JP3515999B2 - 測距式光電センサ - Google Patents

測距式光電センサ

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JP3515999B2
JP3515999B2 JP02568894A JP2568894A JP3515999B2 JP 3515999 B2 JP3515999 B2 JP 3515999B2 JP 02568894 A JP02568894 A JP 02568894A JP 2568894 A JP2568894 A JP 2568894A JP 3515999 B2 JP3515999 B2 JP 3515999B2
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安記 嘉正
正治 宮崎
隆 田中
利明 吉安
初雄 黒部
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Matsushita Electric Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対象物までの距離に応
じて信号値の比が決定される1対の位置信号を出力する
受光素子を備え、両位置信号の信号値の比と基準値との
大小関係に基づいて対象物までの距離を判定する測距式
光電センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、三角測量法の原理を用いて対象
物までの距離を求め、求めた距離と基準距離との大小関
係によって所定距離範囲内での対象物の存否を判定する
ようにした測距式光電センサが知られている。すなわ
ち、この種の測距式光電センサの光学系は、図9に示す
ような構成を有するのであって、半導体レーザまたは発
光ダイオードよりなる投光素子2から出力された光を投
光レンズ4を通すことによってビーム光を形成し、この
ビーム光を対象物1に照射することによって対象物1に
形成される投光スポットの像である受光スポットを、受
光レンズ5を通して受光素子3に結像させるようになっ
ている。すなわち、ビーム光の方向において対象物1の
位置が図9に示すA位置であると受光素子3の上での受
光スポットの位置はa位置になり、対象物1がB位置で
あると受光スポットの位置はb位置になるのである。し
たがって、受光素子3としては対象物1までの距離に応
じた受光スポットの移動方向における位置の変化を検出
するものを用いるのであって、たとえば、受光スポット
の移動方向に並べた2個のフォトダイオードを逆極性で
直列接続した位置検知素子やPSDを用いる。この種の
受光素子3では、受光スポットの位置に応じて比が決ま
る1対の電流信号を位置信号I1 ,I2 として両端に設
けた端子から出力するのであって、受光スポットが形成
されている位置に近いほうの位置信号I1 ,I2 の信号
値が他方の位置信号I1 ,I2 の信号値よりも大きくな
る。
【0003】対象物1までの距離は、受光レンズ5の中
心からビーム光を含む直線に下ろした垂線の長さと、ビ
ーム光の方向における受光素子3と受光レンズ5との距
離と、受光素子3の上での受光スポットの位置とがわか
れば求めることができる。ここで、未知であるのは受光
スポットの位置だけであるから、受光素子3から出力さ
れる位置信号I1 ,I2 によって受光スポットの位置を
求めれば、対象物1までの距離を求めることができるの
である。したがって、位置信号I1 ,I2 に基づいて対
象物1までの距離を判定するには、図10に示すような
構成の回路を用いる。図10では受光素子3としてPS
Dを用いた例を示すが、フォトダイオードよりなる位置
検知素子を用いる場合でも同じ構成の回路を採用するこ
とができる。位置信号I1 ,I2 は電流信号であるか
ら、それぞれ電流−電圧変換回路11a,11bを通し
て電圧信号に変換する。各電流−電圧変換回路11a,
11bは、演算増幅器OPa,OPbの出力と反転入力
との間に帰還抵抗としての固定抵抗Ra,Rbを接続し
た構成を有し、この固定抵抗Ra,Rbで変換比率(ゲ
イン)が決定されている。
【0004】上述したように、受光素子3の受光面での
受光スポットの位置は位置信号I1,I2 の比に対応し
ているから、各電流−電圧変換回路11a,11bの出
力をそれぞれ対数増幅回路12a,12bに通し、対数
増幅回路12a,12bの出力の差を距離演算回路とし
ての差動増幅回路13で求めることによって、差動増幅
回路13の出力値を位置信号I1 ,I2 の信号値の比に
対応した距離信号として取り出す。すなわち、対数増幅
回路12a,12bと差動増幅回路13とによって距離
演算回路が構成されるのである。
【0005】差動増幅回路13の出力信号である距離信
号の信号値は、コンパレータよりなる比較回路14にお
いて可変抵抗器VRによって設定された電圧値である基
準値と比較され、比較回路14からは両者の大小関係に
対応した2値出力が発生する。すなわち、比較回路14
において、基準値によって検出すべき対象物1までの距
離に対する基準距離(すなわち、距離信号の信号値が基
準値に対して反転する距離であって、検知領域の境界に
なる)が設定される。比較回路14の出力は、対象物1
までの距離が基準距離よりも小さいときに出力をオンと
するかオフとするかを選択する論理回路15(別途の信
号またはスイッチにより選択する)に入力され、論理回
路15の出力によって出力回路16に設けたスイッチ要
素(スイッチング素子またはリレー)をオン・オフさせ
る。
【0006】ところで、上述の測距式光電センサでは、
位置信号I,Iの信号値の比に相当する差動増
幅回路13の出力値(差動出力、すなわち距離信号の信
号値)は、対象物1までの距離に応じて図11に示すよ
うに変化する。すなわち、受光素子3の2つの位置信号
,Iの信号値が1対1になる距離(距離信号
の信号値が0になる距離)よりも対象物1までの距離が
大きい範囲では、距離信号の信号値は正であって距離が
小さくなるに従って差動増幅回路13の出力値は減少す
る。また、距離信号の信号値が0になる距離よりも対象
