JP6253875B2 - コラーゲン産生促進剤、コラーゲン産生促進用培養液、抗老化剤、コラーゲン産生促進用ゲル、及び、コラーゲン産生用ゲルの製造方法 - Google Patents

コラーゲン産生促進剤、コラーゲン産生促進用培養液、抗老化剤、コラーゲン産生促進用ゲル、及び、コラーゲン産生用ゲルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、コラーゲン産生促進剤、コラーゲン産生促進用培養液、抗老化剤、コラーゲン産生促進用ゲル、及び、コラーゲン産生用ゲルの製造方法に関する。
皮膚は加齢により、弾力性が低下したり、水分含有量が減少したりすることで、表皮におけるシワの増加やたるみ(皮膚の老化)などを引き起こす。このような皮膚の老化は、他者に与える印象に大きく影響するため、中高年者から皮膚の老化の改善に対する要望は大きい。
近年の皮膚の老化現象に関する研究より、皮膚の老化の原因として、皮膚真皮線維芽細胞の機能低下、真皮の主要なマトリックス成分であるコラーゲンの変性や減少、保水作用に関与するヒアルロン酸などのムコ多糖類の減少等が明らかになっている。
コラーゲンは、真皮組織の水分を除く成分の70%を占めるものである。皮膚の弾性は、コラーゲン線維が絡み合い網目構造を形成することで発揮される。したがって、皮膚弾性を維持するために、コラーゲンは非常に重要なタンパク質である。このコラーゲンを産生するのが真皮組織に存在する線維芽細胞である。線維芽細胞は、加齢による新陳代謝の低下により、コラーゲンを産生する機能が低下する。このことが、皮膚の老化を引き起こす大きな原因の一つになっている。
線維芽細胞の機能が低下することにより減少した皮膚内のコラーゲンの量を補うために、コラーゲンを皮下組織に注入する手法が美容的用途で広く使われている(特許文献1及び特許文献2)。しかしながら、注入したコラーゲンは、体内のコラゲナーゼによる分解を受けやすく、短期間の内に分解されるため、頻繁に注入する必要がある。
また、培養した線維芽細胞を直接皮下組織に注入する研究も行われている(特許文献3)。しかしながら、まだ研究段階であり、改善すべき問題が多く残っている。
これらのことから、真皮組織中の線維芽細胞等の細胞の機能を向上させて、コラーゲン産生量を増加させるコラーゲン産生促進用材料が求められている。
特開2011−236156号公報 特開2012−77019号公報 特表2001−509064号公報
本発明は、細胞のコラーゲン産生量を増加させる、コラーゲン産生促進剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねてきた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、細胞(C)のコラーゲン産生を促進する人工タンパク質(A)からなるコラーゲン産生促進剤であって、人工タンパク質(A)が、VPGVG配列(1)、GVGVP配列(2)、GPP配列、GAP配列及びGAHGPAGPK配列(3)のうちいずれか1つのアミノ酸配列(X)が2〜100個連続したポリペプチド鎖(Y)並びに/又は下記ポリペプチド鎖(Y’)を有し、人工タンパク質(A)中のポリペプチド鎖(Y)とポリペプチド鎖(Y’)との合計個数が1〜100個であり、人工タンパク質(A)の疎水性度が0.2〜1.2であるコラーゲン産生促進剤である。
ポリペプチド鎖(Y’):ポリペプチド鎖(Y)中の全アミノ酸の0.1〜5%がリシン及び/又はアルギニンで置換され、置換したリシン及びアルギニンの合計個数が1〜100個であるポリペプチド鎖。
本発明のコラーゲン産生促進剤は、細胞のコラーゲン産生量を増加させることができる。
本発明において、人工タンパク質(A)は、動物由来成分を排除するために、人工的に製造されるものであり、有機合成法(酵素法、固相合成法及び液相合成法等)及び遺伝子組み換え法等によって製造できる。有機合成法に関しては、「生化学実験講座1、タンパク質の化学IV(1981年7月1日、日本生化学会編、株式会社東京化学同人発行)」又は「続生化学実験講座2、タンパク質の化学(下)(昭和62年5月20日、日本生化学会編、株式会社東京化学同人発行)」に記載されている方法等が適用できる。遺伝子組み換え法に関しては、特許第3338441号公報に記載されている方法等が適用できる。有機合成法及び遺伝子組み換え法はともに、人工タンパク質(A)を作製できるが、アミノ酸配列を簡便に変更でき、安価に大量生産できるという観点等から、遺伝子組み換え法が好ましい。
本発明のコラーゲン産生促進剤は、細胞(C)のコラーゲン産生を促進する人工タンパク質(A)からなるものであって、人工タンパク質(A)が、VPGVG配列(1)、GVGVP配列(2)、GPP配列、GAP配列及びGAHGPAGPK配列(3)のうちいずれか1つのアミノ酸配列(X)が2〜100個連続したポリペプチド鎖(Y)並びに/又は下記ポリペプチド鎖(Y’)を有し、人工タンパク質(A)中のポリペプチド鎖(Y)とポリペプチド鎖(Y’)との合計個数が1〜100個であり、人工タンパク質(A)の疎水性度が0.2〜1.2であるコラーゲン産生促進剤である。
ポリペプチド鎖(Y’):ポリペプチド鎖(Y)中の全アミノ酸の0.1〜5%がリシン及び/又はアルギニンで置換され、置換したリシン及びアルギニンの合計個数が1〜100個であるポリペプチド鎖。
本発明においてポリペプチド鎖(Y)は、具体的には、(VPGVG)配列、(GVGVP)配列、(GPP)配列、(GAP)配列及び(GAHGPAGPK)配列である。(なお、b〜fは、それぞれ、アミノ酸配列(X)の連続する個数であり、2〜200の整数である)。
人工タンパク質(A)1分子中に、ポリペプチド鎖(Y)を複数有する場合は、(VPGVG)配列、(GVGVP)配列、(GPP)配列、(GAP)配列及び(GAHGPAGPK)配列からなる群から選ばれる1種を有してもよく、2種以上を有してもいい。
また、人工タンパク質(A)中にアミノ酸配列(X)が同種類のポリペプチド鎖(Y)を複数有する場合は、上記アミノ酸配列(X)の連続する個数は、ポリペプチド鎖(Y)ごとに同一でも異なっていてもよい。すなわち、上記b〜fが同じポリペプチド鎖(Y)を複数有してもよく、アミノ酸配列(X)の連続する個数b〜fが異なるポリペプチド鎖(Y)を複数有してもいい。
ポリペプチド鎖(Y)を構成するアミノ酸配列(X)としては、コラーゲン産生促進の観点から、VPGVG配列(1)及び/又はGVGVP配列(2)が好ましい。つまり、コラーゲン産生促進の観点から、ポリペプチド鎖(Y)として(VPGVG)配列及び/又は(GVGVP)配列が好ましい。
人工タンパク質(A)が、アミノ酸配列(X)の種類が異なるポリペプチド鎖(Y)を有する場合、ポリペプチド鎖(Y)としては、コラーゲン産生促進の観点から、(GPP)配列、(GVGVP)配列及び(GAHGPAGPK)配列からなる群より選ばれる2種以上の配列であることが好ましく、特に好ましくは(GVGVP)配列及び(GAHGPAGPK)配列である。
ポリペプチド鎖(Y)は、アミノ酸配列(X)が2〜200個連続した(上記b〜fがそれぞれ2〜200)ポリペプチド鎖であるが、コラーゲン産生能を長期的に促進させる観点から、連続する個数は2〜50個(上記b〜fがそれぞれ2〜50)が好ましく、さらに好ましくは2〜30個(上記b〜fがそれぞれ2〜30)である。
本発明において、ポリペプチド鎖(Y’)は、ポリペプチド鎖(Y)中の全アミノ酸の0.1〜5%がリシン(K)及び/又はアルギニン(R)で置換され、置換したリシン及びアルギニンの合計個数が1〜100個であるポリペプチド鎖である。具体的には、ポリペプチド鎖(Y)を構成するアミノ酸配列(X)の一部又は全部が、下記アミノ酸配列(X’)に置換され、ポリペプチド鎖(Y)中の1〜100個のアミノ酸がK及び/又はRで置換されたものとなったポリペプチド鎖である。
アミノ酸配列(X’):アミノ酸配列(X)中のアミノ酸の20〜80%がK及び/又はRで置換されたアミノ酸配列。
アミノ酸配列(X’)において、アミノ酸配列(X)中のアミノ酸の置換の数(K及び/又はRで置換された数)は、人工タンパク質(A)の水への溶解性の観点から、1〜5個が好ましく、さらに好ましくは1〜4個であり、次にさらに好ましくは1〜3個である。
