JP3516136B2 - 溶融炉 - Google Patents

溶融炉

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JP3516136B2
JP3516136B2 JP33570499A JP33570499A JP3516136B2 JP 3516136 B2 JP3516136 B2 JP 3516136B2 JP 33570499 A JP33570499 A JP 33570499A JP 33570499 A JP33570499 A JP 33570499A JP 3516136 B2 JP3516136 B2 JP 3516136B2
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slag
discharge port
melting furnace
slag discharge
combustion chamber
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輝幸 岡崎
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隆平 川部
利昭 荒戸
壽昭 池内
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融炉に係り、特
に、都市ごみや下水汚泥等を熱分解して得られた固体物
質または石炭などの可燃性固体物質からなる燃料粒子を
燃焼させる際に出る灰分をスラグ化して回収する溶融炉
のスラグ排出構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ごみの増加や石炭燃料の使用量の増加に
伴って、焼却灰の埋め立て処分場の容量がひっ迫してい
る。そのため、灰分を溶融して減容化する設備の開発が
進められている。例えば、ごみを熱分解装置に投入して
還元雰囲気で加熱し、熱分解ガスと固体残渣とを生成
し、固体残渣から不燃物を取り除いた燃料粒子を溶融炉
に投入し、灰分を溶融させ、スラグとして回収するガス
化溶融システムがある。また、石炭を溶融し、石炭中の
灰分をスラグとして回収する石炭ガス化システムがあ
る。
【0003】これらのシステムにおいて、溶融炉には、
燃料粒子や空気を旋回させて燃焼する方式のものが多
い。例えば、特開平10−332130号公報に記載の溶融炉
は、廃棄物から得られ微紛化された燃料を炉上部に投入
し、炉内が旋回流となるように燃焼用空気を炉側壁に投
入し、燃焼室で燃焼させる。スラグは、旋回流により生
じた遠心力で内壁に付着し、内壁に沿い流下し、排出さ
れる。
【0004】また、特開平5−296434号公報および特開
平9−87639号公報に記載の溶融炉は、バーナから石炭と
空気および酸素の混合気とを投入し、旋回燃焼火炎を形
成しながら燃焼させ、燃焼過程で溶融した灰分を遠心力
で炉壁に集め、スラグ層を形成する。その後、スラグを
炉底部に流下させ、スラグ排出孔から排出して回収す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平10−332130号公
報に記載の溶融炉では、スラグ排出口が燃焼室から遠い
ため、燃焼室からスラグ排出口までの構造物やスラグを
加熱する余分な熱が必要となる。また、高温の燃焼室か
らスラグ排出口への輻射熱による伝熱量が少ないため、
スラグ排出口はガスからの対流伝熱で主に加熱しなけれ
ばならず、ガス量が少なくなったり、ガス温度が低下す
ると、すぐにスラグが固化する可能性がある。スラグが
固化すると、スラグ排出口が閉塞し、溶融炉を安定に運
転できなくなる。
【0006】特開平5−296434号公報に記載の溶融炉で
は、スラグ排出口が円形であり、燃焼室内の旋回流はス
ラグ排出口を通るガスにも旋回力を与える。このガスの
旋回流により、スラグがスラグ排出口下部で吹きちぎら
れ、スラグ回収室の内壁面に付着して堆積し、スラグ排
出口を閉塞する可能性がある。
【0007】特開平9−87639号公報に記載の溶融炉で
