JP3142960B2 - 測距装置 - Google Patents

測距装置

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JP3142960B2
JP3142960B2 JP17834692A JP17834692A JP3142960B2 JP 3142960 B2 JP3142960 B2 JP 3142960B2 JP 17834692 A JP17834692 A JP 17834692A JP 17834692 A JP17834692 A JP 17834692A JP 3142960 B2 JP3142960 B2 JP 3142960B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は測距装置に関し、主と
してコンパクトカメラに用いられる赤外投光三角測距方
式のオートフォーカス技術を用いたカメラの測距装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より使用されている赤外投光三角測
距方式は、カメラ側から被写体に対して赤外光線を投光
し、被写体からに反射してくる反射信号光の受光素子へ
の入射位置から、三角測距の原理によって被写体距離を
検出するものである。
【0003】この反射信号光の位置を検出する手段とし
ては、一般に専用の位置検出素子(PSD)や、分割型
のフォトダイオード等がある。この2つの受光素子の利
点を生かした提案には、本出願人による特願平3−53
154号がある。しかしながら、一般にPSDは測距レ
ンジが広い反面、分割型のフォトダイオードにS/Nの
点で劣るという欠点を有している。ここで、これらの赤
外投光三角測距式の1つを説明する。
【0004】図12は、従来の測距装置に使用される赤
外投光式のアクティブオートフォーカス(AF)技術を
概略的に示した図である。図12を参照すると、赤外発
光ダイオード(IRED)1から投光された光は、投光
用レンズ2を介して被写体3に照射される。そして、こ
の被写体3からの反射光は、受光用レンズ4により集光
されて位置検出素子5上にスポットを結ぶ、尚、同図に
於いて、lは投光用レンズ2と被写体3間の距離(被写
体距離)、Sは投光用レンズ2と受光用レンズ4との主
点間距離(基線長)、fは受光用レンズ4の焦点距離で
ある。また、tは位置検出素子5の長さであり、xはこ
の位置検出素子5上で一端から上記反射光が結ぶ位置ま
での距離を示している。
【0005】このような構成の測距装置に於いて、位置
検出素子として半導体検出素子を用いた場合、上記反射
光のスポット位置xより、被写体距離lの逆数1/l
は、数1の関係式のようにして求めることができる。
【0006】
【数1】
【0007】この半導体位置検出素子は、一般的にポジ
ションセンシティブディテクタ(PSD)と称されるも
ので、図13(a)に示される如く、入射光の重心位置
に存在した2つの電流I1 、I2 を出力する。尚、光信
号の像5o は長方形としている。ここで、PSD51
全長をtとすると、2つの電流信号I1 及びI2につい
て、それぞれ数2及び数3の関係式が成り立つ。
【0008】
【数2】
【0009】
【数3】
【0010】尚、上記数2及び数3の関係式に於いて、
p は全光電流を表している。そして、これら数2及び
数3の関係式により、数4の関係式に示される比の演算
に従ってxを求めることができる。
【0011】
【数4】
【0012】一方、図13(b)のように、2つの受光
素子(シリコンフォトダイオード;SPD)52 及び5
3 が並設された位置検出素子も知られている。この場
合、図12に示される受光用レンズ4の光軸から分割点
までの距離をp、光信号の像5o を長方形として、t方
向の長さをbとすると、数5及び数6の関係式が求めら
れる。
【0013】
【数5】
【0014】
【数6】 そして、これら数5及び数6の関係式を用いて上記数4
の関係式と同様の演算を行うと、数7の関係式の如く結
果が得られる。
【0015】
【数7】 したがって、2つのSPD52 及び53 を使用する場合
も、上記b、tが既知のものであれば、I1 及びI2
比により、xを求めることができる。そして、上記数4
及び数7の関係式を各々数1の関係式と組合わせると、
PSDを用いた測距の場合は数8の関係式が成立する。
