JP4759020B2 - 化粧板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は化粧板の製造方法に関する。
メラミン樹脂を用いた熱硬化性樹脂高圧化粧板はその優れた意匠性、耐熱性、耐熱水性、耐摩耗性、耐汚染性、高い表面硬度から洗面カウンター、机、流し台などの水平面や、壁面、間仕切りパネルなどの垂直面に以前より使用されている。この熱硬化性樹脂高圧化粧板は、一般にメラミン樹脂化粧層とフェノール樹脂コア層とからなり、化粧層の耐摩耗性が要求される場合にはオーバーレイ層が形成されている。オーバーレイ層は、オーバーレイ原紙としてα−セルロース成分の多い木材パルプ繊維が用いられている。坪量は、化粧層の絵柄を鮮明にする必要から主に坪量13〜40g/mの原紙が用いられ、化粧紙は坪量80〜140g/mの遮蔽性のあるチタン紙あるいは印刷された原紙が通常用いられる。
特開2004−314496号公報 特公平5−64104号公報 特許第2536853号 特開2001−270063号公報 特許第3904448号
しかしながら、熱硬化性樹脂高圧化粧板は、耐強酸性薬品、屋外耐候性に劣り、また前記オーバーレイ層を形成することにより、化粧層が濃色であると見る角度によっては白っぽくなり、柄の鮮明性、深み高級感に欠け、指紋等汚れの付着が目立ちやすくなる欠点があった。これらを解決する方策として、メラミン樹脂を含浸した木材パルプ繊維オーバーレイの代わりに、活性エネルギー線硬化樹脂を用いたオーバーレイおよび意匠性を有する活性エネルギー線硬化樹脂層を表面層に形成する試みがなされている。(特許文献1,2,3,4、5)
しかしながら特許文献1,2,3、4においては、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を直接硬化性樹脂含浸紙表面に塗布し活性エネルギー線にて硬化一体化した後、基材とともに熱圧成形しているため、活性エネルギー線硬化時の樹脂の硬化収縮により硬化性樹脂含浸紙の凹凸地合いが出易く、成形品の表面フラット性、意匠性に欠ける。また、含浸紙表面に塗布した活性エネルギー線樹脂の硬化収縮によりカールが大きく発生するため、硬化性樹脂含浸紙の破壊、枚葉プレス成形の際、プレス熱板への挿入が困難になる等、ハンドリング性に欠けるものであった。
さらに特許文献5においては支持フィルム上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布した後、活性エネルギー線を照射、硬化せしめて転写層を形成し、転写シートと熱硬化性樹脂含浸紙とをその転写層が前記熱硬化性樹脂含浸紙に当接するように積層し、加熱加圧プレス機により一体成形した後、前記転写シートの支持フィルムを剥離する化粧板の製造方法が示されている。しかしながら支持フィルムに塗布した活性エネルギー線樹脂の硬化収縮により転写シートのカールが大きく発生するため、枚葉プレス成形の際、プレス熱板への挿入が困難になる等、ハンドリング性に欠けるものであった。またこれらの化粧板成形時には、支持フィルムを付けたままでの熱圧成形となるため、金型エンボスの再現性がメラミン樹脂等を含浸した木材パルプ繊維オーバーレイを単独使用したものと比較して劣ったものであった。
すなわち、木目柄化粧板の木目導管凹エンボスを附型する際、熱板側導管凸エンボスの細部が、支持フィルムの作用により製品に附型されずシャープな導管エンボスを得ることができなかった。また支持フィルムを剥離し、活性エネルギー線硬化樹脂を分離した後、活性エネルギー線硬化樹脂と硬化性樹脂含浸紙を積層し、加熱加圧機により一体成形する方策も考えられるが、活性エネルギー線硬化樹脂の硬度が高い場合、支持フィルムを剥離する際、活性エネルギー線硬化樹脂フィルムにクラックが発生し破壊するため、工業的な生産は不可能であった。
以上の課題に鑑み、鋭意研究の結果、本発明者らは、表面に近い方から硬度が高くなるように硬度勾配を設けた電子線硬化樹脂フィルムを、特定の材料および製造法を用いることで作製し、これらのフィルムを、熱硬化性樹脂を含浸または塗布した化粧層上に当接し、熱圧成形し一体化してなる化粧板およびこれら化粧板の製造方法を見出し、本発明に至った。
