JP3121040B2 - 測距装置 - Google Patents

測距装置

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JP3121040B2
JP3121040B2 JP03135139A JP13513991A JP3121040B2 JP 3121040 B2 JP3121040 B2 JP 3121040B2 JP 03135139 A JP03135139 A JP 03135139A JP 13513991 A JP13513991 A JP 13513991A JP 3121040 B2 JP3121040 B2 JP 3121040B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は測距装置に関し、
特に反射光量検出によるアクティブオートフォーカス装
置が適用されたカメラの測距装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチルカメラやビデオカメラ等に適用さ
れるオートフォーカス(以下、AFと略記する)装置に
は、大きく分けて2つの方式がある。1つは被写体の輝
度分布情報を利用するパッシブ方式、他の1つは自ら投
光手段を有し、その投光信号の反射光によって距離を測
定するいわゆるアクティブ方式である。
【0003】アクティブ方式は、構成が簡単で廉価であ
るため普及率は高い。しかしながら、最大の欠点は、反
射光の大きさが被写体距離が遠くなるにつれて小さくな
り、S/N比の劣化からAF演算が不正確になる。した
がって、測距可能なレンジが比較的近距離に限定されて
しまう。特に、反射光が全く返ってこない風景など、無
限遠の被写体に対しては、回路内のノイズ成分のみによ
ってAF演算が行われることとなるが、ノイズは乱数的
に発生するため、遠距離ほど誤測距を起こす可能性が高
かった。
【0004】そこで従来、被写体の反射率に左右されや
すいものの、比較的遠距離まで判別が可能な、受光手段
へ入射する全反射光の強度を信号として、ある基準電圧
と比較して無限遠の判定を行うような手段が提案されて
いる(特開昭59−228212号公報、特開昭60−
244807号公報等参照)。
【0005】そこで本出願人は、投光を何度も繰返し行
い、その度に信号の積分を行いながら上記ノイズを相殺
し、信号光量を検出する高精度なアクティブ式AFを実
現する旨の出願を、特願平2−157115号(特開平
4−048209号公報)に於いてすでに行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、積分に
よるノイズ相殺効果は、1回の積分に微少なオフセット
ノイズが重畳してくる場合、その影響は、積分されるこ
とにより大きくなってしまう。
【0007】特に、従来の定常光除去回路では、ホール
ド用のコンデンサを用いたサンプルホールド回路によっ
て信号光以外の成分を除去し、信号成分のみを取出そう
とすると、ホールド用のコンデンサが、より厳密には並
列接続されたコンデンサのような等価回路をとるため
に、微少な誤差を生ずる。
【0008】従来の測距装置を説明すると、例えば受光
素子が接続される信号光電流の増幅を行うプリアンプの
入力側には、ホールド用のコンデンサ、ホールド用のオ
ペアンプ、トランジスタ、抵抗等から成る定常光除去回
路が接続されている。このプリアンプの出力は、ホール
ド用オペアンプの反転入力端子にフィードバックされ
る。また、上記オペアンプの非反転入力端子には、第1
のダイオードと第1の定電流源が接続されており、この
オペアンプは、その非反転入力端子に接続されたダイオ
ードを定電流源でバイアスしたレベルと、上記プリアン
プの出力のレベルを比較している。
【0009】ところが、上記プリアンプの出力端子に
は、第2のダイオードと第2の定電流源が接続されてお
り、それぞれ上記第1のダイオード、及び第1の定電流
源とは、同一の構成をとっているため、プリアンプが増
幅信号を出力しようとすると、+(正)、−(負)の入
力にアンバラスが生じる。このためフィードバックがか
かり、オペアンプの出力はホールド用トランジスタのベ
