JP3521028B2 - スポット溶接用裏当材の製造方法 - Google Patents

スポット溶接用裏当材の製造方法

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JP3521028B2 JP24738195A JP24738195A JP3521028B2 JP 3521028 B2 JP3521028 B2 JP 3521028B2 JP 24738195 A JP24738195 A JP 24738195A JP 24738195 A JP24738195 A JP 24738195A JP 3521028 B2 JP3521028 B2 JP 3521028B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のドア等の
ハゼ折りした継手部などをスポット溶接するのに用いら
れるスポット溶接用裏当材の製造方法に関し、美的外観
を要する溶接部品を溶接対象とする場合の裏当材の製造
に適している。
【0002】
【従来の技術】自動車のドアヘミング部などは、外観、
安全及び防錆上の要請から端縁にハゼ折り加工を行い、
その後スポット溶接して構成されている。このようなス
ポット溶接を行う際に、溶接用の電極によって被溶接物
に大きな押圧力を加えるので、該押圧力に耐える通称バ
ックバーと呼ばれる裏当材が必要であり、クロム銅合金
製の裏当材が用いられている。
【0003】裏当材は、ドア外側の外観保護対策とし
て、溶接用電極に対する該裏当材自体の接触面積を大き
くし、単位面積当たりの電流量を減少させ、ドア外側へ
の溶接痕の生成を防止していた。しかし、クロム銅合金
は軟質な材料であるため、溶接時の加圧、加熱に繰り返
しさらされることで、裏当材への電極の当たり面に摩耗
や変形による凹みが生じ易い。この凹みは、被溶接物に
転写され、外観を著しく低下させるため、定期的な補修
が必要であった。
【0004】そして、クロム銅合金製の裏当材の対策品
としては、図5に示すように、溶接電極9で押圧される
被溶接物であるドアDを支持する支承部材28をセラミ
ックス製とするもの(例えば特公昭62−8269号公
報参照)や、図6に示すように、裏当材本体31をアル
ミナ系セラミックス製絶縁部材で形成し、被溶接物にに
対し裏当材が斜め状態で当接するような場合でも被溶接
物に当り傷を付けないように、該絶縁部材の支持部を除
く上部外周面にクロム銅合金製リング32を焼きばめし
て製造した裏当材30(例えば実公平3−49819号
公報参照)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】裏当材本体がセラミッ
クス製の場合、セラミックスが難加工材料であるため、
加工コストが高く、且つ裏当材本体を現場において微調
整することができず、焼結体なので製作するのに長時間
を要し、被溶接物の形状に合わせた複雑な形状を付与す
ることが困難であるという欠点があった。また、焼結前
に所定の形状を付与しても、焼結時の収縮によって、寸
法精度が低下することや、焼結後の研削加工が必要であ
ることなど、実用上多くの問題があり、複雑な形状には
適していない。
【0006】自動車のドアは、平面ではなく曲面によっ
て構成されているので、裏当材の上面も原則としてドア
の曲面に合わせた曲面でなければならない。裏当材の上
面を平面にした場合でも、裏当材自体を傾けてアライン
メント調整を行えば、一時的にはドアの変形を防ぐこと
はできるが、溶接用電極の消耗とともに溶接の打点が変
化した場合、対応できない。また、装置の制約上裏当材
を傾けることができない場合には、全く対応できない。
【0007】更に、かかるセラミックスを主材料とする
裏当材は、セラミックス部分の占める体積が大きいの
で、内部に大きな欠陥を含む確率が高く、機械的信頼性
に欠けるという問題点があった。体積が大きくなると機
械的信頼性に欠けるのは、体積V1 ,V2 をもった二つ
の試験片に外力が作用して一様な応力が存在する時、破
壊されない確率が等しい応力σ1 ,σ2 はV1 ・σ1 m
=V2 ・σ2 m で与えられ、したがって、ワイブル係数
mが10の場合、体積が20倍になると、材料強度は0.
