JP3515643B2 - 核スピン断層撮影装置 - Google Patents

核スピン断層撮影装置

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JP3515643B2 JP19884695A JP19884695A JP3515643B2 JP 3515643 B2 JP3515643 B2 JP 3515643B2 JP 19884695 A JP19884695 A JP 19884695A JP 19884695 A JP19884695 A JP 19884695A JP 3515643 B2 JP3515643 B2 JP 3515643B2
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    • G01R33/48NMR imaging systems
    • G01R33/54Signal processing systems, e.g. using pulse sequences ; Generation or control of pulse sequences; Operator console
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核スピン断層撮影
装置であって、 a)フリップ角α<90°の励起パルス(RF)でスピ
ンを励起する手段と、 b)第1の方向及び当該第1の方向に対して垂直な第2
の方向の第1の各勾配パルス(GR2,Gp2)を加える手
段と、 c)前記第1の方向の第1の勾配パルス(GR2)とは逆
符号の前記第1の方向の第2の勾配パルス(GR3)の元
で核共鳴信号(S)を読み出す手段と、 d)前記第1及び第2の方向の勾配パルス(GR4
p3)によってリフェージングを行なう手段と、 e)前記第2の方向の種々異なった勾配パルスを用い、
且つ、前記フリップ角の符号を切替て、所定繰返し時間
(TR)で前記各手段a)〜d)により実行される各ス
テップを繰り返す手段とを有しており、その都度前記励
起パルス(RF)の位相位置を反転することにより、前
述のような磁化の偏向が、実質的に+α/2のフリップ
角と−α/2のフリップ角との間で移動するような定常
状態となるように構成されている核スピン断層撮影装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】その種のパルス系列は、例えば、米国特
許第4,769,603号明細書から公知であり、通
常、略語(頭字語)で ”FISP”と呼ばれている。
問題点の位置付けについて説明するために、そこに記載
されている方法を図1に示した。各部分系列は、時間領
域Iで高周波励起パルスRF1(実施例では、フリップ
角90°を有している)で開始する。高周波励起パルス
RF1は、周波数選択的であり、層選択勾配パルスGS2
の元で照射され、従って、被検対象の選択された層だけ
が励起される。時間領域IIでは、勾配GR2によって、核
磁化のディフェージングが読み出し方向で行なわれる。
更に、時間領域IIでは、位相エンコード勾配パルスGP2
並びに層選択勾配パルスGS2とは反対方向の勾配パルス
S3が加えられる。この勾配パルスGS3によって、層選
択勾配パルスGS2によって生じるディフェージングが再
び補償される。
【0003】時間領域IIIでは、読み出し勾配パルスG
R3が加えられ、従って、核スピンのリフェージングが達
成され、その結果、核共鳴信号S1が形成される。この
核共鳴信号S1は、走査されて、通常のやり方で画像の
形成のために使用される。
【0004】時間領域IVでは、層選択勾配パルスG
S4が、正の層選択方向で加えられ、勾配パルスGP3は、
勾配パルスGP2に対して反対方向であり、勾配パルスG
R4は、負の読み出し方向で加えられる。
【0005】最後に、時間領域Vでは、負の層選択方向
の層選択勾配パルスGS5の元で、フリップ角−90°の
高周波パルスRF2が加えられる。従って、新たな読み
出し期間が開始される。図示のパルス系列は、n回、種
々の値の位相エンコードパルスGP2を用いて繰り返され
る。その際、高周波励起パルスの位相位置は、パルス系
列毎に反転され、その結果、励起パルスRFによって生
じるフリップ角の符号が交互に切替わる。2つの高周波
励起パルスRF間の間隔は、TR(繰返し時間)で示さ
れている。勾配は、全て、繰返し時間TRに亘る当該勾
配の時間積分がゼロであるように形成されている。
【0006】この方法の場合、高速画像形成が可能であ
る。と言うのは、繰返し時間TRは、繰返し時間T1及び
2よりも著しく短くすることができるからである。
【0007】図示のパルス系列の場合、磁化は、高周波
