JP3518569B2 - 餡玉入りゼリー及びその製造方法 - Google Patents

餡玉入りゼリー及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の属する技術分野】本発明は、餡玉の周囲にゼリ
ー基材を注入して固めた構造の餡玉入りゼリー及びその
製造方法に関するものであり、特に、餡玉の周囲をゼリ
ー基材で取り囲んだ状態で加熱した際にも餡玉が崩れに
くい餡玉入りゼリーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、豆類から製造される餡には、製
造工程の違いから大別して、生あん(さらしあん)、練
りあん、小倉あんなどの種類があり、更に、原料となる
豆の種類により大別して、小豆あん、白あん、うぐいす
あん等の種類がある。どの種類の餡も餡独特の風味・食
感を備えており、特に、その独特の舌ざわりが餡の味の
大きな要素となっている。
【0003】このような餡の利用の一つとして、餡を所
望の大きさに成形して(即ち、餡玉にして)、その周囲
をゼリー基材で固めた構造の餡玉入りゼリーが挙げられ
る。
【0004】この餡玉入りゼリーの製造方法としては、
例えば、所定量のゼラチンを少量の水に膨潤させた後、
大量の水に加熱溶解した後に調味して調整したゼリー基
材を、餡玉やフルーツ等の具が導入された容器に注入
後、密閉し、85℃で30分の加熱殺菌を行った後、冷
却する方法が挙げられる。
【0005】また、液体状のものをゼリー状に固める
(ゲル化させる)ものとしてゼラチンの他に寒天や様々
種類のガムが挙げられるが、その中の1つにジュランガ
ムがある。このジュランガムは、微生物が生産するハイ
ドロコロイド生成物をpH調整のち精製し乾燥した後粉
砕して得られる微粉末のガムである。
【0006】ジュランガムをゲル化させるには、所定量
のジュランガムを熱水に溶解した後、乳酸カルシウム等
のようなカチオン供給剤、及び食塩等の塩類、クエン
酸、酢酸、果汁等の酸類を添加して加熱すれば良いこと
が知られている。特に耐熱性を必要とする場合は、2価
のカチオンを供給すると良いことが知られている。そし
て、ジュランガムのゲルは、耐熱性、耐酸性、透明性、
食感、フレーバーリリースの点で優れており、様々な食
品に利用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、前述した餡の
周囲をゼリー基材で固めた構造の餡玉入りゼリーにおい
て用いられる餡玉は、餡を所望の大きさに成形しただけ
のものであるため、餡玉の形が崩れてしまったり、ゼリ
ー基材中に餡が分散してゼリーの味を変えてしまうとい
う難点がある。これは、餡玉の周囲に配置された他の具
に餡が付いたりして製品の見映えを損ねてしまう原因と
もなる。
【0008】また、保存性の良い餡玉入りゼリーとする
ための殺菌の際に、ゼラチンや寒天等を用いたゼリー基
材は高温下では液状となっているため、餡玉の表面から
餡がゼリー基材中に分散してしまい餡玉の形が崩れる心
配がある。
【0009】以上のことから本発明は、保存性が良く、
またゼリー基材の中に配置した餡玉が崩れる心配がない
餡玉入りゼリー及びその製造方法を得ることを主目的と
する。また、ゼリー中の餡玉の食感が良く美味しい餡玉
入りゼリー及びその製造方法を得ることも目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項1の発明は、略球状に成形された餡玉と、この餡
玉の周囲を取り囲んだゼリー基材とを備えた餡玉入りゼ
リーにおいて、前記餡玉は、その表層部に前記ゼリー基
材中の2価のカチオンを供給するカチオン供給剤と餡玉
表層部のジュランガムとが反応して形成したジュランガ
ムのゲル化層を有しているものとしている。(本発明で
述べる略球状とは、予め決められた重さに分けられた餡
を、例えば、球状やダイス状、楕円球状等のように纏め
た形のもの全般を指す。)
【0011】即ち、請求項1の発明においては、餡玉入
りゼリー中の餡玉を、単に餡を所望形状に丸めただけの
ものではなく、その表層部にジュランガムのゲル化層が
備わっているものとすることにより、餡玉に保型性(崩
れにくさ)を維持させている。
【0012】このゲル化層は、予めジュランガムが混合
された餡玉とゼリー基材中のカチオン供給剤とが接触状
態で加熱されると形成されるものであり、実際には、餡