また、アミノ酸配列(X’)において、アミノ酸配列(X)中のアミノ酸が置換された割合は、人工タンパク質(A)の水への溶解性の観点から、20〜60%が好ましい。
また、アミノ酸配列(X’)としては、人工タンパク質(A)の水への溶解性の観点から、GKGVP配列(7)、GKGKP配列(8)、GKGRP配列(9)及びGRGRP配列(10)からなる群より選ばれる少なくとも1種の配列が好ましく、さらに好ましくはGKGVP配列(7)及びGKGKP配列(8)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
ポリペプチド鎖(Y’)であるかどうかは、人工タンパク質(A)の配列中の全てのK及びRを、他のアミノ酸(G、A、V、P又はH)に置きかえたときに、ポリペプチド鎖(Y)となるかによって判断する。
なお、アミノ酸配列(X)がGAHGPAGPK配列(3)である場合は、配列中にKが存在するので、判断方法を以下のように変更する。
人工タンパク質(A)の配列中の全てのK及びRを、他のアミノ酸(G、A、V、P又はH)に置きかえたときに、GAHGPAGPαという配列が現れたときは(αはG、A、V、P又はH)、さらにαをKに置きかえる。その結果、その配列がポリペプチド鎖(Y)となる場合、アミノ酸を置きかえる前の配列は、ポリペプチド鎖(Y’)と判断する。
ポリペプチド鎖(Y’)において、ポリペプチド鎖(Y)中の置換されるアミノ酸の数は、人工タンパク質(A)の水への溶解性及びコラーゲンとの親和性の観点から、1〜70個が好ましく、さらに好ましくは1〜30個である。
また、ポリペプチド鎖(Y’)は、ポリペプチド鎖(Y)の全アミノ酸の0.1〜5%がリシン及び/又はアルギニンで置換されたポリペプチド鎖であるが、人工タンパク質(A)の水への溶解性及びコラーゲン産生促進の観点から、0.1〜4%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜3%である。
本発明において、人工タンパク質(A)は、ポリペプチド鎖(Y)及び/又は下記ポリペプチド鎖(Y’)を有し、人工タンパク質(A)中のポリペプチド鎖(Y)とポリペプチド鎖(Y’)との合計個数が1〜100個である人工タンパク質である。人工タンパク質(A)が、アミノ酸配列(X)の種類及び/又は連続する個数が異なるポリペプチド鎖(Y)を有している場合は、それぞれを1個として数え、ポリペプチド鎖(Y)の個数はその合計である。ポリペプチド鎖(Y’)も同様である。
人工タンパク質(A)は、人工タンパク質(A)1分子中にポリペプチド鎖(Y)及び/又はポリペプチド鎖(Y’)を合計1〜100個有するものであるが、コラーゲン産生促進の観点から、1〜80個が好ましく、特に好ましくは1〜60個である。
人工タンパク質(A)において、同じアミノ酸配列(X)が繰り返し結合している部分はポリペプチド鎖(Y)1個とし、アミノ酸配列(X)とは異なる配列が結合するまでを1個とする。例えば、(GVGVP)100GAGAGS(VPGVG)20である場合、ポリペプチド鎖(Y)は(GVGVP)100と(VPGVG)20との2個である。また、人工タンパク質(A)の配列中の全てのK及びRを、他のアミノ酸(G、A、V、P又はH)に置きかえたときに、アミノ酸配列(X)が繰り返し結合しているものとなる部分をポリペプチド鎖(Y’)1個とし、アミノ酸配列(X)とは異なる配列が結合するまでを1個とする。例えば、(GVGVP)GKGVP(GVGVP)GAGAGS(GVGVP)GKGVP(GVGVP)には、ポリペプチド鎖(Y’)である(GVGVP)GKGVP(GVGVP)が2個ある。
本発明において、人工タンパク質(A)の疎水性度は0.2〜1.2であるが、人工タンパク質(A)の水への溶解性の観点、ゲル化する観点から、0.3〜1.2が好ましく、さらに好ましくは0.4〜1.2であり、次にさらに好ましくは0.45〜1.2であり、特に好ましくは0.60〜1.2であり、最も好ましくは0.60〜0.75である。
人工タンパク質(A)の疎水性度は、人工タンパク質(A)分子の疎水性の度合いを示すものであり、人工タンパク質(A)分子を構成するそれぞれのアミノ酸の数(Mα)、それぞれのアミノ酸の疎水性度(Nα)及び人工タンパク質(A)1分子中のアミノ酸の総数(M)を、下記数式に当てはめることにより算出することができる。なお、それぞれのアミノ酸の疎水性度は、非特許文献(アルバート・L.レーニンジャー、デビット・L.ネルソン、レ−ニンジャ−の新生化学 上、廣川書店、2010年9月、p.346−347)に記載されている下記の数値を用いる。
疎水性度=Σ(Mα×Nα)/(M
α:人工タンパク質(A)1分子中のそれぞれのアミノ酸の数
α:各アミノ酸の疎水性度
:人工タンパク質(A)1分子中のアミノ酸の総数
A(アラニン):1.8
R(アルギニン):−4.5
N(アスパラギン):−3.5
D(アスパラギン酸):−3.5
C(システイン):2.5
Q(グルタミン):−3.5
E(グルタミン酸):−3.5
G(グリシン):−0.4
H(ヒスチジン):−3.2
I(イソロイシン):4.5
L(ロイシン):3.8
K(リシン):−3.9
M(メチオニン):1.9
F(フェニルアラニン):2.8
P(プロリン):−1.6
S(セリン):−0.8
T(トレオニン):−0.7
W(トリプトファン):−0.9
Y(チロシン):−1.3
V(バリン):4.2
例えば、人工タンパク質(A)が(GVGVP)GKGVP(GVGVP)配列(6)である場合、人工タンパク質(A)の疎水性度={16(Gの数)×(−0.4)+15(Vの数)×4.2+8(Pの数)×(−1.6)+1(Kの数)×(−3.9)}/40(アミノ酸の総数)=1.0である。
本発明において、人工タンパク質(A)は、さらにGAGAGS配列(4)を有していることが好ましい。人工タンパク質(A)がGAGAGS配列(4)を有していると、人工タンパク質(A)が生体内でより分解されにくくなり、さらに長期的にコラーゲン産生促進作用を得ることができるので好ましい。
GAGAGS配列(4)は、生体内難分解性の観点から、GAGAGS配列(4)が2〜100個連続して結合したポリペプチド鎖(S)を有していることが好ましい。
ポリペプチド鎖(S)において、GAGAGS配列(4)が連続する数は、生体内難分解性の観点から、2〜100個が好ましく、さらに好ましくは2〜50個であり、次にさらに好ましくは3〜40個であり、特に好ましくは4〜30個である。
人工タンパク質(A)において、ポリペプチド鎖(S)を有する際、人工タンパク質(A)1分子中にポリペプチド鎖(S)を1つ以上有すればよいが、生体内難分解性の観点から、1〜20個が好ましく、さらに好ましくは3〜10個である。
人工タンパク質(A)において、ポリペプチド鎖(Y)、ポリペプチド鎖(Y’)及びポリペプチド鎖(S)を合計2個以上有する場合は、ポリペプチド鎖とポリペプチド鎖との間に、介在アミノ酸配列(Z)を有していてもいい。介在アミノ酸配列(Z)は、アミノ酸が1個又は2個以上結合したアミノ酸配列であって、ポリペプチド鎖(Y)、ポリペプチド鎖(Y’)又はポリペプチド鎖(S)では無いアミノ酸配列である。介在アミノ酸配列(Z)を構成するアミノ酸の数は、生体内難分解性の観点から、1〜30個が好ましく、さらに好ましくは1〜15個、特に好ましくは1〜10個である。介在アミノ酸配列(Z)として、具体的には、VAAGY配列(11)、GAAGY配列(12)及びLGP配列等が挙げられる。
人工タンパク質(A)中の両末端の各ポリペプチド鎖(Y)、ポリペプチド鎖(Y’)及びポリペプチド鎖(S)のN及び/又はC末端には、末端アミノ酸配列(T)を有していてもいい。末端アミノ酸配列(T)は、アミノ酸が1個又は2個以上結合したアミノ酸配列であって、ポリペプチド鎖(Y)、ポリペプチド鎖(Y’)又はポリペプチド鎖(S)では無いアミノ酸配列である。末端アミノ酸配列(T)を構成するアミノ酸の数は、生体内難分解性の観点から、1〜100個が好ましく、さらに好ましくは1〜50個、特に好ましくは1〜40個である。末端アミノ酸配列(T)として、具体的には、MDPVVLQRRDWENPGVTQLNRLAAHPPFASDPM配列(13)等が挙げられる。
