JPH08281101A - インターロイキン類の吸着剤、吸着除去方法および吸着器 - Google Patents

インターロイキン類の吸着剤、吸着除去方法および吸着器

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JPH08281101A
JPH08281101A JP7229298A JP22929895A JPH08281101A JP H08281101 A JPH08281101 A JP H08281101A JP 7229298 A JP7229298 A JP 7229298A JP 22929895 A JP22929895 A JP 22929895A JP H08281101 A JPH08281101 A JP H08281101A
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JP
Japan
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interleukin
adsorbent
interleukins
styrene
sulfonic acid
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JP7229298A
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English (en)
Inventor
Fumiyasu Hirai
文康 平井
Takamune Yasuda
尊宗 安田
Koji Asahi
孝司 旭
Nobutaka Tani
敍孝 谷
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インターロイキン1β、2、6および8を効
率良くしかも選択的に吸着除去すること。 【解決手段】 スルホン酸基を有するスチレン−ジビニ
ルベンゼン共重合体から構成される上記インターロイキ
ン類の吸着剤、および、該吸着剤と、インターロイキン
類を含有する液体とを接触させる工程を包含するインタ
ーロイキン類の吸着除去方法が提供される。該吸着剤を
入口と出口を有する容器に充填したインターロイキン類
の吸着器もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターロイキン
−1β(IL−1β)、インターロイキン−2(IL−
2)、インターロイキン−6(IL−6)およびインタ
ーロイキン−8(IL−8)から選択される少なくとも
1種の物質(以下、インターロイキン類と定義する)の
吸着剤、それを用いたインターロイキン類の吸着除去方
法、ならびにインターロイキン類の吸着器に関する。
【0002】
【従来の技術】サイトカインは、種々の抗原特異的な、
あるいは非特異的な免疫炎症反応に深く関わる生体防御
因子として、非常に重要なタンパク性物質である。サイ
トカインは生体の恒常性の維持に必要不可欠な物質であ
るが、炎症を伴う疾患では過剰に産生され、その疾患の
病態の形成・遷延に関与している。
【0003】IL−1βは、細菌など異物による刺激
で、主に単球・マクロファージから産生される炎症性サ
イトカインである。1984年Auronらによってヒ
トのIL−1β遺伝子がクローニングされている。19
79年第2回国際リンフォカインワークショップにおい
てインターロイキン1(IL−1)との統一的呼称が決
定されるまで、内因性発熱物質(endogenous
pyrogen,EP)、白血球内因性メディエータ
ー(leukocytic endogenous m
ediator,LEM)、リンパ球活性化因子(ly
mphocyteactivation facto
r,LAF)、B細胞活性化因子(B cell−ac
tivating factor,BAF)などと命名
されていたことからもわかるように、その生物活性は多
岐にわたっている。炎症の主要なメディエーターである
IL−1βは、通常の状態では生体の恒常性を含む種々
の反応において重要な役割を果たしているが、何らかの
機構で過剰に、あるいは長期にわたって持続的に産生さ
れると、逆に組織の破壊や炎症性疾患の病態の形成・悪
化を誘導することが明らかになってきた(Biomed
ica、9巻、1993年、703〜707頁)。特
に、敗血症をはじめとするToxic syndrom
