(Clontech社)
に添付]とをプライマーとし、前記Taqポリメラーゼ
をDNAポリメラーゼとして、PCRを行なった。前記
PCRでは、94℃(2分間)の初期変性反応を実施し
た後、98℃(5秒間)と72℃(90秒間)とからな
るサイクル反応を5回、98℃(5秒間)と70℃(9
0秒間)とからなるサイクル反応を5回、及び98℃
(5秒間)と68℃(90秒間)とからなるサイクル反
応を20回、それぞれ繰り返し、最後に、68℃(5分
間)の最終伸長反応を行なった。
得られた第2段PCR産物を電気泳動し、切り出した
バンドをDNA抽出キット(QIA quick ge
l extraction kit;QIAGEN社
製)を用いて精製した。得られたDNA断片を鋳型と
し、前記GSP1プライマーと、シークエンス用キット
(Dye Terminator Cycle Seq
uencing Kit;Applied Biosy
stems,パーキンエルマー社)とを用いてDNA伸
長反応を行なった後、蛍光式自動シークエンサー(DN
A sequencer Prism 377;App
lied Biosystems,パーキンエルマー
社)を用いて塩基配列を解読し、配列番号1で表される
塩基配列における第1番〜第584番の塩基配列を決定
した。
一方、3’−RACEでは、初段PCRのプライマー
として、配列番号5で表される塩基配列からなるF2プ
ライマーと、前記AP1プライマーとを使用し、第2段
PCRのプライマーとして、配列番号6で表される塩基
配列からなるF1プライマーと、前記AP2プライマー
とを使用したこと以外は、前記5’−RACEと同様の
操作を繰り返すことにより、DNA断片を得た。
3’−RACEで得られたDNA断片を鋳型とし、前
記F1プライマーを用いること以外は、前記5’−RA
CEの場合と同様にして塩基配列を解読し、配列番号1
で表される塩基配列における第1033番〜第1702
番の塩基配列を決定した。
次に、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポ
リペプチドのORFの配列決定を行なった。すなわち、
市販のヒト卵巣のcDNAライブラリー(Marath
on−ReadyTM cDNA;Clontech社
製)を鋳型とし、配列番号7で表される塩基配列からな
るNC5Aプライマーと、前記GSP1プライマーとを
プライマーとし、Pfu DNAポリメラーゼ(Nat
ive Pfu DNA polymeraseTM;s
tratagene社製)をDNAポリメラーゼとし
て、PCRを行なった。前記PCRでは、94℃(2分
間)の初期変性反応を実施した後、94℃(30秒間)
と55℃(30秒間)と74℃(2分間)とからなるサ
イクル反応を40回繰り返し、最後に、74℃(5分
間)の最終伸長反応を行なった。得られたPCR産物
を、ライゲーションキット(DNA Ligation
Kit Ver.2;宝酒造社製)を用いて、クロー
ニング用ベクター(pZerOTM−2;Invitro
gen社製)へサブクローンし、前記蛍光式自動シーク
エンサーを用いて塩基配列を解読した。
更に、前記NC5Aプライマーと前記GSP1プライ
マーとの組み合わせの代わりに、配列番号8で表される
塩基配列からなるF3プライマーと、配列番号9で表さ
れる塩基配列からなる155N3プライマーとの組み合
わせを用いること以外は、前記PCR操作と、それに続
く、PCRで得られたPCR産物の塩基配列解読の操作
とを繰り返した。
以上の結果から、本発明による配列番号2で表される
アミノ酸配列からなるポリペプチドの全長ORFは、配
列番号1で表される塩基配列における第37番〜第12
03番の塩基からなる配列から構成されており、配列番
号2で表されるアミノ酸配列(アミノ酸残基数=38
8)からなる新規ポリペプチドであることが判明した。
そのドメイン構造は、N末端からC末端の方向に向かっ
て、分泌シグナル配列、コイルドコイルドメイン、及び
フィブリノーゲン様ドメインから構成される分子である
ことが判った。この新規分子は、アンギオポイエチン
(Angiopoietin)ファミリー(Davis
S.ら,Curr.Top.Microbiol.I
mmunol.,237,173−185,1999)
及びフィブリノーゲン様因子のpT49(Ruegg
C.ら,Gene,160,257−262,199
5)と同様のドメイン構造をしていた。市販の配列相同
性解析プログラム(MegAlign;DNASTAR
社製)でアミノ酸配列の相同性を調べた結果、最もホモ
ロジーが高いものでも、アンギオポイエチン−1(An
giopoietin−1)と約21%であり、pT4
9と約22%であり、いずれも低かった。
なお、本願の優先日後に公開されたWO01/058
25号公報には、配列番号2で表されるアミノ酸配列と
1アミノ酸のみ異なるアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドをコードする塩基配列(CG144)、及びその推定
アミノ酸配列の記載がある。WO01/05825号公
報には、CG144がコードするポリペプチドが、アン
ギオポイエチンであると記載されているが、実験的裏付
けはなく、また、本発明のポリペプチドが有するII型コ
ラーゲン産生促進活性及びアグリカン産生促進活性につ
いては何ら記載されていない。
実施例2:C末端FLAG付加型発現ベクターの作製 ベクターpCEP4(Invitrogen社製)を
制限酵素ClaI及びNsiIで切断し、平滑末端化処
理を行なった後、自己連結反応を行ない、EBNA1発
現ユニットを除去した発現ベクターpCEP4dを作製
した。このベクターを制限酵素NheI及びBamHI
で切断した後、アガロースゲル抽出した約7.7kbp
のDNA断片に、配列番号10で表される塩基配列から
なるオリゴヌクレオチドと配列番号11で表される塩基
配列からなるオリゴヌクレオチドとをアニールさせた二
重鎖オリゴヌクレオチドを挿入した。得られたプラスミ
ドの塩基配列を解析することにより、目的の配列を有す
ることを確認し、プラスミドpCEP4d−FLAGと
命名した。
このベクターpCEP4d−FLAGを鋳型とし、配
列番号12で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオ
チドと、配列番号13で表される塩基配列からなるオリ
ゴヌクレオチドとをプライマーとし、DNAポリメラー
ゼ(PyroBestTM DNAポリメラーゼ;宝酒造
社)を用いて、PCRを行なった。前記PCRでは、9
4℃(2分間)の初期変性反応を実施した後、94℃
(30秒間)と55℃(30秒間)と74℃(1分間)
とからなるサイクル反応を40回繰り返し、最後に、7
4℃(5分間)の最終伸長反応を行なった。生じた約
0.4kbpのDNA断片を制限酵素SpeIで切断し
た後、XbaIで切断したベクターpCEP4d−FL
AG(約7.7kbp)に挿入した。得られたクローン
の中から、目的どおりに、プロモーターから下流に向か
