JP3519832B2 - 生体反応検査方法 - Google Patents
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触させることにより、インターロイキン1(IL−
1)、またはインターロイキン6(IL−6)を産生誘
導し、その産生能力を測定することにより、免疫及び炎
症等に関する生体反応を検査する方法に関する。
ては、単球、マクロファージ、顆粒球、リンパ球等の白
血球やキラー細胞、NK細胞、LAK細胞等があり、こ
れらの細胞は血液中や各臓器、器官において免疫監視を
行うとともに、各種の免疫反応において様々な役割を担
って活動している。
様な免疫反応によってこれらの細胞の機能が抑制された
り、または増強されたりすることが知られている。そこ
で、これらの細胞の機能を調べることにより、生体の免
疫機能を把握することが種々の病態把握や、薬剤の投与
タイミングの決定などに重要である。従来、このよう
な、生体の免疫機能を測定する方法としては、例えば、
リンパ球幼若化試験や顆粒球貪食機能試験、顆粒球殺菌
能(活性酸素産生能)試験等が行われ、また、最近で
は、フローサイトメトリー装置と各種免疫担当細胞表面
抗原に対する蛍光標識モノクローナル抗体を用いた表面
抗原試験が行われてきた。しかしながら、これらの試験
には、細胞分離、細胞培養、顕微鏡測定等の用手法の特
殊な技術が要求され、また、時間がかかり、RI(ラジ
オアイソトープ)施設や高価な装置が必要なことから、
より簡単で危険性がなく、精度の良い検査方法が望まれ
ている。
種免疫因子等も、生体の免疫系で重要な役割を担ってい
る。特に、近年の細胞工学や遺伝子工学技術の発達等に
より、組換えDNA技術を用いて、多くの体液性免疫因
子(サイトカイン等)の遺伝子の構造が解明されてい
る。これまでに、インターロイキン、インターフェロ
ン、TNF等のようなサイトカイン類等、種々のものが
報告されている。これらの因子は、互いに、密接に関わ
り合って、サイトカインネットワークをつくり、生体の
免疫機能を調節していることがわかってきた。現在で
は、生体の免疫系を考える上で、これらのサイトカイン
等の動態を知ることが、非常に重要なことと考えられて
いる。
のサイトカインの血中濃度を調べることが最近行われる
ようになってきた。しかしながら、これらのサイトカイ
ンは非常に微量で生体内で作用しているために血中濃度
は低く、分解も早いため、通常これらのサイトカインの
測定は困難である。
胞から産生されるため、患者の免疫担当細胞のサイトカ
インの産生能力を知ることも重要である。このような考
え方から、特表昭63−502695号公報には、ツベ
ルクリン精製蛋白誘導体などの特異抗原と血液とを反応
させ、感作リンパ球から放出されるγ−インターフェロ
ンを測定する方法が開示されている。また、特開平2−
196961号公報には、血液にリポ多糖(LPS)や
レクチンを反応させ、産生誘導されたリンフォカインを
測定する方法が開示されている。しかしながら、これら
の方法は、生体由来物質を用いているので、菌体等から
の精製工程が必要であり、ロット間差等の問題があり、
再現性の良い測定結果が得られないという問題点があ
る。また、リポ多糖やレクチンのような刺激剤を用いた
場合、細胞障害性試験や細胞増殖試験などのバイオアッ
セイによって、サイトカイン量を定量するとき、それら
の刺激剤による各種細胞への影響によって、正確な測定
が困難である。
細胞や好中球等の細胞から産生されるサイトカインであ
る。IL−1は種々の細胞に作用し、様々な生物活性を
示し、免疫、炎症、造血、内分泌、脳神経等の生体反応
に重要な役割を果たしている(Oppenheim,J.J. et al.:
There is more than one interleukin 1. Immunol. Tod
ay,7,45-56,1986)。また、正常個体においてもIL−1
は恒常的に産生されており、生体の機能維持に必須な因
子であると考えられている。一方、IL−1が異常に産
生された場合では、炎症を伴う疾患の原因となることも
示唆されている。
L−1活性が検出されており、その活性と進行度との間
に相関性が認められていることから、IL−1の病態へ
の関与が示唆されている(Eastgare,J.A. et al. :Corre
lation of plasma interleukin 1 levels with disease
activity in rheumatoid arthriitis. Lancet, 8913,70
6-709,1988)。このほかにも、糸球体腎炎、肉芽腫、ア
ルツハイマー、ダウン症候群、川崎病、痛風、急性骨髄
性白血病等種々の疾患でもIL−1の関与が示唆されて
いる。IL−1は全身の様々な組織や細胞で非常に多彩
な作用を示し、感染症や炎症性疾患に見られる生体の様
々な反応に関与していることが分かってきた。このよう
に、病態時でのIL−1の産生や産生能力、及びその動
態を知ることは極めて重要になってきている。
と疾患との関係が明確に証明されているものはあまり多
くない。これは、IL−1の作用が非常に強力で、pg
/mlオーダーの濃度で作用するため、生体で機能異常
を起こし得る産生量の変化を現在の測定系では正確に検
出できていないという可能性も考えられる。
トカインである。当初は腫瘍細胞を障害する因子として
注目されたが、現在では、正常細胞においても炎症や代
謝異常に係わる多彩な作用を示すことが知られている。
このように、TNFは全身の様々な組織や細胞で非常に
多彩な作用を示し、感染症や炎症性疾患に見られる生体
