JP3515161B2 - 固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池

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JP3515161B2
JP3515161B2 JP05502694A JP5502694A JP3515161B2 JP 3515161 B2 JP3515161 B2 JP 3515161B2 JP 05502694 A JP05502694 A JP 05502694A JP 5502694 A JP5502694 A JP 5502694A JP 3515161 B2 JP3515161 B2 JP 3515161B2
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    • H01M8/04291Arrangements for managing water in solid electrolyte fuel cell systems
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体高分子電解質型燃
料電池に関し、特に固体高分子電解質膜が湿潤状態を保
持するために必要な水分を効果的に供給できるようにし
た固体高分子電解質型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子電解質型燃料電池は、一般
に、高分子イオン交換膜の両面に一対の電極が接合さ
れ、更にそのぞれの面にアノードガス供給用プレートと
カソードガス供給用プレートが配された基本構造をしい
る。そしてこのように構成された単電池は、所望の出力
電圧が得られるように多数積層した電池スタックとし使
用される。
【0003】ところで、このような固体高分子電解質型
燃料電池の電解質膜としては、スルホン酸基をもつポリ
スチレン系の陽イオン交換膜やパーフルオロカーボンス
ルホン酸膜、フオオカーボンスルホン酸とポリビニリデ
ンフロライドとの混合膜等が知られており、これらの電
解質膜は適正温度範囲の湿潤状態下でプロトン導電性電
解質として機能するが、温度が適正範囲を超えたり、電
解質膜が乾燥状態となったりするとイオン導電性が低下
するため、発電能力が低下する。このため、従来より、
電解質の乾燥を防ぐための方法が種々提案されている。
【0004】例えば、特開平5−54900号公報に
は、反応ガス供給通路に加湿装置を設け、電解質膜に加
湿した反応ガスを供給することにより、該電解質膜の飽
和含水状態を維持する技術が開示されている。また特開
平1−309263号公報には、アノードガス供給用の
凹溝を有する多孔性のアノードプレートに、アノードガ
ス圧に近い圧力で水を導入、これによって該プレートを
介して電解質膜に水を供給する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−54900号公報記載の技術では、電池本体と
は別に新たに熱源を有する加湿装置を設けなければなら
ない。したがって、その分コストアップとなるとともに
発電装置全体が複雑化、大型化するという欠点がある。
【0006】一方、上記特開平1−309263号公報
記載の技術は、特開平5−54900号公報記載の技術
と異なり必須発電要素であるアノードプレートに直接水
を導入する方法であるが、同公報には電池外部からどの
ような具体的手段で水を供給するのかが不明である。よ
って従来より知られている技術常識に基づいて判断する
と、やはり電池本体とは別に加圧水供給装置を必要とす
ると考えられる。つまり、この技術においても、装置の
複雑化、大型化の問題が内包している。
【0007】本発明はこのような状況に鑑み、従来より
知られている固体高分子電解質型燃料電池の一般的構成
要素に新たに特別な装置を付加することなく、電解質膜
が必要とする水を合理的、効果的に供給できる方式を案
出し、もってコンパクトかつ高性能な固体高分子電解質
型電池を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明は、高分子電解質膜を介してアノ
ード電極及びカソード電極が対向する電極・電解質膜接
合体の各面に、反応ガス通路となる凹溝を有するガス供
給用のプレートがそれぞれ配され、更に前記ガス供給用
のプレートのうち少なくともアノードガスの供給用プレ
ート側には前記アノードガス供給用プレートの外側面に
当接して水路を有する水供給プレートが配置されてあ
り、かつ前記ガス供給用のプレートの有する反応ガス通
路のうち、少なくともアノードガス供給プレートの有す
る反応ガス通路と、前記水供給プレートの有する水路と
の間に、少なくとも親水性樹脂を含み、水透過性であっ
て、少なくとも湿潤時にガス不透過性となるを有する
ことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の固