e、慢性関節リウマチ、ライム病、骨粗鬆症、川崎病、
痛風、糸球体腎炎、拡張性心筋症、子宮内膜炎、早産、
肉芽腫、急性骨髄性白血病、アルツハイマー、ダウン症
候群、肝線維化、肝硬変、更にはアルコール性肝炎な
ど、各病態に対してIL−1βが関与することが強く示
唆されている(日本医学館、サイトカイン−基礎から最
新情報まで−、1991年、13〜20頁および177
〜187頁)。そこで、IL−1βの特異的抑制方法が
望まれ、盛んに研究されている。代表的なものとして、
抗IL−1β抗体、抗IL−1βレセプター抗体、IL
−1レセプターアンタゴニスト(IL−1ra)などが
開発され(医学のあゆみ、167巻、1993年、43
2〜435頁)、一部は敗血症を対象疾患として臨床試
験に供されたが、何れも期待された効果は得られず、実
用化には至っていない。
【0004】IL−2は従来、T細胞増殖因子(TCG
F)と呼称されていた分子量約15kDaの糖タンパク
質であり、1983年、谷口らによってその遺伝子がク
ローニングされた。IL−2は、そのT細胞に対する増
殖促進活性から単独療法あるいは局所養子免疫療法によ
る癌の治療薬としての応用が図られている。
【0005】他方、トランスジェニックマウスを用いた
実験から、局所(この場合は膵臓)で持続的に産生され
るIL−2が自己免疫性糖尿病の有力な病因の一つであ
ることを示唆する知見が得られている(Health
W.R.、AllisonJ.ら、Nature、35
9巻、547頁、1992年)。また、IL−2の投与
において自己免疫疾患であるSLE(全身性エリテマト
ーデス)、RA(リウマチ性関節炎)を併発したとの報
告もある(Chazerain P.、Meyer
O.、Kahn M−F.(ご確認下さい)ら、An
n. Intern. Med.、116巻、427
頁、1992年;およびWandl U.B.、Nag
el−Hiemke M.、May D.ら、Cli
n. Immunol. Immunopatho
l.、65巻、70頁、1992年)。さらに、敗血症
ショックにおいてTNF−αと共にIL−2がその病態
に深く関与している可能性が示唆されている(Endo
S.、Inada K.、Inoue Y.ら、Ci
rculatory Shock、38巻、264頁、
1992年)。従って、IL−2の副作用は重大であ
り、IL−2の作用を抑止する方法が望まれている。し
かしながら、現在のところ、これらの疾患においてIL
−2の作用を抑止する有効な方法は確立されていない。
【0006】IL−6は、元来B細胞の分化因子として
単離され、1986年に平野、岸本らによってその遺伝
子構造が決定された。骨髄腫細胞の増殖因子として作用
する、あるいは、肝臓において急性期タンパクを誘導す
るなど、炎症の主要メディエーターとしての作用が認め
られている。IL−6が異常に産生されるとB細胞がポ
リクローナルに活性化され、形質細胞腫を引き起こすこ
とがIL−6異常産生トランスジェニックマウスの作製
により示されている。一般に、多くの急性炎症疾患や細
菌感染、ウイルス感染、火傷、心筋梗塞などにおいて、
血中のIL−6の濃度が高値を示すことが観察されてい
る。実際、火傷や外科手術などの侵襲時にIL−6レベ
ルが亢進する。急性の細菌性髄膜炎患者(肺炎菌、ブド
ウ球菌、リステリア菌による)の脳脊髄液中では、50
0ng/mlにもおよぶIL−6が検出された例が報告
されている。一方、慢性炎症においても局所の炎症組織
または全身においてIL−6が検出されている。慢性関
節リウマチなどの自己免疫疾患やCastlemann
症、心房粘液腫などにおいては、IL−6の異常産生が
あり、これがγグロブリン血症タンパク産生の引き金に
なっていると考えられている。その他にも子宮頸癌、A
IDS、アルコール性肝炎、多発性骨髄腫、レンネルト
Tリンパ腫、メサンジウム増殖性腎炎、腎細胞腫、乾
癬、敗血症などの疾患へのIL−6の関与が指摘されて
いる(日本医学館、サイトカイン−基礎から最新情報ま
で−、1991年、177〜187頁)。従って、過剰
量のIL−6は、生体にとって好ましくない。しかしな
がら、現在のところ、これら疾患においてIL−6の作
用を特異的に抑止する有効な方法は確立されていない。
【0007】IL−8は、1987年に松島らによって
単球由来の好中球走化性因子(MDNCF)として精製
され、その遺伝子もクローニングされている。IL−8