って、クローニングサイトであるXbaI、NheI、
NotI、及びBamHIの各認識配列、並びにFLA
Gタグがこの順に並んでいるクローンを選択し、ベクタ
ーpCEP4dE2−FLAGと命名した。
実施例3:C末端FLAG付加型ポリペプチド発現プラ
スミドの構築 配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプ
チドは、N端の分泌シグナル配列が切断されて分泌発現
される。この分泌発現されたポリペプチドのC末端にF
LAGを付加した本発明のポリペプチドを発現するため
のプラスミドは、以下の手順で構築した。
まず、配列番号1で表される塩基配列における第37
番〜第1200番の塩基からなる配列を有するポリヌク
レオチドを、PCRにより取得した。すなわち、配列番
号7で表される塩基配列からなるNC5Aプライマーと
配列番号4で表される塩基配列からなるGSP1プライ
マーとをプライマーとし、市販のヒト卵巣のcDNAラ
イブラリー(Marathon−ReadyTM cDN
A;Clontech社製)を鋳型とし、Pfu DN
Aポリメラーゼ(Native Pfu DNA po
lymeraseTM;stratagene社製)をD
NAポリメラーゼとして、PCRを行なった。前記PC
Rでは、94℃(2分間)の初期変性反応を実施した
後、94℃(30秒間)と55℃(30秒間)と74℃
(2分間)とからなるサイクル反応を40回繰り返し、
最後に、74℃(5分間)の最終伸長反応を行なった。
得られたPCR産物を、DNA抽出キット(QIA q
uick gel extraction kit;Q
IAGEN社製)を用いて精製した。
更に、前記NC5Aプライマーと前記GSP1プライ
マーとの組み合わせの代わりに、配列番号8で表される
塩基配列からなるF3プライマーと、配列番号9で表さ
れる塩基配列からなる155N3プライマーとの組み合
わせを用いること以外は、前記PCR操作と、それに続
く、PCRで得られたPCR産物の精製操作とを繰り返
した。
これらの2種類の精製したPCR産物(すなわち、N
C5AプライマーとGSP1プライマーとの組み合わせ
を用いて得られたPCR産物、及びF3プライマーと1
55N3プライマーとの組み合わせを用いて得られたP
CR産物)を鋳型とし、前記NC5Aプライマーと前記
155N3プライマーとをプライマーとし、前記Pfu
DNAポリメラーゼをDNAポリメラーゼとして、P
CRを行なった。前記PCRでは、94℃(2分間)の
初期変性反応を実施した後、94℃(30秒間)と55
℃(30秒間)と74℃(2分間)とからなるサイクル
反応を40回繰り返し、最後に、74℃(5分間)の最
終伸長反応を行なった。得られたPCR産物を、DNA
抽出キット(QIA quick gel extra
ction kit;QIAGEN社製)を用いて精製
した。
続いて、この精製したPCR産物を鋳型とし、配列番
号14で表される塩基配列からなるK5Aプライマー
と、前記155N3プライマーとをプライマーとし、前
記Pfu DNAポリメラーゼをDNAポリメラーゼと
して、PCRを行なった。前記PCRでは、94℃(2
分間)の初期変性反応を実施した後、94℃(30秒
間)と55℃(30秒間)と74℃(2分間)とからな
るサイクル反応を40回繰り返し、最後に、74℃(5
分間)の最終伸長反応を行なった。こうして生成した目
的DNA断片には、5’側にKpnI認識配列及びコザ
ック(Kozak)配列が付加され、3’側にNotI
認識配列が付加される。このDNA断片をクローニング
用ベクター(pZerOTM−2;Invitrogen
社製)にサブクローンして配列を確認した後、制限酵素
KpnI及びNotIで切断し、前記実施例2で先に作
製したpCEP4dE2−FLAGのKpnI及びNo
tI部位に挿入した。得られたプラスミドをpCEP−
CDF−FLAGと命名した。
更に、配列番号15で表される塩基配列からなる15
5XB5プライマーと、配列番号16で表される塩基配
列からなる155X3プライマーとをプライマーとし、
プラスミドpCEP−CDF−FLAGを鋳型とし、前
記Pfu DNAポリメラーゼをDNAポリメラーゼと
して、PCRを行なった。前記PCRでは、94℃(2
分間)の初期変性反応を実施した後、94℃(30秒
間)と55℃(30秒間)と74℃(2分間)とからな
るサイクル反応を40回繰り返し、最後に、74℃(5
分間)の最終伸長反応を行なった。こうして生成した目
的DNA断片には、5’側にXbaI認識配列及びコザ
ック配列が付加され、3’側にXbaI認識配列が付加
される。このDNA断片をクローニング用ベクター(p
ZerOTM−2;Invitrogen社製)にサブク
ローンして配列を確認した後、制限酵素XbaIで切断
し、プラスミドpEF−BOS(Mizushima,
S.及びNagata,S.,Nucleic Aci
ds Res.,18,5322,1999)のXba
I部位に挿入した。得られたプラスミドをpBOS−C
DF−FLAGと命名した。
実施例4:シグナル配列及びN末端FLAG付加型発現
ベクターの作製 ベクターpCEP4(Invitrogen社製)を
制限酵素ClaI及びNsiIで切断し、平滑末端化処
理を行なった後、自己連結反応を行ない、EBNA1発
現ユニットを除去した発現ベクターpCEP4dを作製
した。このベクターを制限酵素HindIII及びXho
Iで切断した後、アガロースゲル抽出した約7.7Kb
pのDNA断片に、配列番号17で表される塩基配列か
らなるオリゴヌクレオチドと配列番号18で表される塩
基配列からなるオリゴヌクレオチドとをアニールさせた
二重鎖オリゴヌクレオチドを挿入した。目的の配列を有
するクローンを選択し、プラスミドpCEP4d−Si
gnalFLAGと命名した。
実施例5:N末端FLAG付加型ポリペプチド発現プラ
スミドの構築 配列番号2で表されるアミノ酸配列における第23番
〜第388番のアミノ酸からなる配列(すなわち、ポリ
ペプチド23/388のアミノ酸配列)を有する、シグ
ナル配列を欠失したポリペプチドのN末端に、外来のシ
グナルペプチド及びFLAGを付加した本発明のポリペ
プチドを発現するためのプラスミドは、以下の手順で構
築した。前記の本発明のポリペプチドは、N末端の分泌
シグナル配列が切断されて分泌発現される。
まず、配列番号1で表される塩基配列における第10
3番〜第1203番の塩基からなる配列を有するポリヌ
クレオチドを、PCRにより取得した。すなわち、配列
番号19で表される塩基配列からなる155SFBプラ
イマーと、配列番号20で表される塩基配列からなる1
55TXプライマーとをプライマーとし、前記実施例3
で先に作製したプラスミドpCEP−CDF−FLAG
を鋳型とし、Pfu DNAポリメラーゼ(Nativ
e Pfu DNA polymeraseTM;str
atagene社製)をDNAポリメラーゼとして、P
CRを行なった。前記PCRでは、94℃(2分間)の