は、燃焼炉内よりも温度が低いスラグ回収室が燃焼炉と
同程度の大きさの径を持つので、輻射伝熱によりスラグ
排出口の温度を低下させてしまうことが考えられる。ス
ラグ排出口の温度が低下すると、スラグが融点以下にな
って固化するので、スラグ回収室からの放熱を抑制しな
ければならない。
【0008】そこで、断熱材の厚みを増して放熱量を減
らす方法が採用されるが、余分の材料が必要となり、経
済的でない。
【0009】本発明の目的は、燃焼室内の旋回流がスラ
グ排出口を通るガス流に旋回力を与えることを抑え、ス
ラグ回収室の内壁面にスラグを付着させないようにしな
がら、スラグ排出口の温度低下を防ぎ、スラグを安定に
排出する構造の溶融炉を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、旋回流を形成するように投入した燃焼用
空気により可燃性の固体物質を燃焼させその燃焼熱で灰
分を溶融しスラグ化させる円筒形の燃焼室と、燃焼室か
らスラグを排出するスラグ排出口と、排出されたスラグ
を冷却し回収するスラグ回収室とを有する溶融炉におい
て、スラグ回収室の水平断面が矩形であり、スラグ排出
口が細長い孔になっており、前記孔の長軸方向がスラグ
回収室の矩形の長軸と同方向であり、スラグ排出口の孔
の中心がスラグ回収室の矩形の中心軸上にあり、スラグ
排出口が、長軸方向の端から滴下したスラグがスラグ回
収室の側壁に到達しない長さの細長い孔である溶融炉を
提案する。
【0011】本発明におけるスラグ排出口は、細長い孔
であり、その孔の長径方向がスラグ回収室の矩形の長軸
方向を向いている。また、孔の中心は、スラグ回収室の
矩形の中心軸上にある。
【0012】本発明においては、燃焼室とスラグ排出口
とスラグ回収室が同一軸上にあるため、高温の燃焼室か
らの輻射熱でスラグ排出口とスラグ回収室とを加熱でき
る。また、スラグがスラグ排出口下部で吹きちぎれて飛
行しても、スラグ回収室が長軸方向に十分に長いので、
スラグ回収室の内壁面にスラグが付着して堆積すること
を抑制できる。さらに、スラグが飛行しない短軸方向の
側壁を長軸により近づかせてコンパクトなスラグ回収室
を形成し全体としての放熱を削減できる。
【0013】前記スラグ排出口の細長い孔は、より具体
的には、菱形,矩形,矩形と円との組み合わせ,楕円形
のいずれかとする。
【0014】スラグ排出口の水平断面形状が例えば矩形
である場合、円形と比べて、スラグ排出口内を循環する
ガスの旋回力が弱まり、スラグ排出口下部でスラグが吹
きちぎれ、スラグ回収室の内壁面にスラグが付着して堆
積することを防止できる。また、スラグ回収室の水平断
面が円形であると、円径をスラグ排出口の長軸の長さ以
下にはできないが、矩形断面では、円形断面よりも断面
積を小さくできる。断面積が小さいとスラグ回収室から
放熱する面積も狭くなり、断熱性が向上する。その結
果、スラグ排出口の温度が低下することを抑制できる。
【0015】前記スラグ排出口の上部には、円錐台の堰
を設け、スラグ排出口の両端の位置で円錐台の堰を切り
欠くことができる。
【0016】円錐台の堰を設けると、燃焼室内でスラグ
が上昇するガスに巻き上げられることを防止できる。ま
た、スラグ排出口の両端の位置で円錐台の堰を切り欠く
と、スラグをスラグ排出口の長軸方向の両端に流れるよ
うにガイドできる。
【0017】前記円錐台の堰のスラグ排出口側の側壁を
燃焼室側に向けて広がるように傾斜させてもよい。
【0018】このようにすると、スラグ排出口への輻射
伝熱による熱量が増加し、スラグの固化を防ぐことがよ
り容易になる。
【0019】上記いずれの場合も、前記スラグ排出口の
長軸方向の両端部を下方から加熱するバーナを設ける
と、スラグが固化しないようにスラグ排出口を加熱し、
閉塞を防止できる。
【0020】また、燃焼室に酸素を吹き込む酸素ノズル
を設ければ、万一、スラグ排出口にスラグが固化し付着
しても、酸素を富化して燃焼ガスの温度を上昇させ、固
化したスラグを溶融し除去できる。
【0021】さらに、燃焼室に灰分を投入する灰分投入
ノズルを設けると、スラグの量が少なくなり、スラグが
