JP3332948B2 - カメラ - Google Patents

カメラ

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JP3332948B2
JP3332948B2 JP3062992A JP3062992A JP3332948B2 JP 3332948 B2 JP3332948 B2 JP 3332948B2 JP 3062992 A JP3062992 A JP 3062992A JP 3062992 A JP3062992 A JP 3062992A JP 3332948 B2 JP3332948 B2 JP 3332948B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動合焦(オートフォ
ーカス)技術を適用したカメラに関し、特に被写体に対
し、赤外光等の信号を投射し、その反射信号光によって
距離を求めるアクティブ方式のカメラに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】カメラの各種機能の自動化が図られる中
で、カメラのピント合わせ技術と、不得手とされる被写
体を克服する方向で発達してきた。このような流れの中
で、従来オートフォーカス(AF)が不得手としてきた
移動している被写体(動体)に対し、ピントを合わせる
技術も開発されている。
【0003】カメラのAF技術は大きく2つに分けて2
つの方式があり、被写体に対して信号をカメラ側から投
射し、その反射信号によって被写体の距離を求めるもの
をアクティブ方式、被写体の持つ輝度分布情報等を利用
するものをパッシブ方式と称している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この赤外投光アクティ
ブ方式のAFでは、被写体を照射している太陽光や人工
照明等の、いわゆる背景光成分をカメラの投射する信号
光成分と分離する技術が必要となる。
【0005】図7(a)は、従来の測距回路の信号分離
ブロック図である。同図に於いて、この測距回路は、端
子1に図示されない光電変換素子が取付けられ、受光面
に入射した光に依存した電流信号が流し込まれる。する
と、被写体に対し、赤外信号を投射する発光ダイオード
(IRED)(図示せず)の発光に先立って、背景光成
分をトランジスタ2を介してGND(グラウンド)に流
出させる。
【0006】このように、図示されないIREDが発光
した瞬間に、上記トランジスタ2が背景光のみを捨て、
それ以外の信号光がプリアンプ3とトランジスタ4に入
力されるように構成されている。尚、トランジスタ4
は、電流源5によりバイアス点が決定されるようになっ
ている。
【0007】いま、IRED発光に先立って、信号光成
分がプリアンプ3側に流れ込もうとすると、トランジス
タ4にて増幅された後、トランジスタ6及び7から成る
カレントミラー回路を介して、IA となって圧縮ダイオ
ード8に流れ込もうとする。
【0008】しかしながら、圧縮ダイオード8のアノー
ド電圧は、ホールドアンプ9によってモニタされてお
り、常にダイオード10のアノード電圧と比較されてい
る。このダイオード10は、電流源11の電流IB1にて
バイアスされている。したがって、このIB1と同じ電流
B2を流す電流源12が、上記圧縮ダイオード8に接続
されているときにIA が流れ込むと、ホールドアンプ9
の+(プラス)側入力は電位上昇し、結果としてトラン
ジスタ2のベースの電圧を上昇させる。このトランジス
タ2のベース電位は、IA が0となったところで固定さ
れる。
【0009】このような帰還作用によって、背景光によ
る光電流は、プリアンプ3及びトランジスタ4にて増幅
されることなく、GNDに捨てられる。しかしながら、
IREDが発光した瞬間に、電流源12をオフ、ホール
ドアンプ9をオフさせると、背景光が変化しなければコ
ンデンサ13に蓄えられた電荷によって、トランジスタ
2のベース電位は固定される。そして、信号成分のみが
増幅されて、圧縮ダイオード8に流し込まれる。
【0010】図7(b)は、上記回路ブロックの動作を
説明するためのタイミングチャートである。背景光Ip
が変化しないとき、圧縮ダイオード8に流れる電流ID
の変化は、IRED発光の前後ではバイアス電流IB2
等しく、IRED発光時は信号光ip をトランジスタ4
で増幅した電流βip に等しくなる。
