JP3517760B2 - 可変利得増幅器 - Google Patents
可変利得増幅器Info
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Description
には移動体無線通信機のAGC(自動利得制御)に適用
して有効な技術に関するものであって、例えばセルラー
とも呼ばれるゾーン選択方式の携帯電話機に利用して有
効な技術に関するものである。
従来の可変利得増幅器の構成例を図2に示す。
合された差動バイポーラ・トランジスタQ9,Q10
と、このトランジスタQ9,Q10の共通エミッタから
動作バイアス電流Ibを流す定電流トランジスタQ8
と、上記トランジスタQ9,Q10のコレクタと電源電
位Vccの間に直列に介在するコレクタ負荷抵抗Rc
1,Rc2とを有し、上記定電流トランジスタQ8が流
すコレクタ電流Icの大きさを、外部から与えられる任
意の制御電圧Vagcによって可変設定することにより、
出力電圧Voutと入力電圧Vinの比すなわち増幅利得G
(G=Vout/Vin)を上記制御電圧Vagcに応じて可変
設定することができるように構成されている。
〔数1〕で示される。
ン定数、Tは温度(絶対温度)を示す。
得Gはコレクタ電流Icに比例する。
を可変制御することによって変化させることができるの
で、制御電圧Vagcによって増幅利得Gを可変設定する
ことが可能であることが判る。
た従来技術には、次のような問題がある。
cは一般的に次式〔数2〕で表される。
Isは温度依存性に着目すると次式〔数3〕のように表
される。
ノーマライズ温度であり、通常室温を示す。なお、XTは
各トランジスタのフィッティングパラメータである。ま
た、Egはシリコンのエネルギーギャップ(約1.12eV)
を示す。室温時では〔数3〕から判るように、Is(T)=
Isとなる。
すると次式〔数4〕を得る。
算すると次式〔数5〕を得る。
ス・エミッタ間電圧Vbeとの関係を図示すると図3のよ
うになる(なお、図3における3本の曲線は、トランジ
スタのIc−Vbe特性を示している。)。
3における線分と各曲線との交点が動作点となる)を
想定すると、温度によってコレクタ電流Icが異なるこ
とが判る。そして、コレクタ電流Icが異なると〔数
1〕より利得gmが変化するため差動増幅回路の利得を
考えた場合、温度によって大きく利得が変化するという
問題があることが判る。
には次式〔数6〕の関係が成り立つ。
化率(傾き)が緩くなるという変動が生じ、制御電圧V
agcに対する利得可変率が変動するという問題も抱えて
いる。
易い携帯電話機等の移動体無線通信機での自動利得制御
(AGC)にも十分に対応できるよう、温度依存性に対
する補償を行って、広い利得範囲にわたって精度の安定
した円滑な利得制御を可能にする可変利得増幅器を提供
することを主な目的とする。
幅器は、動作バイアス電流によって利得が可変設定され
る増幅回路と、利得の温度特性を相殺するために上記動
作バイアス電流に対して所定の温度特性を与える補償回
路とを設けたものである。
補償回路は、外部から与えられる制御電圧に対して電圧
電流変換回路を介して電圧電流変換を行って上記動作バ
イアス電流とするとともに、前記電圧電流変換回路の入
力電圧と基準電圧に所定の温度特性を与えることによっ
て上記利得の温度特性を相殺させるように構成する。
補償回路は、外部制御電圧に応じて直線的に変化する動
作バイアス電流(バイアス回路を構成する差動バイポー
ラ・トランジスタに流れる電流)を、任意の温度係数が
与えられた抵抗(例えばgmアンプなど)によって電圧
変換して前記電圧電流変換回路の入力電圧とするととも
に、所定の温度特性を与えた電圧でバイアスされ、且
つ、バイポーラ・トランジスタのベース・エミッタ間電
圧を負帰還ループに直列に介在させたフィードバック回
路によって構成されるバイアス電圧供給回路(基準電圧
供給回路)の出力電圧を前記電圧電流変換回路の基準電
圧(電圧電流変換を行うバイポーラ・トランジスタのコ
レクタ電流を流す基準となる、そのエミッタ端子に印加
される電圧)とすることによって、上記利得の温度特性
を相殺させるようにする。
て、前記動作バイアス電流によって利得が可変設定され
る増幅回路は、無線通信機の高周波増幅部、或は中間周
波増幅部の一部または全部を成す増幅回路で構成される
ようにしても良い。
補償回路に与えられる利得制御電圧は、無線通信機の受
信電界強度に基づいて設定されるAGC電圧であるよう
に構成することもできる。
同じレベルの利得制御電圧でも増幅利得を安定させるこ
とができ、また利得制御電圧を可変した場合にも利得変
化率を一定に保つことができるため、例えば、温度変化
の影響を受け易い携帯電話機等の移動体無線通信機にお
