JPS6034992B2 - インクジエツト記録用速乾性インク - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、インクジェット記録用の遠乾性インクに関す
るものであり、特にインク室の内部体積の急激な減少に
より、ノズルからインクを押し出すことにより噴射する
インクジェット方式のための遠乾性インクに関するもの
である。

本発明の目的は、噴射ノズル内においては、蒸発乾燥（
目づまり）せず、紙上にインク液滴が付着形成された際
、直ちに乾燥して、手でこすっても、こすれないような
インクを作り出すことである。

従釆、インクの速乾性を満足する方法としては、インク
中に比較的蒸気圧の高い溶剤を添加し、この溶剤の蒸発
によりインクを乾燥していた。

しかし、この方法によれば、紙上での遠乾性は満足でき
るが、インクジェットプリンターの如く、インク噴射ノ
ズル蓬がおよそ５０〜１００仏の？と小さい場合には、
装置の停止時等に、ノズル先端のインクが蒸発乾燥して
目づまりを起こす欠点があった。そのため、このノズル
内での蒸発乾燥を防止する目的で使用停止時にはノズル
先端にフタを取つける等の処置をとらなければならなか
った。又、上記方法とは逆に、インク自体は蒸発しにく
く、紙質を吸い取り紙の如く、浸透性の高いものを使用
し、インクを惨ませて、見かけ上乾燥したようにする方
法がある。この方法においては、ノズル内でのインク蒸
発による目づまりは、起こりにくいが、紙質が惨み易い
ものに限定されてしまい、従って消費者は、メーカで指
定した紙以外使用できない。そのため、紙が比較的高価
になってしまう等の欠点を有していた。本発明は、この
ような欠点を改善すべくなされたものである。

つまり、噴射ノズル内ではインクが蒸発乾燥し‘こくく
、紙上にインク液滴が付着形成された際には、瞬時に乾
燥するという相反する性質を満足させたものである。即
ち、水溶性染料、多価アルコール、水、場合によっては
、細菌類の発生を防止した防カビ剤から成る、蒸発乾燥
しにくいインクジェットプリンター用インク系に、水に
おけるミセル濃度での表面張力が２０〜５Ｍｙ肥・仇‐
１を示す界面活性剤を１．３〜２５重量パーセント（以
下ｗｔ％と表わす）添加し、界面活性剤のもつ紙等のセ
ルロースに対する浸透力を利用し、紙に惨み込ませ、瞬
時に見かけ上乾燥したように見せかける特性をインクに
付加したものである。又、従来より、インクに界面活性
剤を少量添加することは、衆知であるが、これらの添加
の目的はインクの表面張力の調整のためである。従って
、その添加量は、界面活性剤のミセル濃度程度の１．０
〜０．１ｗｔ％以下である。しかし、この程度の添加量
においては、インクの紙への浸透力はほとんど向上せず
、単なる表面張力の調整にすぎない。このことを明確に
するために、第１図に、陰イオン界面活性剤であるドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量と、インク
の速乾‘性及び表面張力について示した。尚、インク系
は、染料にＣＩＤｉｒｅｃｔＢｌａｃｋ−１７、１．５
％、多価アルコールとしてトリエチレングリコール１歓
れ％、残部水系である。又、紙は、上質紙を使用してい
る。第１図からわかる如く、表面張力ッＬは、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムのミセル濃度と思われる
０．０５ｗｔ％でほぼ一定の値となる。これに対し、遠
乾性は、１．３Ｗｔ％以上の添加量で乾燥時間の測定が
困難となり、ほとんど瞬時に乾燥する。本発明について
更に詳しく説明すると、本発明に使用される水溶性染料
は、他のインク成分系添加により、色調の変化、沈澱物
の生成のないものならどのような染料でも使用可能であ
る。具体的には、Ｃ．ＩＤｒｉｒｅｃｔＢｌａｃｋ １
７、３２、１０８ １４０Ｃ．Ｉ Ａｃｉｄ Ｂｌａｃ
ｋ ２、７、２４、３１、５２、６３、１１２、１１
８ １１９ １２１、１２２、１５５ １５６ＣＪ母ｓ
ｉｃＢｌａｃｋ ２Ｃ．Ｉ ＤｉｒｅｃｔＢｊｕｅ ６
、２２、２５、７１、９０Ｃ．Ｉ Ａｃｉｄ Ｂｌｕｅ
９、２２、４０、９３、１０２、１０４、１１３、
１１７、１２０、１６７、２２９、２３４Ｃ．Ｉ Ｂａ
ｓｉｃＢｌｕｅ ｌ、３、５、７、９、２４ ２５、２
６、２８、２９Ｃ．ＩＤｉｒｅｃｔＲｅｄ ｌ、４、１
７、２８ ８３Ｃ・Ｉ Ａｃｉｄ Ｒｅｄ ６、５
１、５２、８０、８５、８７、９２、９４、１５与 １
８０、２５６ ３１７、３１８Ｃ．Ｉ Ｂａｓｉｃ Ｒ
ｅｄ ｌ、２、９、１２、３７等を挙げることができ、
これらは単独で、又は２種以上で使用される。

