JPH1060347A - インク及びこれを用いた記録方法 - Google Patents

インク及びこれを用いた記録方法

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Publication number
JPH1060347A
JPH1060347A JP22130796A JP22130796A JPH1060347A JP H1060347 A JPH1060347 A JP H1060347A JP 22130796 A JP22130796 A JP 22130796A JP 22130796 A JP22130796 A JP 22130796A JP H1060347 A JPH1060347 A JP H1060347A
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JP
Japan
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ink
weight
sulfoxide
diethanol
dye
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP22130796A
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English (en)
Inventor
Toshio Fukuda
敏生 福田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Publication of JPH1060347A publication Critical patent/JPH1060347A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面張力の極端な低下、粘度の極端な増大を
招くことなく、保存安定性を向上し、記録特性を向上す
る。 【解決手段】 少なくとも染料と溶媒を含むインクに、
ジエタノールスルホキシドも含有させる。また、このイ
ンクを被記録媒体に対して吐出し、被着させて記録を行
う。なお、上記インクにおいては、ジエタノールスルホ
キシドが5〜50重量%の割合で含有されていることが
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクを被記録媒
体に対して吐出し、被着させて記録を行う記録方法に使
用されるインク及びこれを用いた記録方法に関する。詳
しくは、インク中にジエタノールスルホキシドを含有さ
せることにより、表面張力を極端に低下させたり、粘度
を極端に増大させることなく、保存安定性が向上された
インク及びこれを用いた記録方法に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、いわゆるパーソナルコンピュータ
等の普及に伴い、このパーソナルコンピュータの表示画
像を銀塩写真と同様に被記録媒体上に印画することが要
求されている。そして、このような文字及び画像の記録
を行う手段の1つとしてインク液滴を被記録媒体に向け
て直接吐出し被着させて印画を行うインクジェット記録
方式が挙げられる。
【0003】このようなインクジェット記録方式は、イ
ンク液滴の形成方法や液滴の吐出の制御方法により幾つ
かの方式に分けられる。従って、インクには使用される
インク液滴の形成方法や液滴の吐出の制御方法に応じた
特性を有することが望まれる。
【0004】上記のようなインクジェット記録方式の一
例として、記録信号に応じた制御信号に応じて印刷時に
必要な時だけインク液滴を吐出して被記録媒体に被着さ
せて記録するオンデマンドタイプが挙げられる。このオ
ンデマンドタイプのプリンタ装置は、インクが充填され
る圧力室と、これに連通されてインクを吐出させるノズ
ルにより主に構成されるものであり、圧力室内のインク
に加圧することでノズルからインクを吐出させるように
構成されている。
【0005】上記のように圧力室内のインクに加圧を行
う方法としては、ピエゾ素子を用いる方法または発熱素
子を用いる方法が一般的である。前者はピエゾ素子の変
形により圧力室に圧力を加えて充填されているインクに
圧力を加える方法である。後者は、発熱素子により圧力
室内のインクを加熱気化させて発生する泡の圧力でイン
クに加圧する方法である。そして、ピエゾ素子或いは発
熱素子に印加する電圧、パルス幅を制御して適正な大き
さのインク液滴を形成するようにしている。
【0006】なお、インクジェット記録方式の何れの方
式においてもインク液滴はノズルより吐出されて形成さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なインクジェット記録方式に使用されるインクとして
は、主に染料と溶媒により構成されるものが挙げられ
