JP3518385B2 - ホスホルアゾリド化合物 - Google Patents

ホスホルアゾリド化合物

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JP3518385B2 JP36738498A JP36738498A JP3518385B2 JP 3518385 B2 JP3518385 B2 JP 3518385B2 JP 36738498 A JP36738498 A JP 36738498A JP 36738498 A JP36738498 A JP 36738498A JP 3518385 B2 JP3518385 B2 JP 3518385B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なホスホルアゾ
リド化合物に関するものであり、本発明におけるホスホ
ルアゾリド化合物は、例えば、DNAオリゴマーの中間
原料として有機合成化学、生化学および医薬産業上にお
いて有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】これまで、DNAオリゴマーの中間原料
であるDNA合成試薬としては、前記式(1)において
1およびR2のいずれも水素原子であり、Xがジアルキ
ルアミノ基であるホスホルアミダイト化合物が知られて
いる[エイチ・ケスター(H.Koester)ら、テトラヘド
ロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、52,5843(19
83). および特許協力条約(PCT) WO97/42202を参
照されたい]。前記ホスホルアミダイト化合物を、DN
Aオリゴマーの中間原料として用いる場合には、2−シ
アノエトキシジアルキルアミノホスフィン誘導体と5’
−O,塩基保護−ヌクレオシドとを反応させ、同ヌクレ
オシドの3’−O−アミダイト体、いわゆるDNA合成
試薬の構造とするのが一般的である。この方法によれ
ば、DNAの化学合成の原料を安定的に得ることができ
るが、純度良く目的物を得るために、生成する副生物あ
るいは不純物を除去することが必要であり、そのため操
作上の煩雑さが生じ、コストが嵩む等の問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、DN
A合成試薬の製造において、単離精製工程を必要とせず
に、反応液をそのままDNAオリゴマーの合成に用いる
ことができるin situDNA合成試薬を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、下記式(1)で表
されるホスホルアゾリド化合物を用いた場合に、前記課
題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は下記式(1)で表されるホスホ
ルアゾリド化合物である。
【0005】
【化3】
【0006】(式中、Bは必要に応じてヌクレオチド化
学において通常の保護基で保護した塩基を示し、R1
よびR2は水素原子、またはヘテロ原子を含んでいても
よいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基もしく
はアラルキル基を示し、R3は保護基、Aは水素原子、水
酸基、アルコキシ基またはトリアルキルシリルオキシ基
を示し、Xはアゾリル基を示す。ただし、R1およびR2
のいずれもが水素原子、メチル基またはエチル基である
場合を除く。)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるホスホルアゾリド
化合物は、前記式(1)で表される化合物であり、Bと
して表される塩基は周知のものであり、プリン誘導体、
例えばアデニン、グアニンおよびヒポキサンチンの誘導
体、ならびにピリミジン誘導体、例えばシトシン、チミ
ンおよびウラシルの誘導体などが挙げられ、具体的に
は、1−チミニル基、1−(N−4−ベンゾイルシトシ
ル)基、9−(N−6−ベンゾイルアデニニル)基お
よび9−(N−2−イソブチリルグアニニル)基などが
挙げられる。また、式(1)におけるR1およびR2とし
ては水素原子、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル
基、イソプロピル基、イソブチル基、セカンダリーブチ
ル基、ターシャリーブチル基、ノルマルペンチル基、1
−エチルプロピル基、シクロヘキシル基、ノルマルノニ
ル基、2−フェニルエチル基、2−(メチルチオ)エチル
基、フェニル基、1,1−ジエチル−3−ブテニル基お
よび1,1−ジメチル−2−フェニルエチル基などが挙
げられる(ただし、R1およびR2のいずれもが水素原
子、メチル基またはエチル基の場合を除く)。R3とし
てはトリチル基、4−メトキシトリチル基および4,
4’−ジメトキシトリチル基などが挙げられ、Xとして
はイミダゾリル基、2−メチルイミダゾリル基、4−メ
チルイミダゾリル基および2,4−ジメチルイミダゾリ
ル基などが挙げられる。Aは水素原子、水酸基、アルコ
キシ基およびトリアルキルオキシ基であり、アルコキシ
基としては、メトキシ基およびエトキシ基などが挙げら
れ、トリアルキルシリルオキシ基としては、ターシャリ
ーブチルジメチルシリルオキシ基などが挙げられる。
【0008】本発明におけるホスホルアゾリド化合物
は、下記式(3)で表される5’−O,塩基保護−ヌク
レオシドと下記式(4)で表されるオルガノオキシビス
アゾリルホスフィンとの反応により容易に製造すること
ができる{下記式(5)}。
【0009】
【化4】
【0010】{式中、A、BおよびR3は前記式(1)
と同じである。}
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R1、R2およびXは前記式(1)
と同じである。)
【0013】
【化6】
【0014】{式中、A、B、R1、R2、R3およびX
は前記式(1)と同じである。}
【0015】前記反応は、5’−O,塩基保護−ヌクレ
オシドを減圧乾燥するか、あるいはピリジンもしくは
1,4−ジオキサン等の有機溶媒に溶解してから共沸脱
水した後、トルエン、ピリジン、テトラヒドロフラン、
クロロホルムまたはアセトニトリル等の有機溶媒中、
5’−O,塩基保護−ヌクレオシドに対し0.9〜1.
