JP3508000B2 - 物標運動推定装置 - Google Patents

物標運動推定装置

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JP3508000B2
JP3508000B2 JP08139095A JP8139095A JP3508000B2 JP 3508000 B2 JP3508000 B2 JP 3508000B2 JP 08139095 A JP08139095 A JP 08139095A JP 8139095 A JP8139095 A JP 8139095A JP 3508000 B2 JP3508000 B2 JP 3508000B2
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実 半田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、レーダ装置やソナー
探知装置などの探知機器で探知される船舶などの物標に
関する情報に基づいて、その探知物標の運動を推定する
物標運動推定装置に関する。
【0002】以下、この発明をレーダ装置を使った物標
運動推定装置に実施した場合につき、説明する。
【0003】
【従来の技術】従来、レーダ装置を探知機器としたこの
種の装置としては、たとえばARPA(Automatic Rad
ar Plotting Aid)が知られている。
【0004】このARPAは、図6に示すように、信号
測定部A、運動推定部B、およびデータ表示部Cを主体
に構成されている。
【0005】信号測定部Aは、図外のレーダ装置からの
探知物標(たとえば他船)の観測位置に関するレーダ信
号、ジャイロコンパスでの自船針路に関するジャイロ信
号、ログ装置からの自船速度に関するログ信号等の各信
号を取り込み、これらの入力信号に基づいて探知物標の
現時点での位置測定データを作成し、これらの測定デー
タを運動推定部Bに送出する。
【0006】運動推定部Bでは、信号測定部Aから順次
時系列的に送られてくるこれらの測定データに基づい
て、推定データである探知物標の相対運動や真運動を求
めてデータ表示部Cに出力する。
【0007】データ表示部Cは、運動推定部Bからの推
定データに基づいて、探知物標の針路や速度の推定値
を、使用者にとって都合のよい表示、たとえばベクトル
表示のためのグラフィックデータを作成して、これをデ
ィスプレイに表示するようになっている。
【0008】ところで、信号測定部Aにおいて、レーダ
装置などからの入力信号に基づいて得られる測定データ
には、クラッタ雑音や受信機雑音が含まれ、さらに、探
知物標そのものからの信号にもゆらぎがあるなど、各種
の外乱が含まれる。そして、このような外乱が大きい
と、運動推定部Bでの推定データも誤差を生じ、精度良
い結果が得られない。
【0009】したがって、従来技術では、運動推定部B
において、安定した推定データが得られるように、カル
マンフィルタやαβトラッカなどの巡回形のデジタルフ
ィルタを用いたり、移動平均をとったり、または、両者
を組み合わせるなどして、平滑化を行って外乱の影響を
低減するようにしている。
【0010】たとえば、運動推定部Bをαβトラッカで
構成する場合、次の予測が行われる。
【0011】図7は、位置平滑化定数をα、速度平滑化
定数をβとする直線予測器として、第nスキャンから第
(n+1)スキャンを予測する様子を示している。
【0012】すなわち、nスキャンでの予測位置をP
(n)、観測データ位置をR(n)とすると、追尾誤差E(n)
は、 E(n)=R(n)−P(n) である。平滑位置S(n)と平滑速度V(n)は、 S(n)=P(n)+αE(n) V(n)=V(n−1)+βE(n)/T で求められる。ここで、Tはサンプル周期である。
【0013】これから(n+1)スキャンの予測位置P(n
+1)は、 P(n+1)=S(n)+V(n)T で求められる。α=0は予測位置を、α=1は観測(測
定)データ位置を平滑位置とするわけで、αが小さいほ
ど深く平滑化されることを意味している。
【0014】また実際には追尾目標とは無関係のエコー
も入力される。このために予測位置データと実際に入力
される観測位置データとの差異の許容範囲、および多重
