JP3513415B2 - インク、画像記録方法、画像記録装置、インクカートリッジ、記録ユニット - Google Patents

インク、画像記録方法、画像記録装置、インクカートリッジ、記録ユニット

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JP3513415B2
JP3513415B2 JP05401299A JP5401299A JP3513415B2 JP 3513415 B2 JP3513415 B2 JP 3513415B2 JP 05401299 A JP05401299 A JP 05401299A JP 5401299 A JP5401299 A JP 5401299A JP 3513415 B2 JP3513415 B2 JP 3513415B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインク、特にインク
を記録信号に応じてオリフィスから吐出させて記録媒体
に記録を行う、インクジェット記録に好適に使用できる
インク、それを用いたインクカートリッジ、記録ユニッ
ト、画像記録装置及び画像記録方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来からインクジェット記録に用いる為
のインクについては、種々の組成のものが報告され、ま
た提案されている。特に近年は、コピ−紙、レポ−ト用
紙、ノ−ト、便せん等のオフィスで一般に使用されてい
る普通紙、さらには布に対しても良好な記録を行うため
に、インク組成及びインク物性等の多様な面から詳細な
研究開発がなされている。
【0003】またインクジェット記録法においても、さ
まざまの方式が提案されており、帯電した液滴を連続的
に発生させ、該液滴の一部を記録に使用する方式、圧電
素子を有する記録ヘッドに信号を与え、該信号に応じて
記録液を吐出させて記録を行う方式、あるいは記録ヘッ
ドの室内の記録液に対して、例えば発熱ヒータを用いて
記録信号に対応した熱エネルギ−を与え、該エネルギ−
により記録液を吐出させて記録を行う方式などがある。
例えば特開昭54−59936号公報に記載されている
ような熱エネルギ−によるインクの発泡現象を利用して
インクを吐出させる方式のインクジェット記録方法はイ
ンクが吐出される開口部(以降「オリフィス」)の高集
積化、高密度化が容易である点から、現在のインクジェ
ット記録方法の主力のひとつとなっている方式である。
ところでインクジェト記録に用いるインクが備えている
ことが好ましい特性としては例えば下記(1)〜(5)
が挙げられる。
【0004】(1)画像濃度が高く、鮮明であること (2)不定形又は不規則なにじみのない高品位な画像が得
られること (3)被記録媒体に対し、定着性が速いこと (4)吐出安定性に優れること (5)保存安定性が良好であること などが挙げられる。
【0005】ところで近年、印刷のより一層の高速化、
画像のカラー化、そして画像のより一層の高精細化、及
びより一層の高画質化の要求に伴い、被記録媒体もその
使用用途に伴い様々なタイプのものが開発されており、
インクに対しては被記録媒体の種類によらず上記(1)
〜(3)の特性をより高いレベルで満たし、且つ上記
(4)及び(5)の特性もまた高いレベルで満足するよ
うなインクの開発が求められる。
【0006】これらの要求に対し、例えば特開平6−2
71798号公報は、高い画像品位、被記録媒体への良
好な定着性、目詰まりの少ない良好な吐出性を満足する
インクとして、ビスヒドロキシエチルスルホン(以降
「BHES」と略)を含有させたインクを開示してい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこれまで
の研究の結果から下記の知見を得ている。 ・ BHESを含まない水性インクを発熱ヒータを用い
て吐出させる方式に用いた場合には発熱ヒータ上に水溶
性の色材由来のコゲが徐々に発生し、このコゲがインク
の安定した吐出を妨げ、更に高画質な画像の形成に影響
を与えること、及び ・ 水性インクへのBHESの添加によって発熱ヒータ
上への水溶性の色材由来のコゲの発生を有効に防止し得
ること。
【0008】このような状況の下で、本発明者らは上記
した各々の特性のより一層の向上を目的として、水溶性
の色材とBHESを水性媒体中に含むインクについて更
に研究を重ねた結果、インクのpHを9.5〜12、特
には9.5〜11に調整した場合、発熱ヒータ上へのコ
ゲの発生を抑制する効果がより向上し、またインクの保
存安定性の向上、特に低温時の保存安定性の向上にも効
果があるとの新たな知見を得た。
【0009】本発明はかかる知見に基づきなされたもの
であって、本発明の目的は前記(1)〜(5)の特性を
より高いレベルで満足させ得るようなインク、より具体
的には例えば多様な記録媒体に対して安定して高品質の
画像を形成でき、また吐出安定性、吐出耐久性に優れ、
更に保存安定性にも優れたインクを提供することにあ
る。
【0010】また本発明の他の目的は、多様な被記録媒
体に対して高い品質の画像を安定して記録することので
きる画像記録方法を提供することにある。
【0011】更に本発明は、多様な被記録媒体に対して
高い品質で画像を安定して記録することのできる画像形
成装置、及びそれに用いることのできるインクカートリ
ジ及び記録ユニットを提供することにある。
【0012】更に本発明の目的は、前記(1)〜(5)
の特性をより高いレベルで満足させ得るようなインク、
より具体的には例えば多様な被記録媒体に対して安定し
て高品質の画像を提供し、また吐出安定性、吐出耐久
性、更には保存安定性にも優れ、多様な使用環境下、或
いはオリフィスがより一層微細化されたような場合にも