74倍になるからである。
【0008】本発明は、上述のような従来の問題点に鑑
みなされたものであって、複雑な形状を付与することが
可能で、長期間使用しても被溶接物を変形させることが
なく、アラインメント調整が容易であり、機械的信頼性
が高く、製造コストが低いスポット溶接用裏当材の製造
方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の本発明は、スポット溶接の対象と
なる被溶接物を支持する裏当材本体を備えたスポット溶
接用裏当材の製造方法において、前記裏当材本体が曲面
加工容易な金属材料からなり、該裏当材本体の上面部を
対応する被溶接物の接触曲面に合わせた形状に予め加工
し、前記裏当材本体の上面部耐摩耗性及び耐熱性に優
れた硬質皮膜を溶射被覆法によって作製し、該硬質皮膜
には前記被溶接物の接触曲面に全面的に接触する上向き
受面を形成したことを特徴とし、請求項2に記載の本発
明は、請求項1に記載のスポット溶接用裏当材の製造方
法において、前記被溶接物に接触する前記硬質皮膜の上
向き受面の表面粗さが0.5μmRa以下に調整されてい
ることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係るスポッ
ト溶接用裏当材の製造方法について、自動車のドアを被
溶接物としそのヘミング部をスポット溶接する場合を例
として、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本
発明の実施の形態に係るスポット溶接用裏当材の使用状
態を示す概略構成側断面図、図2はそのスポット溶接用
裏当材を拡大して示した側面図である。
【0011】この実施の形態に係るスポット溶接用裏当
材1を使用して、スポット溶接されるドアDは、図1に
示すように、ドア内板D1とドア外板D2とを備え、端
縁におけるドア外板D2の部分を内側へ折り返して折曲
片Bを形成し、この折曲片Bの部分にドア内板D1の端
縁が挟み込まれた状態にて両者の継手部Jを形成してい
る。ドア外板D2は、外方向凸状に僅かに曲がった凸曲
面Sを備え、この凸曲面Sを含む部分が溶接対象とされ
ている。
【0012】スポット溶接用裏当材1は、図2に示すよ
うに、裏当材本体2と、この裏当材本体2の上面部にあ
ってドアDの凸曲面Sに全面的に接触する上向き受面4
を有する硬質皮膜3とによって構成されており、硬質皮
膜3が溶射被覆法によって作製されている。
【0013】裏当材本体2は、曲面加工が比較的容易な
機械構造用炭素鋼(JIS記号S45C)を用いた金属
製角柱体からなっており、ドア外板D2の接触曲面であ
る凸曲面Sに合わせた凹曲面2aを有し、予め曲面加工
によって形成し、その後、この凹曲面2aを覆って硬質
皮膜3が作製される。
【0014】硬質皮膜3は、セラミックス、サーメット
や金属から選定した耐摩耗性及び耐熱性に優れた材料か
らなっており、材料の種類によって異なるが、通常、溶
射しただけでは3〜15μmRa程度の表面粗さを有して
いるため、そのまま溶接に使用すると、ドアDの外観を
損なう。
【0015】また、硬質皮膜3の表面粗さが大きいと、
表面の凹凸の高さが大きいため、皮膜の破壊及び脱落等
の原因となり、好ましいものではない。そこで、硬質皮
膜3は、表面を研磨して、表面粗さを低下させる必要が
あり、表面粗さを0.5 μmRa以下に調整することが望
ましい。この程度の表面粗さであれば、皮膜の破壊及び
脱落等を防止するのに十分な効果が得られ、短時間で達
成できるからである。
【0016】次に、本発明の上記実施の形態に係るスポ
ット溶接用裏当材の製造方法の具体例について説明す
る。図3に示すS45C製の角柱体の素材7を準備す
る。この素材7の上面部を凹曲面状に加工して、図4
に示すように、上面にドアDの凸曲面Sに合わせた凹曲
面2aを有する裏当材本体2を作製する。プラズマ溶
射被覆法により、裏当材本体2の凹曲面2a全体にCr
3 2 /25NiCrを溶射し、約150 μmの厚さの硬質
皮膜3を作製し、該硬質皮膜3によって凹曲面2a全体
をほぼ均一に覆う。硬質皮膜3の表面を研磨し、表面
粗さを0.5 μmRa以下に仕上げて上向き受面4を形成
する。
【0017】本発明の上記実施の形態に係るスポット溶
接用裏当材を使用したスポット溶接の試験例について説
明する。図1において、スポット溶接用裏当材1の硬質
皮膜3の上向き受面4上にドア外板D2を下側にしてド
アDの曲面形状の継手部Jを載せ、陰極をドア内板D1
に接続した電源8の陽極に溶接用電極9を接続する。溶
接時の加圧力を250 kgとし、溶接電流値7000A、通電
時間10サイクルでスポット溶接を行った。
【0018】その結果、クロム銅合金の裏当材の場合、