人工タンパク質(A)は、上記末端アミノ酸配列(T)以外に、発現させた人工タンパク質(A)の精製または検出を容易にするために、人工タンパク質(A)のN及び/又はC末端に特殊なアミノ酸配列を有するタンパク質又はペプチド(以下これらを「精製タグ」と称する)を有してもいい。精製タグとしては、アフィニティー精製用のタグが利用される。そのような精製タグとしては、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GTS)、マルトース結合タンパク質(MBP)、HQタグ、Mycタグ、HAタグ、FLAGタグ、ポリヒスチジンからなる6×Hisタグ、V5タグ、Xpressタグ、AU1タグ、T7タグ、VSV−Gタグ、DDDDKタグ、Sタグ、CruzTag09TM、CruzTag22TM、CruzTag41TM、Glu−Gluタグ、Ha.11タグ及びKT3タグ等がある。
以下に、各精製タグ(i)とそのタグを認識結合するリガンド(ii)との組み合わせの一例を示す。
(i−1)グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GTS) (ii−1)グルタチオン
(i−2)マルトース結合タンパク質(MBP) (ii−2)アミロース
(i−3)HQタグ (ii−3)ニッケル
(i−4)Mycタグ (ii−4)抗Myc抗体
(i−5)HAタグ (ii−5)抗HA抗体
(i−6)FLAGタグ (ii−6)抗FLAG抗体
(i−7)6×Hisタグ (ii−7)ニッケル又はコバルト
前記精製タグ配列の導入方法としては、発現用ベクターにおける人工タンパク質(A)をコードする核酸の5’又は3’末端に精製タグをコードする核酸を挿入する方法や市販の精製タグ導入用ベクターを使用する方法等が挙げられる。
人工タンパク質(A)1分子中のポリペプチド鎖(Y)及びポリペプチド鎖(Y’)の合計含有量(重量%)は、細胞との相互作用及びコラーゲン産生促進の観点から、人工タンパク質(A)の分子質量を基準として、10〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは20〜80重量%である。
人工タンパク質(A)中のポリペプチド鎖(Y)及びポリペプチド鎖(Y’)の合計含有量は、アミノ酸配列決定によって求めることができる。具体的には、下記の測定法によって求めることができる。
<ポリペプチド鎖(Y)及びポリペプチド鎖(Y’)の合計含有量の測定法>
島津製作所社製ペプチドシーケンサ(プロテインシーケンサ)PPSQ−33Aを用いて、アミノ酸配列を決定する。決定したアミノ酸配列から、下記数式(1)によりポリペプチド鎖(Y)及びポリペプチド鎖(Y’)の合計含量を求める。
ポリペプチド鎖(Y)及びポリペプチド鎖(Y’)の合計含有量=Σ(γ×β)/Σ(α×β)×100 (1)
α:人工タンパク質(A)中の各アミノ酸の数
β:各アミノ酸の分子質量
γ:ポリペプチド鎖(Y)及びポリペプチド鎖(Y’)中の各アミノ酸の個数
人工タンパク質(A)1分子中のアミノ酸配列(X)及びアミノ酸配列(X’)の合計含有量(重量%)は、細胞(C)のコラーゲン産生促進の観点から、人工タンパク質(A)の分子質量を基準として10〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは20〜80重量%である。
人工タンパク質(A)中のアミノ酸配列(X)及びアミノ酸配列(X’)の合計含有量は、プロテインシーケンサによって求めることができる。具体的には、下記の測定法により求めることができる。
<アミノ酸配列(X)及びアミノ酸配列(X’)の含有量の測定法>
特定のアミノ酸残基で切断出来る切断方法から2種類以上を用いて、人工タンパク質(A)を30残基以下程度まで分解する。その後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて分離した後、プロテインシーケンサにてアミノ酸配列を読み取る。得られたアミノ酸配列からペプチドマッピングして、人工タンパク質(A)の全配列を決定する。その後、以下記載の測定式にてアミノ酸配列(X)及びアミノ酸配列(X’)の合計含有量を測定する。
アミノ酸配列(X)及びアミノ酸配列(X’)の合計含有量(%)=[{アミノ酸配列(X)の分子質量}×{アミノ酸配列(X)の数}+{アミノ酸配列(X’)の分子質量}×{アミノ酸配列(X’)の数}]/{人工タンパク質(A)の分子質量}×100
人工タンパク質(A)1分子中の、GAGAGS配列(4)とアミノ酸配列(X)及び下記アミノ酸配列(X’)の合計との配列の数の比率{GAGAGS配列(4)の個数:アミノ酸配列(X)及びアミノ酸配列(X’)の合計}は、人工タンパク質(A)の水への溶解性及びコラーゲン産生促進の観点から、1:2〜1:20が好ましく、さらに好ましくは1:2〜1:10である。
人工タンパク質(A)の分子質量は、長期的にコラーゲン産生促進する観点から、15〜200kDaが好ましく、さらに好ましくは15〜100kDaである。
なお、人工タンパク質(A)の分子質量は、SDS−PAGE(SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動)法により、測定サンプルを分離し、泳動距離を標準物質と比較する方法によって求められる。
好ましい人工タンパク質(A)の一部を以下に例示する。
(1)アミノ酸配列(X)がGVGVP配列(2)の人工タンパク質
(1−1)GVGVP配列(2)が連続したポリペプチド鎖(Y1)中の1個のアミノ酸がK(リシン)で置換されたポリペプチド鎖(Y’1)を有する人工タンパク質(A1)であり、さらに好ましくは、(GVGVP)GKGVP(GVGVP)配列(6)であるポリペプチド鎖(Y’11)及び(GAGAGS)配列(5)であるポリペプチド鎖(S1−1)を有する人工タンパク質(A11)、ポリペプチド鎖(Y’11)及び(GAGAGS)配列(14)であるポリペプチド鎖(S1−2)を有する人工タンパク質(A12)、並びにポリペプチド鎖(Y’11)、ポリペプチド鎖(S1−1)及びポリペプチド鎖(S1−2)を有する人工タンパク質(A13)である。
具体的には、GAGAGS配列(4)が4個連続した(GAGAGS)配列(5)のポリペプチド鎖(S1−1)を12個及びGVGVP配列(2)が8個連続したポリペプチド鎖(Y11)中のV(バリン)のうち1個がK(リシン)に置換された(GVGVP)GKGVP(GVGVP)配列(6)であるポリペプチド鎖(Y’11)を13個有し、これらが交互に化学結合してなるものに、GAGAGS配列(4)が2個連続した(GAGAGS)配列(14)のポリペプチド鎖(S1−2)1個が化学結合した構造を有する分子質量が約80kDaの配列(15)の人工タンパク質(SELP8K、疎水性度0.62);GAGAGS配列(4)が2個連続した(GAGAGS)配列(14)のポリペプチド鎖(S1−2)及び(GVGVP)GKGVP(GVGVP)配列(6)のポリペプチド鎖(Y’11)をそれぞれ17個有し、これらが交互に化学結合してなる構造を有する分子質量が約82kDaの配列(16)の人工タンパク質(SELP0K、疎水性度0.72)等である。
(1−2)GVGVP配列(2)が連続したポリペプチド鎖(Y2)を有する人工タンパク質(A2)であり、さらに好ましくは、GVGVP配列(2)が2個連続したポリペプチド鎖(Y21)及びGAGAGS配列(4)が6個連続したポリペプチド鎖(S2−1)を有する人工タンパク質(A21)であり、具体的には、ポリペプチド鎖(Y21)とポリペプチド鎖(S2−1)が結合したアミノ酸ブロック(L−1)が29個繰り返し化学結合した構造を有する分子質量が約93kDaの配列(17)の人工タンパク質(SLP4.1、疎水性度0.47)である。
