JP3517888B2 - カラー電子写真画像形成装置 - Google Patents

カラー電子写真画像形成装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー電子写真画像形
成装置に係わり、特に光導電体感光体上に3色あるいは
4色トナーを付着させカラー画像を形成するカラー画像
形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光導電体感光体上に3色あるいは
4色トナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラー
電子写真画像形成装置は、図6に示すような構成になっ
ている。
【0003】回転ドラム60は、シート状の光導電体感
光体である感光紙61を巻着し、図示していない回転駆
動装置により矢印Z方向に等速回転している。帯電器6
2は、回転ドラム60上の感光紙61を帯電する。パル
ス変調回路64は、画像信号源63からの画像信号をパ
ルス変調された信号に変換する。露光装置65は、パル
ス変調された信号により従いパルス幅変調されたビーム
光を発生し、帯電された感光紙61を露光する。なお、
ビーム光は、レーザ光のような780nm近傍を主成分と
する光である。そして、感光紙61は、ビーム光により
露光されることにより、静電潜像が形成される。現像器
66y、66m、66c、66kは、図示していない現
像器移動装置によりカラー画像形成の色順に従い矢印X
に移動し、感光紙61上の静電潜像に従いトナーを付着
させ可視像化する現像をする。除電器67は、現像後の
感光紙61に残る電荷を放電させ、感光紙61を除電す
る。
【0004】以上が単色での一連動作である。カラー画
像では、前記一連動作である帯電、露光、現像、除電を
現像のトナーの色をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラ
ックの順で順次変更しながら4回繰り返す。なお、各色
のトナー像は、感光紙61上に図7に示すように感光紙
61側からイエロー・トナー付着部70y、マゼンタ・
トナー付着部70m、シアン・トナー付着部70c、ブ
ラック・トナー付着部70kの順に4色の各々のドット
の中心が重なった状態になっている。
【0005】さらに、前記カラー電子写真画像形成装置
では、感光紙61上に図8〜11に示すような光吸収特
性を持つイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック・トナ
ーを4色トナーを重ね合わせてカラー画像を形成する。
そのため、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック・ト
ナーの光吸収特性と露光ビーム光の波長とを考慮し、感
光紙61の光減衰に影響しないようにイエロー、マゼン
タ、シアン・トナーの工程を先行し、ブラック・トナー
を1番最後に感光紙61上に付着させていた。
【0006】または、感光紙61に帯電された電荷を露
光ビーム光により十分光減衰できるように、感光紙61
上に付着するブラック・トナー量を減らすことにより、
ブラック・トナーの光吸収が感光紙61の光減衰へ影響
が少なくなるようにし、感光紙61上に1番最後以外に
ブラック・トナーを付着させる装置もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光導電体感光体上に4色トナーを重ね合わせて画像を形
成するカラー電子写真画像形成装置では、ブラック・ト
ナーを1番最後に付着させるとブラック・トナーで現像
する前のイエロー、マゼンタ、シアン・トナー像の上に
不要なブラック・トナーが付着し、カラー画像での色の
彩度の低下を招いた。
【0008】また、ブラック・トナーは、光吸収特性を
示す図11から明らかなように全波長域で光を殆ど吸収
してしまう。そのため、光導電体感光体にブラック・ト
ナーが、付着しても光導電体感光体の光減衰特性上問題
にならない程度にブラック・トナーの付着量を下げる必
要があった。例えば、光導電体感光体の光減衰特性が、
図12に示すような特性であり、且つ装置の定格露光光
量が150erg/cm2の場合では、ブラック・トナーが付
着しても光減衰に影響を与えない光導電体感光体到達露
光光量は、70erg/cm2程度最小限必要とする。その
時、ブラック・トナーが、光導電体感光体に付着したブ
ラックの透過濃度は、0.33程度となる。以上のよう
に、ブラック・トナーを付着させる順番を1番最後以外