る。そしてこのインクにおいては、使用されるインク液
滴の形成方法や液滴の吐出の制御方法に応じた特性を有
するとともに、長期間の保存に耐え得る保存安定性も要
求される。
【0008】前述のように、インクジェット記録方式の
何れの方式においてもインク液滴はノズルより吐出され
る。そして、このノズルの直径は数十μm程度である。
この場合に、インクの保存安定性が低いと、言い換えれ
ばインクの溶媒の蒸発や化学変化による染料の固体化が
発生すると、ノズルの目詰まりが発生する可能性が高
い。このようなノズルの目詰まりは、インクの吐出を全
く不可能としたり、インクの均一な吐出を不可能として
しまうため、画像形成特性や吐出応答性の低下を招き、
プリンタ装置の記録特性の低下を招く。
【0009】さらに、インク中の染料等の構成材料に化
学的変化が発生すると、使用するインク液滴の形成方法
や液滴の吐出の制御方法に応じて調整された表面張力や
粘度といったインクの特性が変化してしまい、使用する
インク液滴の形成方法や液滴の吐出の制御方法に合わな
いものとなることもあり、連続吐出安定性の低下を招
き、プリンタ装置の記録特性の低下を招く。
【0010】このような不都合を解消するために、蒸発
しにくい溶媒や化学的な安定性が高い染料を使用するこ
とが提案されている。
【0011】そして、上記蒸発しにくい溶媒としては、
多価アルコールや多価アルコール誘導体等が挙げられ
る。この多価アルコールにおいては、蒸発しにくいこ
と、インクの氷点を降下させることから、インクの保存
安定性を高めることが可能である。
【0012】しかしながら、上記多価アルコールや多価
アルコール誘導体をインクに添加し過ぎると、インクの
保存安定性は高まるものの、インクの表面張力の極端な
低下や、インクの粘度の極端な増大を招く。このような
インクの表面張力の極端な低下は、インク液滴の吐出方
向の乱れを起こし、インクの粘度の極端な増大は吐出動
作に大きく影響し、吐出不可能な状態を引き起こす可能
性もある。
【0013】そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、表面張力の極端な低下、粘度の極端
な増大を招くことなく、保存安定性が向上され、記録特
性を向上することの可能なインク及びこれを用いた記録
方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するべ
く、本発明者等は鋭意検討した結果、インク中にジエタ
ノールスルホキシドを含有させるようにすれば、当該ジ
エタノールスルホキシドがインク中の染料等の固体化を
防ぎ、インクの保存安定性を向上することを見い出し
た。しかも、このジエタノールスルホキシドを含有させ
ることにより、インクの表面張力の極端な低下や粘度の
極端な増大が発生することがないことも見い出した。
【0015】すなわち本発明のインクは、少なくとも染
料と溶媒よりなり、ジエタノールスルホキシドを含有す
ることを特徴とするものである。
【0016】また、本発明の記録方法は、少なくとも染
料と溶媒よりなるインクを被記録媒体に対して吐出し、
被着させる際に、上記インクをジエタノールスルホキシ
ドを含有するものとすることを特徴とするものである。
【0017】なお、上記インクにおいては、ジエタノー
ルスルホキシドが5〜50重量%の割合で含有されてい
ることが好ましい。
【0018】上記ジエタノールスルホキシドは、下記化
1に示すような構造を有するものであり、インク中の含
有量が5重量%未満であると、インクの保存安定性を高
める効果が弱く、50重量%よりも多いと、ジエタノー
ルスルホキシドが固体であることから、インク中の固形
分が多くなり過ぎ、好ましくない。
【0019】
【化1】
【0020】なお、本発明のインクにおいては、水溶性
有機溶剤を含有させるようにしても良い。上記水溶性有
機溶剤としては、脂肪族一価アルコールや多価アルコー
ル、多価アルコール誘導体が挙げられる。
【0021】上記脂肪族一価アルコールとしては、メチ
ルアルコール,エチルアルコール,n−プロピルアルコ
ール,i−プロピルアルコール,n−ブチルアルコー
ル,s−ブチルアルコール,t−ブチルアルコール等の
低級アルコールが例示される。
【0022】さらに、かかる一価アルコールを使用した
場合には、インクの表面張力を調整し、普通紙、専用紙
等の被記録媒体への浸透性、ドット形成性、印刷された
画像の乾燥性を向上する効果が高く、好ましい。そして
この場合、上記一価アルコールのうち、エチルアルコー
ル,s−プロピルアルコール,n−ブチルアルコール等
が好ましく使用される。
【0023】また、上記多価アルコールとしては、エチ
レングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレン
グリコール,プロピレングリコール,ブチレングリコー