【0011】しかしながら、このような従来の信号光分
離方法をとる場合、被写体が動いているとき等、背景光
p が変化した場合、その変化量ΔIp が増幅されてI
A となって信号電流と混ざるため、誤測距となる。特
に、被写体が遠距離で、信号光ip が少なくなると、こ
のβ・ΔIp による誤差が増大する(図7(c)参
照)。更に、被写体が移動している場合等は、カメラ光
源からの位置が変化することから、輝度変化が起こりや
すくなる。
【0012】例えば、特開昭62−2327571号に
開示されるような、時間をずらして測距した複数回の測
距結果に従って被写体の速度を求め、それによってリレ
ースタイムラグ中に生じる被写体移動に焦点ずれを防ぐ
技術等が知られている。しかし、こうした技術に於いて
は、測距回数の増加や、被写体が動くことによる輝度変
化が起こりやすくなるため、β・ΔIp による誤差が無
視できなくなる。次に、図8を参照して、従来の動体測
距機能付のカメラについて説明する。
【0013】図8(a)は、シャッタを押した瞬間の被
写体とカメラの関係を示している。しかしながら、実際
には被写体が速度vで動いているため、ピント合わせレ
ンズの繰出し時間等のタイムラグを経て、露光が開始す
るタイミングt1 の時点(図8(b))に於いては、同
図(a)のタイミングで求めた被写体距離l0 と、実際
の被写体距離l1 の間にv×t1 だけの誤差が生じてし
まう。そこで、同図(a)の状態の直後に、もう1度測
距を行い、その結果とl0 との差より被写体の速度vを
求めておき、v×t1 分だけl0 に対し補正を行えばよ
い。
【0014】図9に、被写体距離を求める回路を示す。
同図に於いて、14は赤外線発光ダイオード(IRE
D)であり、投光レンズ15を介して被写体16に対し
て測距用光を投射する。被写体16からの反射信号光
は、受光レンズ17を介し、光位置検出素子(PSD)
18に入射する。ここで、受光レンズ17の焦点距離を
f、投受光レンズの主点間距離を基線長S、被写体距離
を1とするとき、この反射信号位置xは、数1の関係式
で表され、被写体距離1の関数となる。
【0015】
【数1】
【0016】図9に示されるように、PSD18の端部
と、受光レンズ17の光軸との間の距離をaとすると、
PSD18の2つの出力信号i1 、i2 は、それぞれ数
2及び数3の関係式で表される。
【0017】
【数2】
【0018】
【数3】 ここで、tはPSD18の長さ、ip0は、総信号光電流
である。
【0019】したがって、背景光成分を図7(a)のよ
うな回路で除去した後、プリアンプ19、20で各信号
光のみを増幅し、圧縮回路21、22で対数圧縮した
後、差動回路23に入力することにより、i1 、i2
比の演算がなされ、数1の関係式のxを求めることがで
きる。また、この結果を、A/D変換して読込み、被写
体距離lを算出するのがCPU24である。次に、圧縮
回路21、22及び差動回路23から成る回路のブロッ
ク25の動作を、図10を参照して説明する。
【0020】同図に於いて、圧縮ダイオード26、27
は、図7(a)の圧縮ダイオード8に相当する部分であ
る。したがって、すでに説明したように、ここにIRE
D発光の瞬間、PSDの出力信号電流i1 、i2 を増幅
してβ倍した電流が流れ込む。圧縮ダイオード27、2
6に生じる電圧V1 、V2 は、数4及び数5の関係式の
如く表される。
【0021】
【数4】
【0022】
【数5】
【0023】次に、バッファ28、29は、この電圧を
トランジスタ30、31のベースに入力するためのもの
である。トランジスタ30、31は、互いにエミッタが
接続され、更に電流源32に接続されている。したがっ
て、トランジスタ30、31に流れる電流をIA 、IB
とすると、抵抗33に流れる電流IB は、以下のように
して求められる。先ず、数6及び数7の関係式から、数
8の関係式が求められる。
【0024】
【数6】
【0025】
【数7】
【0026】
【数8】 したがって、数9及び数10の関係式が成立し、更に数
11の関係式が成立する。
【0027】
【数9】
【0028】
【数10】
【0029】
【数11】 よって、IB は数12の関係式の如く求められる。
【0030】
【数12】 また、上記数2及び数3の関係式より、数12の関係式
は、数13の関係式の如く表される。
【0031】
【数13】 したがって、IB を抵抗33によって変換した電圧V