に行う場合には、ブラック・トナーの付着量を下げる必
要がありブラックの再現濃度が、著しく低下するため再
現性の良くない画像しか得ることができなかった。
【0009】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、その目的とするところは、光導
電体感光体上に第1色目として例えばブラック・トナー
を1番最初に付着させることにより、残りの色として例
えばイエロー、マゼンタ、シアン・トナー像上に不要な
第1色目のトナー(ブラック・トナーが付着すること
防ぐことにより画像の色彩度の低下を防ぎ、また第1色
目のトナー(ブラック・トナーの付着量を下げる必要
性を無くし第1色目(ブラックの再現濃度を十分確保
し再現性の良い画像を得るカラー電子写真画像形成装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のカラー電子写真画像形成装置は、帯電させた
光導電体感光体を単一波長のビーム光にて露光する露光
手段と、その露光手段を用いて前記光導電体感光体上に
静電潜像を形成し、4色のトナーを付着させて画像を形
成するものであり、さらにカラー画像の作画原点を検出
し同期信号を発生する作画原点検出手段と、その作画原
点検出手段からの同期信号に基づき、前記光導電体感光
体上に最初に付着させる第1色目のトナーのドット像
対し1/2ドットずらした位置に、残りの各色のトナー
のドット像を重ねるように形成するドットシフト手段と
を備えている。
【0011】
【作用】上記の構成を有する本発明のカラー電子写真画
像形成装置における作画原点検出手段は、カラー画像の
作画原点を検出し同期信号を発生する。ドットシフト手
段は、前記作画原点検出手段からの同期信号に基づき、
前記光導電体感光体上に最初に付着させる第1色目のト
ナーのドット像に対し1/2ドットずらした位置に、残
りの各色のトナーのドット像を重ねるように形成する。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例の図を参
照して説明する。
【0013】まず、始めに図1を用いて本発明のカラー
電子写真画像形成装置の概略構成を説明する。
【0014】本実施例のカラー電子写真画像形成装置
は、回転ドラム1と、回転ドラム1に巻着された感光紙
2と、回転ドラム1の外周に配置された帯電器3と露光
装置4と現像器5k、5c、5m、5yと除電器6と、
感光紙2へのビーム光を遮らない場所でビーム光の走査
開始点近傍に配置されたビーム検出器7と、画像信号源
8と、ドット・シフト回路9と、変調回路10とにより
構成されている。さらに、ドット・シフト回路9は、図
2に図示するように発振回路11と、分周回路12と、
シフト選択回路13と、プリセット可能な1/2分周回
路14と、ラッチ15とから構成されるものである。
【0015】次に、図1を用いて本装置の概略動作を説
明する。
【0016】回転ドラム1は、シート状の感光紙2を巻
着され、図示していない回転駆動装置により矢印A方向
に等速回転するものである。
【0017】感光紙2は、表面に光導電体を塗布したシ
ート状の光導電体感光体である。感光紙2は、図11に
示すような光減衰特性を持つものである。
【0018】帯電器3は、回転ドラム1に巻着された感
光紙2を帯電するものである。
【0019】露光装置4は、変調回路10より出力され
るパルス幅変調信号(以下PWM信号と略す)53に従
い変調されたビーム光を矢印B方向に走査し、帯電させ
られた感光紙2を露光し、静電潜像を形成するものであ
る。なお、ビーム光は、波長が780nm近傍を主成分
とする光である。
【0020】ビーム検出器7は、露光装置4より出力さ
れるビーム光の走査原点の基準となるものである。ビー
ム検出器7は、ビーム光が感光紙2上を走査露光する前
に走査露光されることにより、原点信号50を出力す
る。即ち、ビーム検出器7は、作像原点検出手段として
画像の作像原点を検出するものである。
【0021】現像器5kは、ブラック・トナーが収納さ
れており、前記静電潜像にトナーを付着させ可視像化す
るものである。同様に、現像器5cにはシアン・トナ
ー、現像器5mにはマゼンタ・トナー、現像器5yには
イエロー・トナーが各々収納されている。現像器5k、
5c、5m、5yは、図示していない現像器移動装置に
よりカラー画像形成の色順(ブラック、シアン、マゼン
タ、イエローの順)に従い矢印C方向に移動をする。イ
エロー、マゼンタ、シアン、ブラック・トナーの光吸収
