JP3410849B2 - インターロイキン類の吸着剤および吸着除去方法 - Google Patents

インターロイキン類の吸着剤および吸着除去方法

Info

Publication number
JP3410849B2
JP3410849B2 JP06656595A JP6656595A JP3410849B2 JP 3410849 B2 JP3410849 B2 JP 3410849B2 JP 06656595 A JP06656595 A JP 06656595A JP 6656595 A JP6656595 A JP 6656595A JP 3410849 B2 JP3410849 B2 JP 3410849B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
interleukin
adsorbent
cellulofine
adsorption rate
gel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06656595A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08257398A (ja
Inventor
勝 中谷
重雄 古吉
覚 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=26347639&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3410849(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP06656595A priority Critical patent/JP3410849B2/ja
Priority to CA002167872A priority patent/CA2167872C/en
Priority to US08/590,599 priority patent/US5919898A/en
Priority to EP96101098A priority patent/EP0723794A1/en
Publication of JPH08257398A publication Critical patent/JPH08257398A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3410849B2 publication Critical patent/JP3410849B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Landscapes

  • External Artificial Organs (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体液よりインターロイ
キン−1(以下、IL−1という)、インターロイキン
−2(以下、IL−2という)、インターロイキン−6
(以下、IL−6という)およびインターロイキン−8
(以下、IL−8という)からなるインターロイキン
(以下、ILという)類の少なくとも1種のILを吸着
するための吸着剤、これを用いた前記IL(類)の除去
方法ならびに前記IL(類)の吸着器に関する。
【0002】
【従来の技術】免疫担当細胞は免疫応答を引き起こす際
に種々の活性物質を産生する。その一部はサイトカイン
と呼ばれる蛋白性物質であり、種々の抗原特異的、非特
異的免疫炎症反応に深く関わる生体防御因子として非常
に重要な役割を果たしている。本来サイトカインは生体
の恒常性の維持に必要不可欠なものであるが、炎症など
の病態では過剰に産生され、炎症の病態形成、遷延に関
わっている。
【0003】IL−1は1984〜1985年にその遺
伝子がクローニングされ、主に単球/マクロファージ系
細胞から産出される分子量約17kDの蛋白性因子であ
る。IL−1には異なる遺伝子に由来するIL−1αと
IL−1βが存在し、活性化したマクロファージはおよ
そ1:9の割合で産生している。
【0004】IL−1は免疫、炎症、造血、神経内分
泌、生体恒常性などのありとあらゆる生体反応において
重要な役割を演じていることが明らかにされている。一
方、IL−1の産生異常は種々の疾患の原因であること
が示唆されている。たとえば、自己免疫疾患であり、慢
性的な全身の炎症を病態とする膠原病、とくに慢性関節
リウマチ(RA)の病態形成にIL−1が関与している
ことが示唆されている。IL−1には滑膜細胞、軟骨細
胞からのプロスタグランジン、コラゲナーゼ産生亢進に
よる軟骨破壊作用や、破骨細胞活性化による骨吸収促進
作用があり、RAの関節症状にIL−1が関与している
可能性が強く示唆されている。また実験動物の関節腔内
にIL−1を注入すると、一過性の関節炎が再現できる
ことも報告されており、RAの病態にIL−1が中心的
な役割を果たしていることが示唆されている。さらに近
年、全身性炎症反応症候群(systemic inf
lammatory response syndro
m)(以下、SIRSという)という概念で包括される
病態においては、IL−1などの炎症性サイトカインが
過剰に産生され、これらの作用が中心となって全身性の
炎症反応が進行し、組織障害および多臓器不全が出現
し、ひいては死にいたることが報告されている。さらに
全身性エリテマトーデス、ライム病、骨粗鬆症、川崎
病、痛風性関節炎、子宮内膜炎、早産において炎症局所
あるいは全身血中から正常人に比して高濃度のIL−1
が検出されており、これらの疾患の病態形成と深く関わ
っていることが示唆されている。さらには透析患者にお
いても種々の要因によりIL−1が産生され、透析アミ
ロイド症をはじめとする透析合併症の発症に深い関係が
あることが示唆されている。またIL−1は、前記作用
に加えて他のサイトカインの産生を促進するという作用
を有しており、炎症の場における悪循環の主な原因物質
であることが確認されている。このようにIL−1は各
種疾患の病態に深く関与しているにも関わらず、これら
の疾患においてIL−1の作用を抑止する有効な方法、
もしくは体液中からIL−1を除去する方法は確立され
ていないのが現状である。
【0005】またIL−2は、1976年にモーガン
(Morgan)らにより活性化末梢血リンパ球上清が
T細胞の長期維持を可能にする因子(T細胞成長因子
(T cell growth factor)(TC
GF))として見いだされた。この活性物質は後の研究
で胸腺細胞の分裂促進、細胞障害性T細胞の活性化、B
細胞分化誘導、NK(natural killer)
細胞活性化、LAK(Lymphokine acti
vated killer)活性の誘導などの活性をも
つことが次第に明らかになり、1979年にIL−2と
いう統一名が与えられた。引き続き1983年に、タニ
グチ(Taniguchi)らによりIL−2の遺伝子
がクローニングされ、その一次構造が明らかにされてい
る。
【0006】IL−2は、主にT細胞により産生され、
T細胞、B細胞、NK細胞、単球、マクロファージ、グ
リオーマ細胞など、細胞表面にIL−2受容体(IL−