2当量のオルガノオキシビスアゾリルホスフィンを−8
0℃〜室温の条件で混合させて行なう。低温で反応させ
た方がホスホルアゾリド化合物の収率は良い。また、有
機溶媒は乾燥剤で乾燥後、蒸留精製したものを用いるこ
とが好ましい。反応にあたり、反応溶液の31P−NMR
スペクトルを測定し、反応が完了したことを確認するこ
とができる。なお、この反応溶液は、そのままin situ
DNA合成試薬としてオリゴヌクレオチドの合成に用い
ることができる。一方、前記式(4)で表されるオルガ
ノオキシビスアゾリルホスフィンは、下記式(6)で表
されるオルガノオキシジクロロホスフィンと下記式
(7)で表されるN−トリメチルシリルアゾール化合物
との反応により容易に製造することができる{下記式
(8)}。
【0016】
【化7】
【0017】{式中、R1およびR2は前記式(1)と同
じである。}
【0018】
【化8】
【0019】{式中、Xは前記式(1)と同じであ
る。}
【0020】
【化9】
【0021】{式中、R1、R2およびXは前記式(1)
と同じである。}
【0022】前記式(8)で表される反応は、トルエン
またはクロロホルム等のハロゲン系有機溶媒中、室温の
条件下、オルガノオキシジクロロホスフィンに、これに
対し2〜3当量のN−トリメチルシリルアゾール化合物
を混合させて行なう。この反応溶液の1H−NMRスペ
クトルを測定して反応が完了したことを確認した後、副
生したクロロトリメチルシラン、反応溶媒および過剰の
N−トリメチルシリルアゾール化合物などを減圧留去す
れば、目的とするオルガノオキシビスアゾリルホスフィ
ンが得られる。なお、有機溶媒は乾燥剤で乾燥後、蒸留
精製したものを用いることが好ましい。
【0023】また、前記式(6)で表されるオルガノオ
キシジクロロホスフィンは、下記式(9)で表されるオ
ルガノオキシトリメチルシランと三塩化リンとの反応に
より容易に製造することができる{下記式(10)、畑
辻明ら、ヌクレイック・アッシッズ・リサーチ(Nuclei
c Acids Res.)、17,8581(1989)}。
【0024】
【化10】
【0025】(式中、R1およびR2は前記式(1)と同
じである。)
【0026】
【化11】
【0027】(式中、R1およびR2は前記式(1)と同
じである。)
【0028】前記反応は、例えば、0℃の条件で、前記
オルガノオキシトリメチルシランとこれに対し2〜5当
量の三塩化リンとを混合し、室温で1時間〜10日間静
置することにより達成され、得られたものを常法に従っ
て減圧蒸留すれば、前記オルガノオキシジクロロホスフ
ィンが得られる。前記式(9)で表されるオルガノオキ
シトリメチルシランは、下記式(11)で表される2−
シアノエタノール誘導体と1,1,1,3,3,3−ヘ
キサメチルジシラザンとの反応{下記式(12)}、ま
たは下記式(13)で表されるアルデヒドもしくはケト
ンとシアノメチルリチウムなどのシアノメチルアルカリ
金属化合物との反応生成物に、クロロトリメチルシラン
を反応させることにより、容易に製造することができる
{下記式(14)}。なお、シアノメチルアルカリ金属
化合物は、アセトニトリルのシアノ基に隣接した活性水
素を、ノルマルブチルリチウムなどを用いてアルカリ金
属化することにより容易に製造することができる{下記
式(15)}。
【0029】
【化12】
【0030】{式中、R1およびR2は前記式(1)と同
じである。}
【0031】
【化13】
【0032】{式中、R1およびR2は前記式(1)と同
じである。}
【0033】前記式(12)で表される反応は、2−シ
アノエタノール誘導体とこれに対し1〜2当量の1,
1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンおよび
0.005〜0.1当量のイミダゾールを混合し、1〜5
時間かきまぜながら加熱・還流させることにより達成さ
れ、得られたものを常法に従って減圧蒸留すれば、目的
の前記オルガノオキシトリメチルシランが得られる。
【0034】
【化14】
【0035】{式中、R1およびR2は前記式(1)と同
じである。}
【0036】
【化15】
【0037】{式中、R1およびR2は前記式(1)と同
じである。}
【0038】