ける自動利得制御に適用した場合にも、広い利得範囲に
わたって精度の安定した円滑な利得制御を行うことが可
能となる。
ながら説明する。なお、図において、同一符号は同一或
いは相当部分を示すものとする。
得増幅器の一実施例を示したものである。
レクタ電流Icによって利得が可変設定される差動増幅
回路、Bは上記コレクタ電流Icを指数変化させる電圧
電流変換回路、Cは電圧電流変換回路B内のバイポーラ
・トランジスタQ2に制御電圧Vcを供給するバイアス
回路である。
動バイポーラ・トランジスタQ9,Q10、このトラン
ジスタQ9,Q10の共通エミッタに流れるコレクタ電
流Icを制御するバイポーラ・トランジスタQ8、上記
トランジスタQ9,Q10のコレクタ端子と電源電位V
ccの間に直列に介在するコレクタ負荷抵抗Rc1,Rc2と
から構成される。
演算増幅器1の出力端子と反転入力端子間に接続された
バイポーラ・トランジスタQ1と、反転入力端子に接続
された抵抗R1と、バイアス電圧源2,3とによって構
成される。
ラ・トランジスタQ1は、コレクタとベースが結合され
るとともに、エミッタが演算増幅器1の出力端子に接続
され、且つ、このエミッタにはバイポーラ・トランジス
タQ2のエミッタが結合されている。
ースにバイアス回路Cからの制御電圧Vcを受けてその
ベース・エミッタ間電圧(Vbe2)とコレクタ電流Ic'
の間に現れる指数関係を利用した指数変換素子として働
く。
ジスタQ1と、抵抗R1は、フィードバック回路を形成
する。
トランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧(Vbe1)
を負帰還ループに直列に介在させることにより、対数変
換回路を形成する。この対数変換回路は、バイアス電圧
源2,3によって生成されるバイアス電圧V1,V2の
差(V1−V2)を増幅および対数変換して出力する役
目を果たす。
トランジスタQ2は、そのベース端子にバイアス回路C
から制御電圧Vcが与えられるとともに、そのエミッタ
端子に上記演算増幅器1の出力電圧Voが与えられる。
これによってバイポーラ・トランジスタQ2は制御電圧
Vcと出力電圧Voに応じたコレクタ電流Ic'が流れ、
バイポーラ・トランジスタQ2と直列に接続されたバイ
ポーラ・トランジスタQ5にも同一のコレクタ電流I
c'が流れる。
Q6は、カレントミラー回路を構成し、Q6と直列接続
されたnpn型バイポーラ・トランジスタQ7は、上記
差動増幅回路Aの電流源トランジスタQ8とカレントミ
ラー回路を構成している。
・トランジスタQ8には、電圧電流変換回路Bのバイポ
ーラ・トランジスタQ2に流れるコレクタ電流Ic'と同
一のコレクタ電流Icが流れる。
R4を介して定電流源I0に接続された差動トランジス
タQ3,Q4と、Q3のコレクタに抵抗R2を介して接
続された電圧源V3とから構成されており、バイポーラ
・トランジスタQ4のベースに供給される可変制御電圧
Vagcが変化されると、バイポーラ・トランジスタQ3
とQ4の電流比が変化し、抵抗R2に流れる電流が変わ
り、Q2のベースに印加される電圧Vcが変化して、コ
レクタ電流Ic'が変化するようになっている。
は、電圧電流変換回路Bで温度補償を行うことによっ
て、温度に対してトランジスタQ8の利得gmを一定に
保つという課題の解決を図っている。
作用について説明する。
エミッタ電位は V2−Vbe1 であり、温度変化による
Vbe1の変化に応じて変化する。従って、そのベース端
子に供給される制御電圧Vcが温度に無関係で一定であ
ったとしても、エミッタ電位が温度に応じて変化するた
め、トランジスタQ2のコレクタ電流Ic’は一定とな
る(図3の線分参照)。
固定した場合には、ベースに一定電圧を加えた時のコレ
クタ電流の温度依存性は図3の線分上を移動すること
となるが、エミッタ電位をV2−Vbe1で設定する場合に
は、ベースが一定電圧のとき、Vbe1の負の温度特性か
らトランジスタQ2のVbeが変化し、図3の線分で示
すようにコレクタ電流Ic’は一定となる。
曲線との交点)ではコレクタ電流Icが一定であっても
利得gmは異なるので、これを補償するために電圧源V2
に温度依存性を与える必要がある。
の温度特性をバイアス電源V2に与えている。これによ
って、トランジスタQ2のベース・エミッタ間電位Vbe
2は、高温ではより深くバイアスされ、低温ではより浅
くバイアスされる。従って、図3に示すの動作点(線
分と温度曲線との交点)となり、温度に拘らず利得g
mは一定となる。
温度によって変化するため、利得対制御電圧特性の傾き
が温度によって変化してしまう。
変化率が温度によって変動しないようにするために、本
実施例では、図1のバイアス回路Cの抵抗R2に換え