励起パルスRF1によって90°に偏位されており、第
2の高周波励起パルスRF2によってほぼ0°に偏位さ
れており、その結果、振動開始過程では、但第2の高周
波励起毎に信号が供給される。ほぼT1乃至T2の大きさ
の振動開始過程後初めて、定常状態に達し、この定常状
態では、フリップ角は、+45°と−45°との間で動
く。この安定した状態に達する迄、各共鳴信号は、非常
に強く振動し、実際には、評価され得ない。
【0008】この過渡振動過程により生じる信号取り込
みのための時間が損失してしまうことを別にして、この
過渡振動過程は、別の欠点を生じる。即ち:多くの場
合、例えば、コントラスト比の影響のため、又は、所定
のスペクトル領域の抑圧のために、プレパレーション
(準備)が所望される。しかし、そのようなプリパレー
ションの作用は、縦緩和時間T1又は横緩和時間T2と共
に減衰する。この時間では、図示のFISP系列の場
合、未だ定常状態に調整されていないので、丁度、この
プリパレーションに関係する信号は、使用できない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、冒頭
に挙げた形式のパルス系列での振動開始時間を低減し
て、それと共に、スピンのプリパレーションを可能にす
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題は、本発明によ
ると、冒頭に挙げた手段a〜eによるパルス系列の開始
前、第1の励起パルスRF1の前の間隔TR/2の時間位
置で、フリップ角α/2の高周波パルスRF0が、前記第
1の励起パルスRF1とは逆の位相位置で照射されるよ
うに構成されていることにより解決される。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例に就いて、図2〜9を
用いて詳細に説明する。
【0012】図2a及びbのパルス系列によると、上述
の、図1a〜eを用いて説明した、プリパレーション期
間中Pでのパルス系列の第1の高周波パルスRF1の前
に、高周波パルスRF0が照射されている。高周波パル
スRF0は、周波数選択的であり、層選択勾配GS0の作
用下で照射され、その結果、被検対象の層だけが励起さ
れる。層選択勾配GS0により生じるディフェージング
は、逆方向の勾配GS1により解消される。
【0013】高周波パルスRF0は、後続のパルス系列
の定常状態において生じるような、磁化の偏向を生じさ
せるフリップ角を有している。つまり、次の実施例(高
周波励起パルスRFは、交互に+90°と−90°のフ
リップ角の間で切替わる)では、高周波パルスRF
0は、−45°のフリップ角を有している。一般に、磁
化ベクトルは、励起パルスの場合に+α/2及び−α/
2の間で振動し、その際、高周波パルスRF0は、後続
の高周波励起パルスRF1に対して反転された位相位置
でα/2のフリップ角を有している。従って、スピン系
は、均衡状態において著しく高速となり、振動開始状態
での振幅変動は、著しく小さい。
【0014】しかし、励起パルスRF0に関しては、弱
オフレゾナンススピンの位相を考慮しなければならな
い。オフレゾナンススピンは、注意しないといけない。
と言うのは、励起された層内では、常に、所定の基底磁
場の不均一性又は感度の変動が生じるからである。回転
座標系でのオフレゾナンススピンの位相位置が、図3に
略示されている。その際、オンレゾナンス状態が破線で
マークされており、一点鎖線では、特定のオフレゾナン
ススピンの位相偏差の境界が示されており、実線では、
強オフレゾナンススピンの位相偏差の境界が示されてい
る。図4のダイアグラムの下半分には、負のフリップ角
の比が示されている。
【0015】最も大きな位相偏差が、その都度核スピン
の励起の際生じる。位相角は、繰返し時間TRに等しい
周期で、オンレゾナンス状態を中心にして振動する。時
間TR/2の後、全てのスピンは、オンレゾナンス状態
によって回転運動を行なう。
【0016】このような事態は、図2aのパルス系列に
おいて、高周波パルスRF0が高周波パルスRF1の前の
時間間隔TR/2の時間位置で照射されるようにして利
用される。それにより、高周波パルスRF0により励起
される全ての核スピンは、高周波パルスRF1による励
起の時点で、この励起パルスと同相になる。回転座標系
で核スピンの磁化状態を示すベクトルの位置状態は、図
5に略示されている。
【0017】パルス系列が交互に切替わるフリップ角+
α、−αで及び繰返し時間TRで作動されるという前提
の場合、高周波パルスRF0を考慮して、次の系列が得
られる。即ち: (-α/2) TR/2 [(α)TR(-α)TR]N 比較的速い過渡振動過程を経て定常状態へ移行すること
