JP3519851B2 - ポリプロピレン系成形品用の防眩塗料 - Google Patents

ポリプロピレン系成形品用の防眩塗料

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JP3519851B2 JP02328996A JP2328996A JP3519851B2 JP 3519851 B2 JP3519851 B2 JP 3519851B2 JP 02328996 A JP02328996 A JP 02328996A JP 2328996 A JP2328996 A JP 2328996A JP 3519851 B2 JP3519851 B2 JP 3519851B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【技術分野】本発明は,自動車用インストルメントパネ
ル等の内装品に塗布するためのポリプロピレン系成形品
用の防眩塗料に関する。 【0002】 【従来技術】従来,ポリプロピレン系成形品よりなる自
動車用インストルメントパネル等の内装品に塗装される
一液型の防眩塗料は,バインダーである基本樹脂に,シ
リカ,珪藻土,アルミナ,炭酸カルシウム,アクリル樹
脂粉砕微粉末等の艶消し顔料及び着色顔料を添加する構
成となっている。上記基本樹脂としては,一般的に,塗
膜の耐久性を得るためのアクリル樹脂,ポリプロピレン
系成形品との付着性を得るためのポリオレフィン樹脂を
塗料安定性を得るために塩素化した塩素化ポリオレフィ
ン樹脂をブレンドもしくはグラフト重合したものが使用
されている。 【0003】上記防眩塗料をポリプロピレン系成形品に
15〜25μmの標準的な膜厚となるよう塗装し,60
℃雰囲気で約10分間乾燥し,塗膜となす。上記塗膜の
耐光性,耐湿性,付着性等の基本的な物性はおおむね良
好である。また,上記塗膜のJIS Z 8741規格
による60°グロス光沢値(防眩性)は最小で1.7程
度である。この値は,後述する上記インストルメントパ
ネルに要求される60°グロス光沢値の上限を大きく上
回っている。 【0004】なお,上記60°グロス光沢値は,試料面
に規定された入射角で規定の開き角の光束を入射し,鏡
面反射方向に反射する規定の開き角の光束を受光器で測
ることにより得られる。 【0005】 【解決しようとする課題】しかしながら,上記インスト
ルメントパネル等の内装品には,通常,空調,オーディ
オ,ランプ類等の操作スイッチが配置され,手で触れる
ことが多々ある。このため,手に付着した汚れ,特に皮
膚より分泌される油脂分により,インストルメントパネ
ル表面の塗膜が膨潤,剥離するといった問題が生じる。 【0006】上記問題は,軟質のポリプロピレン系成形
品に追従するよう,塗膜に可とう性を持たせたために発
生する。塗膜の硬度を高くすれば油脂汚染には強くな
る,しかし,今度は塗膜より可とう性が失われ,ポリプ
ロピレン系成形品への付着性に問題が生じ,両者の両立
は困難である。また,上記塗膜は艶消し顔料を含有する
ため,塗膜表面には上記艶消し顔料が露出する。上記艶
消し顔料は軟質かつ脆く,容易に変形するおそれがあ
り,よって,上記艶消し顔料が塗膜の硬度を低下させる
おそれがある。このため,スイッチ操作等により上記塗
膜の表面が擦れた場合には,塗膜が大きくキズ付くとい
った問題も生じる。 【0007】更に,上記インストルメントパネルには,
運転席側から見て,入射光によりフロントウィンドウガ
ラスにインストルメントパネル上面の形状が映らないこ
とが要求される。上記要求を満たすためのインストルメ
ントパネルの光沢値は,該インストルメントパネルの上
面の面積,傾き,フロントウィンドウガラスの傾き等に
より値が変化するが,JIS Z 8741規格による
60°グロス光沢値が高くとも1.0程度は必要な場合
がある。 【0008】しかし,塗膜の防眩性を向上させるために
は,艶消し顔料の添加量を増加させる必要がある。しか
し,上記艶消し顔料自身が軟質であるため,一層塗膜の
硬度が低下し,キズが付きやすくなる。また,上記艶消
し顔料そのものが油脂により膨潤するおそれもあり,こ