【0016】
【数8】 また、2分割のSPDを用いた測距の場合は、同様にし
て数9の関係式が成立する。
【0017】
【数9】
【0018】上記数8及び数9の関係式をグラフ化する
と、図14(a)及び(b)に示される如くなる。すな
わち、同図(a)がPSDを用いた測距装置の測距距離
の逆数と出力の特性図、同図(b)が2分割のSPDを
用いた測距装置の測距距離の逆数と出力の特性図であ
る。
【0019】一般に、t=2mm程度、b=0.3mm
程度で、SPD測距の方が1/l対出力(I1 /(I1
+I2 )の傾きは約7倍大きくなる。また、全長tは関
係なくなる。これは、同じ1/l変化に対して、出力変
化量が大きいことを意味するため、より高精度なもので
あるとすることができる。一方、2分割SPDの測距で
は、スポットの一部が必ず両方のSPDにのっていない
と測距を行うことができないので、上記PSD測距の場
合に比べて極端に測距レンジが小さいものとなる。
【0020】すなわち、図12のxの変化量が大きくと
らえられるほど、測距可能なlのレンジは大きくするこ
とができるが、b=0.3mmの場合、SPDの測距レ
ンジはxに換算して0.3mmしかない。一方、PSD
の測距に於いてはスポットのはみ出しを考慮しても、2
mm−0.3mm=1.7mmの測距レンジを有してお
り、測距レンジに関してはPSD測距の方が約6倍有利
になる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記bを6
倍大きくすれば、SPD測距に於いてもPSDと同様の
測距レンジにすることが可能であるが、上述した高精度
であるという利点が失われてしまうものであった。更
に、この2分割SPDによる測距方式は、基本的に受光
素子上の信号光スポットの大きさbに依存しているた
め、次のような課題を有している。
【0022】図15を参照すると、測距用光点(IRE
D)1が焦点距離fT の投光用レンズ2にて投光される
と、光点が面積を有しているため、IREDから距離が
離れる程、投光像(スポット)6、7は大きくなってし
まう。つまり、光点の1辺の長さをb0 とすると、距離
lに於ける投光スポットの大きさbT は、だいたい数1
0の関係式のように表現することができる。
【0023】
【数10】
【0024】ところで、被写体が人物の場合、例えば顔
の大きさは距離によって変化するものではなく、略一定
である。いま、図15に示されるように、近い距離l1
に被写体が存在する場合、投光スポット6は小さい(b
T1)ので、図16(a)に示されるように、全て顔の中
に収まる。しかしながら、遠い距離l2 では、上述した
ように投光スポットは大きくなる(bT2)ため、図16
(b)に示されるように、投光スポット7が顔からはみ
出してしまうことになる。
【0025】尚、ここでは同図(b)の場合のように、
投光スポットが大きくなりすぎて誤測距となる例をあげ
たが、実際には距離l1 のとき、すなわち同図(a)の
場合に於いても誤測距は生じやすい。何故なら、カメラ
から出る測距用光は一般に赤外光であるため、正しくス
ポットが当っているかどうかを確認するのが困難である
し、ファインダと測距ポイントのパララックスやカメラ
のフレーミングによっては簡単にスポットがはずれてし
まうからである。つまり、遠距離側に於いては、スポッ
ト欠け減少を起こさずに測距を行うことは大変困難であ
る。
【0026】従来の2分割SPDによる測距は、図17
(a)に示されるように、反射光スポットがSPD
2 、53 上に欠けのない状態で入射している場合は、
正確な測距ができるが、図17(b)に示されるよう
に、スポットに欠けが生じた場合、測距結果は大きな誤
差を有してしまう。そのことは、数9の関係式によって
も明らかである。
【0027】当然、PSDによる測距に於いても、スポ
ット欠けによる誤測距は起こり得るが、2分割SPDの
場合ほど大きな誤差にはならない。何故なら、PSD測
距で測距データを決めるのは、反射光スポットの重心位
置xとPSDの長さtであり、直接的には反射光スポッ
トの幅bは関与しないからである。
【0028】また、PSDによるスポット欠け対策とし
て、本出願人による特願平3−332092号には、2
分割センサとPSDの測距結果の差よりスポット欠けを
判定し、補正を行う装置が開示されている。
【0029】しかしながら、この装置では、2分割セン