【化16】
【0039】前記式(14)および(15)の反応は以
下のように行なう。まず、−80℃〜−60℃の条件
で、ノルマルブチルリチウムのノルマルヘキサン/テト
ラヒドロフラン(1/2)溶液に、これに対し1.0〜
1.2当量のアセトニトリルを加えて、0.5〜2時間
かき混ぜて反応させてシアノメチルリチウムのノルマル
ヘキサン/テトラヒドロフラン溶液を得る。これに−8
0℃〜−60℃の条件で、1.0〜1.2当量の前記ア
ルデヒドもしくはケトンを加え、反応温度を0.5〜1
時間かけて室温に戻した後、1.2〜1.5当量のクロ
ロトリメチルシランを加えてかき混ぜる。なお、有機溶
媒は乾燥剤で乾燥後、蒸留精製したものを用いることが
好ましい。さらに、生成物を常法に従って減圧蒸留すれ
ば、目的の前記オルガノオキシトリメチルシランが得ら
れる。前記式(7)で表されるN−トリメチルシリルア
ゾール化合物は、下記式(16)で表されるアゾール類
と1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンと
の反応により容易に製造することができる{下記式(1
7)}。
【0040】
【化17】
【0041】{式中、Xは前記式(1)と同じであ
る。}
【0042】
【化18】
【0043】{式中、Xは前記式(1)と同じであ
る。}
【0044】前記反応は、式(16)で表されるアゾー
ル類と、これに対し1〜2当量の1,1,1,3,3,
3−ヘキサメチルジシラザンとを混合し、3〜24時間
かきまぜながら加熱・還流させることにより達成され、
得られた生成物を常法に従って減圧蒸留すれば、N−ト
リメチルシリルアゾール化合物が得られる。
【0045】本発明におけるホスホルアゾリド化合物
は、オリゴヌクレオチドを化学合成する際の中間原料と
して有用であり、例えば、2−シアノ−1−(1,1−
ジエチル−3−ブテニル)エトキシビス(4−メチルイ
ミダゾリル)ホスフィンと、5’−O−(4,4’−ジ
メトキシトリチル)チミジンを反応させて得られる3’
−O−4−メチルイミダゾリルホスフィン誘導体の反応
溶液を、そのままin situでDNA自動合成機上での固
相合成に用いることにより、DNAオリゴマーを収率良
く得ることができる。この反応の収率は、前記式(1)
のR1およびR2のファンデルワールス(van der Waal
s)体積の和と相関があり、反応収率が高いという理由
から、下記の条件で計算したR1およびR2のファンデル
ワールス(van der Waals)体積の和が49(オングス
トローム) 3 以上の化合物が好ましい。例えば、R1が水
素原子であり、R2がノルマルプロピル基である化合物
などが例示される。
【0046】ファンデルワールス(van der Waals)体
積の計算方法 下記式(2)で表されるオルガノオキシビス(4−メチ
ルイミダゾリル)ホスフィンにおいて、まず、SPARTAN
TM Version4.1.1(Wavefunction,Inc.)により三
次元分子構造を決定し、MM力場を使って立体的エネルギ
ーの最適化を行った後、半経験的分子軌道法(AM1)に
より立体構造を確定した。次に、AM1により得られた立
体構造に基づいて、TSARTM3.0(Oxford MolecularGr
oup)の分子体積計算プログラムによりR1およびR2
ファンデルワールス(van der Waals)体積を求めた。
【0047】
【化19】
【0048】{式中、R1およびR2は前記式(1)と同
じであり、Xは4−メチルイミダゾリル基を示す}
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明の化合物について
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。 (実施例1) a)前記式(1)においてAが水素原子、Bが1−チミ
ニル基、R1が水素原子、R2がノルマルプロピル基、R
3が4,4’−ジメトキシトリチル基、Xが4−メチル
イミダゾリル基である下記式(18)で表されるDNA
合成試薬の製造。
【0050】
【化20】
【0051】トルエン(5ml)溶液中、アルゴン雰囲
気下、室温の条件で、2−シアノ−1−ノルマルプロピ
