JPH06312134A - 糖化変性タンパク質吸着体 - Google Patents
糖化変性タンパク質吸着体Info
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- JPH06312134A JPH06312134A JP5102412A JP10241293A JPH06312134A JP H06312134 A JPH06312134 A JP H06312134A JP 5102412 A JP5102412 A JP 5102412A JP 10241293 A JP10241293 A JP 10241293A JP H06312134 A JPH06312134 A JP H06312134A
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Abstract
よく吸着除去しうる安全で安価な吸着体を提供すること
である。 【構成】 多孔質水不溶性担体に logP(Pはオクタノ
ール−水系での分配係数)値が2.50以上の化合物を固定
してなる糖化変性タンパク質吸着体、これを用いた糖化
変性タンパク質除去方法、および糖化変性タンパク質吸
着デバイス。
Description
性タンパク質を除去するための吸着体、これを用いた糖
化変性タンパク質除去方法および糖化変性タンパク質吸
着デバイスに関する。
全例で腎糸球体に病理学的変化が出現し始める。糖尿病
患者の死因は腎障害によるものも多く、最近は糖尿病性
腎症による腎不全者の比率も年々増加してきている。こ
れは腎糸球体に起こる血管障害が原因となっている
(「糖尿病と腎血管動脈;プラクティス(PRACTICE)、3
巻、298頁、1986年」および「糖尿病と血管のかかわ
り;日本糖尿病学会総会記録号、1頁、1988年」参
照)。
と多量の糖が存在するが、このような血液中に存在する
ブドウ糖は、酵素の関与なしにタンパク質などと結合す
ることが知られている。非酵素的に糖が結合したタンパ
ク質は糖化変性タンパク質となり、その後血管壁に沈着
して血管障害を引き起こし、ひいては重篤な糖尿病性合
併症を進行させる。糖化変性タンパク質の形態は様々で
あるがその一例としては、アドバンスト・グリコシレー
ション・エンド・プロダクツ (Advanced Glycosylation
End Products(AGEs))が知られている。これは糖化され
たタンパク質が互いに架橋し合ったものを指し、糖尿病
合併症の原因物質と考えられている(「ノンエンザイマ
ティック・グリコシレーション・アンド・ザ・パソゲネ
シス・オブ・ダイアベティック・コンプリケーション
ズ;アナルズ・オブ・インターナル・メディスン(Nonen
zymatic Glycosylation and the Pathogenesis of Diab
eticComplications ; Annals of Internal Medicine)
、 101巻、 527頁、1984年」「アドバンスト・グリコ
シレーション・エンド・プロダクツ・イン・ペイシェン
ツ・ウィズ・ダイアベティック・ネフロパシー;ザ・ニ
ュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(A
dvanced Glycosylation End Products in Patients wit
h Diabetic Nephropathy ; The New England Journal o
f Medicine) 、 325巻、 836頁、1991年」参照)。
ンスリン治療の強化や降圧療法に依存しているが、臨床
的に顕性の腎症が発展するとその進行を止めるのが困難
となる。またインスリン非依存性糖尿病に関しては現在
有効な治療法はない。
症患者の血液中に多量に存在する糖化変性タンパク質を
効率よく吸着除去しうる安全で安価な吸着体を提供する
ことを目的とするものである。
性担体に logP(Pはオクタノール−水系での分配係
数)値が2.50以上の化合物を固定してなる糖化変性タン
パク質吸着体、多孔質水不溶性担体に logP(Pはオ
クタノール−水系での分配係数)値が2.50以上の化合物
を固定してなる糖化変性タンパク質吸着体を、糖化変性
タンパク質を含む体液と接触させることを特徴とする糖
化変性タンパク質除去方法、および液の入口、出口を
有し、かつ糖化変性タンパク質吸着体の容器外への流出
防止具を備えた容器内に、多孔質水不溶性担体に logP
(Pはオクタノール−水系での分配係数)値が2.50以上
の化合物を固定してなる糖化変性タンパク質吸着体を充
填してなる糖化変性タンパク質吸着デバイスに関する。
ンパク質、核酸およびホルモンなどのアミノ基に還元糖
が非酵素的に結合し、変性したもの全般を指す。これら
には、糖化を受けシッフ塩基となったもの、アマドリ転
移してケトアミンになったもの、これらが互いに架橋し
あったものが含まれる(「アドバンスト・グリコシレー
ション・エンド・プロダクツ・イン・ティッシュー・ア
ンド・ザ・バイオケミカル・ベーシス・オブ・ダイアベ
ティック・コンプリケーションズ;ザ・ニュー・イング
ランド・ジャーナル・オブ・メディスン(Advanced Glyc
osylation End Products in Tissue and the Biochemic
al Basis of Diabetic Complications; The New Englan
d Journal of Medicine) 、 318巻、1315頁、1988年」
参照)。
リンパ液、関節内液およびこれらからえられた分画成
分、ならびにそのほかの生体由来の液性成分をいう。
ル−水系での分配係数)値が2.50以上の化合物を多孔質
水不溶性担体に固定してなる。
となり、代表的なオクタノール−水系での分配係数Pの
求め方はつぎのとおりである。まず、化合物をオクタノ
ール(もしくは水)に溶解し、これに等量の水(もしく
はオクタノール)を加え、グリッフィン・フラスク・シ
ェイカー(Griffin flask Shaker)(グリッフィン・アン
ド・ジョージ・リミテッド(Griffin & George Ltd.)