本発明の効果は、熱硬化性樹脂高圧化粧板の優れた意匠性、耐熱性、耐熱水性、耐摩耗性、耐汚染性、高い表面硬度を有し、さらに高度な意匠性、屋外耐候性、耐強酸性および耐汚染性を有する化粧板および化粧板の製造方法を提供するものである。
本発明で用いる電子線硬化樹脂組成物は、分子中に重合性不飽和結合を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又は単量体などからなる。電子線硬化樹脂フィルムは支持プラスチックフィルムに硬化後の硬度が上層側に向けて徐々に高くなるように硬度に勾配を設けて製造される。このように硬度に勾配を設けることにより、高い表面硬度を発現でき、かつ硬化後のフィルムにクラックが入りフィルムが破壊するのを防止することができる。
電子線硬化樹脂組成物の具体例としては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等による不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等によるメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等によるアクリレート類等が挙げられる。
また、単量体の具体例としては、スチレン、α・メチルスチレン等によるスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等によるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル等によるメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N、N−ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸−2−(N、N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N、N−ジベンジルアミノ)エチル、メタクリル酸−2−(N、N−ジメチルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N、N−ジエチルアミノ)プロピル等による不飽和酸の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等による不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1、6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等のジアクリレート化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等による多官能性化合物、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等による分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物等が挙げられる。
電子線硬化樹脂組成物に添加可能なその他の成分としては、紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系光安定剤、酸化防止剤、レべリング剤、耐摩耗性付与剤、抗菌防カビ剤、願料もしくは染料等を目的とする化粧板の最終物性に悪影響しない範囲で添加することができる。
支持フィルムとなるプラスチックフィルムには、各種プラスチックフィルムを用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステルフィルム、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリメチルペンテン(TPX)などのポリオレフィンフィルム、ナイロンに代表されるポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂系フィルム、フッ素樹脂系フィルムなどを挙げることができる。これらのうち、安価であり、機械的強度、寸法安定性、表面平滑性などが優れるポリオレフィンフィルムや、ポリエステルフィルムが特に好ましい。
