JP3520490B2 - Icカード - Google Patents

Icカード

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JP3520490B2
JP3520490B2 JP28163296A JP28163296A JP3520490B2 JP 3520490 B2 JP3520490 B2 JP 3520490B2 JP 28163296 A JP28163296 A JP 28163296A JP 28163296 A JP28163296 A JP 28163296A JP 3520490 B2 JP3520490 B2 JP 3520490B2
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詰 明 男 橋
藤 芳 廣 斎
北 亮 田
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Hokuetsu Paper Mills Ltd
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JAPAN ENGINEERING CORPORATION
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICカードに関
し、さらに詳しく焼却可能で割れやカールを発生しにく
く、表面平滑性、チップの耐剥離強度、印刷適性、耐熱
及び意匠性にも優れ、さらに難燃性に優れたICカー
ドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ICカードとしては、PVC、ポ
リカーボネイト、ABS等のプラスチック材料を基板と
し、該基板にチップを埋め込んだものが使用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、プラスチッ
ク材料を基板としたICカードは、 (1)その製造工程において、基板にチップをホットメ
ルト接着等で固着する際に、基板が熱損傷を受けやす
い。 (2)使用時に基板が欠けたり割れたりしやすく、欠け
や割れを生じたICカードを使用すると手を傷付けやす
く危険である。 (3)使用済みとなったICカードを焼却処理すること
ができない。即ち、基板であるプラスチック材料に起因
する焼却時の排ガス及び焼却炉の損傷の問題のために、
事実上、焼却処理することができない。などの難点があ
った。
【0004】本発明者等は、かかる難点を解決すべく鋭
意検討したところ、特定の厚さを有するバルカナイズド
・ファイバーを所定の構成で積層・固着せしめてなる所
定厚の積層板を基板とし、該基板の表面に凹部を形成
し、該凹部にチップを埋設・固着することにより、凹部
を形成する際の切削加工性に優れ、基板にチップをホッ
トメルト接着等で固着する際の基板の熱損傷がほとんど
なく、また、印刷適性にも優れ、得られたICカードの
耐割裂性、耐カール性、表面平滑性、チップの耐剥離強
度等が良好で、かつ使用済となったICカードを焼却で
きるというきわめて良好なICカードとすることがで
き、前記した従来のICカードの難点を一気に解消でき
ることをつきとめ、本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るICカード
は、厚さ0.15〜0.4mmのバルカナイズド・ファ
イバーが3層以上、相接しあう層の繊維配向方向が互い
に直角をなして固着した、厚さ0.5〜2mmの積層板
を基板とし、断裁もしくは打抜によってICカードに切
り取る際に該バルカナイズド・ファイバー基板の繊維配
向軸と切り取るICカードの長軸もしくは短軸とが成す
角度の内の小さい方の角度が10〜45度となるように
切り抜くことを特徴とする、該基板の表面に形成された
凹部にチップを埋設・固着したものである。また、前記
固着したバルカナイズド・ファイバーの表裏層はUL規
格V−0合格の難燃性を有するバルカナイズド・ファイ
バーであることを特徴とする。さらに、請求項1又は2
記載のICカードは、基板表面にUV硬化性アンカーコ
ート剤層を形成するとともに該アンカーコート剤層上に
UVオフセット印刷層を形成するものである。さらに請
求項1及び2記載のICカードは、基板表面にUV硬化