2R)を有する細胞に作用し、その増殖、分化、活性化
を引き起こすなど、さまざまな作用を有している。しか
しながら、IL−2の産生異常は生体に対し悪影響を及
ぼすことが示唆されている。たとえば、敗血症において
は血液中のサイトカインが異常高値を示すことが知られ
ているが、敗血症が重症化するといわゆる「敗血症性シ
ョック」が生じる。この敗血症性ショックには二つのタ
イプがあり、その一つにIL−2が異常高値を示し、そ
の病態形成に関与すると報告されている(エス・エンド
ー(S.Endo)ら、サーキュラトリー・ショック
(Circulatory Shock)38巻、26
4〜274頁(1992年)参照)。また「敗血症性シ
ョック」のうち、IL−2が関与するタイプの方が予後
が不良であると報告されている。このようにIL−2は
敗血症性ショックの病態形成に深く関与しているにもか
かわらず、IL−2の作用を抑制する有効な方法、もし
くは体液中からIL−2を除去する方法は確立していな
いのが現状である。
【0007】さらに、IL−6は、1985年にキシモ
ト(Kishimoto)らによって、活性化B細胞の
増殖促進を引き起こさず、抗体産生のみを誘導する因子
として単離精製され、ヒラノ(Hirano)らが19
86年にcDNAを単離し、全塩基配列を決定したサイ
トカインである。
【0008】IL−6は免疫担当細胞や肝細胞の急性期
蛋白産生の誘導を引き起こすなど幅広い生物活性を有す
る。
【0009】IL−6はリポ多糖類(LPS)をはじめ
とする種々の炎症性物質の刺激が加わることにより単
球、線維芽細胞、血管内皮細胞、皮膚ケラチノサイトな
どの幅広い種類の細胞が産生し、炎症反応を増強する方
向に作用するため、IL−6の過剰産生により慢性的な
炎症反応が生じることとなる。たとえば、キャッスルマ
ン氏病では腫脹したリンパ節の胚中心にあるBリンパ芽
球よりIL−6が産生されており、病変リンパ節の外科
的除去により臨床症状の改善と血清IL−6の低下が認
められると報告されている。さらに近年では、先に記載
したSIRSという概念で包括される病態においては、
IL−6などの炎症性サイトカインの血中濃度が高く、
IL−1と同様に、これらの作用が中心となって全身性
の炎症反応が進行し、組織障害および多臓器不全が出現
し、ひいては死に至ることが報告されている。そのほか
にも慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの
自己免疫疾患、メサンギウム細胞増殖性腎炎、乾癬など
の慢性増殖性疾患、さらには透析合併症である透析アミ
ロイド症においては、炎症局所あるいは全身血中から正
常人に比して異常に高濃度のIL−6が検出されてお
り、これら疾患の病態形成に深く関与していると考えら
れている。しかしながら従来の方法では体液中のIL−
6の作用を抑制する有効な方法、もしくは体液中からI
L−6を除去する方法は確立されていないのが現状であ
る。
【0010】IL−8は、松島らが1987年に単球由
来の好中球走化性因子(MDNCF)として精製、遺伝
子クローニングしたサイトカインであり、種々の細胞が
産生する好中球活性化遊走制御因子である。in vi
voにおいても、IL−8の皮内/皮下、関節内投与に
より好中球・リンパ球の浸潤を再現できる。
【0011】IL−8の持続大量投与は組織にとって非
常に有害であり、肺胞では成人呼吸窮迫症候群様の組織
破壊、関節では大量のリンパ球浸潤を伴う破壊を生じ
る。実験的にもリポ多糖類誘導性皮膚炎、虚血後再潅流
時の好中球浸潤にIL−8が本質的に関与しており、I
L−8に対する中和抗体でほぼ完全に組織破壊が抑止で
きることが証明されている。さらには、慢性関節リウマ
チ、痛風性関節炎、乾癬、接触性皮膚炎、突発性肺線維
症、成人呼吸窮迫症候群、炎症性腸疾患、免疫性血管
炎、糸球体性腎炎、尿路感染症、心筋梗塞、喘息、気道
感染症、周産期感染、移植臓器拒絶症などの疾患におい
ては、炎症局所あるいは全身血中から正常人に比して異
常に高濃度のIL−8が検出されている(免疫薬理、1
2巻、1号、15〜21頁、1994年参照)。さらに
近年では、先に記載したSIRSという概念で包括され
る病態においては、IL−8などの炎症性サイトカイン
の血中濃度が高く、IL−1、IL−6と同様に、これ
らの作用が中心となって全身性の炎症反応が進行し、組
織障害および多臓器不全が出現し、ひいては死に至るこ
とが報告されている。また、たとえば透析療法などの血
液体外循環を行う際の人工材料や透析液中の菌体内毒
素、または種々の刺激因子などによる免疫担当細胞への
刺激によりIL−8は過剰に産生され、長期透析療法に
伴う合併症である透析アミロイド症や手根管症候群の病
態形成に深く関わっていると報告されている。しかしな
がら、従来の方法では体液中のIL−8の作用を抑制す
る有効な方法、もしくは体液中のIL−8を除去する方
法は確立されていないのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、体液中のI
L−1、IL−2、IL−6およびIL−8からなるI
L類の少なくとも1種のインターロイキンを効率よく吸
着除去することが可能な吸着剤、該吸着剤を用いた体液
中の前記IL(類)の除去方法ならびに前記IL(類)
の吸着器を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、体液中に
存在するIL−1、IL−2、IL−6およびIL−8
からなるIL類の少なくとも1種のインターロイキンを
効率よく吸着除去できる吸着剤について鋭意検討した。
その結果、水不溶性多孔質担体にlogP値が2.50以
上の化合物を固定化した物質が体液中に存在する前記I
L(類)を効率よく吸着除去できることを発見し、本発
明を完成した。
【0014】すなわち、本発明は水不溶性多孔質担体
にlogP(Pはオクタノール−水系での分配係数)値が
2.50以上の化合物を固定してなる前記IL(類)の
吸着剤、該吸着剤に前記IL(類)を含む体液を接触
させることを特徴とする、体液中の前記IL(類)の除
去方法、ならびに液の入口および出口を有しかつ、吸
着剤の容器外への流出防止手段を備えた容器内に、該吸
着剤を充填してなる前記IL(類)の吸着器に関する。
【0015】好ましくは、前記吸着剤における水不溶性
多孔質担体の球状蛋白質の排除限界分子量は、5千以上
60万以下である。
【0016】
【実施例】以下に本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明における「IL−1」とは、等電点
が5で159個のアミノ酸からなる分子量が約17,5
00のIL−1αと、等電点が7〜8で153個のアミ
ノ酸からなる分子量約17,000のIL−1βの2つ
に分けられる。両者の構造の相同性は約25%と低い
が、α型とβ型は同一のレセプターに結合し、一部の活
性を除いてはほぼ同じ活性を示すことが明らかにされて
いる。
【0018】また本発明における「IL−2」とは、分
子量が約15,000で、133個のアミノ酸からなる
ポリペプチド、ならびにそのN末端より3番目のThr
(スレオニン)部位でのO−グリコシル化による糖鎖を