支持フィルムへの電子線硬化樹脂組成物は、例えばグラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ダイコート法、ブレードコート法、リバースロールコート法など各種の方法を用いることができ、塗膜は厚さ1〜350μm程度で複数回、塗布するまた、一方の支持フィルム塗膜の最下層には硬化性樹脂を含浸または塗布したシートとの密着性を向上させるためウレタン樹脂等のプライマーを塗布する。
熱硬化性樹脂を含浸または塗布した化粧層の一例を挙げると、酸化チタン及び/又は顔料を抄き込んだパターン原紙に、必要に応じて印刷を施し、熱硬化性樹脂からなる樹脂液を含浸し乾燥したもので、用いる熱硬化性樹脂としては、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが挙げられるが、耐熱性、紙間強度、耐水性、耐変色性などの諸物性に優れ、含浸紙表面べたつきが少なくハンドリング性に優れるアミノ−ホルムアルデヒド樹脂がとりわけ好ましい。
アミノ−ホルムアルデヒド樹脂は、アミノ化合物、例えばメラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどとホルムアルデヒドを反応させた初期縮合物のほか、メチルアルコール、ブチルアルコールなどの低級アルコ−ルによるエ−テル化、パラ−トルエンスルホンアミドなどの可塑化を促す反応性変性剤で変性されたものが適用でき、前記アミノ樹脂はホルムアルデヒド対アミノ樹脂のモル比は1.2〜3.0、好ましくは1.5〜2.5の条件で合成されたものである。中でも耐久性に優れるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。含浸率は数1で示される算出方法で80〜180%であればよい。
Figure 0004759020
コア材として用いることが可能なものとしては、合板、MDF、パーティクルボードなどの木質系基材や、ケイカル板、セメントフレキ板などの無機質基材、無機繊維基材に熱硬化性樹脂成分と無機充填剤からなるスラリーを含浸させたプリプレグ、クラフト紙にフェノール樹脂のような熱硬化性樹脂からなる樹脂液を含浸して、乾燥させた樹脂含浸コア紙、アルミニウム板、鋼板などが挙げられ、加工性、ハンドリング性などの面からフェノール樹脂を用いた、フェノール樹脂含浸コア紙が使用される。
フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とをフェノール性水酸基1モルに対してアルデヒド類を1〜3モルの割合で塩基性触媒下或いは酸性触媒下にて反応させて得られるもので、フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、オクチルフェノール、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどが挙げられ、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グリオキザールなどが挙げられる。また、必要に応じてパラ−トルエンスルホンアミド、桐油、燐酸エステル類、グリコール類などの可塑化を促す変性剤で変性されたものも適用でき、塩基性触媒としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、及びマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物、及びトリエチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類、アンモニアが挙げられ、酸性触媒としては、パラトルエンスルホン酸、蟻酸、塩酸などが挙げられる。
コア紙としては坪量150〜300g/m程度のクラフト紙が用いられ、数1で示される算出方法で30〜100%で含浸、乾燥する。
本発明の化粧板は、表面に近い方から硬度が高くなるように硬度勾配を設けた電子線硬化樹脂フィルムの裏面に、メラミン樹脂が含浸または塗布されたシート上に当接されるように積層し、コア材とともに加熱加圧プレスを用いて、温度110〜180℃、圧力0.5〜10MPaの成形条件で熱圧することにより得ることができる。
本発明の具体的な実施の例を以下に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例の態様に限定されない。