性アンカーコート剤層を形成するとともに該アンカーコ
ート剤層上にUVオフセット印刷層を形成することを特
徴とする。
【0006】本発明に係るICカードの基板として使用
するバルカナイズド・ファイバーは、JIS C−23
15に規定されたもの或いはこれに準ずるものであれば
よく、特にその種類は問わない。バルカナイズド・ファ
イバーは、木材又は綿繊維で作られた原紙を塩化亜鉛溶
液に浸漬・積層・水洗・乾燥して板状に仕上げたもの
で、天然繊維質材料としては最も機械的強度に優れ、切
削、打抜き、折曲げ等の加工が可能で、かつ耐衝撃性、
耐摩耗性、耐油性、電気絶縁性等にも優れた材料であ
る。
【0007】本発明に係るバルカナイズド・ファイバー
により構成された基板は、所定厚さのバルカナイズド・
ファイバーが3層以上、相接し合う層の繊維配向方向が
互いに直角をなして固着した積層板でなければならな
い。単板又は2層積層の場合、或いは3層以上の積層板
であっても相接し合う層の繊維配向方向が互いに直角を
なしていない場合には、基板がカールしやすく、切削、
チップの接着、印刷等の加工工程において支障を来しや
すくなるとともに、ICカードとして使用する際にも、
カード読取り不具合等のトラブルを発生しやすくなる。
なお、基板のカール防止上、積層数を奇数とし積層板断
面の厚さ方向の中央に対し表側と裏側の構成(使用する
バルカナイズド・ファイバーの種類及び厚さ、接着剤の
種類及び使用量など)が対称となるようにするのがより
好ましい。
【0008】ちなみに、従来よりバルカナイズド・ファ
イバーを接着剤を介して積層・固着せしめることが行わ
れているが、かかる方法は工数を増やし、かつ著しいコ
スト増大を招くため、実際には、連続機で単板を製造す
ることが困難な厚さ約3mm以上の厚いバルカナイズド
・ファイバーを製造する場合にしか適用されておらず、
連続機で単板を製造することのできる3mm厚未満、特
に厚さが2mm未満の比較的薄厚のバルカナイズド・フ
ァイバーを製造する場合には適用されない。また、従
来、バルカナイズド・ファイバーを接着剤を介して積層
・固着せしめる場合、各単板の繊維配向方向は互いに平
行になるようになされており、相接し合う層の繊維配向
方向が互いに直角をなすようにして積層・固着せしめる
ことは、工程が複雑になり、歩留も低下するため行われ
ていない。このような状況の中で、0.5〜2mm厚と
いう今までの当業者の常識ではわざわざ接着剤を介して
積層・固着せしめる必要のない領域においてあえて薄厚
のバルカナイズド・ファイバーを接着剤を介して積層・
固着せしめるという方法を本発明では適用し、かつ、相
接し合う層の繊維配向方向を互いに直角にしたところ、
生産効率面では不利となるが、ICカード用基板として
きわめて有用な諸特性を得ることができることを見い出
したのである。
【0009】本発明に係るバルカナイズド・ファイバー
により構成された基板の厚さは、0.5〜2mm、好ま
しくは0.5〜1.5mmである。0.5mm未満で
は、機械的強度が不足し、実用に十分には耐えられな
い。2mm超では、ICカードが厚くなり過ぎ、通常の
ICカード読取り装置に適用できなくなり不適である。
積層に用いるバルカナイズド・ファイバーの1層の厚さ
は、0.1〜1mm、好ましくは0.15〜0.4mm
でなければならない。0.1mm未満では、所定厚さの
基板とするのに要する積層枚数が増加し積層時の作業性
が繁雑化するとともに積層時の接着剤使用量が増加し、
基板中の接着剤含有率が高くなりプラスチック的性質を
帯びるため、得られるICカードが割れやすくなり、焼
却処理にも適さなくなる。1mm超では、3層以上の積
層板としたときの厚さが2mmを超えやすくなり不適で
ある。
【0010】なお、積層に用いるバルカナイズド・ファ
イバーは、必ずしも同一の厚さのバルカナイズド・ファ
イバーを使用する必要はなく、異なる厚さのバルカナイ
ズド・ファイバーを使用してもよい。ただし、極端に厚
さの異なるバルカナイズド・ファイバーを積層した場合
は、たとえ積層数が3層以上で、相接し合う層の繊維配
向方向が互いに直角をなすように固着しても、かかる積
層板による基板はカールを発生しやすくなることがあ
る。従って、厚さの異なるバルカナイズド・ファイバー