OUT から、被写体距離lを算出することができる。つま
り、数13の関係式より、数14、数15及び数16の
関係式が成立する。
【0032】
【数14】
【0033】
【数15】
【0034】
【数16】 故に、i1 に背景光変動分ΔIp の誤差成分が重畳され
ると、数17の関係式で表される状態が起こり得る。
【0035】
【数17】 つまり、このとき1<0となる。また、数18の関係式
で表される状態が起こると、1=∞となる。
【0036】
【数18】 したがって、ΔIp の重畳状態によって得られた測距結
果は、∞からマイナス値まで、現実には起こり得ないよ
うな値をとり得る。
【0037】このように、図9のような構成の赤外投光
の三角測距方式による速度検出装置は、被写体の反射率
の影響を受けにくいというメリットはあるものの、背景
光量が多い高輝度下の環境では、誤動作を引き起こしや
すいという大きなデメリットがある。特に、比演算の回
路を速度検出に利用すると、被写体が動いているので輝
度変化が起こりやすく、上記誤動作をひき起こしやすく
なるので問題があった。この発明は上記課題に鑑みてな
されたもので、被写体移動による定常光の変化に応じて
適切な動体予測を行うことができるカメラを提供するこ
とを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、被
写体に向けて光束を投光する投光手段と、上記被写体か
らの上記光束の反射光を受光する受光手段と、上記受光
手段の出力に基づいて、被写体までの距離情報を求める
測距手段と、上記投光手段を用いて上記被写体に向けて
複数回の投光を行うことにより、動体予測を行う動体予
測手段と、上記被写体の輝度を検出する測光手段と、上
記測光手段の出力に応じて上記動体予測手段の制御を行
う制御手段と、を具備し、上記制御手段は、上記測光手
段により検出された被写体の輝度が所定輝度よりも低い
場合には、上記動体予測手段の動作を行わせ、上記測光
手段により検出された被写体の輝度が所定輝度よりも高
い場合には、上記動体予測手段の動作を禁止することを
特徴とする。
【0039】
【0040】
【作用】この発明のカメラにあっては、投光手段により
被写体に向けて光束が投光され、上記被写体からの上記
光束の反射光が受光手段により受光され、上記受光手段
の出力に基づいて、被写体までの距離情報が測距手段に
より求められ、上記投光手段を用いて上記被写体に向け
て複数回の投光が行われることで、動体予測手段により
動体予測が行われる。また、測光手段により上記被写体
の輝度が検出され、上記測光手段の出力に応じて制御手
段により上記動体予測手段の制御が行われる。上記制御
手段は、上記測光手段により検出された被写体の輝度が
所定輝度よりも低い場合には、上記動体予測手段の動作
を行わせ、上記測光手段により検出された被写体の輝度
が所定輝度よりも高い場合には、上記動体予測手段の動
作を禁止する。
【0041】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例を説
明する。先ず、この発明の実施例に於ける概要を説明す
る。 すなわちこの発明は、被写体に向けて光束を投光す
る投光手段と、上記光束の上記被写体からの反射光を受
光し、入射位置と入射光量に依存する2つの光電変換信
号を出力する受光手段と、上記2つの光電変換信号の加
算値を演算する加算手段と、上記2つの光電変換信号の
比を演算する比演算手段と、被写体輝度を検出する測光
手段と、この測光手段によって検出された被写体輝度と
所定輝度とを比較する比較手段と、この比較手段によっ
て上記被写体輝度が所定輝度より高いことが判明した場
合には、上記加算手段の出力に基いて上記被写体の移動
速度に関連する値を求め、一方、被写体輝度が所定輝度
より低いことが判明した場合には上記比演算手段の出力
に基いて上記被写体の移動速度に関連する値を求める移
動速度演算手段とを具備することを特徴とする。 またこ
の発明は、被写体に向けて光束を投光する投光手段と、
上記光束の上記被写体からの反射光を受光し、光電変換
信号を出力する受光手段と、異なる時刻に於ける上記受
光手段の出力に基いて、上記被写体の移動速度に関連す
る値を求める移動速度検出手段と、この移動速度検出手
段による上記移動速度に関連した値を用いて露光時の被
写体位置を予測する予測手段と、上記被写体の輝度を検
出する測光手段と、上記測光手段によって被写体が高輝