700 ショット毎に上面部の研磨、裏当材の取付け位置の
再調整が必要であった。これに対し、本発明に係る裏当
材1の場合、同一の溶接条件において、20000 ショット
後も上面部の研磨、裏当材1の取付け位置の再調整、ド
アDの補修が全く不要であった。
【0019】本発明の上記実施の形態の場合、予め金属
製の裏当材本体2の上面を目的の形状に加工した後に、
溶射被覆法により硬質皮膜3を作製するので、硬質皮膜
3の表面も目的の形状を保つことができ、曲面をもつよ
うな複雑な形状の裏当材を簡単に作製できるという効果
がある。
【0020】また、セラミックス材料によって硬質皮膜
3を作製すれば、摩耗し難いため、メンテナンスフリー
となってコスト低減を図ることができる。さらに、溶射
皮膜3はセラミックスの焼結体よりも硬度が低いので、
後加工も可能であり、セラミックスの体積が必要最小限
であるため、機械的信頼性が向上するという利点があ
る。
【0021】なお、本発明は、上記実施の形態によって
限定されるものではなく、その要旨から逸脱しない範囲
で種々の変形が可能である。例えば、自動車のドア以外
で美的外観を要する溶接部品を対象とする場合にも適用
することができ、裏当材本体の材質を機械構造用炭素鋼
以外の金属としてもよい。
【0022】
【発明の効果】本発明は、裏当材本体が金属材料からな
り、該裏当材本体の上面部には被溶接物の接触曲面に全
面的に接触する上向き受面を有し耐摩耗性及び耐熱性に
優れた硬質皮膜を溶射被覆法によって作製したことによ
り、裏当材の耐摩耗性が向上し、長期間に亘って被溶接
物の変形を防止することができる。それによって被溶接
物の研磨手直し及び裏当材のメンテナンス作業が不要と
なるため、溶接工程の設備稼働率が向上し、製造コスト
の削減を図ることができるという効果を奏する。また、
裏当材本体の上面部を、対応する被溶接物の接触曲面に
合わせた形状に予め加工した後に、硬質皮膜を溶射被覆
法によって作製したことにより、上向き受面が被溶接物
の接触曲面の形状に合致するので、被溶接物の変形を確
実に防ぐことが可能となる。さらに、硬質皮膜の上向き
受面の表面粗さが0.5 μmRa以下に調整されることに
より、被溶接物の傷付きを防止することができ、溶接後
の研磨手直しが全く不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るスポット溶接用裏当
材の使用状態を示す概略構成側断面図である。
【図2】図1のスポット溶接用裏当材を拡大して示した
側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るスポット溶接用裏当
材の製造方法を説明するための要部側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るスポット溶接用裏当
材の製造方法を説明するための要部側面図である。
【図5】従来のスポット溶接用裏当材の使用状態を示す
概略構成側断面図である。
【図6】従来の別のスポット溶接用裏当材の使用状態を
示す概略構成側断面図である。
【符号の説明】
D ドア(被溶接物) J 継手部 S 凸曲面(接触曲面) 1 スポット溶接用裏当材 2 裏当材本体 2a 凹曲面(上面部) 3 硬質皮膜 4 上向き受面 7 素材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−128177(JP,A) 特開 平3−234394(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 11/11,11/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スポット溶接の対象となる被溶接物を支
    持する裏当材本体を備えたスポット溶接用裏当材の製造
    方法において、前記裏当材本体が曲面加工容易な金属材
    料からなり、該裏当材本体の上面部を対応する被溶接物
    の接触曲面に合わせた形状に予め加工し、前記裏当材本
    体の上面部耐摩耗性及び耐熱性に優れた硬質皮膜を溶
    射被覆法によって作製し、該硬質皮膜には前記被溶接物
    の接触曲面に全面的に接触する上向き受面を形成したこ
    とを特徴とするスポット溶接用裏当材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記被溶接物に接触する前記硬質皮膜の
    上向き受面の表面粗さが 0.5 μmRa以下に調整されて
    いることを特徴とする請求項1に記載のスポット溶接用
    裏当材の製造方法。
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