初期変性反応を実施した後、94℃(30秒間)と55
℃(30秒間)と74℃(2分間)とからなるサイクル
反応を40回繰り返し、最後に、74℃(5分間)の最
終伸長反応を行なった。こうして生成した目的DNA断
片には、5’側にBclI認識配列が付加され、3’側
にXhoI認識配列が付加される。このDNA断片をク
ローニング用ベクター(pZerOTM−2;Invit
rogen社製)にサブクローンして配列を確認した
後、制限酵素BclI及びXhoIで切断し、pCEP
4d−SignalFLAGのBamHI及びXhoI
部位に挿入した。得られたプラスミドをpCEP−SF
−CDFと命名した。
更に、配列番号21で表される塩基配列からなるXb
aSFプライマーと、配列番号22で表される塩基配列
からなる155TerXプライマーとをプライマーと
し、プラスミドpCEP−SF−CDFを鋳型とし、前
記Pfu DNAポリメラーゼをDNAポリメラーゼと
して、PCRを行なった。前記PCRでは、94℃(2
分間)の初期変性反応を実施した後、94℃(30秒
間)と55℃(30秒間)と74℃(2分間)とからな
るサイクル反応を40回繰り返し、最後に、74℃(5
分間)の最終伸長反応を行なった。こうして生成した目
的DNA断片には、5’側及び3’側にXbaI認識配
列がそれぞれ付加される。このDNA断片をクローニン
グ用ベクター(pZerOTM−2;Invitroge
n社製)にサブクローンして配列を確認した後、制限酵
素XbaIで切断し、プラスミドpEF−BOS(Mi
zushima,S.及びNagata,S.,Nuc
leic Acids Res.,18,5322,1
999)のXbaI部位に挿入した。得られたプラスミ
ドをpBOS−SF−CDFと命名した。
実施例6:C末端FLAG付加型ポリペプチド発現プラ
スミド及びバクミドの構築 配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプ
チドは、N末端の分泌シグナル配列が切断されて分泌発
現される。この分泌発現されたポリペプチドのC末端に
FLAGを付加した本発明のポリペプチドを発現するた
めのプラスミド及びバクミドは、以下の手順で構築し
た。
まず、配列番号15で表される塩基配列からなる15
5XB5プライマーと、配列番号16で表される塩基配
列からなる155X3プライマーとをプライマーとし、
前記実施例3で先に作製したプラスミドpCEP−CD
F−FLAGを鋳型とし、前記Pfu DNAポリメラ
ーゼをDNAポリメラーゼとして、PCRを行なった。
前記PCRでは、94℃(2分間)の初期変性反応を実
施した後、94℃(30秒間)と55℃(30秒間)と
74℃(2分間)とからなるサイクル反応を40回繰り
返し、最後に、74℃(5分間)の最終伸長反応を行な
った。こうして生成した目的DNA断片には、5’側に
BclI認識配列及びコザック配列が付加され、3’側
にXbaI認識配列が付加される。このDNA断片をク
ローニング用ベクター(pZerOTM−2;Invit
rogen社製)にサブクローンして配列を確認した
後、制限酵素BclI及びXbaIで切断し、プラスミ
ドpFASTBAC1(LIFE TECHNOLOG
IES社製)のBamHI及びXbaI部位に挿入し
た。得られたプラスミドをpFB−CDF−FLAGと
命名した。
更に、得られたプラスミドpFB−CDF−FLAG
と、市販のコンピテント細胞(DH10 BAC co
mpetent cells;LIFE TECHNO
LOGIES社製)とを用いて、製品添付文書に従って
リコンビナントバクミドDNAを調製した。得られたバ
クミドDNAをBAC−CDF−FLAGと命名した。
実施例7:N末端FLAG付加型ポリペプチド発現プラ
スミド及びバクミドの構築 配列番号2で表されるアミノ酸配列における第23番
〜第388番のアミノ酸からなる配列(すなわち、ポリ
ペプチド23/388のアミノ酸配列)を有する、シグ
ナル配列を欠失したポリペプチドのN末端に、外来のシ
グナル配列及びFLAGを付加した本発明のポリペプチ
ドを発現するためのプラスミド及びバクミドは、以下の
手順で構築した。前記の本発明のポリペプチドは、N末
端の分泌シグナル配列が切断されて分泌発現される。
まず、配列番号21で表される塩基配列からなるXb
aSFプライマーと、配列番号22で表される塩基配列
からなる155TerXプライマーとをプライマーと
し、前記実施例5で先に作製したプラスミドpCEP−
SF−CDFを鋳型とし、前記Pfu DNAポリメラ
ーゼをDNAポリメラーゼとして、PCRを行なった。
前記PCRでは、94℃(2分間)の初期変性反応を実
施した後、94℃(30秒間)と55℃(30秒間)と
74℃(2分間)とからなるサイクル反応を40回繰り
返し、最後に、74℃(5分間)の最終伸長反応を行な
った。こうして生成した目的DNA断片には、5’側及
び3’側にXbaI認識配列がそれぞれ付加される。こ
のDNA断片をクローニング用ベクター(pZerOTM
−2;Invitrogen社製)にサブクローンして
配列を確認した後、制限酵素XbaIで切断し、プラス
ミドpFASTBAC1(LIFE TECHNOLO
GIES社製)のXbaI部位に挿入した。得られたプ
ラスミドをpFB−SF−CDFと命名した。
更に、得られたプラスミドpFB−SF−CDFと、
市販のコンピテント細胞(DH10 BAC comp
etent cells;LIFE TECHNOLO
GIES社製)とを用いて、製品添付文書に従ってリコ
ンビナントバクミドDNAを調製した。得られたバクミ
ドDNAをBAC−SF−CDFと命名した。
実施例8:N末端FLAG付加型ポリペプチドの動物細
胞株での発現 前記実施例5で先に作製した発現プラスミドpCEP
−SF−CDFを、市販のトランスフェクション試薬
(FuGENETM6 Transfection Re
agent;Roche Diagnostics社
製)を用いて、添付指示書に従って、293−EBNA
細胞(invirogen社製)に導入した。プラスミ
ド導入後、2〜3日間培養して得た培養上清中に目的ポ
リペプチドが存在することを、N末端に付加したFLA
Gタグに対する抗体(マウス抗FLAGモノクローナル
抗体M2;Sigma社製)を用いたウエスタンブロッ
ティングにより確認した。
すなわち、前記培養上清を、抗FLAG−M2モノク
ローナル抗体アガロースアフィニティーゲル(ANTI
−FLAG M2 Monoclonal Antib
ody Agarose Affinity Gel;
Sigma社製)にアプライし、リン酸緩衝溶液(PB
S)で洗浄した後、10mmol/L−Tris−HC
l(pH3.0)で溶出した。溶出された精製ポリペプ
チドをSDS含有アクリルアミドゲル(SDS/4%〜
20%アクリルアミドゲル;第一化学薬品社製)を用い
て電気泳動した後、ブロッティング装置を用いてポリビ
ニリデンジフルオリド(PVDF)膜に転写した。転写
後のPVDF膜に、ブロックエース(大日本製薬社製)