度であることを検出した場合には上記予測手段による予
測動作を禁止する禁止手段とを具備することを特徴とす
る。 この発明のカメラにあっては、投光手段から被写体
に向けて光束が投光されて、上記被写体からの反射光が
受光手段で受光されると、入射位置と入射光量に依存す
る2つの光電変換信号が出力される。これら2つの光電
変換信号は、その加算値が加算手段で演算されると共
に、その比が比演算手段にて演算される。一方、測光手
段で被写体輝度が検出され、この検出された被写体輝度
と所定輝度は、比較手段にて比較される。そして、この
比較手段によって上記被写体輝度が所定輝度より高いこ
とが判明した場合には、移動速度演算手段に於いて、上
記加算手 段の出力に基いて上記被写体の移動速度に関連
する値が求められる。一方、被写体輝度が所定輝度より
低いことが判明した場合には、上記比演算手段の出力に
基いて上記被写体の移動速度に関連する値が、移動速度
演算手段にて求められる。
【0042】図1は、この発明の第1の実施例に従った
カメラの概念を示すブロック図である。尚、以下の説明
に於いて、上述した構成要素と同じ部分には同一の参照
番号を付してその説明は省略するものとする。
【0043】図1に於いて、IRED14、投光レンズ
15、受光レンズ17、PSD18、プリアンプ19、
20は、すでに図9で説明したものと同じ動作をし、比
演算回路34も、図9のブロック25に相当するもので
ある。和演算回路35は、プリアンプ19及び20の出
力βi1 及びβi2 を加算する回路である。この和演算
回路35回路の出力は、数19の関係式により求められ
る。
【0044】
【数19】 このip0は、被写体の反射率をrとし、比例定数をkと
すると、数20の関係式で表されるように、被写体距離
の関数となる。
【0045】
【数20】 また、数20の関係式より、数21及び数22の関係式
が成立する。
【0046】
【数21】
【0047】
【数22】
【0048】この加算回路の出力より、被写体の反射率
を一定として求めた距離lは、∞の距離は出し得るもの
の、マイナス値のような現実には起こり得ない値にはな
らないというメリットがある。また、仮に、ip0が背景
光変化により半減したとしても、平方根演算により、l
には数23の関係式で表される値しか効かないというメ
リットがある。
【0049】
【数23】
【0050】これらのメリットに基いて、被写体の輝度
をモニタするための測光回路36の出力が所定輝度より
高い場合は、切換回路37によってスイッチ38、39
を介し比演算による測距を、和演算による測距に切換え
て速度検出回路40に入力しようとする。
【0051】また、更に高輝度になった場合、切換回路
37は、CPU41に対して、速度検出動作そのものを
禁止するような信号を出力する。高輝度下に於いては、
輝度が十分大きいため、特に距離補正を行わなくともカ
メラの撮影レンズの絞りを絞って、被写界深度を大きく
する等のピント救済をとればよい。
【0052】また、上記CPU41は、IRED14を
駆動するためのドライバ42を介してIRED14を発
光させる。更に、速度検出回路40の出力結果と比演算
回路34の測距結果から、カメラのピント合わせレンズ
の繰出し位置を算出し、ピント合わせ装置43を制御す
る等の働きをする他、以上説明した測距、速度演算のシ
ーケンスを司っている。図2は、図1のように構成され
た、動体を撮影できるカメラのシーケンスを示すフロー
チャートである。
【0053】いま、図示されないカメラのレリ−ズ釦が
押されると、先ずステップS1にて、CPU41がドラ
イバ42を介してIRED14を発光させると共に、比
演算回路34の出力結果をA/D変換して読込み、上述
した図8(a)の状態での被写体距離l0 を入力する。
次に、ステップS2で測光回路36の出力Bvを入力
し、更にステップS3の輝度による速度検出法の選択に
進む。
【0054】このステップS3にて、測光回路36の出
力Bvが、所定の輝度値Bv0 より高ければステップS
4に進む。それ以外の場合は、ステップS5進んで、比
演算回路34を用いて速度検出を行う(スイッチ38オ
ン)。
【0055】上記ステップS4では、再び測光回路36
の出力Bvを、Bv0 より高い所定の輝度値Bv1 と比
較する。BvがBv1 以下の場合はスイッチ39をオン
にして、ステップS6に進む。ここで、速度検出回路4