を積層する場合には、この点をよく考慮して行わなけれ
ばならない。カール防止効果を最も有効に発揮せしめる
には、積層に用いるバルカナイズド・ファイバーとして
厚さ0.15〜0.4mmのバルカナイズド・ファイバ
ーを選択するのが好ましい。
【0011】また、バルカナイズド・ファイバーとして
難燃性を有するバルカナイズド・ファイバーを用いるこ
とにより、難燃性を有するICカードとすることができ
る。ただし、この場合、難燃性を有するバルカナイズド
・ファイバーは耐割裂性が幾分劣るため、たとえば少な
くとも表裏層のバルカナイズド・ファイバーを難燃性を
有するバルカナイズド・ファイバーとすることで、基板
の優れた耐割裂性を確保しつつ、ICカードの表裏面を
難燃化し、あたかも防炎塗料を塗布するなどしたと同様
な難燃化効果を得ることができる。
【0012】なお、バルカナイズド・ファイバーを難燃
化せしめるには、含リン含窒素有機化合物系難燃剤、縮
合リン酸アルキルエステル誘導体、リン酸グアニジン、
リン酸変性有機スルファミン酸塩、ジシアンジアシドフ
ォルムアルデヒドとリン酸第2アンモニウムのエステ
ル、モノメチロールジシアンジアシドリン酸エステル等
の水溶性難燃剤の少なくとも1種類を含む難燃剤水溶液
に水洗後の水分含有率が飽和状態の段階もしくは乾燥工
程初期の段階のバルカナイズド・ファイバーを浸漬し、
前記薬剤をバルカナイズド・ファイバー中に含有せしめ
たり、原紙の中に、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウムなどの含水無機化合物あるいは塩化ビニリデン、
塩化ビニール、塩素化ポリエチレン等の難燃性の熱可塑
性合成樹脂繊維を配合せしめるなどすればよい。
【0013】本発明のICカードを製造するに際し、ま
ず本発明に係るバルカナイズド・ファイバーにより構成
された基板を製造するには、たとえば、所定の厚さのバ
ルカナイズド・ファイバーを0.5〜1m角程度の正方
形に断裁し、この所定枚数を相接し合う層の繊維配向方
向が互いに直角をなすように接着剤を介して積層し固着
せしめればよい。
【0014】接着剤としては、フェノール系、メラミン
系、尿素系、尿素・メラミン系、エポキシ系、酢酸ビニ
ル系、エチレン酢酸ビニル系、ウレタン系、アクリル
系、クロロプレン系、合成ゴム系などの従来慣用の接着
剤の中から適宜選択すればよいが、フェノール系、メラ
ミン系、尿素系、尿素・メラミン系、エポキシ系などの
熱硬化性樹脂を用いて、熱圧プレスにより、該接着剤を
硬化せしめて固着せしめる方法が、得られる基板に十分
な剥離強度、耐熱性及び耐水性を付与する上で最も好ま
しい。このようにして得たバルカナイズド・ファイバー
積層板を所定寸法に断裁もしくは打抜くことにより本発
明に係るバルカナイズド・ファイバーにより構成された
基板が得られる。この際、バルカナイズド・ファイバー
積層板の繊維配向軸と断裁もしくは打抜によって得られ
る基板の長軸もしくは短軸とが成す角度の内の小さい方
の角度が10〜45度となるようにすると、基板の異方
性を最小限にとどめカールの発生をさらに押えることが
できる。
【0015】次いで、得られた基板に、切削機でチップ
埋設用の凹部を形成せしめ、該凹部にホットメルト接着
等によってチップを固着せしめることにより本発明のI
Cカードが得られる。また、基板表面に印刷を施すこと
により、意匠性に優れたICカードとすることができ
る。なお、各種印刷方法について試験した結果、本発明
に係るバルカナイズド・ファイバーにより構成された基
板表面に印刷を施す場合、該基板表面に、まず、UV硬
化性アンカーコート剤層を設け、しかる後にUVオフセ
ット印刷すると印刷面品質が一段と向上し、一層意匠性
に優れたICカードを得ることができることがわかっ
た。
【0016】
【実施例】次に本発明を以下の実施例に基づいてさらに
具体的に説明する。本実施例中の各項目の測定は次の方
法によった。 チップ埋設用凹部の切削加工性...切削加工部位の
状態を目視観察し、 〇 毛羽立ち、欠け等の発生がなく良好。 △ わずかに毛羽立ち、欠け等の発生がある。 × 毛羽立ち、欠け等が発生する。 で評価した。
【0017】チップの接着適正...接着後の基板裏
面の状態を目視観察し、 〇 膨れ、窪み、変色等の損傷の発生がなく良好。 △ わずかに毛羽立ち、膨れ、窪み、変色等の損傷の発