記録一時休止後にオリフィスの目詰まりが起り難いイン
クを提供することにある。
【0013】また本発明の他の目的は、多様な被記録媒
体に対して高い品質の画像を安定して記録することので
き、多様な使用環境下でも安定して高品位な画像を形成
し、或いは記録画像のより一層の高品質化の為に記録ヘ
ッドのノズルを微細化したときにその効果を安定して発
揮させることのできるような画像記録方法を提供するこ
とにある。
【0014】更に本発明の目的は、多様な被記録媒体に
対して高い品質で画像を安定して記録することができ、
また多様な使用環境の下でも安定して高品位な画像記録
を行なうことができ、更にはオリフィスの微細化によっ
て高画質化を図った場合にもその効果を安定して発揮す
る画像形成装置、及びそれに用いることのでできるイン
クカートリッジ、記録ユニットを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ことのできるインクは、水溶性の色材、及びビスヒドロ
キシエチルスルホンを水性媒体中に含みpHが9.5〜1
2であることを特徴とする。
【0016】また本発明の目的を達成することのできる
画像記録方法は、水溶性の色材、及びビスヒドロキシエ
チルスルホンを水性媒体中に含み、pHが9.5〜12
であるインクを記録媒体に付与することを特徴とする。
【0017】また本発明の目的を達成することのできる
画像記録装置は、水溶性の色材、及びビスヒドロキシエ
チルスルホンを水性媒体中に含み、pHが9.5〜12
であるインクジェット記録用インクを収納しているイン
ク収納部と、該インクを吐出するインクジェット記録ヘ
ッドと、を具備していることを特徴とする。
【0018】
【0019】また本発明の目的を達成することのできる
インクカートリッジは、水溶性の色材、及びビスヒドロ
キシエチルスルホンを水性媒体中に含み、pHが9.5〜
12であるインクを収納しているインク収納部を備えて
いることを特徴とする。
【0020】また本発明の目的を達成することのできる
記録ユニットは水溶性の色材、及びビスヒドロキシエチ
ルスルホンを水性媒体中に含み、pHが9.5〜12の
インクジェット記録用インクを収納しているインク収納
部と、該インクを吐出させるインクジェット記録ヘッド
と、を具備していることを特徴とする。
【0021】また本発明の目的を達成することのできる
画像記録方法は、水溶性の色材、ビスヒドロキシエチル
スルホン及び尿素を水性媒体中に含み、pHが9.5〜
12のインクジェット記録用インクを収納しているイン
ク収納部と、1回の吐出動作で0.1〜40ピコリット
ルの該インクを吐出可能なインクジェット記録ヘッド
と、を備えている画像記録装置を用いて該インクを記録
媒体の画像記録領域に付着させる工程、を有することを
特徴とする。
【0022】また本発明の目的を達成することのできる
画像記録装置は、水溶性の色材、ビスヒドロキシエチル
スルホン及び尿素を水性媒体中に含み、pHが9.5〜
12のインクジェット記録用インクを収納しているイン
ク収納部と、1回の吐出動作で0.1〜40ピコリット
ルの該インクを吐出可能なインクジェット記録ヘッド
と、を有していることを特徴とする。
【0023】また本発明の目的を達成することのできる
記録ユニットは、水溶性の色材、ビスヒドロキシエチル
スルホン及び尿素を水性媒体中に含み、pHが9.5〜
12のインクジェット記録用インクを収納しているイン
ク収納部と、1回の吐出動作で0.1〜40ピコリット
ルの該インクを吐出可能なインクジェット記録ヘッド
と、を有していることを特徴とする。
【0024】なお特開平10−768号公報には、分散
染料、該分散染料を分散する化合物及び水性液媒体を含
むインクに対してビスヒドロキシエチルスルホンを添加
し、更にpHを7〜9に調整したインクが開示されてい
る。しかし該公報には本発明に関する技術事項の開示は
無く、またそれを示唆する記載も一切ない。
【0025】(作用)次に本発明の作用について説明す
る。前記したように本発明者等は水溶性の色材及びビス
ヒドロキシエチルスルホンを水性媒体中に含むインクに
対する検討の結果インクを9.5〜12に調製した場
合、発熱ヒータ上へのコゲの発生を極めて効果的に防ぐ
ことができ、またインクの保存安定性も向上するとの新
たな知見を得て本発明に至ったものである。このインク
は長期保存時にも色材の凝集が殆ど認められず、その性
能が安定しており、また多様な記録媒体に対しても安定
的に優れた発色の画像を与える。或る特定の色材におい
ては、アルカリ性領域下で溶解性が上がることにより、
保存性の向上がみられることがあるが、本検討で得られ
た効果は、色材への依存性を明らかに上回るものであっ
た。このような構成によって上記した効果が得られる理
由は明らかでないが、ビスヒドロキシエチルスルホンの
構造から推測するに、pH9.5〜12に調整したイン
ク中においては、ビスヒドロキシエチルスルホンと色材
との相互作用が大幅に向上し、水性媒体中に溶解してい
る水溶性の色材同士の会合が有効に抑制されるためと考
えられる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。
【0027】(pH規定)本発明の実施態様の一つとし
てのインクは、水溶性の色材及びビスヒドロキシエチル
スルホン(BHES)を水性媒体中に含み、pHが9.5
〜12、特には9.5〜11である。
【0028】(BHES、その添加量)BHESは、下
記構造式(I)で示される構造を有し、従来公知の方法
で合成された市販のものを用いることができる。
【0029】
【外1】
【0030】インク中のBHESの含有量は、例えばイ
ンク全重量を基準として0.1〜30重量%、特には0.