スラグ排出口から排出されにくくなった時でも、灰分量
を増やし、排出しやすくできる。なお、飛灰なども合わ
せて処理できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
【0023】
【実施形態1】図1は、本発明による溶融炉の実施形態
1の概略構造を示す斜視図である。燃焼室1には、燃料
粒子7を空気で搬送して供給する燃料ノズル2と、空気
を供給するノズル3とが、燃焼室1内で旋回流を形成す
る方向に設置されている。燃料粒子7は、燃焼室1内が
予熱されていれば、まず揮発分を放出する。揮発分はす
ぐに燃焼する。その後、燃料粒子7は、遠心力の影響で
壁面付近を降下し、炉底のスラグ排出口5の上部付近で
旋回しながら滞留する。この燃料粒子7が燃焼すると、
その燃焼熱により灰分が溶融する。溶融した灰分は、ス
ラグ8となって燃焼室1の側壁面から炉底面に沿って流
れ、スラグ排出口5から排出される。スラグ排出口5の
下には、水槽9を持つスラグ回収室6があり、滴下した
スラグ8が急冷され、回収される。このような溶融炉
は、例えば、廃棄物ガス化溶融システムに設置される。
【0024】図2は、廃棄物ガス化溶融システムの構成
の一例を示す系統図である。破砕した都市ごみ10は、
水分を除去するために、乾燥炉11で乾燥する。乾燥し
たごみを熱分解装置12に投入し、還元雰囲気で加熱し
て熱分解した後、熱分解残さ13と熱分解ガス14とに
分離する。ここでは、乾燥炉11を使用するシステムに
ついて説明しているが、乾燥炉は省略してもよい。熱分
解残さ13は粉砕し、金属などを取り除いた後、燃料粒
子7として燃焼室1に投入して燃焼する。燃料粒子7に
含まれる不燃物や灰分は、燃焼室1で溶融し、スラグ化
する。スラグ8は冷却後、スラグ回収装置15で回収す
る。
【0025】燃焼室1では、空気ノズル3から空気を旋
回方向に投入し、炉内に旋回流を形成し、燃料ノズル2
から供給された燃料粒子7を燃焼する。一方、可燃性の
ガスである熱分解ガス14は、空気を混ぜて燃焼器16
で燃焼する。熱分解ガス14の燃焼排ガスは、送風装置
17により燃焼室1に送る。燃焼室1で生成した燃焼ガ
スは、廃熱回収ボイラ18で熱交換した後に、脱塵装置
19で脱塵し、煙突20から大気に排出される。廃熱回
収ボイラ18で得られた蒸気は、蒸気タービン21に送
られ、発電機22で電気エネルギーに変換される。
【0026】図3は、実施形態1の溶融炉の燃焼室1内
における圧力分布の一例を示す図である。ここで、Pは
圧力を表し、rは中心からの距離を表している。この場
合の圧力Pは、炉の外周部で高く、中心部で低くなる。
【0027】図4は、燃焼ガスが流れる方向を示す図で
ある。図3のような圧力分布であるから、燃焼ガスは、
図4に示す流線のように、外側から内側に循環する流れ
23を形成し、その一部がスラグ排出口5内およびスラ
グ回収室6まで到達する。スラグ排出口5まで到達した
燃焼ガスは、反転し、スラグ排出口5の中央部を上昇
し、燃焼ガス排出口4を通って排出される。
【0028】燃焼室1の側壁に沿って降下したスラグ8
は、燃焼ガスの流れに従って、燃焼室1の中心方向へ向
い、スラグ排出口5の両端からスラグ回収室6に排出さ
れる。スラグ排出口5下部で、燃焼ガスの旋回速度が大
きいと、スラグ8がちぎれて水平方向へ飛散し、スラグ
回収室6の内壁面に付着する可能性があるので、旋回速
度成分を小さくする必要がある。
【0029】実施形態1のスラグ排出口5の水平断面形
状は菱形であるため、従来の円形形状よりも燃焼ガスが
旋回しにくく、スラグ排出口5内では、旋回速度成分を
失う。したがって、スラグ8の水平方向への飛散が少な
くなり、スラグ回収室6の内壁面へのスラグ8の付着が
抑制される。
【0030】図5は、スラグ排出口5の水平断面形状の
他の例を示す図である。実施形態1では、スラグ排出口
5の水平断面形状を菱形としたが、図5(a)に示すよう
に、矩形のスラグ排出口5でも、同様の効果が得られ
る。
【0031】燃焼室1の底部にあるスラグ8は、スラグ
排出口5からの上昇する流れとともに飛散する可能性が