を添加してブロッキングした後、マウス抗FLAGモノ
クローナル抗体M2と、西洋わさびパーオキシダーゼ標
識ウサギ抗マウスIgGポリクローナル抗体(Zyme
d社製又はTAGO社製)とを、順次反応させた。ある
いは、ブロッキング後、ビオチン化したマウス抗FLA
Gモノクローナル抗体M2(Sigma社製)と、西洋
わさびパーオキシダーゼ標識ストレプトアビジン(アマ
シャムファルマシア社製)とを、順次反応させた。反応
後、ウエスタンブロッティング検出システム(ECL
Plusウエスタンブロッティング検出システム;アマ
シャムファルマシア社製)を用いて、ポリペプチドの発
現を確認した。
発現したポリペプチドの分子量は、還元条件のSDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAG
E)では55kDaであるのに対して、非還元条件のS
DS−PAGEでは130kDa以上の異なる分子量で
あり、マルチマー構造をしていることが判明した。
実施例9:C末端FLAG付加型ポリペプチドの昆虫細
胞株での発現 前記実施例6で先に作製した発現用バクミドBAC−
CDF−FLAGを、市販のトランスフェクション試薬
(CellfectinTM Reagent;LIFE
TECHNOLOGIES社製)を用いて、添付指示
書に従って、Sf9細胞(LIFE TECHNOLO
GIES社製)に導入した。バクミド導入後、2〜3日
間培養して得た培養上清中に目的ポリペプチドが存在す
ることを、C末端に付加したFLAGタグに対する抗体
を用いて確認した。
すなわち、前記培養上清を、抗FLAG−M2モノク
ローナル抗体アガロースアフィニティーゲル(ANTI
−FLAG M2 Monoclonal Antib
ody Agarose Affinity Gel;
Sigma社製)にアプライし、リン酸緩衝溶液(PB
S)で洗浄した後、10mmol/L−Tris−HC
l(pH3.0)で溶出した。溶出された精製ポリペプ
チドをSDS含有アクリルアミドゲル(SDS/4%〜
20%アクリルアミドゲル;第一化学薬品社製)を用い
て電気泳動した後、ブロッティング装置を用いてPVD
F膜に転写した。転写後のPVDF膜に、ブロックエー
ス(大日本製薬社製)を添加してブロッキングした後、
マウス抗FLAGモノクローナル抗体M2(Sigma
社製)と、西洋わさびパーオキシダーゼ標識ウサギ抗マ
ウスIgGポリクローナル抗体(Zymed社製又はT
AGO社製)とを、順次反応させた。あるいは、ブロッ
キング後、ビオチン化したマウス抗FLAGモノクロー
ナル抗体M2(Sigma社製)と、西洋わさびパーオ
キシダーゼ標識ストレプトアビジン(アマシャムファル
マシア社製)とを、順次反応させた。反応後、ウエスタ
ンブロッティング検出システム(ECL Plusウエ
スタンブロッティング検出システム;アマシャムファル
マシア社製)を用いて、ポリペプチドの発現を確認し
た。
発現したポリペプチドの分子量は、還元条件のSDS
−PAGEでは50kDaであるのに対して、非還元条
件のSDS−PAGEでは100kDa以上の異なる分
子量であり、マルチマー構造をしていることが判明し
た。
実施例10:配列番号2で表されるアミノ酸配列からな
るポリペプチドのmRNAの発現分布解析 (1)鋳型cDNAの調製 配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプ
チドのmRNAの発現分布解析は、定量PCR法で実施
した。ヒト組織での発現分布解析は、市販のcDNAパ
ネル[Clontech社製のMultiple Ti
ssue cDNA(MTCTM)Panelの内、Hu
man MTC Panel I、Human MTC
Panel II、Human Immune Sys
tem MTC Panel、Human Fetal
MTC Panel、Human Cardiova
scular MTC Panel、及びHuman
Digestive System MTC Pane
l]を用いて実施した。
また、ヒト膝関節軟骨組織及びヒト培養細胞での発現
分布解析では、ヒト膝関節軟骨組織及びヒト培養細胞か
ら、市販の総RNA精製試薬(ISOGEN;Nipp
on Gene社製)を用いて総RNAを調製した。得
られた総RNAをDNアーゼ(Nippon Gene
社製)を用いて、37℃で15分間反応させた。DNア
ーゼ処理した総RNA0.5μgを、スーパースクリプ
ト・ファーストストランドシステム(RT−PCR用)
(LIFE TECHNOLOGIES社製)を用いて
cDNAに変換した。
(2)定量PCRによる配列番号2で表されるアミノ酸
配列からなるポリペプチドのmRNAの定量 配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプ
チドのmRNAのヒト組織及びヒト培養細胞での発現分
布解析は、前記実施例10(1)で調製したcDNA、
あるいは、前記実施例10(1)で説明した市販のcD
NAパネルを鋳型にして、シークエンスディテクター
(Prism7700 Sequence Detec
tor;Applied Biosystems社製)
を用いて行なった。なお、配列番号6で表される塩基配
列からなるF1プライマーと、配列番号23で表される
塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとを、プライマー
セットとして用いた。PCRは、市販のPCR試薬(S
YBR Green PCR core reagen
t;Applied Biosystems社製)を用
い、95℃(10分間)の初期変性反応を実施した後、
94℃(15秒間)と60℃(30秒間)と72℃(6
0秒間)とからなるサイクル反応を45回繰り返すこと
により実施した。
また、mRNA発現量算出の標準曲線を得るために、
ヒトゲノムDNAを鋳型として、前記プライマーセット
を用いて同条件のPCRを行なった。更に、内部標準と
してヒトグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナ
ーゼ(g3pdh)の発現量を算出するために、前記c
DNA及びヒトゲノムDNAを鋳型として、配列番号2
4で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと、
配列番号25で表される塩基配列からなるオリゴヌクレ
オチドとをプライマーセットとして、同条件のPCRを
行なった。一定量のmRNA当たりの、配列番号2で表
されるアミノ酸配列からなるポリペプチドのmRNAの
発現量を得るために、各組織及び細胞における配列番号
2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドのmR
NAの発現量は、各組織及び細胞でのg3pdhのmR
NAの発現量に対する割合で示した。
本発明による配列番号2で表されるアミノ酸配列から
なるポリペプチドのmRNAは、ヒト組織の内、関節軟