は種々の細胞が産生する好中球活性化遊走制御因子であ
り、in vivoにおけるIL−8の皮内/皮下、関
節内投与により好中球・リンパ球の浸潤がみられる。I
L−8の持続大量投与は組織にとって非常に有害であ
り、肺胞では成人呼吸窮迫症候群様の組織破壊、関節で
は大量のリンパ球浸潤を伴う破壊が生じる。実験的にも
LPS(リポポリサッカライド)誘導性皮膚炎、虚血後
再灌流時の好中球浸潤にIL−8が本質的に関与してい
ることが示される。これは、上記リンパ球浸潤または好
中球浸潤に伴う組織破壊が、IL−8に対する中和抗体
を投与することによりほぼ完全に抑止されることで証明
されている。さらには、慢性関節リウマチ、痛風性関節
炎、乾癬、接触性皮膚炎、敗血症、突発性肺線維症、成
人呼吸窮迫症候群、炎症性腸疾患、免疫性血管炎、糸球
体性腎炎、尿路感染症、心筋梗塞、喘息、気道感染症、
周産期感染、移植臓器拒絶症などの疾患においては、炎
症局所または全身血中から正常人に比して異常に高濃度
のIL−8が検出されており(免疫薬理 12巻 1号
15〜21頁、1994年)、これらの疾患にもIL
−8が関与していると考えられる。従って、生体内のI
L−8の過剰量は、生体にとって好ましくない。しか
し、現在のところ、これら疾患においてIL−8の作用
を抑止する有効な方法は確立されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような現状に鑑み、病因物質としてのインターロイキ
ン類を含有する液体(例えば、体液、特に血液、血漿お
よび血清)から選択的にインターロイキン類を吸着除去
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のイ
ンターロイキン類を除去するための適切な担体について
鋭意研究した結果、スルホン酸基を有するスチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体が有効であることを見い出し、
その知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】本発明は、スルホン酸基を有するスチレン
−ジビニルベンゼン共重合体から構成される、インター
ロイキン−1β、インターロイキン−2、インターロイ
キン−6およびインターロイキン−8から選択される少
なくとも1種の物質の吸着剤を提供する。
【0011】好適な実施態様においては、前記スルホン
酸基を有するスチレン−ジビニルベンゼン共重合体のイ
オン交換量は、0.01meq/mlから5meq/m
lである。
【0012】本発明はまた、スルホン酸基を有するスチ
レン−ジビニルベンゼン共重合体から構成される吸着剤
と、インターロイキン−1β、インターロイキン−2、
インターロイキン−6およびインターロイキン−8から
選択される少なくとも1種の物質を含有する液体とを接
触させる工程を包含する、インターロイキン−1β、イ
ンターロイキン−2、インターロイキン−6およびイン
ターロイキン−8から選択される少なくとも1種の物質
の除去方法を提供する。
【0013】好適な実施態様においては、前記スルホン
酸基を有するスチレン−ジビニルベンゼン共重合体のイ
オン交換量は、0.01meq/mlから5meq/m
lである。
【0014】好適な実施態様においては、前記吸着剤
は、液体の入口と出口とを有する容器内に含まれてい
る。
【0015】本発明は、さらに、インターロイキン−1
β、インターロイキン−2、インターロイキン−6およ
びインターロイキン−8から選択される少なくとも1種
の物質の吸着器を提供し、該吸着器は液体の入口と出口
とを有する容器を有し、該容器には、スルホン酸基を有
するスチレン−ジビニルベンゼン共重合体から構成され
る、インターロイキン−1β、インターロイキン−2、
インターロイキン−6およびインターロイキン−8から
選択される少なくとも1種の物質の吸着剤が含まれてい
る。
【0016】好適な実施態様においては、前記吸着器
は、前記吸着剤の容器外への流出防止手段が備えられて
いる。
【0017】以上のことにより、本願発明の目的が達成
される。
【0018】以下に本発明を詳細に説明する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明における溶液とは、インタ
ーロイキン類を含む液体を意味し、これには、体液、培
養液などが含まれる。ここで体液とは、血液、血漿、血