製)で30分間振盪する。その後2000rpm で1〜2時間遠
心分離し、オクタノール層および水層中の化合物濃度を
分光学的またはGLCなどの種々の方法で測定すること
により次式で求められる。
値が実測されているが、それらの実測値はシー・ハンシ
ュ(C.Hansch)らによって整理されている(「パーティシ
ョン・コーフィシエンツ・アンド・ゼア・ユージズ;ケ
ミカル・レビューズ(PARTITION COEFFICIENTS AND THEI
R USES; Chemical Reviews) 、71巻、 525頁、1971年」
参照)。
てはアール・エフ・レッカー(R.F.Rekker)がその著書
(「ザ・ハイドロフォビック・フラグメンタル・コンス
タント(THE HYDROPHOBIC FRAGMENTAL CONSTANT) 」,エ
ルセビア・サイエンティフィック・パブリッシング・カ
ンパニー(Elsevier Sci.Pub.Com.) ,アムステルダム
(1977)中に示されている疎水性フラグメント定数fを
用いて計算した値(Σf)が参考となる。疎水性フラグ
メント定数fは数多くの logP実測値をもとに、統計学
的処理を行ない決定された種々のフラグメントの疎水性
を示す値であり、化合物を構成するおのおののフラグメ
ントのf値の和は logP値とほぼ一致する。
の探索にあたり、種々の logP値を有する化合物を固定
し検討した結果、 logP値2.50以上の化合物が糖化変性
タンパク質の吸着に有効であり、 logP値2.50未満の化
合物は殆ど糖化変性タンパク質吸着能を示さないことが
わかった。たとえばアルキルアミンを固定したばあい、
アルキルアミンをn-ヘキシルアミン( logP=2.06)か
らn-オクチルアミン(logP=2.90)に変えると、この
あいだで糖化変性タンパク質吸着能は飛躍的にに上昇す
ることがわかった。これらの結果より本発明の吸着体へ
の糖化変性タンパク質の吸着は、 logP値2.50以上の化
合物の固定により担体上に導入された原子団と糖化変性
タンパク質との間の疎水性相互作用によるものと考えら
れ、 logP値2.50未満の化合物では疎水性が小さすぎる
ために糖化変性タンパク質吸着能を示さないと考えられ
る。
定される化合物としては、 logP値が2.50以上の化合物
であれば特別な制限なしに用いることができる。ただ
し、担体上に化合物を化学結合法によって結合するばあ
いには化合物の一部が脱離することが多いが、この脱離
基が化合物の疎水性に大きく寄与しているばあい、すな
わち脱離により担体上に固定される原子団の疎水性がΣ
f=2.50より小さくなるようなばあいには本発明の主旨
から考えて、本発明に用いる化合物としては不適当であ
る。この代表例を1つあげると、安息香酸イソペンチル
エステル(Σf=4.15)をエステル交換により水酸基を
有する担体上に固定するばあいがあげられる。このばあ
い実際に担体上に固定される原子団はC6 H5 CO−で
あり、この原子団のΣfは1以下である。このような化
合物が本発明で用いる化合物として適当かどうかは、脱
離基の部分を水素に置き換えた化合物の logP値が2.50
以上かどうかにより判断すればよい。
ルコール、アミン、チオール、カルボン酸およびその誘
導体、ハロゲン化物、アルデヒド、ヒドラジド、イソシ
アナート、グリシジルエーテルなどのオキシラン環含有
化合物、ハロゲン化シランなどのように担体への結合に
利用できる官能基を有する化合物が好ましい。このよう
な化合物の代表例としては、n-ヘプチルアミン、n-オク
チルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデ
シルアミン、オクタデシルアミン、2-アミノオクテン、
ナフチルアミン、フェニル-n- プロピルアミン、ジフェ
ニルメチルアミンなどのアミン類、n-ヘプチルアルコー
ル、n-オクチルアルコール、ドデシルアルコール、ヘキ
サデシルアルコール、1-オクテン -3-オール、ナフトー
ル、ジフェニルメタノール、4-フェニル -2-ブタノール
などのアルコール類ならびにこれらのアルコールのグリ