玉やフルーツ等の具とゼリー基材とが入った容器を容器
ごと加熱した時に、餡玉とゼリー基材とが接触している
領域、即ち、餡玉表層部においてジュランガムとカチオ
ン供給剤とが反応してジュランガムがゲル化するため
に、餡玉表層部にジュランガムのゲル化層が形成され
る。
【0013】また、本発明においては、ゼリー基材にカ
チオン供給剤が含有されていれば、ゼラチンや寒天、ジ
ュランガム等、どのような種類のゲル化剤を用いてもよ
い。このゼリー基材に混合されるカチオン供給剤は、ジ
ュランガムにカチオンを与えてゲル化させる物質であれ
ば良く、例えば、乳酸カルシウムや炭酸カルシウム等が
挙げられる。
【0014】また、ジュランガムによる餡玉表層部のゲ
ル化層は餡玉の保型性を高める反面、スプーン等で簡単
に崩すことができるので、餡の食感・風味を損なわず、
食べ易いという長所を持っている。
【0015】このように、殺菌のために餡玉とゼリー基
材とが入った容器を容器ごと加熱する時に、餡玉表面の
ジュランガムがゲル化して餡を餡玉内部に閉じ込めるの
で、餡玉の表面から餡がゼリー基材中に分散するのが防
がれ、見た目もきれいな餡玉入りゼリーとなる。
【0016】また、請求項2の発明では、請求項1に記
載の餡玉入りゼリーにおいて、前記2価のカチオンを供
給するカチオン供給剤は、乳酸カルシウム又は炭酸カル
シウムであるものとしている。即ち、カチオンを供給す
る物質全般のうち、本発明では乳酸カルシウム又は炭酸
カルシウムを最も好ましいものとして選択している。
【0017】これにより、餡玉とゼリー基材とを接触さ
せて加熱した時に形成されるゲル化層は、餡玉の保型性
を良好にするだけでなく、ゲル化層自身に高い耐熱性が
備わったものとなるため、ゲルの性質に左右されずに殺
菌時の温度を設定することができるので好ましい。
【0018】更に、請求項3の発明は、餡玉の周囲をゼ
リー基材で取り囲んだ構造の餡玉入りゼリーを製造する
方法であって、ジュランガムを混合した餡を略球状の餡
玉に成形する成形工程と、前記餡玉を容器に入れ、2価
のカチオンを供給するカチオン供給剤が混合されたゼリ
ー基材を前記餡玉の周囲を取り囲むように注入するゼリ
ー基材注入工程と、容器ごと加熱して、餡玉中のジュラ
ンガムとゼリー基材中の2価のカチオンを供給するカチ
オン供給剤との反応によるゲルを餡玉の表層部に形成さ
せるゲル化層形成工程と、容器ごと冷却する冷却工程と
を含む方法としている。
【0019】また請求項4の発明では、請求項3に記載
の餡玉入りゼリーの製造方法において、前記2価のカチ
オンを供給するカチオン供給剤は、乳酸カルシウム又は
炭酸カルシウムであることを特徴とする方法としてい
る。
【0020】
【発明の実施の形態】餡玉入りゼリーにおいて、餡玉の
餡が殺菌加熱中にゼリー基材中に分散するのを防ぐため
に、ジュランガムを用いて餡玉全体をゲル化することが
考えられる。この場合、ジュランガムを多量の熱水に溶
解してから餡を混合した後、カチオン供給剤を添加・混
合し、ゲル化温度の50℃以上に保ちながら餡を成形し
て冷却すればジュランガムで全体がゲル化された餡玉が
得られる。
【0021】このような方法で得られた餡玉は、殺菌加
熱中に餡玉の表面から餡がゼリー基材中に分散しにくい
(保型性の良い)ものとなり好ましいが、餡を50℃以
上に保ちながら成形しなければならないため、温度調整
等、製造の際に手間がかかり面倒であるという難点も兼
ね備えている。
【0022】また、食感及び風味の点においても、ジュ
ランガムを溶解させるために用いた大量の熱水が餡を薄
めてしまうことになるため、水っぽく、固形物含有量の
低い餡玉となり、餡独特の風味・食感が損なわれてしま
うという難点がある。
【0023】加えて、中心までジュランガムのゲルが形
成された餡玉は、餡玉中に餡の粒子が均一に分散してし
まうので、餡独特の風味・食感が損われることとなる。
【0024】そのため、本発明では、より好ましいもの
として餡玉入りゼリー中の餡玉の表層部に、餡玉中のジ
ュランガムとゼリー基材中のカチオン供給剤との反応に
よるジュランガムのゲル化層を有しているものとしてい
る。
【0025】これにより、保型性と耐熱性とが良いだけ
でなく、ジュランガムのゲルは餡玉の表層部のみに配置
された構成であるため、殺菌のために餡玉とゼリー基材
とが入った容器を容器ごと加熱する時に、餡玉表面のジ
ュランガムがゲル化して餡の分散を防ぐので、風味・食