清、腹水、リンパ液、関節内液およびこれらから得られ
た分画成分、ならびにその他の生体由来の液性成分をい
う。また培養液とは、インターロイキン類を産生する細
胞の培養液をいい、これには、培養上清、細胞破砕液な
どが含まれる。例えば、インターロイキン類産生細胞ま
たはインターロイキン類遺伝子を含む組換え細胞を培養
して得られる培養上清、細胞破砕液またはその上清をい
う。
【0020】IL−1βは153のアミノ酸からなる分
子量17,500のタンパク質であり、等電点は7〜8
である。マクロファージや単球から産生され、免疫担当
細胞の増殖や分化の誘導、内因性発熱物質活性、炎症反
応の誘導(例えば、肝臓における急性期炎症タンパクの
合成など)といった様々な生物活性を有している。
【0021】IL−2はT細胞から産生される分子量約
15,000の糖タンパク質である。
【0022】IL−2はT細胞、B細胞、NK細胞、単
球やマクロファージなどに対して増殖や分化、あるいは
機能活性化を促進することが知られている。
【0023】IL−6はリンパ系の細胞のみならず、非
リンパ系の細胞からも産生される分子量21〜28kD
aの糖タンパクである。
【0024】IL−8は72のアミノ酸からなる分子量
約8,000のタンパク質であり、マクロファージ、繊
維芽細胞、血管内皮細胞などから産生される。
【0025】本発明のスルホン酸基を有するスチレン−
ジビニルベンゼン共重合体は、一般には、強酸性の陽イ
オン交換樹脂として用いられている。その形状として
は、粒状、板状、膜状、繊維状などが挙げられるが、こ
れらの形状に限定されない。
【0026】吸着剤が粒状である場合、微粉末のような
ものは好ましくなく、200μm以上の粒径を有するこ
とが望ましい。さらに好ましくは、小さすぎる粒子と大
きすぎる粒子とが除去された状態、つまり粒径分布範囲
の狭い状態で使用され、平均粒径は、200μm〜10
00μmである。平均粒径が200μm未満であると、
溶液の通過が不充分となる恐れがある。
【0027】吸着剤が繊維状でかつ中空である場合、こ
の吸着剤は、好適には体液に用いられる。この内径は5
μm以上であること好ましい。内径が5μm未満である
と、体液に含まれる細胞が充分に通過しない恐れがあ
る。繊維状で中が密である場合は、径は1μm以上であ
ることが好ましい。径が1μm未満であると、体液に含
まれる細胞が非特異的に吸着される恐れがある。
【0028】吸着剤をカラムに充填して使用する場合、
体液を使用するときは、体液に含まれる細胞が十分に通
過し得る間隙を作れることが好ましい。培養液を使用す
るときは、細胞または細胞残渣を除いた上清を使用する
ことが好ましい。
【0029】また、血液を通過させる際に血球成分の非
特異吸着を避けるために、吸着剤は、例えばヒドロキシ
エチルメタクリレートの重合体などの適当な高分子でコ
ーティングされ得る。このコーティングは、吸着剤から
の微粒子の発生を防ぐためにも行われ得る。
【0030】本発明において、スチレン−ジビニルベン
ゼン共重合体を得るための共重合の方法は種々あり、い
かなる方法で共重合してもよい。代表的な方法として
は、スチレンに適当量のジビニルベンゼンを加え、その
混合物に重合触媒(例えば少量の過酸化ベンゾイルと
水)を加え、ベントナイトやアルギン酸などの懸濁剤を
加えて激しく攪拌しながら重合させる方法が挙げられ
る。
【0031】本発明において、スチレン−ジビニルベン
ゼン共重合体にスルホン酸基を導入する方法として、濃
硫酸またはクロロスルホン酸で上記共重合体を処理する
などの種々の方法があり、この方法に限定されるもので
はない。
【0032】スチレン−ジビニルベンゼン共重合体に導
入されたスルホン酸基の量は、イオン交換量として表す
ことができる。インターロイキン類を吸着するために
は、適切な密度でスルホン酸基が導入されていることが
必要である。このスルホン酸基が導入されていない場合
は、溶液中の主要タンパク質が非特異的に吸着されるの
で、好ましくない。本発明の吸着剤のイオン交換量は、
好ましくは、0.01〜5meq/mlであり、さらに
好ましくは、0.1〜2meq/mlである。0.01
meq/ml未満では、インターロイキン類の吸着能力
が低下するので好ましくなく、5meq/mlを越える
と、インターロイキン類の吸着能力を維持した状態で吸
着剤を作製することが困難である。
【0033】本発明の吸着剤は、その外表面だけでもイ