生がある。 × 膨れ、窪み、変色等の損傷が発生する。 で評価した。
【0018】耐割裂性...ISO 7816−1に
規定される繰返し曲げ試験を行い、割れ、折れ等の不具
合が発生するまでの繰り返し回数により、 ◎ 1500回以上 〇 1000〜1499回 △ 700〜999回 × 699回以下 で評価した。
【0019】耐カール性・・・50℃、95RH%、
24hr加湿後に60℃、24hr乾燥し、その直後に
おいて、ICカードの長辺の一端を水平面上に押し当て
たときに他端が水平面から浮き上がる高さを測定し、該
高さにより、 〇 1mm以下 △ 1mm超2mm以下 × 2mm超 で評価した。
【0020】焼却適正・・・陶磁器製の皿にICカー
ドを乗せ、900℃に調整した電気炉中で焼却した際の
発煙量及び皿への溶融物の付着状態を目視観察し、 ◎ 発煙はほとんどなく、溶融物の付着も全くない。 〇 発煙は少しあるが、溶融物の付着は全くない。 × 発煙及び溶融物の付着共に顕著に認められる。 で評価した。
【0021】実施例1 厚さ0.25mmで1m角のバルカナイズド・ファイバ
ー3枚を、相接し合う層の繊維配向方向が互いに直角を
なすようにして尿素・メラミン系接着剤を介して積層
(接着剤塗布量は固型分で22g/接着層m2 )し、熱
圧プレスにより加熱圧締(温度98℃、圧力20kg/
cm2 、時間60分)して固着せしめて積層板を得た。
次に、該積層板を断裁機にて断裁し8.5cm×5.3
cm厚さ0.8mmの基板を得た。該基板に切削機にて
12mm角、1段目深さ200μm、2段目深さ600
μmの二段構造のチップ埋設用の凹部を形成せしめ、か
かる凹部にホットメルト接着(ポリウレタン系接着剤を
使用し、接着剤量は固形分で60g/m2 、加熱条件は
200℃×1秒、加圧条件は1.5kg/cm2 ×1
秒)によって12mm角、厚さ200μmのチップ搭載
済みICチップモジュールの基板であるガラスエポキシ
製モジュールテープ部分を固着せしめICカードAを得
た。
【0022】ただしバルカナイズド・ファイバー積層版
の繊維配向軸と断裁によって得られる基板の長軸とが成
す角度の内の小さい方の角度が30度となるようにし
た。ICカードAの製造工程におけるチップ埋設用凹部
の切削加工性及びチップ接着時耐熱性並びにICカード
Aの耐割裂性、耐カール性及び焼却適性を試験し、その
結果を表1に示した。また、ICカードAの斜視図を図
1に示した。1は基板で、2はチップである。
【0023】実施例2 1m角の0.25mm厚難燃バルカナイズド・ファイバ
ー(含リン含窒素有機化合物系難燃剤をバルカナイズド
・ファイバーの絶乾重量中、固形分で約30重量%含有
せしめたもので、UL規格V−0合格の難燃性を有す
る。)2枚と、実施例1で用いたものと同じ1m角の
0.25mm厚バルカナイズド・ファイバー(以下にお
いて、通常バルカナイズド・ファイバーと言うことがあ
る。)1枚を、難燃バルカナイズド・ファイバーを表裏
層、通常バルカナイズド・ファイバーを中層とし、相接
し合う層の繊維配向方向が互いに直角をなすようにして
実施例1と同様にして積層・固着せしめた以外は実施例
1と同様にしてICカードAと同型のICカードBを得
た。ICカードBの製造工程におけるチップ埋設用凹部
の切削加工性及びチップ接着時耐熱性並びにICカード
Bの耐割裂性、耐カール性及び焼却適性を試験し、その
結果を表1に示した。
【0024】実施例3 実施例1において、基板表面にアンカーコート処理(処
理条件は、UV硬化性アンカーコート剤を中圧水銀灯U
V光源、出力1500Watt、波長200〜380n
m、照射距離約80nmにて、カードを連続的に搬送し
つつ約0.5秒照射)した後にUVオフセット印刷を施
した以外は実施例1と同様にしてICカードAと同型の
ICカードCを得た。ICカードCの製造工程における
チップ埋設用凹部の切削加工性及びチップ接着時耐熱性
並びにICカードCの耐割裂性、耐カール性及び焼却適
性を試験し、その結果を表1に示した。
【0025】比較例1 実施例1において、バルカナイズド・ファイバー積層板
に代えて、1m角の0.8mm厚バルカナイズド・ファ
イバー単板を基板として使用した以外は実施例1と同様
にしてICカードAと同様のICカードDを得た。IC