表面に近い方から硬度が高くなるように硬度勾配を設けたプライマー層を含む電子線硬化樹脂フィルムの作製法
厚さ50μmの二軸延伸PETフィルム(支持フィルムBと略する)に、ウレタン樹脂系プライマー層としてヒュームドシリカを含有するアクリル系ウレタン樹脂溶液を乾燥13g/mとなるように塗布乾燥した。
次いで支持フィルムBのプライマー塗布面に軟質層としてポリウレタンアクリレート系電子線硬化性樹脂組成物(荒川化学工業株式会社製 ビームセット510:硬化物の表面硬度等軟質品―鉛筆硬度4B)を45g/mとなるように塗布した。
次いで、コーターを使用し、前述の軟質層の上に硬質層としてポリエステルアクリレート系電子線硬化性樹脂組成物(東亜合成株式会社製 アロニックスM8030:、硬化物の表面硬度等硬質品―鉛筆硬度4H)を65g/mとなるように塗布した。
支持フィルムBの電子線硬化性樹脂組成物塗布面に厚さ25μmの艶消し2軸延伸PETフィルム(支持フィルムAと略する)を当接一体化し、フィルムA面より窒素雰囲気下、150Kv、70KGyの電子線を照射して硬化させた後、支持フィルムB、支持フィルムAを分離して、裏面にヒュームドシリカを含有するアクリル系ウレタン樹脂プライマー層、表面に近い方から硬度が高くなるように硬度勾配を設けた電子線硬化樹脂フィルムを得た。プライマー層を含む電子線硬化樹脂フィルムの厚さは93μm(最上層54μm、最下層36μm、プライマー層3μm/各層のみをフィルム上に塗布し、電子線にて硬化させ、厚さを測定)であり、得られた電子線硬化樹脂フィルムのプライマー層面は、べたつきがなくハンドリング性に優れるものであった。
コア材として坪量180g/mクラフト紙に数1で示される含浸率50%のフェノール樹脂含浸コア紙5枚と坪量120g/m白色チタン紙に数1で示される含浸率125%の白色メラミン樹脂含浸パターン紙1枚を重ね、前記の活性エネルギー線硬化樹脂フィルムのプライマー層面をメラミン樹脂含浸パターン紙側に向けて積層し、平滑なステンレス板で上下から挟み、温度140℃、圧力6MPa、時間30分の条件で熱圧成形し、活性エネルギー線硬化樹脂フィルムとメラミン樹脂含浸パターン紙、フェノール樹脂含浸コア紙が一体化された厚さ1.2mmの白色フラットな化粧板を得た。
実施例1のフェノール樹脂含浸コア紙5枚と坪量80g/m濃色木目柄印刷紙に数1で示される含浸率125%の濃色木目柄メラミン樹脂含浸パターン紙1枚を重ね、実施例1の活性エネルギー線硬化樹脂フィルムのプライマー層面をメラミン樹脂含浸パターン紙側に向けて積層した。次いでこの積層物を木目導管凸エンボス(凸部高さ40μm)が付加されたステンレス板のエンボス面側と構成物の活性エネルギー線硬化樹脂フィルム側を当接させ、温度140℃、圧力6MPa、時間30分の条件で熱圧成形し、活性エネルギー線硬化樹脂フィルムとメラミン樹脂含浸パターン紙、フェノール樹脂含浸コア紙が一体化された厚さ1.2mmの濃色木目柄エンボス付化粧板を得た。
コア材としてフェノール樹脂とポリビニルブチラール樹脂混合物(重量比1:1)が46g/m塗布された厚さ0.7mmのボンデ鋼板の塗布面と当接するように実施例2の濃色木目柄メラミン樹脂含浸パターン紙1枚を重ね、実施例1の活性エネルギー線硬化樹脂フィルムのプライマー層面をメラミン樹脂含浸パターン紙側に向けて積層した。次いでこの積層物を木目導管凸エンボス(凸部高さ40μm)が付加されたステンレス板のエンボス面側と積層物の活性エネルギー線硬化樹脂フィルム側を当接させ、温度140℃、圧力6MPa、時間30分の条件で熱圧成形し、活性エネルギー線硬化樹脂フィルムとメラミン樹脂含浸パターン紙、ボンデ鋼板が一体化された厚さ0.9mmの濃色木目柄エンボス付化粧板を得た。
比較例1
厚み25μmの支持フィルムAに、実施例1の硬質層用電子線硬化性樹脂組成物(東亜合成株式会社製 アロニックスM8030、硬化物の表面硬度等硬質品―鉛筆硬度4H)を65g/mとなるように塗布した
次いで、実施例1の白色メラミン樹脂含浸パターン紙と支持フィルムAの電子線硬化性樹脂組成物塗布面を当接一体化し、支持フィルム面より窒素雰囲気下、150Kv、70KGyの電子線を照射して硬化させた後、支持フィルムAを分離して、電子線硬化樹脂と白色メラミン樹脂含浸パターン紙を一体化した。得られた一体品はカールが大きくかつ脆く破壊し易いハンドリング性の悪いものであった。