有する糖蛋白質である。
【0019】さらに本発明における「IL−6」とは、
分子量約26,000で、184個のアミノ酸からなる
糖蛋白質であり、分子内に2つのジスルフィド結合を有
している。IL−6はその一次構造から分子内にαヘリ
ックス構造を有すると考えられている。
【0020】ついで本発明における「IL−8」とは、
分子量が約8,000の72個のアミノ酸からなる蛋白
質であり、塩基性が強くヘパリン親和性を有している。
また、NMRとX線結晶解析によって二次および三次構
造が解明されており、分子内に2つのジスルフィド結合
を有し、三重のβシート構造を骨格としており、さらに
C末端側の12アミノ酸残基はαヘリックス構造を形成
していることが明らかとなっている。
【0021】さらに本発明における体液とは血液、血
漿、血清、腹水、リンパ液、関節内液およびこれらから
えられた画分成分、ならびにその他の生体由来の液性成
分をいう。
【0022】本発明の吸着体は、logP値が2.50以
上の化合物を水不溶性多孔質担体に固定化してなる。lo
gP値は化合物の疎水性のパラメーターとなり、代表的
なオクタノール−水系での分配係数Pの求め方はつぎの
とおりである。まず、化合物をオクタノール(もしくは
水)に溶解し、これに等量の水(もしくはオクタノー
ル)を加え、グリッフィン・フラスク・シェイカー(G
riffin flask shaker)(グリッフ
ィン・アンド・ジョージ・リミテッド(Griffin
& George Ltd.)製)で30分間振とう
する。そののち2,000rpmで1〜2時間遠心分離
し、オクタノール層および水層中の化合物濃度の測定を
分光学的またはGLCなどの種々の方法により測定する
ことにより次式で求められる。
【0023】P=Coct/Cw Coct:オクタノール層中の化合物濃度 Cw :水層中の化合物濃度 これまでに多くの研究者らにより種々の化合物のlogP
値が実測されているが、それらの実測値はシー・ハンシ
ュ(C.Hansch)らによって整理されている
(「パーティション・コーエフィシエンツ・アンド・ゼ
ア・ユージズ;ケミカル・レビューズ(PARTITI
ON COEFFICIENTS ANDTHEIR
USES;Chemical Reviews)、71
巻、525頁、1971年」参照)。
【0024】また実測値の知られていない化合物につい
てはアール・エフ・レッカー(R.F.Rekker)
がその著書(「ザ・ハイドロフォビック・フラグメンタ
ル・コンスタント(THE HYDROPHOBIC
FRAGMENTAL CONSTANT)」、エルセ
ビア・サイエンティフィック・パブリッシング・カンパ
ニー、アムステルダム(Elsevier Sci.P
ub.Com., Amsterdam)(1977
年))中に示している疎水性フラグメント定数fを用い
て計算した値(Σf)が参考となる。疎水性フラグメン
ト定数は数多くのlogP実測値をもとに、統計学的処理
を行ない決定された種々のフラグメントの疎水性を示す
値であり、化合物を構成するおのおののフラグメントの
f値の和はlogP値とほぼ一致する。
【0025】IL−1、IL−2、IL−6およびIL
−8からなるIL類の吸着に有効な化合物の探索にあた
り種々のlogP値を有する化合物を固定し検討した結
果、logP値2.50以上、好ましくは2.80以上、
さらに好ましくは3.00以上の化合物が前記IL
(類)の吸着に有効であり、logP値2.50未満の化
合物は殆ど前記IL(類)の吸着能を示さないことがわ
かった。たとえばアルキルアミンを固定化したばあい、
アルキルアミンをn−ヘキシルアミン(logP=2.0
6)からn−オクチルアミン(logP=2.90)に変
えると、この間で前記IL(類)の吸着能は飛躍的に上
昇することがわかった。これらの結果より、本発明の吸
着体への前記IL(類)の吸着は、logP値2.50以
上の化合物の固定により担体上に導入された原子団と前
記IL(類)との間の疎水性相互作用によるものと考え
られ、logP値2.50未満の化合物では疎水性が小さ
すぎるために前記IL(類)の吸着能を示さないと考え
られる。
【0026】本発明において、水不溶性多孔質担体に固
定される化合物としては、logP値が2.50以上の化
合物であれば特別な制限なしに用いることができる。た
だし、担体上に化合物を化学結合法によって結合するば
あいには、化合物の一部が脱離することが多いが、この
脱離基が化合物の疎水性に大きく寄与しているばあい、
すなわち脱離により担体上に固定される原子団の疎水性
がΣf=2.50より小さくなるようなばあいには本発
明の主旨から考えて、本発明に用いる化合物としては不
適当である。その代表例を一つあげると、安息香酸イソ
ペンチルエステル(Σf=4.15)をエステル交換に
より水酸基を有する担体上に固定するばあいがあげられ
る。このばあい、実際に担体上に固定される原子団はC
65CO−であり、この原子団のΣfは1以下である。
このような化合物が本発明で用いる化合物として適当か
どうかは、脱離基の部分を水素に置き換えた化合物のlo
gP値が2.50以上かどうかにより判断すれば良い。
【0027】logP値が2.50以上の化合物の中でも
不飽和炭化水素、アルコール、アミン、チオール、カル
ボン酸およびその誘導体、ハロゲン化物、アルデヒド、
ヒドラジド、イソシアナート、グリシジルエーテルなど
のオキシラン環含有化合物、ハロゲン化シランなどのよ
うに担体への結合に利用できる官能基を有する化合物が
好ましい。このような化合物の代表例としてはn−ヘプ
チルアミン、n−オクチルアミン、デシルアミン、ドデ
シルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミ
ン、2−アミノオクテン、ナフチルアミン、フェニル−
n−プロピルアミン、ジフェニルメチルアミンなどのア
ミン類、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコ
ール、ドデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、
1−オクテン−3−オール、ナフトール、ジフェニルメ
タノール、4−フェニル−2−ブタノールなどのアルコ
ール類ならびにこれらのアルコールのグリシジルエーテ
ル類、n−オクタン酸、ノナン酸、2−ノネン酸、デカ
ン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、オレ
イン酸、ジフェニル酢酸、フェニルプロピオン酸などの
カルボン酸類ならびにこれらの酸ハロゲン化物、エステ
ル、アミドなどのカルボン酸誘導体、塩化オクチル、臭
化オクチル、塩化デシル、塩化ドデシルなどのハロゲン
化物、オクタンチオール、ドデカンチオールなどのチオ
ール類、n−オクチルトリクロロシラン、オクタデシル
トリクロロシランなどのハロゲン化シラン類、n−オク
チルアルデヒド、n−カプリンアルデヒド、ドデシルア
ルデヒドなどのアルデヒド類などがあげられる。
【0028】これらのほかにも、前記の例示化合物の炭
化水素部分の水素原子がハロゲン、窒素、酸素、イオウ
などのヘテロ原子を含有する置換基、他のアルキル基な
