JP3518382B2 - ゴルフクラブのヘッド重量体の固定構造 - Google Patents
ゴルフクラブのヘッド重量体の固定構造Info
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はゴルフクラブのヘッ
ド重量体の固定構造及び固定方法に係り、更に詳しく
は、ゴルフクラブのヘッドに重量体を簡易に装着するこ
とができるとともに、ヘッドに重量体を強固に固定する
ことができるゴルフクラブのヘッド重量体の固定構造及
び固定方法に関する。
ド重量体の固定構造及び固定方法に係り、更に詳しく
は、ゴルフクラブのヘッドに重量体を簡易に装着するこ
とができるとともに、ヘッドに重量体を強固に固定する
ことができるゴルフクラブのヘッド重量体の固定構造及
び固定方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】ゴルフクラブのうち、いわゆるウッドと
称するものは、打球の飛距離増大に寄与するものが求め
られる。そのため、近時においては、クラブのヘッドを
軽量金属であるチタン等で形成することでクラブ全体の
軽量化を図りつつ、慣性モーメントを増大させるため
に、比重の大きな金属からなる重量体をヘッド内部に埋
設したゴルフクラブが普及するに至っている。この重量
体をヘッドに取り付ける手法としては、重量体の外周面
に雄ねじ部を形成するとともに、ヘッドの接地面側すな
わちソールプレートに雌ねじ穴を設け、この雌ねじ穴に
雄ねじ部をねじ込んでねじ係合させるものや、ソールプ
レートに設けられた凹部に重量体を収容して接着剤で固
定する構造等が知られている。
称するものは、打球の飛距離増大に寄与するものが求め
られる。そのため、近時においては、クラブのヘッドを
軽量金属であるチタン等で形成することでクラブ全体の
軽量化を図りつつ、慣性モーメントを増大させるため
に、比重の大きな金属からなる重量体をヘッド内部に埋
設したゴルフクラブが普及するに至っている。この重量
体をヘッドに取り付ける手法としては、重量体の外周面
に雄ねじ部を形成するとともに、ヘッドの接地面側すな
わちソールプレートに雌ねじ穴を設け、この雌ねじ穴に
雄ねじ部をねじ込んでねじ係合させるものや、ソールプ
レートに設けられた凹部に重量体を収容して接着剤で固
定する構造等が知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ね
じ係合にあっては、構造上、ソールプレートと重量体と
の間に若干の隙間が生じることが余儀なくされるため、
ヘッドの外観上の体裁が必ずしも良好とは言えない他、
使用回数が増大するにつれ、ねじの弛みによる重量体の
位置ずれや脱落等をも招来することとなり、製品精度の
安定性に欠けるという不都合がある。また、前記接着構
造においても、ソールプレートと重量体との間に若干の
隙間が生じるとともに、接着による固定では、接着剤の
経時的な劣化等に起因して固定強度が低下するため、慣
性モーメントを効果的に増大させるような質量の重量体
を固定することができないという不都合を招来する。
じ係合にあっては、構造上、ソールプレートと重量体と
の間に若干の隙間が生じることが余儀なくされるため、
ヘッドの外観上の体裁が必ずしも良好とは言えない他、
使用回数が増大するにつれ、ねじの弛みによる重量体の
位置ずれや脱落等をも招来することとなり、製品精度の
安定性に欠けるという不都合がある。また、前記接着構
造においても、ソールプレートと重量体との間に若干の
隙間が生じるとともに、接着による固定では、接着剤の
経時的な劣化等に起因して固定強度が低下するため、慣
性モーメントを効果的に増大させるような質量の重量体
を固定することができないという不都合を招来する。
【０００４】ところで、特開平１０−９４６２３号公報
には、ソールプレートと材質の異なる金属からなる重量
体を、溶接によってソールプレートと同一の金属からな
るスペーサを介してソールプレートに固定する構造が開
示されている。ところが、この固定構造にあっては、重
量体の外周面に帯状のスペーサを巻回して固定する必要
があるとともに、その後、スペーサが装着された重量体
を、ソールプレートに形成した座繰り部（受容部）に圧
入して、スペーサとソールプレートを溶接で固定する必