物1までの距離が小さい範囲では距離信号の信号値は負
になり、信号値が0付近の距離では距離が小さくなるに
従って信号値の絶対値が増加するが、図12にC位置で
示すように対象物1までの距離がさらに小さくなると受
光スポットがc位置に移動し、受光素子3の受光面から
外れることで受光光量が減少し(すなわち、距離の増加
に伴って受光スポットの受光面に重なる部分が減少す
る)、結果的に距離信号の信号値が0に近づくというよ
うに変化する。
【0007】比較回路14では設定した距離よりも近い
領域を検知領域とするのであって、比較回路14での基
準値を正側で図11のSaに設定したときには、対象物
1までの距離が基準値Saに対応する距離Laよりも近
くなったことを一義的に判定できる。しかしながら、距
離信号の信号値が負側では図11のように変化すること
によって、比較回路14の基準値を負側でたとえば図1
1のSbに設定したときには、基準値Sbに対応する距
離として2つの距離Lb1 ,Lb2 があり、しかも、一
方の距離Lb2 はその距離Lb2 よりも遠い側が検知領
域となるから、結果的に距離Lb2 よりも近い領域につ
いては検知領域として設定できないことになる。このよ
うに、基準値を負側で設定すると基準値に対する距離が
2つ設定されて不都合が生じるから、比較回路14の基
準値は正側で設定するのが一般的であって、検知領域と
して設定可能な領域の最短距離は受光素子3の2つの位
置信号の比が1対1になる基準距離に制限されているの
が現状である。ここに、差動増幅回路13の出力につい
て正側と負側とで説明しているが、差動増幅回路13へ
の入力の極性を入れ換えれば正負が逆になるから、以下
の説明では上述した正側に相当する領域を有効領域、負
側に相当する領域を無効領域と呼ぶ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、検知領域と
して設定可能な領域に上述したような制約があると、図
12のB位置のように対象物1が遠方に存在していると
きには、受光スポットが受光素子3の受光面の中央位置
から遠い位置に形成されることになる。一方、対象物1
が遠方に位置しているときには受光素子3での総受光量
が少なくなるから、位置信号I1 ,I2 の信号値が小さ
くなる(図では位置信号I2 が小さくなる)。すなわ
ち、受光素子3の受光面の端部に受光スポットが形成さ
れることで、一方の位置信号I2 の信号値が非常に小さ
くなって一方の電流−電圧変換回路11bに入力される
信号値が過少になり、ノイズの影響を受けやすくなった
り、誤差が発生しやすくなる。要するに、上記構成は検
知領域の境界を遠方に設定するのが困難であるという問
題を有している。
【0009】検知領域の境界を設定する技術としては、
上述のように比較回路14の基準値を可変抵抗器VRを
用いて調節するもののほか、比較回路14の基準値は固
定しておき、投光素子2、受光素子3、投光レンズ4、
受光レンズ5からなる光学系の少なくとも1つの構成要
素を移動させることによって、受光素子3から出力され
る2つの位置信号I1 ,I2 の信号値の比が1対1にな
る対象物1までの距離を変化させることも考えられてい
る。たとえば、図13に示すように、受光レンズ5をビ
ーム光に直交する方向に移動させるとすれば、両位置信
号I1 ,I2 の信号値の比を1対1にするには、対象物
1がB位置であるときに受光レンズ5を実線で示す位置
とし、対象物1がA位置であるときには受光レンズ5を
二点鎖線で示す位置とするのである。このように受光レ
ンズ5を移動させれば、検知領域の境界の位置にかかわ
らず、その境界での両位置信号I1 ,I2 の信号値の比
を略1対1になるような設定が可能になって、比較回路
14で基準値を調節する際の上述したような問題を解決
することが可能になる。
【0010】しかしながら、この構成では、光学系の要
素を移動させるための機構を必要とし、比較的複雑な機
械的構成を必要とするものであるから、部品点数が大幅
に増加し、組立作業が面倒になるとともにコスト増につ
ながるという問題がある。また、ロボットの視覚センサ
などに用いる場合のように装置内に光学系を組み込む場
合に、この構成では光学系が大型化して装置に組み込み
にくくなるという問題もある。
【0011】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、簡単な構成であって低コストで提供でき、し
かも検知領域の境界を距離にかかわらず不都合なく設定
することができる測距式光電センサを提供しようとする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、既知
方向のビーム光によって対象物に形成されている投光ス
ポットを受光レンズを通して検出し投光スポットの像で
ある受光スポットの位置に応じて信号値の比が決定され
る1対の位置信号を出力する受光素子と、受光素子の両
位置信号の信号値の比に相当する距離信号を出力する距
離演算回路と、距離信号の信号値と基準値との大小関係
に応じた2値出力を発生する比較回路と、距離演算回路
に入力される両位置信号のうちの少なくとも一方のゲイ
ンを調節可能とするゲイン調節回路とを備え、測距可能
な最大距離で位置信号の信号値の比が1対1になるよう
に光学系を構成し、ゲイン調節回路による両位置信号の
ゲインの相対比を調節することによって比較回路に設定
された基準値に対して距離信号の信号値の大小関係が反
転する距離を設定することを特徴とする。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、測距可能な最大距離で位置信号の信号値の比が1対
1になるように受光素子と受光レンズとの相対位置を設
定したことを特徴とする。請求項3の発明は、請求項1
の発明において、測距可能な最大距離で位置信号の信号
値の比が1対1になるようにビーム光の方向と受光素子
の位置との関係を設定したことを特徴とする。
【0014】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、受光素子は電流信号である位置信号を出力し、ゲイ