感も餡本来の味を保っている餡玉となるという利点があ
る。
【0026】また、本発明では、餡玉の周囲をゼリー基
材で取り囲んだ構造の餡玉入りゼリーを製造する方法も
提案している。図1は本発明の餡玉の製造方法の一実施
例の工程を示すブロック図であり、以下に簡単に説明す
る。
【0027】まず、原材料である小豆練り餡にジュラン
ガムを添加してジュランガムが餡に均一に分散するよう
に混合する。この時、餡の全量に対してジュランガムの
添加割合が0.2〜1.5%(好ましくは、0.3%〜
1.0%)となるようにする。
【0028】ジュランガムを均一に混合したら、略球状
の餡玉に成形する(成形工程)。この成形作業は、人手
により行っても良いし、餡玉成形機等の機械を用いても
良い。
【0029】次に、液糖にゲル化剤であるジュランガム
を添加して混合する。この時、ジュランガムの添加割合
がゼリー基材の全量に対して0.8〜1.8%(好まし
くは、1.0%〜1.8%)となるようにする。
【0030】ジュランガムを混合したら、更に水を加え
て90℃に達するまで加熱する。更に、ゼリー基材の全
量に対して0.05〜0.25%(好ましくは、0.0
8%〜0.20%)となる量の乳酸カルシウムをカチオ
ン供給材として用意し、これを少量の温水に溶解させた
後、前記ジュランガム含有ゼリー基材に添加して混合
し、水を加えて最終的な全体量を調整してゼリー基材と
する(ゼリー基材調整工程)。
【0031】前述の成形工程で製造した餡玉を容器に入
れ、続いて前記ゼリー基材調整工程で調整したゼリー基
材を注入し、ゼリー基材が最終的に餡玉の周囲を取り囲
むように配置してから密封する(ゼリー基材注入工
程)。
【0032】餡玉表層部のゲル化層の厚さは、0.5〜
1.0mm程度が好ましいのでこれを実現するために、
80〜95℃(好ましくは、85℃)の熱水中で15〜
60分(好ましくは、30分)容器ごと加熱する(ゲル
化層形成工程)。加熱終了後、放冷し、室温程度まで餡
玉の温度が下がったら冷蔵庫にて冷却して(冷却工
程)、餡玉入りゼリーを得る。
【0033】この方法であれば、餡玉中に均一に分散し
たジュランガムのうち、ゼリー基材と接触する餡玉表層
部のみに存在するジュランガムだけがゲル化するので、
ゼリー基材中の餡玉はすべてゲル化表層部を備えたもの
となり、更に、餡玉の成形までは常温で行うことができ
るので餡玉の温度制御のための特別な基材も必要とせ
ず、製造も簡単である。
【0034】更に、餡玉の形を確実に保たせるために、
餡玉にジュランガムに加えたのちに乳酸カルシウムも混
合し、例えば85〜90℃で30分間の蒸気加熱などの
加熱処理を行う等により、予め餡玉の表層部にゲル化層
を形成させておいても良い。
【0035】この場合、餡玉表層部のすべてのジュラン
ガムがゲル化されない程度の短い時間(又は低い加熱温
度)の加熱処理を行って薄いゲル化層とし、続いて注入
されるゼリー基材中のカチオン供給剤とも餡玉表層部の
ジュランガムを反応させることにより、ゼリー基材の注
入作業の際に餡が崩れる心配をより確実になくすと共
に、餡玉表層部のゼリー基材と接触した領域がゲル化層
となって餡を餡玉内部に留めるのでゼリー基材中に餡が
分散するのをより確実に防ぐことができる。
【0036】
【実施例】餡玉入りゼリー中の具として用いられる餡玉
の保型性及び食感は、ジュランガムと乳酸カルシウムの
添加量によって左右される。従来のようにジュランガム
を熱水に溶解した場合と、本発明のように直に餡に混合
した場合とでは、餡玉に所望の保型性及び食感を得るた
めの添加量が異なると予想されるので、小豆粒あんを用
い、ジュランガムを熱水に溶解せずに餡に混合した場合
のジュランガムとゼリー基材中に添加される乳酸カルシ
ウムの添加割合の最適値を調べた。
【0037】まず、ジュランガムの添加量の最適値を知
るために、ゼリー基材中の乳酸カルシウムの添加量を
0.1%とし、ジュランガムの添加量を変えた餡をそれ
ぞれ直径16mmの球状の餡玉に成形した。この餡玉を
容器に入れ、0.1%の乳酸カルシウムを含有するゼリ
ー基材を注入し、80〜95℃の熱水中で30分間容器
ごと加熱したのち、冷却して、得られたものそれぞれに
ついての形態及び食感を調べた。その結果を表1に示
す。
【0038】
【表1】
【0039】表1より、ジュランガム0.2〜1.5%
(最も好ましくは、0.3%〜1.0%)の範囲が好ま
しいことがわかる。そこで、餡玉に含有されるジュラン