要がある。つまり、この固定構造では、スペーサと重量
体とが係合しているものの、スペーサとソールプレート
との係合は溶接に依存するものとなっている。従って、
重量体の固定に際して溶接工程が別途必要となり、ソー
ルプレートに重量体を固定する作業に手間が掛かり、ヘ
ッドに重量体を簡易に装着することができないという不
都合を招来する。すなわち、溶接精度の如何で製品精度
に重要な影響を及ぼすから、作業の熟練性が非常に要求
されることとなる他、製作時間を長く要することとなっ
て量産性が劣り、ひいては、これらを製品コストに反映
せざるを得ないという不都合がある。
には、ソールプレートと材質の異なる金属からなる重量
体を、溶接によってソールプレートと同一の金属からな
るスペーサを介してソールプレートに固定する構造が開
示されている。ところが、この固定構造にあっては、重
量体の外周面に帯状のスペーサを巻回して固定する必要
があるとともに、その後、スペーサが装着された重量体
を、ソールプレートに形成した座繰り部（受容部）に圧
入して、スペーサとソールプレートを溶接で固定する必
要がある。つまり、この固定構造では、スペーサと重量
体とが係合しているものの、スペーサとソールプレート
との係合は溶接に依存するものとなっている。従って、
重量体の固定に際して溶接工程が別途必要となり、ソー
ルプレートに重量体を固定する作業に手間が掛かり、ヘ
ッドに重量体を簡易に装着することができないという不
都合を招来する。すなわち、溶接精度の如何で製品精度
に重要な影響を及ぼすから、作業の熟練性が非常に要求
されることとなる他、製作時間を長く要することとなっ
て量産性が劣り、ひいては、これらを製品コストに反映
せざるを得ないという不都合がある。
【０００５】
【発明の目的】本発明は、このような不都合に着目して
案出されたものであり、その主たる目的は、ゴルフクラ
ブのヘッドに重量体を簡易に装着可能とするとともに、
重量体をヘッドに強固に固定することができるゴルフク
ラブのヘッド重量体の固定構造及び固定方法を提供する
ことにある。
案出されたものであり、その主たる目的は、ゴルフクラ
ブのヘッドに重量体を簡易に装着可能とするとともに、
重量体をヘッドに強固に固定することができるゴルフク
ラブのヘッド重量体の固定構造及び固定方法を提供する
ことにある。
【０００６】また、本発明の他の目的は、重量体が装着
されたゴルフクラブのヘッドの外観上の体裁を良好にす
ることができるゴルフクラブのヘッド重量体の固定構造
及び固定方法を提供することにある。
されたゴルフクラブのヘッドの外観上の体裁を良好にす
ることができるゴルフクラブのヘッド重量体の固定構造
及び固定方法を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、ゴルフクラブのヘッドに所定の受容部を
設けるとともに、当該受容部にスペーサを介してヘッド
の外側から重量体を固定する構造において、前記受容部
に第１の係合部を形成する一方、前記重量体に第２の係
合部を形成し、前記スペーサを介して重量体を受容部内
に圧入したときに、前記スペーサが変形することにより
第１及び第２の係合部に強制的に噛み合い係合し、且
つ、スペーサと重量体との相対面間と、スペーサと受容
部との相対面間とに隙間なく介装される、という構成を
採っている。このような構成によれば、溶接等の固定手
段が不要となり、受容部に重量体を簡易に装着すること
ができる。また、重量体が受容部内に圧入されるのみな
らず、スペーサが第１及び第２の係合部に強制的に噛み
合い係合するため、受容部に重量体を強固に固定するこ
とができる。これにより、ゴルフクラブに要求される慣
性モーメントの大きい低重心のゴルフクラブを低コスト
にて提供することができる。更に、スペーサを介して重
量体が受容部内に圧入されるため、重量体と受容部との
間にスペーサが隙間なく介装されることとなって、ヘッ
ドの外観上の体裁を良好にすることができる。
め、本発明は、ゴルフクラブのヘッドに所定の受容部を
設けるとともに、当該受容部にスペーサを介してヘッド
の外側から重量体を固定する構造において、前記受容部
に第１の係合部を形成する一方、前記重量体に第２の係
合部を形成し、前記スペーサを介して重量体を受容部内
に圧入したときに、前記スペーサが変形することにより