ン調節回路は各位置信号の信号値をそれぞれ電圧値に変
換する1対の電流−電圧変換回路であって、両電流−電
圧変換回路について電流値から電圧値への変換比率を決
定する抵抗の抵抗値を調節可能としたことを特徴とす
る。
【0015】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、受光素子は電流信号である位置信号を出力し、ゲイ
ン調節回路は各位置信号の信号値をそれぞれ電圧値に変
換する1対の電流−電圧変換回路であって、対象物の距
離が近いほど信号値が大きくなるほうの位置信号に対応
した一方の電流−電圧変換回路について電流値から電圧
値への変換比率を決定する抵抗の抵抗値を調節可能と
し、かつこの変換比率を他方の電流−電圧変換回路で固
定的に設定された変換比率よりも小さくなるように設定
したことを特徴とする。
【0016】請求項6の発明は、既知方向のビーム光に
よって対象物に形成されている投光スポットを受光レン
ズを通して検出し投光スポットの像である受光スポット
の位置に応じて信号値の比が決定される電流信号である
1対の位置信号を出力し互いに対応する位置信号が加算
されるように並列接続された1対の受光素子と、受光素
子から出力される両位置信号の信号値の比に相当する距
離信号を出力する距離演算回路と、距離信号の信号値と
基準値との大小関係に応じた2値出力を発生する比較回
路と、距離演算回路に入力される各位置信号の信号値を
それぞれ電圧値に変換する1対の電流−電圧変換回路と
を備え、両受光素子をビーム光を含む直線に対して対称
となる位置に配置し、測距可能な最大距離で位置信号の
信号値の比が1対1になるように光学系を構成し、対象
物の距離が近いほど信号値が大きくなるほうの位置信号
に対応した一方の電流−電圧変換回路について電流値か
ら電圧値への変換比率を決定する抵抗の抵抗値を調節可
能とし、かつこの変換比率を他方の電流−電圧変換回路
で固定的に設定された変換比率よりも小さくなるように
設定することによって、比較回路に設定された基準値に
対して距離信号の信号値の大小関係が反転する距離を設
定することを特徴とする。
【0017】請求項7の発明は、請求項1の発明におい
て、受光素子は電流信号である位置信号を出力し、ゲイ
ン調節回路は各位置信号の信号値をそれぞれ電圧値に変
換する1対の電流−電圧変換回路であって、対象物の距
離が近いほど信号値が小さくなるほうの位置信号に対応
した一方の電流−電圧変換回路について電流値から電圧
値への変換比率を決定する抵抗の抵抗値を調節可能と
し、かつこの変換比率を他方の電流−電圧変換回路で固
定的に設定された変換比率よりも大きくなるように設定
したことを特徴とする。
【0018】請求項8の発明は、既知方向のビーム光に
よって対象物に形成されている投光スポットを受光レン
ズを通して検出し投光スポットの像である受光スポット
の位置に応じて信号値の比が決定される電流信号である
1対の位置信号を出力し互いに対応する位置信号が加算
されるように並列接続された1対の受光素子と、受光素
子から出力される両位置信号の信号値の比に相当する距
離信号を出力する距離演算回路と、距離信号の信号値と
基準値との大小関係に応じた2値出力を発生する比較回
路と、距離演算回路に入力される各位置信号の信号値を
それぞれ電圧値に変換する1対の電流−電圧変換回路と
を備え、両受光素子をビーム光を含む直線に対して対称
となる位置に配置し、測距可能な最大距離で位置信号の
信号値の比が1対1になるように光学系を構成し、対象
物の距離が近いほど信号値が小さくなるほうの位置信号
に対応した電流−電圧変換回路について電流値から電圧
値への変換比率を決定する抵抗の抵抗値を調節可能と
し、かつこの変換比率を他方の電流−電圧変換回路で固
定的に設定された変換比率よりも大きくなるように設定
することによって、比較回路に設定された基準値に対し
て距離信号の信号値の大小関係が反転する距離を設定す
ることを特徴とする。
【0019】
【作用】請求項1の発明の構成によれば、測距可能な最
大距離で位置信号の信号値の比が1対1になるように光
学系の位置関係を固定的に設定していることによって、
遠方に位置する対象物について検知領域の境界を設定し
受光素子での総受光量が少なくなっても、遠方で受光素
子の受光面の端部に受光スポットが形成される場合に比
較すると両位置信号の信号値をともに比較的大きい値に
保つことができるのである。このことによって、検知領
域の境界を遠距離側に設定しても正確な測距が可能にな
るのである。また、距離演算回路に入力される両位置信
号のうちの少なくとも一方のゲインを調節可能とするゲ
イン調節回路を設け、ゲイン調節回路による両位置信号
のゲインの相対比を調節することによって比較回路に設
定された基準値に対して距離演算回路の出力である距離
信号の大小関係が反転する距離、すなわち検知領域の境
界を設定するのであって、両位置信号に対するゲインの
相対比を調節する構成を採用していることによって、距
離演算回路の出力を常に有効領域に保つことが可能にな
るのである。すなわち、両位置信号に対するゲインが等
しければ検知領域の境界を近距離側に設定したときに距
離演算回路の出力が無効領域になり、従来の技術で説明
したような不都合が生じるのであるが、請求項1の発明
の構成ではこのような問題が生じないのである。さら
に、光学系を上述のように構成していることによって、
検知領域の境界を近距離側に設定したときには受光素子
の受光面の端部に受光スポットが形成されるようにな
り、一方の位置信号の信号値が大幅に増加するが、この
ときにはゲイン調節回路でのゲインの調節によって距離
演算回路への入力信号の信号値が過大になるのを防止す
ることができるのである。結局、上記構成によって遠距
離側、近距離側についてともに検知領域の境界を不都合
なく設定することが可能になるのである。また、光学系
については可動部分がなく、ゲイン調整回路において位
置信号に対するゲインを調節するだけであるから、構成
が簡単であって部品点数が比較的少なく、容易に組み立
てることができ、低コストでの提供が可能になるのであ