の場合には,更に塗膜が油脂汚染に弱くなる。 【0009】以上の種々の問題点を解決する手法とし
て,二液混合型ポリウレタン防眩塗料を用いることも提
案されている。しかし,二液混合型の防眩塗料の調製は
手間がかかるため,コストが一液型と比較して高価とな
る。 【0010】本発明は,かかる問題点に鑑み,一液型の
防眩塗料であって,従来と同様の条件にてポリプロピレ
ン系成形品に塗布可能であり,従来と同程度の塗膜物性
を保持しており,かつ優れた油脂汚染防止作用を有する
ポリプロピレン系成形品用の防眩塗料を提供しようとす
るものである。 【0011】請求項1の発明は,塩素化ポリオレフィン
樹脂にアクリル樹脂成分をグラフト重合させたグラフト
重合樹脂に,艶消し顔料及び着色顔料を添加してなるポ
リプロピレン系成形品用の防眩塗料であって,上記グラ
フト重合樹脂が, (A)オレフィン部の塩素量が20〜30%,樹脂全体
の塩素含有量が8〜12%,重量平均分子量が7万〜9
万,変性後のガラス転移点が70〜90℃の塩素化ポリ
オレフィン変性アクリル樹脂と, (B)オレフィン部の塩素量が20〜30%,樹脂全体
の塩素含有量が20〜30%,重量平均分子量が3万〜
4万,変性後のガラス転移点が60〜80℃の塩素化ポ
リオレフィン変性アクリル樹脂とを,3:1〜5:1の
比率で配合したものであり,かつ上記艶消し顔料はウレ
タン結合を有するポリエステルウレタン樹脂をビーズ化
の前段階で合成した硬質ポリウレタンビーズであり,ま
た,上記塩素化ポリオレフィン変性アクリル樹脂(A)
は,上記塩素化ポリオレフィン変性アクリル樹脂(B)
よりもガラス転移点が高いことを特徴とするポリプロピ
レン系成形品用の防眩塗料にある。 【0012】本発明の作用につき,以下に説明する。本
発明の防眩塗料はガラス転移点の異なる少なくとも2種
類のグラフト重合樹脂よりなる。一般にグラフト重合樹
脂はガラス転移点が高くなると共にその硬度も高くな
る。その一方で可とう性が低下し割れやすくなる。従っ
て,本発明の防眩塗料においては,より高いガラス転移
点を有するグラフト重合樹脂が塗膜の硬度と油脂汚染防
止作用を確保する。 【0013】一方,より低いガラス転移点を有するグラ
フト重合樹脂が,可とう性とポリプロピレン系成形品の
表面における付着性,追従性を確保する。従って,本発
明の防眩塗料は,例えば,塗膜の厚みが15〜25μ
m,乾燥条件が60℃雰囲気で約10分間といった従来
と同様の条件でポリプロピレン系成形品に塗布可能であ
り,従来と同程度の塗膜物性を保持しており,その上,
優れた油脂汚染防止作用を有している。 【0014】また,本発明の防眩塗料はアクリル樹脂成
分と塩素化ポリオレフィン樹脂成分とがグラフト重合し
たグラフト重合樹脂を使用している。このため,塗膜組
成の均一化を図ることができる。従って,優れた油脂汚
染の防止作用を得ることができる。また,本発明の防眩
塗料は一液型であり,コスト的にも安価である。 【0015】上記防眩塗料は艶消し顔料を含有してい
る。上記艶消し顔料が防眩塗料における防眩性を確保す
る。上記艶消し顔料としては,シリカ,珪藻土,アルミ
ナ,炭酸カルシウム,アクリル樹脂粉砕微粉末等を使用
することができる。 【0016】本発明の防眩塗料は,高い硬度と高い油脂
汚染防止作用を有する。このため,前述したごとく塗膜
の硬度及び油脂汚染防止作用を低下させるおそれのある
上記艶消し顔料を,より多く添加することが可能とな
る。このため,従来と同程度の塗膜物性を維持しつつ,
塗膜の防眩性を上げることができる。更に,後述の硬質
ポリウレタンビーズを上記艶消し顔料として用いること
により,従来以上の性能を有する防眩塗料を得ることが
できる。 【0017】上記グラフト重合樹脂におけるガラス転移
点を調製する方法としては,アクリル樹脂成分として,
ガラス転移点の高いモノマーを使用することが好まし
い。これにより,塗膜に硬さを付与し,優れた油脂汚染
防止作用を得ることができる。上記ガラス転移点の高い
モノマーとしては,例えば,メタクリル酸メチル,アク
リル酸,スチレン等を使用することができる。また,上