1〜10重量%、更には0.5〜10重量%であること
が好ましい。特に本実施態様にかかるインクにおいて
は、pHを9.5〜12に調整することでBHES添加
による効果の一つである発熱ヒータ上へのコゲの発生の
改善効果がより向上しているため、インク中のBHES
の含有量を減少させたインクも、コゲの抑制効果を有効
に奏するものとなる。またこのようなインクではノズル
から吐出されるインク中の色材の相対的な含有量が高く
なり、印字濃度に対しても好ましい影響を与えることに
なる。
【0031】(色材/含有量)色材としては、ビスヒド
ロキシエチルスルホンと相互作用を起こすものであれば
特に限定されるものではないが、例えば従来より公知の
水溶性染料、例えば直接染料、酸性染料、反応染料等を
用いることができる。上記染料のインクにおける含有量
は、インク全重量を基準として0.1〜15重量%、特には1
〜10重量%とすることが好ましい。
【0032】(水性媒体)水性媒体は、上記したBHE
S、及び水溶性の色材を溶解状態で保持しインクとして
構成せしめる為のものである。そして水性媒体の構成成
分として少なくとも水を含むことが好ましく、また各種
のインクの構成成分の溶解性を増す為、或いはインク特
性の調整に為に水溶性有機溶剤を混合してもよい。
【0033】(水の含有量)インク全重量に占める水の
割合としては、例えば20〜95重量%、特には40〜
95重量%、更には60〜95 重量%であることが好
ましい。また水溶性有機溶剤の含有量は、一般にはイン
クの全重量に対して、1%〜30%が好ましく、より好ましく
は3%〜20重量%の範囲である。この範囲とした場合イン
クが記録媒体に付着したときのインクの固着特性を満足
することができる。
【0034】上記したようにインクを構成する各成分の
量を上記した範囲内とし、またインクのpHを上記した範
囲内とした場合、発熱ヒータ上へのBHES由来のコゲ
の発生を極めて有効に抑えることができ、吐出耐久性の
より一層の向上を図ることができる。また記録媒体に記
録したときの画像濃度も良好であり、更に多様な記録媒
体に記録を行なった場合の記録画像の記録媒体への定着
性も優れている。更に又インクを長期間保存したときの
品質変化も認められない。よってこのようなインクはイ
ンクジェット記録、特に熱エネルギーを利用してインク
を吐出させる方式のインクジェット記録方法に極めて好
適に用いることができるものである。
【0035】(色材の具体例)ところで本実施態様に用
いる水溶性の色材としては、例えば、下記の様なものが
挙げられる。
【0036】(ブラックインク)ブラックインクに用い
られる染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブラ
ック17、C.I.ダイレクトブラック19、C.I.
ダイレクトブラック22、C.I.ダイレクトブラック
31、C.I.ダイレクトブラック32、C.I.ダイ
レクトブラック51、C.I.ダイレクトブラック6
2、C.I.ダイレクトブラック71、C.I.ダイレ
クトブラック74、C.I.ダイレクトブラック11
2、C.I.ダイレクトブラック113、C.I.ダイ
レクトブラック154、C.I.ダイレクトブラック1
68、C.I.アシッドブラック2、C.I.アシッド
ブラック48、C.I.アシッドブラック51、C.
I.アシッドブラック52、C.I.アシッドブラック
110、C.I.アシッドブラック115、C.I.ア
シッドブラック156、C.I.リアクティブブラック
1、C.I.リアクティブブラック8、C.I.リアク
ティブブラック12、C.I.リアクティブブラック1
3、C.I.フードブラック1、C.I.フードブラッ
ク2等が挙げられる。
【0037】(イエローインク)イエローインクに用い
られる染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロ
ー11、C.I.アシッドイエロー17、C.I.アシ
ッドイエロー23、C.I.アシッドイエロー25、
C.I.アシッドイエロー29、C.I.アシッドイエ
ロー42、C.I.アシッドイエロー49、C.I.ア
シッドイエロー61、C.I.アシッドイエロー71、
C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクト
イエロー24、C.I.ダイレクトイエロー26、C.
I.ダイレクトイエロー44、C.I.ダイレクトイエ
ロー86、C.I.ダイレクトイエロー87、C.I.
ダイレクトイエロー98、C.I.ダイレクトイエロー
100、C.I.ダイレクトイエロー130、C.I.
ダイレクトイエロー142等が挙げられる。
【0038】(マゼンタインク)マゼンタインクに用い
られる染料としては、C.I.アシッドレッド1、C.