特性を図8〜11に示す。
【0022】除電器6は、感光紙2上の静電潜像を現像
し可視像化した後、感光紙2に残った電荷を放電させる
ためのものである。
【0023】以上が単色での一連動作である。カラー画
像では、前記一連動作である帯電、露光、現像、除電を
現像のトナーの色をブラック、シアン、マゼンタ、イエ
ローと順次変更しながら4回繰り返しカラー画像を形成
する。
【0024】画像信号源8は、本装置にてカラー画像を
形成するための画像データ発生源であり、画像データを
出力するものである。また、画像信号源8は、カラー画
像形成時のトナーの色の選択情報であるカラー信号も出
力する。
【0025】ドット・シフト回路9は、画像信号源8か
らの画像データの内ブラック版のドット像とシアン、マ
ゼンタ、イエロー版のドット像とを感光紙2上で1/2
ドットずらすドット・シフト処理を行うものである。ド
ット・シフト回路9は、画像データに対しドット・シフ
ト処理を行った作像データとその作像データと同期した
クロック信号52を出力する。
【0026】変調回路10は、ドット・シフト回路9よ
り出力される信号である作像データとクロック信号52
とに従いPWM信号53を露光装置4へ出力するもので
ある。
【0027】本実施例の装置では、PWM信号53が
「L」の時に感光紙2にトナーが付着するものである。
【0028】さらに、図2〜図5を用いてドット・シフ
ト回路9の動作説明を詳細にすると次のようになる。
【0029】発振回路11は、周知の水晶発振回路であ
り、画像信号源8より出力される画像データのクロック
に比べ16倍周波数が高い原クロック信号を出力してい
る。
【0030】分周回路12は、発振回路11が出力する
原クロック信号を8分周するものであり、図5で示すよ
うにビーム検出器7より出力される原点信号50の立ち
上がりエッジによってリセットされるものである。この
ため、出力される倍クロック信号51は、原点信号50
に同期したものとなる。
【0031】シフト選択回路13は、図3に示すように
2−4デコーダ30と3入力OR31と2つのNAND
32、33とから構成されている。シフト選択回路13
は、入力される原点信号50と画像信号源8より入力さ
れるカラー信号によりシフト信号c、dを出力する。
【0032】詳細な動作は、次のようになる。カラー信
号a、bが、「L」、「L」となり、ブラックを指示す
ると2−4デコーダ30の出力Q1は、「H」になる。
カラー信号a、bが、「H」、「L」となり、シアンを
指示すると2−4デコーダ30の出力Q2は、「H」に
なる。カラー信号a、bが、「L」、「H」となり、マ
ゼンタを指示すると2−4デコーダ30の出力Q3は、
「H」になる。カラー信号a、bが、「H」、「H」と
なり、イエローを指示すると2−4デコーダ30の出力
Q3は、「H」になる。そして、原点信号50が「H」
になり、カラー信号がブラックを指示すると、2−4デ
コーダ30と3入力OR31と2つのNAND32、3
3とによりシフト信号cが「L」、シフト信号dが
「H」となる。また、カラー信号がシアン、マゼンタ、
イエローを指示するとシフト信号cが「H」、シフト信
号dが「L」となる。以上のようにシフト信号c、dが
生成される。
【0033】1/2分周回路14は、図4に示すように
74ALS74に代表されるD−フリップ・フロップに
より構成される。分周回路12より入力される倍クロッ
ク信号51を1/2分周するものである。また、1/2
分周回路14は、シフト選択回路13に入力される原点
信号50とカラー信号とより生成されるシフト信号cが
「L」、シフト信号dが「H」の時には、出力であるク
ロック信号52が「H」から始まり、シフト信号cが
「H」、シフト信号dが「L」の時には、出力であるク
ロック信号52が「L」から始まる。即ち、1/2分周
回路14から出力されるクロック信号52は、図5に示
すようにビーム検出器7からの原点信号50に同期した
「H」から始まるブラック用のクロック信号52hと
「L」から始まるブラック以外用のクロック信号52l
の2種類を切り替えて出力する。
【0034】ラッチ15は、画像データをクロック信号
52に同期した作像データにタイミング変更するもので
ある。
【0035】以上のように本実施例によれば、図5に示
すように感光紙2上のブラック・トナー付着部54kと
シアン・トナー付着部54c、マゼンタ・トナー付着部
54m、イエロー・トナー付着部54yとを1/2ドッ
トずらすことが可能となる。このことにより、図11に
示すような光吸収特性を持つブラック・トナーを第1色