ル,グリセロール等のアルキレングリコール類、ポリエ
チレングリコール,ポリプロピレングリコール等のポリ
アルキレングリコール類、チオジグリコール等が挙げら
れる。一方の多価アルコール誘導体としては、エチレン
グリコールジメチルエーテル,セロソルブ,ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル等の上述した多価アルコ
ールの低級アルキルエーテル類、エチレングリコールジ
アセテート等の上述した多価アルコールの低級カルボン
酸エステル類等が例示される。
【0024】この多価アルコール及びその誘導体を使用
した場合には、蒸発しにくいこと、インクの氷点を下げ
ることから、インクの保存安定性を高め、プリンタ装置
のノズルの目詰まりを防止する等の効果がある。
【0025】従来のインクにおいては、上記多価アルコ
ール及びその誘導体を含有させることにより、インクの
保存安定性を高めるようにしていたが、本発明のインク
においては、インク中の染料等の固体化を防ぎ、インク
の保存安定性を向上するジエタノールスルホキシドを含
有するようにしているため、多価アルコール及びその誘
導体の含有量を従来のインクよりも少なくすることが可
能である。
【0026】また、本発明のインクに含有される染料と
しては、水溶性染料が挙げられる。このような水溶性染
料としては、水溶性直接染料及び水溶性酸性染料が挙げ
られる。
【0027】一般に、上記染料としては、発色団として
モノアゾ基、ジズアゾ基、アントラキノン骨格、トリフ
ェニルメタン骨格などを有し、更に分子中に1〜3個の
スルホン酸基又はカルボキシル基などの陰イオン性の水
溶性基を有するものを使用することができる。
【0028】具体的には、イエロー系直接染料として、
C.I.ダイレクトイエロー1、同8、同11、同1
2、同24、同26、同27、同28、同33、同3
9、同44、同50、同58、同85、同86、同8
7、同88、同89、同98、同100、同110、マ
ゼンタ系の直接染料としてC.I.ダイレクトレッド
1、同2、同4、同9、同11、同13、同17、同2
0、同23、同24、同28、同31、同33、同3
7、同39、同44、同46、同62、同63、同7
5、同79、同80、同81、同83、同84、同8
9、同95、同99、同113、同197、同201、
同218、同220、同224、同225、同226、
同227、同228、同229、同230、同321、
シアン系の直接染料として、C.I.ダイレクトブルー
1、同2、同6、同8、同15、同22、同25、同4
1、同71、同76、同77、同78、同80、同8
6、同90、同98、同106、同108、同120、
同158、同160、同163、同165、同168、
同192、同193、同194、同195、同196、
同199、同200、同201、同202、同203、
同207、同225、同226、同236、同237、
同246、同248、同249、ブラック系の直接染料
として、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同
22、同32、同38、同51、同56、同62、同7
1、同74、同75、同77、同94、同105、同1
06、同107、同108、同112、同113、同1
17、同118、同132、同133、同146が好ま
しく例示される。
【0029】また、イエロー系の酸性染料として、C.
I.アシッドイエロー1、同3、同7、同11、同1
7、同19、同23、同25、同29、同36、同3
8、同40、同42、同44、同49、同59、同6
1、同70、同72、同75、同76、同78、同7
9、同98、同99、同110、同111、同112、
同114、同116、同118、同119、同127、
同128、同131、同135、同141、同142、
同161、同162、同163、同164、同165、
マゼンタ系の酸性染料として、C.I.アシッドレッド
1、同6、同8、同9、同13、同14、同18、同2
6、同27、同32、同35、同37、同42、同5
1、同52、同57、同75、同77、同80、同8
2、同83、同85、同87、同88、同89、同9
2、同94、同97、同106、同111、同114、
同115、同117、同118、同119、同129、
同130、同131、同133、同134、同138、
同143、同145、同154、同155、同158、
同168、同180、同183、同184、同186、
同194、同198、同199、同209、同211、
同215、同216、同217、同219、同249、
同252、同254、同256、同257、同262、
同265、同266、同274、同276、同282、
同283、同303、同317、同318、同320、
同321、同322、シアン系の酸性染科として、C.