相関の危険性を考慮したゲートがスキャン間隔毎に設定
される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、運動
推定部Bにおける平滑度の設定の仕方は、これまでの測
定データの外乱の最大値を見積もって設計されている。
たとえば、上記のデジタルフィルタを使用する場合に
は、今までからの経験上の外乱の大きさや、運営基準と
なる規格に適合するように、外乱が最悪の状態でも、安
定した推定値が得られるようにフィルタを設計してい
る。つまり、安定性を重視して平滑度を設定してきたと
言える。
【0016】その結果として、探知物標が等速直線運動
をしている場合には、良好な針路や速度の推定がなされ
るが、探知物標が変針したり変速したりした場合の運動
推定部Bの推定データの算出出力の応答性が悪くなり、
実際には探知物標が変針、変速したにもかかわらず、デ
ータ表示部には、等速直線運動をしているがごとくに表
示されてしまい、推定データが真の運動に対して大きな
遅れを生じることがあった。
【0017】近年は、船舶の運動性能の改善が進み、高
速化が図られていることもあって、運動推定部Bにおい
て、従来よりも一層応答性が高められることが要求され
ている。 本発明は、上記の問題点を解決するためにな
されたもので、外乱に対する安定性を今までと同様に確
保した上で、探知物標が変針、変速などの運動変化に対
しては、これに直ちに追従したかたちで、推定データが
得られるようにして、従来よりも一層応答性を高めるこ
とを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、各種の探知機器からの入力信号に基づい
て探知物標に関する測定データを作成する信号測定部、
この信号測定部からの測定データに基づいて探知物標に
関する推定データを作成する運動推定部備えた探知物標
解析装置において、次の構成を採る。
【0019】(1) たとえば、請求項1記載に係る発
明では、位置検出部からの測定データと、運動推定部か
らの推定データとの両データに基づいて検知物標に関す
る運動変化量Δを算出する運動変化量算出部と、予め設
定された所定期間内において前記運動変化量算出部で逐
次算出される運動変化量Δの大きさの程度に応じて、し
きい値Δ sh 2を可変するしきい値可変部と、運動変化量
算出部からの運動変化量Δを、前記しきい値可変部で得
られるしきい値Δ sh 2ならびに所定のしきい値Δ sh 1と
それぞれ比較し、運動変化量Δがこれらのしきい値Δ sh
1,Δ sh 2を越えるか否かに応じて前記運動推定部の平
滑手段の平滑度を切り換える平滑度設定部とを備える。
【0020】(2) また、請求項2に係る発明では、
レーダ装置からの測定データと、前記運動推定部からの
推定データとの両データに基づいて物標に関する運動変
化量Δを算出する運動変化量算出部と、予め設定された
所定期間内において前記運動変化量算出部で逐次算出さ
れる運動変化量Δの大きさの程度に応じて、しきい値Δ
sh 2を可変するしきい値可変部と、運動変化量算出部
らの運動変化量Δを、前記しきい値可変部で得られるし
きい値Δ sh 2ならびに所定のしきい値Δ sh 1とそれぞれ
比較し、運動変化量Δがこれらのしきい値Δ sh 1,Δ sh
2を越えるか否かに応じて前記運動推定部の平滑手段の
平滑度を切り換える平滑度設定部とを備える。
【0021】
【作用】
(1) 請求項1記載の発明の構成において、運動変化量
算出部は、信号測定部からの測定データと運動推定部か
らの推定データとの両データに基づいて探知物標に関す
る運動変化量Δを算出する。
【0022】続いて、平滑度設定部は、この運動変化量
算出部からの運動変化量Δを所定のしきい値Δsh1と比
較し、運動変化量Δがこのしきい値Δsh1を越えるか否
かに応じて運動推定部における平滑度を切り換える。
【0023】すなわち、運動変化量Δがしきい値Δsh1
以下ならば、探知物標の変針や変速がないものと判断し
て、平滑度が大きく設定されて運動推定部で得られる推
定データの安定性が高められる。
【0024】一方、運動変化量Δがしきい値Δsh1を越
えたならば、探知物標の変針や変速があったものと判断
して、平滑度が小さく設定されて運動推定部で得られる
推定データの応答性が高められる。
【0025】このように、請求項1の構成では、運動変