ンターロイキン類を吸着することができるが、より多く
のインターロイキン類を吸着するためには、その表面に
インターロイキン類が充分内部に入れるだけの細孔が開
いていることが好ましい。細孔は分布を有し、その分布
は水銀圧入法または窒素吸着法により測定することがで
きる。インターロイキン類を吸着するためには、好まし
くは、25〜2000オングストロームに主な細孔分布
を有し、さらに好ましくは、100〜1000オングス
トロームに主な細孔分布を有する。
【0034】本発明の吸着剤は外表面だけでもインター
ロイキン類を吸着することが可能であるが、より多くの
インターロイキン類を吸着するためには、単位吸着剤あ
たりの吸着に使用し得る表面の面積(比表面積)が大き
い方が好ましい。比表面積は、好ましくは、10m2
g以上であり、さらに好ましくは、100m2/g以上
である。
【0035】スルホン酸基を有するスチレン−ジビニル
ベンゼン共重合体と溶液とを接触させ、溶液中のインタ
ーロイキン類を吸着除去する方法には種々の方法があ
る。代表的な方法としては、溶液を取り出してバッグな
どに貯留し、これに吸着剤を混合してインターロイキン
類を吸着除去した後、吸着剤を濾別してインターロイキ
ン類が除去された液体を得る方法;液体の入口および出
口を有し、液体は通過するが吸着剤は通過しないフィル
タ−を出口に装着した容器へ吸着剤を充填し、これに溶
液を流す方法などがある。いずれの方法を用いても良い
が、後者の方法は操作も簡単であり、また体外循環回路
に組み込むことにより患者の体液から効率よくオンライ
ンでインターロイキン類を除去することが可能であり、
本発明の吸着剤はこの方法に適している。
【0036】次に、本発明のインターロイキン類の吸着
器を、図1の概略断面図に基づき説明するが、本発明の
吸着器はこれに限定されない。
【0037】図1に示す容器7は、液体の入口または出
口1、液体の出口または入口2、本発明のインターロイ
キン類の吸着剤3、液体および液体に含まれる成分は通
過できるがインターロイキン類の吸着剤は通過できない
吸着剤流出防止手段4,5、およびカラム6を有する。
この容器の形状および材質は特に限定されないが、好ま
しくは、例えば、容量150〜400ml程度、直径4
〜10cm程度の筒状容器が用いられる。
【0038】以下の実施例により本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるも
のではない。
【0039】
【実施例】
(実施例1)三菱化成(株)製の強酸性陽イオン交換樹脂
ダイヤイオンHPK−55H(スルホン酸基を有するス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体であり、イオン交換
量は約1meq/mlである)をNa型に変換させた
後、生理食塩水で平衡化した。このイオン交換樹脂0.
5mlを試験管にとり、余分な生理食塩水を除いた。こ
れに、IL−1βを約1.3ng/ml含有する人血清
3mlを加え、37℃で2時間振盪した。上清のIL−
1β濃度をELISA法で測定した。
【0040】(比較例1)生理食塩水0.5mlを試験
管にとり、これに、IL−1βを約1.3ng/ml含
有する人血清3mlを加え、37℃で2時間振盪した。
上清のIL−1β濃度をELISA法で測定した。
【0041】 比較例1に対して、実施例1のIL−1β濃度が大きく
低下しており、上記の強酸性陽イオン交換樹脂を用いる
ことにより、効率よく溶液中のIL−1βを吸着除去で
きることがわかる。
【0042】(実施例2)実施例1と同様の方法により
得たイオン交換樹脂0.5mlを試験管にとり、余分な
生理食塩水を除いた。これに、IL−2を約750pg
/ml含有する人血清3mlを加え、37℃で2時間振
盪した。上清のIL−2濃度をELISA法で測定し
た。
【0043】(比較例2)生理食塩水0.5mlを試験
管にとり、IL−2を約750pg/ml含有する人血
清3mlを加え、37℃で2時間振盪した。上清のIL
−2濃度をELISA法で測定した。
【0044】 比較例2に対して、実施例2のIL−2濃度が大きく低
下しており、上記の強酸性陽イオン交換樹脂を用いるこ
とにより、効率よく溶液中のIL−2を吸着除去できる
ことがわかる。
【0045】(実施例3)実施例1と同様の方法により
得たイオン交換樹脂0.5mlを試験管にとり、余分な