I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、
同23、同25、同27、同29、同40、同41、同
43、同45、同54、同59、同60、同62、同7
2、同74、同78、同80、同82、同83、同9
0、同92、同93、同100、同102、同103、
同104、同112、同113、同117、同120、
同126、同127、同129、同130、同131、
同138、同140、同142、同143、同151、
同154、同158、同161、同166、同167、
同168、同170、同171、同175、同182、
同183、同184、同187、同192、同199、
同203、同204、同205、同229、同234、
同236、ブラック系の酸性染科として、C.I.アシ
ッドブラック1、同2、同7、同24、同26、同2
9、同31、同44、同48、同50、同51、同5
2、同58、同60、同62、同63、同64、同6
7、同72、同76、同77、同94、同107、同1
08、同109、同110、同112、同115、同1
18、同119、同121、同122、同131、同1
32、同139、同140、同155、同156、同1
57、同158、同159、同191等を好ましく例示
することができる。
【0030】本発明のインクにおいては、少なくとも染
料と溶媒を含み、ジエタノールスルホキシドも含有する
ことから、ジエタノールスルホキシドがインク中の染料
等の固体化を防ぎ、インクの保存安定性を向上する。
【0031】なお、一般的なインクの20℃における表
面張力は30〜60dyn/cm程度であり、粘度は1
〜15cp程度である。これに対し、上記ジエタノール
スルホキシドを50重量%含有する水溶液の20℃にお
ける表面張力は60dyn/cm前後であり、粘度は3
cp程度である。
【0032】従って、本発明のインクにおいてジエタノ
ールスルホキシドを5〜50重量%の割合で含有させれ
ば、当該インクの表面張力及び粘度が一般的なインクと
同等程度となり、表面張力の極端な低下及び粘度の極端
な増大が起こることもなく、調整も容易である。
【0033】また、上記のような本発明のインクを被記
録媒体に対して吐出し、被着させて記録を行えば、イン
クの吐出が安定して行われる。
【0034】
【実施例】本発明の効果を確認するべく、以下に示すよ
うな実験を行った。先ず、インクサンプルを用意した。
【0035】すなわち、染料:C.I.ダイレクトイエ
ロー87を5重量%、水を75重量%、ジエタノールス
ルホキシド:明成化学工業(株)社製 BHES−10
0X(商品名)を20重量%の割合で含有するインクを
インク実施サンプル1として用意した。
【0036】また、染料:C.I.ダイレクトレッド2
27を5重量%、水を55重量%、イソプロピルアルコ
ールを10重量%、ジエタノールスルホキシド:明成化
学工業(株)社製 BHES−100X(商品名)を3
0重量%の割合で含有するインクをインク実施サンプル
2として用意した。
【0037】さらに、染料:C.I.ダイレクトブルー
86を5重量%、水を75重量%、エチレングリコール
モノメチルエーテルを10重量%、ジエタノールスルホ
キシド:明成化学工業(株)社製 BHES−100X
(商品名)を10重量%の割合で含有するインクをイン
ク実施サンプル3として用意した。
【0038】さらにまた、染料:C.I.ダイレクトブ
ラック154を5重量%、水を70重量%、イソプロピ
ルアルコールを10重量%、エチレングリコールを10
重量%、ジエタノールスルホキシド:明成化学工業
(株)社製 BHES−100X(商品名)を5重量%
の割合で含有するインクをインク実施サンプル4として
用意した。
【0039】また、染料:C.I.アシッドイエロー2
3を10重量%、水を40重量%、ジエタノールスルホ
キシド:明成化学工業(株)社製 BHES−100X
(商品名)を50重量%の割合で含有するインクをイン
ク実施サンプル5として用意した。
【0040】さらに、染料:C.I.アシッドレッド5
2を10重量%、水を65重量%、N−メチル−2−ピ
ロリドンを10重量%、エチレングリコールモノメチル
エーテルを10重量%、ジエタノールスルホキシド:明
成化学工業(株)社製 BHES−100X(商品名)
を5重量%の割合で含有するインクをインク実施サンプ
ル6として用意した。
【0041】さらにまた、染料:C.I.アシッドブル
ー9を10重量%、水を60重量%、尿素を5重量%、
N−メチル−2−ピロリドンを15重量%、ジエタノー
ルスルホキシド:明成化学工業(株)社製 BHES−
100X(商品名)を10重量%の割合で含有するイン
クをインク実施サンプル7として用意した。
【0042】さらに、インク実施サンプル4中のジエタ
ノールスルホキシドの含有量を変更し、染料:C.I.