サとPSDの両者に測距用光を入射させなければならな
いので、測距用光電流が減少するために高精度の測距装
置には適していない。また、2分割センサ用のスポット
欠け対策については述べられていないものである。
【0030】この発明は上記課題に鑑みてなされたもの
、スポット欠け現象が生じても高精度に測距が可能
距装置を提供することを目的とする。
【0031】すなわちこの発明は、被写体に向けて光束
を投光する投光手段と、この投光手段と基線長だけ離れ
て配置され、上記投光手段による上記被写体からの反射
光を受光し、その受光位置に応じた信号電流を出力する
受光手段と、上記信号電流に基いて上記被写体までの距
離を演算する演算手段とを具備するカメラの測距装置に
於いて、上記受光手段は上記基線長に沿って3つ以上
部分に分割されており、更に上記測距装置は上記受光手
に入射した反射光の中央部分の受光部から出力される
信号電流と、上記受光手段の両端の受光部からそれぞれ
出力される信号電流の比を求め、この比に基いて上記
光された光束が正しく被写体に投射されているか否かを
判定する判定手段を有し、この判定手段の判定結果に基
いて測距演算を切換えることを特徴とする。
【0032】この発明の測距装置にあっては、被写体に
向けて投光手段より光束が投光され、この投光手段と基
線長だけ離れて配置される該基線長に沿って3つ以上
部分に分割された受光手段で上記被写体からの反射光が
受光される。そして、その受光位置に応じて信号電流が
演算手段に出力される。この演算手段では、上記信号電
流に基いて被写体までの距離が演算され、更に上記受光
手段に入射した反射光の中央部分の受光部から出力され
る信号電流と、上記受光手段の両端の受光部からそれぞ
れ出力される信号電流の比が求められる。この比に基い
て、上記投光された光束が正しく被写体に投射されてい
るか否かが判定手段で判定され、この判定手段の判定結
果に基いて測距演算が切換えられる。
【0033】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例を説
明する。
【0034】図1は、この発明による測距装置の第1の
実施例を概略的に示した図である。同図に於いて、投光
素子(IRED)1の光が被写体3に対し、投光用レン
ズ2を介して投光される。被写体3からの反射信号光
は、受光用レンズ4によって3分割の受光素子5a、5
b、5cに結像され、反射光スポット8となる。プリア
ンプ9a、9b、9cは、各々受光素子5a、5b、5
cの出力主流を増幅する回路である。受光素子5a、5
cの出力電流はプリアンプ9a、9cで増幅されて比演
算回路10、11に出力され、受光素子5bの出力電流
はプリアンプ9bで増幅された後2つの比演算回路1
0、11に力される。
【0035】比演算回路10は、プリアンプ9aの出力
と9bの出力の比を演算する回路であり、比演算回路1
1はプリアンプ9bの出力と9cの出力の比を演算する
回路である。そして、これらの比演算回路10及び11
の出力は、CPU12に入力され、所定の判定演算が行
われる。
【0036】図2は、カメラ前面から見たAF用受光素
子と受光スポットの位置関係を示す図である。図2
(a)はスポット欠けがない場合、同図(b)はスポッ
ト欠けが起きた場合で、点線で示される部分の光が欠け
て被写体から戻ってこなかった例を示している。この発
明は、この図2(a)と(b)の違いを判別することを
基本としている。
【0037】いま、図2(a)に示されるように、受光
素子5bの幅をw、反射光スポット8の幅をbとする
と、数11の関係式が成立する。尚、ここでは、各受光
素子間のギャップは無視するものとする。
【0038】
【数11】
【0039】ここで、b、wは設計によって決まる値で
あるので、左辺は一定といえる。つまり、(iA
C )/iB が所定値であれば、スポット欠けが起こっ
ていないといえる。例えば、b=0.3、w=0.05
ならば、(b−w)/w=5となる。しかしながら、図
2(b)に示されるように、ポット欠けがある場合、
(iA +iC )/iB を演算すると、bがスポット欠け
の幅dだけ小さくなっているので、5以下の数となるは
ずであり、これによってスポット欠けの判定が可能とな
る。上記数11の関係式の右辺iA /iB とiC /iB
を演算するのが、図1の比演算回路10及び11であ