第１及び第２の係合部に強制的に噛み合い係合し、且
つ、スペーサと重量体との相対面間と、スペーサと受容
部との相対面間とに隙間なく介装される、という構成を
採っている。このような構成によれば、溶接等の固定手
段が不要となり、受容部に重量体を簡易に装着すること
ができる。また、重量体が受容部内に圧入されるのみな
らず、スペーサが第１及び第２の係合部に強制的に噛み
合い係合するため、受容部に重量体を強固に固定するこ
とができる。これにより、ゴルフクラブに要求される慣
性モーメントの大きい低重心のゴルフクラブを低コスト
にて提供することができる。更に、スペーサを介して重
量体が受容部内に圧入されるため、重量体と受容部との
間にスペーサが隙間なく介装されることとなって、ヘッ
ドの外観上の体裁を良好にすることができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明において、前記第１の係合
部は、前記受容部の内周部分に形成された溝又はアンダ
ーカットにより構成され、前記第２の係合部は、前記重
量体の外周部分に形成された溝又は凹状部により構成さ
れることが好ましい。このようにすることで、スペーサ
の第１及び第２の係合部への噛み合い係合をより確実と
することができる。
部は、前記受容部の内周部分に形成された溝又はアンダ
ーカットにより構成され、前記第２の係合部は、前記重
量体の外周部分に形成された溝又は凹状部により構成さ
れることが好ましい。このようにすることで、スペーサ
の第１及び第２の係合部への噛み合い係合をより確実と
することができる。
【０００９】また、前記スペーサは、上下開放型の円筒
形状に形成されるとともに、５℃〜３５℃（温度変化に
敏感な材料については２０℃プラスマイナス２℃）の範
囲内でＪＩＳＺ２２４１で定められた金属材料引張試験
方法を用いて測定したときの破断伸びが１０％以上とな
る金属により形成するとよい。これにより、第１及び第
２の係合部にスペーサが一層入り込み易くなり、重量体
に付与する圧入力を小さくすることができ、受容部に重
量体を一層簡易に装着可能となる。一方で、プレス機械
も高能力タイプでないものが利用可能となり、生産設備
の簡素化を図ることもできる。
形状に形成されるとともに、５℃〜３５℃（温度変化に
敏感な材料については２０℃プラスマイナス２℃）の範
囲内でＪＩＳＺ２２４１で定められた金属材料引張試験
方法を用いて測定したときの破断伸びが１０％以上とな
る金属により形成するとよい。これにより、第１及び第
２の係合部にスペーサが一層入り込み易くなり、重量体
に付与する圧入力を小さくすることができ、受容部に重
量体を一層簡易に装着可能となる。一方で、プレス機械
も高能力タイプでないものが利用可能となり、生産設備
の簡素化を図ることもできる。
【００１０】なお、本明細書において、「スペーサの伸
び」とは、一般に５℃〜３５℃（温度変化に敏感な材料
については２０℃プラスマイナス２℃）の範囲内でＪＩ
ＳＺ２２４１で定められた金属材料引張試験方法を用い
て測定した破断伸びのことをいう。
び」とは、一般に５℃〜３５℃（温度変化に敏感な材料
については２０℃プラスマイナス２℃）の範囲内でＪＩ
ＳＺ２２４１で定められた金属材料引張試験方法を用い
て測定した破断伸びのことをいう。
【００１１】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
ながら説明する。
【００１２】図１には、本発明に係る重量体固定構造が
適用されたゴルフクラブの部分概略断面図が示され、図
２には、図１の概略分解図が示されている。なお、以下
において、説明の便宜上、特に明記しない限り、各部材
の「上部」、「上端」、「上面」は、図１及び図２中上
方の各領域を指し、各部材の「下部」、「下端」、「下
面」は、同図中下方の各領域を指すものとする。
適用されたゴルフクラブの部分概略断面図が示され、図
２には、図１の概略分解図が示されている。なお、以下
において、説明の便宜上、特に明記しない限り、各部材
の「上部」、「上端」、「上面」は、図１及び図２中上
方の各領域を指し、各部材の「下部」、「下端」、「下
面」は、同図中下方の各領域を指すものとする。
【００１３】図１及び図２において、ゴルフクラブ１０
は、シャフト１１と、このシャフト１１の先端に取り付