0を用いて和演算測距による速度検出を行う。一方、ス
テップS4に於いて、BvがBv1 を越える場合は、ス
テップS7に進んで速度検出回路40をオフ、スイッチ
38及び39をオフにする。そして、CPU41は、速
度v=0としてステップS8に進む(動体検出禁止)。
【0056】このステップS8では、動体測距の距離補
正を行う。これは、図8(b)で説明したように、ステ
ップS1で求めたl0 から、シャッタタイムラグt
1 に、ステップS5またはステップS6、S7で求めた
被写体の速度vを掛けたものを引いた結果を、ピント合
わせ距離lとするステップである。したがって、ステッ
9では、このlに対してCPU41がピント合わせ
を行う。次いで、ステップS10でシャッタを開いて露
光を行い、撮影を終了する。次に、この発明の第2の実
施例について説明する。
【0057】図3は、この発明の第2の実施例を示す回
路図である。同図に於いて、プリアンプ部44a及び4
4bは、図7に示された回路を構成しており、それぞれ
の構成要素の同一の部分には、参照番号にaまたはbを
付して表すものとして、説明を省略する。
【0058】プリアンプ部44aは、上述したものと同
じPSD18の一方の出力信号を端子1aで入力し、背
景光電流除去及び信号増幅を行う。ここで増幅された信
号電流は、圧縮ダイオード8aにてVref 基準で圧縮さ
れる。また、プリアンプ部44bは、入力端子を1bと
して、上記プリアンプ部44aと同じ構成をとり、PS
D18の他方の出力信号の信号電流を増幅し、圧縮する
ものである。
【0059】これらプリアンプ部44a、44bの圧縮
電圧は、バッファ19、20を経て、図10の回路の構
成要素に相当する伸張回路部45及び圧縮ダイオード8
aとカレントミラーを成すトランジスタ46のベースに
入力される。上記伸張回路部45は、トランジスタ4
7、48及び電流源49より構成されている。
【0060】この伸張回路部45のトランジスタ48の
コレクタ電流IB は、数12の関係式で説明したとおり
である。したがって、IRED発光に同期して、スイッ
チ50をオフのまま、スイッチ51をオンにすれば、カ
レントミラー回路を成すPNPトランジスタ52、53
によって、電流IB は折り返され、積分コンデンサ54
を放電させる方向に電流が流れる。
【0061】一方、スイッチ51がオフ、スイッチ50
がオンした場合には、IB は積分コンデンサ54を充電
する方向で流れる。これらの切換により、比演算の測
距、または速度検出が可能となる。尚、上記スイッチ5
0、51は、スイッチ制御回路55により制御される。
次に、和演算回路について説明する。
【0062】この回路は、圧縮ダイオードとカレントミ
ラーを構成するNPNトランジスタ46、56によっ
て、各々のコレクタ電流に信号電流と同じ電流が流れる
ことを利用している。上記トランジスタ46、56は、
互いにコレクタが接続され、更にスイッチ57、58に
接続されている。ここで、IRED発光に同期して、ス
イッチ57をオン、スイッチ58をオフにすると、カレ
ントミラー回路を構成するPNPトランジスタ59、6
0の両コレクタ電流に、数19の関係式で説明した総信
号電流をβ倍した電流が流れる。トランジスタ60のコ
レクタは、やはり積分コンデンサ54に接続されている
ので、このとき、この電流にて、積分コンデンサ54は
放電される。
【0063】一方、スイッチ57をオフで、IRED発
光に同期してスイッチ58をオンにすると、積分コンデ
ンサ54が充電される方向で、数19の関係式のβip0
が流れる。
【0064】したがって、スイッチ制御回路55が、I
RED発光に同期してスイッチ50、51、57、58
の何れかをオンさせることにより、積分コンデンサ54
に流れる電流が、比演算測距結果、和演算測距結果と切
換えられ、電流の流れる方向も制御することができる。
【0065】この積分コンデンサ54は、オペアンプ6
1と、出力がオープン状態に切換えられるバッファ62
で構成されるリセット回路で、所定電圧に初期化するこ
とができる。また、積分コンデンサ54の出力電圧は、
CPU63内のA/D変換回路64にて、A/D変換さ
れた後、演算判定回路65に入力される。
【0066】尚、CPU63は、同実施例の基本シーケ
ンスの制御、演算、判定等を司るものであり、上述した
ようなスイッチ制御回路55、A/D変換回路64、演
算判定回路65及びシーケンス制御回路66を具備して