る。そして、これらの加算及び判定は、CPU12が行
う。
【0040】また、スポット欠けが図2(b)のよう
に、片側に起きたことを考えると、数11の関係式に於
けるbは、b−dとなる。したがって、(iA +iC
/iBより、数12の関係式の演算によってdを求める
ことができる。このことから仮にスポット欠けが起こっ
ても、dを演算で補って補正演算すれば測距が可能とな
る。
【0041】
【数12】
【0042】但し、この補正は、図2(c)に示される
ような、受光素子5bにスポット光が十分かかっていな
い場合には正確にはならなくなる。ここでは、あくまで
スポット欠が僅かな場合に対しての対策であり、条件と
しては中央部の受光素子上ではスポット欠けが起ってい
ないことが前提となる。
【0043】また、図3(a)〜(c)に示されるよう
に、スポット欠けが判定された場合は、受光素子5a、
5cのどちらの側でスポットが欠けたのかを検出できな
ければならない。図3(a)〜(d)に於いて、中央部
から左側を遠距離側、右側を近距離側とすると、ここで
は、同図(b)の場合と同図(c)の場合では、距離が
大きく異なることより判別が可能である。ここで、図4
に示されるように、中央部の受光素子5bの出力iB
被写体距離lの逆数の関係は、数13の関係式のように
なっている。
【0044】
【数13】 したがって、僅かな距離の違いでもiB は大きく変化す
るので、iB の大きさによって図3(b)、(c)の何
れの場合かを判断することができる。
【0045】尚、図4に於いてlc は、図3(d)に示
されるように、スポット欠けなしのときiB0の光量が得
られる距離である。つまり、以下に述べる実施例では、
標準反射率の被写体が所定距離にあるとき、受光素子5
bより出力される基準光電流iB0を、予め距離の関数と
してCPU12が記憶していることを前提としている。
【0046】次に、この発明の第2の実施例を説明す
る。図5は、この発明の第2の実施例でカメラの測距装
置の光学系を概略的に示すブロック構成図である。尚、
ここでは特に受光用レンズ4と受光素子5a、5b、5
cと、その処理回路について説明する。投光回路と投受
光系の構成は、図1に準じている。
【0047】受光素子(センサ)5a、5b、5cは、
各々iA 、iB 、iC の各検出回路13、14、15に
出力電流を入力する。これらの検出回路13、14、1
5は、入力信号を増幅し、電圧信号に変換しラッチする
回路である。CPU12はA/D変換器を内蔵している
もので、これらの検出回路の出力から、iA 、iB、i
C の値を順次読取ることができるものとする。上記検出
回路の内部構成は共通であるが、ここではiC 検出回路
15についてのみ説明する。
【0048】9cはプリアンプであり、16は増幅用ト
ランジスタである。増幅用トランジスタ16は常時バイ
アス電流でバイアスされているので、これを打消すため
の電流源が17である。したがって、スイッチ18をオ
ンしても、受光素子5cに信号が入っていないときには
スイッチ18の方向には電流の流れはない。また、アン
プ19とコンデンサ20は積分回路を構成しており、リ
セット用スイッチ21によってこの積分電圧は初期化す
ることができる。尚、上記スイッチ18は、積分用スイ
ッチである。次に、このように構成された検出回路の動
作を、図6のタイミングチャートを参照して説明する。
【0049】先ず、CPU12は、リセット用スイッチ
21をオンして積分電圧を初期化する。次に、図示され
ないIREDを発光させ、同期して積分用スイッチ18
を所定時間オンすると、センサ5cに入力する光量に比
例した電流iC を増幅用トランジスタ16がβ倍し、積
分コンデンサ20に流れることとなる。したがって、図
示の如く積分電圧がβiC に比例して発生する。CPU
12は、この積分動作終了後、任意のタイミングでこの
積分電圧をA/D変換し入力する。次に、このような検
出回路を用いた測距装置の動作を、図7のフローチャー
トを参照して説明する。これらのフローチャートはCP
U12が司っている。
【0050】先ず、ステップS1のIRED発光のステ
ップで、図6に示されるタイミングチャートに於けるリ
セットから積分終了までの動作を行う。次いで、ステッ
プS2、S3及びS4によって、CPU12は順次積分
電圧をA/D変換し、電流iA 、iB 、iC を入力す
る。
【0051】次に、これらの電流iA 、iB 、iC