けられた金属製のヘッド１２とからなっている。ヘッド
１２は、その外形をなす中空の本体部１４と、この本体
部１４の上端側に設けられるとともに、使用時における
接地面を構成するソールプレート１５と、このソールプ
レート１５にスペーサ１７を介して固定される重量体１
８とを備えて構成されている。
は、シャフト１１と、このシャフト１１の先端に取り付
けられた金属製のヘッド１２とからなっている。ヘッド
１２は、その外形をなす中空の本体部１４と、この本体
部１４の上端側に設けられるとともに、使用時における
接地面を構成するソールプレート１５と、このソールプ
レート１５にスペーサ１７を介して固定される重量体１
８とを備えて構成されている。
【００１４】前記ソールプレート１５の一部には、前記
スペーサ１７及び重量体１８を収容可能な受容部として
の凹部２０が形成されている。この凹部２０は、下部領
域の外径が上部領域に対して小径となる段付の有底円筒
形状となっている。すなわち、凹部２０は、ソールプレ
ート１５から垂下する第１の周壁２３と、この第１の周
壁２３の下端に連なるフランジ状の段部２４と、この段
部２４の内方端から垂下する第２の周壁２５と、第２の
周壁２５の下端に連なる底壁２６とからなっている。こ
こで、第１の周壁２３の下端側における内周部分には、
周方向に延びる溝状の第１の係合部としてのアンダーカ
ット部２８が全周に亘って一条形成されている。
スペーサ１７及び重量体１８を収容可能な受容部として
の凹部２０が形成されている。この凹部２０は、下部領
域の外径が上部領域に対して小径となる段付の有底円筒
形状となっている。すなわち、凹部２０は、ソールプレ
ート１５から垂下する第１の周壁２３と、この第１の周
壁２３の下端に連なるフランジ状の段部２４と、この段
部２４の内方端から垂下する第２の周壁２５と、第２の
周壁２５の下端に連なる底壁２６とからなっている。こ
こで、第１の周壁２３の下端側における内周部分には、
周方向に延びる溝状の第１の係合部としてのアンダーカ
ット部２８が全周に亘って一条形成されている。
【００１５】前記スペーサ１７は、伸縮性の良好な銅等
の金属によって上下開放型の円筒形状に形成されてい
る。ここで、スペーサ１７の外径Ｄ１は、前記第１の周
壁２３の内径Ｄ２と略同一か若干小さくなっており、こ
れによって、スペーサ１７を凹部２０に難なく挿入する
ことが可能となる。また、凹部２０に挿入前のスペーサ
１７の高さＨ１は、前記第１の周壁２３の上端から下端
までの距離Ｈ２よりも高くなっている。なお、スペーサ
１７としては、その伸びが１０％以上の延性を備えた材
料が好ましく、その条件を具備した材料であれば足り
る。
の金属によって上下開放型の円筒形状に形成されてい
る。ここで、スペーサ１７の外径Ｄ１は、前記第１の周
壁２３の内径Ｄ２と略同一か若干小さくなっており、こ
れによって、スペーサ１７を凹部２０に難なく挿入する
ことが可能となる。また、凹部２０に挿入前のスペーサ
１７の高さＨ１は、前記第１の周壁２３の上端から下端
までの距離Ｈ２よりも高くなっている。なお、スペーサ
１７としては、その伸びが１０％以上の延性を備えた材
料が好ましく、その条件を具備した材料であれば足り
る。
【００１６】前記重量体１８は、前記本体部１４やソー
ルプレート１５と材質の異なる比重１０以上の金属材料
によって中実状に形成されている。この重量体１８は、
その先端すなわち下端側に形成されたテーパ部３０と、
このテーパ部３０の上端に連なる円柱部３１と、円柱部
３１の上部位置に周方向全周に亘って形成された一条の
周溝３２とからなっている。テーパ部３０の高さＨ３
は、前記底壁２６の上面から第１の周壁２３の下端まで
の距離Ｈ４と略同一となっている。このため、重量体１
８が凹部２０に完全に収容されると、テーパ部３０が第
２の周壁２５の内部位置に配置されることとなる。円柱
部３１の外径Ｄ３は、スペーサ１７の内径Ｄ４よりも大
きくなっているとともに、前記第２の周壁２５の内径Ｄ
５と略同一となっている。
ルプレート１５と材質の異なる比重１０以上の金属材料
によって中実状に形成されている。この重量体１８は、
その先端すなわち下端側に形成されたテーパ部３０と、
このテーパ部３０の上端に連なる円柱部３１と、円柱部
３１の上部位置に周方向全周に亘って形成された一条の
周溝３２とからなっている。テーパ部３０の高さＨ３
