JP3518536B2 - マイクロ波回路装置 - Google Patents

マイクロ波回路装置

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JP3518536B2 JP2002015244A JP2002015244A JP3518536B2 JP 3518536 B2 JP3518536 B2 JP 3518536B2 JP 2002015244 A JP2002015244 A JP 2002015244A JP 2002015244 A JP2002015244 A JP 2002015244A JP 3518536 B2 JP3518536 B2 JP 3518536B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マイクロ波信号
を所望の値に増幅あるいは減衰等を行うためマイクロ波
回路装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通信、レーダ等ではマイクロ波信号を増
幅あるいは減衰等を行うために、多くのマイクロ波回路
装置が使われている。図5(a),(b)は例えば特開
昭62−29202「マイクロ波回路装置」に示された
従来のマイクロ波回路装置の斜視図および断面図であ
る。図中、1はマイクロ波集積回路、2は気密パッケー
ジの底板、3は気密パッケージの上蓋、4は同軸線路、
5,6,7はそれぞれ同軸線路の中心導体、外導体、絶
縁体、8は金属細線、9は導波管、10は導波管の外
壁、11は貫通穴である。
【0003】この装置は主にマイクロ波信号を増幅ある
いは減衰等を行うためのマイクロ波集積回路1と、この
マイクロ波集積回路1を保護するための底板2と上蓋3
とからなる気密パッケージと、マイクロ波集積回路1の
入力端子あるいは出力端子を気密パッケージの外に取り
出すための同軸線路4およびさらに他の機器に接続する
ための導波管9とから成る。
【0004】マイクロ波集積回路1では気密パッケージ
の底板2にマイクロ波集積回路1が装着されており、こ
のマイクロ波集積回路1を保護するために、マイクロ波
集積回路1を覆うように上蓋3が設けられている。ま
た、マイクロ波集積回路1の入力端子あるいは出力端子
はマイクロ波集積回路1近傍の気密パッケージの底板2
に垂直に設けられた同軸線路4の中心導体5に金属細線
8を用いて接続されている。この同軸線路4は気密パッ
ケージの底板2の底面から一部突出するように設けられ
ており、同軸線路4の外導体6の一部と気密パッケージ
の底板2とを一体形成する事により、同軸線路4は気密
パッケージの底板2に保持されている。また、同軸線路
4の中心導体5は両端が同軸線路4から突出するように
ガラス、セラミック等の絶縁体7を介して、同軸線路4
の外導体6に保持されている。
【0005】また、導波管9の幅広面の外壁10には導
波管9の短絡面からほぼ4分の一波長の所に貫通穴11
が設けられており、気密パッケージの底板2は同軸線路
4の突出部がこの貫通穴11に挿入されるように、導波
管9の外壁10の表面にネジ等を用いて固定されてい
る。
【0006】同軸線路4の特性インピーダンスは50オ
ームと成るように、同軸線路4の中心導体5および外導
体6が選ばれており、また、所望の周波数帯で導波管9
モードが効率良く同軸線路4に電気的結合するように、
中心導体5の外径および挿入長が選ばれいる。
【0007】次に動作について説明する。導波管9から
入力されたマイクロ波信号は同軸線路4へ電気的結合
し、同軸線路4および金属細線8を介して、マイクロ波
集積回路1の入力端子へ入力される。マイクロ波集積回
路1として増幅器である場合、そこで増幅され、他の機
器へ供給される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図5から明かなように
従来のマイクロ波装置では、同軸線路4は外導体6と中
心導体5との間に絶縁体7を充填する複雑な構造である
ため、製造上、形状に制約を受ける。これに対して、導
波管9は周波数が高くなるとサイズを小さくする必要が
生じ、導波管9の横幅に対して貫通穴11および同軸線
路4の径が無視できなくなってしまう。このため、同軸
線路4および同軸線路4の外導体6と貫通穴11との隙
間が導波管9壁面を流れる電流に影響を与え、導波管9
から同軸線路4へ効率良く電気的結合させることができ
なくなってしまう。このため、導波管9と同軸線路4と
の結合部において大きな反射波が生じ、マイクロ波回路
装置の特性が著しく劣化してしまう問題点があった。
【0009】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、導波管9と同軸線路4との結
合部で生じる反射波を著しく抑圧し、高性能なマイクロ
波回路装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明1によるマイク