り、ステップS5、ステップS6にて測距演算を行う。
この測距演算の原理は、すでに数9の関係式で説明した
ものと同じである。但し、数9の関係式は2分割受光素
子の数式であるが、この発明のセンサは3分割素子とな
っているので、センサ5b、5cを1つの素子として考
える。つまり、ib +ic とia の比をとる形で、ステ
ップS7に示されるように、I1 =ib +ic 、I2
a として考えて演算しなければならない。
【0052】次に、ステップS7では、上記数11の関
係式で説明したように、(iA /iB )+(iC
B )の演算を行う。そして、ステップS8にて、スポ
ット欠けが起ったか起ってないかの判定を行う。すでに
説明したように、ステップS8に於いて、この式が成立
すればスポット欠けが起っていると考えられるため、ス
テップS9に進んで所定時間の警告を行う。この警告
は、例えばファインダ内にLEDを点灯させたりPCV
で警告音を発するものであってもよい。撮影者はこの警
告時に、フレーミングをしなおして再度測距に入れば、
より確実なピント合わせが可能となる。
【0053】一般に、測距用光としては赤外光が用いら
れる。仮に、可視光を用いて測距を行ったとしても、遠
距離の被写体に於いて、測距用光のスポットが正しく被
写体に当っているかどうかを直接目視で確認することは
困難である。したがって、このような警告は有意義であ
る。
【0054】ステップS9で警告時間内に再度測距のし
なおしがない場合、測距シーケンスはステップS10へ
と進む。このステップS10では、上記数12の関係式
で説明したスポット欠け量の演算がCPU12によって
なされる。次いで、ステップS11で、そのスポット欠
けによって失われた光の量iD を基準とする受光素子5
bの幅wと、先に求めた欠け幅dを比較することによっ
て、CPU12が算出する。
【0055】次に、ステップS12、ステップS13に
て、先に求めた測距結果1/l(距離の逆数)から、図
4で説明した方法により、スポット欠けが起こったのが
図3(b)の場合か、同図(c)の場合かを判定する。
ステップS13に於いて、iB が予想された光量iB0
りも小さいときは、実際は距離lより遠いのに図3
(c)に示されるdaの部分が欠けて誤測距となってい
ることがわかる。つまり、ステップS13にてiB <i
B0が成立すると、ステップS14でiD を補い、ステッ
プS16に進んで改めて距離演算を行う。
【0056】また、ステップS13にてiB <iB0が成
立しない場合、実際は距離lより近いのに図3(b)に
示されるdcの部分が欠けて誤測距となっている状態だ
と考えられる。したがって、ステップS15に進んで分
母にのみiD を補って、ステップS16と共に距離演算
を行う。そして、ステップS17では、これらの算出結
果1/lに対してピント合わせを行う。
【0057】図8はこの発明の第3の実施例で、カメラ
の測距装置の測距回路を示したものである。同実施例で
は、比を演算するアナログ回路を設け、CPUのソフト
ウエアの負担を軽くしている。
【0058】また、同実施例ではスポット欠けが起きた
場合、特に失われた光量id の補正演算は行わず、もっ
と単純な方法で正しい測距を行うようにしたものであ
る。この方法は、図3(b)に示されるように、dcの
部分が欠けた場合は必要な光の情報が不足する受光素子
5cの部分は使わず、iA とiB の比だけで演算を行お
うとするものである。
【0059】これは、図9に示されるようにAF光学系
を構成し、図10(a)に示されるように反射光スポッ
ト8が2つの受光素子5a、5bにのっている状態を考
えればよい。図中aは2つの受光素子5a、5bの間と
受光用レンズ4の光軸までの距離である。スポット8の
重心位置xは、これら2つの受光素子5a、5bの出力
A 、iB との間に数14及び数15の関係式を成立さ
せる。
【0060】
【数14】
【0061】
【数15】 また、図10(c)に示されるように、iB 、iC から
の測距を行うことも同様に考えると、数16の関係式が
成立する。
【0062】
【数16】 ここで、図中bは受光スポットの幅、wは受光素子5b
の幅である。基線長S、焦点距離fについては、上述し
た数1の関係式と同じものである。
【0063】したがって、この実施例では、スポット欠
けが生じたとき、欠けた方の受光素子の出力は無視し、