ルエトキシジクロロホスフィン0.267g(1.25
mmol)とトリメチルシリル−4−メチルイミダゾー
ル0.425g(2.75mmol)を加え、5分間反
応させた。副生したクロロトリメチルシランおよびトル
エンを室温で10分間減圧留去した後、残留トルエンお
よび過剰のトリメチルシリル−4−メチルイミダゾール
を35℃の条件で2時間減圧留去し、無色透明、油状の
2−シアノ−1−ノルマルプロピルエトキビス(4−メ
チルイミダゾリル)ホスフィンを得た。これを重クロロ
ホルム2.5mlに溶解した溶液(0.5M)を、アル
ゴン雰囲気下、室温で2時間減圧乾燥した5’−O−
(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジン0.678
g(1.25mmol)に加えた。均一になった後、そ
のまま一晩静置して反応させ、前記式(18)で表され
るホスホルアゾリド化合物を得た。なお、得られた化合
物の31PNMR(外部標準;(CH3O)3P =140ppm, CDC
l3)は、δ;123.0,125.4ppm.であった (
31P−NMRスペクトルは161.MHzNMR測定装置
で測定した)。
【0052】b)前記式(18)で表されるホスホルア
ゾリド化合物( in situDNA合成試薬)とメタノール
との反応。前記で得られたホスホルアゾリド化合物のCD
Cl3反応溶液に、アルゴン雰囲気下、室温でメタノール
約0.1ml(約2mmol)を加えて反応させ、下記
式(19)で表される化合物を定量的に得た。得られた
生成物の31PNMR(外部標準;(CH3O)3P =140ppm,
CDCl3)は、δ;138.8,138.9,139.
3,139.5ppm.であった( 31P−NMRスペクトル
は161.MHzNMR測定装置で測定した)。
【0053】
【化21】
【0054】c)オルガノオキシビスアゾリルホスフィ
ンの5’−O,塩基保護−ヌクレオシドとの一置換選択
的反応性。前記a)に従ってホスホルアゾリド化合物を
製造する場合、下記式(20)で示される副反応が進行
し、下記式(21)で表される二置換生成物が副生す
る。そこで前記b)の反応により得られた反応溶液の
31P−NMRスペクトルを測定し、反応の一置換選択性
を下記式(A)より求めた。その結果、一置換選択性は
92%であった。
【0055】
【化22】
【0056】
【化23】
【0057】一置換選択性(%)=[〔19〕/(〔1
9〕+〔21〕)]×100(A) (式中、〔19〕および〔21〕は、31P−NMRスペ
クトルにより求めた化合物(19)および(21)の反
応溶液中でのモル組成率をそれぞれ示す)
【0058】(応用例)実施例1で得られたホスホルア
ゾリド化合物をin situDNA合成試薬として用いた、
固相法によるDNA自動合成機上でのd(TTTTTTTTTTTTTT
TTTTTT)(チミジン20量体)の合成。5’−O−
(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジンを1,4−
ジオキサンに溶解後、共沸脱水し、かつ2−シアノ−1
−ノルマルプロピルエトキビス(4−メチルイミダゾリ
ル)ホスフィンとの反応溶媒としてアセトニトリルを用
いてその濃度を0.1Mとした以外は他は、前記a)と
同様にして前記式(18)で表されるホスホルアゾリド
化合物を製造した。この0.1Mアセトニトリル反応溶
液をそのまま原料として用いて、DNA自動合成機上で
アミダイト法のプロトコールに従って固相法によりチミ
ジンの20量体を合成した。得られた反応生成混合物を
逆相HPLC分析した結果、その平均縮合収率は97.5%
であった。
【0059】(実施例2〜13)実施例1と同様の操作
により、下記表1および表2に示した実施例2〜13の
ホスホルアゾリド化合物を製造した。実施例1のa)に
おいては、残留トルエンおよび過剰のトリメチルシリル
−4−メチルイミダゾールを35℃の条件で2時間減圧
留去したが、実施例2〜13においては、必要に応じて
35〜50℃の条件で2時間減圧留去した。各ホスホル
アゾリド化合物およびそのメタノールとの反応生成物
(OMe体)の31P−NMRスペクトルのケミカルシフ
ト(δ)(外部標準;(CH3O)3P =140ppm、161.