I.アシッドレッド6、C.I.アシッドレッド8、
C.I.アシッドレッド32、C.I.アシッドレッド
35、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッド
レッド51、C.I.アシッドレッド52、C.I.ア
シッドレッド80、C.I.アシッドレッド85、C.
I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド9
2、C.I.アシッドレッド94、C.I.アシッドレ
ッド115、C.I.アシッドレッド180、C.I.
アシッドレッド254、C.I.アシッドレッド25
6、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッド
レッド315、C.I.アシッドレッド317、C.
I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド
4、C.I.ダイレクトレッド13、C.I.ダイレク
トレッド17、C.I.ダイレクトレッド23、C.
I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド
31、C.I.ダイレクトレッド62、C.I.ダイレ
クトレッド79、C.I.ダイレクトレッド81、C.
I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトレッド
89、C.I.ダイレクトレッド227、C.I.ダイ
レクトレッド240、C.I.ダイレクトレッド24
2、C.I.ダイレクトレッド243等が挙げられる。
【0039】(シアンインク)シアンインクに用いられ
る染料としては、C.I.アシッドブルー9、C.I.
アシッドブルー22、C.I.アシッドブルー40、
C.I.アシッドブルー59、C.I.アシッドブルー
93、C.I.アシッドブルー102、C.I.アシッ
ドブルー104、C.I.アシッドブルー113、C.
I.アシッドブルー117、C.I.アシッドブルー1
20、C.I.アシッドブルー167、C.I.アシッ
ドブルー229、C.I.アシッドブルー234、C.
I.アシッドブルー254、C.I.ダイレクトブルー
6、C.I.ダイレクトブルー22、C.I.ダイレク
トブルー25、C.I.ダイレクトブルー71、C.
I.ダイレクトブルー78、C.I.ダイレクトブルー
86、C.I.ダイレクトブルー90、C.I.ダイレ
クトブルー106、C.I.ダイレクトブルー199等
が挙げられる。
【0040】又、水溶性染料の他の例としては、例えば
分子内に−COOM基(Mはアルカリ金属、アンモニウ
ム又は有機アンモニウムを表す。)を1個以上もつ染料
も好適に用いることができる。具体的には、例えば、下
記一般式(II)〜(V)で表される様な染料が挙げら
れる。
【0041】
【外2】 〔式中、A及びBは水酸基若しくは水素原子を、Cは水
素原子若しくはSO3Mを、DはSO3Mをそれぞれ表
す。〕
【0042】
【外3】 〔式中、CuPcは銅フタロシアニン骨格を表す。Gは
下記構造式(1)〜(4)に何れかで表される構造を示
し、
【0043】
【外4】 Zは、NHCH2CH2OH、N(CH2CH2OH)2等を表し、上記構造式
(1)〜(4)中R及びR’はH又は低級アルキル基等
を表す。〕
【0044】
【外5】 〔式中、Jは下記構造式(5)〜(7)の何れかで表さ
れる構造を示し、
【0045】
【外6】 Lは下記構造式(8)または(9)で表される構造を示
【0046】
【外7】 Xは下記構造式(10)〜(12)で表される構造を示
【0047】
【外8】 1〜R4は−Hを低級アルキル基等を表し、また上記構
造式(5)〜(12)中、Bは−H又は−COOHを、
Wは−H、−CN、アミド基、ピリジニウム基又は−C
OOHを、mは2〜8の数を、Zはアルコキシ基、−O
H、アルキルアミノ基又は−NH2他を、Yは−H、−
Cl又は−CNを、Eは−Cl又は−CNを、更にR5
は−Hを低級アルキル基等を表す。〕
【0048】
【外9】 〔式中、Qは下記構造式(13)を表し
【0049】
【外10】 Lは下記構造式(14)または(15)を表し
【0050】
【外11】 Xは下記構造式(16)〜(18)の何れかで表される
構造を示し
【0051】
【外12】 1及びR2は−H又は低級アルキル基等を表し、上記構
造式(13)〜(18)中、Zはアルコキシ基、−O
H、アルキルアミノ基又は−NH2他を、Yは−H、−
Cl又は−CNを、Eは−Cl又は−CNを、それぞれ
表す。〕
【0052】(水溶性有機溶剤)また水溶性有機溶剤の
具体例としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミドなどのアミド類;アセトンなどのケト
ン類;テトラヒドラフラン、ジオキサン等のエーテル
類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、チオ
ジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリ
コール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアル
キレングリコール類;グリセリン;エチレングリコール
モノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレン
グリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価
アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル-2-
ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、トリ
エタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルフォオキ
サイド、2-ピロリドン、ε-カプロラクタム等の環状ア
ミド化合物及びスクシンイミド等のイミド化合物、その
他トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0053】そしてこのインクをインクジェット記録用
途に特に適した物とする場合には、上記した各構成成分
として用いる材料とその配合割合の調整によって、イン
ク調合時において、インク温度25℃における物性とし
て表面張力を30〜68dyn/cm、粘度を15cP
以下、特には10cP以下、更には5cP以下とするこ