は、前記底壁２６の上面から第１の周壁２３の下端まで
の距離Ｈ４と略同一となっている。このため、重量体１
８が凹部２０に完全に収容されると、テーパ部３０が第
２の周壁２５の内部位置に配置されることとなる。円柱
部３１の外径Ｄ３は、スペーサ１７の内径Ｄ４よりも大
きくなっているとともに、前記第２の周壁２５の内径Ｄ
５と略同一となっている。
【００１７】次に、前記実施例における重量体固定方法
について図３を用いて説明する。
について図３を用いて説明する。
【００１８】先ず、鋳造、鍛造、機械加工、又は絞り成
形等によって、前記ソールプレート１５に凹部２０を形
成する。そして、凹部２０の内部にスペーサ１７を挿入
し、その下端を段部２４に着座させる。この際、前述し
たように、前記スペーサ１７の高さＨ１は第１の周壁２
３の高さＨ２より高いため、図３（Ａ）に示されるよう
に、スペーサ１７の上端側はソールプレート１５上面よ
り若干突出して押圧代を形成する。その後、スペーサ１
７の内部にヘッド１２の外側から重量体１８をテーパ部
３０側から挿入し、プレス型Ｐ１，Ｐ２によって、重量
体１８の上面側からスペーサ１７側へ圧入力を付与す
る。すると、同図（Ｂ）に示されるように、スペーサ１
７がその内径を拡開させながら伸長することで、重量体
１８の円柱部３１がスペーサ１７の内部に圧入され、重
量体１８の上端面がスペーサ１７の上端面と略同一平面
上に位置することとなる。それ以降は、プレス型Ｐ１，
Ｐ２によって、重量体１８とともにスペーサ１７にも圧
入力が付与され、同図（Ｃ）に示されるように、重量体
１８は更に下方に移動し、その下端が底壁２６に当接す
る。それとともに、スペーサ１７は、その圧縮によって
一部が変形し、その変形部分がアンダーカット部２８及
び周溝３２を逃げ代としてそれらに入り込む。この際、
前述したように、円柱部３１の外径Ｄ３は、第２の周壁
２５の内径Ｄ５と略同一になっているとともに、テーパ
部３０の高さＨ３は、第２の周壁２５の高さＨ４と略同
一になっているため、変形したスペーサ１７の一部は、
第２の周壁２５の内部領域には入り込まないこととな
る。以上によって、スペーサ１７がアンダーカット部２
８及び周溝３２に強制的に噛み合い係合され、且つ、ス
ペーサ１７と重量体１８との相対面間と、スペーサ１７
と凹部２０との相対面間とに隙間なく介装され、重量体
１８が凹部２０に強固に固定されることとなる。ここ
で、スペーサ１７と重量体１８の上端側は、ソールプレ
ート１５より若干突出することになるが、この突出部分
は、仕上工程にて切削され、図１に示されるような製品
が得られることとなる。
形等によって、前記ソールプレート１５に凹部２０を形
成する。そして、凹部２０の内部にスペーサ１７を挿入
し、その下端を段部２４に着座させる。この際、前述し
たように、前記スペーサ１７の高さＨ１は第１の周壁２
３の高さＨ２より高いため、図３（Ａ）に示されるよう
に、スペーサ１７の上端側はソールプレート１５上面よ
り若干突出して押圧代を形成する。その後、スペーサ１
７の内部にヘッド１２の外側から重量体１８をテーパ部
３０側から挿入し、プレス型Ｐ１，Ｐ２によって、重量
体１８の上面側からスペーサ１７側へ圧入力を付与す
る。すると、同図（Ｂ）に示されるように、スペーサ１
７がその内径を拡開させながら伸長することで、重量体
１８の円柱部３１がスペーサ１７の内部に圧入され、重
量体１８の上端面がスペーサ１７の上端面と略同一平面
上に位置することとなる。それ以降は、プレス型Ｐ１，
Ｐ２によって、重量体１８とともにスペーサ１７にも圧
入力が付与され、同図（Ｃ）に示されるように、重量体
１８は更に下方に移動し、その下端が底壁２６に当接す
る。それとともに、スペーサ１７は、その圧縮によって
一部が変形し、その変形部分がアンダーカット部２８及
び周溝３２を逃げ代としてそれらに入り込む。この際、
前述したように、円柱部３１の外径Ｄ３は、第２の周壁
２５の内径Ｄ５と略同一になっているとともに、テーパ
部３０の高さＨ３は、第２の周壁２５の高さＨ４と略同
一になっているため、変形したスペーサ１７の一部は、
第２の周壁２５の内部領域には入り込まないこととな
る。以上によって、スペーサ１７がアンダーカット部２
８及び周溝３２に強制的に噛み合い係合され、且つ、ス