(1−3)GVGVP配列(3)が連続したポリペプチド鎖(Y1)中の2個のアミノ酸がK(リシン)で置換されたポリペプチド鎖(Y’3)を有する人工タンパク質(A3)であり、さらに好ましくは、GKGVP配列(7)が2個連続したポリペプチド鎖(Y’31)、GAGAGS配列(4)が6個結合したポリペプチド鎖(S2−1)及びGAGAGS配列(4)が10個結合したポリペプチド鎖(S2−2)を有する人工タンパク質(A31)である。
具体的には、ポリペプチド鎖(S2−1)にポリペプチド鎖(Y’31)が結合し、さらにポリペプチド鎖(S2−2)が結合したアミノ酸ブロック(L−2)が10個繰り返し化学結合した構造を有する分子質量が約73kDaの配列(18)の人工タンパク質(SLP4.2、疎水性度0.20)等である。
(2)アミノ酸配列(X)がVPGVG配列(1)の人工タンパク質
(2−1)VPGVG配列(1)が連続したポリペプチド鎖(Y4)を有する人工タンパク質(A4)であり、具体的には、VPGVG配列(1)が160個連続したポリペプチド鎖(Y41)を有する分子質量が約65kDaの配列(19)の人工タンパク質(ELP1、疎水性度1.20)である。
(2−2)VPGVG配列(1)が4個連続したポリペプチド鎖(Y5−1)及びVPGVG配列(1)が8個連続したポリペプチド鎖(Y5−2)を有する人工タンパク質(A5)であり、さらに好ましくは、VPGVG配列(1)が4個連続したポリペプチド鎖(Y5−1)、VPGVG配列(1)が8個連続したポリペプチド鎖(Y5−2)及びGAGAGS配列(4)を有する人工タンパク質(A51)であり、具体的には、ポリペプチド鎖(Y5−1)にGAGAGS配列(4)が結合し、さらにポリペプチド鎖(Y5−2)が結合したアミノ酸ブロック(L−3)が40個繰り返し化学結合した構造を有する分子質量が約220kDaの配列(20)の人工タンパク質(ELP1.1、疎水性度1.12)である。
本発明のコラーゲン産生促進剤によりコラーゲン産生量を増加させることができる細胞(C)としては、公知のコラーゲンを産生する能力を有する細胞が含まれ、具体的には、線維芽細胞、軟骨細胞及び骨芽細胞等が挙げられる。
細胞(C)としては、体内でコラーゲンを産生している主な細胞という観点から、線維芽細胞、軟骨細胞及び骨芽細胞からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明のコラーゲン産生促進剤は、動物由来の血清等が含まれていないので、抗原性が低いと推察される。また、人工タンパク質(A)は、生物由来配列を有するので、生体適合性が高いと推察される。さらに、人工タンパク質(A)は大腸菌等の細菌により、安価に大量生産できるので、コラーゲン産生促進剤を容易に入手できる。
また、本発明のコラーゲン産生促進剤は、体内のコラゲナーゼを含むプロテアーゼによる分解を受けにくいため、持続性があり、長期的に細胞のコラーゲン産生量を増加させることができる。
また、本発明のコラーゲン産生促進剤は、溶液状態又はゲル状態で皮膚内部又は皮下組織に注入することができ、作業量が少なく用いることができる。
また、皮下組織にコラーゲンを直接注入する方法とはことなり、皮膚内部又は皮下組織の線維芽細胞等の細胞に働きかけて、コラーゲン量を増やすことができるので、頻繁にコラーゲンを注入する必要がない。
本発明のコラーゲン産生促進剤の適用方法としては、特に限定はないが、下記(i)培養液中の細胞のコラーゲン産生促進、(ii)抗老化剤としての適用方法及び(iii)コラーゲン産生促進用ゲルとしての適用方法が含まれる。
(i)培養液中の細胞のコラーゲン産生促進
本発明のコラーゲン産生促進剤は、培養液中で細胞(C)を培養する際に、培養液中に含有することで、細胞のコラーゲン産生量を増加させることができる。したがって、本発明のコラーゲン産生促進剤を用いれば、コラーゲンを大量に得ることができる。
本発明のコラーゲン産生促進剤を用いて培養液中の細胞のコラーゲン産生促進する方法としては、後述するコラーゲン産生促進用培養液を培養液として用いて細胞を培養する方法と、細胞を懸濁させた培地中にコラーゲン産生促進剤を添加する方法が含まれる。
本発明において、培養液中におけるコラーゲン産生促進剤の含有量は特に制限はなく、培養する細胞の種類(由来する生物の種類、細胞の種類など)、培養目的、基礎培地の種類等に応じて、適宜変更可能である。
培養液中のコラーゲン産生促進剤の濃度は、コラーゲン産生促進の観点から、0.0000000001〜1g/Lが好ましく、さらに好ましくは0.0000001〜0.001g/Lである。
培養液中のコラーゲン産生促進剤の濃度は以下のように測定する。
コラーゲン産生促進剤が1重量%になるように水を用いて希釈する。その溶液をさらに10分の1倍希釈し、0.1重量%の濃度の溶液を作製する。さらに10分の1倍希釈を繰り返し、コラーゲン産生促進剤の含有量が既知な標準溶液を作製する。この標準溶液と含有濃度を調べたい溶液を、同じゲル上でドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)に供する。その後、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜にトランスファーする。その後、一次抗体にラビット抗SELP8K抗体、2次抗体に抗ラビットIgG HRP標識抗体(GEヘルスケア社製)を用いたウエスタンブロット分析を行う。標準溶液の結果と比較することで、コラーゲン産生促進剤の含有量を明らかにすることができる。
(ii)抗老化剤としての適用
本発明のコラーゲン産生促進剤を含む抗老化剤を、皮膚に適用することで、皮膚内部又は皮下組織の線維芽細胞等の細胞に働きかけて、皮膚のコラーゲン量を増やすことができる。具体的な一例を示す。
(1)人工タンパク質(A)及び水を所定量含む、後述する抗老化剤を4〜40℃で作製する。抗老化剤には、必要により無機塩及び/又はリン酸(塩)等のその他の成分を含んでもよい。また、抗老化剤は、必要により皮膚に適用する直前に温めてもよい。
(2)皮下組織に抗老化剤を適用する。
抗老化剤中の各成分の量は、後述する本発明の抗老化剤と同様であり、好ましい範囲も同様である。
抗老化剤の皮膚への適用方法としては、注射器やマイクロニードルで皮下組織に投与する方法等が挙げられる。
また、皮膚は、人の皮膚に限定されることなく、動物(ペットや家畜)の皮膚にも使用することができる。
本発明のコラーゲン産生促進剤は、水に溶解できるので、コラーゲン産生促進剤を含む抗老化剤を皮膚内部又は皮下組織に投与することで、老化により機能が低下した線維芽細胞等の細胞に働きかけ、コラーゲン産生を増加させ、老化現象を抑えることができる。
(iii)コラーゲン産生促進用ゲルとしての適用
本発明のコラーゲン産生促進剤及び水を含む溶液は、コラーゲン産生促進剤を所定量含み、溶液を4〜80℃にすることでゲル化する。このゲルは、コラーゲン産生促進剤を含むので、細胞(C)の培養に使用した場合、細胞(C)のコラーゲン産生を促進することができ、細胞(C)培養時のコラーゲン産生促進用ゲルとして用いることができる。また、皮膚内部又は皮下組織に投与することで、老化により機能が低下した線維芽細胞等の細胞に働きかけ、コラーゲン産生を増加させ、老化現象を抑える抗老化用ゲルとして用いることができる。
<コラーゲン産生促進用培養液>
本発明のコラーゲン産生促進用培養液は、コラーゲン産生促進剤及び水を含有するコラーゲン産生促進用培養液である。
本発明のコラーゲン産生促進用培養液は、細胞(C)の培養に用いることで、細胞(C)のコラーゲンの産生能を高めることができる。したがって、本発明のコラーゲン産生促進用培養液を用いることで、コラーゲンを大量に得ることができる。
コラーゲン産生促進用培養液中のコラーゲン産生促進剤の濃度は、コラーゲン産生促進の観点から、0.0000000001〜1g/Lが好ましく、さらに好ましくは0.0000001〜0.001g/Lである。
本発明のコラーゲン産生促進用培養液において、コラーゲン産生促進剤は、上記コラーゲン産生促進剤であり、コラーゲン産生促進用培養液に使用するコラーゲン産生促進剤として好ましいものは、コラーゲン産生促進剤として好ましいものと同様である。