カードDの製造工程におけるチップ埋設用凹部の切削加
工性及びチップ接着時耐熱性並びにICカードDの耐割
裂性、耐カール性及び焼却適性を試験し、その結果を表
1に示した。
【0026】比較例2 実施例1において、バルカナイズド・ファイバー3層積
層に代えて、1m角の0.4mmバルカナイズド・ファ
イバー2枚を、相接し合う層の繊維配向方向が互いに直
角をなすようにして実施例1と同様にして積層・固着せ
しめた以外は実施例1と同様にしてICカードAと同型
のICカードEを得た。ICカードEの製造工程におけ
るチップ埋設用凹部の切削加工性及びチップ接着時耐熱
性並びにICカードEの耐割裂性、耐カール性及び焼却
適性を試験し、その結果を表1に示した。
【0027】比較例3 実施例1において、バルカナイズド・ファイバー積層板
に代えて、円網4層抄の厚さ0.8mmの板紙を1m角
に断裁したものを基板として使用した以外は実施例1と
同様にしてICカードAと同型のICカードFを得た。
ICカードFの製造工程におけるチップ埋設用凹部の切
削加工性及びチップ接着時耐熱性並びにICカードFの
耐割裂性、耐カール性及び焼却適性を試験し、その結果
を表1に示した。
【0028】比較例4 実施例1において、1m角の0.25mm厚バルカナイ
ズド・ファイバーに代えて、円網4層抄の厚さ0.3m
mの板紙を1m角に断裁したもの3枚を、相接し合う層
の繊維配向方向が互いに直角をなすようにして実施例1
と同様にして積層・固着せしめた以外は実施例1と同様
にしてICカードAと同型のICカードGを得た。IC
カードGの製造工程におけるチップ埋設用凹部の切削加
工性及びチップ接着時耐熱性並びにICカードGの耐割
裂性、耐カール性及び焼却適性を試験し、その結果を表
1に示した。
【0029】比較例5 実施例1において、バルカナイズド・ファイバー積層板
に代えて、0.8mm厚のPVC板を基板として使用し
た以外は実施例1と同様にしてICカードAと同型のI
CカードHを得た。ICカードHの製造工程におけるチ
ップ埋設用凹部の切削加工性及びチップ接着時耐熱性並
びにICカードHの耐割裂性、耐カール性及び焼却適性
を試験し、その結果を表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】実施例1〜3、比較例1〜5及び表1か
ら、本発明に係るICカードは、ICカードの製造工程
におけるチップ埋設用凹部の切削加工性及びチップ接着
時耐熱性並びにICカードの耐割裂性、耐カール性及び
焼却適性のすべての評価項目において優れていることが
わかる。なお、焼却できるという点においては、基板と
して通常の板紙を用いても目的を達せられるが、比較例
3あるいは比較例4で得たICカードFあるいはICカ
ードGは、手で簡単に引裂ける程度の強度しかなく、こ
の点からも実用に供し得るものではない。
【0032】一方、実施例1、実施例2または実施例3
で得た本発明にかかるICカードA、ICカードBまた
はICカードCは、従来のプラスチック製基板のICカ
ードと同等の強度を有するとともに、基板が天然繊維質
材料を主成分とするバルカナイズド・ファイバーの積層
・固着構成となっているため、プラスチック材料にはな
い柔軟性があり、プラスチック製基板のICカードに比
べ、衝撃に対し欠け、割れ等を発生しにくい。
【0033】
【発明の効果】本発明に係るICカードは、厚さ0.1
5〜0.4mmのバルカナイズド・ファイバーが3層以
上、相接しあう層の繊維配向方向が互いに直角をなして
固着した、厚さ0.5〜2mmの積層板を基板とし、
裁もしくは打抜によってICカードに切り取る際に該バ
ルカナイズド・ファイバー基板の繊維配向軸と切り取る
ICカードの長軸もしくは短軸とが成す角度の内の小さ
い方の角度が10〜45度となるように切り抜くことを
特徴とし、該基板の表面に形成された凹部にチップを埋
設・固着せしめることとしたので、チップ埋設用凹部を
形成する際の切削加工性に優れ、基板にチップをホット
メルト接着等で固着する際の基板の熱損傷がほとんどな
く、また、印刷適正及び意匠性にも優れ、得られたIC
カードの耐割裂性、耐カール性、表面平滑性、チップの
耐剥離強度等が良好で、かつ使用済みとなったICカー
ドを焼却することが可能である。
