JP3512908B2 - 電子線照射装置 - Google Patents

電子線照射装置

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JP3512908B2
JP3512908B2 JP15611695A JP15611695A JP3512908B2 JP 3512908 B2 JP3512908 B2 JP 3512908B2 JP 15611695 A JP15611695 A JP 15611695A JP 15611695 A JP15611695 A JP 15611695A JP 3512908 B2 JP3512908 B2 JP 3512908B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子線を発生させ、そ
の電子線を被照射物質に照射して該物質の特性を変化さ
せる電子線照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子線を発生させて被照射体に照射を行
う電子線照射装置としては、図13に示すように電子線
1を発生させる電子銃部2、電子線1を加速する加速部
3、加速された電子線1の照射面積を広げるための走査
用電磁石4、走査された電子線1を通過させる走査管部
5、電子線1を気中へ取出すためのウインドウ部6およ
び被照射体室8内に設けられた被照射体7から構成され
ている。
【0003】一方、上記ウインドウ部6には電子線1を
被照射体7に照射するために、図14に示すように電子
線照射装置本体内部の真空状態を大気としゃ断し、電子
線1の通過時におけるエネルギ損失の少ない金属製薄膜
(主に厚さ数10ミクロンのチタン)を用いた窓箔9が
走査管5のフランジ部10にパッキン11と押えフラン
ジ12に挟まれて装着されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような構成の電子
線照射装置において、電子銃部2より電子線1を発生さ
せるに際しては、電子線1を極力均等かつ有効に被照射
体7に照射するために走査用電磁石4の運転パターン形
状・走査の繰返し周波数・励磁の強さを被照射体7のサ
イズや形状、被照射体7が移動している場合にはそのス
ピードにより適宜変化させている。
【0005】また、電子線1の照射範囲を広げたり、被
照射体7のサイズの違いに応じた照射範囲の変更は、走
査用電磁石4の励磁量を変化させて行う。この場合、ウ
インドウ部6での走査範囲と走査用電磁石4の励磁量の
関係を装置の調整段階でウインドウ部6の下部に蛍光板
や蛍光紙を置いて確認調整作業が必要である。
【0006】この際、同一の照射範囲設定でも電子線1
の加速エネルギに応じて走査電磁石4の励磁量が変わる
ため、電子線照射装置の使用可能エネルギ範囲において
すべて確認調整する必要があった。この確認調整を大雑
把なレベルに止めておくには、電子線照射装置仕様上必
要とされる最大照射範囲に対して、ウインドウ部6をか
なり大きめに設計マージンとして取っておく必要があ
る。
【0007】しかし、ウインドウ部6は電子線1の発生
・加速・走査を行う真空部分と、被照射体7が置かれて
いる気中部分とを仕切り、且つこのウインドウ部6を通
過することによる電子線1のエネルギ損失を極力小さく
するために、数10マイクロ程度のチタン薄膜などが窓
材として用いられているため、ウインドウ部6が大きく
なると強度面・寿命面から信頼性のかける点があり、メ
ンテナンスによる交換も頻繁に行われていた。
【0008】さらに、ウインドウ部6に装着される窓箔
9は電子線1が通過すると共に、大気圧を受けているこ
と、更に被照射体室8の大気、オゾン、排ガス等に晒さ
れていることから、非常に破損し易い(損傷を受け易
い)状態にあり、ある一定期間を置いて新品と交換する
必要がある。
【0009】一方、電子線照射装置が実作用段階で使用
される場合の照射範囲の設定は、事前の確認調整作業の
結果から励磁量を走査用電磁石4にオペレータが確認の
上、セットしている。従って、被照射体7のサイズや照
射エネルギが頻繁に変化する場合には走査性の上から運
転効率や運転条件設定の信頼性に欠けていた。
【0010】本発明は、被照射体のサイズや照射エネル
ギが頻繁に変化するような場合でも運転効率や運転条件
設定に対する信頼性の向上を図ることを第1の目的と
し、またウインドウ部に装着される窓箔の交換作業の簡
易化を図り、停止時間を短くして長時間における連続運
転を行うことを第2の目的とする電子線照射装置を提供
するにある。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、次のような手段により電子線照射装置を構
成する。請求項1に対応する発明は、電子銃から発生し
た電子線を加速部により加速すると共に、真空状態に保
持された走査管を通して前記電子線の照射範囲を走査
し、その電子線を前記走査管のフランジ部に装着された
窓枠に有する複数の照射用窓に設けられた窓箔を通して
気中に置かれた被照射物質に照射することにより、該物
質の特性を変化させるようにした電子線照射装置におい
て、前記窓枠に各照射用窓を囲むように複数本の歯部と
溝部を設け、更に前記窓枠の外周にこれら照射用窓部全
体を囲むように複数の歯部と溝部を設けると共に、これ
ら各溝部に磁性流体を挿入し、且つ窓枠外周の歯部と溝
部側に対応する窓枠の背面側に永久磁石を着脱自在に組
込み、また前記窓枠外周の歯部と溝部に対応する前記走
査管のフランジ部に永久磁石を着脱自在に組込む構成と
し、この窓枠を前記走査管のフランジ部に微小間隙を介
してスライド移動可能に装着するようにしたものであ
る。
【0016】請求項2に対応する発明は、請求項1に対
応する発明において、前記走査管のフランジ面と前記窓
枠との間に存する微小間隙を大気又は前記走査管内に連
通させる連通管をそれぞれ設けると共に、その挿通管に
リークバルブを設け、前記窓箔の交換時にこれらリーク
バルブを開閉して前記微小間隙部を真空又は大気圧にす
ることにより、走査管内の真空状態を保ったまま前記窓
枠を移動させるようにしたものである。
【0017】請求項3に対応する発明は、請求項1に対
応する発明において、遠隔操作により動作して前記永久
磁石の着脱、窓枠の移動させる駆動装置を設けて前記窓
箔の交換を行うようにしたものである。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【作用】請求項1に対応する発明の電子線照射装置にあ
っては、窓枠外周の歯部と溝部側に対応する窓枠の背面
側に永久磁石を組込むと共に、前記窓枠外周の歯部と溝
部に対応する走査管のフランジ部に永久磁石を組込む
と、走査管のフランジ面と窓枠の歯部との間に磁気回路
が形成され、その部分に磁性流体が集り、シール部を形
成する。また、永久磁石を取外すことにより磁性流体が
溝部に落ち、シール部が解除される。
【0023】従って、運転時には照射用窓の周りにシー
ル部を形成し、また窓箔交換時には窓枠外周部にシール
部を形成すると共に、窓部のシール部を解除した状態
で、窓枠を移動して新しい窓箔を走査管位置にセットす
る。そして、新しい窓箔の周りにシール部を形成すると
共に、窓枠外周部のシール部を解除することにより、真
空状態を保持したまま新しい窓箔に交換することができ
る。
【0024】請求項2に対応する発明の電子線照射装置
にあっては、請求項1に対応する発明の作用効果に加え
て、窓箔の交換時にこれらリークバルブを開閉して前記
微小間隔部を真空又は大気圧にすることにより、走査管
内の真空状態を保ったまま前記窓枠を移動させ、窓箔の
交換並びに交換後の通常運転を短時間で行うことができ
る。
【0025】請求項3に対応する発明の電子線照射装置
にあっては、駆動装置を遠隔操作により動作させて永久
磁石の着脱、窓枠の移動を行うことにより、一連の窓箔
の交換作業の自動化を図ることが可能となり、請求項1
に対応する発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0026】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。まず、本発明の第1の目的を達成するための実施例
について述べる。図1(a)は本発明による電子線照射
装置の第1の実施例を示す全体の基本構成図、(b)は
ウンドウ部の平面図であり、図13と同一部分には同一
符号を付して説明する。
【0027】図1において、電子銃2から発生する電子
線1は、加速部3を出た後、走査用電磁石4により走査
され、走査管5に入る。電子線1の走査は走査用電磁石
4に印加する電流パターンの周波数や励磁量を走査用電
磁石4の励磁用電源13を制御することにより行われ
る。
【0028】電流パターンの周波数や、励磁量の制御に
よって照射範囲が広げられた電子線は、真空部である走
査管5の内側からウインドウ部6を通り、気中におかれ
た被照射体7に照射される。真空と気中を仕切るウイン
ドウ部6は、前述したように数10ミクロ程度のチタン
薄膜等が窓材として用いられる。
【0029】このような構成の電子線照射装置におい
て、本実施例では図1(a),(b)に示すように電子
線の走査範囲を検知するため、ウインドウ部6に電子線
1の走査方向に導電性の電流プローブ14を設置するよ
うにしたものである。この場合、図1(a),(b)で
は走査方向が1次元でブロック状の電流プローブ14を
左右に2台配置した場合の例について示してある。
【0030】この電流プローブ14は、移動機構15に
より電子線の照射範囲の2次元方向に移動可能になって
おり、また電流プローブの移動位置が位置検出機構16
により検出可能になっている。
【0031】図2は電子線の照射範囲を設定するための
制御ブロック図である。図2において、16はプローブ
移動機構15により移動する電流プローブ14の移動位
置を検出する位置検出機構で、この位置検出機構16で
検出された検出値は位置判定部17に入力され、電流プ
ローブ位置設定値18と比較される。この位置判定部1
7では電流プローブ14の位置検出値が位置設定値と等
しくなければ、プローブ移動機構15に駆動指令を与
え、電流プローブ14の位置検出値が位置設定値と等し
くなったことが検出されると、電磁石励磁用電源13に
励磁指令を与えて走査用電磁石4に印加する電流パター
ンの周波数や励磁量を制御する。
【0032】この電流パターンの周波数や励磁量の制御
によって電子線の照射範囲が広げられるが、このとき電
流プローブ電流値検出回路19によりプローブ電流が検
出されて電流判定部20に入力される。この判定部20
では電流プローブ電流値検出回路19で検出された電流
値と電流設定値21とを比較し、検出値が設定値より大
きれば電流フィードバック回路により走査用電磁石励磁
用電源13を制御し、電流検出値が設定値より小さくな
ったことが判定されると、照射範囲の設定が終了する。
【0033】このように本実施例によれば、電子線1の
照射範囲を照射中に確認し、その照射範囲を精密に設定
することが可能となる。また、照射範囲の精密設定によ
り照射効果が上がり、また精密設定が自動的に行われる
ため、装置の運転効率や運転条件設定の信頼性を大幅に
向上させることができる。
【0034】図3は本発明の第2の実施例を示すもの
で、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省
略し、ここでは異なる点についてのみ述べる。第2の実
施例では、2次元照射のため、図3(a),(b)に示
すように走査用電磁石4として、水平方向走査用電磁石
4aと垂直方向操作用電磁石4bが備えられ、設定した
照射範囲22に対して水平方向電流プローブ14aと垂
直方向電流プローブ14bで、走査用電磁石4a,4b
の励磁用電源に励磁条件をそれぞれフィードバックさせ
るようにしたものである。
【0035】このような構成の電子線照射装置において
も、電子線1の照射範囲を照射中に2次元的に確認し、
その照射範囲を精密に設定することが可能となるので、
照射範囲の精密設定により照射効率が上がり、また精密
設定が自動的に行われるので、装置の運転効率や運転条
件設定に対する信頼性の向上を大幅に上げることができ
る。
【0036】図4は本発明の第3の実施例を示す平面図
で、図3と同一部分には同一符号を付してその説明を省
略し、ここでは異なる点についてのみ述べる。第3の実
施例では、図4に示すようにウインドウ部6に対応させ
て一対の水平方向用マルチチャンネル電流検出器23a
と一対の垂直方向用マルチチャンネル電流検出器23b
をそれぞれ対向させて設け、これら各水平方向用マルチ
チャンネル電流検出器23a及び垂直方向用マルチチャ
ンネル電流検出器23bに複数本の探針型電流プローブ
14cを取付けるようにしたものである。
【0037】図5は本発明の第4の実施例を示す平面図
で、図3と同一部分には同一符号を付してその説明を省
略し、ここでは異なる点についてのみ述べる。第4の実
施例では、図5に示すようにウインドウ部6に対応させ
て水平方向と垂直方向に2本のワイヤ型電流プローブ1
4dを適宜の間隔を存してそれぞれ配設し、これらワイ
ヤ型電流プローブ14dにより検出された電流検出値を
電流検出回路19にそれぞれ入力するようにしたもので
ある。
【0038】上記第3及び第4の実施例のような構成と
しても、前述した第2の実施例と同様の作用効果を得る
ことができる。図6は本発明の第5の実施例を示す平面
図で、図3と同一部分には同一符号を付してその説明を
省略し、ここでは異なる点についてのみ述べる。
【0039】第5の実施例では、図6に示すようにウイ
ンドウ部6に対応させてワイヤーグリッド型の電流プロ
ーブ14eを配設し、その水平方向電流検出成分を水平
方向電流マルチチャンネル電流検出器23aに、垂直方
向電流成分を垂直方向用マルチチャンネル電流検出器2
3bにそれぞれ入力するようにしたものである。
【0040】このように第5の実施例に示すような構成
の電子線照射装置においても、前述同様の作用効果を得
ることができる。図7は本発明の第6の実施例を示すも
ので、図3と同一部分には同一符号を付してその説明を
省略し、ここでは異なる点についてのみ述べる。
【0041】第6の実施例では、図7に示すように電流
プローブ14を真空部である走査管5の内部に設置した
例を示すものである。ウインドウ部6の下部に電流プロ
ーブ14を設置する場合、スペース的に取合いが厳しい
場合があるが、図7に示すように電流信号引出用の電流
導入端子が必要となるが、真空容器内にプローブを設け
ることにより対応させることができる。
【0042】このように本発明の第1の実施例乃至第6
の実施例によれば、次のような効果を得ることができ
る。 (1)電子線1の走査範囲を設定するだけで、電流プロ
ーブ14の位置が設定及び電流値の検出、さらに走査範
囲の制御が連動可能で、且つ迅速な照射範囲の設定が可
能となる。 (2)任意のサイズの被照射体7に対して、迅速且つ正
確な照射範囲の設定が可能である。 (3)加速エネルギの条件が変わっても照射範囲の設定
のための走査用電磁石4への励磁強度が自動的に設定す
ることが可能である。 (4)上記(1)〜(3)により、マージンを見込んだ
余分な照射範囲の設定がなくなり、照射時間を短くする
ことが可能となり、設備の運転効率を向上させることが
できる。 (5)運転効率アップにより、消費電力の低減が可能で
ある。 (6)事前の照射範囲の調整が不要となる。 (7)正確な照射範囲の設定が可能なため、機器設計時
にウイドウ部6の操作範囲に伴う設計マージンを小さく
することができる。 (8)上記(7)により、薄膜が使われるウインドウ部
6の信頼性を向上させることができる。 (9)運転時間の短縮及び照射範囲の限定により、放射
線の発生量を少なくすることができる。 (10)上記(9)により、電子線発生装置の放射線シ
ールド(コンクリートや鉄板等を使用)の設計が容易と
なり、設備全体の小形化を図ることができる。
【0043】次に本発明の第2の目的を達成するための
実施例について述べる。図8は本発明による電子線照射
装置の第7の実施例を示す全体構成図であり、図9及び
図10は同実施例におけるウインドウ部を詳細に示すも
ので、図9は断面図、図10は図9のX−X線に沿う矢
視図である。
【0044】図8に示すように電子線1は、電子銃部2
で作られ、加速部3で設定エネルギまで加速される。さ
らに、電子線1は加速部3を出た後、走査用電磁石4に
より走査され、走査管5に入る。電子線1は真空部であ
る走査管5からウインドウ部6を通り気中に置かれた被
照射体7に照射される。真空中と大気中とを仕切るウイ
ンドウ部6には前述の如く数10ミクロンのチタン薄膜
などが窓箔9として用いられる。
【0045】ウインドウ部6は、図9及び図10に示す
ように2つの照射用窓24を持つ窓枠6aに、この照射
用窓24を囲み、更に全体を囲むように両端が1段低い
歯部25a,25b,25c、溝部26a,26b,2
6cがそれぞれ3箇所設けられており、この溝部26
a,26b,26cには磁性流体27がそれぞれ挿入さ
れている。
【0046】また、2つの照射用窓全体を囲むように設
けられた溝部26c間に対応する窓枠6aの被照射体側
面に永久磁石28bが嵌込まれている。そして、このよ
うな窓枠6aの照射用窓24に窓箔9がパッキン11と
押えフランジ12を介して取付けられている。
【0047】一方、走査管フランジ部10には、窓枠6
aの照射用窓24の溝部26a,26b間に対応する位
置に設けられた溝に永久磁石28aが嵌込まれている。
上記永久磁石28a,28bは図示の極性を有し各々窓
枠6a、走査管フランジ部10に設けられた溝部にこの
溝部より取り外しが行える機構を持つ図示しない着脱装
置により装着される。
【0048】窓枠6aは走査管フランジ部10と僅かの
隙間を有してフランジ面に沿って移動できる移動機構が
走査管フランジ部10に取付けられる。また、走査管部
5と走査管フランジ部10とをつなぐリークバルブ29
aと、走査管フランジ部10と大気とをつなぐリークバ
ルブ29bがそれぞれ取付けられている。
【0049】このような構成として、永久磁石28a,
28bを走査管フランジ10又は窓枠6aに装着するこ
とにより、図11に示す如く走査管フランジ部10と窓
枠6aとの間に破線で示す磁気回路が形成され、磁性流
体27が歯部25a,25b,25cのギャップ部に集
り、シール部を形成する。
【0050】また、永久磁石28a,28bを取外すこ
とにより磁気回路がなくなり、磁性流体27は溝部26
a,26b,26cに戻り、シール部が解除される。次
に窓箔9の交換方法について説明する。
【0051】通常の運転時の状態を図12(a)に示
す。この時、走査管フランジ部10に永久磁石28aが
装着されていて、照射用窓24を囲むように磁性流体2
7により真空シール部が形成されている。
【0052】次に窓箔9の交換時には、まず図12
(b)に示すように窓枠6aにも永久磁石28bを装着
し、窓枠6a全体にも真空シール部を形成する。この
後、リークバルブ29aを開き、両真空シール部の間を
真空状態にした後、図12(c)に示すように走査管フ
ランジ部10の永久磁石28aを取外し、窓枠6a全体
を囲む真空シール部だけとして窓枠を矢印方向に移動
し、新しい窓箔9を図12(d)に示すように位置決め
した後、走査管フランジ部10に永久磁石28aを装着
して照射用窓24を囲むように真空シール部を形成す
る。
【0053】その後、リークバルブ29bを開き、両真
空シール部の間を大気に開放した後、窓枠6aより永久
磁石28bを取外し、窓枠全体を囲む真空シール部を解
除することにより、図12(a)に示すような通常の運
転状態となる。
【0054】また、これらの永久磁石の着脱、窓枠の移
動及びリークバルブの開閉は、ガイド及び駆動装置を設
ければ、遠隔操作も十分可能である。なお、交換は窓箔
の寿命に合せ、一定使用期間を決めて行い、使用済窓箔
の回収は、設備の定修時に行えばよい。
【0055】このような方法にて電子線照射装置本体の
真空状態を破ることなく、窓箔の交換を行うことがで
き、更に窓箔の交換も被照射体室の外部から作業を行う
ことも可能となり、電子線照射装置の停止も、この窓箔
交換時のみで直ぐに運転できるので、停止時間を大幅に
短縮できると共に、長期間の連続運転も可能となる。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、被照
射体のサイズや照射エネルギが頻繁に変化するような場
合でも運転効率や運転条件設定に対する信頼性の向上を
図ることができ、またウインドウ部に装着される窓箔の
交換作業の簡易化を図り、停止時間を短くして長時間に
おける連続運転を行うことができる電子線照射装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子線照射装置の第1の実施例を
示すもので、(a)は全体の基本構成図、(b)はウイ
ンドウ部の平面図。
【図2】同実施例において、電子線の照射範囲を設定す
るための制御ブロック図。
【図3】本発明の第2の実施例を示すもので、(a)は
全体の基本構成図、(b)はウインドウ部の平面図。
【図4】本発明の第3の実施例におけるウインドウ部の
平面図。
【図5】本発明の第4の実施例におけるウインドウ部の
平面図。
【図6】本発明の第5の実施例におけるウインドウ部の
平面図。
【図7】本発明の第6の実施例を示す全体の基本構成
図。
【図8】本発明による電子線照射装置の第7の実施例を
示す全体構成図。
【図9】同実施例におけるウインドウ部を詳細に示す断
面図。
【図10】図9のX−X線に沿う矢視図。
【図11】同実施例において、走査管フランジ部と窓枠
との取付状態を説明するための断面図。
【図12】(a)〜(d)は同実施例において、窓箔の
交換方法を説明するための図。
【図13】従来の電子線照射装置を示す全体の基本構成
図。
【図14】同装置のウインドウ部を詳細に示す断面図。
【符号の説明】
1……電子線、2……電子銃部3……加速部、4……走
査用電磁石、5……走査管部、6……ウインドウ部、6
a……窓枠、7……被照射体、8……被照射体室、9…
…窓箔、10……走査管フランジ部、11……パッキ
ン、12……フランジ、13……電磁石励磁用電源、1
4,14a〜14e……電流プローブ、15……プロー
ブ移動機構、16……位置検出機構、17……位置判定
部、18……位置設定値、19……電流プローブ電流値
検出回路、20……電流判定部、21……電流設定値、
22……照射範囲、23a,23b……マルチチャンネ
ル電流検出器、24……照射用窓、25a,25b,2
5c……歯部、26a,26b,26c……溝部、27
……磁性流体、28a,28b……永久磁石、29a,
29b……バルブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01J 37/18 H01J 37/18 37/30 37/30 A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21K 5/00 H01J 37/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子銃から発生した電子線を加速部によ
    り加速すると共に、真空状態に保持された走査管を通し
    て前記電子線の照射範囲を走査し、その電子線を前記走
    査管のフランジ部に装着された窓枠に有する複数の照射
    用窓に設けられた窓箔を通して気中に置かれた被照射物
    質に照射することにより、該物質の特性を変化させるよ
    うにした電子線照射装置において、 前記窓枠に各照射用窓を囲むように複数本の歯部と溝部
    を設け、更に前記窓枠の外周にこれら照射用窓部全体を
    囲むように複数の歯部と溝部を設けると共に、これら各
    溝部に磁性流体を挿入し、且つ窓枠外周の歯部と溝部側
    に対応する窓枠の背面側に永久磁石を着脱自在に組込
    み、また前記窓枠外周の歯部と溝部に対応する前記走査
    管のフランジ部に永久磁石を着脱自在に組込む構成と
    し、この窓枠を前記走査管のフランジ部に微小間隙を介
    してスライド移動可能に装着するようにしたことを特徴
    とする電子線照射装置。
  2. 【請求項2】 前記走査管のフランジ面と前記窓枠との
    間に存する微小間隙を大気又は前記走査管内に連通させ
    る連通管をそれぞれ設けると共に、その挿通管にリーク
    バルブを設け、前記窓箔の交換時にこれらリークバルブ
    を開閉して前記微小間隙部を真空又は大気圧にすること
    により、走査管内の真空状態を保ったまま前記窓枠を移
    動させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の
    電子線照射装置。
  3. 【請求項3】 遠隔操作により動作して前記永久磁石の
    着脱、窓枠の移動させる駆動装置を設けて前記窓箔の交
    換を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の
    電子線照射装置。
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