シジルエーテル類、n-オクタン酸、ノナン酸、2-ノネン
酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、アラキドン
酸、オレイン酸、ジフェニル酢酸、フェニルプロピオン
酸などのカルボン酸類ならびにこれらの酸ハロゲン化
物、エステル、アミドなどのカルボン酸誘導体、塩化オ
クチル、臭化オクチル、塩化デシル、塩化ドデシルなど
のハロゲン化物、オクタンチオール、ドデカンチオール
などのチオール類、n-オクチルトリクロロシラン、オク
タデシルトリクロロシランなどのハロゲン化シラン類、
n-オクチルアルデヒド、n-カプリンアルデヒド、ドデシ
ルアルデヒドなどのアルデヒド類などがあげられる。さ
らにこれらのほかにも、叙上の例示化合物の炭化水素部
分の水素原子がハロゲン、チッ素、酸素、イオウなどの
ヘテロ原子を含有する置換基、他のアルキル基などで置
換された化合物のうち logP値が2.50以上の化合物、前
述のシー・ハンシュ(C.Hansch)らの総説「パーティショ
ン・コーフィシエンツ・アンド・ゼア・ユージズ;ケミ
カル・レビューズ(PARTITION COEFFICIENTS AND THEIR
USES; Chemical Reviews) 、71巻、 525頁、1971年」中
の 555頁から 613頁の表に示されている logP値が2.50
以上の化合物などを用いることができるが、本発明にお
いてはこれらのみに限定されるものではない。
いてもよいし、任意の2種類以上を組み合わせてもよ
く、さらには logP値が 2.50 未満の化合物との組み合
わせで用いてもよい。
ラスビース、シリカゲルなどの無機担体、架橋ポリビニ
ルアルコール、架橋ポリアクリレート、架橋ポリアクリ
ルアミド、架橋ポリスチレンなどの合成高分子や結晶性
セルロース、架橋セルロース、架橋アガロース、架橋デ
キストランなどの多糖類からなる有機担体、さらにはこ
れらの組み合わせによってえられる有機−有機、有機−
無機などの複合担体などが代表例としてあげられるが、
なかでも親水性担体が非特異吸着が比較的少なく糖化変
性タンパク質吸着選択性が良好であるため好ましい。こ
こでいう親水性担体とは担体を構成する化合物を平板状
にしたときの水との接触角が60度以下の担体を指す。こ
のような担体としてはセルロース、ポリビニルアルコー
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、ポリアク
リルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリアクリル酸グラフト化ポリエ
チレン、ポリアクリルアミドグラフト化ポリエチレン、
ガラスなどからなる担体が代表例としてあげられるが、
多孔質セルロースゲルは、(1)機械的強度が比較的高
く、強靭であるため撹拌などの操作により破壊されたり
微粉を生じたりすることが少なく、カラムに充填したば
あい体液を高流速で流しても圧密化したり、目詰りした
りしないので高流速で流すことが可能となり、また細孔
構造が高圧蒸気滅菌などによって変化を受けにくい、
(2)ゲルがセルロースで構成されているため親水性で
あり、リガンドの結合に利用しうる水酸基が多数存在
し、非特異吸着も少ない、(3)空孔容積を大きくして
も比較的強度が高いため軟質ゲルに劣らない吸着容量が
えられる、(4)安全性が合成高分子ゲルなどに比べて
高いなどの優れた点を有しており、本発明に用いる最も
適した担体の1つである。本発明においてはこれらのみ
に限定されるものではない。なお、上述の担体はそれぞ
れ単独で用いてもよいし、任意の2種類以上を混合して
用いてもよい。
要求される性質は、適当な大きさの細孔を多数有する、
すなわち多孔質であることである。本発明の吸着体の吸
着対象である糖化変性タンパク質は非酵素的に糖化され
たタンパク質であることからその分子量が広範囲におよ
ぶため特定できない。このタンパク質を効率よく吸着す
るためには糖化変性タンパク質はある程度高い確率で細
孔内に侵入できるが、他のタンパク質の侵入はできる限
りおこらないことが好ましい。細孔径の測定には水銀圧
