JP2003149333A - レーダ信号処理装置 - Google Patents

レーダ信号処理装置

Info

Publication number
JP2003149333A
JP2003149333A JP2001343472A JP2001343472A JP2003149333A JP 2003149333 A JP2003149333 A JP 2003149333A JP 2001343472 A JP2001343472 A JP 2001343472A JP 2001343472 A JP2001343472 A JP 2001343472A JP 2003149333 A JP2003149333 A JP 2003149333A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
video signal
processing unit
tracking
radar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001343472A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3631458B2 (ja
Inventor
Jun Yabuta
潤 藪田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2001343472A priority Critical patent/JP3631458B2/ja
Publication of JP2003149333A publication Critical patent/JP2003149333A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3631458B2 publication Critical patent/JP3631458B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ISAR処理開始後にビデオ信号が入力され
ない追尾処理部における処理精度を向上させることを目
的とする。 【解決手段】 ビデオ信号に基づいて目標追尾を行う追
尾処理部3と、ビデオ信号に基づいてISAR画像を生
成するISAR処理部4と、目標捕捉前はビデオ信号を
追尾処理部3へ出力し、目標捕捉後はISAR処理部4
へ出力するビデオ信号切替部2とを備え、ISAR処理
部4が、ビデオ信号から捕捉目標を含む所定領域のビデ
オ信号を切り出すビデオ信号切出処理手段41と、切り
出されたビデオ信号について目標距離の変動を補償する
距離補償手段42と、目標位相の変動を補償する位相補
償手段43とを有し、追尾処理部3が、距離補償手段4
2で求められた目標距離の変動量に基づいて目標の予測
値及び平滑値を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーダ信号処理装
置に係り、更に詳しくは、目標の物理的形状を高解像度
で表示するためのISAR(Inverse Synthetic Apertu
re Radar:逆合成開口レーダ)におけるビデオ信号処理
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の逆合成開口レーダ(IS
AR)の構成を示したブロック図である。この逆合成開
口レーダは、パルスレーダ部A1、レーダ信号処理部B
1および表示装置C1からなる。パルスレーダ部A1
は、アンテナ11、サーキュレータ12、送信機13、
受信機14およびアンテナ制御器15からなり、レーダ
信号処理部B1は、ビデオ信号切替部2、追尾処理部3
およびISAR処理部4からなる。
【0003】受信機14で生成された送信種信号は、送
信機13で周波数変換および高周波増幅が行われ、高周
波のパルス信号がレーダ送信信号として生成される。こ
の送信信号は、サーキュレータ12を経由してアンテナ
11から自由空間に放出される。放出されたパルス波
は、目標で反射され、その反射エコーがアンテナ11に
より受信される。この受信信号は、サーキュレータ12
を経由して受信機14に入力され、ビデオ信号が生成さ
れる。このビデオ信号には、送受信時間に相当する目標
までの距離情報や、受信レベルに相当する振幅情報、受
信波の位相情報などが含まれている。
【0004】パルスレーダ部A1で生成されたビデオ信
号は、ビデオ信号切替部2を介して、追尾処理部3に入
力される。追尾処理部3は、このビデオ信号に基づい
て、目標の探知及び追尾を行っている。目標探知とは、
レーダによって未知の目標を検出する処理であり、目標
追尾とは、既に検出された目標位置に基づいて当該目標
が次に観測される位置(予測値)を予測する処理であ
る。既知の目標について次の掃引時に観測される位置が
予測できれば、掃引ごとに順に観測される目標の間で同