ペーサ１７と重量体１８との相対面間と、スペーサ１７
と凹部２０との相対面間とに隙間なく介装され、重量体
１８が凹部２０に強固に固定されることとなる。ここ
で、スペーサ１７と重量体１８の上端側は、ソールプレ
ート１５より若干突出することになるが、この突出部分
は、仕上工程にて切削され、図１に示されるような製品
が得られることとなる。
【００１９】従って、このような実施例によれば、スペ
ーサ１７を凹部２０側のアンダーカット部２８及び重量
体１８側の周溝３２にそれぞれ噛み合い係合されている
ため、溶接等の手段が不要となり、重量体１８をソール
プレート１５に簡易に装着することができるとともに、
重量体１８を強固に固定することができる。これによっ
て、ゴルフクラブに要望される慣性モーメントの大きい
クラブを低コストで提供することができる他、ヘッド１
２の重心位置をその内側に移動させることも可能とな
り、ヘッド１２の低重心化を実現することもできる。
ーサ１７を凹部２０側のアンダーカット部２８及び重量
体１８側の周溝３２にそれぞれ噛み合い係合されている
ため、溶接等の手段が不要となり、重量体１８をソール
プレート１５に簡易に装着することができるとともに、
重量体１８を強固に固定することができる。これによっ
て、ゴルフクラブに要望される慣性モーメントの大きい
クラブを低コストで提供することができる他、ヘッド１
２の重心位置をその内側に移動させることも可能とな
り、ヘッド１２の低重心化を実現することもできる。
【００２０】また、第１の周壁２３と重量体１８との間
には、スペーサ１７がその変形によって隙間なく介装さ
れることとなるため、ヘッド１２の外観上の体裁を良好
にすることができるとともに、空気抵抗を低減させたヘ
ッド１２を提供することができる。
には、スペーサ１７がその変形によって隙間なく介装さ
れることとなるため、ヘッド１２の外観上の体裁を良好
にすることができるとともに、空気抵抗を低減させたヘ
ッド１２を提供することができる。
【００２１】なお、前記実施例においては、受容部を凹
部２０として有底状に形成した構成を図示説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図４
に示されるように、一方のプレス機Ｐ２の形状を変えれ
ば、本発明における受容部として、前記実施例の凹部２
０から底壁２６を取り除いた貫通穴３６をも採用するこ
とができる。
部２０として有底状に形成した構成を図示説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図４
に示されるように、一方のプレス機Ｐ２の形状を変えれ
ば、本発明における受容部として、前記実施例の凹部２
０から底壁２６を取り除いた貫通穴３６をも採用するこ
とができる。
【００２２】また、本発明におけるスペーサ１７、重量
体１８、凹部２０等の形状は、図示構成例に限定される
ものではなく、スペーサ１７を重量体１８の一部及び凹
部２０の一部に噛み合い係合させることができる限りに
おいて、種々の変更が可能である。例えば、凹部２０の
アンダーカット部２８を、第１の周壁２３の内周部分に
部分的に設けてもよいし、孔部等としてもよい。また、
重量体１８の周溝３２の代わりに、不連続な凹部等とし
てもよい。更に、スペーサ１７、重量体１８、凹部２０
の形状を角柱状等他の形状としてもよい。また、アンダ
ーカット部２８や周溝３２の条数は、一条に限られるも
のではなく、複数条としてもよい。この場合には、凹部
２０に重量体１８を一層強固に固定することが可能とな
る。
体１８、凹部２０等の形状は、図示構成例に限定される
ものではなく、スペーサ１７を重量体１８の一部及び凹
部２０の一部に噛み合い係合させることができる限りに
おいて、種々の変更が可能である。例えば、凹部２０の
アンダーカット部２８を、第１の周壁２３の内周部分に
部分的に設けてもよいし、孔部等としてもよい。また、
重量体１８の周溝３２の代わりに、不連続な凹部等とし
てもよい。更に、スペーサ１７、重量体１８、凹部２０
の形状を角柱状等他の形状としてもよい。また、アンダ
ーカット部２８や周溝３２の条数は、一条に限られるも
のではなく、複数条としてもよい。この場合には、凹部
２０に重量体１８を一層強固に固定することが可能とな
る。