化量の大小に応じて平滑度を切り換えるので、応答性と
安定性の両立が図られる。
【0026】(2) 請求項2記載の発明の構成におい
て、運動変化量算出部は、信号測定部からの測定データ
と運動推定部からの推定データとの両データに基づいて
探知物標に関する運動変化量Δを算出する。
【0027】また、 平滑度設定部は、運動変化量算出
部からの運動変化量Δ、および測定データの外乱量に基
づいて運動推定部における平滑度を切り換える。
【0028】すなわち、外乱の影響が大きい場合には、
運動推定部で得られる推定データの誤差要因が大きくな
り、探知物標の運動変化の検出が困難となったり、他の
物標による誤った推定がなされる恐れがあるので、平滑
度が大きく設定され、応答性よりも安定性の方が重視さ
れる。
【0029】一方、外乱の影響が小さい場合には、運動
推定部で得られる推定データの誤差要因が小さくなるの
で、平滑度が小さく設定される。
【0030】このように、請求項2の構成では、応答性
と安定性のいずれを重視するかの判定の際に外乱の影響
が考慮されるため、一層、応答性と安定性の両立が図ら
れる。
【0031】
【実施例】この実施例では、探知機器としてレーダ装置
を適用した場合について説明する。
【0032】実施例1 図1は、この実施例1に係る探知物標解析装置の要部を
示すブロック図である。 この実施例1の探知物標解析
装置は、図6に示したように、信号測定部A、運動推定
部、およびデータ表示部Cを備えている点は同じであ
る。
【0033】この実施例1の特徴は、上記構成に加え
て、運動変化量算出部Dと平滑度設定部E1とが設けら
れていることである。
【0034】上記の運動変化量算出部Dは、測定データ
の入力毎に信号測定部Aからの測定データと、運動推定
部Bからの推定データとの差分を計算し、この差分を探
知物標に関する運動変化量Δとするものである。この場
合、信号測定部Aからの測定データには、外乱が含まれ
ているので、運動変化量Δにも外乱が含まれることにな
る。
【0035】平滑度設定部E1は、この運動変化量算出
部からの運動変化量Δを所定のしきい値Δsh1と比較
し、運動変化量Δがこのしきい値Δsh1を越えるか否か
に応じて運動推定部Bにおける平滑度を切り換えるもの
である。
【0036】このしきい値Δsh1は、外乱が大きい場合
でも、探知物標の運動変化が確実に検出できる程度の値
となるように設定されるもので、設定後は固定された値
となっている。
【0037】上記構成において、信号測定部Aからは外
乱を含む測定データが、また、運動推定部Bからは、推
定データがそれぞれデータ入力毎に時系列で逐次出力さ
れる。
【0038】運動変化量算出部Dは、信号測定部Aから
の測定データと運動推定部Bからの推定データとに基づ
いて両者の差分を計算し、この差分を探知物標に関する
運動変化量Δとして出力する。
【0039】続いて、平滑度設定部E1は、この運動変
化量算出部Δからの運動変化量Δを所定のしきい値Δsh
1と比較し、運動変化量Δがこのしきい値Δsh1を越え
るか否かに応じて運動推定部Bにおける平滑度を切り換
える。
【0040】この運動推定部Bにおける平滑度の大小の
切り換えは、たとえば、カルマンフィルタやαβトラッ
カなどの巡回形のデジタルフィルタを使用する場合に
は、外乱が最悪の状態でも、安定した推定値が得られる
ように、フィルタの伝達関数を決める重み付け係数を変
更するなどして設定される。
【0041】ここで、運動変化量Δがしきい値Δsh1以
下ならば、探知物標の変針や変速がないものと判断し
て、運動推定部Bにおける平滑度が大きく設定される。
その結果、推定データの変化の応答が遅くなるが、安定
性は高められる。
【0042】一方、運動変化量Δがしきい値Δsh1を越
えたならば、探知物標の変針や変速があったものと判断
して、運動推定部Bにおける平滑度が小さく設定され
る。その結果、推定データの安定性は悪くなるが、応答
性が高められる。
【0043】したがって、従来技術では、平滑度を画一
的に大きな値に固定して設定していたために、外乱に対
する安定性はあるが、図5の一点鎖線(符号X)で示すよ
うに、探知物標の運動変化に対する応答性が悪かった。
【0044】一方、この実施例1の構成では、運動変化
量Δの大小に応じて応答性と安定性のいずれを重視する