上述した2分割受光素子と考えて測距を行うようにした
ものである。
【0064】図8に戻って、この回路の構成を説明す
る。同図に於いて、プリアンプ9a、9b、9cは各受
光素子5a、5b、5cの出力を増幅するものであり、
トランジスタ22、23、16と共に信号電流をβ倍す
る作用を有している。ダイオード24及びトランジスタ
25は、ペアとなってカレントミラー回路を構成するの
で、トランジスタ16で増幅された電流と同じ値の電流
がトランジスタ25にも流れる。また、プリアンプ9a
に接続されたダイオード26及びトランジスタ27、プ
リアンプ9bに接続されたダイオード28及びトランジ
スタ29、30、31も、同様の働きを有する。
【0065】このようにして、各受光素子5a、5b、
5cの出力電流iA 、iB 、iC は増幅されて、それぞ
れの比演算回路32、33、34、及び積分アンプ37
等に入力される。上記比演算回路32、33、34は同
様の構成となっているが、ここでは比演算回路34の内
部回路について説明し、他の比演算回路33、34につ
いてはこれに準ずるものとする。
【0066】電流源41、43は、トランジスタ16、
23や22のバイアス電流を打消すものである。したが
って、圧縮ダイオード42、44には、IRED(図示
せず)を発光したとき、その信号光電流をトランジスタ
で増幅した分だけが流れる。圧縮ダイオード42、44
の圧縮電圧は、バッファ45、46を介してトランジス
タ47、48及び定電流源49等で構成される伸張演算
回路に入力される。定電流源49の電流値をI0 とし、
圧縮ダイオード42、44に流れる電流をβ(iB +i
C )、βiA とすると、積分コンデンサ50には、数1
7の関係式で表されるだけの電流が流れる。したがっ
て、積分コンデンサ50をリセット回路51で初期化し
た後、IRED発光を行うと同時に定電流源49を駆動
すると、積分コンデンサ50には、被写体距離に依存し
た電圧が充電される。
【0067】
【数17】
【0068】このように、比演算回路34は、数17に
表されるように、iA と(iB +iC )の比を出力する
ことができる。また、CPU12はこの結果を内蔵する
A/D変換機能を用いて読込むことができるものとす
る。また、比演算回路32及び33も、上述したよう
に、比演算回路34と同様の構成となっている。
【0069】これらの回路の入力は、各々iA とiB
C とiB を増幅した電流となっているので、iA とi
B の比、iC とiB の比をCPU12に対して出力する
ことができる。
【0070】一方、電流源35、スイッチ36及び3
9、積分アンプ37、積分コンデンサ38等から成る回
路は、図5で説明したものと同様の光電流積分回路を構
成している。CPU12は、この回路の出力から、受光
素子5bに入射した光量を読込むことができる。シーケ
ンスコントロール回路40は、以上のような回路のリセ
ット、積分等の動作を司るものである。
【0071】次に、このような回路を用いて、上記数1
5及び数16の関係式等で説明されたスポット欠けに強
い測距装置の動作を、図11のフローチャートを参照し
て説明する。
【0072】初めに、ステップS21でIRED発光を
行うと同時に、上記比演算回路32、33、34及び積
分アンプ37等から成る光量積分回路が、上述した積分
動作を行う。次に、ステップS22でCPU12は比演
算回路34からiA と(iB +iC )の比をA/D変換
して入力する。この結果より、ステップS23にて、i
B +iC をI1 、iA をI2 として上記数8の関係式を
用いて被写体距離1/lを演算する。
【0073】そして、ステップS24にて比演算回路3
2からiA とiB の比を、またステップS25にて比演
算回路33からiC とiB の比を、順次CPU12が内
蔵のA/D変換回路によって入力する。すると、ステッ
プS26にて(iA /iB )+(iC /iB )の演算が
可能となる。
【0074】次いで、ステップS27に於いて、上記数
11の関係式に従ったスポット欠け判定を行う。ここ
で、スポット欠けが起きていないと判定されると、すで
に求めた被写体距離1/lは信頼性が高いと考えられる
ので、ステップS32に進んで1/lに対してのピント
合わせを行う。
【0075】一方、上記ステップS27でスポット欠け
が起きたとが判定されると、ステップS28に移行し