記防眩塗料は着色顔料を含有している。更に,上記防眩
塗料は,例えば,硬質ウレタン樹脂ビーズ,四フッ化エ
チレン樹脂等を含有している。 【0018】 【0019】上記樹脂A及び樹脂Bを使用することによ
り硬い性質と軟らかい性質を合わせ持った強靱な塗膜を
形成させることができる。上記樹脂Aにおいて,オレフ
ィン部の塩素量が20%未満である場合には,塗料の保
存安定性が著しく悪化するおそれがある。一方,30%
よりも多い場合には,ポリプロピレン素材への付着性が
低下するおそれがある。 【0020】また,上記樹脂Aにおいて,樹脂全体の塩
素含有量が8%未満である場合には,塗料の保存安定性
が悪化するおそれがある。一方,12%よりも多い場合
には,ポリプロピレン素材への付着性が低下するおそれ
がある。また,上記樹脂Aにおいて,重量平均分子量
(以下,分子量と省略して記載する。)が7万未満であ
る場合には,油脂汚染性や耐溶剤性が低下するおそれが
ある。一方,9万よりも多い場合には,塗膜の可とう性
が低下するおそれがある。 【0021】また,樹脂Aにおいて,ガラス転移点が7
0℃未満である場合には,塗膜のキズつき性が低下する
おそれがある。一方,90℃よりも高い場合には,塗膜
の耐衝撃性が極端に低下するおそれがある。 【0022】更に,上記樹脂Bにおいて,オレフィン部
の塩素量が20%未満である場合には,塗料の安定性が
低下するおそれがある。一方,30%よりも多い場合に
は,ポリプロピレン素材への付着性および油脂汚染性が
低下するおそれがある。 【0023】また,上記樹脂Bにおいて,樹脂全体の塩
素含有量が20%未満である場合には,塗料の安定性が
低下するおそれがある。一方,30%よりも多い場合に
は,ポリプロピレン素材への付着性および油脂汚染性が
低下するおそれがある。また,上記樹脂Bにおいて,分
子量が3万未満である場合には,油脂汚染性が低下する
おそれがある。一方,4万よりも多い場合には,塗膜の
耐衝撃性が低下するおそれがある。 【0024】また,樹脂Bにおいて,ガラス転移点が6
0℃未満である場合には,塗膜のキズ付き性が低下する
おそれがある。一方,80℃よりも高い場合には,塗膜
の可とう性が低下するおそれがある。 【0025】上記樹脂Aと上記樹脂Bとの混合比率は
3:1〜5:1である上記樹脂B,1に対する上記樹
脂Aの混合比率が3よりも少ない場合には,塗膜のキズ
付き性およびポリプロピレン素材への付着性が低下する
おそれがある。一方,上記樹脂B,1に対する上記樹脂
Aの混合比率が5よりも多い場合には,油脂汚染性が著
しく低下するおそれがある。 【0026】次に,上記防眩塗料は,艶消し顔料を含有
しており,該艶消し顔料はウレタン結合を有するポリエ
ステルウレタン樹脂をビーズ化の前段階で合成した硬質
ポリウレタンビーズである。 【0027】上記硬質ポリウレタンビーズは硬度が高
い。よって,より多量に防眩塗料に対し添加することが
できる。従って,塗膜の硬度を下げることなく,光沢値
を下げることができ,防眩性に優れた防眩塗料を得るこ
とができる。また,上記硬質ポリウレタンビーズは,硬
度が高く,油脂により膨潤し難いため,塗膜の油脂汚染
を防止することもできる。 【0028】 【発明の実施の形態】 実施形態例 本発明の実施形態例にかかるポリプロピレン系成形品用
の防眩塗料につき説明する。本例のポリプロピレン系成
形品用の防眩塗料は,ガラス転移点の異なる樹脂A及び
樹脂Bの2種類のグラフト重合樹脂を混合してなると共
に,上記いずれのグラフト重合樹脂もアクリル樹脂成分
と塩素化ポリオレフィン樹脂成分とをグラフト重合させ
たものである。 【0029】上記樹脂Aは,オレフィン部の塩素量が2
5%,樹脂全体の塩素含有量が10%,分子量が8万,
塩素化ポリオレフィン変性後のガラス転移点が81℃で
ある塩素化ポリオレフィングラフトアクリル樹脂であ
る。上記樹脂Bは,オレフィン部の塩素量が25%,樹
脂全体の塩素含有量が25%,分子量が3万5千,塩素
化ポリオレフィン変性後のガラス転移点が67℃である
塩素化ポリオレフィングラフトアクリル樹脂である。上
記樹脂A,樹脂Bは4:1の比率で配合されている。 【0030】また,上記防眩塗料には,艶消し顔料とし