る。
【0020】請求項2の発明の構成では、受光素子と受
光レンズとの相対位置、請求項3の発明の構成では、ビ
ーム光の方向と受光素子の位置との関係によって、測距
可能な最大距離で位置信号の信号値の比が1対1になる
ように設定しているのであって、測距可能な最大距離で
位置信号の信号値の比を1対1に設定するための望まし
い実施態様である。
【0021】請求項4の発明の構成は、ゲイン調節回路
の望ましい実施態様であって、受光素子として電流信号
である位置信号を出力するものを用い、ゲイン調節回路
は、位置信号の信号値を電圧値に変換する電流−電圧変
換回路で兼用しているのである。したがって、電流値か
ら電圧値への変換比率を決定する抵抗の抵抗値を調節可
能とすることによってゲインの調節を可能としているの
である。
【0022】請求項5の発明の構成は、ゲイン調節回路
の望ましい実施態様であって、請求項4の発明の構成と
同様に、受光素子から出力される電流信号である位置信
号の信号値を電圧値に変換する比率を決定する抵抗の抵
抗値を調節可能とし、かつ対象物の距離が近いほど信号
値が大きくなるほうの位置信号に対してのみ電流−電圧
変換回路の抵抗値を可変とし、この変換比率を他方の位
置信号に対する変換比率よりも小さく設定しているので
ある。すなわち、対象物との距離が近くなると受光量の
増加によって一方の位置信号の信号値が過大になること
があるが、この位置信号に対するゲインを可変としてい
ることによって、距離演算回路に過大な位置信号が入力
されるのを防止することができ、また変換比率を上述の
ように設定することによって距離信号を有効領域に設定
することができるのである。
【0023】請求項6の発明の構成によれば、ビーム光
を含む直線に対して対称に配置した2個の受光素子を備
え、両受光素子を互いに対応する位置信号が加算される
ように並列接続したものについて、請求項5と同様の構
成を有するのであって、請求項1、請求項5に対応した
作用に加えて、2個の受光素子の出力を加算することで
信号値を大きくとることができ、さらに遠方の対象物に
ついても測距が可能になるのである。また、受光素子の
受光面上で対象物までの距離に応じて受光スポットが移
動する方向に対象物が移動すると、対象物までの距離が
一定でも受光スポットの位置が変化するが、2個の受光
素子を用いることによって、受光スポットの変化を相殺
することが可能であり、対象物までの距離の測定精度を
高くすることができる。
【0024】請求項7の発明の構成は、ゲイン調節回路
の望ましい実施態様であって、請求項4の発明の構成と
同様に、受光素子から出力される電流信号である位置信
号の信号値を電圧値に変換する比率を決定する抵抗の抵
抗値を可変とし、かつ対象物の距離が近いほど信号値が
小さくなるほうの位置信号に対してのみ電流−電圧変換
回路の抵抗値を可変とし、かつこの変換比率を他方の位
置信号に対する変換比率よりも大きく設定しているので
ある。すなわち、信号値が小さくなるほうの位置信号に
ついてゲインを可変としていることによって、距離演算
回路に入力される位置信号が過少になるのを防止するこ
とができ、また変換比率を上述のように設定しているこ
とによって距離信号を有効領域に設定することができ
る。
【0025】請求項8の発明の構成によれば、ビーム光
を含む直線に対して対称に配置した2個の受光素子を備
え、両受光素子を互いに対応する位置信号が加算される
ように並列接続したものについて、請求項7と同様の構
成を有するのであって、請求項1、請求項7に対応した
作用に加えて、2個の受光素子の出力を加算することで
信号値を大きくとることができ、さらに遠方の対象物に
ついても測距が可能になるのである。また、受光素子の
受光面上で対象物までの距離に応じて受光スポットが移
動する方向に対象物が移動すると、対象物までの距離が
一定でも受光スポットの位置が変化するが、2個の受光
素子を用いることによって、受光スポットの変化を相殺
することが可能であり、対象物までの距離の測定精度を
高くすることができる。
【0026】
【実施例】以下の各実施例における光学系は、図9に示
した従来の光学系と同様に、投光素子2、投光レンズ
4、受光素子3、受光レンズ5により構成される。ここ
で、投光素子2および投光レンズ4により形成されるビ
ーム光の方向と、受光素子3と受光レンズ5との距離
と、受光レンズ5の中心からビーム光を含む直線に下ろ
した垂線の長さとがわかれば、対象物1までの距離がわ
かるのであるから、これらのいずれかの要素を調節する
ことで、測距可能な最大距離に対象物1が位置するとき
に受光素子3の中心(すなわち位置信号の信号値の比が
1対1になる位置)に受光スポットが形成されるように
受光系を設定する。測距可能な最大距離とは、ビーム光
の強さと受光素子3の感度と対象物1の反射率との兼ね
合いで決まる距離であって、受光素子3からの位置信号
の信号値が検知に最小限必要な大きさを持つ距離であ
る。測距可能な最大距離で受光素子3の受光面の中央に
受光スポットを形成するために、実際には、受光素子3
と受光レンズ5との相対位置、またはビーム光の方向と
受光素子3の位置との関係を設定する。このような光学
系の設定は以下の各実施例で共通であるが、実施例3、
実施例5については受光素子3が2個設けられる点で相
違している。したがって、以下の各実施例の説明では、
主として回路構成について説明する。
【0027】(実施例1)本実施例の基本構成は、図1
0に示した回路構成と同様であるが、図1に示すよう
に、電流−電圧変換回路11a,11bと、比較回路1
4とについてのみ相違点がある。すなわち、各電流−電
圧変換回路11a,11bは、それぞれ演算増幅器OP
a,OPbの出力端と反転入力端との間に帰還抵抗を接
続し、この帰還抵抗によって電流値から電圧値への変換
比率を決定するように構成されている点では同様である
が、帰還抵抗として従来は固定抵抗Ra,Rbを用いて
いたのに対して本実施例では可変抵抗器VRa,VRb
を用いている点が相違する。また、比較回路14におい
ては、図10に示した回路構成では基準値の調節を可能