どで置換された化合物のうち、logP値が2.50以上
の化合物、前述のシー・ハンシュ(C.Hansch)
らの総説「パーティション・コーフィシエンツ・アンド
・ゼア・ユージズ;ケミカル・レビューズ(PARTI
TION COEFFICIENTS AND THE
IR USES;Chemical Review
s)、71巻、525頁、1971年」中の555頁か
ら613頁の表に示されているlogP値が2.50以上
の化合物などを用いることができるが、本発明において
はこれらのみに限定されるものではない。
【0029】なお、これらの化合物はそれぞれ単独で用
いてもよいし、任意の2種類以上を組み合わせてもよ
く、さらにはlogP値が2.50未満の化合物との組み
合わせで用いてもよい。
【0030】本発明の吸着剤における水不溶性担体と
は、常温常圧で固体であり水不溶性であることを意味す
る。また、本発明における水不溶性担体は粒状、板状、
繊維状、中空糸状などがあるが形状は問わず、その大き
さもとくに限定されない。
【0031】本発明における水不溶性担体としては、ガ
ラスビーズ、シリカゲルなどの無機担体、架橋ポリビニ
ルアルコール、架橋ポリアクリレート、架橋ポリアクリ
ルアミド、架橋ポリスチレンなどの合成高分子や結晶性
セルロース、架橋セルロース、架橋アガロース、架橋デ
キストリンなどの多糖類からなる有機担体、さらにはこ
れらの組み合わせによってえられる有機−有機、有機−
無機などの複合担体などが代表例としてあげられる。
【0032】なかでも、親水性担体が非特異的吸着が比
較的少なくIL(類)の吸着選択性が良好であるため好
ましい。ここでいう親水性担体とは担体を構成する化合
物を平板状にしたときの水との接触角が60度以下の担
体を指す。このような担体としてはセルロース、ポリビ
ニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化
物、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタク
リル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸グラ
フト化ポリエチレン、ポリアクリルアミドグラフト化ポ
リエチレン、ガラスなどからなる担体が代表例としてあ
げられるが、多孔質セルロースゲルは、(1)機械的強
度が比較的高く、強靭であるため撹拌などの操作により
破壊されたり微粉を生じたりすることが少なく、カラム
に充填したばあい体液を高速で流しても圧密化しないの
で高流速で流すことが可能となり、また細孔構造が高圧
蒸気滅菌などによって変化を受けにくい、(2)ゲルが
セルロースで構成されているため親水性であり、リガン
ドの結合に利用しうる水酸基が多数存在し、非特異的吸
着も少ない、(3)空孔容積を大きくしても比較的強度
が高いため軟質ゲルにおとらない吸着容量がえられる、
(4)安全性が合成高分子ゲルなどに比べて高いなどの
すぐれた点を有しており、本発明に用いる最も適した担
体の1つである。しかしながら本発明においてはこれら
のみに限定されるものではない。なお、前述の担体はそ
れぞれ単独で用いてもよいし、任意の2種類以上を混合
して用いてもよい。
【0033】本発明に用いる水不溶性担体に要求される
性質は、適当な大きさの細孔を多数有する、すなわち多
孔質であることである。本発明の吸着体の吸着対象であ
るIL−1は分子量が約17,000の蛋白質であり、
IL−2は分子量が約15,000の糖蛋白質であり、
IL−6は分子量が約26,000の糖蛋白質であり、
またIL−8は分子量が約8,000の蛋白質である。
これらの蛋白質を効率よく吸着するためには前記IL
(類)はある程度大きな確立で細孔内に侵入できるが、
他の蛋白質の侵入はできる限りおこらないことが好まし
い。細孔径に侵入可能な物質の分子量の目安として排除
限界分子量が一般に用いられている。排除限界分子量と
は成書(たとえば、波多野博行、花井俊彦著、実験高速
液体クロマトグラフ、化学同人)などに述べられている
ごとく、ゲル浸透クロマトグラフィーにおいて細孔内に
侵入できない(排除される)分子の内最も小さい分子量
をもつものの分子量をいう。排除限界分子量は一般に球
状蛋白質、デキストラン、ポリエチレングリコールなど
についてよく調べられているが、本発明に用いる担体の
ばあい、球状蛋白質を用いてえられた値を用いるのが適
当である。
【0034】種々の排除限界分子量の担体を用いて検討
した結果、前記IL(類)の吸着に適当な細孔径の範囲
は、排除限界分子量が5千以上60万以下であることが
明らかとなった。すなわち5千未満の排除限界分子量を
持つ担体を用いたばあいには、前記IL(類)の吸着量
は小さくその実用性が低下し、また60万をこえるもの
では、前記IL(類)以外の蛋白質(主としてアルブミ
ン)の吸着が大きくなり、選択性の点でその実用性が低
下する。したがって本発明に用いる担体の好ましい排除
限界分子量は5千以上60万以下、さらに好ましくは8
千以上40万以下、とくに好ましくは1万以上30万以
下である。
【0035】つぎに担体の多孔構造については、吸着体
の単位体積あたりの吸着能から考えて、表面多孔性より
も全多孔性が好ましく、空孔容積が20%以上であり、
比表面積が3m2/g以上であることが好ましい。
【0036】さらに、担体にはリガンドの固定化反応に
用いうる官能基を有していることが好ましい。これらの
官能基の代表例としては水酸基、アミノ基、アルデヒド
基、カルボキシル基、チオール基、シラノール基、アミ
ド基、エポキシ基、ハロゲン基、スクシニルイミド基、
酸無水物基などがあげられるが、これらに限定されるわ
けではない。
【0037】本発明に用いる担体としては硬質担体、軟
質担体のいずれも用いることができるが、体外循環用の
吸着剤として使用するばあいには、カラムに充填し、通
液する際などに目詰まりを生じないことが重要であり、
そのためには充分な機械的強度が要求される。したがっ
て本発明に用いる担体は硬質担体であることがより好ま
しい。ここでいう硬質担体とは、たとえば粒状ゲルのば
あい、後記参考例に示すごとく、ゲルを円筒状カラムに
均一に充填し、水性流体を流した際の圧力損失ΔPと流
量の関係が0.3kg/cm2までの直線関係にあるも
のをいう。
【0038】本発明の吸着剤は、logP値が2.50以
上の化合物を水不溶性多孔質担体に固定してえられる
が、その固定化方法としては公知の種々の方法を特別な
制限なしに用いることができる。しかしながら、本発明
の吸着剤を体外循環治療に供するばあいには、滅菌時あ
るいは治療時においてのリガンドの脱離溶出を極力抑え
ることが安全上重要であり、そのためには共有結合法に
より固定化することが好ましい。
【0039】本発明による吸着剤を用いて体液中より前
記IL(類)を吸着除去する方法には種々の方法があ
る。最も簡便な方法としては体液を取り出してバッグな
どに貯留し、これに吸着剤を混合して前記IL(類)を
吸着除去したのち、吸着剤を濾別して前記IL(類)が
除去された体液をうる方法がある。つぎの方法は体液の
入口と出口を有し、出口には体液は通過するが吸着剤は