入法が最もよく用いられているが、本発明で用いる多孔
質水不溶性担体のばあいには適用できないことが多い。
そのようなばあいには細孔径の目安として排除限界分子
量を用いるのが適当である。排除限界分子量とは成書
(たとえば、波多野博行、花井俊彦著、実験高速液体ク
ロマトグラフ、化学同人)などに述べられているごと
く、ゲル浸透クロマトグラフィーにおいて細孔内に侵入
できない(排除される)分子のうち最も小さい分子量を
もつものの分子量をいう。排除限界分子量は一般に球状
タンパク質、デキストラン、ポリエチレングリコールな
どについてよく調べられているが、本発明に用いる担体
のばあい、球状タンパク質を用いてえられた値を用いる
のが適当である。
した結果、糖化変性タンパク質の吸着に適当な細孔径
は、排除限界分子量が2万以上であることが明らかとな
った。すなわち2万未満の排除限界分子量をもつ担体を
用いたばあいには糖化変性タンパク質の吸着除去量は小
さくその実用性が低下する。したがって本発明に用いる
担体の好ましい排除限界分子量は2万以上である。
の単位体積あたりの吸着能から考えて、表面多孔性より
も全多孔性が好ましく、空孔容積が20%以上であり、比
表面積が3m2 /g以上であることが好ましい。
など任意に形状を選ぶことができ、その大きさもとくに
限定されない。
応に用いうる官能基が存在していると好都合である。こ
れらの官能基の代表例としては、水酸基、アミノ基、ア
ルデヒド基、カルボキシル基、チオール基、シラノール
基、アミド基、エポキシ基、ハロゲン基、サクシニルイ
ミド基、酸無水物基などがあげられる。
体、軟質担体のいずれをも用いることができるが、体外
循環治療用の吸着体として使用するばあいには、カラム
に充填し、通液する際などに目詰まりを生じないことが
重要であり、そのためには充分な機械的強度が要求され
る。したがって本発明に用いる担体は硬質担体であるこ
とがより好ましい。ここでいう硬質担体とは、たとえば
粒状ゲルのばあい、後記参考例に示すごとく、ゲルを円
筒状カラムに均一に充填し、水性流体を流した際の圧力
損失ΔPと流量の関係が 0.3kg/cm2 まで直線関係にあ
るものをいう。
合物を多孔質水不溶性担体に固定してえられるが、その
固定化方法としては公知の種々の方法を特別な制限なし
に用いることができる。しかしながら、本発明の吸着体
を体外循環治療に供するばあいには、滅菌時あるいは治
療時においてのリガンドの脱離溶出を極力抑えることが
安全上重要であり、そのためには共有結合法により固定
化することが好ましい。
種々の方法がある。最も簡便な方法としては患者の血液
などの体液を体外に導出して血液バックに貯め、これに
本発明の吸着体を混合して糖化変性タンパク質を除去
後、フィルターを通して吸着体を除去し、血液を患者に
戻す方法がある。この方法は複雑な装置を必要としない
が、1回の処理量が少なく処理に時間を要し、操作が煩
雑になるという欠点を有する。
外循環回路に組み込み、オンラインで吸着除去を行なう
ものである。処理方法には全血を直接灌流する方法と血
液から血漿を分離したのち、血漿をカラムに通す方法が
ある。本発明の吸着体は、いずれの方法にも用いること
ができるが、前述のごとくオンライン処理に最も適して
いる。
体を単独で用いることもできるが、ほかの体外循環治療
システムとの併用も可能である。併用の例としては、人
工透析回路などがあげられ、透析療法との組み合わせに
用いることもできる。
いた本発明の糖化変性タンパク質吸着デバイスを、その
一実施例の概略断面図である図1に基づき説明する。
出口、3は本発明の糖化変性タンパク質吸着体、4およ
び5は体液および体液に含まれる成分は通過できるが前
記糖化変性タンパク質吸着体は通過できないフィルタ
ー、6はカラム、7は糖化変性タンパク質吸着デバイス
である。しかしながら、糖化変性タンパク質吸着デバイ
スは、このような具体例に限定されるものではなく、液
の入口、出口を有し、かつ糖化変性タンパク質吸着体の
容器外への流出防止具を備えた容器内に前記吸着体を充
填したものであれば、どのようなものでもよい。前記流
出防止具には、メッシュ、不織布、綿栓などのフィルタ