あるが、スラグ排出口5の水平断面形状を図1に示した
菱形や図5(b)に示す矩形と円との組み合わせにする
と、スラグ回収室内で反転して上昇するガス流が、スラ
グ排出口5の中心部を通り、ほとんどがスラグ排出口5
の長軸方向の端部を流れ落ちるスラグ8を巻き上げない
ので、スラグ8の上方への飛散を抑制できる。燃焼ガス
がスラグ排出口5の両端から下降する面積に比べて、中
央部を上昇する面積の方が大きいため、両端から下降す
るガスの速度に比べて、中央部を上昇するガスの速度が
遅くなるからである。
【0032】図6は、スラグ排出口5下部で吹きちぎれ
たスラグ8の飛散の挙動を常温環境で求めた模擬実験の
結果を示す図である。模擬スラグ24は、実際のスラグ
8とほぼ同じ粘度を持っており、スラグ回収室6の水平
断面は、従来通りの円形である。模擬スラグ24は、ス
ラグ排出口5の長軸の片方の端からのみ流れさせた。こ
の実験で、スラグ回収室6の側壁における模擬スラグ2
4の付着量が多かった場所は、スラグ排出口5の長軸方
向であった。スラグ排出口5の端からスラグ回収室6ま
での距離が短いことが要因と推定される。
【0033】そこで、本実施形態1では、スラグ回収室
6の水平断面形状を菱形,矩形,矩形と円との組み合わ
せ,(図6のように変形した)楕円形のいずれかとし、ス
ラグ排出口5の長軸方向とスラグ回収室6の長軸方向と
を一致させ、しかも、スラグ回収室6の長軸方向の長さ
をスラグ8が付着しない長さとしてある。このようにす
ると、スラグ排出口5下部でスラグ8が吹きちぎれて飛
行しても、長軸方向が長いので、スラグ回収室6の内壁
面にスラグ8が付着して堆積することを抑制できる。一
方、スラグ排出口5の形状がガスの旋回流を弱めるの
で、スラグ回収室6の短軸方向では、飛散スラグ8が届
かない位置は短くなる。その結果、スラグ回収室6の水
平断面積を狭くできる。断面積が小さいと、スラグ回収
室6から放熱する面積も狭くなり、断熱性が向上する。
したがって、スラグ排出口5の温度低下を抑制できる。
【0034】
【実施形態2】図7は、スラグ排出口5の上部に円錐台
の堰25を設けた実施形態2を示す斜視図である。円錐
台の堰25は、スラグ8が排出されるスラグ排出口5の
両端の位置で切り欠かれている。燃焼室1の底部におい
てスラグ8は、炉内の圧力分布により中央部に集まる傾
向にある。スラグ8は、円錐台の堰25を高くすると、
乗り越えられなくなる。円錐台の堰25の高さは、円錐
台の堰25の位置における燃焼ガスの圧力差によってス
ラグ8に与えられるエネルギーが、円錐台の堰25の高
さが持つ位置のポテンシャルエネルギーよりも小さいよ
うに設計することが望ましい。円錐台の堰25を超えら
れないスラグ8は、円錐台の堰25の周囲を迂回し、切
り欠かれたスラグ排出口5の両端の位置から滴下する。
円錐台の堰25の切り欠かれた位置は、燃焼ガスが下降
流の領域であるため、スラグ8が上方に飛散することは
ない。また、堰は円錐台なので旋回方向では燃焼ガスの
流れを乱すことが無く、炉内の燃焼状態に影響を与えな
い構造である。
【0035】図8は、円錐台の堰25の内側におけるス
ラグ排出口5の側壁を燃焼室1側に向けて広がるように
傾斜させた変形例を示す図である。このようにすると、
スラグ排出口5への輻射伝熱による熱量が増加し、スラ
グ8の固化を防ぐことがより容易になる。
【0036】図7または図8の実施形態2において、ス
ラグ排出口5の水平断面形状は、図1の形状に限らず、
図5に示した形状などの種々の細長い形状を採用でき
る。
【0037】
【実施形態3】図9は、スラグ排出口5の長軸方向の両
端部をスラグ排出口5の下部から加熱するバーナ26を
設けた実施形態3を示す斜視図である。スラグ排出口5
内を下降するスラグ8は、スラグ回収室6の温度が低い
場合、または、燃焼室1内の温度が低くなった場合に、
固化するおそれがある。そのような場合には、バーナ2
6により、固化スラグ8を溶融温度以上に加熱すると、
スラグ排出口5の閉塞を防止できる。なお、既に述べた
ように、スラグ8はスラグ排出口5の両端から排出され
るので、スラグ排出口5の両端部を局所的に加熱するほ