骨及び卵巣に特異的に発現していた。関節軟骨及び卵巣
以外のヒト組織については、市販のcDNAパネルを用
いて47種類の異なるヒト組織を用いて発現を調べた
が、いずれの組織でもほとんど発現していなかった。ま
た、ヒト培養癌細胞株では、軟骨肉腫細胞株であるHC
S−2/8でのみ発現が確認され、その他の96種類の
ヒト癌細胞ではほとんど発現していなかった。更に、ヒ
ト初代培養正常細胞では、ヒト関節軟骨細胞でのみ発現
が確認され、4種類のヒト血管内皮細胞及び間葉系幹細
胞ではほとんど発現していなかった。
実施例11:軟骨細胞分化に伴う配列番号2で表される
アミノ酸配列からなるポリペプチドのmRNAの発現誘
導 (1)間葉系幹細胞の軟骨細胞への分化誘導 ヒト間葉系幹細胞は、TGF−β3等の刺激下でスフ
ェロイド培養することにより、軟骨細胞に分化すること
が知られている(Pittenger M.F.ら,S
cience,284,143−147,1999)。
正常ヒト間葉系幹細胞(Bio Whittaker
社製)を、ヒト間葉系幹細胞増殖培地キット(Bio
Whittaker社製)で培養して5×105個の細
胞を得た。続いて、2.5×105個の細胞を、不完全
軟骨分化誘導培地[DMEM−high glucos
e(LIFE TECHNOLOGIES社製)、1m
mol/Lピルビン酸ナトリウム(LIFE TECH
NOLOGIES社製)、0.35mmol/Lプロリ
ン(LIFE TECHNOLOGIES社製)、0.
1μmol/Lデキサメタゾン(Sigma社製)、
0.17mmol/Lアスコルビン酸−2−リン酸(S
igma社製)、及びITS+1 Culture S
upplement(Sigma社製)]で洗浄した
後、完全軟骨分化誘導培地[0.01μg/mLのTG
F−β3(Sigma社製)を含む不完全軟骨分化誘導
培地]500μlに細胞を懸濁し、ポリプロピレンチュ
ーブを用いて150×gで5分間遠心分離することによ
り細胞ペレットを得た。得られた細胞ペレットを、その
まま細胞培養装置中で培養して、3〜4日に一度、完全
軟骨分化誘導培地に培地交換しながら、2週間培養を継
続して、軟骨細胞に分化させた。
(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリ
ペプチドのmRNAの発現誘導 未分化ヒト間葉系幹細胞及び分化した軟骨細胞から、
それぞれ、市販の総RNA製薬試薬(ISOGEN;N
ippon Gene社製)を用いて総RNAを調製し
た。得られた総RNAをDNアーゼ(Nippon G
ene社製)を用いて、37℃で15分間反応させた。
DNアーゼ処理した総RNA0.5μgをスーパースク
リプト・ファーストストランドシステム(RT−PCR
用)(LIFE TECHNOLOGIES社製)を用
いてcDNAに変換した。
配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプ
チドのmRNAの未分化ヒト間葉系幹細胞及び分化した
軟骨細胞での発現分布解析は、前記実施例10(2)と
同様にして行なった。また、間葉系幹細胞が軟骨細胞に
分化したことを確認するために、軟骨細胞に特異的に発
現しているII型コラーゲン及びIX型コラーゲンの各mR
NA発現を確認した。II型コラーゲンの発現は、配列番
号26で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
と、配列番号27で表される塩基配列からなるオリゴヌ
クレオチドとをプライマーセットとして、そして、IX型
コラーゲンは、配列番号28で表される塩基配列からな
るオリゴヌクレオチドと、配列番号29で表される塩基
配列からなるオリゴヌクレオチドとをプライマーセット
として、前記実施例10(2)に記載した方法により遺
伝子発現量を測定した。
配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる本発明の
ポリペプチドをコードする遺伝子の、ヒト間葉系幹細胞
の軟骨分化前後での発現を測定した結果を、図1に示
す。軟骨への分化前の間葉系幹細胞では、II型コラーゲ
ン及びIX型コラーゲンは共にほとんど発現していない
が、軟骨細胞へ分化することで、II型コラーゲン及びIX
型コラーゲンの各遺伝子発現が誘導された。このことに
より、間葉系幹細胞が軟骨細胞へ分化したことが確認さ
れた。また、図1に示すように、本発明による配列番号
2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドのmR
NAは、分化前の間葉系幹細胞では殆ど発現していなか
ったが、軟骨細胞に分化することにより、40倍と顕著
に発現が誘導された。
(3)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリ
ペプチドのmRNAの発現誘導の経時的分析 次いで、ヒト間葉系幹細胞の軟骨細胞分化の過程で
の、本発明のポリペプチドをコードする遺伝子の発現誘
導を詳細に調べた。実施例11(1)に記載の方法で、
ヒト間葉系幹細胞を軟骨細胞に分化させた。未分化ヒト
間葉系幹細胞並びに分化誘導後、2、4、8、14、1
7、22、及び28日間培養した細胞を用い、実施例1
1(2)に記載の方法で総RNA及びcDNAを調製し
た。各細胞での、配列番号2で表されるアミノ酸配列か
らなるポリペプチドの遺伝子発現量は、実施例10
(2)に記載の方法で調べた。その結果、未分化ヒト間
葉系幹細胞に比べて、分化誘導後2、4、8、14、1
7、22、及び28日間の培養により、配列番号2で表
されるアミノ酸配列からなるポリペプチドの遺伝子発現
量は、それぞれ1、2、5、4、6、12、及び16倍
増加した。本結果より、配列番号2で表されるアミノ酸
配列からなるポリペプチドの遺伝子は、軟骨分化に伴
い、発現が誘導されることがより明確になった。
実施例12:C末端FLAG付加型ポリペプチドによる
軟骨細胞の分化誘導活性 ヒト関節軟骨細胞(BIO WHITTAKER社
製)を、軟骨細胞増殖培地(BIO WHITTAKE
R社製)を用いて6ウエルプレートで約70%コンフル
エントまで培養した。前記実施例3で先に作製した発現
プラスミドpBOS−CDF−FLAG(2μg)又は
コントロール用プラスミドpEF−BOS(2μg)
を、それぞれ、トランスフェクション試薬(FuGEN
TM6 Transfection Reagent;
Roche Diagnostics社製)を用いて、
添付指示書に従って、前記ヒト関節軟骨細胞に導入し
た。軟骨細胞分化培地(BIO WHITTAKER社
製)で3日間培養した細胞から、前記実施例10(1)
に記載の方法と同様にして、総RNAの調製及びcDN
Aへの変換を実施した。
II型コラーゲンのmRNA発現量は、得られた前記c
DNAを鋳型にして、シークエンスディテクター(Pr
ism7700 Sequence Detecto
r;Applied Biosystems社製)を用
いて行なった。なお、配列番号26で表される塩基配列