ダイレクトブラック154を5重量%、水を74重量
%、イソプロピルアルコールを10重量%、エチレング
リコールを10重量%、ジエタノールスルホキシド:明
成化学工業(株)社製 BHES−100X(商品名)
を1重量%の割合で含有するインク実施サンプル8を用
意した。
【0043】また、比較のために、インク実施サンプル
1中からジエタノールスルホキシドを抜き、染料:C.
I.ダイレクトイエロー87を5重量%、水を95重量
%の割合で含有するインク比較サンプル1を用意した。
【0044】さらに、インク実施サンプル2中からジエ
タノールスルホキシドを抜き、染料:C.I.ダイレク
トレッド227を5重量%、水を85重量%、イソプロ
ピルアルコールを10重量%の割合で含有するインク比
較サンプル2、染料:C.I.ダイレクトレッド227
を5重量%、水を55重量%、イソプロピルアルコール
を40重量%の割合で含有するインク比較サンプル3を
用意した。
【0045】さらにまた、インク実施サンプル3中から
ジエタノールスルホキシドを抜き、染料:C.I.ダイ
レクトブルー86を5重量%、水を85重量%、エチレ
ングリコールモノメチルエーテルを10重量%の割合で
含有するインク比較サンプル4、染料:C.I.ダイレ
クトブルー86を5重量%、水を75重量%、エチレン
グリコールモノメチルエーテルを20重量%の割合で含
有するインク比較サンプル5を用意した。
【0046】また、インク実施サンプル4中からジエタ
ノールスルホキシドを抜き、染料:C.I.ダイレクト
ブラック154を5重量%、水を75重量%、イソプロ
ピルアルコールを10重量%、エチレングリコールを1
0重量%の割合で含有するインク比較サンプル6、染
料:C.I.ダイレクトブラック154を5重量%、水
を70重量%、イソプロピルアルコールを10重量%、
エチレングリコールを15重量%の割合で含有するイン
ク比較サンプル7を用意した。
【0047】さらに、インク実施サンプル5中からジエ
タノールスルホキシドを抜き、染料:C.I.アシッド
イエロー23を10重量%、水を90重量%の割合で含
有するインク比較サンプル8を用意した。
【0048】さらにまた、インク実施サンプル6中から
ジエタノールスルホキシドを抜き、染料:C.I.アシ
ッドレッド52を10重量%、水を65重量%、N−メ
チル−2−ピロリドンを15重量%、エチレングリコー
ルモノメチルエーテルを10重量%の割合で含有するイ
ンク比較サンプル9、染料:C.I.アシッドレッド5
2を10重量%、水を65重量%、N−メチル−2−ピ
ロリドンを10重量%、エチレングリコールモノメチル
エーテルを15重量%の割合で含有するインク比較サン
プル10を用意した。
【0049】また、インク実施サンプル7中からジエタ
ノールスルホキシドを抜き、染料:C.I.アシッドブ
ルー9を10重量%、水を60重量%、尿素を15重量
%、N−メチル−2−ピロリドンを15重量%の割合で
含有するインク比較サンプル11、染料:C.I.アシ
ッドブルー9を10重量%、水を60重量%、尿素を5
重量%、N−メチル−2−ピロリドンを25重量%の割
合で含有するインク比較サンプル12を用意した。
【0050】次に、上記インク実施サンプル1〜8及び
インク比較サンプル1〜12を使用してヒューレットパ
ッカード社製のプリンタ装置 DESKJET1200
C(機種名)を使用して実際の印刷を行い、各インクサ
ンプルの表面張力特性及び粘度特性を示す連続吐出安定
性、保存安定性を示す吐出応答性を調査した。
【0051】先ず、連続吐出安定性を調査した。すなわ
ち、各インクサンプルを使用して、上記のようなプリン
タ装置により、記録媒体上の光学濃度が最高濃度となる