により、核磁化を、準備(プリパレーション)期間P
中、固有のパルス系列の前でプリパレーションすること
ができる。この際、例えば、公知の反転回復法を使用す
ることができる。その際、プリパレーションのために
は、先ず180°高周波パルスRFpが照射され、それ
により、スピンの磁化が反転される。180°高周波パ
ルスRF0の後、スピンは、夫々の組織に相応する緩和
時間T1で再び緩和する。種々異なったT1緩和時間の各
組織間の比較的大きなコントラストが生じるように選択
された所定の待ち時間後、固有の読み出し系列が開始す
る。180°高周波パルスにより励起されたスピンの位
相コヒーレントは、スポイリング(損傷)勾配GZsp、即
ち、強い勾配(例えば、層選択方向の)によってスポイ
ルされる。
【0018】図5には、磁化のy成分の測定された特性
が、図2a及びbの反転回復法用の先行するHF励起パ
ルスに関して示されている。比較のために、図6には、
フリップ角α/2の高周波パルスRF0を加えない反転回
復系列での磁化のy成分の経過特性が示されている。種
々の曲線は、種々の緩和時間T1に相応する。得られた
核共鳴信号の信号強度は、このy成分に比例する。その
際、図5から明らかなように、信号強度の振動は、本発
明のようなプリパレーションを行なわない系列の場合よ
りも著しく小さい。
【0019】別の適用可能性としては、図7a及びb
に、被検対象のスペクトル成分の飽和が示されている。
その際、先ず、フリップ角90°のスペクトル選択性高
周波飽和パルスRFp(例えば、脂肪組織の核スピンを
選択的に飽和する)が照射される。飽和された核スピン
の位相コヒーレントは、強力なスポイリング勾配GZsp
よって、例えば、層選択方向に分解される。この前飽和
により、例えは、脂肪組織から信号が得られないように
することができる。
【0020】図8a及びbの適用可能性の場合、励起パ
ルスRFpには、バイポーラ勾配GZ bが続く。このバイ
ポーラ勾配の場合、正の平坦部(パルス幅)と負の平坦
部(パルス幅)とは等しく、従って、このバイポーラ勾
配は定常スピンに影響を及ぼさない。それに対して、公
知のように、その様なバイポーラ勾配により、運動する
スピンの位相が影響を受ける。従って、そのようなプリ
パレーション系列は、例えば、アンギオグラフィに用い
ることができる。
【0021】本発明の装置を示す図9を用いて、核スピ
ン断層撮影の各基本要素が示されている。コイル1〜4
により、基底磁場B0が発生されて、患者の被検体5の
医療診断の際に使用される。更に、各勾配コイルが配設
されていて、これら各勾配コイルを用いて、直交座標系
6の方向x,y,zの相互に直交していて独立した各磁
場成分が発生される。図9には、分かり易くするため
に、勾配コイル7及び8しか示していない。これら勾配
コイル7及び8は、夫々対向配置された、一対の、同形
式の各勾配コイルと共に、x勾配の発生のために使用さ
れる。図示していない、同形式の各y勾配コイルは、被
検体5に対して平行に、かつ、当該被検体5の上側並び
に下側に配置されており、その長手方向軸線に対して横
断方向のz勾配磁場の方向に頭部端と脚部端が配置され
ている。
【0022】装置は、更に、各核共鳴信号の発生及び取
り込みのために必要な高周波アンテナ9を有している。
一点鎖線10により囲まれたコイル1,2,3,4,
7,8及び9は、固有の検査装置を示す。
【0023】この装置は、電気装置(コイル1〜4の作
動用電源11並びに勾配コイル7及び8並びに別の勾配
コイルが接続されている勾配電流給電部12を有してい
る)により作動される。高周波装置16は、スイッチ1
9の位置に応じて信号増幅器14を介して信号を高周波
アンテナ9に供給し、又は、信号増幅器15を介して、
高周波アンテナ9により受信された信号を受信する。
【0024】受信された高周波信号は、評価装置18に
より評価され、画像信号に変換されて、モニタ20上に
画像形成される。
【0025】高周波装置16、勾配電流給電部12及び
評価装置18は、処理コンピュータ17により制御され
る。
【0026】高周波装置16及び各勾配コイルの制御の
ために、一連のパルス系列が公知である。その際、2次
元乃至3次元フーリエ変換に基づいて画像形成を行なう
方法が実行される。
【0027】
【発明の効果】本発明により、定常状態が比較的早期に
達成され、スピンプリパレーションを実行することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の説明に供する公知のFISPによるパ
ルス系列を示す図である。
【図2】本発明によるスピンプリパレーションの第1の
実施例を示す図である。
【図3】本発明の説明に供する回転座標系でのオフレゾ