体高分子電解質型燃料電池において、前記ガス供給用お
よび水供給用のプレートのうち少なくとも1つのプレー
トは、少なくとも親水性樹脂を含み、水透過性であっ
少なくとも湿潤時にガス不透過性となるにしてあ
ることを特徴とする。請求項3記載の発明は、請求項2
記載の固体高分子電解質型燃料電池において、前記ガス
供給用および水供給用のプレートのうち少なくとも1つ
のプレートが、導電性多孔質基板から構成され、かつ凹
溝が形成された面の反対側面の表層には親水性樹脂が含
浸された2層構造からなるガス分離プレートであること
を特徴とする。
【0010】請求項4記載の発明は、高分子電解質膜を
介してアノード電極及びカソード電極が対向する電極・
電解質膜接合体の各面に、反応ガス通路となる凹溝を有
するガス供給用プレートがそれぞれ配され、前記ガス供
給用プレートのうち少なくともアノードガス供給用プレ
ートは、水透過性の多孔質基板からなり、少なくともこ
のアノードガス供給用プレートの外側には、少なくとも
親水性樹脂を含み、水透過性であって、少なくとも湿潤
ガス不透過性となるガスブロックプレートが当接さ
れてあり、更に前記ガスブロックプレートの外側には水
路を有する供給用プレートが当接されてあることを特
徴とする。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項4記載の固
体高分子電解質型燃料電池において、前記ガスブロック
プレートは、導電性多孔質基板に親水性樹脂を含浸させ
てなるものであることを特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1、2の発明によれば、ガス供給用およ
び水供給用のプレートのうち少なくとも1つのプレート
が、少なくとも親水性樹脂を含み、水透過性であって少
なくとも湿潤時にガス不透過性となるにしてある。一
例として、アノードガス供給用のプレートが、このよう
なプレートであれば、電池外部から水供給用プレートに
より供給された水は該プレートを透過・拡散して電解質
膜が必要とする十分な湿気を供給できる。その一方、該
プレートは少なくとも湿潤時にはガス不透過性であるの
で、電池作動時にあって凹溝を通るガスが該プレートか
ら漏れ出すことがない。よってガス供給用プレートの外
側にガス漏れを防ぐためのガス不透過プレートを配する
必要がないとともに、前記電池水供給用プレートにより
供給される水は、電池冷却機能も有するものであるから
極めて合理的に電解質膜の加湿が実現できる。このこと
から、請求項1、2記載の発明によれば、新たに特別な
装置を付加することなく、電解質膜が必要とする水を合
理的、効果的に供給できるので、コンパクトで高性能な
固体高分子電解質型電池が実現できる。
【0013】更に、請求項3の発明によれば、一例とし
て前記アノードガス供給用のプレートが、導電性多孔質
基板から構成され、かつ凹溝が形成された面の反対側面
の表層には親水性樹脂が含浸された2層構造からなるガ
ス供給分離プレートとした。多孔質基板は、多孔が通路
なって水及びガスの双方を透過させるが、この多孔に親
水性樹脂を含浸させると、該孔が閉塞されるのでガスが
通り難くなる一方、水はその親水基を仲立ちとして通過
し得る。そして、特に親水性樹脂は湿潤膨張するので、
水が該孔を通過する際には該孔は膨潤した親水性樹脂に
より緻密に閉塞されることになる。したがって、一層ガ
スが透過し難くなる。つまり、ガス供給分離プレート
は、水、ガス選択透過性機能を有したものとなるので、
水供給用プレートから供給された水を電解質膜に供給で
きるとともに、電池反応ガスは通過させないという作用
を奏する。
【0014】また請求項4の発明によれば、少なくとも
アノードガス供給用プレートの外側には、少なくとも親
水性樹脂を含み、水透過性であって、少なくとも湿潤時
ガス不透過性となるガスブロックプレートを配したの
で、このガスブロックプレートが水・ガス選択透過機能
を発揮して上記記載と同様な作用効果を奏する。そし
て、このようなガスブロックプレートを使用すれば、従
来のガス供給用プレートと用いた場合であっても、ガス
漏れを防止できかつ電解質膜に効果的に水を供給できる
という作用を奏する。
【0015】更に請求項5の発明によれば、前記ガスブ
ロックプレートが多孔性基板に親水性樹脂を含浸させて
なるものであるので、容易かつ安価に水・ガス選択性を
付与したプレートとできる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 〔実施例1〕図1は、本発明の一実施例1に係る固体高
分子電解質型燃料電池の断面模式図であり、この燃料電
池は、電極・電解質膜接合体1、アノードガス供給分離
プレート2、カソードガス供給分離プレート3、水供給
プレート4から構成されている。以下、図1に従って実
施例1電池を説明する。
【0017】図中、1はフルオロスルフォン酸系のイオ