コラーゲン産生促進用培養液中の水としては、特に限定するものではなく、滅菌されたものが好ましい。滅菌方法としては、0.2μm以下の孔径を持つ精密ろ過膜を通した水、限外ろ過膜を通した水、逆浸透膜を通した水及びオートクレーブで121℃20分加熱して加熱滅菌したイオン交換水等が挙げられる。
コラーゲン産生促進用培養液中には、上記コラーゲン産生促進剤及び水以外に無機塩及びリン酸(塩)を含んでもいい。
無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム及び炭酸水素マグネシウム等が挙げられる。リン酸塩は無機塩に含まない。
コラーゲン産生促進用培養液中の塩の含有量(重量%)は、細胞増殖性の観点から、コラーゲン産生促進用培養液の重量を基準として0〜1.3重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜1.3重量%であり、次にさらに好ましくは0.7〜1.1重量%であり、特に好ましくは0.85〜0.95重量%である。
リン酸(塩)は、リン酸及び/又はリン酸塩を意味する。
コラーゲン産生促進用培養液中のリン酸(塩)としては、リン酸及びリン酸塩が挙げられる。
塩としては、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が挙げられ、具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩等が挙げられる。
コラーゲン産生促進用培養液中のリン酸(塩)の含有量(重量%)は、人工タンパク質(A)の溶解性の観点から、コラーゲン産生促進用培養液の重量を基準として0〜0.30重量%が好ましく、さらに好ましくは0.10〜0.30重量%であり、次にさらに好ましくは0.12〜0.28重量%であり、特に好ましくは0.14〜0.26重量%である。
また、コラーゲン産生促進用培養液中には、上記以外に、従来の細胞培養に用いられる培地成分(糖、ビタミン、アミノ酸、ピルビン酸及びフェノール指示薬等)を含んでもいい。
コラーゲン産生促進用培養液のpHは、組織親和性の観点から、5〜9が好ましく、さらに好ましくは6〜8である。
また、細胞(C)を培養時のコラーゲン産生促進用培養液の温度は、コラーゲン産生促進剤の熱安定性及び操作の容易さの観点から、4〜80℃が好ましく、さらに好ましくは4〜60℃、次にさらに好ましくは4〜50℃、特に好ましくは4〜40℃である。
また、水及びその他の成分(培地成分等)を含む下記培地を用いてコラーゲン産生促進用培養液を作成してもよい。
培地としては、細胞培養に用いられる培地を制限なく用いることができ、無血清培地及び血清培地が含まれる。
無血清培地としては、Grace培地、IPL−41培地、Schneider’s培地、Opti−PROTMSFM培地、Opti−MEMTMI培地、VP−SFM培地、CD293培地、293SFMII培地、CD−CHO培地、CHO−S−SFMII培地、FreeStyleTM293培地、CD−CHO AGTTM培地、RPMI培地、DMEM培地、MEM培地、Eagle’sMEM培地、BME培地、DME培地、αMEM培地、IMEM培地、ES培地、DM−160培地、Fisher培地、F12培地、WE培地、ASF103培地、ASF104培地、ASF301培地、TC−100培地、Sf−900II培地、Ex−cell405培地、Express−Five培地、Drosophila培地及びこれらの混合培地等が挙げられる。
これらのうち、細胞の安定性の観点から、Opti−PROTMSFM培地、Opti−MEMTMI培地、VP−SFM培地、CD293培地、293SFMII培地、CD−CHO培地、CHO−S−SFMII培地、FreeStyleTM293培地、CD−CHO AGTTM培地、DMEM培地及びこれらの混合培地が好ましく、さらに好ましくはOpti−PROTMSFM培地、VP−SFM培地、CD293培地、293SFMII培地、FreeStyleTM293培地、DMEM培地及びこれらの混合培地である。
血清培地としては、一般の培地(DMEM培地、DME培地、RPMI培地、MEM培地、BME培地、DME培地、αMEM培地、IMEM培地、ES培地、DM−160培地、Fisher培地、F12培地、WE培地、ASF103培地、ASF104培地、ASF301培地、TC−100培地、Sf−900II培地、Ex−cell405培地、Express−Five培地、Drosophila培地及びこれらの混合培地等)に血清を加えたもの等が挙げられる。血清としては、ヒト血清、及び動物血清(ウシ血清、ウマ血清、ヤギ血清、ヒツジ血清、ブタ血清、ウサギ血清、ニワトリ血清、ラット血清、及びマウス血清等)が含まれる。
本発明の抗老化剤は、コラーゲン産生促進剤及び水を含有する抗老化剤である。
抗老化剤中のコラーゲン産生促進剤の含有量(重量%)は、効率よくコラーゲン産生促進する観点及び人工タンパク質(A)の溶解性の観点から、抗老化剤の重量を基準として、0.000000001〜35重量%が好ましく、さらに好ましくは5〜30重量%であり、次にさらに好ましくは10〜30重量%であり、特に好ましくは15〜30重量%である。また、人工タンパク質(A)がゲル化する観点から、10〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは15〜30重量%である。
抗老化剤中の水の含有量(重量%)は、効率よくコラーゲン産生促進する観点及び人工タンパク質(A)の溶解性の観点から、65〜99.999999999重量%が好ましく、さらに好ましくは70〜90重量%であり、次にさらに好ましくは70〜85重量%である。
抗老化剤中のコラーゲン産生促進剤の含有量は、上記培養液中のコラーゲン産生促進剤の濃度を測定する方法と同様の方法で測定することができる。
本発明の抗老化剤において、コラーゲン産生促進剤は、上記コラーゲン産生促進剤であり、抗老化剤に使用するコラーゲン産生促進剤として好ましいものは、コラーゲン産生促進剤として好ましいものと同様である。
抗老化剤中の水としては、特に限定するものではなく、滅菌されたものが好ましい。滅菌方法としては、0.2μm以下の孔径を持つ精密ろ過膜を通した水、限外ろ過膜を通した水、逆浸透膜を通した水及びオートクレーブで121℃20分加熱して加熱滅菌したイオン交換水等が挙げられる。また、上述の培地を水として用いて、抗老化剤を作成してもよい。
抗老化剤中には、上記コラーゲン産生促進剤及び水以外に無機塩及びリン酸(塩)を含んでもいい。
無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム及び炭酸水素マグネシウム等が挙げられる。リン酸塩は無機塩に含まない。
抗老化剤中の塩の含有量(重量%)は、人間の体液と同等にするという観点から、抗老化剤の重量を基準として0〜1.3重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜1.3重量%であり、次にさらに好ましくは0.7〜1.1重量%であり、特に好ましくは0.85〜0.95重量%である。
リン酸(塩)は、リン酸及び/又はリン酸塩を意味する。
抗老化剤中のリン酸(塩)としては、リン酸及びリン酸塩が挙げられる。
塩としては、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が挙げられ、具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩等が挙げられる。
抗老化剤中のリン酸(塩)の含有量(重量%)は、タンパク質溶解性の観点から、抗老化剤の重量を基準として0〜0.30重量%が好ましく、さらに好ましくは0.10〜0.30重量%であり、次にさらに好ましくは0.12〜0.28重量%であり、特に好ましくは0.14〜0.26重量%である。
また、抗老化剤には、上記以外に、コラーゲン及びヒアルロン酸等を含んでもいい。