とで、このインクのインクジェット吐出特性は高画質の
画像記録を行なう上で特に好適なものとなる。そしてか
かる特性を達成し得る具体的なインク組成としては、例
えば後述する実施例1〜6に記載したようなインクを挙
げることができる。
【0054】(尿素の添加)本発明の第2の実施態様に
かかるインクとして、上記第1の実施態様に係るインク
に対して更に尿素を含有させたインクを挙げられる。こ
の第2の実施態様に係るインクによれば、第1の実施態
様に係るインクによって奏される効果に加え、従来と比
してより改善された再吐出性をインクに付与することが
できる。ここで再吐出とは記録を一時停止した後に再度
オリフィスからインクを吐出させる動作をいう。本発明
者らはこれまでの検討から水溶性の色材を含む水溶性イ
ンクの中には、記録を一時中止している最中にオリフィ
スに臨むインクが固化してオリフィスを完全に、或いは
部分的に塞いでしまい、インクの再吐出が不可能となっ
たり、所定の量のインクを正確な方向に吐出させること
が不可能となったりすることがあり、この傾向は特に記
録画像の高精細化に伴いオリフィスを微細化した場合や
インクジェット記録装置の普及に伴う使用条件の多様
化、特に低温環境下でインクジェット記録装置を使用し
た場合に多く見られるとの知見を得ている。しかし第1
の本実施態様に係るインクに更に尿素の含有させること
で、第1の実施態様に係るインクによって奏される効果
に加え、上記した様な条件下でも再吐出性を安定化させ
ることができるという効果もまた得られるものである。
ところで上記した実施態様を採用することによって上記
の効果を奏する理由は明らかでないが、ビスヒドロキシ
エチルスルホンは常温では固体であり、水性媒体に占め
る割合が80wt%を越えるとワックス状に析出し易く
なる性質を有するため、オリフィスに臨むインクにおい
てもミクロ的にみるとオリフィスからの水の蒸発に伴っ
てこの現象が始まるものと考えられる。一方尿素は水と
水溶性染料との親和性を非常に高めるため、ビスヒドロ
キシエチルスルホンと尿素とを共存させることで、オリ
フィスに臨むインクではBHESの析出によるオリフィ
スからのインク中の水分の蒸発抑制効果と、オリフィス
近傍のインクの染料濃度の急激な上昇を抑える効果との
相乗効果によっているものと考えられる。
【0055】この態様に於いて尿素の量は、インク全重
量に対して0.1〜20重量%、特には0.1〜15重量%
とすることが好ましく、またインク全重量に対する尿素
とBHESの合計の量は、0.2〜30重量%、特には0.
6〜25重量%とすることが好ましい。尚、本発明のイ
ンクは上記成分の他に必要に応じて界面活性剤、pH調整
剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、蒸発促進
剤、キレート化剤及び水溶性ポリマー等の種々の添加剤
を添加してもよい。
【0056】(装置)次に上記したインクを用いること
のできるインクジェット記録装置及びそれを用いた画像
記録方法について説明する。
【0057】(ヘッド構成)図1は、熱エネルギーを利
用してインクを吐出させる方式のインクジェット記録装
置の主要部の一つを構成するヘッドの一実施態様の、イ
ンクが吐出されるオリフィス部分を縦に横切る方向の概
略断面図である。また図2は図1のAA線断面図であ
る。図1及び図2において、ヘッド13はインクを通す
溝14を有するガラス、セラミックスまたはプラスチッ
ク板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図で
はヘッドが示されているが、これに限定されるものでは
ない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シ
リコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極1
7−1、17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体
層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基板2
0よりなっている。インク21は吐出オリフィス(微細
孔)22まで来ており、所定の圧力Pによりメニスカス
23を形成している。そして電極17−1、17−2に
電気信号が加わると、発熱ヘッド15の "n"で示され
る領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に
気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、オ
リフィス22よりインク21が吐出し、記録媒体(例え
ば紙など)25に向かって飛翔し、記録媒体25の画像
記録領域に付着して画像が記録される。
【0058】図3には図1に示すヘッドを多数並べたマ
ルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝
26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同
様な発熱ヘッド28を密着して製作されている。
【0059】上記したヘッドの構成において、オリフィ
スのサイズは特に限定されず、所望の画像品質に応じて
適宜設定すれば良い。しかし近年の高画質化への要求に
伴い、オリフィスのサイズを微細化することが検討され
ている。具体的には例えば1回の吐出動作によってオリ
フィスから吐出されるインクの量が0.1〜40ピコリ
ットル(pl)、特には0.1〜30pl、更には1〜
15plとなるようなオリフィスの微細化が検討されて
おり、このようなサイズのオリフィスにおいては、記録
一時停止後にインクを安定して再吐出させることが高品
質な画像を形成する上で特に好ましい技術目標の一つと
なる。そして上記した本発明の種々の実施態様にかかる
インク、特に第2の実施態様にかかるインクはこの技術
目標を克服することのできる極めて有効な技術の一つに
挙げることができるものである。またオリフィスが上記
した様に微細化されていない場合であっても、インクジ
ェット記録装置の普及に伴う使用環境の多様化、具体的
には例えば周囲温度が5℃以下の環境(例えば寒冷地で
暖房の効かない室内や屋外)下でのインクジェット記録
装置の使用の際には前記した様にオリフィスの目詰まり
によるインク不吐出が生じることがあり、インクジェッ
ト記録装置のより一層の普及という観点からこの点も克
服すべき重要な技術目標の一つに挙げられる。そして上