て、すでに求めた1/lから基準光電流iB0を求める。
次いで、ステップS29にて、この結果と、実際に受光
素子5bより得られた出力結果を比較する。これによ
り、上述した方法によって受光素子5a、5cの何れの
センサに入射するべき部分がスポット欠けを起こしたか
を判別する。
【0076】これが判別できると、ステップS30また
はS31に進んで、上述したように数15または数16
の関係式を用いて、被写体距離1/lの演算が可能とな
る。したがって、ステップS30、ステップS31を経
てステップS32にて1/lにピントを合せを行うと、
スポット欠けが起きていても正しいピントの写真を得る
ことができる。
【0077】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、スポッ
ト欠け現象が生じても高精度に測距が可能な測距装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による測距装置の第1の実施例を概略
的に示した図である。
【図2】カメラ前面から見たAF用受光素子と受光スポ
ットの位置関係を示す図である。
【図3】3つの受光素子とスポット光の状態を示す図で
ある。
【図4】中央部の受光素子5bの出力iB と被写体距離
lの逆数の関係を表した図である。
【図5】この発明の第2の実施例でカメラの測距装置の
光学系を概略的に示すブロック構成図である。
【図6】図5の検出回路の動作を説明するタイミングチ
ャートである。
【図7】図5の検出回路を用いた測距装置の動作を説明
するフローチャートである。
【図8】この発明の第3の実施例で、カメラの測距装置
の測距回路を示した図である。
【図9】図8の測距装置に使用されるAF技術を概略的
に示した図である。
【図10】第3の実施例に於ける受光素子とスポット光
の状態を示す図である。
【図11】図8の測距装置の動作を説明するフローチャ
ートである。
【図12】従来の測距装置に使用される赤外投光式のア
クティブオートフォーカス(AF)技術を概略的に示し
た図である。
【図13】(a)は従来の光位置検出素子としてPSD
を示した図、(b)は従来の光位置検出素子として並設
された2つのSPDを示した図である。
【図14】(a)は図13(a)のPSDの出力特性
図、(b)は図13(b)のSPDの出力特性図であ
る。
【図15】スポット光の大きさと距離との関係を示した
図である。
【図16】(a)は図15の距離l1 に於ける被写体と
スポット光の関係を表した図、(b)は図15の距離l
2 に於ける被写体とスポット光の関係を表した図であ
る。
【図17】従来の2分割SPDによる測距で、(a)は
スポット欠けのない状態を示した図、(b)はスポット
欠けが生じた状態を示した図である。
【符号の説明】
1…赤外発光ダイオード(IRED)、2…投光用レン
ズ、3…被写体、4…受光用レンズ、5…位置検出素
子、5a、5b、5c…受光素子、8…反射光スポッ
ト、9a、9b、9c…プリアンプ、10、11…比演
算回路、12…CPU、13…iA 検出回路、14…i
B 検出回路、15…iC 検出回路、16…増幅用トラン
ジスタ、17…電流源、18…積分用スイッチ、19…
アンプ、20…積分コンデンサ、21…リセット用スイ
ッチ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体に向けて光束を投光する投光手段
    と、 この投光手段と基線長だけ離れて配置され、上記投光手
    段による上記被写体からの反射光を受光し、その受光位
    置に応じた信号電流を出力する受光手段と、 上記信号電流に基いて上記被写体までの距離を演算する
    演算手段とを具備するカメラの測距装置に於いて、 上記受光手段は上記基線長に沿って3つ以上の部分に分
    割されており、更に上記測距装置は上記受光手段に入射
    した反射光の中央部分の受光部から出力される信号電流
    と、上記受光手段の両端の受光部からそれぞれ出力され
    る信号電流の比を求め、この比に基いて上記投光された
    光束が正しく被写体に投射されているか否かを判定する
    判定手段を有し、 この判定手段の判定結果に基いて測距演算を切換える
    とを特徴とする測距装置。
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