ース電位を制御する。このオペアンプは、信号用光が投
光されていない状態で作動しているため、プリアンプが
定常光電流を入力し、増幅結果を出力しようとすると、
上記フィードバックがかかってホールドトランジスタ及
び抵抗を介して、定常光電流がグラウンド(GND)に
放出される。
【0010】つまり、非投光状態では、プリアンプから
出力がない状態でこの回路は安定し、定常光のレベルに
応じてホールド用オペアンプの出力が制御されている。
測距用光が投光されると、ホールドアンプはバイアスカ
ット信号を受けて、機能を停止する。
【0011】しかし、ホールド用コンデンサによって、
ホールド用トランジスタのベースは固定されているの
で、定常光電流成分は上記トランジスタのコレクタ電流
として除去され、信号光電流のみがプリアンプで増幅さ
れ、第2のダイオードに流入する。このとき、第2の定
電流源はオフし、バイアスカット信号の反射信号によっ
て、プリアンプの出力に接続されたバッファがオンす
る。したがって、バッファの出力側の第2のダイオード
及び第2のトランジスタがカレントミラー回路を形成
し、上記第2のトランジスタに接続された積分用コンデ
ンサに信号電流が積分される。
【0012】ここで、上記ホールド用コンデンサが、ホ
ールド用抵抗を介して並列に接続されるような等価回路
をとるとき、測距用光受光中に、ホールド用トランジス
タのベース電位VHOLDが低下してゆく。つまり、第
1のホールドコンデンサに蓄えられた電荷は、第1のホ
ールド抵抗を介して次第に第2のホールドコンデンサに
流れ込み、また、その電荷が第2のホールド抵抗を介し
て第3のホールドコンデンサに流れ込み、…というプロ
セスを繰返して減少するからである。
【0013】このようなリーク現象は、大きな誘電率を
有した物質で作られたコンデンサほど大きく、回路をコ
ンパクトにまた廉価で構成しようとした場合、必ず問題
となるものであった。また、このホールドコンデンサ
は、投光が行われている間、ホールドトランジスタのベ
ース電流を供給する必要から、容量的に大きなものが必
要であった。
【0014】更に、このホールドトランジスタのベース
電流によるリークも無視できるものではなかった。
【0015】この発明は、上記課題に鑑みてなされたも
ので、定常光除去回路に於ける誤差の影響を排した、精
度の高い測距装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、測
距対象物に向けて投光する手段と、上記測距対象物から
上記投光による反射光を受光して、受光信号を出力する
受光手段と、上記受光信号から定常光信号成分を除去す
る定常光除去手段と、上記測距対象物の輝度を検出して
輝度信号を出力する測光手段と、上記輝度信号に基い
て、上記定常光除去手段に起因する測距誤差を補正する
ための補正値を出力する出力手段と、上記定常光除去手
段によって定常光成分が除去された後の受光信号と上記
補正値を用いて、上記測距対象物までの距離を演算する
距離演算手段と、を具備することを特徴とする。
【0017】
【作用】この発明の測距装置にあっては、測距対象物に
投光された光の反射光が、光電変換素子で受光されて、
光電流に変換される。そして、光電変換素子の光電流が
記憶用のコンデンサに記憶され、この記憶用コンデンサ
の記憶値を用いて、上記光電変換素子の光電流から定常
光電流が除去される。また、上記測距対象物の輝度が検
出されて輝度信号が出力され、この輝度信号を用いて、
定常光電流が除去された信号光電流の出力に対して、投
光中の記憶用コンデンサのリーク分が補正される。これ
により、補正出力を用いて上記測距対象物までの距離が
検出される。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例を説
明する。
【0019】図1はこの発明の測距装置の構成を概略的
に示すブロック図である。同図に於いて、定常光除去部
11には、受光素子12、ホールド用コンデンサ13が
接続されており、その出力は信号増幅部14に送られ
る。光量検出部15は、上記信号増幅部14の出力を受
けてCPU16に供給する一方、定常光除去部11と共
にCPU16からバイアスカットの信号を受ける。