うが熱的,経済的に効率が良い。
【0038】
【実施形態4】図10は、燃焼室1に酸素を吹き込む酸
素ノズル27を設けた実施形態4を示す斜視図である。
スラグ排出口5が固化したスラグ8で閉塞した場合、燃
焼室1内の温度を上昇させ、閉塞したスラグ排出口5へ
の受熱量を増加して、固化したスラグ8を溶融させる。
本実施形態4では、酸素ノズル27を旋回方向に取り付
けているが、燃焼室1の中心方向やスラグ排出口5に向
けて取り付けてもよい。
【0039】
【実施形態5】図11は、燃焼室1に灰分を投入する灰
分投入ノズル28を設けた実施形態5を示す斜視図であ
る。燃料粒子7の組成によっては灰分が少なくなると、
滴下するスラグ8の量が少なくなり、スラグ排出口5で
固まりやすくなる。燃料粒子7の灰分が少なくなったと
きは、スラグ8の量を補うため、外部から灰分を別系統
で供給してやればよい。そこで、燃焼室1から排出され
た飛灰29を集塵器19で集塵し、灰分投入ノズル28
から燃焼室1内に再度送ったり、微粉炭ボイラ30など
から排出される石炭の灰分を灰分投入ノズル28から燃
焼室1内に送り溶融処理すると、スラグ8の量が増え、
スラグ排出口5の閉塞を防止できる。
【0040】なお、ここでは、図1の実施形態1をベー
スとして、図9,図10,図11の各実施形態を説明し
たが、図9,図10,図11の実施形態3,4,5は、
図7の実施形態2をベースとしてもよいし、実施形態
3,4,5の少なくとも2つを組み合わせることもでき
る。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、旋回流を形成するよう
に投入した燃焼用空気により可燃性の固体物質を燃焼さ
せその燃焼熱で灰分を溶融しスラグ化させる円筒形の燃
焼室と、燃焼室からスラグを排出するスラグ排出口と、
排出されたスラグを冷却し回収するスラグ回収室とを有
する溶融炉において、スラグ回収室の水平断面が、矩形
であり、スラグ排出口が、スラグ回収室の矩形の長軸と
同方向かつ同中心で、長軸方向の端から滴下したスラグ
がスラグ回収室の側壁に到達しない長さの細長い孔であ
る溶融炉が得られるので、燃焼室内の旋回流がスラグ排
出口を通るガス流に旋回力を与えることを抑えて、スラ
グ回収室の内壁面にスラグを付着させず、スラグ排出口
の温度低下により溶融スラグが固化し閉塞することを防
ぎ、溶融スラグを安定に排出し連続運転できる。
【0042】また、スラグ排出口の上部には、円錐台の
堰を設けると、燃焼室内でスラグが上昇するガスに巻き
上げられることを防止できる。さらに、スラグをスラグ
排出口の長軸方向の両端に流れるようにガイドできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による溶融炉の実施形態1の概略構造を
示す斜視図である。
【図2】廃棄物ガス化溶融システムの構成の一例を示す
系統図である
【図3】実施形態1の溶融炉の燃焼室1内における圧力
分布の一例を示す図である。
【図4】燃焼ガスが流れる方向を示す図である。
【図5】スラグ排出口5の水平断面形状の他の例を示す
図である。
【図6】スラグ排出口5下部で吹きちぎれたスラグ8の
飛散の挙動を常温環境で求めた模擬実験の結果を示す図
である。
【図7】スラグ排出口5の上部に円錐台の堰25を設け
た実施形態2を示す斜視図である。
【図8】円錐台の堰25の内側におけるスラグ排出口5
の側壁を燃焼室1側に向けて広がるように傾斜させた変
形例を示す図である。
【図9】スラグ排出口5の長軸方向の両端部をスラグ排
出口5の下部から加熱するバーナ26を設けた実施形態
3を示す斜視図である。
【図10】燃焼室1に酸素を吹き込む酸素ノズル27を
設けた実施形態4を示す斜視図である。
【図11】燃焼室1に灰分を投入する灰分投入ノズル2