の様々な反応に関与していることがわかってきた。従っ
て、病態時でのTNFの産生や産生能力、及びその動態
を知ることは極めて重要になってきている。
崎病、ベーチェット病を含む多くの炎症性疾患や髄膜
炎、マラリア等の感染症等の病態に重要な役割を持つと
されている(和田英夫、斎藤令子、長尾美昌ら:播種性
血管内凝固症候群における血中 Tumor necrosis factor
値並びにFOY 投与による治療効果.現代医療.22:265-2
69,1990)。
病因と関わることが推測されているにもかかわらず、実
際の患者において、その産生量と疾患との関係が明確に
証明されているものはあまり多くない。これは、TNF
の作用が非常に強力で、pg/mlオーダーの濃度で作
用するため、生体で機能異常を起こし得る産生量の変化
を現在の測定系では正確に検出できていないという可能
性も考えられる。
ジ系の細胞やリンパ球等の細胞から産生されるサイトカ
インである〔笠倉新平編集、日本医学館発行、「サイト
カイン94」、74−81(1994)〕。IL−6は
種々の細胞に作用し、様々な生物活性を示し、免疫、炎
症、造血等の生体反応に重要な役割を果たしている。ま
た、正常個体においてもIL−6は恒常的に産生されて
おり、生体の機能維持に必須な因子であると考えられて
いる。一方、IL−6が異常に産生された場合等では、
炎症を伴う疾患の原因となることも示唆されている。
サンギゥム増殖性腎炎患者では、血中に高いIL−6活
性が検出されており、その活性と進行度との間に相関性
が認められていることから、IL−6の病態への関与が
示唆されている。IL−6は全身の様々な組織や細胞で
非常に多彩な作用を示し、感染症や炎症性疾患に見られ
る生体の様々な反応に関与していることが分かってき
た。このように、病態時でのIL−6の産生や産生能
力、及びその動態を知ることは極めて重要になってきて
いる。
と疾患との関係が明確に証明されているものはあまり多
くない。これは、IL−6の作用が非常に強力で、pg
/mlオーダーの濃度で作用するため、生体で機能異常
を起こし得る産生量の変化を現在の測定系では正確に検
出できていないという可能性も考えられる。
試験管内でIL−1、TNF、IL−6の産生能を検討
し、疾患とこれらのサイトカインとの関係を明らかにし
ようという研究がなされている(小野日出麿、菊地秀、
中村志ら:癌患者におけるtumor necrosis factor 産生
能の検討.医学のあゆみ.150:165-166,1989 )。
取、調製には無菌処理を含む煩雑な操作が必要であり、
操作時の手技が細胞に与える影響も大きい。また、これ
らの検査は、血液から分離調製した細胞を適当な培養液
中で行っており、血液中に含まれる種々の液性因子や他
の細胞が存在していない系であるため、正確に体内の生
体反応を反映しているとは言えない。
の検査方法の欠点を解消し、LPSや各種薬剤等の刺激
剤によるIL−1、IL−6産生能ではなく、全血を用
いてより簡略化された測定系にて、IL−1又はIL−
6産生能を測定することによって、生体反応検査を行
う、新しい検査方法を提供することにある。
成するためになされたものであり、請求項1〜3に記載
の発明は、それぞれ、下記の構成を備える。
ン、キトサン、アガロース、アルギン酸、或いはこれら
の誘導体からなる高分子材料又はカチオン性官能基を有
する高分子材料と血液とを接触させることにより、IL
−1の産生を誘導させ、該IL−1の産生量を測定する
ことを特徴とする生体反応検査方法である。
ン、アガロース、アルギン酸、或いはこれらの誘導体か
らなる高分子材料又はカチオン性官能基を有する高分子
材料と血液とを接触させることにより、IL−6の産生
を誘導させ、該IL−6の産生量を測定することを特徴
とする生体反応検査方法である。
請求項3に記載のように、好ましくは、上記高分子材料
が、血液と15℃〜42℃の温度範囲で接触される。上
記のように、請求項1〜3に記載の発明は、高分子材料
と血液とを接触させることにより、サイトカイン(IL
−1又はIL−6)の産生を誘導し、該サイトカインの
産生量を測定することにおいて共通するものであり、上
記サイトカインの産生能力を測定することにより、免疫
や炎症等に関与する生体反応を検査することを可能とす
る、より正確かつ簡便な生体検査方法を提供するもので
ある。
り全血等をそのまま利用することもでき、その場合は該
血液より単球や好中球等を分離する必要がなく、それに
伴う操作や処理時間が不要であることは勿論のこと、そ
れらの操作、処理時間等による細胞の活性低下または不
要な活性化が惹起される問題もない。
血液量も非常に少なくてすみ、被採血者の負担も軽減さ
れる。また、全血又はその希釈血液を用いるため、血液
中に含まれる様々な液性因子や細胞の関与が生体内と同
様に働き、より正確に生体内の防御機能を把握すること
ができる。
法の実施形態としての一例においては、サンプルとして
血液を採取し、この血液を全血のまま、または希釈して
組織培養用プレートや試験管等に加える。これらのプレ
ートウェルや試験管内壁の底面または側面は、細胞から
のIL−1及びIL−6の産生を誘導するための材料か
ら構成されているか、あるいはそれらの材料が塗布され
ているかまたは充填されている。これらの反応容器を用
いて血液を培養することにより、これらの材料と血液が
作用し合い、IL−1及びIL−6の産生が誘導され
る。このIL−1又はIL−6産生量を測定することに
より免疫や炎症等に関する生体反応を把握することがで
きる。
従い、任意の方法で実施できる。例えば、ヘパリン採