かが判定されるので、探知物標が等速直線運動をしてい
るような場合には安定性が高くなる一方、探知物標が変
針、変速などの運動変化をした場合には、図5の破線
(符号Y)で示すように、従来よりも応答性が高くなるた
め、遅れを生じることなくその変化に追従することがで
きる。
【0045】実施例2 図2は、この実施例2に係る探知物標解析装置の要部を
示すブロック図である。
【0046】この実施例2の探知物標解析装置は、図6
に示したように、信号測定部A、運動推定部、およびデ
ータ表示部Cを備えている点は同じである。
【0047】この実施例2の特徴は、上記構成に加え
て、運動変化量算出部D、しきい値可変部Fおよび平滑
度設定部E2が設けられていることである。
【0048】運動変化量算出部Dは、実施例1の場合と
同じ構成であり、信号測定部Aからの測定データと、運
動推定部Bからの推定データと差分から探知物標に関す
る運動変化量Δを算出する。
【0049】また、しきい値可変部Fは、予め設定され
た所定期間ΔT内において運動変化量算出部Dで逐次算
出される運動変化量Δの大きさの程度に応じて、しきい
値Δsh2を可変するものであって、本例では、外乱最大
値推定部Gと、しきい値変換部Hとからなる。
【0050】上記の外乱最大値推定部Gは、運動変化量
算出部Dから時系列で送られてくる運動変化量Δのデー
タを逐次入力し、所定期間ΔT内に含まれる運動変化量
Δの絶対値の最大値ΔMAXを保持するものである。
【0051】ここで、外乱として、たとえば風速を考え
ると、突風でも吹かない限り、一般には平均風速が急激
に変化したりするようなことはなく、大きな周期で変化
する。したがって、外乱の変化の程度を見るためには、
所定期間ΔTは、探知物標の運動変化に要する時間より
も十分大きな値(たとえば数分間)に設定される。
【0052】また、しきい値変換部Hは、最大値ΔMA
XをK倍(本例では、K=2)して、これをしきい値Δsh
2(=ΔMAX×2)として設定するものである。
【0053】平滑度設定部E2は、運動変化量算出部D
からの運動変化量Δを、しきい値可変部Fで得られるし
きい値Δsh2、ならびに予め設定された所定のしきい値
Δsh1とそれぞれ比較し、運動変化量Δがこれらのしき
い値Δsh1,Δsh2を越えるか否かに応じて運動推定部
Bにおける平滑度を切り換えるようになっている。な
お、所定のしきい値Δsh1の設定の仕方は、実施例1の
場合と同様である。
【0054】次に、上記構成の動作について説明する。
【0055】まず、運動変化量算出部Dは、実施例1と
同様に、信号測定部Aからの測定データと運動推定部B
からの推定データとの差分を求めて、これを探知物標に
関する運動変化量Δとする。そして、この運動変化量Δ
が平滑度設定部E2としきい値可変部Fにそれぞれ送出
される。
【0056】前述のごとく、外乱の変化は、一般に探知
物標の運動変化も周期が長いので、外乱最大値推定部G
は、図4(a)または(b)に示すように、所定周期ΔT(過
去数分間)に含まれる運動変化量Δの絶対値の最大値Δ
MAXを保持する。そして、この最大値ΔMAXを現時
点での外乱の大きさとみなし、この最大値ΔMAXを次
段のしきい値変換部Hに出力する。
【0057】しきい値変換部Hは、この最大値ΔMAX
をK倍(本例では、K=2)して、これをしきい値Δsh2
(=ΔMAX×2)として設定する。
【0058】したがって、図4(a)に示すように、外乱
が大きい場合には、その最大値ΔMAX1が大きくなる
ので、しきい値Δsh2(=ΔMAX1×2)も大きく設定
され、その結果、このしきい値Δsh2は、平滑度設定部
E2に予め設定される所定のしきい値Δsh1よりも大き
くなる。
【0059】一方、図4(b)に示すように、外乱が小さ
い場合には、その最大値ΔMAX2が小さくなるので、
しきい値Δsh2(=ΔMAX2×2)は小さく設定され、
その結果、このしきい値Δsh2は、平滑度設定部E2に
予め設定される所定のしきい値Δsh1よりも小さくな
る。
【0060】平滑度設定部E2は、図3のフローチャー
トに示すように、運動変化量算出部Dからの運動変化量
Δを入力し、この運動変化量Δをしきい値可変部Fで得
られるしきい値Δsh2ならびに予め設定された所定のし
きい値Δsh1とそれぞれ比較する。そして、運動変化量