記の各実施態様にかかるインク、特には第2の実施態様
にかかるインクはこの技術目標を克服することができる
極めて有効な技術の一つに挙げることができる。
【0060】(インクジェット記録装置)図4に、かか
るヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を
示す。図4において、61はワイピング部材としてのブ
レードであり、その一端はブレード保持部材によって保
持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブ
レード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接した位置
に配設され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中
に突出した形態で保持される。62はキャップであり、
ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、
記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面
と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に63
はブレード61に隣接して設けられる吸収体であり、ブ
レード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した
形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62、
吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレー
ド61及び吸収体63によってインク吐出口面に水分、
塵埃等の除去が行われる。65は吐出エネルギー発生手
段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する記録媒体
にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録
ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行う為の
キャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と慴
動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68に
よって駆動されるベルト69と接続(不図示)してい
る。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った
移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及び
その隣接した領域の移動が可能となる。51は記録紙を
挿入する為の給紙部、52は不図示のモータにより駆動
される紙送りローラである。これらの構成によって記録
ヘッドの吐出口面と対向する位置へ記録紙が給紙され記
録が進行するにつれて排布ローラ53を配した排紙部へ
排紙される。
【0061】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0062】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッドのホーム
ポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかり
でなく、記録ヘッドが記録の為に記録領域を移動する間
に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ
移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0063】(インクカートリッジ)図5は、ヘッドに
インク供給部材、例えばチューブを介して供給されるイ
ンクを収容したインクカートリッジの一例を示す図であ
る。ここで40は供給用インクを収容したインク収容
部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓
42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿
入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに
供給可能ならしめる。44は廃インクを受容する吸収体
である。インク収容部としては、インクとの接液面がポ
リオレフィン、特にポリエチレンで形成されているもの
が本発明にとって好ましい。本発明で使用されるインク
ジェット記録装置としては、上記の如きヘッドとインク
カートリッジとが別体になったものに限らず、図6に示
す如きそれらが一体になったものにも好適に用いられ
る。
【0064】(記録ユニット)図6において、70は記録
ユニットであって、この中にはインクを収容したインク
収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かか
るインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有する
ヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっ
ている。インク吸収体の材料としては、ポリウレタンを
用いることが本発明にとって好ましい。72は記録ユニ
ット内部を大気に連通させる為の大気連通口である。こ
の記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッドに代えて
用いられるものであって、キャリッジ66に対し着脱自
在になっている。
【0065】(インクセット)ところで上記した種々の
実施態様にかかるインクは、色材の選択によって例えば
イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブル
ーまたはブラックのインクとすることができる。そして
各々のインクは各々単独で画像記録に用いてもよい。ま
たは2つ以上の異なる色のインクとを組合わせて、カラ
ー画像の形成に好適に用い得るインクセットを提供する
ことができる。また同じ色の、異なる色材を含む2つも
しくはそれ以上のインクを組合わせたり、同じ色の、濃
度の異なる2つもしくはそれ以上のインクを組合わせる
ことによって高階調の画像の形成に好適に用い得るイン