【0020】測光部17は、受光素子18の出力より被
写体の明るさを測定するためのものである。そして、こ
の測光部17の出力結果により、CPU16は、光量検
出部15の出力に基いて、被写体(図示せず)までの距
離を補正して演算する。また、このCPU16は、投光
部19を介して赤外発光ダイオード(IRED)20を
発光させたり、上述したバイアスカット信号を出力し
て、全体のシーケンスを司るものである。
【0021】ここで、光量によって、被写体距離を算出
すると、光量をpとするとき、下記(1)式に表される
関係となる。
【0022】
【数1】
【0023】但し、P:1m、標準反射率(18%)か
らの反射光量を示す。これにより、下記(2)式が求め
られる。
【0024】
【数2】
【0025】しかしながら、上述したように、ホールド
用コンデンサ13のリークによって、上記(1)式は下
記(3)式の如くなる。
【0026】
【数3】
【0027】したがって、1/lとpとの関係は、被写
体輝度、すなわち定常光量によってシフトし、図2に示
されるような関係となる。
【0028】この発明の第1の実施例は、図1に示され
るように、測光部17の出力に従ってΔPを決定し、上
記(3)式で求められるpから、ΔPを減算した後、上
記(2)式によって被写体距離を算出しようとするもの
である。このΔPの決定は、図3に示されるように、テ
ーブル参照の形で行えばよい。
【0029】また、カメラの露出用の測光部を、この補
正用測光部と兼用させてもよい。
【0030】ここで、輝度が1EV上がると、光量は2
倍になり、ホールド用コンデンサ13の両端にかかる電
圧VHOLDも抵抗(図示せず)の電圧効果により、ほぼ2
倍になる。したがって、ΔPは、BVが1EV上がるご
とに2倍とされている。
【0031】光量検出部15内の図示されない積分コン
デンサにチャージされた光量pは、例えば、公知の二重
積分方式で読出すことにより、デジタル値に変換できる
が、ここでのΔPの単位も上記積分コンデンサの電荷に
相当するものを、同様にデジタル値に変換したものであ
る。
【0032】尚、ホールド用コンデンサ13によって
は、リークのばらつきが大きいので、ΔPを調整可能な
ように構成してもよい。
【0033】図4は、定常光除去回路を概略的に示した
回路構成図である。同図に於いて、受光素子12は、I
RED20が投射した測距信号光が被写体に当って反射
した反射信号光を受光し、光電流に変換するものであ
る。ここで、一般には、被写体からは太陽光や照明等に
よる定常光が受光素子に入射しているので、これを除去
しなければ、測距用光の大きさの正しい検出はできな
い。
【0034】また、プリアンプ21は、オペアンプ21
a、トランジスタ21b、定電流源21cにより構成さ
れるもので、信号光電流の増幅を行う。このプリアンプ
21の入力側には、ホールド用のコンデンサ13、ホー
ルド用のオペアンプ22、トランジスタ23、抵抗24
等から成る回路を接続して、定常光除去回路を構成して
いる。プリアンプ21の出力は、入力に流しこまれた電
流を増幅し、増幅した信号電流を出力側から吸込む形式
をとっている。
【0035】このプリアンプ21の出力は、オペアンプ
22の反転入力端子にフィードバックされる。上記オペ
アンプ22の非反転入力端子には、ダイオード25と定
電流源26が接続されており、オペアンプ22に於い
て、ダイオード25を定電流源26でバイアスしたレベ
ルと、プリアンプ21の出力のレベルを比較している。
【0036】上記プリアンプ21の出力端子には、ダイ
オード27と定電流源28が接続されており、ダイオー
ド27と25、及び定電流源28と26は、同一の構成
をとっているため、プリアンプ21が増幅信号を出力し
ようとすると、+(正)、−(負)の入力にアンバラス
が生じる。このためフィードバックがかかり、オペアン
プ22の出力はトランジスタ23のベース電位を制御す
る。このホールドアンプ22は、信号用光が投光されて
いない状態で作動しているため、プリアンプ21が定常
光電流を入力し、増幅結果を出力しようとすると、上記
フィードバックがかかってトランジスタ23及び抵抗2
4を介して、定常光電流がグラウンド(GND)に放出
される。