さらに、実施例1のフェノール樹脂含浸コア紙5枚と前記の一体品1枚を含浸紙側が当接するよう重ね、平滑なステンレス板で上下から挟み、温度140℃、圧力6MPa、時間30分の条件で熱圧成形し、電子線硬化樹脂とメラミン樹脂含浸パターン紙、フェノール樹脂含浸コア紙が一体化された厚さ1.2mmの化粧板を得た。
比較例2
支持フィルムBに、実施例1と同様のプライマー溶液を乾燥13g/mとなるように塗布乾燥した。
次いで、支持フィルムBのプライマー塗布面に実施例1の硬質層用電子線硬化性樹脂組成物(東亜合成株式会社製 アロニックスM8030、硬化物の表面硬度等硬質品―鉛筆硬度4H)を65g/mとなるように塗布した。
支持フィルムBの電子線硬化性樹脂組成物塗布面と支持フィルムAを当接し一体化し、フィルムA面より窒素雰囲気下、200Kv、70KGyの電子線を照射して硬化させた後、支持フィルムBを分離しプライマーを電子線硬化樹脂フィルム側に転写させた。
プライマー層を含む電子線硬化樹脂フィルムの厚さは57μm(電子線硬化樹脂層54μm、プライマー層3μm)であった。
支持フィルムAと電子線硬化樹脂フィルムの分離は電子線硬化樹脂フィルムが脆く破壊するため不可能であった。
また支持フィルムAが付いた状態ではカールが大きく、ハンドリングが困難であった。
実施例3のボンデ鋼板の塗布面とを当接するように実施例2の濃色木目柄メラミン樹脂含浸パターン紙1枚を重ね、前記の支持フィルムAが付いた電子線硬化樹脂フィルムのプライマー転写面をメラミン樹脂含浸パターン紙側に向けて積層した。
これらの積層物を実施例3と同様の条件で熱圧成形し、次いで支持フィルムAを剥離し、電子線硬化樹脂フィルムとメラミン樹脂含浸パターン紙、ボンデ鋼板が一体化された厚さ0.9mmの濃色木目柄エンボス付化粧板を得た。
比較例3
坪量23g/mのメラミン化粧板用オーバーレイ原紙に数1で示される含浸率260%のメラミン樹脂含浸オーバーレイ紙1枚、実施例2の濃色木目柄メラミン樹脂含浸パターン紙1枚、実施例1のフェノール樹脂含浸コア紙5枚を積層し、実施例2と同様の条件にて熱圧成形し、厚さ1.2mmの濃色木目柄エンボス付メラミン樹脂化粧板を得た。
比較例4
支持フィルムBに、プライマー層として実施例1と同様のプライマー溶液を乾燥13g/mとなるように塗布乾燥した。
次いで支持フィルムBのプライマー塗布面に軟質層として実施例1の電子線硬化性樹脂組成物((荒川化学工業株式会社製 ビームセット510):硬化物の表面硬度等軟質品―鉛筆硬度4B)を9g/mとなるように塗布した。
次いで、コーターを使用し、実施例1の硬質層用電子線硬化性樹脂組成物(東亜合成株式会社製 アロニックスM8030):硬化物の表面硬度等硬質品―鉛筆硬度4H)を12g/mとなるように塗布した。
支持フィルムBの電子線硬化性樹脂組成物塗布面と支持フィルムAを当接し一体化し、支持フィルムA面より窒素雰囲気下、200Kv、70KGyの電子線を照射して硬化させた後、支持フィルムBを分離しプライマーを電子線硬化樹脂フィルム側に転写させた。裏面にアクリルウレタン樹脂系プライマー層が形成され表面に近い方から硬度が高くなるように硬度勾配を設けた電子線硬化樹脂フィルムを得た。
プライマー層を含む電子線硬化樹脂フィルムの厚さは20μm(最上層10μm、最下層7μm、プライマー層3μm)であった。
支持フィルムAと電子線硬化樹脂フィルムの分離は電子線硬化樹脂フィルムが薄く、破壊するため不可能であった。
実施例3のボンデ鋼板の塗布面に、実施例2の濃色木目柄メラミン樹脂含浸パターン紙1枚が当接するように重ね、前記の支持フィルムAが付いた電子線硬化樹脂フィルムのプライマー転写面をメラミン樹脂含浸パターン紙側に向けて積層し、実施例3と同様の条件にて熱圧成形した。
次いで支持フィルムAを剥離し、電子線硬化樹脂フィルムとメラミン樹脂含浸パターン紙、ボンデ鋼板が一体化された厚さ0.8mmの濃色木目柄エンボス付化粧板を得た。
比較例5