血、クエン酸採血等が挙げられる。ただし、IL−1及
びIL−6の産生誘導は、細胞の生物学的反応の結果で
あるため、血液や培地中のカルシウムイオン、マグネシ
ウムイオンなどをキレートしないヘパリン採血などがよ
り好ましい。
ン酸緩衝液、ハンクス緩衝液、MEM、RPMI−16
40等の通常の培地をいずれも利用できる。培養は、通
常37℃付近の温度条件下で行われるが、15℃から4
2℃の範囲でも行い得る。この培養時にプレートや試験
管を振盪器や回転培養器を用いて混和することが、IL
−1及びIL−6の産生誘導には好ましく、個々の血液
サンプルの産生能力を把握し易くなる。
測定は免疫酵素抗体法等の各種の免疫測定法で行い得
る。また、このIL−1及びIL−6産生誘導方法には
リポ多糖やレクチン等の刺激剤を用いないため、細胞障
害性試験や細胞増殖試験などのバイオアッセイによって
IL−1又はIL−6の活性を測定する場合でも、各種
細胞へのそれらの刺激剤の影響もなく、正確な測定が可
能である。
の単球や好中球などの白血球は、微生物のような異物と
反応すると、粘着反応、貪食反応を介して活性化し、細
胞内酵素の放出や活性化酸素、プロスタグランジン、サ
イトカイン等、種々のメディエーターを放出し、生体防
御反応において重要な役割を果たしている。これらの反
応は材料と接触するときにも同様に引き起こされる。例
えば、単球や好中球などの白血球は、ラテックス粒子の
ような合成高分子材料をも旺盛に貪食する。これは、材
料が異物とみなされて起こるものであるが、これらの反
応は高分子材料の表面性状、物理化学的組成等の性質に
よって大きく変わってくる。そのため、材料の性質を制
御することによって、この反応を制御できると考えられ
る。
によるサイトカインの産生に注目し、種々の天然及び合
成高分子材料と血液との接触によるサイトカインの産生
誘導について、鋭意研究を行い、種々の高分子材料が血
液中でIL−1及びIL−6のようなサイトカインの顕
著な産生誘導を引き起こすことを発見した。特に、分子
中に水酸基、アミド骨格及びエステル骨格からなる群よ
り選ばれる少なくとも1つの化学構造を有する高分子材
料又はカチオン性官能基を有する高分子材料と血液とを
接触させることにより、顕著なIL−1及びIL−6の
産生誘導が認められたのに対して、ポリスチレン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルのような高
分子材料では、殆どIL−1及びIL−6の産生誘導が
認められなかった。また、スルホン基やカルボキシル基
のようなアニオン性基だけを有する高分子材料では、低
いレベルのIL−1及びIL−6の産生誘導を認めたに
過ぎなかった。
ミド骨格及びエステル骨格からなる群より選ばれる少な
くとも1つの化学構造を有する高分子材料は、アガロー
ス、アルギン酸、キチン、キトサンやそれらをカルボキ
シメチル化、スクシニル化、糖側鎖グラフト、ペプチド
側鎖グラフト、グリコール化、アシル化、アミノ化によ
って修飾した種々の誘導体である。
ン及びそのN−脱アセチル化物であるキトサンやキトサ
ンのアミノ基に1級アミン、2級アミン、3級アミン又
は第4アンモニウム塩を導入したキトサン誘導体、アル
キル基を導入した誘導体、また、水酸基にスルホン基、
カルボキシメチル基を導入した誘導体などは血液との接
触によって、IL−1及びIL−6の大きな産生誘導を
示した。また、アガロースやアガロースに2、3−ジブ
ロモプロパノールを強アルカリ条件下で作用させて架橋
することで強度を高めた架橋型アガロースや、それにジ
エチルアミノエチル(DEAE)基等のイオン交換基を
エーテル結合させたアガロース誘導体、第4アンモニウ
ム塩等で修飾したアガロース誘導体よりなるゲルビーズ
と血液との接触によっても、IL−1及びIL−6の顕
著な産生誘導が見られた。また、アルギン酸ナトリウム
などを水に溶解させ、これらとCa2+、Al3+、B
a2+、Cu2+などの多価金属イオンを含む水溶液とを接
触させることにより作製したアルギン酸ゲルビーズと血
液との接触によっても、IL−1及びIL−6の顕著な
産生誘導が見られた。
基を有する高分子材料は、アミノ基、イミノ基、ニトリ
ロ基、第4アンモニウム基、スルホニウム基、ホスホニ
ウム基等を有する高分子材料であり、例えば、ポリビニ
ルピリジン及びその塩、イオネンポリマー、N−トリア
ルキルアミノメチルポリスチレン、アミノアセタール化
ポリビニルアルコール、ポリビニルイミダゾール、ポリ
エチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアンモニウム
塩、ポリジアルキルジアリルアンモニウム塩−SO2共
重合体、ポリビニルベンジルスルホニウム塩、ポリビニ
ルベンジルホスホニウム塩等が挙げられる。
は、天然多糖類及びポリスチレン等の合成高分子に種々
の化学修飾方法を用いて、上記カチオン性官能基を導入
したり、これらの官能基を有するビニルモノマー間の共
重合、架橋反応により得ることができる。例えば、スチ
レンとジビニルベンゼンを共重合し、Friedel−
Crafts反応を介して、クロロメチル基をベンゼン
核に導入し、クロロメチル基をアミンで処理することに
よって、アミノ化し、しかる後にアルキル置換を行うこ
とにより、ポリスチレンにカチオン性官能基を導入する
ことができる。
ルヒドリンのような分子内にクロルメチル基とオキシラ
ン環とを有する化合物にイミダゾール類を反応させ、変
性イミダゾールを合成し、これを多官能性エポキシ化合
物で樹脂化することによっても得ることができる。ま