ガムの添加量を0.8%に固定し、ゼリー基材中の乳酸
カルシウムの添加量を変え、上記と同様な方法で、餡玉
入りゼリーを得た。得られたものそれぞれについての形
態及び食感を調べた。その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2より、乳酸カルシウム0.05%〜
0.25%(最も好ましくは、0.08%〜0.2%)
の範囲が好ましいことがわかる。
【0042】以上のことから、餡に添加するジュランガ
ムの添加割合が0.2〜1.5%の範囲で、ゼリー基材
に添加する乳酸カルシウムの添加割合が0.05%〜
0.25%の範囲となるようにすれば、餡玉の保型性の
良い餡玉入りゼリーを得ることができ、更に、より食感
・風味の良い餡玉入りゼリーとするには、餡に添加する
ジュランガムの添加割合を0.3%〜1.0%、ゼリー
基材に添加する乳酸カルシウムの添加割合を0.08%
〜0.20%とすると良いことがわかる。
【0043】実施例(1) 小豆練り餡(水分35%、糖度50)1kgに対し、5
gのジュランガムを添加してジュランガムが均一に分散
するまで手で良く混合した後、1個の重量が16〜17
gの球状の餡玉に成形した。
【0044】次に、ゲル化剤であるジュランガム15g
と液糖200gとを混合した後、更に水700gを入れ
てから、90℃になるまで加熱する。その後、予め熱水
に溶解しておいた2gの乳酸カルシウムを添加してか
ら、水を入れて全量が1.0kgになるよう調整してゼ
リー基材を得た。
【0045】プラスチック容器に餡玉を入れ、更にみか
ん、パイン、ピーチ等のフルーツを入れてからゼリー基
材を注入した。その後、直ちにシール材で密封して容器
ごと85℃の熱水中で30分加熱した。加熱終了後、1
0℃に下がるまで冷却して餡玉入りゼリーを得た。得ら
れたゼリー中の餡玉は、餡が周囲のゼリー基材中に解け
出して形状が崩れることなくきれいな略球状となってい
た。
【0046】実施例(2) 小豆練り餡(水分35%、糖度50)1kgに、ジュラ
ンガム5g、カチオン供給剤である乳酸カルシウム0.
6gの割合で添加し、ジュランガムと乳酸カルシウムと
が餡に均一に分散するまで手で良く混合した。
【0047】次に、ジュランガムと乳酸カルシウムとが
均一に分散した餡を1個の重量が16〜17gの球状の
餡玉に成形した後、ステンレス板に並べた。
【0048】餡玉が並べられたステンレス板を蒸気直接
加熱機(戸野機械製)に入れ、温度を85〜90℃の範
囲内に指定して30分蒸気加熱した後、放冷し、表層部
のジュランガムと乳酸カルシウムとを予めゲル化させた
餡玉を得た。
【0049】次に、ゲル化剤であるジュランガム15g
と液糖200gとを混合した後、更に水700gを入れ
てから、90℃になるまで加熱する。その後、予め熱水
に溶解しておいた2gの乳酸カルシウムを添加してか
ら、水を入れて全量が1.0kgになるよう調整してゼ
リー基材を得た。
【0050】前記餡玉をプラスチック容器に入れ、更に
みかん、パイン、ピーチ等のフルーツを入れてからゼリ
ー基材を注入した。その後、直ちにシール材で密封して
容器ごと85℃の熱水中で30分加熱した。加熱終了
後、10℃に下がるまで冷却して餡玉入りゼリーを得
た。得られたゼリー中の餡玉は、餡が周囲のゼリー基材
中に解け出して形状が崩れることなくきれいな略球状と
なっていた。
【0051】実施例(3) 白あん(水分35%、糖度56)1kgに、ジュランガ
ム7g、カチオン供給剤である乳酸カルシウム0.6g
の割合で添加し、ジュランガムと乳酸カルシウムとが餡
に均一に分散するまで手で良く混合した。
【0052】次に、ジュランガムと乳酸カルシウムとが
均一に分散した白あんを1個の重量が16〜17gの球
状の餡玉に成形した後、ステンレス板に並べた。
【0053】餡玉が並べられたステンレス板を蒸気直接
加熱機(戸野機械製)に入れ、温度を85〜90℃の範
囲内に指定して30分蒸気加熱した後、放冷し、表層部
のジュランガムと乳酸カルシウムとを予めゲル化させた
餡玉を得た。
【0054】次に、ゲル化剤であるジュランガム15g
と液糖200gとを混合した後、更に水700gを入れ
てから、90℃になるまで加熱する。その後、予め熱水
に溶解しておいた2gの乳酸カルシウムを添加してか
ら、水を入れて全量が1.0kgになるよう調整してゼ
リー基材を得た。
【0055】前記餡玉をプラスチック容器に入れ、ゼリ