からなるオリゴヌクレオチドと、配列番号27で表され
る塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとを、プライマ
ーセットとして用いた。PCRは、PCR試薬(SYB
R Green PCR core reagent;
Applied Biosystems社製)を用い、
95℃(10分間)の初期変性反応を実施した後、94
℃(15秒間)と60℃(30秒間)と72℃(60秒
間)とからなるサイクル反応を45回繰り返すことによ
り実施した。
また、mRNA発現量算出の標準曲線を得るために、
ヒト軟骨肉腫細胞株であるHCS−2/8細胞から調製
したcDNAを鋳型として、前記プライマーセットを用
いて同条件のPCRを行なった。更に、内部標準として
ヒトg3pdhの発現量を算出するために、前記cDN
A及びヒトゲノムDNAを鋳型として、配列番号24で
表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと、配列
番号25で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチ
ドとをプライマーセットとして、同条件のPCRを行な
った。一定量のmRNA当たりのII型コラーゲンのmR
NAの発現量を得るために、各細胞でのII型コラーゲン
のmRNAの発現量は、各細胞でのg3pdhのmRN
Aの発現量に対する割合で示した。
C末端にFLAG配列を付加した本発明のポリペプチ
ドの発現プラスミドpBOS−CDF−FLAGを、関
節軟骨細胞にトランスフェクションすることにより、コ
ントロール用プラスミドであるpEF−BOSをトラン
スフェクションした場合に比べて、II型コラーゲンの発
現量が約2倍上昇した。
以上より、本発明のポリペプチドをヒト関節軟骨細胞
で発現させることにより、II型コラーゲンの発現を促進
することが明らかである。
実施例13:配列番号2で表されるアミノ酸配列からな
るポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのゲノム
構造と染色体マッピング 配列番号1で表される塩基配列と、アクセッションN
o.AC015500のヒトゲノムドラフト配列とにつ
いて、配列相同性解析プログラム(MegAlign;
DNASTAR社製)を用いてアライメントを行ない、
前記ゲノムドラフト配列から、配列番号2で表されるア
ミノ酸配列からなるポリペプチドのcDNAのエクソン
及びイントロンを明らかにした。その結果、配列番号2
で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドのcDN
Aは、配列番号1で表される塩基配列における1番〜1
32番の塩基からなる配列を有するエクソン1、配列番
号1で表される塩基配列における133番〜277番の
塩基からなる配列を有するエクソン2、配列番号1で表
される塩基配列における278番〜381番の塩基から
なる配列を有するエクソン3、配列番号1で表される塩
基配列における382番〜475番の塩基からなる配列
を有するエクソン4、配列番号1で表される塩基配列に
おける476番〜576番の塩基からなる配列を有する
エクソン5、配列番号1で表される塩基配列における5
77番〜697番の塩基からなる配列を有するエクソン
6、配列番号1で表される塩基配列における698番〜
883番の塩基からなる配列を有するエクソン7、及び
配列番号1で表される塩基配列における884番〜17
02番の塩基からなる配列を有するエクソン8の合計8
個のエクソンから構成されていることが判った。
前記実施例1で得られた配列番号2で表されるアミノ
酸配列からなるポリペプチドのcDNAに関して、Ge
nBankに対するBLAST(Basic loca
l aligment search tool)
(S.F.ALtschulら,J.Mol.Bio
l.,215.403−410,1990)検索を行な
った。その結果、アクセッションNo.AP00237
2及びアクセッションNo.AP000634の各BA
Cクローンに、配列番号2で表されるアミノ酸配列から
なるポリペプチドのcDNAが含まれることが判った。
これらのBACクローンはそれぞれ、約15万及び約4
万塩基対から構成されていて、いずれもヒト染色体の1
1q22にマッピングされている。従って、配列番号2
で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドの遺伝子
は、ヒト染色体の11q22にマッピングされることが
判った。ヒト染色体の11q22には、OAになりやす
い家系やOA患者の遺伝学的調査により、OA疾患に関
連する感受性遺伝子が連鎖することが報告されている
(Chapman K.ら,Am.J.Hum.Gen
et.,65,167−174,1999)。従って、
配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチ
ドの遺伝子の変異が、OAの感受性を規定している変異
である可能性が考えられる。
実施例14:C末端FLAG付加型ポリペプチド発現ア
デノウイルスベクターの構築 配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプ
チドは、N末端の分泌シグナル配列が切断されて分泌発
現される。この分泌発現されたポリペプチドのC末端に
FLAGを付加した本発明のポリペプチドを発現するた
めのウイルスベクターは、以下の手順で構築した。
まず、配列番号30で表される塩基配列からなる15
5KB5プライマーと配列番号31で表される塩基配列
からなる155Xh3プライマーとをプライマーとし、
実施例3で先に作製したプラスミドpCEP−CDF−
FLAGを鋳型とし、Pfu DNAポリメラーゼ(N
ative Pfu DNA polymeras
TM;stratagene社製)をDNAポリメラー
ゼとして、PCRを行なった。前記PCRでは、94℃
(2分間)の初期変性反応を実施した後、94℃(30
秒間)と55℃(30秒間)と74℃(2分間)とから
なるサイクルを40回繰り返し、最後に74℃(5分
間)の最終伸長反応を行なった。こうして生成した5’
側にKpnI認識配列及びコザック配列を、3’側にX
hoI認識配列が付加された目的DNA断片を、クロー
ニング用ベクター(PCR−Blunt;Invitr
ogen社製)にサブクローンして配列を確認した後、
制限酵素KpnI及びXhoIで切断し、プラスミドp
AdTrack−CMV(He T.−C.ら,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,95,25
09−2514,1998)のKpnI及びXhoI部
位に挿入した。得られたプラスミドをpAdTrack
−CDF−Flagと命名した。
大腸菌BJ5183(stratagene社製)
を、プラスミドpAdEasy−1(He T.−C.
ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,
95,2509−2514,1998)でトランスフォ
ームして、プラスミドpAdEasy−1を含む大腸菌
BJ5183[以下、大腸菌BJ5183(pAdEa
sy−1)と称する]を作製した。先に調製したプラス
ミドpAdTrack−CDF−Flagを制限酵素P
meIで切断し、これを用いて大腸菌BJ5183(p
AdEasy−1)をトランスフォームした。プラスミ
ドpAdEasy−1とプラスミドpAdTrack−
CDF−Flagとがリコンビネーションしたクローン
を選択するために、得られたトランスフォーマントのク
ローンからプラスミドを調製して、制限酵素XhoIに
よる切断パターンを調べた。プラスミドpAdTrac
k−CDF−Flagの場合、4.5kbのエキストラ
バンド(extra band)が出現するクローンを
選択した。その結果、プラスミドのアーム部位で、デザ
インどおりにリコンビネーションを起こしたクローンを
得ることができ、ウイルスベクターpAd−CDF−F
lagと命名した。
また、プラスミドpAdTrack−CDF−Fla
gの代わりに、プラスミドpAdTrack−CMV
(すなわち、空ベクター)を用いること以外は、前記手
順を繰り返すことにより、ウイルスベクターpAd−C
MVを作製した。なお、プラスミドpAdTrack−
CMVの場合には、3kbのエキストラバンドの出現を
指標にクローンを選択した。
実施例15:ウイルスの産生及び精製 実施例14で作製したウイルスベクターpAd−CD
F−Flagを制限酵素PacIで切断し、市販のトラ
ンスフェクション試薬(Lipofectamine2
000;LIFE TECHNOLOGIES社製]を
用いて、添付指示書に従って、HEK293細胞(大日
本製薬社製)に導入した。トランスフェクションした
後、8日間培養し、ウイルスの産生が確認できた時点で
細胞を回収した。ウイルスベクターpAd−CDF−F
lagはグリーン蛍光タンパク質(GFP)発現ユニッ
トを有しているため、このプラスミドを導入した細胞は
蛍光顕微鏡を用いて容易に判別することができる。回収
した細胞をPBSに縣濁して、数回の凍結融解後、遠心
分離した上清を回収して、一次ウイルス溶液vAd−C
DF−Flagを得た。得られたウイルスを、HEK2
93細胞に添加後、3日間培養を行ない、約50%の細
胞が剥がれた時点で細胞を回収して、凍結融解によりウ
イルス画分を調製して、二次ウイルス溶液を得た。前記
のウイルス感染、細胞回収、及びウイルス画分調製を、
更に2回繰り返すことにより、最終的に、フラスコ(底
面積=150cm2)10枚で培養したウイルス感染H
EK293細胞よりウイルス溶液を得た。塩化セシウム
密度勾配法によりウイルス溶液を更に精製した。精製し
たウイルス溶液を緩衝液[10mmol/L−Tris
−HCl(pH7.5),1mmol/L−MgC
2,135mmol/L−NaCl]に透析した後、
260nmにおける吸光度(A260)を測定して、ウイ
ルスのパーティクル濃度(単位=パーティクル/ml)
を、式: A260×1.1×1012 により求めた。その結果、ウイルスベクターpAd−C
DF−Flagをトランスフェクトして得られたウイル
スvAd−CDF−Flagについては、1.2×10
11パーティクル/mLのウイルスパーティクルが得られ
た。
また、ウイルスベクターpAd−CDF−Flagの
代わりに、ウイルスベクターpAd−CMVを用いるこ
と以外は、前記手順を繰り返すことにより、ウイルスベ
クターpAd−CMVをトランスフェクトして得られた
ウイルスvAd−CMVについては、5.9×1010
ーティクル/mLのウイルスパーティクルが得られた。
実施例16:C末端FLAG付加型ポリペプチドによる
軟骨細胞の分化誘導活性 ヒト関節軟骨細胞(BIO WHITTAKER社
製)を軟骨細胞増殖培地(BIO WHITTAKER
社製)を用いて6ウエルプレートで約70%コンフルエ
ントまで培養した。前記実施例15で先に作製した各ウ
イルス(ウイルスvAd−CDF−Flag、又はネガ
ティブコントロール用ウイルスvAd−CMV)を、各
ウイルスについて、3×107パーティクル/well
又は1×108パーティクル/wellの2段階のパー
ティクル濃度で添加した。軟骨細胞分化培地(BIO
WHITTAKER社製)で4日間又は7日間培養した
後、細胞を回収して、RNA調製キット(RNeas
y;QIAGEN社製)及びDNアーゼI(DNase
I;QIAGEN社製)を用いて、添付文書に従ってD
Nase処理を行なった総RNAを調製した。更に、D
Nアーゼ処理した総RNA0.5μgを、スーパースク
リプト・ファーストストランドシステム(RT−PCR
用)(LIFE TECHNOLOGIES社製)を用
いてcDNAに変換した。
II型コラーゲンの遺伝子発現量は、作製したcDNA
を鋳型にして、シークエンスディテクター(prism
7700 Sequence Detector;Ap
plied Biosystems社製)を用いて、リ
アルタイムの蛍光量を計測することで測定した。配列番
号32で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
と、配列番号33で表される塩基配列からなるオリゴヌ
クレオチドとを、プライマーセットとして用いた。PC
Rは、市販のPCR試薬(SYBR Green PC
R core reagent;Applied Bi
osystems社製)を用い、95℃(10分間)の
初期変性反応を実施した後、94℃(15秒間)と60
℃(30秒間)と72℃(60秒間)とからなるサイク
ル反応を45回繰り返すことにより実施した。また、m
RNA発現量算出の標準曲線を得るため、3週間の軟骨
分化刺激を行ったヒト間葉系幹細胞から調製したcDN
Aを鋳型として、前記プライマーセットを用いて同条件
のPCRを行なった。
アグリカンの遺伝子発現量は、作製したcDNAを鋳
型にして、シークエンスディテクター(Prism77
00 Sequence Detector;Appl
ied Biosystems社製)を用いて、リアル
タイムの蛍光を計測することで測定した。配列番号34
で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをフォ
ワードプライマー、配列番号35で表される塩基配列か
らなるオリゴヌクレオチドをリバースプライマー、そし
て、配列番号36で表される塩基配列からなる蛍光標識
オリゴヌクレオチド(Applied Biosyst
ems社製)をタックマン(TaqMan)プローブと
して用いた。PCRは、タックマンバッファー(Taq
Man Buffer;Applied Biosys
tems社製)を用い、95℃(10分間)の初期変性
反応を実施した後、95℃(15秒間)と60℃(60
秒間)とからなるサイクル反応を45回繰り返すことに
より実施した。また、mRNA発現量算出の標準曲線を
得るため、未刺激のヒト関節軟骨細胞、あるいは、3週
間の軟骨分化刺激を行なったヒト間葉系幹細胞から調製
したcDNAを鋳型として、前記プライマーセットを用
いて同条件のPCRを行なった。
更に、内部標準としてヒトg3pdhの発現量を算出
するため、前記cDNA及びヒトゲノムDNAを鋳型と
して、配列番号24で表される塩基配列からなるオリゴ
ヌクレオチドと、配列番号25で表される塩基配列から
なるオリゴヌクレオチドとをプライマーセットとして、
同条件のPCRを行なった。
一定量のmRNA当たりの本発明のポリペプチドの発