Δがこれらのしきい値Δsh1,Δsh2を越えるか否かに
応じて運動推定部Bにおける平滑度を切り換える。
【0061】すなわち、平滑度設定部E2は、まず、運
動変化量Δを所定のしきい値Δsh1と比較する(ステッ
プ1)。探知物標の運動変化がある場合には、外乱の大
小にかかわらずに運動変化量Δはこのしきい値Δsh1を
越えるので(図4(a)の時刻t0)、平滑度設定部E2は、
運動推定部Bにおける平滑度ε1を小さく設定する(ス
テップ2)。そのため、探知物標の運動変化に対する応
答性が高められる。
【0062】一方、ステップ1において、運動変化量Δ
が所定のしきい値Δsh1以下の場合には、平滑度設定部
E2は、運動変化量Δをしきい値可変部Fで得られるし
きい値Δsh2と比較する(ステップ3)。
【0063】ここで、外乱が大きい場合には、図4(a)
に示すように、しきい値Δsh2がしきい値Δsh1よりも
大きくなるので、運動変化量Δがこのしきい値Δsh2よ
りも大きくなることはなく、したがって、この場合に
は、平滑度設定部E2は、所定のしきい値Δsh1以下の
運動変化量Δに対しては、全て平滑度ε3を大きく設定
する(ステップ4)。そのため、外乱の影響が低減されて
安定化が図られる。
【0064】また、外乱が小さい場合には、図4(b)に
示すように、しきい値Δsh2がしきい値Δsh1よりも小
さいなるので、探知物標が変針、変速するなどの運動変
化があれば、運動変化量Δが所定のしきい値Δsh1より
も大きくなる時点(図4(b)の時刻t2)より前に、しきい
値可変部Fで得られるしきい値Δsh2を越えるので(図
4(b)の時刻t1)、この場合には、平滑度設定部E2は、
所定のしきい値Δsh2より大きい運動変化量Δに対して
は、平滑度ε2を小さく設定する(ステップ5)。そし
て、平滑度ε2の切り換え時点が時刻t2よりも時刻t1
早められる分、探知物標の運動変化に対する応答性が高
められる。なお、本例では、平滑度ε2=ε1としてい
る。 また、外乱が小さい場合であっても、運動変化量
Δがしきい値可変部Fで得られるしきい値Δsh2以下の
場合には、平滑度設定部E2は、全て平滑度ε3を大き
く設定するので(ステップ4)、外乱の影響が低減されて
安定化が図られる。
【0065】したがって、この実施例2の構成では、応
答性と安定性のいずれを重視するかの判定に際しては、
外乱の大小の影響も考慮される。そのため、特に外乱が
小さい状態では、探知物標が変針、変速などの運動変化
があった場合には、図5の実線(符号Z)で示すように、
実施例1の場合よりも応答性が高くなる。
【0066】このように、この実施例2では、応答性と
安定性のいずれを重視するかの判定に際しては、外乱の
大小の影響も考慮されるため、実施例1よりも一層、応
答性と安定性の両立を図ることができる。
【0067】なお、この実施例2では、外乱最大値推定
部Gにおいて、所定期間ΔT内に含まれる運動変化量Δ
の絶対値の最大値ΔMAXを保持するようにしている
が、その代わりに、所定期間ΔT内に含まれる運動変化
量Δの移動平均値を求めて、その移動平均値に基づいて
しきい値Δsh2を設定するようにすることも可能であ
る。
【0068】また、上記の各実施例1,2では、探知機
器としてレーダ装置を用いた場合について説明したが、
ソナー探知器などにも適用することができる。
【0069】さらに、運動推定部Bとしては、αβトラ
ッカ等のデジタルフィルタを使用する外に、一時遅れを
出す不完全積分回路を使用することもできる。
【0070】すなわち、一次遅れ要素の時間関数は、 h(t)e-at ---(1) で表わされ、そのΖ変換は Eo=z・(ze-at)-1 ---(2) となる。そして、この(2)式をコンピュータにとって扱
い易い差分方式に直すと、 X(n+1)=aX(n)+Ei(n) Eo(n)=aX(n) ---(3) となる。ここでEi(n)は観測データ位置R(n)と等価で
あり、Eo(n)は平滑位置S(n)と等価になる。
【0071】速度については、観測データ位置の差分
(dR(n)=R(n)−R(n−1))をサンプリング周期Tで
割ることにより求まる観測データ速度をEi(n)と等価と
することにより、Eo(n)は平滑速度データV(n)と等価
となる。
【0072】追尾を続けるために予測位置P(n)を算出