目にし感光紙2に付着させても第2色目以降においても
露光ビーム光が感光紙2まで到達することができ、感光
紙2に帯電している電荷を十分光減衰させることが可能
である。即ち、第1色目としてブラック・トナーにする
ことにより第2色目以降のトナー像上に不要なブラック
・トナーが付着することが防げることにより、カラー画
像の色の彩度低下が防止でき、彩度の高い鮮やかな画像
を得ることができる。さらに、感光紙2上に付着させる
第1色目のブラック・トナー量を増やしても感光紙2の
光減衰特性に悪影響を与えることがないため、ブラック
の再現濃度を十分確保でき、再現性の良い画像を得るこ
とができる。
【0036】本発明は、上記実施例に限定されるもので
なく、例えば使用するトナーの種類をシアン、マゼン
タ、イエローの3色の装置で、露光するビーム光がシア
ン・トナーに光吸収されるような波長の光(例えば波長
=680nm近傍)の場合でもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のカラー電子写真画像形成装置は、作画原点検出手
段とドットシフト手段を用いることにより、光導電体感
光体上に付着する第1色目のトナーのドット像に対して
1/2ドットずらした位置に残りの色のトナーのドット
像を重ねて形成することが可能となり、第1色目のトナ
ーの付着量を増やすことが可能となる。このため、第1
色目のトナーでの再現濃度を確保することができ再現性
の良い画像を得ることができる。
【0038】さらに、第1色目のトナーに光吸収特性が
良いものを持ってきた場合には、第2色目以降のトナー
像上に不要な第1色目のトナーが付着することが防げ
る。このため、カラー画像の色の彩度低下を防ぐことが
でき再現性の良い画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー電子写真画像形成装置の概略構成を示す
図である。
【図2】カラー電子写真画像形成装置でのドット・シフ
ト回路を示す図である。
【図3】カラー電子写真画像形成装置でのドット・シフ
ト回路の一部であるシフト選択回路の構成を示す図であ
る。
【図4】カラー電子写真画像形成装置でのドット・シフ
ト回路の一部である1/2分周回路の構成を示す図であ
る。
【図5】カラー電子写真画像形成装置でのドット・シフ
ト回路のタイミングおよびそのタイミングでの感光紙上
での各色のトナーの付着部分拡大図である。
【図6】従来のカラー電子写真画像形成装置の概略構成
図である。
【図7】従来のカラー電子写真画像形成装置での光導電
体感光体上での各色のトナーの付着部分拡大図である。
【図8】イエロー・トナーの分光吸収率特性を示す図で
ある。
【図9】マゼンタ・トナーの分光吸収率特性を示す図で
ある。
【図10】シアン・トナーの分光吸収率特性を示す図で
ある。
【図11】ブラック・トナーの分光吸収率特性を示す図
である。
【図12】光導電体感光体の光減衰特性を示す図であ
る。
【符号の説明】
2 感光紙 4 露光装置 7 ビーム検出器 9 ドット・シフト回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯電させた光導電体感光体を単一波長の
    ビーム光にて露光する露光手段と、その露光手段を用い
    て前記光導電体感光体上に静電潜像を形成し、3色ある
    いは4色のトナーを付着させて画像を形成するカラー電
    子写真画像形成装置において、 カラー画像の作画原点を検出し同期信号を発生する作画
    原点検出手段と、その作画原点検出手段からの同期信号に基づき、前記
    導電体感光体上に最初に付着させる第1色目のトナーの
    ドット像に対し1/2ドットずらした位置に、残りの各
    色のトナーのドット像を重ねるように形成するドットシ
    フト手段とを具備することを特徴とするカラー電子写真
    画像形成装置。
  2. 【請求項2】 露光手段が、前記光導電体感光体を露光
    し形成される静電潜像がパルス幅変調露光で形成される
    ものと等価の露光方式であることを特徴とする請求項1
    記載のカラー電子写真画像形成装置。
  3. 【請求項3】 第1色目のトナーが、前記光導電体感光
    体を露光するビーム光を吸収する光吸収特性を持つトナ
    ーであることを特徴とする請求項1記載のカラー電子写
    真画像形成装置。
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