【００２３】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
受容部に第１の係合部を形成する一方、重量体に第２の
係合部を形成し、スペーサを介して重量体を受容部内に
圧入したときに、スペーサが第１及び第２の係合部に強
制的に噛み合い係合したから、溶接等の固定手段が不要
となり、受容部に重量体を簡易に装着することができる
とともに、受容部に重量体を強固に固定することができ
る他、重量体と受容部との間にスペーサが隙間なく介装
されることとなって、ヘッドの外観上の体裁を良好にす
ることができる。
受容部に第１の係合部を形成する一方、重量体に第２の
係合部を形成し、スペーサを介して重量体を受容部内に
圧入したときに、スペーサが第１及び第２の係合部に強
制的に噛み合い係合したから、溶接等の固定手段が不要
となり、受容部に重量体を簡易に装着することができる
とともに、受容部に重量体を強固に固定することができ
る他、重量体と受容部との間にスペーサが隙間なく介装
されることとなって、ヘッドの外観上の体裁を良好にす
ることができる。
【００２４】また、前記第１の係合部を、前記受容部の
内周部分に形成された溝又はアンダーカットにより構成
し、前記第２の係合部を、前記重量体の外周部分に形成
された溝又は凹状部により構成したから、スペーサの第
１及び第２の係合部への噛み合い係合をより確実にする
ことができる。
内周部分に形成された溝又はアンダーカットにより構成
し、前記第２の係合部を、前記重量体の外周部分に形成
された溝又は凹状部により構成したから、スペーサの第
１及び第２の係合部への噛み合い係合をより確実にする
ことができる。
【００２５】更に、前記スペーサを、１０％以上の伸び
量となる材料により形成したから、重量体に付与する圧
入力を小さくすることができ、受容部に重量体を一層簡
易に装着可能となる他、生産設備の簡素化をも図ること
ができる。
量となる材料により形成したから、重量体に付与する圧
入力を小さくすることができ、受容部に重量体を一層簡
易に装着可能となる他、生産設備の簡素化をも図ること
ができる。
【図１】 実施例に係るゴルフクラブの部分概略断面
図。
図。
【図２】 図１の概略分解図。
【図３】 重量体を凹部に固定する方法を説明する図。
【図４】 本実施例の変形例を示す図。
１０・・・ゴルフクラブ、１２・・・ヘッド、１７・・
・スペーサ、１８・・・重量体、２０・・・凹部（受容
部）、２８・・・アンダーカット部（第１の係合部）、
３２・・・周溝（第２の係合部）、３６・・・貫通穴
（受容部）
・スペーサ、１８・・・重量体、２０・・・凹部（受容
部）、２８・・・アンダーカット部（第１の係合部）、
３２・・・周溝（第２の係合部）、３６・・・貫通穴
（受容部）
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
A63B 53/04 - 53/06
F16B 4/00
Claims (3)
- 【請求項１】 ゴルフクラブのヘッドに所定の受容部を
設けるとともに、当該受容部にスペーサを介してヘッド
の外側から重量体を固定する構造において、 前記受容部に第１の係合部を形成する一方、前記重量体
に第２の係合部を形成し、 前記スペーサを介して重量体を受容部内に圧入したとき
に、前記スペーサが変形することにより第１及び第２の
係合部に強制的に噛み合い係合し、且つ、スペーサと重
量体との相対面間と、スペーサと受容部との相対面間と
に隙間なく介装されることを特徴とするヘッド重量体の
固定構造。 - 【請求項２】 前記第１の係合部は、前記受容部の内周
部分に形成された溝又はアンダーカットにより構成さ
れ、前記第２の係合部は、前記重量体の外周部分に形成
された溝又は凹状部により構成されていることを特徴と
する請求項１記載のヘッド重量体の固定構造。 - 【請求項３】 前記スペーサは、上下開放型の円筒形状
に形成されるとともに、５℃〜３５℃（温度変化に敏感
な材料については２０℃プラスマイナス２℃）の範囲内
でＪＩＳＺ２２４１で定められた金属材料引張試験方法
を用いて測定したときの破断伸びが１０％以上となる金
属により形成されていることを特徴とする請求項１又は
２記載のヘッド重量体の固定構造。
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