クセットを提供することができる。またこれらのインク
セットを用いて画像を形成する場合には、例えば前記図
3に示した記録ヘッドを4つキヤリッジ90上に並べた
記録装置を用いることができる。図7はその一実施例で
あり、86、87、88及び89は各々例えばイエロ
ー、マゼンタ、シアン及びブラックのインクを吐出する
ための記録ヘッドである。該記録ヘッドは前記した記録
装置に配置され、記録信号に応じて各色のインクを吐出
する。また図7では記録ヘッドを4つ使用した例を示し
たが、これに限定されず例えば図8に示した様に上記4
色のインクカートリッジを用いて1つのヘッド91でイ
ンク流路を分けてカラー画像記録を行なう実施態様も挙
げられる。
【0066】なおここまで記録信号に対応した熱エネル
ギーをインクに与え、該熱エネルギーよりにインクを吐
出させる装置及びそれを用いた画像記録方法に本発明に
かかるインクを用いた場合を説明してきた。しかし本発
明のインクは機械エネルギーによってインクを吐出させ
る方式のインクジェット記録装置及びそれを用いた画像
記録方法にも用いることができ、それによって同様の優
れた効果を得ることができる。
【0067】(実施例)次に実施例及び比較例を挙げて
本発明を更に具体的に説明する。なお、文中、部及び%
とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
【0068】(実施例1〜4)表1に示す各成分を混合
し、十分撹拌して溶解後、ポアサイズが0.45μmの
フロロポアフィルター(商品名:住友電工(株)製)に
て加圧漉過し、実施例1〜4各々のインクとした。
【0069】(比較例1〜4)表2に示す各成分を実施
例のインクと同様の操作を行い比較例1〜4各々のイン
クとした。
【0070】なお実施例3及び比較例3に用いた染料1
は下記構造式(VI)で表される構造を有するものであ
る。
【0071】
【外13】 (但し、Yは水素原子、メチル基、メトキシ基、アセチ
ルアミノ基及びニトロ基の何れかを表し、なおベンゼン
環Bの3位の炭素原子と共にベンゼン環を形成すること
もある。Xはアセチル基、ベンゾイル基、パラトルエン
スルホニル基及び4−クロロ−6−ヒドロキシ−1、
3、5−トリアジン−2−イル基の何れかを表し、M1
2及びM3は各々アルカリ金属、アンモニウム及びアミ
ン類から選ばれる塩基である。)
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】次に上記で得られた実施例1〜4と比較例
1〜4のインクを用い、インクジェット記録装置として
発熱素子をインクの吐出エネルギー源として利用したオ
ンデマンド型インクジェットプリンター(1回の吐出動
作によってオリフィスから吐出されるインク体積:25
pl、印字密度:720dpi)を使用して印字試験を行な
い、(1)印字濃度、(2)定着性、(3)吐出耐久
性、(4)保存安定性の評価を下記の基準に従って夫々
行った。また得られた評価を表3及び表4に示す。
【0075】(評価方法及び評価基準) (1)印字濃度 プリンターでPPC用紙(キヤノン製)にベタ部を印字
し、室内にて24時間自然乾燥させた後、その光学濃度を
マクベスRD915(商品名:マクベス社製)で測定し
下記基準にて評価した。 ◎:印字濃度が1.35以上 ○:印字濃度が1.30〜1.35 △:印字濃度が1.20〜1.29 ×:印字濃度が1.19以下
【0076】(2)定着性 プリンターでPPC用紙(キヤノン製)、光沢フィルム
(CA−101;キヤノン製)にベタ部を印字し、10秒
後に印字部を濾紙(商品名:No.5C,東洋濾紙株式会社
製)にて擦り、下記基準にて評価した。 ○:10秒で印字物に汚れなし △:10秒で印字物に汚れ小 ×:10秒で印字物に汚れ大
【0077】(3)吐出耐久性 プリンターで1×108回吐出を繰り返した後、PPC用紙
(キヤノン製)に印字させ、ヒーター表面を下記基準に
て評価した。 ○:ヒーター上に堆積物がない △:ヒーター上に堆積物多少ある ×:ヒーター上に堆積物が多量にある
【0078】(4)保存安定性 インクを容器に入れ、5℃の環境に1ヶ月放置し、下記
基準にて評価した。 ○:インク中に凝集物はみられない △:インク中に細かな凝集物が多少みられる ×:インク中に細かな凝集物がみられる
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】(実施例5、6)下記の組成のインクを上
記実施例1〜4のインクと同様に調製し、上記実施例1
〜4と同様に評価した。また前記各々のインクを実施例
1〜4、及び比較例1〜4のインクの評価に用いたのと
同じインクジェットプリンターを使用し、市販のコピー
用紙に記録を行ない、プリント一時停止後の差異プリン
ト時の目詰まり性、及び周波数応答性について評価し
た。評価条件は以下の通りとした。
【0082】(1)プリント一時停止後の目詰まり性:
該プリンタに各々のインクを充填し、室温は20℃、湿
度は25±5%の環境下で1分間連続して英数文字を印
字した後、30秒間停止し再度英数文字を印字したとき
の文字のかすれ、欠け等の印字不良箇所の有無により判
定した。このときヘッド温度は35±5℃であった。 ○:1文字目からかすれなし。 △:1文字目の一部がかすれ、又は欠ける。 ×:1文字目が全く印字できない。
【0083】(2)周波数応答性 得られた印字物の印字状態、即ちかすれや白抜け状態及
びスプラッシュやヨレ等の着弾点不良状態を肉眼で観察
し、評価した。 ◎ :周波数に対するインクの追従性は良好であり、ベ
タ印字及びキヤラクタ印字共にかすれや白抜け、着弾点
不良が見られない。 ○ :周波数に対するインクの追従性はほぼ良好であ
り、キヤラクタ印字ではかすれや白抜け、着弾点不良が
見られないが、ベタ印字においてわずかにかすれが見ら
れる。 △ :キヤラクタ印字でかすれ、白抜けは見られない
が、一部着弾点不良が見られる。ベタ印字ではかすれ、
白抜けがベタ全体の1/3程度見られる。 ×:ベタ印字においては、かすれ、白抜けが多く、キヤ
ラクタ印字部においてもかすれや着弾点不良がたくさん
見られる。
【0084】その結果を下記表5及び6に示す。
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】
【発明の効果】以上のように本発明の各々の実施態様に
よれば、下記(1)〜(5)の特性を極めて高いレベル
で満たすことができるインク、インクセット、インクカ
ートリッジ、記録ユニット、画像記録方法及び画像記録