とするために可変抵抗器VRを用いていたのに対して、
本実施例では固定抵抗Rを用いている点が相違する。
【0028】他の構成は図10と同様であって、PSD
よりなる受光素子3から出力される電流信号としての2
つの位置信号I1 ,I2 の信号値をそれぞれ電流−電圧
変換回路11a,11bによって電圧値に変換し、対数
増幅回路12a,12bで対数増幅した後に、距離演算
回路としての差動増幅回路13で差動増幅し、次に、差
動増幅回路13の出力である距離信号の信号値を比較回
路14で基準値と比較し、対象物1を検知したときの出
力のオン・オフを論理回路15で選択し、出力回路16
からオン・オフに対応した2値信号を出力するようにな
っている。
【0029】上記構成において、検知領域の境界を設定
するには、電流−電圧変換回路11a,11bに設けた
2つの可変抵抗器VRa,VRbのうちの少なくとも一
方を調節することによって、位置信号I1 ,I2 の信号
値に対する電圧値の変換比率を調節する。すなわち、可
変抵抗器VRa,VRbの抵抗値を調節することによっ
て、位置信号I1 ,I2 に対するゲインを調節すること
になる。
【0030】以下に、検知領域の境界を可変抵抗器VR
a,VRbで調節することができる理由を簡単に説明す
る。この説明の前提として、受光素子3の受光面におけ
る基準の位置から受光スポットまでの距離は対象物1ま
での距離に対応し、また受光素子3の上での受光スポッ
トの位置は両位置信号の信号値の比に対応することが知
られている。したがって、対象物1までの距離は位置信
号I1 ,I2 の比I1/I2 から求めることができる。
電流−電圧変換回路11a,11bでの変換比率がκ
a,κbであれば、電流−電圧変換回路11a,11b
の出力値Va,Vbは、Va=κa・I1 、Vb=κb
・I2 であって、対数増幅回路12a,12bの出力
は、lnVa、lnVbであるから、差動増幅回路13の出
力はlnVa−lnVb=lnVa/Vbになる。ここで、κ
a=κbであれば、差動増幅回路13の出力は、lnVa
/Vb=ln(κa・I1 /κb・I2 )=lnI1 /I2
であり、距離に対応した信号値の信号を比較回路14に
入力できることになる。一方、可変抵抗器VRa,VR
bで抵抗値を調節可能としたことは、変換比率κa,κ
bを調節可能とすることであって、差動増幅回路13の
出力はln(κa・I1 /κb・I2 )であるから、差動
増幅回路13の出力を調節することになる。したがっ
て、受光スポットの位置にかかわらず比較回路14に入
力される信号値を変化させることが可能になり、比較回
路14の基準値を固定的に設定しながらも、比較回路1
4の出力が反転するときの対象物1までの距離、すなわ
ち検知領域の境界を可変抵抗器VRa,VRbで設定で
きるのである。
【0031】上述のように、光学系については測距可能
な最大距離に対象物1が位置するときに受光スポットが
受光素子3の中心付近に形成されるようにしていること
で、対象物1が遠方で総受光量が減少しても両位置信号
は比較的大きな信号値を持つことになって、対象物1を
検出することができるのである。一方、対象物1が近く
なると、受光スポットが図1の上方に移動することで
(図9の受光系を想定している)電流−電圧変換回路1
1bに入力される位置信号は、電流−電圧変換回路11
aに入力される位置信号よりも信号値が小さくなるが、
総受光量が増加するから、電流−電圧変換回路11bに
入力される位置信号の信号値は十分な大きさに維持され
て問題は生じないのである。また、各位置信号に対する
ゲインを電流−電圧変換回路11a,11bの可変抵抗
器VRa,VRbで調節するから、差動増幅回路13の
出力値が異なる距離で2つの信号値を持つ無効領域に入
らないようにして、差動増幅回路13の出力値を有効領
域に設定することができ、結果的に検知領域の境界をど
のような距離に設定しても、不都合が生じることがない
のである。
【0032】(実施例2)本実施例は、図2に示すよう
に、実施例1の構成について一方の電流−電圧変換回路
11bにおいて変換比率を決定する抵抗を固定抵抗Rb
としたものであって、受光素子3から出力される両位置
信号のうちで電流−電圧変換回路11aに入力される位
置信号についてのみゲインを調節できるようにしたもの
である。ここで、ゲインが調節可能な位置信号として
は、対象物1までの距離が近いほど信号値が大きくなる
ほうを採用している。また、ゲインの調節にあたって
は、電流−電圧変換回路11aでのゲイン(変換比率κ
a)が、電流−電圧変換回路11bでのゲイン(変換比
率κb)に対して相対的に小さくなるように調節する。
【0033】このように、対象物1までの距離が近くな
ると信号値が大きくなるほうの位置信号についてゲイン
を他方よりも小さくするから、差動増幅回路13に入力
される位置信号の信号値が過大になるのを防止すること
ができるとともに、差動増幅回路13の出力値を有効領
域に設定することができるのである。他の構成、動作は
実施例1と同様であるから説明を省略する。
【0034】(実施例3)本実施例は、図3に示すよう
に、2個の受光素子3a,3bを用いているものであっ
て、両受光素子3a,3bは、図4に示すように、投光
素子2および投光レンズ4により形成されたビーム光を
含む直線に対して線対称となるように配置されている。
また、両受光素子3a,3bは対応する位置信号同士が
加算されるように並列接続されている。
【0035】すなわち、各受光素子3a,3bでは同じ
対象物1に対する受光スポットが略同位置に形成される
ことになり、しかも位置信号同士が加算されることにな
るから、受光素子3aの各位置信号の信号値がIa1
Ia2 受光素子3bの各位置信号の信号値がIb1 ,I
2 であれば、各電流−電圧変換回路11a,11bに
対してはIa1 +Ib1 、Ia2 +Ib2 の信号値を持
つ信号を入力することができるのである。その結果、電
流−電圧変換回路11a,11bに入力される位置信号
の信号値が大きくなり、遠方の対象物1でも十分な大き
さの位置信号を得ることができるのである。
【0036】ところで、実施例1や実施例2のように受