ーがあげられる。また、容器の形状、材質、大きさにと
くに限定はないが、好ましい具体例としては、たとえば
容量 150〜400ml 程度、直径4〜10cm程度の透明または
半透明の筒状容器などがあげられる。とくに好ましくは
耐滅菌性を有する素材であるが、具体的にはシリコンコ
ートされたガラス、ポリプロピレン、塩化ビニール、ポ
リカーボネート、ポリサルフォン、ポリメチルペンテン
などがあげられる。
らに詳細に説明するが、本発明はもとよりこれらに限ら
れるものではない。
カラム(内径9mm、カラム長 150mm)にアガロースゲル
(バイオラッド(Bio-rad) 社製のBiogelA-5m、粒径50
〜100 メッシュ)、ビニル系ポリマーゲル(東ソー
(株)製のトヨパールHW-65 、粒径50〜100 μm)およ
びセルロースゲル(チッソ(株)製のセルロファインGC
-700m 、粒径45〜105 μm)をそれぞれ均一に充填し、
ペリスタリックポンプにより水を流し、流量と圧力損失
ΔPとの関係を求めた。その結果を図2に示す。
びセルロファインGC-700m が圧力の増加にほぼ比例して
流量が増加するのに対し、BiogelA- 5mは圧密化をひき
おこし、圧力を増加させても流量が増加しないことがわ
かる。本発明においては前者のごとく、圧力損失ΔPと
流量の関係が 0.3kg/cm2 まで直線関係にあるものを硬
質ゲルという。
(株)製、球状タンパク質の排除限界分子量 300万) 1
70mlに水を加え全量を 340mlとしたのち、2M水酸化ナト
リウム90mlを加え40℃とした。これにエピクロルヒドリ
ン31mlを加え、40℃で撹拌下2時間反応させた。反応終
了後、充分に水洗し、エポキシ化ゲルをえた。
ン( logP=2.90)200mg を加え、50%(v/v) エタノー
ル水溶液中、45℃で静置下6日間反応させた。反応終了
後、50%(v/v) エタノール水溶液、水の順に充分に洗浄
し、n-オクチルアミン固定化ゲルをえた。
2 、カルシウム、マグネシウム不含)で10倍に希釈した
糖尿病患者の血漿を1.2ml 加え37℃の恒温槽中で1時間
振盪した。この混合液を3000rpm で5分間遠心分離して
吸着体を沈降させ、上澄み液中の糖化変性タンパク質の
濃度と総タンパク量を測定した。糖化変性タンパク質の
濃度の測定方法は多数あるが、今回は「アドバンスト・
グリコシレーション・エンド・プロダクツ・イン・ペイ
シェンツ・ウィズ・ダイアベティック・ネフロパシー;
ザ・ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディ
スン(AdvancedGlycosylation End Products in Patient
s with Diabetic Nephropathy; The New England Journ
al of Medicine)、 325巻、 836頁、1991年」の 838頁
の方法を参照し、蛍光光度計(励起波長 390nm、蛍光波
長450nm )で測定した。また総タンパク量は常法にした
がって、吸光光度計(280nm) で測定した。結果を表1に
示す。
えたほかは実施例1と同様にしてドデシルアミン固定化
ゲルをえた。この吸着体を用いて実施例1とまったく同
様にして吸着実験を行なった。結果を表1に示す。
たほかは実施例1と同様にしてセチルアミン固定化ゲル
をえた。この吸着体を用いて実施例1とまったく同様に
して吸着実験を行なった。結果を表1に示す。
チルアルコール10mlとカリウムブトキシド 2.0gを加
え、40℃で1時間撹拌した。つぎに臭化セチル(固定化
後Σf=9.31)2.0ml を加え、4時間撹拌した。反応後
ゲルを濾別エタノールおよび水で洗浄し、セチル基をエ
ーテル結合で固定化したセルロースゲルをえた。この吸
着体を用いて実施例1とまったく同様にして吸着実験を
行なった。結果を表1に示す。
(株)製、球状タンパク質の排除限界分子量がリガンド
固定化後で40万)に、n-オクチルアミンをセチルアミン
(Σf=7.22)に変えたほかは実施例1と同様にしてセ
チルアミン固定化ゲルをえた。この吸着体を用いて実施