添加量は、０．１Ｍ％未満では必要とされる色調、コン
トラストが出ない。又、卵ｔ％より多いと、色調、コン
トラストは充分満足するが、温度変化により染料が析出
し、目４づまりを起こし易くなるので、鰍ｔ％以下に限
定する。次に、多価アルコールは、インクの蒸発を防止
するために添加し、具体的には、エチレングリコール、
ジヱチリングリコール、トリエチレングリコ−ル、テト
ラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グリセリン等が適する。

添加量は、７Ｍ％未満では、インクの蒸発防止、低温特
性が不充分であり、又、４５Ｍ％より多くなると、イン
ク粘度が高くなり、ヘッドの応答スピードが低下するの
で、４５Ｍ％以下に限定する。更に、界面活性剤は前記
に示した如く、インク０の遠乾・性を向上するために添
加するとともに、インクの蒸発をも防止する。

水に対するミセル濃度での表面張力が２世ｙ肥・弧‐１
以下のものでは、界面特性を示すものが少なく、又５Ｗ
ｙｎｅ・弧‐１以上のものは紙への浸透力が小さく、遠
乾‘性が出せないので、使用する界面活性剤は２０〜５
のｙｎｅ・肌‐１に限定する。

具体的には、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸ェステル
塩類、液体脂肪油硫酸ェステル塩類、脂肪族アミン及び
脂肪族アマィドの硫酸塩類、高級アルコールリン酸ェス
テル塩類、二塩基性脂肪酸ェステルのスルホン塩類、脂
肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸
塩類、ホルマリン縮合のナフタリンスルホン酸塩類、脂
肪族アミン塩類、第四アンモニウム塩類、アルキルピリ
ジウム塩、ポリオキシェチレンアルキルェーテル類、ポ
リオキシェチレンアルキルフェノ−ルェーテル類、ポリ
オキシェチレンアルキルェステル類、ソルビタンアルキ
ルェステル類、ポリオキシェチレンソルビタンアルキル
ェステル類等の、陽イオン、陰イオン、非イオン、両性
界面活性剤を挙げることができ、これらは、単独で、又
は２種以上で、使用される。添加量は、１．３れ％未満
では瞬時の速乾性を満足するには不充分であり、２５Ｍ
％より添加すると、粘度の上昇、染料の偏析等を生じ易
くなるので、２５Ｍ％以下に限定する。更に必要があれ
ば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ジオキサン等の防カビ剤
を少量添加することができる。以下、本発明を実施例に
より説明する。

実施例 １ 縄梓機を装備した１そのコニカルビー力中に、蒸留水７
６９夕、グ１Ｊセリン２００夕を仕込み櫨投下に、デヒ
ドロ酢酸ナトリウム１夕を徐々に加えた。

デヒドロ酢酸ナトリウムが完全に溶解した後、凝梓下に
、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトＩＪゥム２０夕を徐
々に加え、更に雛伴下に、黒色染料Ｃ．ＩＤｉｒｅｃｔ
Ｂｌａｃｋ−１７１０夕を徐々に加え、室温にて３時間
蝿枠を続けた。この溶液をメンプランフィルターでアス
ピレーターにより２回ろ過を繰り返した。得られたイン
クの組成、粘度および表面張力は、次の通りである。（
組 成） 粘度：１．や．Ｐ． 表面張力：３７．４ｙｎｅ．肌‐１ このインクを特関昭５２−７４４０６号公報第１図記載
のヘッド‘こ充填して、印刷速度５００点／秒、パルス
電圧６Ｗ、ノズルの直径５０〆肌でインクジェット記録
を行なった。