吐出条件で室温と40℃の環境下で24時間連続印刷を
行い、その吐出性を確認した。結果を表1に示す。な
お、表1中には、24時間問題なく連続吐出できたもの
を○、24時間連続吐出できたものの吐出方向に乱れが
生じてしまったものを△、24時間連続吐出できなかっ
たものを×として表した。
【0052】
【表1】
【0053】表1の結果を見てわかるように、ジエタノ
ールスルホキシドを含有するインク実施サンプル1〜8
においては、室温下及び環境温度40℃下の何れの条件
下においても24時間連続吐出を問題なく行うことがで
き、24時間連続印刷が可能であることが確認された。
すなわち、これらインク実施サンプル1〜8において
は、表面張力特性及び粘度特性が良好であることが確認
された。
【0054】一方、ジエタノールスルホキシドを含有し
ないインク比較サンプル1〜12においては、実施サン
プル1〜8と比較して連続吐出安定性が大幅に劣り、表
面張力特性及び粘度特性があまり良好でないことが確認
された。
【0055】さらに、ジエタノールスルホキシドを5重
量%〜50重量%の割合で含有するインク実施サンプル
1〜7とジエタノールスルホキシドを1重量%の割合で
含有するインク実施サンプル8とを比較すると、前者の
方が連続吐出安定性が高く、表面張力特性及び粘度特性
が良好であることも確認された。すなわち、ジエタノー
ルスルホキシドの含有量を5重量%〜50重量%とする
ことで、表面張力特性及び粘度特性をさらに高めること
が可能であることが確認された。
【0056】続いて、吐出応答性を調査した。すなわ
ち、各インクサンプルを使用して、上記のようなプリン
タ装置により、記録媒体上の光学濃度が最高濃度となる
吐出条件で10分間吐出、10分間休止のサイクルでの
印刷を24時間行い、その吐出性を確認した。結果を表
2に示す。なお、表2中には、24時間問題なくサイク
ル通りに吐出できたものを○、24時間サイクル通りに
吐出できたものの吐出方向に乱れが生じてしまったもの
を△、24時間サイクル通りに吐出できなかったものを
×として表した。
【0057】
【表2】
【0058】表2の結果を見てわかるように、ジエタノ
ールスルホキシドを含有するインク実施サンプル1〜8
においては、24時間上記サイクルを問題なく行うこと
が可能であることが確認された。すなわち、これらイン
ク実施サンプル1〜8においては、保存安定性が良好で
あることが確認された。
【0059】一方、ジエタノールスルホキシドを含有し
ないインク比較サンプル1〜12においては、実施サン
プル1〜8と比較して吐出応答性が大幅に劣り、保存安
定性があまり良好でないことが確認された。
【0060】さらに、ジエタノールスルホキシドを5重
量%〜50重量%の割合で含有するインク実施サンプル
1〜7とジエタノールスルホキシドを1重量%の割合で
含有するインク実施サンプル8とを比較すると、前者の
方が吐出応答性が高く、保存安定性が良好であることが
確認された。すなわち、ジエタノールスルホキシドの含
有量を5重量%〜50重量%とすることで、保存安定性
をさらに高めることが可能であることが確認された。
【0061】次に、各インクサンプルの長期保存安定性
を確認するべく、さらに厳しい条件下における吐出応答
性を調査した。すなわち、各インクサンプルを上記のよ
うなプリンタ装置中に充填し、ノズルをキャップで蓋す
ることなく、2週間放置し、放置後のノズル先端の目詰
まりの発生の有無及び印刷が可能であるかどうかを調査
した。結果を表3に示す。なお、表3中には、目詰まり
が発生しておらず印刷が可能であるものを○、目詰まり
が発生しているものの印刷は可能であるものを△、目詰
まりが発生しており印刷が不可能であるものを×として
表した。
【0062】
【表3】