て,後述する硬質ポリウレタンビーズを,グラフト重合
樹脂(即ち,樹脂A+樹脂Bを合わせたもの)100重
量部に対して,45〜50重量部添加してある。 【0031】次に,上記硬質ポリウレタンビーズの製造
方法につき説明する。まず,ウレタンを硬質化するため
に,その素材であるポリエステルウレタン樹脂の分子量
を高める。そのため,マロン酸,コハク酸,グルタール
酸,アジピン酸,ピメリン酸,コルク酸,アゼライン
酸,セバシン酸等の脂肪族二塩基酸の少なくとも一種
と,エチレングリコール,ジエチレングリコール,プロ
ピレングリコール,ジプロピレングリコール,ヘキサン
ジオール等の脂肪族二価アルコールの少なくとも一種と
を反応させ,分子量500〜3000程度のポリエステ
ルポリオールとなす。 【0032】次いで,上記ポリエステルポリオールを更
に,上述した脂肪族二価アルコールの少なくとも一種
と,キシレンジイソシアネート,ジフェニルメタンジイ
ソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネート,イソ
ホロンジイソシアネート,トリレンジイソシアネート等
のジイソシアネート化合物の少なくとも一種とを用いて
鎖延長反応させる。これにより,分子量4000〜40
000程度のポリエステルウレタン樹脂を得ることがで
きる。 【0033】次に,攪拌機,還流冷却器及び滴下ロート
を有する三つ首フラスコを使用し,攪拌しながら上記ポ
リエステルウレタン樹脂130.5gと,分散助剤の油
変性アルキッド樹脂(ヤシ油変性,油長40%)(フタ
ルキッド133−60〔日立化成工業(株)製〕)1
0.5gとを,分散媒のキシレン743.0gと共に約
85℃に加熱する。これにより,ポリエステルウレタン
樹脂を分散させると共に油変性アルキッド樹脂を溶解す
る。 【0034】次に,イソシアネートとしてコロネートH
L(ヘキサメチレンジイソシアネート:日本ポリウレタ
ン工業株式会社製)68.5g,反応触媒としてナフテ
ン酸亜鉛3.5g(金属含有量6%)及び硬化促進剤と
してジブチル錫ジラウリレートの1%のキシレン溶液1
2.0gを加え,85℃にて2時間反応させる。 【0035】その後,反応停止剤としてプロピレングリ
コールモノメチルエーテル35.0gを加え,85℃に
て1時間維持し,未反応のイソシアネートを除去して,
8〜12μmの粒子径を有する硬質ポリウレタンビーズ
の懸濁液450gを得た。上記懸濁液を濾過することに
より,硬質ポリウレタンビーズを得た。上記硬質ポリウ
レタンビーズは,例えば,特公昭50−8116号に示
されたポリウレタンビーズ等の従来品よりも架橋密度が
大幅に高まり,水酸基価が約210〜220となった。 【0036】次に,上記防眩塗料の各塗膜物性について
測定する。まず,上記防眩塗料を自動車用インストルメ
ントパネルとして使用されるものと同様のポリプロピレ
ン系成形品よりなる試験片に,塗膜厚さが約15〜20
μmとなるよう塗装し,その後常温にて48時間乾燥し
た。これが試験片Yである。一方,同様に塗膜厚さが約
15〜20μmとなるよう塗装し,その後60℃雰囲気
にて10分間乾燥した。これが試験片Zである。なお,
上記塗膜形成の際の乾燥条件は,従来の防眩塗料の使用
の際の乾燥条件とほぼ同一である。 【0037】次に,塗膜物性の測定方法について説明す
る。まず,油脂汚染試験につき説明する。試験を行う塗
膜の表面に牛脂(試薬:関東化学株式会社製)2g/1
00cm2 を塗布し,80℃雰囲気で強制対流のない電
気炉に一週間,上記試験片を放置した。このとき,牛脂
の揮散量を一定に維持するために,試験片の上にネル
(布の一種)を載置した。上記放置の終了後,少量の中
性洗剤を用いて,上記試験片を充分水洗いし,その後,
接着テープ(セロハンテープ)による塗膜剥離試験及び
摩擦試験機による色落ち試験を行った。 【0038】上記塗膜剥離試験は,上記試験片の試験面
全体にセロハンテープを貼着し,その後該セロハンテー
プを引き剥がすことにより行った。一方,上記色落ち試
験は,5枚重ねのガーゼを摩擦子とし,該摩擦子を試験