ン交換樹脂を主成分とする電解質膜の両面に白金を担持
した黒鉛を主成分とする電極を接合した電極・電解質膜
接合体である。2及び3は、その一方の面に反応ガス通
路となる凹溝が形成され、他方の面の表層に親水性樹脂
の含浸層(HL)が形成された2層構造をしたアノード
ガス供給分離プレート及びカソードガス供給分離プレー
トである。このガス供給分離プレートは、気孔率75
%、平均気孔径20μm、貫層抵抗値25mΩ/cm、
大きさ100×100cm、厚み2mmの例えば多孔質
炭素基板を用い、この基板の一方の面に溝を形成すると
ともに、他方の面に0.2mmの厚さに親水性樹脂含浸
層を形成してある。親水性樹脂含浸層の形成は、親水性
樹脂を溶解した溶液に前記基板の他方の面を浸漬し、前
記親水性樹脂が含浸した後、乾燥する方法により行っ
た。
【0018】前記親水性樹脂は、水との親和性に優れ、
電池反応ガスに対し化学的に安定で、かつ電池動作温度
付近(約50〜100℃)における熱的安定性に優れる
ものが好ましい。このような親水性樹脂とし例えばフッ
素系樹脂やスチレン系樹脂(スチレンジビニルベンゼン
スルフォン酸など)、更には各種の高吸収性樹脂が挙げ
られが、フッ素系樹脂としては、例えばパーフルオロカ
ーボンスルフォン酸、パーフルオロカーボンカルボン酸
などが使用でき、このうち特にパーフルオロカーボンス
ルフォン酸が、水との親和性、反応ガスとの安定性、熱
的安定性に優れている点から好ましい。また高吸水性樹
脂としては、例えばポリアクリル酸塩系、酢酸ビニル・
アクリル共重合体ケン化物、PVA・無水マレイン酸反
応物、イソブチレン・マレイン酸共重合体架橋物、ポリ
アクリロリトリル系ケン化物、ポリエチレンオキシド
系、デンプン・アクリロニトリルグラフト重合体ケン化
物、デンプン・アクリル酸グラフト重合体、カルボキシ
メチルセルロースの架橋体などが挙げられ、このうち特
にポリエチレンオキシド系やポリアクリル酸塩系や酢酸
ビニル・アクリル共重合体ケン化物が、耐熱性や吸水性
の点から好ましい。なお、上記の各種親水性樹脂は、単
独で用いてもよいし、2種以上を適当に組み合わせて用
いてもよい。
【0019】4は、水路(凹溝)を形成した水供給用プ
レートであり、電解質に湿度を与えるための水を電池外
部から導入するものである。この水供給用プレートは、
特に材質が限定されるものではないが、単電池を複数積
層し、各単電池間の集電を水供給プレートを介して行な
おうとする場合には、集電の面から導電性材質を用いる
のが好ましい。また水供給プレートを介在させて単電池
を積層しその上下両方の単電池に同時に水を供給するこ
ともできるが、この場合には水供給プレートの材質を透
水性のものとしなければならない。更に単電池を複数積
層し、かつ水供給プレートを介して集電するとともに上
下の単電池の両方に同時に水を供給することもできる
が、この場合においては、ガス供給用プレートと同様に
透水性とともに導電性を有する材質のものを用いる。こ
のような材質のものとしては、例えば前記した多孔質炭
素基板や、導電性物質含有した多孔質プレスチック板、
多孔性金属板などが挙げられる。
【0020】なお、この水供給プレートは、水供給とと
もに電池冷却の目的も合わせ持つものである。また図1
では、表面に凹溝を形成したものを示したが、透水性材
質のプレートの場合はプレートに中空孔を形成したもの
であってもよい。5は、ガス供給用プレート(2、3)
の凹溝と電極・電解質膜接合体との間に形成された反応
ガスの通路を示し、6は水供給用プレート4の凹溝と前
記ガス供給用プレート2との間に形成された水通路を示
す。
【0021】次に、本発明電池の主要構成要素である、
前記ガス供給分離プレートについて更に詳細に説明す
る。一般に固体高分子電解質燃料電池のガス供給用プレ
ートは、反応ガスを供給すると同時に、カソード側の電
解反応で生成する水を拡散させ、また加湿されたアノー
ドガスの過剰な水を拡散させるために多孔質な透水性材
質のものが使用されている。このような多孔性材質のも
のは、水が透過するばかりでなく反応ガスも透過するた
め、ガス供給用プレートの外側に更にガス不透過性のプ
レートを配してガス漏れを防ぐ構造が採用されている。
ここで、本発明にかかるガス供給分離プレート(2又は
3)では、多孔性材質のガス供給用プレートの背側表面
に親水性樹脂含浸層を形成した2層構造としてあるの
で、この含浸層が水を透過させる一方、ガスの透過を阻
止する層として機能する。この含浸層が上記のように機
能する理由は、親水性樹脂含浸層では多孔質基板の孔が
該樹脂により塞がれた状態になっているためであり、特
に該親水性樹脂が湿潤膨張した場合には極めて強力に前
記孔が塞がれるので、一層ガスが透過し難くなるからで
ある。その一方、該孔を塞ぐ樹脂が親水性を有するもの
であるので、水供給プレートから供給される水を電極・
電解質膜接合体方向に伝達することができる。このよう
に、多孔性基板に親水性樹脂の含浸層を形成させてなる