得られた印刷物は、各ドットが適当に鯵んで拡がり、ド
ット、ドットが連結し、比較的鮮明な黒色プリント記録
が得られた。尚、紙質は、一般の上質紙とインク用吸い
取り紙で行なったが、印字品質にほとんど差がなく、良
好であった。又、各々の紙上での乾燥時度は、ほぼ同じ
で瞬間的であり、プリント後直ちに手でこすっても、全
く印字品質はそこなわれなかった。更に、連続２４時間
の記録においても、その品質は、時間と共に変化しなか
った。又、記録終了３週間後に記録を再開したところ、
ノズルの目づまり等の異常はなく、初期と全く変らない
高品質のプリント記録が得られた。実施例 ２ 実施例１に記載の操作により、次の組成を有するインク
を作成した。

（組 成） 粘度：１．食Ｐ 表面張力：４１ｄｙｎｅ・抑‐１ 実施例１に記載のヘッドで、印刷速度１０００点／秒、
パルス電圧９０Ｖ、ノズル直径７０仏のでジェット記録
を行なったところ、色調が青色であることを除き、実施
例１の結果と区別できない程良好な結果が得られた。

実施例 ３ 実施例１に記載の操作により、次の組成を有するインク
を作成した。

（組 成） 粘度：３．次ｐ（２ぴ○） 表面張力：３９ｙｎｅ・肌‐１ 実施例１に記載のヘッドで、印刷速度１４００点／秒、
パルス電圧７０Ｖ、ノズル直径１００山肌でジェット記
録を行なったところ、色調が赤色であることを除し、実
施例１の結果と区別できない程良好の結果が得られた。

実施例 ４実施例１に記載の操作により、次の組成を有
するインクを作成した。

（組 成） 粘度：６．＄ｐ（２０００） 表面張力：４幻ｙｎｅ・弧‐１ 実施例１に記載のヘッドで、印刷速度７００点／秒、パ
ルス電圧１１０Ｖ、ノズル直径７０仏ｍでジェット記録
を行なったところ、実施例１より黒色のコントラストが
高まったのを除いて、良好の結果が得られた。

実施例 ５ 実施例１に記載した操作により、次の組成を有するイン
クを作成した。

（組 成） ：２．＄ｐ ２０００ 表面張力：３がｙｎｅ・肌‐１ 実施例１に記載のヘッドで、印刷速度１０００点／秒、
パルス電圧１２０Ｖ、ノズル直径５０ム机でジェット記
録を行なったところ、実施例１とは色調が青色である点
を除き、実施例１と区別できない良好な結果が得られた
。

以上の如く、本発明のインクジェット記録用インクによ
れば、上質紙や吸取紙のように全く吸収特性の異なる紙
においてもほとんど差がない瞬時の遠乾性を満足する高
速印刷を可能にする。

本発明のインクジェット用インクを用いては、ノズルよ
り噴射されたィィンク滴を紙に付着させるとほぼ同時に
乾燥するため、インクの乾燥用の待ち時間を設ける等せ
ず、インクのおこなわれる順に紙を巻き取る等が可能で
あり印刷面が印刷直後に他の都材に接触しても印刷面が
インクにより汚れることがなく、インクの乾燥時間をに
せずに高速印刷をおこなうことができる。そして、印刷
されたドット径は紙の種類によらずほとんど同じであり
、同時の印刷品質を確保できる。そしてこのような特性
を有しながら、一見相反する性質であるインクジェット
プリンタのノズル内の目づまりを生ずることがない。従
って本発明のインクジェット記録用インクは実用上極め
て有意義である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、界面活性剤添加量とインクの乾燥速度、表面
張力の関係を示した。 第１図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 界面活性剤を添加した水溶性のインクジエツト記録
   用インにおいて、０．１〜９重量パーセントの水溶性染
   料、７〜４５重量パーセントの多価アルコール類および
   水におけるミセル濃度での表面張力が２０〜５０ｄｙｎ
   ｅ・ｃｍ＾−＾１を示す界面活性剤を１．３〜２５重量
   パーセント含有し、残部が水からなることを特徴とする
   インクジエツト記録用速乾性インク。