現量を得るため、各細胞でのII型コラーゲン遺伝子及び
アグリカン遺伝子の発現量は、各細胞でのg3pdh発
現量に対する割合で示した。
各培養日数及び各感染ウイルス濃度におけるII型コラ
ーゲン遺伝子及びアグリカン遺伝子の各発現量を、コン
トロール用ウイルスvAd−CMVを感染させた場合の
発現量に対する相対値として、表1に示す。その内、感
染後7日目のII型コラーゲン遺伝子の発現量を図2に示
し、感染後4日目のアグリカン遺伝子の発現量を図3に
示す。
ヒト関節軟骨細胞は、もともとII型コラーゲン及びア
グリカン遺伝子を産生しているが、本発明のポリペプチ
ドをアデノウイルスベクターを用いて細胞に強制発現さ
せることにより、表1に示すように、両遺伝子の発現量
を上昇させた。ネガティブコントロールとしては、本発
明のポリペプチドのcDNAを含まないウイルス(vA
d−CMV)を用いた。
ウイルスvAd−CDF−Flagを感染させて本発
明のポリペプチドを発現する関節軟骨細胞は、コントロ
ールのウイルスvAd−CMVを感染させた場合に比べ
て、II型コラーゲンの発現量については、3×107
ーティクル/well又は1×108パーティクル/w
ellの濃度でウイルスを添加した場合、4日間の培養
でいずれも約2倍上昇し、7日間の培養でそれぞれ約6
倍又は約9倍上昇した。また、アグリカンの発現量につ
いては、3×107パーティクル/well又は1×1
8パーティクル/wellの濃度でウイルスを添加し
た場合、4日間の培養でそれぞれ約2倍又は約7倍上昇
し、7日間の培養で約2倍又は約3倍上昇した。
以上より、本発明のポリペプチドをヒト関節軟骨細胞
で発現させることにより、II型コラーゲン及びアグリカ
ンの発現を促進することが明らかである。
産業上の利用可能性 本発明のポリペプチドの内、II型コラーゲン産生促進
活性を有するポリペプチドは、II型コラーゲンが関節軟
骨として機能するために重要な役割を担っているので、
関節軟骨細胞のII型コラーゲン産生促進用医薬組成物の
有効成分として有用である。また、OA疾患ではII型コ
ラーゲンが減少しているため、変形性関節症治療及び/
又は予防用医薬組成物の有効成分としても有用である。
本発明のポリペプチドの内、アグリカン産生促進活性
を有するポリペプチドは、アグリカンが関節軟骨として
機能するために重要な役割を担っているので、アグリカ
ン産生促進用医薬組成物の有効成分として有用である。
また、アグリカンは軟骨組織を構成する主要なプロテオ
グリカンであり、OA疾患ではアグリカンが分解及び変
性されるので、変形性関節症の治療及び/又は予防用医
薬組成物の有効成分としても有用である。
本発明のポリヌクレオチド、発現ベクター、細胞、及
び抗体は、本発明のポリペプチドを製造するのに有用で
ある。
また、本発明のポリヌクレオチド及び発現ベクター
は、II型コラーゲン産生促進、アグリカン産生促進、及
び/又は変形性関節症治療及び/又は予防のための遺伝
子治療に用いることができる。
配列表フリーテキスト 以下の配列表の数字見出し<223>には、「Art
ificial Sequence」の説明を記載す
る。具体的には、配列表の配列番号9、12〜16、1
9〜22、30、及び31の配列で表される各塩基配列
は、人工的に合成したプライマー配列であり、また、配
列表の配列番号10、11、17、及び18の配列で表
される各塩基配列は、人工的に合成したリンカー配列で
ある。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業
者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 43/00 107 C07K 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12Q 1/68 A 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A // C12Q 1/68 A61K 37/02 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 EUROPAT(QUESTEL) JSTPlus(JOIS) SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)配列番号2で表されるアミノ酸配
    列における第23番〜第388番のアミノ酸からなる配
    列を有するポリペプチド、又は(2)配列番号2で表さ
    れるアミノ酸配列における第23番〜第388番のアミ
    ノ酸からなる配列の1〜10個のアミノ酸が欠失、置
    換、及び/又は付加されたアミノ酸配列を有し、しか
    も、II型コラーゲン産生促進活性及び/又はアグリカン
    産生促進活性を示すポリペプチド。
  2. 【請求項2】 配列番号2で表されるアミノ酸配列にお
    ける第23番〜第388番のアミノ酸からなる配列を含
    み、しかも、II型コラーゲン産生促進活性及び/又はア
    グリカン産生促進活性を示すポリペプチド。
  3. 【請求項3】 配列番号2で表されるアミノ酸配列にお
    ける第23番〜第388番のアミノ酸からなる配列、又
    は配列番号2で表されるアミノ酸配列との相同性が90
    %以上であるアミノ酸配列を有し、しかも、II型コラー
    ゲン産生促進活性及び/又はアグリカン産生促進活性を
    示すポリペプチド。
  4. 【請求項4】 II型コラーゲン産生促進活性及びアグリ
    カン産生促進活性を有する、請求項1〜3のいずれか一
    項に記載のポリペプチド。
  5. 【請求項5】 配列番号2で表されるアミノ酸配列にお
    ける第1番〜第388番又は第23番〜第388番のア
    ミノ酸からなる配列を有するポリペプチド。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポ
    リペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のポリヌクレオチドを含
    む発現ベクター。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の発現ベクターでトラン
    スフェクションされた細胞。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポ
    リペプチド、請求項6に記載のポリヌクレオチド、又は
    請求項7に記載の発現ベクターと、薬剤学的に許容する
    ことのできる担体とを含む、II型コラーゲン産生促進用
    医薬組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    ポリペプチド、請求項6に記載のポリヌクレオチド、又
    は請求項7に記載の発現ベクターと、薬剤学的に許容す
    ることのできる担体とを含む、アグリカン産生促進用医
    薬組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    ポリペプチド、請求項6に記載のポリヌクレオチド、又
    は請求項7に記載の発現ベクターと、薬剤学的に許容す
    ることのできる担体とを含む、変形性関節症治療及び/
    又は予防用医薬組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    ポリペプチドに結合する抗体又はその断片。
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