いる。また、上記CPU63は、オペアンプ9a、9b
やバイアス電流源12a、12b等の制御や、IRED
制御回路67、絞り制御回路68及びピント制御回路6
9の制御も司っている。
【0067】上記A/D変換回路64には、被写体の明
るさを測定してカメラの露出を決定する測光回路36が
接続されており、その出力結果によって何れの測距方式
によって速度を検出するかを決定する。また、測光結果
が例えば、Bv10以上の高輝度の場合には、比演算、
和演算のどちらの測距方式も精度が劣化するため、むし
ろ、速度検出動作を禁止した方が誤動作もなく安全と考
えられる。したがって、演算判定回路65は、シーケン
ス制御部66を介して、速度検出動作そのものを禁止し
てしまうようにする。
【0068】この場合、被写体のピントは、実際の露光
開始等と、最初の測距等の間でずれを生じるが、例えば
絞り制御回路68を介して、カメラテーキングレンズの
絞りを絞って被写界深度を深くすれば、高輝度下である
ため、有効な結果が得られる。また、ピント制御回路6
9を、被写体速度にかかわらず所定量だけ補正して制御
してもよい。次に、図4乃至図6のタイミングチャート
を参照して、上記シーケンス制御回路66の動作を説明
する。
【0069】先ず、図4は、図2のフローチャートに於
けるステップS3からステップS5に進む場合に相当す
るもので、図3の回路の動作を説明するタイミングチャ
ートの例を示したものである。このとき、和演算の結果
は用いないので、スイッチ57、58はオンしない。そ
して、上述したようにIREDに同期して、スイッチ5
0、51のみがオン、オフを繰返す。
【0070】tim1に於いて、先ず積分コンデンサ5
4の両端電圧の初期化(リセット)が行われ、IRED
が発光される。同時に、スイッチ50がオンして比演算
の測距結果が積分コンデンサ54に積分される。そし
て、A/D変換回路64で積分結果INTCが読込ま
れ、CPU63によって被写体距離l0 が演算される。
【0071】次に、tim2では、IREDの連続パル
ス発光がなされ、それに同期してスイッチ51がオンさ
れるので、積分コンデンサ54が放電され、積分結果I
NTCが上昇される。
【0072】次いで、tim3では、上記tim2と同
じ回数IREDが発光され、それに同期して、今度はス
イッチ50がオン、オフを繰返すので、積分コンデンサ
54は充電され、積分結果INTCは降下される。この
間、被写体距離が変化していると、比演算結果が変化し
ているため、積分開始電圧とは異なる時点で積分が終了
する。つまり、ここでA/D変換され、CPU63に入
力されたINTCは、距離と被写体速度の関数となって
いるため、すでに求められたl0 と、この結果より被写
体速度が求められ、図2のフローチャートに於けるステ
ップS8の演算により、露光開始等の距離lを算出する
ことができる。
【0073】ここで、tim2、tim3にてIRED
を何回も発光させたのは、速度の分解能を上げるためで
ある。したがって、最低ではtim2、tim3共に、
1回の発光でよい。こうして得られたlにより、続くt
im4にてピント合わせ用レンズの制御及び露光が行わ
れる。図5は、図2のフローチャートに於けるステップ
S4からステップS6に進む場合の例を示すタイミング
チャートである。
【0074】ここでは、最初の測距でl0 を求めるとき
のみ、被写体の反射率に依存しない比演算測距が行われ
る。したがって、このときのみスイッチ50がIRED
に同期してオンする。そして、上述した理由により、高
輝度下の測距精度は、比演算による測距より和演算の測
距の方が背景光変化の影響を受けにくいので、このとき
スイッチ57、58がIREDに同期されてオン、オフ
され、積分が行われる。この場合、積分結果INTC
は、被写体が停止しているとき以外はリセット電圧には
戻らず、速度に依存された結果が出力されるので、l0
とこの結果により、ピント合わせ距離lが、決定され
る。
【0075】この和演算の測距は、被写体の反射率の影
響は受けやすいものの、距離の二乗に反比例して変化す
る。したがって、被写体距離の変化に対しては、大変敏
感な結果を出力するので有効な動体検出手段となる。こ
のとき、被写体の反射率は、標準の反射率18%を想定
して考えればよい。
【0076】更に、図6は、図2のフローチャートに於
けるステップS4からステップS7に進んだ例を示すタ
イミングチャートである。このとき、繰返し測距を行わ