通過しないフィルターを装着した容器に吸着剤を充填
し、これに体液を流す方法がある。いずれの方法も用い
ることができるが、後者の方法は操作も簡便であり、ま
た体外循環回路に組み込むことにより患者の体液、とく
に血液から効率よくオンラインで前記IL(類)を除去
することが可能であり、本発明の吸着剤はこの方法に適
している。
【0040】ここでいう体外循環回路では本発明の吸着
体を単独で用いることもできるが、他の体外循環治療シ
ステムとの併用も可能である。併用の例としては、人工
透析回路などがあげられ、透析療法との組み合わせに用
いることもできる。
【0041】つぎに、一実施例として前記IL−1吸着
剤を用いた本発明のIL−1吸着器を、概略断面図であ
る図1にもとづき説明する。もちろんIL−2、IL−
6およびIL−8吸着剤ならびにIL類吸着剤のばあい
も同様である。
【0042】図1中、1は体液の流入口、2は体液の流
出口、3は本発明のIL−1吸着剤、4および5は体液
および体液に含まれる成分は通過できるが前記IL−1
吸着剤は通過できないフィルター、6はカラム、7はI
L−1吸着器である。しかしながら、IL−1吸着器は
このような具体例に限定されるものではなく、液の入口
および出口を有し、かつIL−1吸着剤の容器外への流
出防止具を備えた容器内に、前記吸着剤を充填したもの
であれば、どのようなものでもよい。
【0043】前記流出防止具には、メッシュ、不織布、
綿栓などのフィルターがあげられる。また、容器の形
状、材質、大きさにはとくに限定はないが、好ましい具
体例としては、たとえば容量150〜400ml程度、
直径4〜10cm程度の透明または半透明の筒状容器な
どがあげられる。とくに好ましくは耐滅菌性を有する素
材であるが、具体的にはシリコンコートされたガラス、
ポリプロピレン、塩化ビニール、ポリカーボネート、ポ
リサルフォン、ポリメチルペンテンなどがあげられる。
【0044】以下、実施例において本発明をさらに詳細
に述べるが、本発明は以下の実施例のみに限定されるも
のではない。
【0045】参考例 両端に孔径15μmのフィルターを装着したガラス製円
筒カラム(内径9mm、カラム長150mm)にアガロ
ースゲル(バイオラッド(Bio−rad)社製のバイ
オゲル(Biogel)A−5m、粒径50〜100メ
ッシュ)、ビニル系ポリマーゲル(東ソー(株)製のト
ヨパールHW−65、粒径50〜100μm)およびセ
ルロースゲル(チッソ(株)製のセルロファインGC−
700m、粒径45〜105μm)をそれぞれ均一に充
填し、ペリスタティックポンプにより水を流し、流量と
圧力損失ΔPとの関係を求めた。その結果を図2に示
す。
【0046】図2に示すごとく、トヨパールHW−65
およびセルロファインGC−700mが圧力の増加にほ
ぼ比例して流量が増加するのに対し、バイオゲル(Bi
ogel)A−5mは圧密化を引き起こし、圧力を増加
させても流量が増加しないことがわかる。本発明におい
ては前者のごとく、圧力損失ΔPと流量の関係が0.3
kg/cm2までの直線関係にあるものを硬質ゲルとい
う。
【0047】実施例1 セルロース系多孔質ゲルであるセルロファインGC−7
00m(チッソ(株)製、球状タンパク質の排除限界分
子量400,000)170mlに水を加え全量を34
0mlとしたのち、2M水酸化ナトリウム水溶液90m
lを加え40℃とした。これにエピクロルヒドリン31
mlを加え、40℃で撹拌下2時間反応させた。反応終
了後、充分に水洗し、エポキシ化ゲルをえた。
【0048】このエポキシ化ゲル10mlにn−オクチ
ルアミン(logP=2.90)200mgを加え、50
(v/v)%エタノール水溶液中、45℃で静置下、6
日間反応させた。反応終了後、50(v/v)%エタノ
ール水溶液、エタノール、50(v/v)%エタノール
水溶液、水の順に充分に洗浄し、n−オクチルアミン固
定化ゲルをえた。
【0049】この固定化ゲル(吸着体)およびセルロフ
ァインGC−700mそれぞれ0.5mlに対し、健常
人血清(大日本製薬(株)製)にヒト遺伝子組換えIL
−1α(アール・アンド・ディー・システムズ(R&D
systems)社製)を加えて調製したIL−1α
加健常人血清(IL−1α濃度3ng/ml)3mlを
加え、37℃で2時間インキュベートした。インキュベ
ーション前後の上澄み溶液のIL−1αの濃度をカイマ
ン・ケミカル(CAYMAN CHEMICAL)社製
ヒトIL−1α測定キットを用いて、IL−1α濃度を
測定し、吸着率を算出した。またIL−1β(アール・
アンド・ディー・システムズ社製)についてもIL−1
β加健常人血清(IL−1β濃度1.3ng/ml)を
調製したのちIL−1αと同様に吸着実験を行ない、ア
ール・アンド・ディー・システムズ社製ヒトIL−1β
測定キットを用いて測定を行なって、吸着率を算出し
た。
【0050】 結果 IL−1αの IL−1βの 吸着率(%) 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 0 n−オクチルアミン固定化ゲル 65 63 実施例2 n−オクチルアミンをセチルアミン(Σf=7.22)
に、固定化反応の溶媒をエタノールに変えたほかは実施
例1と同様にしてセチルアミン固定化ゲルをえた。この
吸着剤を用いて実施例1と同様にして吸着実験を行な
い、IL−1α、IL−1βの濃度を測定し、吸着率を
算出した。
【0051】 結果 IL−1αの IL−1βの 吸着率(%) 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 0 セチルアミン固定化ゲル 86 87 実施例3 セルロファインGC−700mをセルロファインGC−
200m(チッソ(株)製、球状タンパク質の排除限界
分子量140,000)に変えたほかは実施例1と同様
にしてn−オクチルアミン固定化ゲルをえた。この吸着
体を用いて実施例1と同様にして吸着実験を行ない、I
L−1α、IL−1βの濃度を測定し、吸着率を算出し
た。
【0052】 結果 IL−1αの IL−1βの 吸着率(%) 吸着率(%) セルロファインGC−200m 0 0 n−オクチルアミン固定化ゲル 68 70 実施例4 セルロファインGC−700mをセルロファインGC−
200mに、n−オクチルアミンをセチルアミンに変え
たほかは実施例1と同様にしてセチルアミン固定化ゲル
をえた。この吸着剤を用いて実施例1と同様にして吸着
実験を行ない、IL−1の濃度を測定し、吸着率を算出
した。
【0053】 結果 IL−1αの IL−1βの 吸着率(%) 吸着率(%) セルロファインGC−200m 0 0 セチルアミン固定化ゲル 90 91 比較例1 n−オクチルアミンをn−ブチルアミン(logP=0.
97)に変えたほかは実施例1と同様にしてn−ブチル
アミン固定化ゲルをえた。この吸着剤を用いて実施例1
と同様にして吸着実験を行ない、IL−1α、IL−1
βの濃度を測定し、吸着率を算出した。
【0054】 結果 IL−1αの IL−1βの 吸着率(%) 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 0 n−ブチルアミン固定化ゲル 2 1 比較例2 n−オクチルアミンをn−ヘキシルアミン(logP=