て、図4に示すgmアンプを用いることによって温度依
存性(約3600ppm)を与えている。
が、トランジスタQ22のベースと、トランジスタQ2
9とQ31のコレクタとを両端として、図4のgmアン
プに置き換えられる。
電位Vcの外部利得制御電圧Vagcに対する変化率は、
高温では大きく、低温では小さいという特性になる。
キャンセルすることができ、利得制御電圧Vagcを可変
した際、図3に示すように動作点が移動する(図3の
鎖線参照)。
80dB以上の広い利得範囲にわたって、温度依存性の
ない安定した利得制御が可能となる。
しては、図4に示すようなgmアンプ4を用いる。
コレクタが電源電位Vccに接続されたトランジスタQ2
0,Q21と、このトランジスタQ20,Q21のエミ
ッタにコレクタが結合され、そのエミッタが抵抗RE,
REを介して共通の定電流源I1に接続されたトランジ
スタQ22,Q23と、ベースがトランジスタQ22,
Q23のコレクタに接続された差動トランジスタQ2
4,Q25と、その共通エミッタに接続された定電流源
I2と、Q24,Q25のコレクタに接続されたpnp
型のトランジスタQ26,Q27と、Q26、Q27と
ベースを共通接続されたpnp型のトランジスタQ2
8,Q29と、Q28,Q29のコレクタに接続された
npn型のトランジスタQ30,Q31とから構成され
ている。
(インピーダンス)Routは、次式〔数7〕で示され
る。
抗であり、re2はQ24,Q25のエミッタ抵抗であ
り、それぞれの利得gm1,gm2とは、re1=1/gm1,
re2=1/gm2の関係にある。
ように、抵抗REおよびトランジスタQ20,Q21を
選定して、定電流源I1またはI2の温度係数を変えるこ
とによって、出力端子から見た抵抗Routの温度係数を
任意に設定することができる。
動作バイアス電流によって利得が可変設定される増幅回
路と、利得の温度特性を相殺するために上記動作バイア
ス電流に対して所定の温度特性を与える補償回路とを設
けたので80dB以上の広い利得範囲にわたって温度の影
響を受けることなく精度の安定した円滑な利得制御を行
うことが可能となるという優れた効果が得られる。
器を携帯電話機等の移動体無線通信機における自動利得
制御(AGC)に適用する場合には、外気等の温度変化
の影響を受け易いこれらの移動体無線通信機においても
常に精度の安定した利得制御を行うことが可能となる。
施例にもとづき具体的に説明したが、本発明は上記実施
例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
機の高周波増幅部と中間周波増幅部の少なくともいずれ
か一方だけに設けるようにしても良い。
係る可変利得増幅器をその発明の背景となった利用分野
である無線通信機のAGC(自動利得制御)に適用する
場合について述べたが、これに限定されるものではな
く、たとえばオーディオ再生装置等の音量制御などにも
適用できる。
等の受信電界強度に基づいて設定されるように構成した
場合には、温度に対する利得の補償とともに、受信電界
強度に合わせた利得の補償を同時に行うことができるよ
うになる。
表的なものの効果を簡単に説明すれば、下記の通りであ
る。
よらず、同じレベルの利得制御電圧でも増幅利得を安定
させることができ、また利得制御電圧を可変した場合に
も利得変化率を一定に保つことができるため、温度変化
の影響を受け易い携帯電話機等の移動体無線通信機にお
ける自動利得制御に適用した場合にも、広い利得範囲に
わたって精度の安定した円滑な利得制御を行うことが可
能となるという優れた効果が得られる。
実施例を示す回路図である。
ある。
ス電流と動作電流の関係を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 差動バイポーラ・トランジスタと、該差
動バイポーラ・トランジスタのコレクタに接続され、且
つ、任意の温度係数が与えられた抵抗とを含んで成り、
前記差動バイポーラ・トランジスタに流れる電流である
動作バイアス電流を生成するバイアス回路と、 前記バイアス回路が生成した前記 動作バイアス電流によ
って利得が可変設定される増幅回路と、前記 利得の温度特性を相殺するために前記動作バイアス
電流に対して所定の温度特性を与える補償回路として動
作する電圧電流変換回路とを備え、前記バイアス回路は、 外部制御電圧に応じて直線的に変
化する前記動作バイアス電流を、前記抵抗によって電流
電圧変換して前記電圧電流変換回路の入力電圧とし、前記電圧電流変換回路は、第1のバイポーラ・トランジ
スタと、前記抵抗によって生成された前記入力電圧を電
流に変換して前記増幅回路に供給する第2のバイポーラ
・トランジスタとを含んで成り、 所定の温度特性を与え