光素子3が1個だけ用いられているときに、受光素子3
の受光面において対象物1との距離に応じて受光スポッ
トが移動する方向に直交する方向については、対象物1
が移動しても距離の測定にほとんど影響しないが、受光
素子3の受光面において対象物1との距離に応じて受光
スポットが移動する方向については、対象物1が移動す
ると対象物1までの距離が一定であっても図4に示すよ
うに受光スポットの位置が変化することになる。すなわ
ち、投光スポットの中心部と周辺部とでは、測距した位
置に誤差が生じることになる。したがって、1個の受光
素子3を用いた実施例1や実施例2の構成では、受光素
子3の受光面の長手方向に移動する対象物1については
使用できないという制約がある。
【0037】これに対して上述のように、2個の受光素
子3a,3bを用いた場合には、図4に示すように、一
方の受光素子3aで受光スポットの位置に本来の位置に
対して−Δxの誤差が生じたとすると、他方の受光素子
3bでは+Δxの誤差が生じて加算によってこれらの誤
差が相殺されるから、対象物1までの距離を正確に測定
できるのである。すなわち、対象物1の移動方向につい
て制約がないという利点を有するのである。
【0038】他の構成は、実施例2と同様である。ま
た、この構成の装置は、1つの投光部分と2つの受光部
分とを有しており、装置には投光部分と受光部分とにつ
いてそれぞれ窓が形成されるのが普通であるから、3個
の窓が形成されることになり、このことから3眼式と呼
ばれる。 (実施例4)本実施例は、図5に示すように、実施例2
とは逆に、対象物1までの距離が小さくなると信号値が
減少するほうの位置信号が入力される電流−電圧変換回
路11bについてゲイン(変換比率κb)を調節する抵
抗を可変抵抗器VRbとし、他方の電流−電圧変換回路
11aについては固定抵抗Raによってゲイン(変換比
率κa)を決定しているものである。また、電流−電圧
変換回路11bのゲインは電流−電圧変換回路11aよ
りも大きくなるように設定される。
【0039】このように、対象物1までの距離が近くな
ると信号値が小さくなるほうの位置信号についてゲイン
を他方よりも大きくするから、差動増幅回路13の出力
値を有効領域に設定することができるのである。他の構
成および動作は、実施例1と同様であるから説明を省略
する。 (実施例5)本実施例は、図6に示すように、2個の受
光素子3a,3bを用いて実施例3と同様に3眼式に構
成したものであって、位置信号のゲインの調節について
は実施例4と同様に対象物1までの距離が近いほど信号
値が小さくなるほうの位置信号に対応した電流−電圧変
換回路11bで行なっている。この構成では、実施例3
と同様に、遠方の対象物1でも十分な大きさの位置信号
を得ることができ、検知領域の境界を遠方に設定するこ
とができるのである。また、差動増幅回路13の出力値
を有効領域に設定することができるのである。他の構成
および動作は、実施例1と同様であるから説明を省略す
る。
【0040】(実施例6)本実施例は、電流−電圧変換
回路11において電流値から電圧値への変換比率を調節
する構成の他例であって、図8に示すように、演算増幅
回路OPx(すなわち、OPaまたはOPb)の入力側
に可変抵抗器VR1xを接続し、所望の位置信号I1 ,I
2 を可変抵抗器VR1xに流したときの可変抵抗器VR1x
の両端電圧についての分圧比を調節することにより、電
流−電圧変換回路11での変換比率を調節可能とするも
のである。この構成では帰還抵抗は固定抵抗Rx(すな
わち、RaまたはRb)としてある。この電流−電圧変
換回路11は、実施例1ないし実施例5において可変抵
抗器VRa,VRbを用いて変換比率を調節している電
流−電圧変換回路11a,11bであれば、どれでも置
換可能である。他の構成は実施例1ないし実施例5と同
様である。
【0041】(実施例7)上記各実施例では、電流−電
圧変換回路11a,11bにおいて電流値から電圧値へ
の変換比率を調節するにあたって、演算増幅回路OP
a,OPbの出力端と反転入力端との間に挿入した帰還
抵抗を可変抵抗器VRa,VRbとする構成を示した
が、本実施例では、電流−電圧変換回路11における変
換比率を調節するために、図7に示すように、演算増幅
回路OPx(すなわち、OPaまたはOPb)の出力電
圧を分圧するように可変抵抗器VR2xを接続してある。
この構成では帰還抵抗は固定抵抗Rx(すなわち、Ra
またはRb)としてあり、出力側の分圧比の調節によっ
て、変換比率を調節するのである。この電流−電圧変換
回路11は、実施例1ないし実施例5において可変抵抗
器VRa,VRbを用いて変換比率を調節している電流
−電圧変換回路11a,11bであれば、どれでも置換
可能である。他の構成は実施例1ないし実施例5と同様
である。
【0042】
【発明の効果】請求項1の発明は、測距可能な最大距離
で位置信号の信号値の比が1対1になるように光学系の
位置関係を固定的に設定しているので、遠方に位置する
対象物について検知領域の境界を設定し受光素子での総
受光量が少なくなっても、遠方で受光素子の受光面の端
部に受光スポットが形成される場合に比較すると両位置
信号の信号値をともに比較的大きい値に保つことがで
き、検知領域の境界を遠距離側に設定しても正確な測距
が可能になるという利点がある。また、距離演算回路に
入力される両位置信号のうちの少なくとも一方のゲイン
を調節可能とするゲイン調節回路を設け、ゲイン調節回
路による両位置信号のゲインの相対比を調節することに
よって比較回路に設定された基準値に対して距離演算回
路の出力である距離信号の大小関係が反転する距離を設
定するので、両位置信号に対するゲインの相対比を調節
する構成を採用していることによって、距離演算回路の
出力を常に有効領域に保つことが可能になるという利点
がある。結局、上記構成によって遠距離側、近距離側に
ついてともに検知領域の境界を不都合なく設定すること
が可能になるという効果を奏する。また、光学系につい
ては可動部分がなく、ゲイン調整回路において位置信号
に対するゲインを調節するだけであるから、構成が簡単