ガス供給分離プレートは、水透過性とガス不透過性を合
わせ持つが、親水性樹脂を含浸させても多孔性基板の構
造自体は何ら影響を受けないので、該基板のガス透過性
を除く他の特性、例えば導電性特性等は何ら害されるこ
とがない。
【0022】以上のことは、表1、2の実験結果により
裏付けられる。表1、2は親水性樹脂を含浸させない多
孔性基板と含浸させた後の含浸基板のガス透過性及び水
透過性をそれぞれ示すものである。各透過性は、板厚1
mmのガラス状カーボン基板を親水性樹脂溶液(5重量
%のパーフルオロカーボンスルフォン酸・低級アルコー
ル溶液)浸漬したのち乾燥した親水性樹脂含浸プレー
トと、含浸前の同様プレートを用い、ガス透過性につい
ては、含浸前は0.01atm、含浸後は1atmのチッソガ
ス圧を試料の片面側に加えその際のガス透過量を求める
方法により行い、水透過性については100mmgの
水圧を試料の片側に加えて、その際の水透過量を求める
方法により行った。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表1、2から明らかなように、多孔性基板
に親水性樹脂を含浸させると、ガス透過性が大幅に低下
するが、水透過性の低下は少ない。ここで、固体高分子
電解質型燃料電池において、ガス供給分離プレートが必
要とする水透過性についてであるが、反応によりアノー
ドからカソードに移動する水素イオンに伴って同じくア
ノードからカソードに移動する水分子は、一般に1〜2
分子といわれている。よって、例えば電流密度が100
mA/cm2で発電したとして、1×10-3〜4×10
-3ml/cm2・minの水が移動する。電解質膜の湿
潤状態を保つためには、このアノードからカソードへ移
動する水をアノードに補う必要がある。この水の全てを
供給するものとして、1×10-3〜4×10-3ml/c
2・min以上の水透過性を保持していれば、十分に
その役割を果すことができる。
【0026】他方、ガス透過性について見ると、例えば
ガス供給分離プレートの実効面積を仮に100cm2
ガス供給通路側のガス圧と水供給路側の水圧との差圧を
1atm した場合、許容し得るガス漏れ量は約2ml/m
in(1〜2ml/cm2 ・h ・atm )である。これ以上の
ガス漏れが生じるとガス爆発の危険性等の不都合が増大
するからである。以上のように電池の作動状態を考慮し
たとき、上記表1、2の結果は水透過性とガス透過性の
両条件を充足し得ることが明らかである。そしてまた、
親水性樹脂含浸層の厚さを適当に設定し、或いは含浸さ
せる親水性樹脂を適当に選定すれば、水透過性とガス透
過性を好適に調整可能である。
【0027】〔実施例2〕図2は、実施例2に係る固体
高分子電解質型燃料電池の断面模式図であり、この実施
例2電池の構成は,前記実施例1電池とガス供給分離プ
レート2、3がない点、及びガス供給分離プレートの代
わりに従来型ガス供給プレートとともに、新たにガスブ
ロックプレートを配した点が相違する。なお、その他の
構成要素については、前記実施例1と同一であるので同
一符号を付しその説明を省略する。
【0028】8及び9は、表面にガス通路が形成された
アノードガス供給用プレート及びカソードガス供給用プ
レートであり、実施例1と同様の多孔質炭素基板から構
成されている。なお、このガス供給用プレートは実施例
1のガス供給分離プレート2、3と同様、導電性を有す
るが、背面側表層に親水性樹脂含浸層が形成されていな
いので、ガス、水ともに透過する点で異なる。
【0029】は、ガスブロックプレートであり、前記
ガス供給用プレート8又は9を透過してきたガスをブロ
ックする一方、水供給プレート4から供給される水(水
蒸気を含む)を透過させて、前記ガス供給用プレート
又は9に伝える機能を持っている。このガスブロックプ
レートは前記多孔質炭素基板と同様な材質の大きさ10
0×100cm、厚み0.2mmの板に実施例1と同様
な方法で親水性樹脂を含浸させた。なお、この親水性樹
脂含浸プレート(ガスブロックプレート)のガス透過性
は1×10-3〜1×10-4ml/cm2・h・atm程
であり、水透過性は1〜5×10-1ml/cm2・h・
mmg程であった。
【0030】更にまた、上記実施例1、2では親水性樹
脂を溶媒に溶解して基板に含浸させる方法を用いたが、
他の方法を用いてもよい。他の方法としては、例えば含
浸させたい基板面に親水性樹脂シートを載せホットプレ
スすることにより、樹脂を溶融含浸させることができ
る。また親水性樹脂を含浸するのではなく、例えば従来
タイプのガス供給用プレート表面にホットプレス等で樹
脂シートを張り付けることもできる。そして、この場合
炭素元素を有する樹脂であれば、その表面に図3のよう
にして親水性樹脂板(13)に電極棒(12)により高
圧電圧をスポット的に印加して親水性樹脂をスポット状
に炭化させることにより、導電経路(11)を作ること