【0037】つまり、非投光状態では、プリアンプ21
から出力がない状態でこの回路は安定し、定常光のレベ
ルに応じてホールドアンプ22の出力が制御されてい
る。測距用光が投光されると、ホールドアンプ22はバ
イアスカット信号を受けて、機能を停止する。
【0038】ところで、ホールド用コンデンサ13によ
って、ホールド用トランジスタ23のベースは固定され
ているので、定常光電流成分はトランジスタ23のコレ
クタ電流として除去され、信号光電流のみがプリアンプ
21で増幅され、ダイオード27に流入する。このと
き、定電流源28はオフし、インバータ29を介したバ
イアスカット信号の反射信号によって、バッファ30が
オンする。したがって、ダイオード27及びトランジス
タ31がカレントミラー回路を形成し、積分用コンデン
サ32に信号電流が積分される。
【0039】ここで、ホールド用コンデンサ13が、図
5に示されるような等価回路をとる、測距用光受光中
に、トランジスタ23のベース電位VHOLDが低下してゆ
く。つまり、コンデンサ131に蓄えられた電荷は、抵
抗241を介して次第にコンデンサ132に流れ込み、
また、その電荷が抵抗242を介してコンデンサ132
に流れ込み、…というプロセスを繰返して減少するから
である。
【0040】次に、図6のフローチャートを参照して、
この実施例の動作を説明する。
【0041】初めに、ファーストレリーズ若しくはセカ
ンドレリーズスイッチの操作により、測距動作が開始さ
れると、ステップS1に於いて、CPU16から投光部
19に投光命令が出力され、IRED20から被写体
(図示せず)に向けて投光が行われる。また、CPU1
6は、オペアンプ22、定電流源28を不作動とし、プ
リアンプ21を作動状態とする。これによって、バイア
スカットを行うために、トランジスタ23に流れていた
定常光電流はバイアスカットを行う前の、すなわちIR
ED20が投光する前の定常光を記憶することになる。
これ以後、受光素子12が光電変換した光電流が変化し
た分は、信号増幅部14としてのプリアンプ21内のオ
ペアンプ21aに流れ込むことになる。
【0042】次に、ステップS2に於いて、光量検出部
15の積分コンデンサ32から積分値を光量pとして、
出力端(トランジスタ31及び積分コンデンサ32の接
続点)より読出され、これが記憶される。
【0043】次いで、ステップS3にて、測光部17か
ら受光素子18に基いて輝度値が読出され、これが輝度
値(Bv)として記憶される。そして、ステップ4に
て、上記Bv値に基いて、図3に示されたテーブルよ
り、補正値ΔPが読出される。
【0044】そして、ステップS5に於いて、上記定常
光記憶用のコンデンサ13のリーク電流による補正演
算、すなわち下記(4)式の演算が行われる。
【0045】
【数4】
【0046】この演算によって求められた1/lの逆数
が求められることにより、ステップS6にて、距離lが
算出される。
【0047】次に、図6を参照して、この発明の第2の
実施例を説明する。
【0048】図6は、この発明の測距装置の回路構成を
示すもので、プリアンプ21に接続されたダイオード2
7以降の積分回路は省略してあるが、上述した図4と同
様の回路に、後述するバッファ33、34、35、36
及びアンプ44等を追加した回路構成である。そして、
上述した第1の実施例のように、測光部17を必要とせ
ず、リーク電流を検出し、そのリークによって増加した
誤差信号をアナログ的に補正しようとするものである。
【0049】図7に於いて、33及び35、34及び3
6は、それぞれ特性を等しく設計されたバッファで、作
動状態ではホールドコンデンサ13の両端の電圧と同じ
電圧が、トランジスタ37、38のベースに供給され
る。
【0050】トランジスタ37、38及び抵抗39、4
0は、ホールド回路のトランジスタ23及び抵抗24と
同じ特性のもので、コレクタ電流として、定常光電流と
同じ電流が流れる。つまり、カレントミラー回路41、
42によって、トランジスタ38のコレクタ電流はトラ
ンジスタ37のコレクタ電流に打ち消される。
【0051】また、比較用のコンデンサ43は、バッフ
ァ36が高入力インピーダンスであり、ホールドコンデ