ー基材を容器の7分目位まで注入し冷却した。ゼリー基
材が完全にゲル化(固化)したら、みかん、パイン、ピ
ーチ等のフルーツを載せ、適当な甘みや酸味、着色を付
けられたシロップを注入した。その後、直ちにシール材
で密封して容器ごと85℃の熱水中で30分加熱した。
加熱終了後、10℃に下がるまで冷却して餡玉入り二層
ゼリーを得た。得られたゼリー中の餡玉は、餡が周囲の
ゼリー基材中に解け出して形状が崩れることなくきれい
な略球状となっていた。
【0056】
【発明の効果】本発明の餡玉入りゼリーにおいては、内
部に配置された餡玉の表層部にはゲル化層が備わってお
り、このゲル化層は餡玉の保型性を高めるだけでなく耐
熱性も備えているため、餡玉入りゼリーを密閉後に高温
で加熱殺菌を行っても餡玉の形状が崩れる心配がないの
で、保存性が良く、且つ、きれいな略球状の餡玉を備え
た見栄えの良い餡玉入りゼリーを得ることができる。
【0057】また、ゲル化層が餡玉の表層部のみに形成
されることから餡独特の風味・食感が保たれると共に、
このゲル化層はスプーンで簡単に崩れるので食べ易く、
軟らかい食感を備えた餡玉入りゼリーを得ることができ
る。
【0058】また本発明の方法によれば、餡玉の成形を
常温で行えるため、餡玉の成形方法及び餡玉の取扱が容
易である。又、あんこの中までジュランガム(及び乳酸
カルシウム)が均一に混合されているが、上記中の成
分、熱によって餡玉の表面のジュランガムと乳酸カルシ
ウムだけが反応しゲル化しているので餡玉の中はあんこ
本来の食感味が残っている。
【0059】本発明では、小豆あん、白あん、うぐいす
あん等種々の餡を用いることができ、また、生あん(さ
らしあん)、練りあん、小倉あん等ペースト状の餡に限
らず、粒が残っている状態の餡でも同様の効果を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の餡玉の製造方法の一実施例の工程を示
すブロック図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−65647(JP,A) 特開 平5−67277(JP,A) 特開 平5−123118(JP,A) 特開 平1−266179(JP,A) 特開 平6−292512(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/04 - 1/09

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略球状に成形された餡玉と、この餡玉の
    周囲を取り囲んだゼリー基材とを備えた餡玉入りゼリー
    において、 前記餡玉は、その表層部に餡玉中のジュランガムと、ゼ
    リー基材中の2価のカチオンを供給するカチオン供給剤
    との反応によるジュランガムのゲル化層を有しているこ
    とを特徴とする餡玉入りゼリー。
  2. 【請求項2】 前記2価のカチオンを供給するカチオン
    供給剤は、乳酸カルシウム又は炭酸カルシウムであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の餡玉入りゼリー。
  3. 【請求項3】 餡玉の周囲をゼリー基材で取り囲んだ構
    造の餡玉入りゼリーを製造する方法であって、2価のカチオンを供給する カチオン供給剤を混合した餡
    を略球状の餡玉に成形する成形工程と、 前記餡玉を容器に入れ、2価のカチオンを供給するカチ
    オン供給剤が混合されたゼリー基材を前記餡玉の周囲を
    取り囲むように注入するゼリー基材注入工程と、 容器ごと加熱して、餡玉中のジュランガムとゼリー基材
    中の2価のカチオンを供給するカチオン供給剤との反応
    によるジュランガムのゲルを餡玉の表層部に形成させる
    ゲル化層形成工程と、 容器ごと冷却する冷却工程とを含むことを特徴とする餡
    玉入りゼリーの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記2価のカチオンを供給するカチオン
    供給剤は、乳酸カルシウム又は炭酸カルシウムであるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の餡玉入りゼリーの製造
    方法。
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