2.06)に変えたほかは、実施例1と同様にしてn−
ヘキシルアミン固定化ゲルをえた。この吸着体を用いて
実施例1と同様にして吸着実験を行ない、IL−1α、
IL−1βの濃度を測定し、吸着率を算出した。
【0055】 結果 IL−1αの IL−1βの 吸着率(%) 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 0 n−ヘキシルアミン固定化ゲル 3 3 実施例5 実施例1と同様にしてえられたn−オクチルアミン固定
化ゲルおよびセルロファインGC−700mそれぞれ
0.5mlに対し、健常人血清(大日本製薬(株)製)
にヒト遺伝子組換えIL−6(ゲンジム(GENZYM
E)社製、チャイニーズ・ハムスター・オバリー(Ch
inese Hamster Ovary)細胞由来)
を加えて調製したIL−6加健常人血清(IL−6濃度
0.42ng/ml)3mlを加え、37℃で2時間イ
ンキュベートした。インキュベーション前後の上澄み溶
液のIL−6の濃度をバイオソース・インターナショナ
ル(BIOSOURCE INTERNATIONA
L)社製ヒトIL−6測定キットを用いて、IL−6濃
度を測定し、吸着率を算出した。
【0056】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 n−オクチルアミン固定化ゲル 63 実施例6 n−オクチルアミンをセチルアミン(Σf=7.22)
に、固定化反応の溶媒をエタノールに変えたほかは実施
例1と同様にしてセチルアミン固定化ゲルをえた。この
吸着剤を用いて実施例5と同様にして吸着実験を行な
い、IL−6の濃度を測定し、吸着率を算出した。
【0057】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 セチルアミン固定化ゲル 90 実施例7 セルロファインGC−700mをセルロファインGC−
200m(チッソ(株)製、球状タンパク質の排除限界
分子量140,000)に変えたほかは実施例1と同様
にしてn−オクチルアミン固定化ゲルをえた。この吸着
体を用いて実施例5と同様にして吸着実験を行ない、I
L−6の濃度を測定し、吸着率を算出した。
【0058】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−200m 0 n−オクチルアミン固定化ゲル 67 実施例8 セルロファインGC−700mをセルロファインGC−
200mに、n−オクチルアミンをセチルアミンに変え
たほかは実施例1と同様にしてセチルアミン固定化ゲル
をえた。この吸着体を用いて実施例5と同様にして吸着
実験を行ない、IL−6の濃度を測定し、吸着率を算出
した。
【0059】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−200m 0 セチルアミン固定化ゲル 96 比較例3 比較例1と同様にしてn−ブチルアミン固定化ゲルをえ
た。この吸着体を用いて実施例5と同様にして吸着実験
を行ない、IL−6の濃度を測定し、吸着率を算出し
た。
【0060】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 n−ブチルアミン固定化ゲル 1 比較例4 比較例2と同様にしてn−ヘキルアミン固定化ゲルをえ
た。この吸着体を用いて実施例5と同様にして吸着実験
を行ない、IL−6の濃度を測定し、吸着率を算出し
た。
【0061】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 n−ヘキシルアミン固定化ゲル 4 実施例9 実施例1でえられたn−オクチルアミン固定化ゲル(吸
着体)およびセルロファインGC−700mそれぞれ
0.5mlに対し、ヒト遺伝子組換えIL−2(ベクト
ン・ディッキンソン(BECTON DICKINSO
N)社製)に健常人血清(大日本製薬(株)製)80m
lを加えて調製したIL−2加健常人血清(IL−2濃
度0.81ng/ml)3mlを加え、37℃で2時間
インキュベートした。インキュベーション前後の上澄み
溶液のIL−2の濃度をアール・アンド・ディー・シス
テムズ(R&D systems)社製ヒトIL−2測
定キットを用いて、IL−2濃度を測定し、吸着率を算
出した。
【0062】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 n−オクチルアミン固定化ゲル 60 実施例10 n−オクチルアミンをセチルアミン(Σf=7.22)
に、固定化反応の溶剤をエタノールに変えたほかは実施
例9と同様にしてセチルアミン固定化ゲルをえた。この
吸着剤を用いて実施例9と同様にして吸着実験を行な
い、IL−2の濃度を測定し、吸着率を算出した。
【0063】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 セチルアミン固定化ゲル 82 実施例11 セルロファインGC−700mをセルロファインGC−
200m(チッソ(株)製、球状タンパク質の排除限界
分子量140,000)に変えたほかは実施例9と同様
にしてn−オクチルアミン固定化ゲルをえた。この吸着
剤を用いて実施例9と同様にして吸着実験を行ない、I
L−2の濃度を測定し、吸着率を算出した。
【0064】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−200m 0 n−オクチルアミン固定化ゲル 66 実施例12 セルロファインGC−700mをセルロファインGC−
200mに、n−オクチルアミンをセチルアミンに変え
たほかは実施例9と同様にしてセチルアミン固定化ゲル
をえた。この吸着剤を用いて実施例9と同様にして吸着
実験を行ない、IL−2の濃度を測定し、吸着率を算出
した。
【0065】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−200m 0 セチルアミン固定化ゲル 85 比較例5 n−オクチルアミンをn−ブチルアミン(logP=0.
97)に変えたほかは実施例9と同様にしてn−ブチル
アミン固定化ゲルをえた。この吸着剤を用いて実施例9
と同様にして吸着実験を行ない、IL−2の濃度を測定
し、吸着率を算出した。
【0066】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 n−ブチルアミン固定化ゲル 0 比較例6 n−オクチルアミンをn−ヘキシルアミン(logP=
2.06)に変えたほかは実施例9と同様にしてn−ヘ
キシルアミン固定化ゲルをえた。この吸着剤を用いて実
施例9と同様にして吸着実験を行ない、IL−2の濃度
を測定し、吸着率を算出した。
【0067】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 n−ヘキシルアミン固定化ゲル 0 実施例13 実施例1でえられたn−オクチルアミン固定化ゲル(吸
着剤)およびセルロファインGC−700mそれぞれ
0.5mlに対し、健常人血清(大日本製薬(株)製)
にヒト遺伝子組換えIL−8(アール・アンド・ディー