装置を得ることができる。 (1)画像濃度が高く、鮮明であること (2)不定形又は不規則なにじみのない高品位な画像が得
られること (3)被記録媒体に対し、定着性が速いこと (4)吐出安定性に優れること (5)保存安定性が良好であること
【0088】より具体的には、多様な記録媒体(例えば
インクジェット用につくられた塗工紙、又は一般にオフ
ィスや家庭で使用されているコピー用紙、レポート用
紙、ノート、便箋、ボンド紙、連続伝票用紙などの非塗
工紙、所謂普通紙等)に対して安定して高品質の画像を
提供し、また吐出性能の変化がより少なく、且つ保存安
定性にも優れたインク、インクセット、インクカートリ
ッジ及び記録ユニットを得ることができる。
【0089】また多様な記録媒体に対して高い品質の画
像を安定して記録することができる。
【0090】また多様な記録媒体に対して安定して高品
質の画像を提供し、また吐出性能の変化が少なく且つ保
存安定性にも優れ、多様な使用環境下、或いはオリフィ
スがより一層微細化されたような場合にも記録一時休止
後のオリフィスからの不吐出が起り難いインク、インク
セット、インクカートリッジ、及び記録ユニットを得る
ことができる。
【0091】更に多様な被記録媒体に対して高い品質の
画像を安定して記録することができ、多様な使用環境下
でも安定して高品位な画像を形成し、或いは記録画像の
より一層の高品質化の為にオリフィスを微細化によって
高画質化を図った場合にもオリフィスの目詰まりを有効
に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッドの一実施態様
を示す縦断面図である。
【図2】図1のAA線断面図である。
【図3】マルチヘッドの概略説明図である。
【図4】インクジェット記録装置の一実施態様を示す概
略斜視図である。
【図5】インクカートリッジの一実施態様を示す縦断面
図である。
【図6】インクジェット記録ヘッドの別の構例を示す概
略斜視図である。
【図7】4つのインクカートリッジが取り付けられた記
録ヘッドの概略説明図である。
【図8】4つの記録ヘッドがキャリッジ上に並べられて
いる構成を示す概略説明図である。
【符号の説明】
13 ヘッド 14 インク溝 15 発熱ヘッド 16 保護膜 17−1、17−2 電極 18 発熱抵抗体層 19 蓄熱層 20 基板 21 インク 22 吐出オリフィス 23 メニスカス 24 インク滴 25 被記録材 26 マルチ溝 27 ガラス板 40 インク袋 42 栓 44 インク吸収体 45 インクカートリッジ 51 給紙部 52 紙送りローラー 53 排紙ローラー 61 ブレード 62 キヤップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キヤリッジ 67 ガイド軸 68 モータ 69 ベルト 70 記録ユニット 71 ヘッド部 72 大気連通口 80 インク流路 81 オリフィスプレート 82 振動板 83 圧電素子 84 基板 85 吐出口 86、87、88、89 記録ヘッド
フロントページの続き (72)発明者 小笠原 幹史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−60347(JP,A) 特開 平8−127981(JP,A) 特開 平9−151345(JP,A) 特開 平11−12520(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性の色材、及びビスヒドロキシエチ
    ルスルホンを水性媒体中に含みpHが9.5〜12であ
    ることを特徴とするインク。
  2. 【請求項2】 該ビスヒドロキシエチルスルホンを、イ
    ンク全重量に対して0.1〜10重量%含む請求項1に
    記載のインク。
  3. 【請求項3】 該インクが更に尿素を含む請求項1記載
    のインク。
  4. 【請求項4】 該尿素をインク全重量に対して0.1〜
    20重量%含む請求項2記載のインク。
  5. 【請求項5】 該ビスヒドロキシエチルスルホンと該尿
    素とを合計で、該インクの全重量に対して0.2〜30
    重量%含む請求項4記載のインク。
  6. 【請求項6】 該インクが、インクジェット記録用のイ
    ンクである請求項1〜5のいずれかに記載のインク。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載のインクを
    記録媒体に付与することを特徴とする画像記録方法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のインクを、インクジェ
    ット記録ヘッドを用いて記録媒体に付与する請求項7に
    記載の画像記録方法。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載のインクを収容している
    インク収容部と、該インクを吐出するインクジェット記
    録ヘッドと、を具備していることを特徴とする画像記録
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6の何れかに記載のインク
    を収納しているインク収納部を備えていることを特徴と
    するインクカートリッジ。
  11. 【請求項11】 請求項6に記載のインクを収納してい
    るインク収納部と、該インクを吐出させるインクジェッ
    ト記録ヘッドと、を具備していることを特徴とする記録
    ユニット。
  12. 【請求項12】 請求項6に記載のインクを収納してい
    るインク収納部と、1回の吐出動作で0.1〜40ピコ
    リットルの該インクを吐出可能なインクジェット記録ヘ
    ッドと、を備えている画像記録装置を用いて該インクを
    記録媒体の画像記録領域に付着させる工程、を有するこ
    とを特徴とする画像記録方法。
  13. 【請求項13】 請求項6に記載のインクを収納してい
    るインク収納部と、 1回の吐出動作で0.1〜40ピコ
    リットルの該インクを吐出可能なインクジェット記録ヘ
    ッドと、を有していることを特徴とする画像記録装置。
  14. 【請求項14】 請求項6に記載のインクを収納してい
    るインク収納部と、1回の吐出動作で0.1〜40ピコ
    リットルの該インクを吐出可能なインクジェット記録ヘ
    ッドと、を有していることを特徴とする記録ユニット。
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