また、抗老化剤には、成長因子を添加してもいい。成長因子としては、上皮成長因子(Epidermal growth factor:EGF)、インスリン様成長因子(Insulin−like growth factor:IGF)、トランスフォーミング成長因子(Transforming growth factor:TGF)、神経成長因子(Nerve growth factor:NGF)、脳由来神経栄養因子(Brain−derived neurotrophic factor:BDNF)、血管内皮細胞増殖因子(Vesicular endothelial growth factor:VEGF)、顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte−colony stimulating factor:G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(Granulocyte−macrophage−colony stimulating factor:GM−CSF)、血小板由来成長因子(Platelet−derived growth factor:PDGF)、エリスロポエチン(Erythropoietin:EPO)、トロンボポエチン(Thrombopoietin:TPO)、塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor:bFGFまたはFGF2)、肝細胞増殖因子(Hepatocyte growth factor:HGF)等が挙げられる。
抗老化剤中の成長因子の濃度は細胞増殖の観点から、抗老化剤の重量を基準として、0.003〜9.1重量%が好ましく、さらに好ましくは0.003〜6.25重量%である。
抗老化剤を皮膚内部又は皮下組織に注入する場合の温度は、コラーゲン産生促進剤の熱安定性及びハンドリング性の観点から、4〜80℃が好ましく、さらに好ましくは4〜60℃、次にさらに好ましくは25〜50℃、特に好ましくは30〜40℃である。
本発明の抗老化剤は、上記コラーゲン産生促進剤を含んでいるので、老化により線維芽細胞の機能が低下し、コラーゲン量が減少した皮下組織に注入し、皮膚の老化を改善する溶液として有効である。
また、本発明のコラーゲン産生促進用ゲルは、コラーゲン産生促進剤及び水を含むコラーゲン産生促進用ゲルであって、コラーゲン産生促進用ゲルの重量を基準として、コラーゲン産生促進剤が5〜35重量%、水が65〜95重量%であるコラーゲン産生促進用ゲルである。
本発明のコラーゲン産生促進用ゲルにおいて、コラーゲン産生促進剤の含有量(重量%)は、コラーゲン産生促進及びゲル化する観点から、コラーゲン産生促進用ゲルの重量を基準として、10〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは15〜30重量%である。
また、水の含有量(重量%)は、コラーゲン産生促進剤の溶解性の観点から、コラーゲン産生促進用ゲルの重量を基準として、70〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは70〜85重量%である。
また、本発明のコラーゲン産生促進用ゲルにおいて、ゲル中には、コラーゲン産生促進剤及び水以外に、コラーゲン産生促進用培養液及び/又は抗老化剤中に含んでもよいその他の成分(無機塩、リン酸(塩)、コラーゲン、ヒアルロン酸及び培地成分等)を含んでもいい。その他の成分の好ましい量は、上述のコラーゲン産生促進用培養液及び/又は抗老化剤と同様である。
本発明のコラーゲン産生促進用ゲルの製造方法は、上記コラーゲン産生促進剤及び水を含む溶液を4〜80℃にするコラーゲン産生促進用ゲルの製造方法である。
コラーゲン産生促進剤及び水を含む溶液の温度は、ゲル化時間及びコラーゲン産生促進剤の熱安定性の観点から、25〜80℃が好ましく、さらに好ましくは25〜50℃、特に好ましくは30〜40℃である。
本発明の製造方法において、溶液の温度が高い方が、溶液がゲルとなるまでの時間が短い。
本発明のコラーゲン産生促進用ゲルの製造方法において、コラーゲン産生促進剤及び水を含む溶液中のコラーゲン産生促進剤の含有量(重量%)は、コラーゲン産生促進及びゲル化する観点から、作製されるコラーゲン産生促進用ゲルの重量を基準として、5〜35重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜30重量%であり、次にさらに好ましくは15〜30重量%である。
また、水の含有量(重量%)は、コラーゲン産生促進剤の溶解性の観点から、作製されるコラーゲン産生促進用ゲルの重量を基準として、65〜95重量%が好ましく、さらに好ましくは70〜90重量%であり、次にさらに好ましくは70〜85重量%である。
また、本発明の製造方法において、コラーゲン産生促進剤及び水を含む溶液中には、コラーゲン産生促進剤及び水以外に、コラーゲン産生促進用培養液及び/又は抗老化剤中に含んでもよいその他の成分(無機塩、リン酸(塩)、コラーゲン、ヒアルロン酸及び培地成分等)を含んでもいい。その他の成分の好ましい量は、上述のコラーゲン産生促進用培養液及び/又は抗老化剤と同様である。
本発明の製造方法により得られたゲルは、コラーゲン産生促進剤を含むので、皮膚内部又は皮下組織に投与することで、老化により機能が低下した線維芽細胞等の細胞に働きかけ、コラーゲン産生を増加させることができる。
また、本発明の製造方法で得られるコラーゲン産生促進用ゲルは、細胞(C)の培養に用いることができる。コラーゲン産生促進用ゲルを細胞(C)の培養に用いると、コラーゲンを大量に得ることができる。
本発明のコラーゲン産生促進用ゲルを細胞(C)の培養に用いる方法は、特に限定はなく、下記に一例を示す。
方法(I)
(I−1)コラーゲン産生促進用ゲル中に細胞(C)を混合する。
(I−2)一定時間、一定温度で細胞(C)を培養する。
(I−3)ゲル中からコラーゲンを取り出す。
方法(II)
(II−1)水中に細胞(C)を懸濁させ、細胞懸濁液を作成する。
(II−2)細胞懸濁液にコラーゲン産生促進剤を加え、均一になるまで攪拌する。
(II−3)(II−2)の溶液を4〜80℃にし、ゲルを作成する。
(II−4)一定時間、一定温度で細胞(C)を培養する。
(II−5)ゲル中からコラーゲンを取り出す。
方法(II)において、(II−3)は、本発明のコラーゲン産生促進用ゲルを製造する工程である。
(I−2)において、細胞(C)を培養する時間は、通常、細胞培養する時間と同じでよく、細胞成育の観点から、1〜30日が好ましく、さらに好ましくは1〜14日である。
また、細胞(C)を培養する温度は、通常、細胞培養する際の温度と同じでよく、細胞成育の観点から、20〜50℃が好ましく、さらに好ましくは30〜40℃である。
(I−3)において、ゲル中からコラーゲンを取り出す方法としては、酵素抽出法、酸抽出法及び熱水抽出法等を用いることができる。
(II−1)において、水としては、特に限定するものではなく、滅菌されたものが好ましい。また、上述の培地を水として用いてもよい。
(II−2)において、細胞懸濁液中のコラーゲン産生促進剤の含有量(重量%)は、コラーゲン産生促進剤及び水の合計重量を基準として、ゲル化する観点及び効率よくコラーゲン産生促進する観点から、5〜35重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜30重量%であり、次にさらに好ましくは15〜30重量%である。
(II−3)において、溶液の温度は、コラーゲン産生促進剤の熱安定性の観点から、25〜80℃が好ましく、さらに好ましくは25〜50℃、特に好ましくは30〜40℃である。
(II−4)において、培養時間及び培養温度は(I−2)と同様である。
(II−5)は(I−3)と同様である。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
○SELP8Kの生産
特許第4088341号公報の実施例記載の方法に準じて、SELP8KをコードしたプラスミドpPT0345を作製した。SELP8Kをコードしている遺伝子の3´末端には、6×Hisタグをコードした遺伝子が含まれている。
作製したプラスミドを大腸菌にトランスフォーメーションし、SELP8K生産株を得た。
30℃で生育させたSELP8K生産株の一夜培養液を使用して、250mlフラスコ中のLB培地50mlに接種した。カナマイシンを最終濃度50μg/mlとなるように加え、該培養液を30℃で攪拌しながら(200rpm)インキュベートした。培養液の600nmでの吸光度(OD600)を測定し、培養液がOD600=0.8(吸光度計UV1700:島津製作所製を使用)となった時に、40mlを42℃に前もって温めたフラスコに移し、同じ温度で約2時間インキュベートした。該培養体を氷上で冷却し、培養液のOD600を測定し、培養に異常がないことを確認した。大腸菌を遠心分離で集めた。集菌した大腸菌から人工タンパク質を取り出すために、超音波破砕(4℃、30秒×10回)をして溶菌した。
この大腸菌により産生された人工タンパク質を、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)に供した後、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜にトランスファーした。その後、一次抗体にラビット抗SELP8K抗体、2次抗体に抗ラビットIgG HRP標識抗体(GEヘルスケア社製)を用いたウエスタンブロット分析を行なった。該生成物の見かけ分子質量は約80kDaであった。よってSELP8K生産株は、見かけ分子質量が約80kDaのラビット抗SELP8K抗体反応性を有するSELP8Kを生成したことが分かった。
○SELP8Kの精製
上記で得たSELP8Kを、菌体溶解、遠心分離による不溶性細片の除去、及びアフィニティークロマトグラフィーにより大腸菌バイオマスから精製した。このようにして、コラーゲン産生促進剤である分子質量が約80kDaの人工タンパク質(A−1)(SELP8K)を得た。
○SELP8Kの同定
得られた人工タンパク質(A−1)を下記の手順で同定した。
ラビット抗SELP8K抗体及びC末端配列の6×Hisタグに対するラビット抗6×His抗体(Roland社製)を用いたウエスタンブロットにより分析した。見かけ分子質量が約80kDaのタンパク質バンドが、各抗体に抗体反応性を示した。また得られたタンパク質をアミノ分析供した結果、該生成物が、グリシン(43.7%),アラニン(12.3%),セリン(5.3%),プロリン(11.7%)及びバリン(21.2%)に富むものであった。また、該生成物はリシンを1.5%含んでいた。下記の表1は、精製された生成物の組成と、合成遺伝子配列から推測された予測理論組成との相関関係を示す。
したがって、人工タンパク質(A−1)(SELP8K)がGVGVP配列(2)が8個連続したポリペプチド鎖(Y)においてVのうち1個がKに置換された(GVGVP)GKGVP(GVGVP)配列(6)であるポリペプチド鎖(Y’11)を13個及びGAGAGS配列(4)が4個連続した(GAGAGS)配列(5)のポリペプチド鎖(S1−1)を12個有し、これらが交互に化学結合してなるものに、GAGAGS配列(4)が2個連続した(GAGAGS)配列(14)のポリペプチド鎖(S1−2)が化学結合した配列(15)の人工タンパク質であることを確認した。
Figure 0006253875
<実施例2>
実施例1において、「SELP8KをコードしたプラスミドpPT0345」に変えて、「SELP0KをコードしたプラスミドpPT0364」を用いる以外は同様にして、コラーゲン産生促進剤である分子質量が約82kDaの配列(16)の人工タンパク質(A−2)を得た。
<実施例3>
実施例1において、「SELP8KをコードしたプラスミドpPT0345」に変えて、「SLP4.1をコードしたpSY1398−1」を用いる以外は同様にして、コラーゲン産生促進剤である分子質量が約93kDaの配列(17)の人工タンパク質(A−3)を得た。
<実施例4>
実施例1において、「SELP8KをコードしたプラスミドpPT0345」に変えて、「ELP1.1をコードしたプラスミドpPT0102−1」を用いる以外は同様にして、コラーゲン産生促進剤である分子質量が約220kDaの配列(20)の人工タンパク質(A−4)を得た。
<実施例5>
実施例1において、「SELP8KをコードしたプラスミドpPT0345」に変えて、「ELP1をコードしたプラスミドpPT0102」を用いる以外は同様にして、コラーゲン産生促進剤である分子質量が約65kDaの配列(19)の人工タンパク質(A−5)を得た。
細胞増殖試験及びコラーゲン産生能試験には、下記の試薬を用いた。
D−MEM培地:Dulbecco’s modified Eagle’s medium,high glucose,製造元:Invitorogen
ペニシリン・ストレプトマイシン:製造元:Sigma
Fetal Bovine Serum:ロット番号:AVH77990、製造元:Thermo(以下、FBSと表記する)
10重量%FBS含有D−MEM培地:D−MEM培地に100分の1重量のペニシリン・ストレプトマイシンと、10分の1重量のFBSを添加し、4℃の条件下で保管したもの
PBS:製造元:日本製薬、購入したものをオートクレーブ滅菌後、室温で保管したもの
トリプシン溶液:トリプシン(製造元:Sigma)を0.25重量%の濃度になるようにPBSで希釈し、−20℃で保管したもの
Cell count reagent SF:製造元:nacalai tesque
コラーゲン染色キット:製造元:コラーゲン技術協会、4℃の条件下で保管したもの
(I)培養液中の細胞のコラーゲン産生促進
<細胞増殖性試験>
(1)細胞培養
試験には、マウス線維芽細胞であるL929細胞を使用し、滅菌シャーレ、および滅菌プレートに播種し、37℃、CO濃度が5体積%の空気中で3日間培養を行った。10cmのシャーレで培養したサブコンフルエント状態のL929細胞を、5mLのPBSで2回洗浄した後、3mLのトリプシン溶液を加えた。トリプシン溶液を除去し、10重量%FBS含有D−MEM培地を2mL加え、ピペッティングを行い、細胞懸濁液を作製した。さらに、2×10個/mLになるように細胞懸濁液を調製し、24穴プレートに250μLずつ添加した。37℃、CO濃度が5体積%の空気中で6時間培養後、人工タンパク質(A−1)〜(A−5)を培養液の体積を基準としてそれぞれ0.0000000001g/L、0.00000001g/L、0.000001g/L、0.001g/L、1g/Lの濃度となるように添加して実施例6〜10とし、37℃、CO濃度が5体積%の空気中で3日間培養を行った。
(2)細胞数の測定
その後、プレートにCell count reagent SF溶液を50μL滴下し、37℃、CO濃度が5体積%の空気中で2時間静置させた。その後、吸光度計(VERSAmax, Molecular Devices)を用いて、450nm及び650nmの吸光度(それぞれ、OD450及びOD650)を測定した。あらかじめ作製しておいた、細胞数と吸光度(OD450−OD650)の相関性がある検量線にあてはめ、培養液中の細胞数を算出した。
<コラーゲン産生能試験>
(1)細胞培養
細胞増殖性試験の(1)と同様にしてL929細胞を培養し、3日間培養を行った。
(2)総コラーゲン量の測定
上清を除去し、PBSで1回洗浄した後、コラーゲン染色キットA液を100μL滴下し、37℃で30分間静置した。その後、PBSで3回洗浄し、コラーゲン染色キットB液を200μL滴下し、1分後に全量を96穴プレートに移した。その後、吸光度計を用いて、530nm及び605nmの吸光度(それぞれ、OD530及びOD605)を測定した。総コラーゲン量は以下の式を用いて算出した。
総コラーゲン量(ng)=[{(OD530)−0.254×(OD605)}×1000000]/40.8
また、実施例1〜5の人工タンパク質(A−1)〜(A−5)を添加しない以外は同様にして細胞増殖性試験及びコラーゲン産生能試験を行い、比較例1とした。
<評価:コラーゲン産生能>
上記細胞増殖試験及びコラーゲン産生能試験の結果を下記式に当てはめることにより、単位細胞当たりにおけるコラーゲン量であるコラーゲン産生能を求めた。
コラーゲン産生能(ng/cell)=[総コラーゲン量]/[細胞数]
コラーゲン産生能について、コラーゲン産生促進剤を添加していないもの(比較例1の結果)を100%とした相対値で表し、結果を表2に示す。
Figure 0006253875
表2のコラーゲン産生能測定の結果から、人工タンパク質(A−1)〜(A−5)を用いた実施例6〜10では、用いていない比較例1と比較して、線維芽細胞のコラーゲン産生能が100%以上であった。したがって、線維芽細胞のコラーゲン産生能を促進し、産生されたコラーゲン量が多いことが分かる。
(II)コラーゲン産生促進用ゲル
<細胞増殖性試験>
(1)細胞培養
試験には、マウス線維芽細胞であるL929細胞を使用し、滅菌シャーレ、および滅菌プレートに播種し、37℃、CO濃度が5体積%の空気中で3日間培養を行った。10cmのシャーレで培養したサブコンフルエント状態のL929細胞を、5mLのPBSで2回洗浄した後、3mLのトリプシン溶液を加えた。トリプシン溶液を除去し、10重量%FBS含有D−MEM培地を2mL加え、ピペッティングを行い、細胞懸濁液を作製した。さらに、2×10個/mLになるように細胞懸濁液を調製した。人工タンパク質(A−1)〜(A−5)をそれぞれ20重量%及びPBSを80重量%を混合した。その混合液200μLと細胞懸濁液50μLをピペッティングで混ぜ合わせ、24穴プレートに全量滴下し、37℃、CO濃度が5体積%の空気中で5分間で静置してゲル化させた。さらに、10重量%FBS含有D−MEM培地を1mL添加し、実施例11〜15として、3日間培養を行った。
(2)細胞数の測定
その後、プレートにCell count reagent SF溶液を50μL滴下し、37℃、CO濃度が5体積%の空気中で2時間静置させた。その後、吸光度計(VERSAmax,Molecular Devices)を用いて、450nm及び650nmの吸光度(それぞれ、OD450及びOD650)を測定した。あらかじめ作製しておいた、細胞数と吸光度(OD450−OD650)の相関性がある検量線にあてはめ、培養液中の細胞数を算出した。
<コラーゲン産生能試験>
(1)細胞培養
細胞増殖性試験の(1)と同様にしてL929細胞を培養し、3日間培養を行った。
(2)総コラーゲン量の測定
上清を除去し、PBSで1回洗浄した後、100μg/mLのエラスターゼ溶液を添加し、37℃で10分静置した。その後、溶液を除去し、コラーゲン染色キットA液を100μL滴下し、37℃で30分間静置した。その後、PBSで3回洗浄し、コラーゲン染色キットB液を200μL滴下し、1分後に全量を96穴プレートに移した。その後、吸光度計を用いて、530nm及び605nmの吸光度(それぞれ、OD530及びOD605)を測定した。総コラーゲン量は以下の式を用いて算出した。
総コラーゲン量(ng)=[{(OD530)−0.254×(OD605)}×1000000]/40.8
また、人工タンパク質(A−1)〜(A−5)の代わりにコラーゲンを用いた以外は同様にして細胞増殖性試験及びコラーゲン産生能試験を行い、比較例2とした。
<評価:コラーゲン産生能>
上記細胞増殖試験及びコラーゲン産生能試験の結果を下記式に当てはめることにより、単位細胞当たりにおけるコラーゲン量であるコラーゲン産生能を求めた。
コラーゲン産生能(ng/cell)=[総コラーゲン量]/[細胞数]
コラーゲン産生能について、コラーゲン産生促進剤を添加していないもの(比較例2の結果)を100%とした相対値で表し、結果を表3にまとめた。
Figure 0006253875
表3のコラーゲン産生能測定の結果より、実施例11〜15の本発明のコラーゲン産生促進用ゲルを用いた場合、コラーゲンを用いた比較例2と比較して、線維芽細胞のコラーゲン産生能が100%以上であった。したがって、線維芽細胞のコラーゲン産生能を促進し、産生されたコラーゲン量が多いことが分かる。
(III)抗老化剤
<動物実験>
人工タンパク質(A−1)〜(A−5)をそれぞれ20重量%含む水溶液を0.05mLずつ、モルモット皮下中に注入し、実施例16〜20とした。処置14日目に検体を擬死させ、創傷部を含む皮膚を採取し、パラフィン包埋標本を作製した。ミクロトームを用いて、厚さ10μmになるように切り、プレパレート用ガラスに塗布した。
<コラーゲン産生能試験>
(1)総コラーゲン量の測定
サンプルに脱パラフィン処理を施し、プレパレート上の切片に、コラーゲン染色キットA液を200μL滴下し、37℃で30分間静置した。その後、PBSで3回洗浄し、コラーゲン染色キットB液を200μL滴下し、1分後に全量を96穴プレートに移した。その後、吸光度計を用いて、530nm及び605nmの吸光度(それぞれ、OD530及びOD605)を測定した。総コラーゲン量は以下の式を用いて算出した。
総コラーゲン量(ng)=[{(OD530)−0.254×(OD605)}×1000000]/40.8
また、非コラーゲンタンパク質の量を以下の式を用いて算出した。
非コラーゲンタンパク質量(ng)=(OD605)/2.04×1000000
また、実施例1〜5の人工タンパク質(A−1)〜(A−5)を注入しない以外は同様にしてコラーゲン産生能試験を行い、比較例3とした。
<評価:コラーゲン産生能>
上記コラーゲン産生能試験の結果を下記式に当てはめることにより、コラーゲン産生量を求めた。
コラーゲン産生能(%)=[総コラーゲン量]/{[総コラーゲン量]+[非コラーゲンタンパク質量]}
コラーゲン産生能について、コラーゲン産生促進剤を添加していないもの(比較例3の結果)を100%とした相対値で表し、結果を表4にまとめた。
Figure 0006253875
表4のコラーゲン産生能測定の結果より、実施例16〜20の本発明の抗老化剤を用いた場合、用いていない比較例3と比較して、線維芽細胞やその他の細胞を含むモルモット皮下組織のコラーゲン産生能が100%以上であった。したがって、線維芽細胞やその他の細胞を含むモルモット皮下組織のコラーゲン産生能を促進し、産生されたコラーゲン量が多いことが分かる。
本発明のコラーゲン産生促進剤は、培養液中の細胞の機能を向上させて、コラーゲン産生量を増加させるコラーゲン産生促進剤として有効である。したがって、本発明のコラーゲン産生促進剤を含むコラーゲン産生促進用培養液を用いると、コラーゲンを大量に得ることができる。また、本発明のコラーゲン産生促進剤は、皮膚組織中の線維芽細胞等の細胞の機能を向上させて、コラーゲン産生量を増加させることも可能である。したがって、本発明のコラーゲン産生促進剤を含む溶液は、加齢による弾力性の低下や、水分含有量の減少による皮膚の老化を、予防及び改善する抗老化剤としても有効である。さらに、本発明のコラーゲン産生促進剤を含むコラーゲン産生促進ゲルは、細胞の培地及び抗老化剤として有効である。

Claims (7)

  1. 線維芽細胞のコラーゲン産生を促進する人工タンパク質(A)からなる線維芽細胞用のコラーゲン産生促進剤であって、
    前記人工タンパク質(A)が、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号19又は配列番号20で表されるアミノ酸配列を含むことを特徴とする、
    コラーゲン産生促進剤。
  2. 請求項1に記載のコラーゲン産生促進剤及び水を含有する線維芽細胞用のコラーゲン産生促進用培養液。
  3. コラーゲン産生促進用培養液中のコラーゲン産生促進剤の濃度が、コラーゲン産生促進用培養液の体積を基準として、0.0000000001〜1g/Lである請求項2に記載のコラーゲン産生促進用培養液。
  4. 請求項1に記載のコラーゲン産生促進剤及び水を含有する抗老化剤。
  5. 抗老化剤の重量を基準として、コラーゲン産生促進剤が0.000000001〜35重量%、水が65〜99.999999999重量%である請求項4に記載の抗老化剤。
  6. 請求項1に記載のコラーゲン産生促進剤及び水を含むコラーゲン産生促進用ゲルであって、コラーゲン産生促進用ゲルの重量を基準として、コラーゲン産生促進剤が5〜35重量%、水が65〜95重量%であるコラーゲン産生促進用ゲル。
  7. 請求項1に記載のコラーゲン産生促進剤及び水を含む溶液を4〜80℃にするコラーゲン産生促進用ゲルの製造方法。
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