・システムズ社製)を加えて調製したIL−8加健常人
血清(IL−8濃度7.4ng/ml)3mlを加え、
37℃で2時間インキュベートした。インキュベーショ
ン前後の上澄み溶液のIL−8の濃度をアール・アンド
・ディー・システムズ社製ヒトIL−8測定キットを用
いて、IL−8濃度を測定し、吸着率を算出した。
【0068】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 n−オクチルアミン固定化ゲル 35 実施例14n−オクチルアミンをセチルアミン(Σf=
7.22)に、固定化反応の溶媒をエタノールに変えた
ほかは実施例13と同様にしてセチルアミン固定化ゲル
をえた。この吸着剤を用いて実施例13と同様にして吸
着実験を行ない、IL−8の濃度を測定し、吸着率を算
出した。
【0069】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 セチルアミン固定化ゲル 88 実施例15 セルロファインGC−700mをセルロファインGC−
200m(チッソ(株)製、球状タンパク質の排除限界
分子量140,000)に変えたほかは実施例13と同
様にしてn−オクチルアミン固定化ゲルをえた。この吸
着剤を用いて実施例13と同様にして吸着実験を行な
い、IL−8の濃度を測定し、吸着率を算出した。
【0070】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−200m 0 n−オクチルアミン固定化ゲル 51 実施例16 セルロファインGC−700mをセルロファインGC−
200mに、n−オクチルアミンをセチルアミンに変え
たほかは実施例13と同様にしてセチルアミン固定化ゲ
ルをえた。この吸着剤を用いて実施例13と同様にして
吸着実験を行ない、IL−8の濃度を測定し、吸着率を
算出した。
【0071】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−200m 0 セチルアミン固定化ゲル 93 比較例7 n−オクチルアミンをn−ブチルアミン(logP=0.
97)に変えたほかは実施例13と同様にしてn−ブチ
ルアミン固定化ゲルをえた。この吸着剤を用いて実施例
13と同様にして吸着実験を行ない、IL−8の濃度を
測定し、吸着率を算出した。
【0072】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 n−ブチルアミン固定化ゲル 0 比較例8 n−オクチルアミンをn−ヘキシルアミン(logP=
2.06)に変えたほかは、実施例13と同様にしてn
−ヘキシルアミン固定化ゲルをえた。この吸着剤を用い
て実施例13と同様にして吸着実験を行ない、IL−8
の濃度を測定し、吸着率を算出した。
【0073】 結果 吸着率(%) セルロファインGC−700m 0 n−ヘキシルアミン固定化ゲル 2
【0074】
【発明の効果】本発明の方法による水不溶性多孔質担体
にlogP値2.50以上の化合物を固定化した吸着剤を
用いることで体液中のIL(類)を効率よく吸着除去す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のIL−1吸着器の一実施例の概略断面
図である。
【図2】3種類のゲルを用いて流速と圧力損失との関係
を調べた結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 体液の流入口 2 体液の流出口 3 IL−1吸着剤 4、5 体液および体液に含まれる成分は通過できるが
前記IL−1吸着剤は通過できないフィルター 6 カラム 7 IL−1吸着器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/00 - 20/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不溶性多孔質担体にlogP(Pはオク
    タノール−水系での分配係数)値が2.50以上の化合
    物を固定してなるインターロイキン−1、インターロイ
    キン2、インターロイキン6およびインターロイキン−
    8からなるインターロイキン類の少なくとも1種のイン
    ターロイキンの吸着剤。
  2. 【請求項2】 水不溶性多孔質担体の球状蛋白質の排除
    限界分子量が5千以上60万以下である請求項1記載の
    吸着剤。
  3. 【請求項3】 水不溶性多孔質担体にlogP(Pはオク
    タノール−水系での分配係数)値が2.50以上の化合
    物を固定してなるインターロイキン−1、インターロイ
    キン2、インターロイキン6およびインターロイキン−
    8からなるインターロイキン類の少なくとも1種のイン
    ターロイキンの吸着剤に体液を接触させることを特徴と
    する、体液中のインターロイキン−1、インターロイキ
    ン2、インターロイキン6およびインターロイキン−8
    からなるインターロイキン類の少なくとも1種のインタ
    ーロイキンの除去方法。
  4. 【請求項4】 液の入口および出口を有しかつ、吸着剤
    の容器外への流出防止手段を備えた容器内に、水不溶性
    多孔質担体にlogP(Pはオクタノール−水系での分配
    係数)値が2.50以上の化合物を固定してなるインタ
    ーロイキン−1、インターロイキン2、インターロイキ
    ン6およびインターロイキン−8からなるインターロイ
    キン類の少なくとも1種のインターロイキンの吸着剤を
    充填してなる前記の少なくとも1種のインターロイキン
    の吸着器。
JP06656595A 1995-01-27 1995-03-24 インターロイキン類の吸着剤および吸着除去方法 Expired - Fee Related JP3410849B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06656595A JP3410849B2 (ja) 1995-01-27 1995-03-24 インターロイキン類の吸着剤および吸着除去方法
CA002167872A CA2167872C (en) 1995-01-27 1996-01-23 Adsorbent for removing interleukins and tumor necrosis factor, and process for removing the same
US08/590,599 US5919898A (en) 1995-01-27 1996-01-24 Absorbent for removing interleukins and tumor necrosis factor, and process for removing the same
EP96101098A EP0723794A1 (en) 1995-01-27 1996-01-26 Adsorbent for removing interleukins and tumor necrosis factor, and process for removing the same