例1とまったく同様にして吸着実験を行なった。結果を
表1に示す。
(株)製、球状タンパク質の排除限界分子量がリガンド
固定化後で3万)に、n-オクチルアミンをセチルアミン
(Σf=7.22)に変えたほかは、実施例1と同様にして
セチルアミン固定化ゲルをえた。この吸着体を用いて実
施例1とまったく同様にして吸着実験を行なった。結果
を表1に示す。
リプロピレン製小型カラムであるセパコールミニPP
(商品名、生化学工業(株)製)に充填し、ここへ 0.1
MPBS(pH7.2 、カルシウム、マグネシウム不含)で
10倍に希釈した糖尿病患者の血漿を6ml流した。流速は
ペリスタリックポンプで約0.1ml/min に調整した。この
流出液中の糖化変性タンパク質の濃度と総タンパク量を
測定した。測定は実施例1と同様にして行なった。結果
を表1に示す。
に変えたほかは、実施例1と同様にしてヘキシルアミン
固定化ゲルをえた。この吸着体を用いて実施例1とまっ
たく同様にして吸着実験を行なった。結果を表1に示
す。
クチルアミンをn-ヘキシルアミン( logP=2.06)に変
えたほかは実施例1と同様にしてn-ヘキシルアミン固定
化ゲルをえた。この吸着体を用いて実施例1とまったく
同様にして吸着実験を行なった。結果を表1に示す 比較例3 担体をセルロース系多孔質ゲルであるGCL-90m (チッソ
(株)製、球状タンパク質の排除限界分子量がリガンド
固定化後で 15000)に、n-オクチルアミンをセチルアミ
ン(Σf=7.22)に変えたほかは実施例1と同様にして
セチルアミン固定化ゲルをえた。この吸着体を用いて実
施例1とまったく同様にして吸着実験を行なった。結果
を表1に示す。
であるGCL-2000m (チッソ(株)製、球状タンパク質の
排除限界分子量 300万)に変えたほかは、実施例7と同
様にして吸着実験を行なった。結果を表1に示す。
中に含まれる糖化変性タンパク質を効率よく吸着除去す
ることができるという効果を奏する。
実施例の概略断面図である。
を調べた結果を示すグラフである。
前記糖化変性タンパク質吸着体は通過できないフィルタ
ー 6 カラム 7 糖化変性タンパク質吸着デバイス
Claims (5)
- 【請求項1】 多孔質水不溶性担体に logP(Pはオク
タノール−水系での分配係数)値が2.50以上の化合物を
固定してなる糖化変性タンパク質吸着体。 - 【請求項2】 多孔質水不溶性担体の排除限界分子量が
2万以上である請求項1記載の糖化変性タンパク質吸着
体。 - 【請求項3】 多孔質水不溶性担体が親水性であること
を特徴とする請求項1記載の糖化変性タンパク質吸着
体。 - 【請求項4】 多孔質水不溶性担体に logP(Pはオク
タノール−水系での分配係数)値が2.50以上の化合物を
固定してなる糖化変性タンパク質吸着体を、糖化変性タ
ンパク質を含む体液と接触させることを特徴とする糖化
変性タンパク質除去方法。 - 【請求項5】 液の入口、出口を有し、かつ糖化変性タ
ンパク質吸着体の容器外への流出防止具を備えた容器内
に、多孔質水不溶性担体に logP(Pはオクタノール−
水系での分配係数)値が2.50以上の化合物を固定してな
る糖化変性タンパク質吸着体を充填してなる糖化変性タ
ンパク質吸着デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10241293A JP3308034B2 (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 糖化変性タンパク質吸着体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10241293A JP3308034B2 (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 糖化変性タンパク質吸着体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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