た、カチオン性官能基を有する高分子材料については、
他にも種々の合成法が考えられるが、本発明はその方法
によって限定されるものではない。
として、トリアルキル置換窒素原子をもつトリメチルア
ンモニウム基やジアルキルエタノールであるジメチルエ
タノールアンモニウム基を導入したポリスチレン修飾体
は、未修飾のポリスチレンやアニオン性基で修飾したポ
リスチレンからなる材料に比較して、著しく大きなIL
−1及びIL−6の産生誘導を示した。また、カチオン
性基として、アミノ基またはイミノ基をもつものやニト
リロ基をもつものでも、IL−1及びIL−6の大きな
産生誘導が確認された。一方、アニオン性基であるスル
ホン酸基を導入したポリスチレン誘導体では、ほとんど
IL−1及びIL−6の産生誘導が見られなかった。
基、ジエチルアミノ基、末端にアミノ基のようなカチオ
ン性基を有するメタクリル酸エステルモノマーの共重合
により得られたポリメタクリル酸エステル系材料は、顕
著なIL−1及びIL−6の産生誘導を示した。一方ア
ニオン性基であるカルボキシル基を有するメタクリル酸
エステル系材料では、ほとんどIL−1及びIL−6の
産生誘導が見られなかった。
であるキトサンやキトサンのアミノ基に1級アミン、2
級アミン、3級アミン又は第4アンモニウム塩を導入し
たキトサン誘導体、ジエチルアミノエチル(DEAE)
基等のイオン交換基をエーテル結合させたアガロース誘
導体、第4アンモニウム塩等で修飾したアガロース誘導
体も、上述したように、特に高いIL−1及びIL−6
の産生誘導を示した。
子材料の形状としては、粒子状、繊維状、中空糸状、膜
状等いずれの公知の形状のものでも用いることができ
る。例えば、スチレンモノマーにジビニルベンゼンとラ
ジカル開始剤ベンゾイルパーオキサイドを加えて、水中
で60℃、5時間懸濁攪拌を続けるとスチレン・ジビニ
ルベンゼン共重合体球状粒子を容易に得ることができ
る。粒子径は攪拌速度、水中に加える安定剤の種類と濃
度、モノマーと水の容量比などで制御できる。また、希
釈剤とモノマーの混液の懸濁重合を行うことで、多孔質
化を行うことも容易である。また、各種メタクリル酸エ
ステルモノマーの重合をモノマーに対する良溶媒でかつ
ポリマーに対する貧溶媒中で懸濁重合を行うと、ポリメ
タクリル酸エステルの球状粒子を容易に得ることができ
る。粒子径は攪拌速度、添加する安定剤の種類と濃度な
どで制御することができる。こうして合成した球状粒子
に、前述のような化学修飾反応を行い、種々のIL−1
及びIL−6産生誘導材料が得られる。
については、血液と上記材料が十分に接触され得る限
り、任意の方法を用いることができる。例えば、繊維状
の上記材料をカラムに充填し、該カラムに血液を循環さ
せる方法や、粒径50μm〜5mmのビーズ状の材料を
カラムに充填し、血液を循環させる方法を用いることが
できる。さらに、血液中に種々の形状の上記材料を懸濁
させることにより、血液と上記材料を接触させてもよ
い。
15℃〜42℃の範囲がIL−1及びIL−6の産生誘
導を高める上で好ましい。本発明者らが得た知見では、
後述の実施例から明らかなように、接触温度が低くなる
と、IL−1及びIL−6の十分な産生誘導は見られな
かった。また、接触温度が高くなると、IL−1及びI
L−6の十分な産生誘導は見られなかった。接触温度が
45℃より高温度の場合には、血漿蛋白質の変性、著し
い溶血、白血球の崩壊が起こり、IL−1及びIL−6
の産生誘導は激減した。
ることにより、上記材料と細胞との相互作用が起こり、
IL−1及びIL−6の産生誘導が行われる。IL−1
又はIL−6の産生細胞とは、末梢血中の細胞に限ら
ず、リンパ管、リンパ節、脾臓等から得られる細胞も含
まれる。血液中にはIL−1又はIL−6を産生するこ
れらの細胞が多く含まれている。また、血液中のこれら
の細胞が上記材料と作用し、IL−1及びIL−6が産
生誘導されるが、直接作用しなくとも、上記材料と血液
中の何らかの因子とが作用して誘導された別の因子を介
して、IL−1又はIL−6の産生が誘導されてもよ
い。
患の患者血液から簡便にIL−1及びIL−6を誘導す
ることができ、その誘導量の程度を測定することによ
り、個人のIL−1及びIL−6産生能力を調べること
ができる。これは、健康状態や種々の疾患の病態を反映
する有効なパラメーターとなり得る。
が血液と接触されることにより、IL−1及びIL−6
が迅速にかつ簡便に誘導される。従って、検査される者
の血液から簡便にかつ迅速にIL−1及びIL−6の産
生誘導を行うことができるため、この産生量を測定する
ことにより、検査される者自身のIL−1及びIL−6
産生能力を調べることができる。
を挙げることにより、本発明を詳細に説明するが、本発
明は、以下の実施例に限定されるものではない。まず、
下記の実施例1〜31及び比較例1〜9に記載する方法
にて、IL−1及びIL−6産生誘導用材料を作製し、
次いで得られた材料を用いて、IL−1及びIL−6の
産生誘導を試験した。
生誘導用材料) 実施例1 キトサンのアミノ基がそのまま残っているキトサンゲル
粒子(富士紡績社製、商品名「Chitopearl basic AL-0
3」、平均粒径0.3mm)を、15ml用ポリプロピ
レン試験管(岩城硝子社製)に、かさ体積で1ml充填
した。これに注射用生理食塩水(大塚製薬社製)を12
ml添加して軽く攪拌した後、500rpmで5分間遠
心分離し、上澄みを吸引して捨てることにより洗浄し
た。この洗浄操作を更に2回繰り返した後、一晩4℃で
放置した。その後、同様の洗浄操作を更に5回行った