一性を判別することができ、特定の目標を継続的に追尾
することができる。
【0005】図8は、目標追尾処理の概略を説明するた
めの説明図である。図中のS1、S2は過去の観測値、
T3は予測値、Gは追尾ゲート、S3はT3の予測後に
得られた観測値である。予測値T3は、同一目標に関す
る過去の2以上の観測値S1、S2に基づいて次回掃引
時に目標が観測される位置として予測され、追尾ゲート
Gは、予測値Tを中心とする所定の大きさの領域(ここ
では円形領域)として定義される。そして、次の掃引時
にゲートG内で観測値S3が観測されたとき、予測値T
3と観測値S3との荷重平均を追尾している当該目標と
する。ゲートG内で複数の観測値が得られた場合にも、
予測値と得られた観測値との荷重平均を求めることによ
り、それを現在追尾している目標とする。
【0006】追尾処理部3は、アンテナ制御器15を介
してアンテナ11を駆動制御している。初探知の場合、
目標が未探知であるため、追尾処理部3は、アンテナ1
1を全方向に回転させるようにアンテナ制御器15へ制
御信号を出力する。目標が探知されると、追尾処理部3
は、徐々にアンテナ11の回転角を小さくして行き、最
終的には所定の目標のみが探知される程度にまで微小な
回転角でアンテナを回転させるように、アンテナ制御器
15に指示する。本明細書では、このときの状態を捕捉
と呼ぶ。なお、捕捉される目標は、オペレータが指定し
てもよいし、追尾処理部3が探知目標の中から自動的に
決定してもよい。
【0007】ビデオ信号切替部2は、パルスレーダ部A
1からのビデオ信号を追尾処理部3又はISAR処理部
4のいずれかに選択的に出力している。目標探知時に
は、ビデオ信号が追尾処理部3へ出力されるが、目標の
捕捉後は、ISAR処理部4へ出力するように切り替わ
る。
【0008】ISAR処理部4は、入力されるビデオ信
号に対し信号処理を行って、目標の物理的形状を高解像
度で表示するためのISAR画像信号を生成し、このI
SAR画像が、CRT、LCD等からなる表示装置C1
の表示画面に表示される。このISAR処理部4は、更
に、ビデオ信号切出処理部41、距離補償処理部42、
位相補償処理部43、長さ計測処理部44、FFT処理
部45および振幅検波処理部46により構成される。
【0009】ビデオ信号は、ビデオ信号切出処理部41
において、追尾処理部3からの指示に基づいて、表示装
置C1で表示されるISAR画像にあわせた大きさに切
り出される。切り出されたビデオ信号は、距離補償処理
部42でレーダパルス間におけるレンジ方向の変動が補
償され、位相補償処理部43でレーダパルス間における
位相の変動が補償され、長さ計測処理部44で目標のレ
ンジ長さが計測される。その後、FFT処理部45でフ
ーリエ変換され、振幅検波処理部46で振幅検波されて
ISAR画像信号が生成される。
【0010】このような逆合成開口レーダでは、パルス
レーダ部A1が複数のパルス波を順に放出してビデオ信
号を生成するとともに、ISAR処理部4において、各
レーダパルス間における距離補償、位相補償などを行う
ことによって、高解像度のISAR画像を得ることがで
きる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図9は、逆合成開口レ
ーダ以外の探索レーダ装置等において行われている一般
的な追尾処理の一例を示した図である。図中のS1〜S
5は観測値、T3〜T5は予測値、U3〜U5は平滑値
を示している。目標は図9の左下から右上に移動してい
る場合に、最初の2サンプルは、観測値S1,S2がそ
のまま用いられるが、3サンプリング目からは、最初の
2サンプルに基づいて求められた予測値T3と、実際に
得られた観測値S3の位置を重みづけ平均を行って平滑
値U3を求めている。
【0012】この平滑値U3は、現在、目標がいる位置
と考えられるため、次に予測される予測値T4は、観測
値S2と平滑値U3に基づいて求められ、その後、実際
の観測値S4が得られれば、予測値T4と観測値S4に
基づいて平滑値U4が求められる。その後も同様にし
て、予測値T5が、平滑値U3及びU4に基づいて求め
られ、観測値S5と予測値T5に基づいて平滑値U5が
求められる。
【0013】図10は、図7の追尾処理部3において行
われる追尾処理の一例を示した図である。図7に示した
逆合成開口レーダでは、目標が捕捉されると、ビデオ信
号切替部2がビデオ信号の出力先を追尾処理部3からI
SAR処理部4へ切り替える。この切り替え後は、追尾
処理部3にビデオ信号が入力されないが、追尾処理部3
は追尾処理を継続している。
【0014】観測値S4が観測された後にISAR処理
が開始されたとすると、予測値T5〜T7は全て、IS
AR処理開始前の観測値から得られた平滑値U3及びU
4に基づいて求めるられることになる。つまり、平滑値
U3及びU4に基づき予測値T5が求められ、平滑値U