ロ波回路装置は気密パッケージの底板に装着させたマイ
クロ波集積回路と、上記気密パッケージの底板と一体成
型され、当該底板の底面から突出するように垂直方向に
設けられた外導体と、上記外導体よりも長く当該外導体
の両端から突出するように設けられた中心導体と、上記
中心導体と上記外導体の間に充填された絶縁体とから成
同軸線路と、上記同軸線路の中心導体の一端とマイク
ロ波集積回路の入力端子あるいは出力端子間を接続する
金属細線と、導波管の幅広面側の外壁に設けられた円形
の止まり穴と、上記止まり穴の中央部に設けられ、止ま
り穴の直径よりも小さな直径の貫通穴と、上記底板の底
面から突出した上記外導体が止まり穴に、上記中心導体
貫通穴にそれぞれ挿入され、電気的結合された導波管
とを備えたものである。
【0011】この発明2によるマイクロ波回路装置は発
明1の止まり穴底面とその止まり穴に挿入される同軸線
路の端面間にリング状の金属板を設けたものである。
【0012】この発明3によるマイクロ波回路装置は上
記気密パッケージの底板の底面から突出した同軸線路の
導波管側の端面部近傍の外導体の径を他の部分よりも大
きくしたものである。
【0013】この発明4によるマイクロ波回路装置は発
明1の止まり穴および気密パッケージの底板の底面から
突出した同軸線路の外導体の形状を逆円錐状にしたもの
である。
【0014】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1に示すマイクロ波回路装置の断面図であ
る。このマイクロ波回路装置では導波管9の幅広面の外
壁10に止まり穴21とその中央部に穴径がやや小さな
貫通穴22を設け、その止まり穴21に気密パッケージ
の底板2から突出した同軸線路4を挿入することによ
り、同軸線路4の中心導体5は貫通穴22を介して導波
管9内に挿入されている。
【0015】このような構造にすることにより、貫通穴
22部分でも導波管外壁10を外導体とする同軸線路4
が形成される。この部分の同軸線路4は中心導体5と導
波管外壁10間に絶縁体7が充填されていないため、絶
縁体7が充填された場合に比べ、同軸線路4の特性イン
ピーダンスが高くなる。このため、絶縁体7が充填され
ている部分の同軸線路4と同じ特性インピーダンス、例
えば、50オームを得るには絶縁体7が充填されている
部分の外導体6の径よりも小さな径、即ち、貫通穴22
の径を小さくできる。尚、貫通穴22には絶縁体7を充
填しないため、貫通穴22の径が小さくなっても同軸線
路4の実現が容易である。
【0016】このように、このマイクロ波回路装置では
貫通穴22の径を従来のものに比べ、十分小さくできる
ため、貫通穴22が導波管9の壁面を流れる電流へ与え
る影響を著しく小さくすることができる。従って、導波
管7から同軸線路4へ効率良く電気的結合させることが
でき、高性能なマイクロ波回路装置を得ることができ
る。
【0017】実施の形態2.図2はこの発明の実施の形
態2を示すマイクロ波回路装置の断面図である。このマ
イクロ波回路装置では図1に示したマイクロ波回路装置
の止まり穴21の底面と絶縁体7が充填されている部分
の同軸線路4の端面間にリング状の金属板23を設けて
いる。この金属板23の外形は止まり穴21の径よりも
小さく、また、内径は貫通穴22の径とほぼ同じに選ば
れている。
【0018】図1の実施の形態1のものでは、止まり穴
21および気密パッケージの底板2から突出している同
軸線路4の加工精度により、外導体6の端面と止まり穴
21の底板間に隙間が生じる場合がある。この場合、導
波管外壁10を外導体とする同軸線路4と気密パッケー
ジの底板2に一体加工された同軸線路4間にリアクタン
ス成分が生じ、マイクロ波回路装置の特性が劣化してし
まう。これを避けるため、この発明のようにリング状の
金属板23を設けることにより、加工精度が多少悪くと
も同軸線路4間の隙間を無くすことができ、高性能なマ
イクロ波回路装置を得ることができる。
【0019】実施の形態3.図3はこの発明の実施の形
態3を示すマイクロ波減衰器の構成図である。このマイ
クロ波回路装置では気密パッケージの底板2から突出し
た同軸線路4の端面近傍の外導体6の径を他の部分より
も大きくしたものである。外導体6の肉厚が薄い場合、
同軸線路4の外導体6の端面が止まり穴21の底面に十
分接触しないことがある。この場合も、実施の形態2で
述べたように、導波管外壁10を外導体とする同軸線路
4と気密パッケージの底板2に一体加工された同軸線路
4間にリアクタンス成分が生じ、マイクロ波回路装置の
特性が劣化してしまう。
【0020】これを避けるため、同軸線路4の端面近傍
の外導体6の径を他の部分よりも大きくすることによ
り、同軸線路4の外導体6の端面と止まり穴21の底面
を十分接触させることができ、高性能なマイクロ波回路
装置を得ることができる。この場合、実施の形態2で示
したような金属板23が不要になるため、安価にでき
る。
【0021】実施の形態4.図4はこの発明の実施の形