後、最後にできるだけ注射用生理食塩水を取り除いた。
2ml用ポリプロピレンサンプルチューブ(eppendorf
社製)に、注射用生理食塩水を加えた後、120℃で2
0分間オートクレーブ滅菌し、注射用生理食塩水を廃棄
した後、さらに注射用生理食塩水で3度洗浄した。この
2ml用ポリプロピレンサンプルチューブに、上記で得
られたキトサンゲル粒子をかさ体積で500μl充填し
た。
「Chitopearl basic AL-03」)に代えて、キトサンのア
ミノ基がアセチル化されたキトサン誘導体ゲル粒子(富
士紡績社製、商品名「Chitopearl basic BL-03」、平均
粒径0.3mm)を使用したことの他は、実施例1と同
様にして行い、キトサン誘導体ゲル粒子が充填された2
ml用ポリプロピレンサンプルチューブを得た。
「Chitopearl basic AL-03」) に代えて、キトサンのア
ミノ基にベンジル基を介して1級アミンが導入されたキ
トサン誘導体ゲル粒子(富士紡績社製、商品名「Chitop
earl BCW-3503 」、平均粒径0.3mm)を使用したこ
との他は、実施例1と同様にして行い、キトサン誘導体
ゲル粒子が充填された2ml用ポリプロピレンサンプル
チューブを得た。
「Chitopearl basic AL-03」) に代えて、キトサンのア
ミノ基に直鎖アルキル基を介して1級アミンが導入され
たキトサン誘導体ゲル粒子(富士紡績社製、商品名「Ch
itopearl BCW-3003 」、平均粒径0.3mm)を使用し
たことの他は、実施例1と同様にして行い、キトサン誘
導体ゲル粒子が充填された2ml用ポリプロピレンサン
プルチューブを得た。
「Chitopearl basic AL-03」) に代えて、キトサンのア
ミノ基に3級アミンが導入されたキトサン誘導体ゲル粒
子(富士紡績社製、商品名「Chitopearl BCW-2603 」、
平均粒径0.3mm)を使用したことの他は、実施例1
と同様にして行い、キトサン誘導体ゲル粒子が充填され
た2ml用ポリプロピレンサンプルチューブを得た。
「Chitopearl basic AL-03」) に代えて、キトサンのア
ミノ基に第4アンモニウム塩が導入されたキトサン誘導
体ゲル粒子(富士紡績社製、商品名「Chitopearl BCW-2
503 」、平均粒径0.3mm)を使用したことの他は、
実施例1と同様にして行い、キトサン誘導体ゲル粒子が
充填された2ml用ポリプロピレンサンプルチューブを
得た。
「Chitopearl basic AL-03」) に代えて、キトサンの6
位の水酸基にカルボキシメチル基が導入されたキトサン
誘導体ゲル粒子(富士紡績社製、商品名「Chitopearl C
M-03」、平均粒径0.3mm)を使用したことの他は、
実施例1と同様にして行い、キトサン誘導体ゲル粒子が
充填された2ml用ポリプロピレンサンプルチューブを
得た。
「Chitopearl basic AL-03」) に代えて、キトサンの6
位の水酸基にスルホン基が導入されたキトサン誘導体ゲ
ル粒子(富士紡績社製、商品名「Chitopearl SU-03」、
平均粒径0.3mm)を使用したことの他は、実施例1
と同様にして行い、キトサン誘導体ゲル粒子が充填され
た2ml用ポリプロピレンサンプルチューブを得た。
粒子(カトキチ社製、商品名「CHITOSAN 10B」)5g
を、注射用生理食塩水(大塚製薬社製)30mlに懸濁
し、1500rpm、1分間の条件で遠心分離し、上澄
みを吸引して捨てることにより洗浄した。この洗浄操作
を更に2回繰り返した後、一晩4℃で放置した。その
後、同様の洗浄操作を更に5回行った後、最後にできる
だけ注射用生理食塩水を取り除いた。2ml用ポリプロ
ピレンサンプルチューブ(eppendorf 社製)に、注射用
生理食塩水を加えた後、120℃で20分間オートクレ
ーブ滅菌し、注射用生理食塩水を廃棄した後、さらに注
射用生理食塩水で3度洗浄した。この2ml用ポリプロ
ピレンサンプルチューブに、上記で得られたキトサン粉
末をかさ体積で500μl充填した。
産生誘導用材料) 実施例10 アガロース(ナカライ化学社製、電気泳動用特製試薬
GP−36)を5重量%濃度で蒸留水に溶解させ、12
1℃で20分間オートクレーブを行った。この溶液を6
0℃に保温しておき、冷蒸留水(4℃)中にマイクロシ
リンジを用いて滴下して、アガロースゲルビーズ(粒径
5mm)を作製した。
社製)で洗浄後、同じく注射用生理食塩水で洗浄した2
ml用ポリプロピレンサンプルチューブ(eppendorf 社
製)に充填した。充填量はアガロースゲルビーズ20個
とした。
(Pharmacia LKB Biotechnology 社製) の懸濁液3ml
を、15ml用ポリプロピレン試験管(岩城硝子社製)
に入れた。これを1000rpmで5分間遠心して、上
澄みを吸引して捨て、注射用生理食塩水(大塚製薬社
製)を12ml加えて攪拌し、同じ条件で遠心し、上澄
みを吸引して捨てた。この洗浄操作を3回行い、4℃に
て一晩放置した。
施例1と同様に、2ml用ポリプロピレンサンプルチュ
ーブ(eppendorf 社製)に入れて、注射用生理食塩水
(大塚製薬社製)にて洗浄した。
e CL-6B (Pharmacia LKB Biotechnology社製)を用いた
こと以外は、実施例11と同様に操作して、ゲル充填チ
ューブを得た。
チル(DEAE)基をエーテル結合で導入した、DEA
ESepharose CL-6B (Pharmacia LKB Biotechnology社
製)を用いたこと以外は、実施例11と同様に操作し
て、ゲル充填チューブを得た。
してフェニル基を導入した、Phenyl Sepharose CL-4B(P
harmacia LKB Biotechnology社製)を用いたこと以外
は、実施例11と同様に操作して、ゲル充填チューブを
得た。
塩を導入した、Q Sepharose FF(Pharmacia LKB Biotech
nology社製)を用いたこと以外は、実施例11と同様に
操作して、ゲル充填チューブを得た。
イプ、新田ゼラチン社製)を生理食塩水に懸濁して、オ
ートクレーブにより121℃、20分で処理すること
で、加熱滅菌と同時にアルギン酸ナトリウムを溶解させ
た。これを滅菌済み1.5重量%塩化カルシウム溶液中
へ滴下してゲル化させることにより、粒径約2.5mm
のアルギン酸カルシウムのゲルビーズを作製した。この
ゲルビーズを15ml用ポリピロプレン試験管(岩城硝
子社製)に、かさ体積で1ml入れた。これに注射用生
理食塩水(大塚製薬社製)を12ml添加して軽く攪拌
した。500rpmで1分間遠心し、上澄みを吸引して
捨て、同様に注射用生理食塩水(大塚製薬社製)を12
ml加えて攪拌し、遠心して上澄みを吸引して捨てた。
この洗浄操作を3回行い、一晩4℃にて放置した。その
後、同じ洗浄操作を5回行い、最後にできるだけ生理食
塩水を取り除いた。
2ml用ポリプロピレンサンプルチューブ(eppendorf
社製)にこのゲルビーズを70個充填した。
のに変更した以外はすべて実施例16と同様に操作し
て、ビーズ充填チューブを得た。
ものに変更した以外はすべて実施例16と同様に操作し
て、ビーズ充填チューブを得た。
ものに変更した以外はすべて実施例16と同様に操作し
て、ビーズ充填チューブを得た。
化バリウム溶液に変更した以外はすべて実施例16と同
様に操作して、ビーズ充填チューブを得た。
化バリウム溶液に変更し、5重量%のアルギン酸ナトリ
ウムを3重量%の濃度のものに変更した以外はすべて実
施例16と同様に操作して、ビーズ充填チューブを得
た。
150cps、和光純薬社製)に変更した以外はすべて実施例
16と同様に操作して、ビーズ充填チューブを得た。
400cps、和光純薬社製)に変更した以外はすべて実施例
16と同様に操作して、ビーズ充填チューブを得た。
600cps、和光純薬社製)に変更した以外はすべて実施例
16と同様に操作して、ビーズ充填チューブを得た。
料) 実施例25 トリメチルアンモニウム基をもつ、スチレン・ジビニル
ベンゼン共重合体である、Diaion SA11A
(三菱化成社製)を50mlポリプロピレン試験管(岩
城硝子社製)に、かさ体積で3ml入れた。これにメタ
ノール(和光純薬社製 液体クロマトグラム用グレー
ド)40mlを添加して、軽く攪拌した。静置後、上清
を吸引して除去した。これを3回行った後、同様にメタ
ノール40mlを添加して、室温にて一晩静置した。
メタノールを用いて2回洗浄した。これに、滅菌済み蒸
留水を40ml添加して軽く攪拌した。500rpmで
1分間遠心し、上済みを吸引して除き、同様に滅菌済み
蒸留水を用いて3回洗浄した。その後、滅菌済み蒸留水
40mlを加えて、室温にて3時間静置した。
きるだけ蒸留水を取り除いた。これに、注射用生理食塩
水(大塚製薬社製)を40ml添加して軽く攪拌した。
500rpmで1分間遠心し、上済みを吸引して除き、
同様に注射用生理食塩水(大塚製薬社製)にて3回洗浄
を行い、最後に注射用生理食塩水40mlを加えて、一
晩室温にて静置した。その後、同じ洗浄操作を5回行
い、最後にできるだけ生理食塩水を取り除いた。注射用
生理食塩水を充填して滅菌洗浄した2ml用ポリプロピ
レンサンプルチューブ(eppendorf 社製)に、このポリ
スチレン粒子をかさ体積で500μl充填した。
ニウム基をもつ、DiaionSA21A(三菱化成社
製)に変更した以外はすべて実施例25と同様にして行
い、粒子充填チューブを得た。
〔−CH2 NH(CH2 CH2 NH)n H(n=1〜
3)〕をもつ、Diaion WA21(三菱化成社
製)に変更した以外はすべて実施例25と同様にして行
い、粒子充填チューブを得た。
H2 )n N(CH3 )2 (n=1〜3)〕をもつ、Di
aion WA30(三菱化成社製)に変更した以外は
すべて実施例25と同様にして行い、粒子充填チューブ
を得た。
産生誘導用材料) 実施例29 ジメチルエタノールアミンで修飾されている、ポリメタ
クリル酸エステル系材料である、SEPABEADS
FP−QA13(三菱化成社製)を50ml用ポリプロ
ピレン試験管(岩城硝子社製)に、かさ体積で3ml入
れた。これにメタノール(和光純薬社製 液体クロマト
グラム用グレード)40mlを添加して、軽く攪拌し
た。静置後、上清を吸引して除去した。これを3回行っ
た後、同様にメタノール40mlを添加して、室温にて
一晩静置した。
にメタノールを用いて2回洗浄した。これに、滅菌済み
蒸留水を40ml添加して軽く攪拌した。500rpm
で1分間遠心し、上澄みを吸引して除き、同様に滅菌済
み蒸留水を用いて3回洗浄した。その後、滅菌済み蒸留
水40mlを加えて、室温にて3時間静置した。
きるだけ蒸留水を取り除いた。これに、注射用生理食塩
水(大塚製薬社製)を40ml添加した軽く攪拌した。
500rpmで1分間遠心し、上澄みを吸引して除き、
同様に注射用生理食塩水(大塚製薬社製)にて3回洗浄
を行い、最後に注射用生理食塩水40mlを加えて、一
晩室温にて静置した。しかる後、同じ洗浄装置を5回行
い、最後にできるだけ生理食塩水を取り除いた。
2ml用ポリプロピレンサンプルチューブ(eppendorf
社製)に、このポリメタクリル酸エステル系材料の粒子
をかさ体積で500μl充填した。
ミノ基をもつSEPABEADS FP−DA13(三
菱化成社製)に変更した以外はすべて実施例29と同様
にして行い、粒子充填チューブを得た。
ノ基をもつSEPABEADSFP−HA13(三菱化
成社製)に変更した以外はすべて実施例29と同様にし
て行い、粒子充填チューブを得た。
ポリプロピレンサンプルチューブ(eppendorf 社製)。
であるテクポリマー:SB−100S(積水化成品工業
社製)に変更した以外はすべて実施例25と同様にして
行い、粒子充填チューブを得た。
・ジビニルベンゼン共重合体である、Diaion S
K1B(三菱化成社製)に変更した以外はすべて実施例
25と同様にして行い、粒子充填チューブを得た。
ル基をもつSEPABEADSFP−CM13(三菱化
成社製)に変更した以外はすべて実施例29と同様にし
て行い、粒子充填チューブを得た。
より作製した。このビーズをメタノールで洗浄後乾燥し
た。次に、このビーズを注射用生理食塩水(大塚製薬社
製)で洗浄後、同じく注射用生理食塩水で洗浄した2m
l用ポリプロピレンサンプルチューブ(eppendorf 社
製)に充填した。充填量はビーズ70個とした。
より作製した。このビーズをメタノールで洗浄後乾燥し
た。次に、このビーズを注射用生理食塩水(大塚製薬社
製)で洗浄後、同じく注射用生理食塩水で洗浄した2m
l用ポリプロピレンサンプルチューブ(eppendorf 社
製)に充填した。充填量はビーズ70個とした。
により作製した。このビーズをメタノールで洗浄後乾燥
した。次に、このビーズを注射用生理食塩水(大塚製薬
社製)で洗浄後、同じく注射用生理食塩水で洗浄した2
ml用ポリプロピレンサンプルチューブ(eppendorf 社
製)に充填した。充填量はビーズ70個とした。
により作製した。このビーズをメタノールで洗浄後乾燥
した。次に、このビーズを注射用生理食塩水(大塚製薬
社製)で洗浄後、同じく注射用生理食塩水で洗浄した2
ml用ポリプロピレンサンプルチューブ(eppendorf 社
製)に充填した。充填量はビーズ70個とした。
ズ(粒径2.5mm)を射出成形により作製した。次に
このビーズをメタノールで洗浄後乾燥した。次に、この
ビーズを注射用生理食塩水(大塚製薬社製)で洗浄後、
同じく注射用生理食塩水で洗浄した2ml用ポリプロピ
レンサンプルチューブ(eppendorf 社製)に充填した。
充填量はビーズ70個とした。
て、IL−1及びIL−6の産生誘導試験を行った。I
L−1及びIL−6の産生誘導試験とその測定方法は以
下のように行った。 (1)IL−1及びIL−6産生誘導試験 実施例1〜31及び比較例1〜9で得られた各チューブ
にヘパリン採血した健常人新鮮血1.6m1を加えて回
転円盤に取り付けて、37℃にて2時間、回転数26r
pmで転倒混和した。しかる後、血液を回収し、以下の
方法で血漿中のIL−1及びIL−6の濃度を測定し
た。
定方法 IL−1及びIL−6産生誘導試験後の血液を遠心分離
して血漿を採取し、血漿中のIL−1及びIL−6の濃
度を次のようにして測定した。IL−1の濃度は、IL
−1モノクローナル抗体を用いて、免疫酵素抗体法
((Medgenix社製 IL−1β EASIA)
にて測定した。この測定方法の検出限界濃度は40pg
/mlであった。IL−6の濃度は、IL−6モノクロ
ーナル抗体を用いて、免疫酵素抗体法(R&D System
社製、商品名:Quantikine IL-6R )にて測定した。この
測定方法の検出限界濃度は2.8pg/mlであった。
を採取して、血漿中のIL−1及びIL−6の濃度を同
様にして測定した。採血直後の血液の血漿中IL−1及
びIL−6濃度は何れも検出限界以下であった。各実施
例及び比較例のIL−1及びIL−6の産生誘導試験の
結果を表1〜3に示した。
ら以下のことが分かる。採血直後の血漿中のIL−1及
びIL−6の濃度は検出限界以下であり、注射用生理食
塩水で洗浄した2ml用チューブに血液を充填しただけ
のもの(比較例1)では、血漿中のIL−1及びIL−
6の濃度は検出限界以下であった。表1〜3の結果か
ら、分子中に水酸基、アミド骨格及びエステル骨格から
なる群より選ばれる少なくとも1つの化学構造を有する
高分子材料又はカチオン性官能基を有する高分子材料
は、血液との接触によって特に高いIL−1及びIL−
6の産生を誘導することが明らかである。未修飾のポリ
スチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの疎水性
高分子材料やアニオン性官能基だけを有する高分子材料
では、IL−1及びIL−6の産生を殆ど誘導しなかっ
た。
l basic AL−03(富士紡績社製商品名)を
充填したポリプロピレンサンプルチューブにヘパリン採
血した健常人新鮮血1.6mlを加えて回転円盤に取り
付けて、37℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混
和した。
l basic AL−03(富士紡績社製商品名)を
充填したポリプロピレンサンプルチューブにヘパリン採
血した健常人新鮮血1.6mlを加えて回転円盤に取り
付けて、15℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混
和した。
l basic AL−03(富士紡績社製商品名)を
充填したポリプロピレンサンプルチューブにヘパリン採
血した健常人新鮮血1.6mlを加えて回転円盤に取り
付けて、30℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混
和した。
l basic AL−03(富士紡績社製商品名)を
充填したポリプロピレンサンプルチューブにヘパリン採
血した健常人新鮮血1.6mlを加えて回転円盤に取り
付けて、40℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混
和した。
l basic AL−03(富士紡績社製商品名)を
充填したポリプロピレンサンプルチューブにヘパリン採
血した健常人新鮮血1.6mlを加えて回転円盤に取り
付けて、42℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混
和した。
l basic AL−03(富士紡績社製商品名)を
充填したポリプロピレンサンプルチューブにヘパリン採
血した健常人新鮮血1.6mlを加えて回転円盤に取り
付けて、10℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混
和した。
l basic AL−03(富士紡績社製商品名)を
充填したポリプロピレンサンプルチューブにヘパリン採
血した健常人新鮮血1.6mlを加えて回転円盤に取り
付けて、45℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混
和した。
し実施例1〜31の評価方法と同様にして、血漿中のI
L−1及びIL−6の濃度を測定した。また、採血直後
の血液を遠心分離して血漿を採取して、血漿中のIL−
1及びIL−6の濃度を同様にして測定した。採血直後
の血液の血漿中IL−1及びIL−6濃度は何れも検出
限界以下であった。結果を表4に示す。
記IL−1及びIL−6誘導材料との接触温度が、15
〜42℃の範囲では、IL−1及びIL−6の産生誘導
がみられた。また、15℃未満及び42℃より高い温度
のときには、IL−1及びIL−6の産生誘導は殆どみ
られなかった。
又はIL−6産生誘導量を測定することによって、検査
される者の免疫、炎症に関係する生体反応を検出するこ
とが可能になり、種々の疾患の予防や各種疾患における
病態の把握、治療のための薬剤投与量や治療方法の決定
に役立つ。
Claims (3)
- 【請求項1】 キチン、キトサン、アガロース、アルギ
ン酸、或いはこれらの誘導体からなる高分子材料又はカ
チオン性官能基を有する高分子材料と血液とを接触させ
ることにより、インターロイキン−1(IL−1)の産
生を誘導させ、該IL−1の産生量を測定することを特
徴とする生体反応検査方法。 - 【請求項2】 キチン、キトサン、アガロース、アルギ
ン酸、或いはこれらの誘導体からなる高分子材料又はカ
チオン性官能基を有する高分子材料と血液とを接触させ
ることにより、インターロイキン−6(IL−6)の産
生を誘導させ、該IL−6の産生量を測定することを特
徴とする生体反応検査方法。 - 【請求項3】 前記高分子材料と血液とを15℃〜42
℃の範囲で接触させる請求項1又は2に記載の生体反応
検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23841595A JP3519832B2 (ja) | 1995-09-18 | 1995-09-18 | 生体反応検査方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23841595A JP3519832B2 (ja) | 1995-09-18 | 1995-09-18 | 生体反応検査方法 |
Publications (2)
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---|---|
JPH0980045A JPH0980045A (ja) | 1997-03-28 |
JP3519832B2 true JP3519832B2 (ja) | 2004-04-19 |
Family
ID=17029874
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23841595A Expired - Fee Related JP3519832B2 (ja) | 1995-09-18 | 1995-09-18 | 生体反応検査方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3519832B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000058728A1 (fr) * | 1999-03-26 | 2000-10-05 | Uno, Akitane | Moyen d'examen precoce de tumeur maligne |
WO2020153382A1 (ja) * | 2019-01-22 | 2020-07-30 | 株式会社クラレ | ハイドロゲル形成用組成物、ハイドロゲル、及びハイドロゲル形成用組成物の製造方法 |
-
1995
- 1995-09-18 JP JP23841595A patent/JP3519832B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0980045A (ja) | 1997-03-28 |
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