実施例1において、支持フィルムBに、プライマー層としてヒュームドシリカを含有しないアクリル系ウレタン樹脂溶液を乾燥後3g/mとなるように塗布乾燥した以外、同様にして裏面にヒュームドシリカを含有しないアクリル系ウレタン樹脂系プライマー層が形成された、表面に近い方から硬度が高くなるように硬度勾配を設けた電子線硬化樹脂フィルムを得た。得られた電子線硬化樹脂フィルムのプライマー層面は、べたつきがありハンドリング性に劣るものであった。
さらに、前記電子線硬化樹脂フィルムを用い、実施例1と同様の方法により、電子線硬化樹脂フィルムとメラミン樹脂含浸パターン紙、フェノール樹脂含浸コア紙が一体化された厚さ1.2mmの白色フラットな化粧板を得た。表1に評価結果を示す。
Figure 0004759020
試験方法
(1)60°光沢度の測定
村上色彩技術研究所製携帯光沢計GMX−102を用い、測定した。
(2)鉛筆硬度の測定
JIS K 5600−5−4(1999年版)の規定に基づいて行った。測定装置は,株式会社東洋精機製作所製の鉛筆引掻塗膜硬さ試験機(形式P)を用いた。
(3)密着性
JIS K 5400に準じ,碁盤目試験により,密着性の評価を行った。
具体的には,表面に1mm角の碁盤目を100個作り,この上にセロハンテープを張り付け,90度の角度で素早く剥がし,残った碁盤目を数え,100/100を○とした。
(4)耐煮沸性;JIS K 6902;1998(熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方法)により実施し、異常のないものを○とした。
(5)耐摩耗性;JIS K 6902;1998(熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方法)により実施した。
(6)耐熱性;JIS K 6902;1998(熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方法)により実施した。
(7)不燃性;ISO5660準拠したコーンカロリーメーターによる20分試験の発熱性試験。評価方法において総発熱量が8MJ/m以下であり、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えておらず、試験後の試験体において裏面まで貫通する割れ、ひび等がない場合を○とした。この3条件を一つでも満たさないものを×とした。
(8)耐シガレット性;着火したたばこを直接接触させもみ消した後目視にて、外観の異常の有無を確認した。
(9)指紋付着性;実指紋による評価。化粧板表面に実際に指紋を付着させ目視にて確認する。
(10)油性マーカー拭き取り性;油性マーカーにて筆記後アセトン拭き取り、目視にて外観を確認し、油性マーカー跡が残らないものを○とした。
(11)耐強酸性;35%塩酸を表面に付着させ時計皿でカバーし、24時間放置。その後水洗い乾燥後の目視にて、外観の異常の有無を確認した。
(12)サンシャインウエザーメーターにて2000時間処理後、外観を目視にて確認した。サンシャインウエザーメーターは、スガ試験機株式会社製 S300型を用いた。
化粧板構成断面図。
符号の説明
電子線硬化樹脂フィルム
電子線硬化樹脂硬質層
電子線硬化樹脂軟質層
4 プライマー層
メラミン樹脂含浸化粧層
6 コア材
7 化粧板

Claims (3)

  1. 支持フィルムにプライマー層を形成し、電子線硬化樹脂組成物からなる軟質層と、電子線硬化樹脂組成物からなる硬質層をこの順に塗布し、電子線を照射して前記電子線硬化樹脂組成物を硬化させた後、前記支持フィルムを剥離して表面フィルムを得た後、前記表面フィルムのプライマー層側を、メラミン樹脂が含浸または塗布されたメラミン樹脂含浸紙側に当接するとともに、前記メラミン樹脂含浸紙側にはコア材を当接して積層し、熱圧一体化することを特徴とする化粧板の製造方法。
  2. 前記電子線硬化樹脂フィルムの最上層の硬質層の鉛筆硬度が2H以上であり、前記電子線硬化樹脂フィルムの最下層の軟質層の鉛筆硬度がB以下であることを特徴とする請求項記載の化粧板の製造方法。
  3. 前記プライマー層が、シリカを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の化粧板の製造方法。
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