態4を示すマイクロ波回路装置の断面図である。この発
明のマイクロ波回路装置では気密パッケージの底板2か
ら突出した同軸線路4の外導体6および止まり穴21の
形状を逆円錐状にしたものである。このような形状にす
ることにより、接触面積を増やすことができるため、加
工精度が多少悪くとも同軸線路4の外導体6を導波管外
壁10に十分に接触させることができ、高性能なマイク
ロ波回路装置を得ることができる。
【0022】
【発明の効果】この発明1によれば、導波管外壁に止ま
り穴と、その中央部には径のやや小さな貫通穴を設け、
気密パッケージの底板から突出した同軸線路は止まり穴
に、中心導体は貫通穴を介して導波管内に挿入するよう
にしたものである。これにより、貫通穴部分で導波管外
壁を外導体とし、中心導体と外導体間が空気となる同軸
線路を形成することができ、所望の特性インピーダンス
を得るためには外導体の径、即ち、貫通穴の径を小さく
できる。従って、導波管横幅に対して、貫通穴を十分小
さくでき、導波管壁面を流れる電流への影響を十分小さ
くできるため、導波管から同軸線路への電気的結合を効
率良くできるため高性能かマイクロ波回路装置を得るこ
とができる。
【0023】この発明2によれば、発明1の止まり穴の
底面と、止まり穴に挿入される同軸線路の端面間にリン
グ状の金属板を設けることにより、止まり穴および同軸
線路の加工精度に多少問題があった場合でも同軸線路の
外導体と導波管外壁とを十分接触させることができ、高
性能なマイクロ波回路装置を得ることができる。
【0024】この発明3によれば、発明1の同軸線路の
端面近傍の外導体の径を他の部分よりも大きくすること
により、外導体端面の接触面積を広くでき、リング状の
金属板を用いなくとも外導体端面と止まり穴の底面を十
分接触させることができる。このため、安価で高性能な
マイクロ波回路装置を得ることができる。
【0025】この発明4によれば、発明1の気密パッケ
ージの底板に一体形成された同軸線路の外導体と止まり
穴の形状を逆円錐状にすることにより、外導体と導波管
外壁との接触面積を十分大きくでき、外導体と導波管外
壁との加工精度に多少問題があっても外導体と導波管外
壁とを確実に接触させることができるため、より安価で
高性能なマイクロ波回路装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明によるマイクロ波回路装置の実施の
形態1を示す図である。
【図2】 この発明によるマイクロ波回路装置の実施の
形態2を示す図である。
【図3】 この発明によるマイクロ波回路装置の実施の
形態3を示す図である。
【図4】 この発明によるマイクロ波回路装置の実施の
形態4を示す図である。
【図5】 従来のマイクロ波回路装置を示す図である。 1 マイクロ波集積回路、 2 気密パッケージの底
板、 3 気密パッケージの上蓋、 4 同軸線路、
5 中心導体、 6 外導体、 7 絶縁体、8 金属
細線、 9 導波管、 10 導波管外壁、 21 止
まり穴、 22貫通穴、 23 金属板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 5/107

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気密パッケージの底板に装着させたマイ
    クロ波集積回路と、 上記気密パッケージの底板と一体成型され、当該底板の
    底面から突出するように垂直方向に設けられた外導体
    と、上記外導体よりも長く当該外導体の両端から突出す
    るように設けられた中心導体と、上記中心導体と上記外
    導体の間に充填された絶縁体とから成る同軸線路と、 上記同軸線路の中心導体の一端とマイクロ波集積回路の
    入力端子あるいは出力端子間を接続する金属細線と、 導波管の幅広面側の外壁に設けられた円形の止まり穴
    と、上記止まり穴の中央部に設けられ、止まり穴の直径
    よりも小さな直径の貫通穴と、上記底板の底面から突出した上記外導体 が止まり穴に、
    上記中心導体が貫通穴にそれぞれ挿入され、電気的結合
    された導波管とを備えたことを特徴とするマイクロ波回
    路装置。
  2. 【請求項2】 上記止まり穴の底面と同軸線路の端面間
    にリング状の金属板を設けたことを特徴とする請求項1
    記載のマイクロ波回路装置。
  3. 【請求項3】 上記気密パッケージの底板の底面から突
    出した同軸線路の導波管側の端面部近傍の外導体の径を
    他の部分よりも大きくしたことを特徴とする請求項1記
    載のマイクロ波回路装置。
  4. 【請求項4】 上記気密パッケージの底板の底面から突
    出した同軸線路部分の外導体および導波管の外壁に設け
    られた止まり穴を逆円錐状にしたことを特徴とする請求
    項1記載のマイクロ波回路装置。
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