であって部品点数が比較的少なく、容易に組み立てるこ
とができ、低コストでの提供が可能になるという利点が
ある。
【0043】請求項2の発明は受光レンズと受光素子と
の相対位置を、また請求項3の発明はビーム光の方向と
受光素子の位置との関係を、測距可能な最大距離で位置
信号の信号値の比が1対1になるように設定しているの
で、測距可能な最大距離で位置信号の信号値の比を1対
1に設定するための位置合わせが比較的容易に行なえる
のである。
【0044】請求項4の発明は、受光素子として電流信
号である位置信号を出力するものを用い、ゲイン調節回
路は、位置信号の信号値を電圧値に変換する電流−電圧
変換回路で兼用しているのであり、電流値から電圧値へ
の変換比率を決定する抵抗の抵抗値を調節可能とするこ
とによってゲインの調節を可能としているので、ゲイン
を調節するにあたって従来構成の変更をほとんど必要と
せず、容易に実現できるという利点がある。
【0045】請求項5の発明は、請求項4の発明と同様
に、受光素子から出力される電流信号である位置信号の
信号値を電圧値に変換する比率を決定する抵抗の抵抗値
を可変としており、かつ対象物の距離が近いほど信号値
が大きくなるほうの位置信号に対してのみ電流−電圧変
換回路の抵抗値を調節可能とし、かつこの変換比率を他
方の位置信号に対する変換比率よりも小さく設定してい
るので、対象物との距離が近くなると受光量の増加によ
って一方の位置信号の信号値が過大になっても、この位
置信号に対するゲインを調節して、距離演算回路に過大
な位置信号が入力されるのを防止することができ、また
距離信号の信号値を有効領域に設定することができると
いう利点がある。
【0046】請求項6の発明は、ビーム光を含む直線に
対して対称に配置した2個の受光素子を備え、両受光素
子を互いに対応する位置信号が加算されるように並列接
続したものについて、請求項5と同様の構成を有するの
で、請求項1、請求項5に対応した作用に加えて、2個
の受光素子の出力を加算することで信号値を大きくとる
ことができ、さらに遠方の対象物についても測距が可能
になるという利点がある。また、受光素子の受光面上で
対象物までの距離に応じて受光スポットが移動する方向
に対象物が移動すると、対象物までの距離が一定でも受
光スポットの位置が変化するが、2個の受光素子を用い
ることによって、受光スポットの変化を相殺することが
可能であり、対象物までの距離の測定精度を高くするこ
とができるという利点がある。
【0047】請求項7の発明は、請求項4の発明と同様
に、受光素子から出力される電流信号である位置信号の
信号値を電圧値に変換する比率を決定する抵抗の抵抗値
を可変としており、かつ対象物の距離が近いほど信号値
が小さくなるほうの位置信号に対してのみ電流−電圧変
換回路の抵抗値を可変とし、かつこの変換比率を他方の
位置信号に対する変換比率よりも大きく設定しているの
で、信号値が小さくなるほうの位置信号についてゲイン
を調節して、距離演算回路に入力される位置信号が過少
になるのを防止することができ、また距離信号の信号値
を有効領域で設定できるという利点がある。
【0048】請求項8の発明は、ビーム光を含む直線に
対して対称に配置した2個の受光素子を備え、両受光素
子を互いに対応する位置信号が加算されるように並列接
続したものについて、請求項7と同様の構成を有するの
で、請求項1、請求項7に対応した作用に加えて、2個
の受光素子の出力を加算することで信号値を大きくとる
ことができ、さらに遠方の対象物についても測距が可能
になるという利点を有する。また、受光素子の受光面上
で対象物までの距離に応じて受光スポットが移動する方
向に対象物が移動すると、対象物までの距離が一定でも
受光スポットの位置が変化するが、2個の受光素子を用
いることによって、受光スポットの変化を相殺すること
が可能であり、対象物までの距離の測定精度を高くする
ことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を示すブロック図である。
【図2】実施例2を示すブロック図である。
【図3】実施例3を示すブロック図である。
【図4】実施例3の光学系の概略構成図である。
【図5】実施例4を示すブロック図である。
【図6】実施例5を示すブロック図である。
【図7】実施例6に用いる電流−電圧変換回路を示す回
路図である。
【図8】実施例7に用いる電流−電圧変換回路を示す回
路図である。
【図9】従来例を示す光学系の概略構成図である。
【図10】従来例を示すブロック図である。
【図11】従来例の動作説明図である。
【図12】従来例の問題点を示す説明図である。
【図13】他の従来例を示す光学系の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 対象物 2 投光素子 3 受光素子 4 投光レンズ 5 受光レンズ 11a 電流−電圧変換回路 11b 電流−電圧変換回路 12a 対数増幅回路 12b 対数増幅回路 13 差動増幅回路 14 比較回路 15 論理回路 16 出力回路 I1 位置信号 I2 位置信号 R 固定抵抗 Ra 固定抵抗 Rb 固定抵抗 VR 可変抵抗器 VRa 可変抵抗器 VRb 可変抵抗器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 隆 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 吉安 利明 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 黒部 初雄 山梨県都留市小野字宮地226 株式会社 コニカ電子内 (56)参考文献 特開 昭62−27688(JP,A) 特開 平4−369609(JP,A) 特開 平5−52558(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 3/06 G01B 11/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既知方向のビーム光によって対象物に形