する必要があるが、αβトラッカーと同じように、 P(n+1)=S(n)+V(n)・T として求める。
【0073】一次遅れ要素で実現した場合でも、位置、
速度の算出に(3)式で表わされる平滑指数aは必要不
可欠なものとなる。そしてエコー状況や運動状況に適応
して平滑指数aを変化させる方法が性能改善に有効なも
のとなる。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果を奏する。
【0075】(1) 従来のように安定性を重視した一定
の平滑度に設定されるのではなく、運動変化量の大小に
応じて平滑度を切り換えるので、応答性と安定性の両立
が図られる。すなわち、探知物標が等速直線運動をして
いるような場合にはより安定性が高くなる一方、探知物
標が変針、変速したような場合には応答性が高くなるた
め、遅れを生じることなくその変化に追従することがで
きる。
【0076】(2) 上記(1)の効果に加えて、応答性と
安定性のいずれを重視するかの判定に際しては、外乱の
大小の影響も考慮される。すなわち、外乱の影響が大き
い場合には、運動推定部で得られる推定データの誤差要
因が大きくなり、探知物標の運動変化の検出が困難とな
ったり、他の物標による誤った推定がなされる恐れがあ
るので、平滑度が大きく設定され、応答性よりも安定性
の方が重視される。
【0077】一方、外乱の影響が小さい場合には、運動
推定部で得られる推定データの誤差要因が小さくなるの
で、平滑度が小さく設定される。
【0078】したがって、応答性と安定性を全体として
さらに一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る探知物標解析装置の要
部を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例2に係る探知物標解析装置の要
部を示すブロック図である。
【図3】図2に示した探知物標解析装置の平滑度設定部
における動作説明に供するフローチャートである。
【図4】実施例2において、外乱の大小と、これに応じ
てしきい値可変部で設定される各しきい値との関係を示
す説明図である。
【図5】探知物標解析装置の推定データの応答性を従来
と本発明とで比較して示す説明図である。
【図6】従来の探知物標解析装置の全体構成を示すブロ
ック図である。
【図7】αβトラッカの説明図である。
【符号の説明】
A…信号測定部、B…運動推定部、C…データ表示部、
D…運動変化量算出部、E1,E2…平滑度設定部、F
…しきい値可変部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−73274(JP,A) 特開 昭58−135978(JP,A) 特開 平2−222850(JP,A) 特開 昭63−196880(JP,A) 特開 昭58−34315(JP,A) 特開 平2−186288(JP,A) 実開 平5−19979(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物標の位置を検出する位置検出部と、こ
    の位置検出部からの入力信号に基づいて物標の運動に関
    する推定データを作成する運動推定部を備えた物標運動
    推定装置において、 前記位置検出部からの測定データと、前記運動推定部か
    らの推定データとの両データに基づいて物標に関する運
    動変化量Δを算出する運動変化量算出部と、予め設定された所定期間内において前記運動変化量算出
    部で逐次算出される運動変化量Δの大きさの程度に応じ
    て、しきい値Δ sh 2を可変するしきい値可変部と、 運動変化量算出部からの運動変化量Δを、前記しきい値
    可変部で得られるしきい値Δ sh 2ならびに所定のしきい
    値Δ sh 1とそれぞれ比較し、運動変化量Δがこれらのし
    きい値Δ sh 1,Δ sh 2を越えるか否かに応じて 前記運動
    推定部の平滑手段の平滑度を切り換える平滑度設定部
    と、 を備えることを特徴とする物標運動推定装置。
  2. 【請求項2】 所定の地点に設置され物標の位置を検出
    するレーダ装置と、このレーダ装置からの入力信号に基
    づいて物標の運動に関する推定データを作成する運動推