9MHzNMR測定装置で測定)、置換基R1およびR2
ファンデルワールス(van der Waals)体積の和{置換
基体積(R1+R2)}、ならびに前記式(A)で定義し
た一置換選択性を実施例1と同様に求めた。さらに、実
施例1と同様に各ホスホルアゾリド化合物を用いて、固
相法によりDNA自動合成機上でアミダイト法の標準的
なプロトコールにより、チミジンまたはシチジンの各2
0量体を合成した際の平均縮合収率(固相合成縮合収
率)を求めた。これらの値をそれぞれ表1および表2に
示した。
【0060】(比較例1および2)実施例1と同様の操
作により、表2に示した比較例1および比較例2の化合
物を製造し、実施例1と同様に評価し、その結果を表2
に示した。
【0061】実施例2〜13ならびに比較例1および2
に示した化合物は、前記式(1)において、Aが水素原
子、R3が4,4’−ジメトキシトリチル基である下記
式(22)で表されるホスホルアゾリド化合物である。
【0062】
【化24】
【0063】{式中、DMTrは4,4’−ジメトキシ
トリチル基を表し、B、R1、R2およびXは前記式
(1)と同じである。}
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】{表1および2中、B欄のTは1−チミニ
ル基を、CBzは1−(N−4−ベンゾイルシトシル)
基を、ABzは9−(N−6−ベンゾイルアデニニル)基
を、およびGiBuは9−(N−2−イソブチリルグアニ
ニル)基をそれぞれ表わす。}
【0067】なお、置換基R1、R2およびXの構造は下
記表3に示したとおりである。
【0068】
【表3】
【0069】表1および表2の実施例ならびに比較例か
ら明らかなように、従来のリン酸保護基であるR1=R2
=H(比較例1)の場合には、反応溶液をそのままin s
ituでDNAオリゴマーの固相合成に用いると、その平
均縮合収率は高々93.0%であり、 in situDNA合
成試薬としては有用ではない。しかし、これに比べて、
実施例1、実施例3〜11のホスホルアゾリド化合物は
いずれも96.8%以上である。この収率の3%余りの
差がDNAオリゴマーの化学合成の中間原料として用い
る場合に大きく影響するのである。したがって、本発明
におけるホスホルアゾリド化合物をDNAオリゴマーの
化学合成の中間原料として用いる場合には、単離精製す
ることなくin situDNA合成試薬として用いることが
できる。また、表1および表2より、DNAオリゴマー
の固相合成の平均縮合収率は、各DNA合成試薬を製造
する際の一置換選択性が高くなるに従って高くなる傾向
にあり、また、置換基R1およびR2のファンデルワール
ス(van der Waals)体積の和ともかなり良い相関があ
ることが明らかである。すなわち、前記式(1)で表さ
れる化合物のうち、置換基R1およびR2のファンデルワ
ールス(van der Waals)体積の和が49(オングスト
ローム) 3 以上であるものは、特に in situDNA合成
試薬として有用である。
【0070】
【発明の効果】本発明のホスホルアゾリド化合物は、オ
リゴヌクレオチドの中間原料として用いる場合、その製
造工程において単離精製工程を省くことができる insi
tuDNA合成試薬として有用である。
フロントページの続き (56)参考文献 Recuil des Travau x Chimiques des Pa ys−Bas,1987年,Vol.106, No.3,p.72−76 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 19/06 - 19/10 C07H 19/16 - 19/207 C07H 21/00 - 21/04 REGISTRY(STN) CA(STN) CAOLD(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で表されるホスホルアゾリド
    化合物。 【化1】 (式中、Bは必要に応じてヌクレオチド化学において通
    常の保護基で保護した塩基を示し、R1およびR2は水素
    原子、またはヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル
    基、シクロアルキル基、アリール基もしくはアラルキル
    基を示し、R3は保護基、Aは水素原子、水酸基、アルコ
    キシ基またはトリアルキルシリルオキシ基を示し、Xは
    アゾリル基を示す。ただし、R1およびR2のいずれもが
    水素原子、メチル基またはエチル基である場合を除
    く。)
  2. 【請求項2】下記式(2)で表されるオルガノオキシビ
    ス(4−メチルイミダゾリル)ホスフィンを用いて計算
    した前記式(1)におけるR1およびR2のファンデルワ
    ールス(van der Waals)体積の和が49(オングスト
    ローム)3以上であり、かつXがイミダゾリル基、2−
    メチルイミダゾリル基もしくは4−メチルイミダゾリル
    基である請求項1記載のホスホルアゾリド化合物。 【化2】 (2) (式(2)中、R1およびR2は前記式(1)と同じであ
    り、Xは4−メチルイミダゾリル基を示す。)
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