片の表面にて荷重40.09kPa,ストローク100
mm,200往復させた。その後,上記摩擦子及び試験
片の表面を肉眼観察し,その状況に応じて色落ち性1級
〜5級と判定した。 【0039】上記色落ち性の等級の基準は以下の通りで
ある。 『色落ち性5級』...色落ちなし, 『色落ち性4級』...僅かに色落ちが認められるが,
塗膜表面の色調,光沢の変化は殆どない, 『色落ち性3級』...色落ちが認められる, 『色落ち性2級』...顕著な色落ちが認められる, 『色落ち性1級』...試験片の素地の露出が認められ
る, 【0040】また,上記塗膜剥離試験及び色落ち試験
を,塗膜の乾燥直後の試験片に対して行う,乾布摩擦堅
牢試験を行った。また,上記塗膜の乾燥直後の試験片に
対し,JIS Z 8741規格に基づき60°グロス
光沢値を測定した。 【0041】上記各試験結果につき説明する。上記試験
片Y,Z共に,60°グロス光沢値は0.8であった。
油脂汚染試験における塗膜剥離試験については,両試験
片共に塗膜の剥離が認められなかった。また,油脂汚染
試験における色落ち試験は色落ち性4級以上であった。
更に,上記乾布摩擦堅牢試験においても,塗膜の剥離が
認められず,色落ち性4級以上であった。更に,試験片
の表面に塗膜表面の光沢が変化するほどのキズもつかな
かった。 【0042】以上により,両試験片における塗膜は,油
脂汚染に強く,キズ付き難く,自動車用インストルメン
トパネルに要求される防眩性を有していることが分かっ
た。 【0043】 【発明の効果】上記のごとく,本発明によれば,一液型
の防眩塗料であって,従来と同様の条件にてポリプロピ
レン系成形品に塗布可能であり,従来と同程度の塗膜物
性を保持しており,かつ優れた油脂汚染防止作用を有す
るポリプロピレン系成形品用の防眩塗料を提供すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀木 泰正 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 ト ヨタ車体株式会社内 (72)発明者 溝口 尚 岡山県勝田郡勝央町太平台40番地 大橋 化学工業株式会社内 (72)発明者 福原 和弘 岡山県勝田郡勝央町太平台40番地 大橋 化学工業株式会社内 (72)発明者 佐野 貴志 岡山県勝田郡勝央町太平台40番地 大橋 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−176207(JP,A) 特公 昭48−19532(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 151/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 塩素化ポリオレフィン樹脂にアクリル樹
    脂成分をグラフト重合させたグラフト重合樹脂に,艶消
    し顔料及び着色顔料を添加してなるポリプロピレン系成
    形品用の防眩塗料であって, 上記グラフト重合樹脂が, (A)オレフィン部の塩素量が20〜30%,樹脂全体
    の塩素含有量が8〜12%,重量平均分子量が7万〜9
    万,変性後のガラス転移点が70〜90℃の塩素化ポリ
    オレフィン変性アクリル樹脂と, (B)オレフィン部の塩素量が20〜30%,樹脂全体
    の塩素含有量が20〜30%,重量平均分子量が3万〜
    4万,変性後のガラス転移点が60〜80℃の塩素化ポ
    リオレフィン変性アクリル樹脂とを,3:1〜5:1の
    比率で配合したものであり, かつ上記艶消し顔料はウレタン結合を有するポリエステ
    ルウレタン樹脂をビーズ化の前段階で合成した硬質ポリ
    ウレタンビーズであり, また,上記塩素化ポリオレフィン変性アクリル樹脂
    (A)は,上記塩素化ポリオレフィン変性アクリル樹脂
    (B)よりもガラス転移点が高い ことを特徴とするポリ
    プロピレン系成形品用の防眩塗料。
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