    定部及び運動推定部が生成する物標運動推定データを表
    示する表示部を備えた物標運動推定装置において、前記レーダ装置 からの測定データと、前記運動推定部か
    らの推定データとの両データに基づいて物標に関する運
    動変化量Δを算出する運動変化量算出部と、予め設定された所定期間内において前記運動変化量算出
    部で逐次算出される運動変化量Δの大きさの程度に応じ
    て、しきい値Δ sh 2を可変するしきい値可変部と、 運動変化量算出部からの運動変化量Δを、前記しきい値
    可変部で得られるしきい値Δ sh 2ならびに所定のしきい
    値Δ sh 1とそれぞれ比較し、運動変化量Δがこれらのし
    きい値Δ sh 1,Δ sh 2を越えるか否かに応じて前記運動
    推定部の平滑手段の平滑度を切り換える平滑度設定部
    と、 を備えることを特徴とする物標運動推定装置。
  3. 【請求項3】 移動体に装備されるレーダ装置、この移
    動体の移動速度を測定する速度測定手段及びこの移動体
    の針路を検出する針路検出手段の出力信号に基づいて物
    標の位置や速度や針路等の測定データを作成する信号測
    定部と、平滑手段を備えこの信号測定部からの測定デー
    タに基づいて物標の運動に関する推定データを作成する
    運動推定部を備えた物標運動推定装置において、前記測定データと、 前記運動推定部からの推定データと
    の両データに基づいて物標に関する運動変化量Δを算出
    する運動変化量算出部と、 予め設定された所定期間内において前記運動変化量算出
    部で逐次算出される運動変化量Δの大きさの程度に応じ
    て、しきい値Δsh2を可変するしきい値可変部と、 運動変化量算出部からの運動変化量Δを、前記しきい値
    可変部で得られるしきい値Δsh2ならびに所定のしきい
    値Δsh1とそれぞれ比較し、運動変化量Δがこれらのし
    きい値Δsh1,Δsh2を越えるか否かに応じて前記運動
    推定部の平滑手段の平滑度を切り換える平滑度設定部
    と、 を備えることを特徴とする物標運動推定装置。
  4. 【請求項4】 複数のセンサ−からの入力信号に基づい
    て物標に関する測定データを作成する信号測定部及びこ
    の信号測定部からの測定データに基づいて物標に関する
    推定データを作成する運動推定部を備えた物標運動推定
    装置において、前記測定データと 、前記運動推定部からの推定データと
    の両データに基づいて物標に関する運動変化量Δを算出
    する運動変化量算出部と、前記運動変化量算出部で算出される運動変化量Δ及び前
    記測定データの外乱量に基づいて前記運動推定部の平滑
    手段の平滑度を切り換える平滑度設定部と、 を備えることを特徴とする物標運動推定装置。
  5. 【請求項5】 複数のセンサ−からの入力信号に基づい
    て物標に関する測定データを作成する信号測定部及びこ
    の信号測定部からの測定データに基づいて物標に関する
    推定デー タを作成する運動推定部を備えた物標運動推定
    装置において、 前記測定データと、前記運動推定部からの推定データと
    の両データに基づいて物標に関する運動変化量Δを算出
    する運動変化量算出部と、 予め設定された所定期間内において前記運動変化量算出
    部で逐次算出される運動変化量Δの大きさの程度に応じ
    て、しきい値Δsh2を可変するしきい値可変部と、 運動変化量算出部からの運動変化量Δを、前記しきい値
    可変部で得られるしきい値Δsh 2ならびに所定のしきい値Δsh1とそれぞれ比較し、運
    動変化量Δがこれらのしきい値Δsh1,Δsh2を越える
    か否かに応じて前記運動推定部の平滑手段の平滑度を切
    り換える平滑度設定部と、 を備えることを特徴とする物標運動推定装置。
  6. 【請求項6】 平滑手段がαβトラッカーで構成される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記
    載の物標運動推定装置。
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