    成されている投光スポットを受光レンズを通して検出し
    投光スポットの像である受光スポットの位置に応じて信
    号値の比が決定される1対の位置信号を出力する受光素
    子と、受光素子の両位置信号の信号値の比に相当する距
    離信号を出力する距離演算回路と、距離信号の信号値と
    基準値との大小関係に応じた2値出力を発生する比較回
    路と、距離演算回路に入力される両位置信号のうちの少
    なくとも一方のゲインを調節可能とするゲイン調節回路
    とを備え、測距可能な最大距離で位置信号の信号値の比
    が1対1になるように光学系を構成し、ゲイン調節回路
    による両位置信号のゲインの相対比を調節することによ
    って比較回路に設定された基準値に対して距離信号の信
    号値の大小関係が反転する距離を設定することを特徴と
    する測距式光電センサ。
  2. 【請求項2】 測距可能な最大距離で位置信号の信号値
    の比が1対1になるように受光素子と受光レンズとの相
    対位置を設定したことを特徴とする請求項1記載の測距
    式光電センサ。
  3. 【請求項3】 測距可能な最大距離で位置信号の信号値
    の比が1対1になるようにビーム光の方向と受光素子の
    位置との関係を設定したことを特徴とする請求項1記載
    の測距式光電センサ。
  4. 【請求項4】 受光素子は電流信号である位置信号を出
    力し、ゲイン調節回路は各位置信号の信号値をそれぞれ
    電圧値に変換する1対の電流−電圧変換回路であって、
    両電流−電圧変換回路について電流値から電圧値への変
    換比率を決定する抵抗の抵抗値を調節可能としたことを
    特徴とする請求項1記載の測距式光電センサ。
  5. 【請求項5】 受光素子は電流信号である位置信号を出
    力し、ゲイン調節回路は各位置信号の信号値をそれぞれ
    電圧値に変換する1対の電流−電圧変換回路であって、
    対象物の距離が近いほど信号値が大きくなるほうの位置
    信号に対応した一方の電流−電圧変換回路について電流
    値から電圧値への変換比率を決定する抵抗の抵抗値を調
    節可能とし、かつこの変換比率を他方の電流−電圧変換
    回路で固定的に設定された変換比率よりも小さくなるよ
    うに設定したことを特徴とする請求項1記載の測距式光
    電センサ。
  6. 【請求項6】 既知方向のビーム光によって対象物に形
    成されている投光スポットを受光レンズを通して検出し
    投光スポットの像である受光スポットの位置に応じて信
    号値の比が決定される電流信号である1対の位置信号を
    出力し互いに対応する位置信号が加算されるように並列
    接続された1対の受光素子と、受光素子から出力される
    両位置信号の信号値の比に相当する距離信号を出力する
    距離演算回路と、距離信号の信号値と基準値との大小関
    係に応じた2値出力を発生する比較回路と、距離演算回
    路に入力される各位置信号の信号値をそれぞれ電圧値に
    変換する1対の電流−電圧変換回路とを備え、両受光素
    子をビーム光を含む直線に対して対称となる位置に配置
    し、測距可能な最大距離で位置信号の信号値の比が1対
    1になるように光学系を構成し、対象物の距離が近いほ
    ど信号値が大きくなるほうの位置信号に対応した一方の
    電流−電圧変換回路について電流値から電圧値への変換
    比率を決定する抵抗の抵抗値を調節可能とし、かつこの
    変換比率を他方の電流−電圧変換回路で固定的に設定さ
    れた変換比率よりも小さくなるように設定することによ
    って、比較回路に設定された基準値に対して距離信号の
    信号値の大小関係が反転する距離を設定することを特徴
    とする測距式光電センサ。
  7. 【請求項7】 受光素子は電流信号である位置信号を出
    力し、ゲイン調節回路は各位置信号の信号値をそれぞれ
    電圧値に変換する1対の電流−電圧変換回路であって、
    対象物の距離が近いほど信号値が小さくなるほうの位置
    信号に対応した一方の電流−電圧変換回路について電流
    値から電圧値への変換比率を決定する抵抗の抵抗値を調
    節可能とし、かつこの変換比率を他方の電流−電圧変換
    回路で固定的に設定された変換比率よりも大きくなるよ
    うに設定したことを特徴とする請求項1記載の測距式光
    電センサ。
  8. 【請求項8】 既知方向のビーム光によって対象物に形
    成されている投光スポットを受光レンズを通して検出し
    投光スポットの像である受光スポットの位置に応じて信
    号値の比が決定される電流信号である1対の位置信号を
    出力し互いに対応する位置信号が加算されるように並列
    接続された1対の受光素子と、受光素子から出力される
    両位置信号の信号値の比に相当する距離信号を出力する
    距離演算回路と、距離信号の信号値と基準値との大小関
    係に応じた2値出力を発生する比較回路と、距離演算回
    路に入力される各位置信号の信号値をそれぞれ電圧値に
    変換する1対の電流−電圧変換回路とを備え、両受光素
    子をビーム光を含む直線に対して対称となる位置に配置
    し、測距可能な最大距離で位置信号の信号値の比が1対
    1になるように光学系を構成し、対象物の距離が近いほ
    ど信号値が小さくなるほうの位置信号に対応した電流−
    電圧変換回路について電流値から電圧値への変換比率を
    決定する抵抗の抵抗値を調節可能とし、かつこの変換比
    率を他方の電流−電圧変換回路で固定的に設定された変
    換比率よりも大きくなるように設定することによって、
    比較回路に設定された基準値に対して距離信号の信号値
    の大小関係が反転する距離を設定することを特徴とする
    測距式光電センサ。
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