【0034】さらに具体的に説明すれば、 (A)従来のプラスチック材料を基板としたICカード
では、その製造工程において、基板にチップをホットメ
ルト接着等で固着する際に、基板が熱損傷を受けやすか
ったが、本発明に係るICカードでは、耐熱性に優れた
バルカナイズド・ファイバーを基板としているため、か
かる熱損傷を受けることがない。
【0035】(B)従来のプラスチック材料を基板とし
たICカードでは、使用時に基板が欠けたり割れたりし
やすく、欠けや割れを生じたICカードを使用すると手
を傷付けやすく危険であったが、本発明に係るICカー
ドでは、諸強度に優れたバルカナイズド・ファイバーを
用いて所定の積層・固着構成とした積層板を基板として
いるため、耐割裂性に優れ使用時の安全性が高い。
【0036】(C)従来のプラスチック材料を基板とし
たICカードでは、基板であるプラスチック材料に起因
する焼却時の排ガス及び焼却炉の損傷の問題のために、
事実上、焼却処理することができなかったが、本発明に
係るICカードは、天然繊維質材料であるバルカナイズ
ド・ファイバーを用いて所定の積層・固着構成とした積
層板を基板としており、該基板の主構成物質がセルロー
ス繊維を主成分とした天然繊維であるため、プラスチッ
ク材料に特有の焼却時の排ガス及び焼却炉の損傷という
問題を発生する心配がなく安心して焼却処理することが
できる。
【0037】(D)従来のプラスチック材料を基板とし
たICカードには、鉛筆、ボールペン、万年筆等の筆記
具による文字記入が不可能であるため、ICカード使用
上不可欠であるICカード所有者(使用者)特定の為の
署名欄を、プラスチックカード裏面に貼り付ける紙様資
材と工程が必要であったが、本発明にかかるICカード
では、基板自体が良好な記入適性を有するため、かかる
署名欄形成の為の資材と工程を必要としない。
【0038】(E)従来のプラスチック材料を基板とし
たICカードでは、耐熱温度は90℃程度であり、10
0℃以上の耐熱性を求められるGSM仕様携帯電話用I
Cカード製造に問題があったが、本発明に係るICカー
ドでは、基板は比較的短時間の処理においては200℃
以上の耐熱性があり、問題なく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るICカードの斜視図である。
【符号の説明】
1 基板 2 チップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G06K 19/077 G06K 19/00 K (72)発明者 斎 藤 芳 廣 新潟県長岡市西蔵王3−5−1 北越製 紙株式会社研究所内 (72)発明者 田 北 亮 福岡県豊前市大村23 日本エンジニアリ ング株式会社本社内 (56)参考文献 特開 昭60−15786(JP,A) 特開 平7−32775(JP,A) 特開 平6−287449(JP,A) 特開 平7−311937(JP,A) 実開 昭61−92599(JP,U) 実公 平3−57138(JP,Y2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ0.15〜0.4mmのバルカナイ
    ズド・ファイバーが3層以上、相接しあう層の繊維配向
    方向が互いに直角をなして固着した、厚さ0.5〜2m
    mの積層板を基板とし、断裁もしくは打抜によってIC
    カードに切り取る際に該バルカナイズド・ファイバー基
    板の繊維配向軸と切り取るICカードの長軸もしくは短
    軸とが成す角度の内の小さい方の角度が10〜45度と
    なるように切り抜くことを特徴とする、該基板の表面に
    形成された凹部にチップを埋設・固着したICカード
  2. 【請求項2】 前記固着したバルカナイズド・ファイバ
    ーの表裏層はUL規格V−0合格の難燃性を有するバル
    カナイズド・ファイバーであることを特徴とする請求項
    1記載のICカード。
  3. 【請求項3】 基板表面にUV硬化性アンカーコート剤
    層を形成するとともに該アンカーコート剤層上にUVオ
    フセット印刷層を形成することを特徴とする請求項1又
    は2記載のICカード。
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