た電圧でバイアスされ、且つ、前記第1のバイポーラ・
トランジスタのベース・エミッタ間電圧を負帰還ループ
に直列に介在させたフィードバック回路によって構成さ
れ基準電圧供給回路として動作するバイアス電圧供給回
路の出力電圧を、前記第2のバイポーラ・トランジスタ
のコレクタ電流を流す基準となる電圧である基準電圧と
して前記第2のバイポーラ・トランジスタのエミッタ端
子に印加することによって、前記利得の温度特性を相殺
させるようにしたことを特徴とする可変利得増幅器。 - 【請求項2】 前記動作バイアス電流によって利得が可
変設定される増幅回路は、無線通信機の高周波増幅部、
或は中間周波増幅部の一部または全部を成す増幅回路で
あることを特徴とする請求項1に記載の可変利得増幅
器。 - 【請求項3】 前記補償回路に与えられる利得制御電圧
は、無線通信機の受信電界強度に基づいて設定されるA
GC電圧であることを特徴とする請求項1または請求項
2に記載の可変利得増幅器。 - 【請求項4】 第1電流により利得を可変とする第1差
動バイポーラ・トランジスタを具備する差動増幅回路
と、 第1バイポーラ・トランジスタより構成される対数変換
回路と、 第1電圧によりベースが制御され、前記対数変換回路の
出力とエミッタが接続された第2バイポーラ・トランジ
スタと、 バイアス回路を構成する第2差動バイポーラ・トランジ
スタのベースに印加される第2電圧により制御される電
流である第2電流を電圧に変換して前記第1電圧を発生
させ、且つ、任意の温度係数が与えられた抵抗とを有
し、前記 第1差動バイポーラ・トランジスタの共通エミッタ
に接続された電流源を構成する第3バイポーラ・トラン
ジスタのベースが前記第2バイポーラ・トランジスタに
より制御されることにより、前記第3バイポーラ・トラ
ンジスタのコレクタ電流である前記第1電流が制御され
ることを特徴とする可変利得増幅器。 - 【請求項5】 前記抵抗の温度変化により、前記第3バ
イポーラ・トランジスタのコレクタ電流の温度依存性が
相殺されることを特徴とする請求項4に記載の可変利得
増幅器。 - 【請求項6】 前記任意の温度係数が与えられた抵抗
は、gmアンプであることを特徴とする請求項1乃至5
のいずれか1項に記載の可変利得増幅器。
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JP10659395A JP3517760B2 (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 可変利得増幅器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10659395A JP3517760B2 (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 可変利得増幅器 |
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JPH08307172A JPH08307172A (ja) | 1996-11-22 |
JP3517760B2 true JP3517760B2 (ja) | 2004-04-12 |
Family
ID=14437478
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10659395A Expired - Fee Related JP3517760B2 (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 可変利得増幅器 |
Country Status (1)
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JP3185741B2 (ja) | 1998-02-24 | 2001-07-11 | 日本電気株式会社 | 無線選択呼出受信機 |
JP4672320B2 (ja) * | 2004-09-24 | 2011-04-20 | 三菱電機株式会社 | 高周波増幅装置 |
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JP6101581B2 (ja) * | 2013-06-28 | 2017-03-22 | 株式会社日立製作所 | バイアス回路 |
-
1995
- 1995-04-28 JP JP10659395A patent/JP3517760B2/ja not_active Expired - Fee Related
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