8を設けた実施形態5を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 燃焼室 2 燃料ノズル 3 空気ノズル 4 燃焼ガス出口 5 スラグ排出口 6 スラグ回収室 7 燃料粒子 8 溶融スラグ 9 水槽 19 集塵装置 25 円錐台の堰 26 バーナ 27 酸素ノズル 28 灰分投入ノズル 29 飛灰 30 微粉炭ボイラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川部 隆平 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社 日立製作所 電力・電機開発 研究所内 (72)発明者 荒戸 利昭 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社 日立製作所 電力・電機開発 研究所内 (72)発明者 池内 壽昭 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社 日立製作所内 (56)参考文献 特開 平8−143877(JP,A) 特開 平10−332130(JP,A) 特開 平11−304119(JP,A) 特開 平9−87639(JP,A) 特開 平11−257627(JP,A) 実開 平2−100028(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23J 1/00 B09B 3/00 301 F23G 5/00 115 F23G 5/32 ZAB F23J 1/08 F27D 3/15

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 旋回流を形成するように投入した燃焼用
    空気により可燃性の固体物質を燃焼させその燃焼熱で灰
    分を溶融しスラグ化させる円筒形の燃焼室と、燃焼室か
    らスラグを排出するスラグ排出口と、排出されたスラグ
    を冷却し回収するスラグ回収室とを有する溶融炉におい
    て、 前記スラグ回収室の水平断面が矩形であり、前記スラグ
    排出口が細長い孔になっており、前記孔の長軸方向が前
    記スラグ回収室の矩形の長軸と同方向であり、前記スラ
    グ排出口の孔の中心が前記スラグ回収室の矩形の中心軸
    上にあり、前記スラグ排出口が、前記長軸方向の端から
    滴下したスラグが前記スラグ回収室の側壁に到達しない
    長さの細長い孔であることを特徴とする溶融炉。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の溶融炉において、 前記スラグ排出口の細長い孔が、菱形,矩形,矩形と円
    との組み合わせ,楕円形のいずれかであることを特徴と
    する溶融炉。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の溶融炉
    において、 前記スラグ排出口の上部に円錐台の堰を設け、前記スラ
    グ排出口の両端の位置で前記円錐台の堰を切り欠いた
    とを特徴とする溶融炉。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の溶融炉において、前記円錐台の堰の 前記スラグ排出口側の側壁を前記燃焼
    室側に向けて広がるように傾斜させたことを特徴とする
    溶融炉。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか一項
    に記載の溶融炉において、 前記スラグ排出口の長軸方向の両端部を下方から加熱す
    るバーナを設けたことを特徴とする溶融炉。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか一項
    に記載の溶融炉において、 前記燃焼室に酸素を吹き込む酸素ノズルを設けたことを
    特徴とする溶融炉。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか一項
    に記載の溶融炉において、 前記燃焼室に灰分を投入する灰分投入ノズルを設けたこ
    とを特徴とする溶融炉。
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