ンサ13のようにトランジスタ23のベース電流を供給
する必要がないので、容量が小さいものでよい。したが
って、スペース的にもコスト的にも、比較的高性能のも
のを使用することが可能である。図示されないIRED
の発光と同期して、バッファ35がオフすると、比較用
コンデンサ43は、IRED発光直前のホールドコンデ
ンサ13の両端の電圧を記憶する。
【0052】したがって、トランジスタ38のコレクタ
電流は、定常光と同じ電流量である。一方、トランジス
タ37のコレクタ電流は、上述したホールドコンデンサ
13のリークに従って減少する。
【0053】つまり、これらトランジスタ37及び38
のコレクタ電流の差は、プリアンプ21と同じ増幅率の
アンプ44に流入し、カレントミラー回路45及び46
を介して、上記誤差信号を打ち消す方向に流れる。アン
プ44はIREDの発光に同期して作動するため、IR
EDが発光し、信号が積分されるたびにリーク電流によ
る誤差の補強がなされる。尚、上記アンプ44は、イン
バータ47を介したバイアスカット信号の反射信号によ
ってオンされる。
【0054】次に、定常光除去について、図7及び図8
を参照して詳細に説明する。シリコンフォトダイオード
(SPD)等で構成された受光素子16で発生した光電
流は、トランジスタ5のコレクタ電流として流れる。こ
のトランジスタ5は、図7に於いて説明したように、定
常光電流の全てを流すようにベース電位が決定され、コ
ンデンサ17に記憶される。
【0055】尚、プリアンプ21は、オペアンプ21a
と、このオペアンプ21aの入力側にベースが、出力側
にエミッタが接続されたトランジスタ21bと、このト
ランジスタ21bのコレクタに接続された定電流源21
cを有して構成される。
【0056】いま、光電流が減少した場合を考える。フ
ィードバックがかかり、トランジスタ23に定常光電流
が流れる状態に於いても、定電流源21c(この定電流
は極めて微小な電流)によって、トランジスタ21bに
コレクタ電流を流すようにトランジスタ21bのベース
電流が流れている。この状態から光電流が減少すると、
トランジスタ21bのベース電流が減少するので、定電
流源21cからの定電流の一部は、トランジスタ21b
のコレクタではなく、定電流源21cに流れる。
【0057】このため、ダイオード27のカソード(図
中a点)の電位は上昇する。このカソード電位は、オペ
アンプ22の反転入力端子に印加され、非反転入力端子
の電圧との差が出力される。この非反転入力端子に印加
される電圧は、定電流源26によって決定される電流が
ダイオード25を流れる。このダイオード25のカソー
ド電位が印加されるので、一定の電圧となる。
【0058】したがって、光電流が増加すると、オペア
ンプ22の反転入力端子は、非反転入力端子の印加電圧
より上昇するために、オペアンプ22の出力は低下す
る。このため、トランジスタ23のベース電位は低下
し、トランジスタ23のコレクタ電流は減少する。この
ため、定電流源21cの電流が定電流源28に流れ込ま
なくなるので、a点の電位が下がり、再び安定する。
【0059】一方、光電流が増加した場合を考える。光
電流が増加しても、フィードバックがかかるまでは、定
常光電流を流すトランジスタ23のコレクタ電流は増加
しない。そのため、本来トランジスタ23を流れるはず
のコレクタ電流が、トランジスタ21bのベースに流
れ、ベース電流は増加することになる。すると、トラン
ジスタ21bのコレクタにダイオード27を介して流れ
る電流が増加し、ダイオード27のカソード電位は低下
する。このカソード電位は、オペアンプ22の反転入力
端子に印加され、オペアンプ22の出力は上昇する。そ
のため、トランジスタ23のコレクタ電流は増加する。
【0060】次に、図7に示される回路の出力について
説明する。
【0061】図示されない投光部によって投光された場
合には、光電流が増加する。このとき、CPU(図示せ
ず)よりフィードバックはかからないので、投光によっ
て増加した光電流の分だけトランジスタ21bのベース
に流れ込み、このベース電流に応じたコレクタ電流が流
れる。このコレクタ電流の一部は、定電流源21cによ
って供給されるが、信号光にある程度強度があれば、そ