もできる。更に前記ガス供給分離プレートおよびガスブ
ロックプレートは、多孔質基板の原材料自体に親水性樹
脂を混合する方法により親水性樹脂を混入せしめた後、
プレス加工等により所望のプレートと成すこともでき
る。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来より
知られている固体高分子電解質型燃料電池の一般的構成
要素に新たに特別な装置を付加することなく、電解質膜
が必要とする水を合理的、効果的に供給できる。よっ
て、本発明によれば、コンパクトで高性能な固体高分子
電解質型電池が提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる固体高分子電解質型燃料電池の
断面模式図である。
【図2】本発明にかかる固体高分子電解質型燃料電池の
断面模式図である。
【図3】多孔質基板に密着させた親水性樹脂板に導電経
路を設けるための作業見取り図である。
【符号の説明】
1 イオン交換樹脂・電極接合体 2 アノードガス供給分離プレート 3 カソードガス供給分離プレート 4 水供給プレート 5 ガス通路 6 水通路 7 ガスブロックプレート 8 アノードガス供給用プレート 9 カソードガス供給用プレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−260371(JP,A) 特開 平3−102774(JP,A) 特開 平6−68884(JP,A) 特開 平1−309263(JP,A) 特開 平6−231793(JP,A) 特開 平6−275284(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/04 H01M 8/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子電解質膜を介してアノード電極及
    びカソード電極が対向する電極・電解質膜接合体の各面
    に、反応ガス通路となる凹溝を有するガス供給用のプレ
    ートがそれぞれ配され、 更に前記ガス供給用のプレートのうち少なくともアノー
    ドガスの供給用プレート側には前記アノードガス供給用
    プレートの外側面に当接して水路を有する水供給プレー
    トが配置されてあり、かつ前記ガス供給用のプレートの
    有する反応ガス通路のうち、少なくともアノードガス供
    給プレートの有する反応ガス通路と、前記水供給プレー
    トの有する水路との間に、少なくとも親水性樹脂を含
    み、水透過性であって、少なくとも湿潤時にガス不透過
    性となるを有することを特徴とする固体高分子電解質
    型燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記ガス供給用および水供給用のプレー
    トのうち少なくとも1つのプレートは、少なくとも親水
    性樹脂を含み、水透過性であって少なくとも湿潤時に
    ガス不透過性となるにしてあることを特徴とする請求
    項1記載の固体高分子電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記ガス供給用および水供給用のプレー
    トのうち少なくとも1つのプレートが、導電性多孔質基
    板から構成され、かつ凹溝が形成された面の反対側面の
    表層には親水性樹脂が含浸された2層構造からなるガス
    分離プレートであることを特徴とする請求項2記載の固
    体高分子電解質型燃料電池。
  4. 【請求項4】 高分子電解質膜を介してアノード電極及
    びカソード電極が対向する電極・電解質膜接合体の各面
    に、反応ガス通路となる凹溝を有するガス供給用プレー
    トがそれぞれ配され、 前記ガス供給用プレートのうち少なくともアノードガス
    供給用プレートは、水透過性の多孔質基板からなり、少
    なくともこのアノードガス供給用プレートの外側には、
    少なくとも親水性樹脂含み、水透過性であって、少なく
    とも湿潤時ガス不透過性となるガスブロックプレート
    が当接されてあり、更に前記ガスブロックプレートの外
    側には水路を有する供給用プレートが当接されてある
    ことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池。
  5. 【請求項5】 前記ガスブロックプレートは、導電性多
    孔質基板に親水性樹脂を含浸させてなるものであること
    を特徴とする請求項4記載の固体高分子電解質型燃料電
    池。
JP05502694A 1994-02-28 1994-02-28 固体高分子電解質型燃料電池 Expired - Fee Related JP3515161B2 (ja)

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