【0063】表3の結果を見てわかるように、ジエタノ
ールスルホキシドを含有するインク実施サンプル1〜8
においては、2週間にわたって放置された場合において
も溶媒の蒸発及び染料等の構成材料の化学的変化が発生
せず、放置後も印刷を行うことが可能であり、吐出応答
性が良好であることが確認された。すなわち、これらイ
ンク実施サンプル1〜8においては、保存安定性が非常
に良好であることが確認された。
【0064】一方、ジエタノールスルホキシドを含有し
ないインク比較サンプル1〜12においては、実施サン
プル1〜8と比較して吐出応答性が大幅に劣り、保存安
定性があまり良好でないことが確認された。
【0065】さらに、ジエタノールスルホキシドを5重
量%〜50重量%の割合で含有するインク実施サンプル
1〜7とジエタノールスルホキシドを1重量%の割合で
含有するインク実施サンプル8とを比較すると、前者の
方が吐出応答性が高く、保存安定性が良好であることも
確認された。すなわち、ジエタノールスルホキシドの含
有量を5重量%〜50重量%とすることで、保存安定性
をさらに高めることが可能であることが確認された。
【0066】すなわち、上述したような実験の結果、本
発明のインクのように、少なくとも染料と溶媒を含み、
ジエタノールスルホキシドも含有するインクにおいて
は、ジエタノールスルホキシドがインク中の染料等の固
体化を防ぎ、インクの保存安定性が向上されること、こ
のジエタノールスルホキシドによれば、インクの表面張
力の著しい低下や粘度の著しい増大を伴うこともないこ
とが確認された。
【0067】さらに、ジエタノールスルホキシドを5〜
50重量%の割合で含有させれば、保存安定性をさらに
向上し、表面張力の低下や粘度の増大をさらに抑えるこ
とが可能であることも確認された。
【0068】従って、本発明のインクを被記録媒体に対
して吐出し、被着させて記録を行えば、インクの吐出が
安定して行われ、記録特性が向上する。
【0069】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のインクにおいては、少なくとも染料と溶媒を含み、
ジエタノールスルホキシドも含有することから、ジエタ
ノールスルホキシドがインク中の染料等の固体化を防
ぎ、保存安定性が向上され、且つ表面張力の著しい低下
や粘度の著しい増大が発生することもない。
【0070】なお、本発明のインクにおいてジエタノー
ルスルホキシドを5〜50重量%の割合で含有させれ
ば、保存安定性がさらに向上し、表面張力特性や粘度特
性もさらに向上する。
【0071】また、上記のような本発明のインクを被記
録媒体に対して吐出し、被着させて記録を行えば、イン
クの吐出が安定して行われ、記録特性が向上する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも染料と溶媒よりなるインクに
    おいて、 ジエタノールスルホキシドを含有することを特徴とする
    インク。
  2. 【請求項2】 ジエタノールスルホキシドが5重量%〜
    50重量%の割合で含有されていることを特徴とする請
    求項1記載のインク。
  3. 【請求項3】 少なくとも染料と溶媒よりなるインクを
    被記録媒体に対して吐出し、被着させて記録を行う記録
    方法において、 インクがジエタノールスルホキシドを含有することを特
    徴とする記録方法。
  4. 【請求項4】 インク中にジエタノールスルホキシドが
    5重量%〜50重量%の割合で含有されていることを特
    徴とする請求項3記載の記録方法。
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