ナンススピンの位相位置関係を示す図である。
【図4】本発明の説明に供する若干オフレゾナンス状態
でのスピンベクトルの空間位置関係を示す図である。
【図5】本発明の説明に供する種々の比T1/T2での信
号振幅の振動開始特性を示す図である。
【図6】本発明の説明に供する種々の比T1/T2での信
号振幅の振動開始特性を示す図である。
【図7】本発明の説明に供する別の2つのスピンプリパ
レーション系列を示す図である。
【図8】本発明の説明に供する別の2つのスピンプリパ
レーション系列を示す図である。
【図9】本発明の核スピン断層撮影装置を示す。
【符号の説明】
1,2,3,4 コイル、 5 被検体、 6 直交座
標系、 7,8,9勾配コイル、 10 検査装置、
11 コイル1〜4の作動用電源、 12勾配電流給電
部、 14,15 信号増幅器、 16 高周波装置、
17 処理コンピュータ、 18 評価装置、 19
スイッチ、 20 モニタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−44238(JP,A) 特開 昭63−281635(JP,A) 特開 平3−133427(JP,A) 特開 平2−261425(JP,A) 特開 昭64−62140(JP,A) 特開 平4−309330(JP,A) 特開 平4−189342(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核スピン断層撮影装置であって、 a)フリップ角α<90°の励起パルス(RF)でスピ
    ンを励起する手段(16,9)と、 b)第1の方向及び当該第1の方向に対して垂直な第2
    の方向の第1の各勾配パルス(GR2,Gp2)を加える手
    段(12)と、 c)前記第1の方向の第1の勾配パルス(GR2)とは逆
    符号の前記第1の方向の第2の勾配パルス(GR3)の下
    で核共鳴信号(S)を読み出す手段(9,16)と、 d)前記第1及び第2の方向の勾配パルス(GR4
    p3)によってリフェージングを行なう手段(12)
    と、 e)前記第2の方向の種々異なった勾配パルスを用い、
    且つ、前記フリップ角の符号を切替て、所定繰返し時間
    (TR)で前記各手段a)〜d)により実行される各ス
    テップを繰り返す手段とを有しており、その都度前記励
    起パルス(RF)の位相位置を反転することにより、前
    述のような磁化の偏向が、実質的に+α/2のフリップ
    角と−α/2のフリップ角との間で移動するような定常
    状態となるように構成されている核スピン断層撮影装置
    において、 f)前記手段a〜eによるパルス系列の開始前、第1の
    励起パルス(RF1)の前の間隔TR/2の時間位置で、
    フリップ角α/2の高周波パルス(RF0)を、前記第1
    の励起パルス(RF1)とは逆の位相位置で照射する手
    段(16,9))が設けられていることを特徴とする核
    スピン断層撮影装置。
  2. 【請求項2】 高周波パルス(RF0)の前で、スピンを
    プリパレーションする手段(16,9)が設けられてい
    る請求項1記載の核スピン断層撮影装置。
  3. 【請求項3】 プリパレーションのために、フリップ核
    180°の高周波パルス(RFp)を照射する手段(1
    6,9)が設けられている請求項2記載の核スピン断層
    撮影装置。
  4. 【請求項4】 スピンのプリパレーションのために、高
    周波パルス(RFp)に続けて、当該勾配の、時間に亘
    っての積分値が0のバイポーラ勾配(Gzb)を発生する手
    段(12)が設けられている請求項2記載の核スピン断層
    撮影装置。
  5. 【請求項5】 スピンのプリパレーションのために、ス
    ペクトル領域を選択的高周波パルス(RFp)及び後続
    のスポイリング勾配(GZsp)を用いて飽和する手段(1
    6,9)が設けられている請求項2記載の核スピン断層
    撮影装置。
JP19884695A 1994-08-03 1995-08-03 核スピン断層撮影装置 Expired - Lifetime JP3515643B2 (ja)

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DE4427497.1 1994-08-03
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JPH0856932A JPH0856932A (ja) 1996-03-05
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