れ、その結果に従って被写体速度vが演算され、更にタ
イムラグt1 が乗算されて距離補正が行われるような複
雑な制御が行われると、誤差が増幅され、誤動作を引き
起こす可能性がある。
【0077】したがって、図6のタイミングチャートで
は、図4及び図5に示されたtim2、tim3にて行
われた積分方向を切換えての速度検出積分動作そのもの
は行われず、tim4として説明されたピント合わせ制
御露光動作がすぐに行われるようになっている。
【0078】このとき、撮影レンズの絞りを絞りぎみに
したり、一定の補正量の補正としてピント制御を行う等
の動作をすることにより、動体に対応するようにすれば
有効である。尚、上述した実施例では、受光素子をPS
Dとしたが、これに限られるものではなく、例えば2分
割受光素子(SPD)を用いてもよいものである。
【0079】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、被写体
移動による定常光の変化に応じて、適切な動体予測を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に従ったカメラの概念
を示すブロック図である。
【図2】図1の動体を撮影できるカメラのシーケンスを
示すフローチャートである。
【図3】この発明の第2の実施例を示す回路図である。
【図4】図3の回路の動作の一例を説明するタイミング
チャートであり、図2のフローチャートに於けるステッ
プS3からステップS5に進む場合に相当するものであ
る。
【図5】図3の回路の動作の他の例を説明するタイミン
グチャートであり、図2のフローチャートに於けるステ
ップS4からステップS6に進む場合に相当するもので
ある。
【図6】図3の回路の動作の更に他の例を説明するタイ
ミングチャートであり、図2のフローチャートに於ける
ステップS4からステップS7に進む場合に相当するも
のである。
【図7】(a)は従来の測距回路の信号分離ブロック
図、(b)は同図(a)の回路ブロックの動作を説明す
るためのタイミングチャート、(c)は被写体が動いて
いる場合の背景光が変化した例を示したタイミングチャ
ートである。
【図8】(a)はシャッタを押した瞬間の被写体とカメ
ラの関係を示した図、(b)は同図(a)のタイミング
で求めた被写体距離と実際の被写体距離の間に誤差が生
じたときの関係を示した図である。
【図9】従来の赤外投光の三角測距方式による速度検出
装置を示した図である。
【図10】図9の圧縮回路及び差動回路から成る回路ブ
ロックの詳細を示した図である。
【符号の説明】 14…赤外線発光ダイオード(IRED)、15…投光
レンズ、16…被写体、17…受光レンズ、18…光位
置検出素子(PSD)、19、20…プリアンプ、34
…比演算回路、35…和演算回路、36…測光回路、3
7…切換回路、38、39…スイッチ、40…速度検出
回路、41、63…CPU、42…ドライバ、43…ピ
ント合わせ装置、44a、44b…プリアンプ部、45
…伸張回路部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−813(JP,A) 特開 昭56−116018(JP,A) 特開 昭61−193014(JP,A) 特開 昭60−68307(JP,A) 特開 昭63−172214(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体に向けて光束を投光する投光手段
    と、 上記被写体からの上記光束の反射光を受光する受光手段
    と、 上記受光手段の出力に基づいて、 被写体までの距離情報
    を求める測距手段と、上記投光手段を用いて 上記被写体に向けて複数回の投光
    を行うことにより動体予測を行う動体予測手段と、 上記被写体の輝度を検出する測光手段と、 上記測光手段の出力に応じて上記動体予測手段の制御を
    行う制御手段と、を具備し、 上記制御手段は、上記測光手段により検出された被写体
    の輝度が所定輝度よりも低い場合には、上記動体予測手
    段の動作を行わせ、上記測光手段により検出された被写
    体の輝度が所定輝度よりも高い場合には、上記動体予測
    手段の動作を禁止することを特徴とするカメラ。
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