生理食塩水を除いた。これに、IL−6を約420pg
/ml含有する人血清3mlを加え、37℃で2時間振
盪した。上清のIL−6濃度をELISA法で測定し
た。
【0046】(比較例3)生理食塩水0.5mlを試験
管にとり、IL−6を約420pg/ml含有する人血
清3mlを加え、37℃で2時間振盪した。上清のIL
−6濃度をELISA法で測定した。
【0047】 比較例3に対して、実施例3のIL−6濃度が大きく低
下しており、上記の強酸性陽イオン交換樹脂を用いるこ
とにより、効率よく溶液中のIL−6を吸着除去できる
ことがわかる。
【0048】(実施例4)実施例1と同様の方法により
得たイオン交換樹脂0.5mlを試験管にとり、余分な
生理食塩水を除いた。これに、IL−8を約7.4ng
/ml含有する人血清3mlを加え、37℃で2時間振
盪した。上清のIL−8濃度をELISA法で測定し
た。
【0049】(比較例4)生理食塩水0.5mlを試験
管にとり、IL−8を約7.4ng/ml含有する人血
清3mlを加え、37℃で2時間振盪した。上清のIL
−8濃度をELISA法で測定した。
【0050】 比較例4に対して、実施例4のIL−8濃度が大きく低
下しており、上記の強酸性陽イオン交換樹脂を用いるこ
とにより、効率よく溶液中のIL−8を吸着除去できる
ことがわかる。
【0051】
【発明の効果】スルホン酸基を有するスチレン−ジビニ
ルベンゼン共重合体から構成される本発明の吸着剤を用
いることによって、効率よく溶液中のインターロイキン
類を吸着除去できる。本発明は、インターロイキン類を
病因物質とする種々の疾患において、インターロイキン
類の作用を抑止する有効な方法を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインターロイキン類吸着器の一例の概
略断面図である。
【符号の説明】
1 :液体の入口または出口 2 :液体の出口または入口 3 :インターロイキン類の吸着剤 4、5:フィルター 6 :カラム 7 :容器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン酸基を有するスチレン−ジビニ
    ルベンゼン共重合体から構成される、インターロイキン
    −1β、インターロイキン−2、インターロイキン−6
    およびインターロイキン−8から選択される少なくとも
    1種の物質の吸着剤。
  2. 【請求項2】 前記スルホン酸基を有するスチレン−ジ
    ビニルベンゼン共重合体のイオン交換量が、0.01m
    eq/mlから5meq/mlである、請求項1に記載
    の吸着剤。
  3. 【請求項3】 スルホン酸基を有するスチレン−ジビニ
    ルベンゼン共重合体から構成される吸着剤と、インター
    ロイキン−1β、インターロイキン−2、インターロイ
    キン−6およびインターロイキン−8から選択される少
    なくとも1種の物質を含有する液体とを接触させる工程
    を包含する、インターロイキン−1β、インターロイキ
    ン−2、インターロイキン−6およびインターロイキン
    −8から選択される少なくとも1種の物質の除去方法。
  4. 【請求項4】 前記スルホン酸基を有するスチレン−ジ
    ビニルベンゼン共重合体のイオン交換量が、0.01m
    eq/mlから5meq/mlである、請求項3に記載
    の除去方法。
  5. 【請求項5】 前記吸着剤が、液体の入口と出口とを有
    する容器内に含まれている、請求項3に記載の除去方
    法。
  6. 【請求項6】 インターロイキン−1β、インターロイ
    キン−2、インターロイキン−6およびインターロイキ
    ン−8から選択される少なくとも1種の物質の吸着器で
    あって、該吸着器は液体の入口と出口とを有する容器を
    有し、該容器には、スルホン酸基を有するスチレン−ジ
    ビニルベンゼン共重合体から構成される、インターロイ
    キン−1β、インターロイキン−2、インターロイキン
    −6およびインターロイキン−8から選択される少なく
    とも1種の物質の吸着剤が含まれている、吸着器。
  7. 【請求項7】 前記吸着剤の容器外への流出防止手段が
    備えられた、請求項6に記載の吸着器。
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