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1208295 1995-01-27
JP7-12082 1995-01-27
JP06656595A JP3410849B2 (ja) 1995-01-27 1995-03-24 インターロイキン類の吸着剤および吸着除去方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08257398A JPH08257398A (ja) 1996-10-08
JP3410849B2 true JP3410849B2 (ja) 2003-05-26

Family

ID=26347639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06656595A Expired - Fee Related JP3410849B2 (ja) 1995-01-27 1995-03-24 インターロイキン類の吸着剤および吸着除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3410849B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008237893A (ja) * 2007-02-22 2008-10-09 Toray Ind Inc 血液処理カラム

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6878269B2 (en) 1996-01-31 2005-04-12 Kaneka Corporation Device for body fluid purification and system for body fluid purification
WO2001089602A1 (fr) * 2000-05-25 2001-11-29 Kaneka Corporation Adsorbant de glycoside cardiaque et methode et dispositif d'adsorption et d'elimination de glycoside cardiaque
WO2002015964A1 (en) 2000-08-25 2002-02-28 Kaneka Corporation Bacterial toxin adsorbing material, method of removing the toxin by adsorbing, and adsorber formed by filling the adsorbing material therein
EP1466636A4 (en) 2001-12-25 2009-06-10 Kaneka Corp "Adsorptive Agent for Cytokine, Method for Adsorptive Removal and Device for Adsorptive Separation"
JP4958554B2 (ja) 2004-09-10 2012-06-20 株式会社カネカ リンパ球増殖抑制因子の吸着材及び処理方法
JP2007029511A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Kaneka Corp ハイモビリティーグループ蛋白の吸着材、吸着方法および吸着装置
JP2008264732A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Tokuyama Corp 多孔性イオン交換体およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008237893A (ja) * 2007-02-22 2008-10-09 Toray Ind Inc 血液処理カラム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08257398A (ja) 1996-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7279106B2 (en) Adsorbent and method for adsorbing a chemokine in body fluid
US5919898A (en) Absorbent for removing interleukins and tumor necrosis factor, and process for removing the same
EP0247592B1 (en) Adsorbent for beta2-microglobulin and immunoglobulin l-chain
US6844427B2 (en) Method for removing the transforming growth factor-β by adsorption
JP3410849B2 (ja) インターロイキン類の吸着剤および吸着除去方法
CA2208745C (en) Adsorbent for endotoxin, tumor necrosis factor-.alpha. or interleukins, process for adsorbing and removing the same, and adsorber for the same
CA2216718C (en) Adsorbent for disease-related factors in body fluids, method of elimination by adsorption, body fluid purifier, and apparatus for purifying body fluids
EP0729784B1 (en) Method of absorbing interleukins
US20050063935A1 (en) Adsorbent for cytokine, method of adsorptive removal, and apparatus adsorptive removal
JP4035191B2 (ja) ケモカインの吸着材、吸着除去方法および吸着器
JPH08257115A (ja) 腫瘍壊死因子の吸着剤および吸着除去方法
JP4859520B2 (ja) 血圧降下性ペプチドの吸着材、吸着方法および吸着装置
JPH08281101A (ja) インターロイキン類の吸着剤、吸着除去方法および吸着器
JPH0528151B2 (ja)
JPH06312134A (ja) 糖化変性タンパク質吸着体
JPS6377457A (ja) 体外循環治療用の免疫グロブリンl鎖吸着体
JP2007029511A (ja) ハイモビリティーグループ蛋白の吸着材、吸着方法および吸着装置
JP4777554B2 (ja) 内因性カンナビノイドの吸着材、吸着除去方法および吸着器
JPH09253201A (ja) ケモカインの吸着剤、吸着除去方法および吸着器
JPH0616839B2 (ja) 体外循環治療用免疫グロブリンライトチエイン吸着体
JPH04244231A (ja) 体外循環治療用の補体の活性化抑制材

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080320

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090320

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100320

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100320

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110320

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120320

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130320

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140320

Year of fee payment: 11

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140320

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees