JP3510698B2 - 透明導電性積層体および透明タブレット - Google Patents

透明導電性積層体および透明タブレット

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JP3510698B2
JP3510698B2 JP05577195A JP5577195A JP3510698B2 JP 3510698 B2 JP3510698 B2 JP 3510698B2 JP 05577195 A JP05577195 A JP 05577195A JP 5577195 A JP5577195 A JP 5577195A JP 3510698 B2 JP3510698 B2 JP 3510698B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明導電性積層体およ
びこの透明導電性積層体を用いて得られる透明タブレッ
トに関する。
【0002】
【従来の技術】最近種々の機器にマイクロコンピュータ
ーが利用されるようになり、同機器には情報の入力部で
あるタブレット(タッチスイッチ、タッチパネル、フラ
ットスイッチとも称される)と出力部であるディスプレ
ーが搭載されている。タブレットとしては、従来の机上
に置くタイプの他にディスプレー上に取り付けられる透
明タブレットがある。透明タブレットは、ディスプレー
の表示画面を見ながらタブレット表面を指またはペン等
で押すことにより入力できるため、入力操作が簡単であ
り、またディスプレーとタブレットを一体型にできるた
め省スペースにもなり、利用が増えつつある。
【0003】透明タブレットは、少なくとも片面に透明
導電膜が設けられた2枚の透明電極基板が互いの透明導
電膜同士が向かい合うように配置されてなり、透明電極
基板に外力を加えた部分でのみ透明導電膜同士が接触し
てスイッチとして動作するものであり、例えばディスプ
レー画面上のメニューの選択あるいは図形、手書き文字
の入力等を行なうことができる。
【0004】従来の透明タブレットの構成例を図3に示
す。透明タブレットは、ガラス基板1の上面に透明導電
膜2、ドットスペーサ3を設けてなる下部電極基板、お
よびポリエステルフィルム4の上面にハードコート層
5、下面に透明導電膜6を設けてなる上部電極基板を、
互いの透明導電膜同士が向かい合うように配置し、周囲
で2枚の電極基板が貼り合わされて構成される。なお、
本図は構成の一部であり、周囲の絶縁層、粘着層、外部
への引き出し回路は省略してある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】透明タブレットの主要
な利用分野には携帯情報端末があるが、携帯情報端末に
は消費電力の点で反射型LCDが用いられており、同L
CD上に取り付けられる透明タブレットには視認性が良
いことが要求される。ところが、従来の透明タブレット
では環境変化により上部電極基板に弛みが生じ、その結
果両電極基板間で干渉縞が発生して視認性が損なわれる
課題があった。
【0006】本発明はかかる課題を解決して、干渉縞が
防止できかつ視認性に優れた透明導電性積層体、そして
さらには透明タブレットを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の透明導電性積層
体は、透明有機高分子成形物よりなる基板上に透明導電
膜を形成して構成された透明導電性積層体において、少
なくとも一方の透明導電膜を形成した側の基板面が、中
心面平均粗さ(SRa)が0.05〜0.40μmの範
囲に粗面化され(ただしエンボス加工又はエッチング加
工によるものは除く)、該粗面化された基板面上の透明
導電膜との間に、主として酸化チタンおよび/または酸
化ジルコニウムを含む層と、有機ケイ素化合物の加水分
解により生成された層を、この順に設け、かつ透明導電
膜が、主として結晶質の酸化インジウムよりなることを
特徴とする。
【0008】また本発明の透明タブレットは、少なくと
も片面に透明導電膜が設けられた2枚の透明電極基板
が、互いの透明導電膜同士が向かい合うように配置され
て構成された透明タブレットにおいて、透明電極基板と
して本発明の透明導電性積層体を用いたことを特徴とす
る。
【0009】すなわち、干渉縞防止効果には3次元的な
表面粗さが影響する。そして、粗面化された面の中心面
平均粗さ(SRa)を制御した有機高分子成形物基板上
に透明導電膜を設けたものを上下いずれかの電極基板に
用いることにより、干渉縞が防止できかつ視認性に優れ
た透明タブレットが得られる。
【0010】ここで、中心面平均粗さ(SRa)とは、
JIS B 0601の中心線平均粗さ(Ra)を、3
次元に拡張したものであり、次のように定義する。まず
粗さ曲面から、その中心面上に面積Smの部分を抜き取
る。そしてこの抜き取り部分の中心面上に、直交座標軸
として、X軸とY軸を置く。さらに中心面に直交する軸
をZ軸とし、粗さ曲面をz=f(x,y)で表す。そし
てこのときに、次の式によって求められる値SRa(μ
m)を、中心面平均粗さと呼ぶ。但し、Lx・Ly=S
m。
【0011】
【数1】
【0012】本発明に用いられる透明有機高分子成形物
を構成する有機高分子化合物としては、耐熱性に優れた
透明な有機高分子であれば特に限定しない。例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート、ポリジアリルフタレート等のポリエステル
系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルフォ
ン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、ア
クリル樹脂、セルローストリアセテート樹脂等が挙げら
れる。もちろんこれらはホモポリマー、コポリマーとし
て、あるいは単独またはブレンドとしても使用し得る。
【0013】かかる有機高分子成形物の形状は特に限定
しないが、通常シート状、フィルム状のものが好まし
い。また、2枚以上のフィルムおよびまたはシートを積
層した構成であっても良い。透明タブレットの上部電極
基板として用いられる場合には、透明タブレットをスイ
ッチとして動作させるための可撓性と平坦性を保つため
の強度の点から、基板形状として厚さ75〜400μm
のフィルム状のものが好ましい。下部電極基板に用いら
れる場合には、平坦性を保つための強度の点から、厚さ
0.4〜2mmのシート状のものが好ましいが、厚さ7
5〜400μmのフィルム状のものを他のシートと貼り
合わせ、全体の厚さが0.4〜2mmになるような構成
にして用いても良い。
【0014】本発明の透明導電性積層体を透明タブレッ
トの上部電極基板として用いた場合には、下部電極基板
には前記有機高分子成形物基板、ガラス基板あるいはこ
れらの積層体基板上に透明導電膜を形成したものを用い
ても良い。透明タブレットの強度、重量の点から、単層
または積層体よりなる基板の厚さは0.4〜2mmが好
ましい。
【0015】本発明の透明導電性積層体を上部電極基板
として用いた場合には、透明タブレットで外力が加わる
方の面には、ハードコート層を設けることが好ましい。
ハードコート層を形成するための材料としては、メチル
トリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等の
オルガノシラン系熱硬化型樹脂やエーテル化メチロール
メラミン等のメラミン系熱硬化型樹脂、ポリオールアク
リレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリ
レート、エポキシアクリレート等の多官能アクリレート
系紫外線硬化型樹脂等があり、必要に応じて、シリカ微
粒子を混合したものを用いることができる。ハードコー
ト層の厚さは、可撓性、耐摩耗性の点から2〜5μmが
好ましい。
【0016】本発明の粗面化層を形成する方法には、サ
ンドブラスト法等の物理的方法、エッチング法等の化学
的方法あるいはシリカ等の微粒子を分散した樹脂を塗工
する方法がある。中でも表面粗さを制御し易い点では塗
工法が好ましい。
【0017】該塗工法に用いられる樹脂として、メチル
トリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等の
オルガノシラン系熱硬化型樹脂やエーテル化メチロール
メラミン等のメラミン系熱硬化型樹脂、ポリオールアク
リレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリ
レート、エポキシアクリレート等の多官能アクリレート
系紫外線硬化型樹脂等がある。
【0018】樹脂とシリカ等の微粒子との混合比率や塗
工膜厚等により、表面粗さを、中心面平均粗さ(SR
a)が0.05〜0.40μmの範囲になるように制御
することができる。中心面平均粗さが0.05μm未満
では十分な干渉縞防止効果は得られない。また、0.4
0μmを越えるとヘーズが増加して視認性が悪くなる。
【0019】本発明の透明導電膜としては、酸化錫を2
〜20重量%含むITO膜やアンチモンまたはフッ素等
をドープした酸化錫膜がある。透明導電膜の形成方法と
しては、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレー
ティング法等のPVD法あるいは塗工法、印刷法、CV
D法があるが、PVD法またはCVD法が好ましい。P
VD法またはCVD法の場合、透明導電膜の厚さは、透
明性と導電性の点から5〜50nmが好ましい。
【0020】本発明の透明導電性積層体を用いたマトリ
クス型透明タブレットは、十分な打鍵耐久性を有してい
るが、アナログ型透明タブレットの場合には、筆記耐久
性が若干低下する傾向がある。
【0021】この課題を解決するために、透明有機高分
子成形物基板上に形成された粗面化層と透明導電膜間
に、中間層として有機ケイ素化合物の加水分解により生
成された層を設ける方法を検討した。しかし、有機ケイ
素化合物の加水分解により生成された層は、粗面化層上
では不均一な膜になり、白濁することが分かった。これ
は粗面化層と有機ケイ素化合物の相互作用が原因と推定
された。
【0022】そこで、先ず、粗面化層上に、酸化チタン
およびまたは酸化ジルコニウムを含む層を形成した後、
有機ケイ素化合物の加水分解により生成された層を設け
た所、均一で透明な膜となった。さらに、この上に透明
導電膜を形成し、透明導電性積層体を得た。このような
2層からなる中間層を設けた透明導電性積層体を用いた
アナログ型透明タブレットは優れた筆記耐久性を示し
た。
【0023】さらに、酸化チタンおよび酸化ジルコニウ
ムの厚さを20〜60nmかつ有機ケイ素化合物の加水
分解により生成された層の厚さを20〜60nmとする
ことにより透明タブレットの透明性が向上することが分
かった。どちらか一方の層の厚さが上記範囲外では中間
層を設けない場合より透明性が低下して好ましくないこ
とが分かった。
【0024】一方、透明導電膜として主として結晶質の
酸化インジウムよりなる膜を設けた透明導電性積層体を
用いる方法でも、アナログ型透明タブレットの筆記耐久
性が向上することが分かった。
【0025】酸化チタンおよびまたは酸化ジルコニウム
を含む層は、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプ
レーティング法等のPVD法で形成するか、あるいは主
としてTiおよび/またはZrを含むアルキルエステル
の加水分解により形成することができる。これらの中で
も、Tiおよび/またはZrを含むアルキルエステルの
加水分解による方法が、密着性および製膜の容易さの点
で好ましい。
【0026】Tiおよび/またはZrを含むアルキルエ
ステルとは、一般式Tist(R1u で表されるアル
キルチタネート、および/またはZrXp(OR24-p
で表されるアルキルジルコネートである。
【0027】ここで、R1はアルキル基、s、t、uは
正の整数である。そして上記一般式で表されるアルキル
チタネートの内、とりわけt=4+(s−1)×3、u
=4+(s−1)×2、s=1〜30のものが塗工の容
易さや特性の点で好ましく用いられる。sの値は、単一
でなく分布をもっていても良いが、特にsの値の分布が
15以下に最大値を有するアルキルチタネートは塗工溶
液粘度および加水分解において好ましい。
【0028】また上記の一般式において、アルキル置換
基R1は炭素数1〜20のものが好ましく用いられる。
特に炭素数が2〜11のアルキル置換基のものは、被膜
形成操作、例えば塗工の容易さ、さらには加水分解速
度、得られた膜の機械的特性および透明性の点で好まし
く用いられる。
【0029】なお、上記アルキルチタネートの2種以上
の混合物を用いても良い。該アルキルチタネートを有機
溶剤に溶解せしめた溶液は、塗工されると加水分解さ
れ、それに続く縮合反応により脱アルキルハイドロオキ
サイド化し、編み目構造を形成する。塗工の条件を選ぶ
ことにより、アルキルチタネートは酸化チタンに近づ
く。
【0030】本発明に用いられるアルキルチタネートと
しては、例えばテトラブチルチタネート、テトラエチル
チタネート、テトラプロピルチタネート、テトラステア
リルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネー
ト、ジイソプロポキシチタニウムビスアセチルアセトネ
ート等が挙げられ、とりわけテトラブチルチタネート、
テトラプロピルチタネートが好ましく用いられる。これ
らのアルキルチタネートはそのまま用いても良く、また
2量体、4量体、10量体等の予備縮合したものも好ま
しく使用できる。さらにまたこれらのアルキルチタネー
トをアセチルアセトンのようなもので安定化させて使用
しても良い。
【0031】また、上記の一般式で表されるアルキルジ
ルコネートにおいて、Xは炭素数1〜6のアルキル基、
もしくは、ハロゲン化アルキル基、フェニル基、ビニル
基、あるいはβ−ジケトン系化合物もしくはβ−ケトエ
ステル系化合物の残基である。また、R2は炭素数1〜
6のアルキル基であり、pは、0〜4の整数である。
【0032】ジルコニウム化合物としては、例えば、ア
セチルアセトンジルコニウム塩(トリブトキシジルコニ
ウムアセチルアセトネート、ジブトキシジルコニウムジ
アセチルアセトネート、モノブトキシジルコニウムトリ
アセチルアセトネート等)、ジルコニウムテトラアルコ
キシド(テトラブチルジルコネート、テトラプロピルジ
ルコネート等)、ジルコニウム−トリアルコキシ−モノ
アルキルアセトアセテート(ジルコニウム−トリブトキ
シ−モノエチルアセトアセテート等)、ジルコニウム−
ジアルコキシ−ジアルキルアセトアセテート(ジルコニ
ウム−ジブトキシ−ジエチルアセトアセテート等)ジル
コニウム−モノアルコキシ−トリアルキルアセトアセテ
ート(ジルコニウム−モノブトキシ−トリエチルアセト
アセテート等)等がある。
【0033】本発明に用いられる有機ケイ素化合物は、
次の一般式(1)で表される化合物およびまたはこれら
の加水分解により生成したオリゴマーからなる群から選
ばれる1種または2種の化合物である。但し、一般式
(1)において、R3は水素原子、または炭素数1〜2
のアルキル基、または次の一般式(2)で表される基で
ある。
【0034】
【化1】
【0035】
【化2】
【0036】また、R4は水素原子、または炭素数1〜
2のアルキル基を、R5およびR6はそれぞれ独立に炭素
原子数1〜2のアルキル基を、xおよびyはそれぞれ独
立に1〜3の整数を、wは0または1〜2の整数を、z
は1〜3の整数をそれぞれ表し、w+z=3である。ま
た一般式(2)中R7、R8はそれぞれ独立に水素原子、
または炭素原子数1〜2のアルキル基からなる群から選
ばれる基である。
【0037】この中で特に筆記耐久性の点で、官能基と
してアミノ基(−NH2 )を含むものが好ましく、例
えばNH2−(CH23−Si−(OCH33、および
/またはNH2−(CH23−Si−(OC253、お
よび/または、NH2−(CH22−NH−(CH23
−Si−(OCH33、および/またはNH2−(C
22−NH−(CH23−Si−(OC253、お
よび/またはNH2−(CH22−NH−(CH23
Si(CH3)−(OCH32、および/またはNH2
(CH22−NH−(CH23−Si(CH3)−(O
252、の単量体および/またはこれらの加水分解
により生成した会合度10以下のオリゴマーからなる群
から選ばれる1種または2種以上の化合物であることが
特に好ましい。
【0038】上記アルキルチタネート、アルキルジルコ
ネート、有機ケイ素化合物は通常有機溶剤に溶かした塗
工液を用いて、塗工後乾燥し、加熱、イオンボンバー
ド、あるいは紫外線、β線、γ線等の放射線により硬化
させる。必要に応じて硬化触媒、接着促進剤、塗れ性改
良剤、可塑剤、各種安定剤、難燃剤、酸化防止剤、滑
剤、消泡剤およびまたは増粘剤等と混合して用いること
もできる。
【0039】また塗工には、ドクターナイフ、バーコー
ター、グラビアロールコーター、カーテンコーター、ナ
イフコーター等の公知の塗工機械を用いる方法、スプレ
ー法、浸漬法等が用いられる。
【0040】主として結晶質の酸化インジウムよりなる
透明導電膜の厚さは、透明性と導電性の点から5〜50
nmが好ましい。透明導電膜の形成方法としては、スパ
ッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等
のPVD法が好ましい。
【0041】筆記耐久性の向上対策として、前述の2層
からなる中間層を設ける方法および主として結晶質の酸
化インジウムよりなる透明導電膜を設ける方法を併用し
ても良い。
【0042】
【実施例、(比較例1〜4)】 図1は本発明の一実施例
を示す透明タブレットである。図中の1はガラス基板、
2と6は透明導電膜、3はドットスペーサ、4はポリエ
チレンテレフタレートフィルム、5はハードコート層、
7は粗面化層を示す。そしてガラス基板1と透明導電膜
2とドットスペーサ3とによって下部電極基板が構成さ
れ、透明導電膜6とポリエステルフィルム4と粗面化層
7とハードコート層5とによって上部電極基板が構成さ
れている。
【0043】こうした透明タブレットを作製するため
に、まずは厚さ1.1mmのガラス板1の両面にSiO
2 ディップコートを行なった後、スパッタリング法に
より、厚さ18nmのITO膜を透明導電膜2として形
成した。次に、ITO膜上に高さ7μm、直径70μ
m、ピッチ1.5mmのドットスペーサ3を形成するこ
とにより、下部電極基板を作製した。
【0044】一方、透明有機高分子成形物基板としての
厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
4(帝人(株)製の商品名「HLW」)の片面にシリカ
粒子を混合した紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂
塗料を用いて厚さ3μmのハードコート層5を形成し
た。次に反対面側に、シリカ粒子と紫外線硬化型ウレタ
ンアクリレート樹脂との混合比を変えた塗料を用いて、
厚さ1μmの表面粗さの異なった粗面化層7を形成した
(比較例1〜4)。粗面化層を形成した面に、スパッタ
リング法により、厚さ18nmの非晶質のITO膜を透
明導電膜6として形成することにより、上部電極基板を
作製した。
【0045】そしてこれら上部電極基板および下部電極
基板を用いて、図1に示すアナログ型透明タブレットを
作製した。なお、本図は構成の一部であり、周囲の絶縁
層、粘着層、外部への引き出し回路は省略してある。
【0046】上部電極基板、下部電極基板の中心面平均
粗さ(SRa)および透明タブレットの全光線透過率、
ヘーズの測定結果、透明タブレットの干渉縞の観察結
果、筆記耐久性の評価結果を表1に示す。
【0047】なお、筆記耐久性試験方法は、次の通りで
ある。まず先端が0.8Rのポリアセタール製のペンを
用いて、透明タブレット上部電極のハードコート面の中
央20mm角の範囲に、カタカナ文字を50音順に筆記
する。荷重は、250g。3万文字毎にペン交換とリニ
アリティの測定を行なう。リニアリティが1.5%を越
えるまでの筆記回数を筆記耐久性とする。
【0048】
【比較例5】粗面化層7を設けない以外は比較例1と同
じ条件で、図3に示すアナログ型透明タブレットを作製
した。
【0049】そのためにまずは厚さ1.1mmのガラス
板1を用いて、実施例1と同じ条件で下部電極基板を作
製した。一方、厚さ188μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム4(帝人(株)製の商品名「HLW」)
の片面にシリカ粒子を混合した紫外線硬化型ウレタンア
クリレート樹脂塗料を用いて、厚さ3μmのハードコー
ト層5を形成した。次に反対面に、粗面化層を形成せず
にスパッタリング法により、厚さ18nmの非晶質のI
TO膜を透明導電膜6として形成することにより、上部
電極基板を作製した。
【0050】そしてこれら上部電極基板と下部電極基板
を用いて、図3に示すアナログ型透明タブレットを作製
した。なお、本図は構成の一部であり、周囲の絶縁層、
粘着層、外部への引き出し回路は省略してある。そして
比較例1と同じ条件で評価を行い、その結果を表1に示
す。
【0051】
【実施例1〜2】まずは厚さ1.1mmのガラス板1を
用いて、比較例1と同じ条件で下部電極基板を作製し
た。
【0052】一方、厚さ188μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム4(帝人(株)製の商品名「HL
W」)を用いて、比較例1と同じ条件で片面にハードコ
ート層5、反対面に粗面化層7を形成した。
【0053】そして実施例としては、粗面化層7上
に、スパッタリング法により先ずインジウム錫低級酸化
物膜を形成後、150℃で15時間熱処理し、厚さ18
nmの結晶質のITO膜を透明導電膜6として形成する
ことにより、上部電極基板を作製した。
【0054】また実施例としては、粗面化層7上に、
テトラブチルチタネート(日本曹達(株)製)を7.5
重量%含有のリグロイン・ブタノール溶液をバーコータ
ーで塗布後、130℃で5分間乾燥し、酸化チタンを含
む層としての中間層8を形成した。中間層8の乾燥後の
膜厚は30nmである。引き続いて、分子式NH2
(CH23−Si−(OC253で表される化合物の
加水分解により生成した会合度5のオリゴマーを1.0
重量%含有するリグロイン・ブタノール・エタノール・
エチルセロソルブ溶液をバーコーターで塗布後、130
℃で5分間乾燥し、有機ケイ素化合物の加水分解により
生成された層としての中間層9を形成した。中間層9の
乾燥後の膜厚は30nmである。
【0055】実施例では次に、スパッタリング法によ
り、先ずインジウム錫低級酸化物膜を形成後、150℃
で15時間熱処理し、厚さ18nmの結晶質のITO膜
を透明導電膜6として形成することにより、上部電極基
板を作製した。
【0056】そしてこれら上部電極基板と下部電極基板
を用いて、比較例1と同様にして図1(実施例)と図
2(実施例)に示すアナログ型透明タブレットを作製
した。なお、本図は構成の一部であり、周囲の絶縁層、
粘着層、外部への引き出し回路は省略してある。そして
比較例1と同じ条件で評価を行い、その結果を表1に示
す。
【0057】
【実施例3〜10】厚さ1.1mmのガラス板1を用い
て、比較例1と同じ条件で下部電極基板を作製した。一
方、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルム4(帝人(株)製の商品名「HLW」)を用いて、
比較例1と同じ条件で片面にハードコート層5、反対面
に粗面化層7を形成した。ここで得られた上部電極基板
側と下部電極基板側の、それぞれの中心面平均粗さ(S
Ra)は、それぞれ0.07μm、0.005μmであ
った。
【0058】次に、粗面化層7上に、テトラブチルチタ
ネート(日本曹達(株)製)の含有量を変えたリグロイ
ン・ブタノール溶液をバーコーターで塗布後、130℃
で5分間乾燥し、酸化チタンを含む層としての中間層8
を形成した。引き続いて分子式NH2−(CH23−S
i−(OC253で表される化合物の加水分解により
生成した会合度5のオリゴマーの含有量を変えたリグロ
イン・ブタノール・エタノール・エチルセロソルブ溶液
をバーコーターで塗布後、130℃で5分間乾燥し、有
機ケイ素化合物の加水分解により生成された層としての
中間層9を形成した。そしてここでは中間層8と9の厚
さを各種変えて、実施例3〜10とした。
【0059】そしてスパッタリング法により、先ずイン
ジウム錫低級酸化物膜を形成後、150℃で15時間熱
処理し、厚さ18nmの結晶質のITO膜を透明導電膜
6として形成することにより、上部電極基板を作製し
た。
【0060】そしてこれら上部電極基板と下部電極基板
を用いて、実施例と同様にして図2に示すアナログ型
透明タブレットを作製した。なお、本図は構成の一部で
あり、周囲の絶縁層、粘着層、外部への引き出し回路は
省略してある。こうして得られた透明タブレットを比較
例1と同様にして評価し、その結果を表2に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】本発明の透明導電性積層体を用いた透明
タブレットは、干渉縞の発生がなく、かつヘーズが小で
視認性に優れている。表面粗さが本発明の範囲未満のも
のは干渉縞防止効果がなく、また、表面粗さが本発明の
範囲を越えたものはヘーズが高く視認性が悪くなる。
【0064】また、粗面化層と透明導電膜間に中間層を
形成する方法、および/または透明導電膜として主とし
て結晶質の酸化インジウムよりなる膜を用いる方法によ
り、干渉縞の発生がなく視認性が優れかつ筆記耐久性が
極めて良好な透明タブレットが得られる。さらに、該中
間層において酸化チタンおよび酸化ジルコニウムの厚さ
を20〜60nmかつ有機ケイ素化合物の加水分解によ
り生成された層の厚さを20〜60nmとすることによ
り透明タブレットの透明性を向上させることができる。
本発明は、実施例に示したアナログ型透明タブレットに
限定されることなく、マトリクス型透明タブレットにも
実施し得るものである。
【0065】以上説明したように、少なくとも片面が粗
面化された有機高分子成形物において、中心面平均粗さ
(SRa)が、0.05〜0.40μmの範囲にある面
に透明導電膜を形成してなる透明導電性積層体を用いた
透明タブレットは、干渉縞の発生がなく視認性が優れて
いる。また、粗面化層と透明導電膜間に中間層を形成す
る方法、および/または透明導電膜として主として結晶
質の酸化インジウムよりなる膜を用いる方法により、筆
記耐久性が極めて良好な透明タブレットが得られる。ま
た、中間層膜厚の最適化により透明性の良い透明タブレ
ットが得られ、実用上の意義は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】粗面化層を設けた透明タブレット。
【図2】中間層を設けた透明タブレット。
【図3】粗面化層の無い透明タブレット。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2、6 透明導電膜 3 ドットスペーサ 4 ポリエチレンテレフタレートフィルム 5 ハードコート層 7 粗面化層 8、9 中間層
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 9/00 B32B 7/02 103 G06F 3/03 H01B 5/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明有機高分子成形物よりなる基板上に
    透明導電膜を形成して構成された透明導電性積層体にお
    いて、少なくとも一方の透明導電膜を形成した側の基板
    面が、 中心面平均粗さ(SRa)が0.05〜0.40μmの
    範囲に粗面化され(ただしエンボス加工又はエッチング
    加工によるものは除く)、該粗面化された基板面上の透
    明導電膜との間に、主として酸化チタンおよび/または
    酸化ジルコニウムを含む層と、有機ケイ素化合物の加水
    分解により生成された層を、この順に設け、かつ透明導
    電膜が、主として結晶質の酸化インジウムよりなること
    を特徴とする透明導電性積層体。
  2. 【請求項2】 基板面の粗面化が、基板上に粗面化層を
    形成することによってなされたものであって、かつ粗面
    化層は熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂にシリカ微
    粒子を混合した層からなることを特徴とする請求項1記
    載の透明導電性積層体。
  3. 【請求項3】 酸化チタンおよび/または酸化ジルコニ
    ウムを含む層の厚さが20〜60nm、かつ有機ケイ素
    化合物の加水分解により生成された層の厚さが20〜6
    0nmであることを特徴とする請求項記載の透明導電
    性積層体。
  4. 【請求項4】 少なくとも片面に透明導電膜が設けられ
    た2枚の透明電極基板が、互いの透明導電膜同士が向か
    い合うように配置されて構成されたアナログ式透明タブ
    レットであって、透明電極基板として請求項1〜のい
    ずれかに記載の透明導電性積層体を用いたことを特徴と
    する透明タブレット。
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