の大半はダイオード27を介して電源端より供給され
る。ダイオード27を介して流れる信号電流により、ダ
イオード27に電圧降下が生じ、この電圧が出力端から
出力される。
【0062】更に、トランジスタ41には、コンデンサ
13のリークを補正するための電流が流れており、この
電流はアンプ44に流れ込む。このアンプ44によっ
て、増幅された電流が発生される。この増幅された電流
は、トランジスタ45及び46から成るカレントミラー
回路によって、同じ電流がトランジスタ45にも流れ
る。
【0063】そして、このトランジスタ45に流れた補
正電流は、上述したトランジスタ21bのコレクタ電流
の一部となる。このため、ダイオード27を介して供給
される電流は、トランジスタ45からトランジスタ21
bに流れ込んだ補正電流の分だけ減少する。
【0064】つまり、補正回路を有していない場合に
は、コンデンサ13のリークによる電圧低下→トランジ
スタ23に流れる定常光電流の減少→アンプ21に流れ
る信号光電流の増加→ダイオード27を流れる電流の増
加→出力電圧の低下、となっていたものを、上述した回
路構成により次のように動作するようにしている。すな
わち、コンデンサ13のリークによる電圧低下→トラン
ジスタ23に流れる定常光電流の減少→アンプ21に流
れる信号光電流の増加→トランジスタ45を介して流れ
る補正電流の増加(ダイオード27を流れる電流は一
定)→出力電圧は一定、としている。
【0065】尚、上述した実施例では図3に示されるよ
うなテーブルにより輝度値(Bv)を求めるようにして
いるが、これに限られるものではなく、例えば適宜演算
処理を行って、適切な値を求めるようにしてもよい。
【0066】また、実際に測距を行う際、光量から求め
るものに限られずに、例えばいわゆる三角測距によるも
のであっても可能である。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、輝度と被写体距離と共に依存する測距誤差を輝度に
応じて補正しているから、精度の高い測距装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の測距装置の構成を概略的に示すブロ
ック図である。
【図2】光量と被写体距離の関係を表した図である。
【図3】輝度値(Bv)と補正値(ΔP)との関係を表
すテーブルである。
【図4】定常光除去回路及びその周辺部を概略的に示し
た回路構成図である。
【図5】図4のホールド用コンデンサの等価回路を示し
た図である。
【図6】この発明の第1の実施例の動作説明するフロー
チャートである。
【図7】この発明の第2の実施例を示す回路構成図であ
る。
【図8】図7のプリアンプ及びその周辺部を示した回路
構成図である。
【符号の説明】
11…定常光除去部、12…受光素子、13…ホールド
用コンデンサ、14…信号増幅部、15…光量検出部、
16…CPU、17…測光部、18…受光素子、19…
投光部、20…赤外発光ダイオード(IRED)、21
…プリアンプ、21a…オペアンプ、21b…トランジ
スタ、21c…定電流源、22…オペアンプ、23…ト
ランジスタ、24…抵抗、25、27…ダイオード、2
6、28…定電流源、30…バッファ、31…ホールド
用コンデンサ、32…積分コンデンサ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測距対象物に向けて投光する手段と、 上記測距対象物から上記投光による反射光を受光して、
    受光信号を出力する受光手段と、 上記受光信号から定常光信号成分を除去する定常光除去
    手段と、 上記測距対象物の輝度を検出して輝度信号を出力する測
    光手段と、 上記輝度信号に基いて、上記定常光除去手段に起因する
    測距誤差を補正するための補正値を出力する出力手段
    と、 上記定常光除去手段によって定常光成分が除去された後
    の受光信号と上記補正値を用いて、上記測距対象物まで
    の距離を演算する距離演算手段と、 を具備することを特徴とする測距装置。
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