4及び予測値T5に基づいて予測値T6が求められとい
う様に予測値がそのまま平滑値として用いられることに
なる。
【0015】このため、従来の逆合成開口レーダでは、
追尾処理部3における追尾精度がISAR処理開始後は
低下するという問題があった。例えば、ビデオ信号切出
処理部41が追尾処理部3によって指示された切出領域
を切り出しても、捕捉目標(の一部)が当該切出領域内
に含まれていない場合があり、また、目標が急激な運動
をした場合には失探してしまう場合があった。
【0016】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、ISAR処理開始後にビデオ信号が入力されな
い追尾処理部における処理精度を向上させることを目的
とする。また、ISAR処理中に失探が生ずるのを抑制
し、あるいは、失探を検出して再度探索を開始し、ある
いは、捕捉目標を正確に捉えたISAR画像を生成する
ことを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
によるレーダ信号処理装置は、ビデオ信号に基づいて目
標追尾を行う追尾処理部と、ビデオ信号に基づいて捕捉
目標に関する高分解能レーダ画像を生成するISAR処
理部と、パルスレーダからのビデオ信号を目標の捕捉前
は追尾処理部へ出力し、目標の捕捉後はISAR処理部
へ出力するビデオ信号切替部とを備えて構成される。こ
のISAR処理部は、入力されたビデオ信号から捕捉目
標を含む所定領域のビデオ信号を切り出すビデオ信号切
出処理手段と、切り出されたビデオ信号について、レー
ダパルス間における目標距離の変動を補償する距離補償
手段と、レーダパルス間での目標位相の変動を補償する
位相補償手段とを有し、追尾処理部が、距離補償手段で
求められた目標距離の変動量に基づいて目標の予測値を
求めるように構成される。
【0018】請求項2に記載の本発明によるレーダ信号
処理装置は、上記追尾処理部が、位相補償手段で求めら
れた目標位相の変動量に基づいて追尾ゲートを制御する
ように構成される。
【0019】請求項3に記載の本発明によるレーダ信号
処理装置は、上記追尾処理部は追尾ゲートを制御するた
めのカルマンフィルタを備え、位相補償手段で求められ
たビデオ信号の位相補償量をカルマンフィルタの駆動雑
音として用いるように構成される。
【0020】請求項4に記載の本発明によるレーダ信号
処理装置は、請求項1のISAR処理部が、更に、ビデ
オ信号切出処理手段において切り出されたビデオ信号に
基づいて捕捉目標のレンジ方向に関する長さを計測する
長さ計測手段を有して構成される。そして、上記追尾処
理部が、長さ計測手段により求められた目標長さに基づ
いて目標の失探の判定を行い、この判定結果に基づい
て、ビデオ信号切替部がパルスレーダからのビデオ信号
を追尾処理部へ出力させるとともに、追尾処理部が目標
探索を開始する。
【0021】請求項5に記載の本発明によるレーダ信号
処理装置は、請求項1のISAR処理部が、更に、ビデ
オ信号切出処理手段において切り出されたビデオ信号に
基づいて捕捉目標のレンジ方向に関する長さを計測する
とともに、切り出された領域内における目標の位置を求
める長さ計測手段を有して構成される。そして、上記追
尾処理部が、長さ計測手段で求められた目標長さ及び切
出領域内の目標位置に基づいてビデオ信号切出処理部に
おける切出領域を変更する。
【0022】請求項6に記載の本発明によるレーダ信号
処理装置は、上記追尾処理部が、長さ計測手段で求めら
れた2以上の目標長さを記憶し、これらの値の比較結果
に基づいて切出領域の変更を決定するように構成され
る。請求項6に記載の本発明によるレーダ信号処理装置
は、上記追尾処理部が、長さ計測手段により求められた
目標長さに基づいて目標の失探の判定を行い、この判定
結果に基づいて目標探索を行うように構成される。
【0023】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明の
実施の形態1によるレーダ信号処理装置を含む逆合成開
口レーダの一構成例を示したブロック図である。この逆
合成開口レーダは、パルスレーダ部A1、レーダ信号処
理部B2および表示装置C1からなる。パルスレーダ部
A1は、アンテナ11、サーキュレータ12、送信機1
3、受信機14およびアンテナ制御器15からなり、レ
ーダ信号処理部B2は、ビデオ信号切替部2、追尾処理
部3およびISAR処理部4からなる。また、ISAR
処理部4は、ビデオ信号切出処理部41、距離補償処理
部42、位相補償処理部43、長さ計測処理部44、F
FT処理部45および振幅検波処理部46により構成さ
れる。
【0024】ビデオ信号切出処理部41は、捕捉目標を
含む所定の領域が追尾処理部3によって指定され、入力
されたビデオ信号から当該領域のビデオ信号を切り出し
ている。この切出領域は、ビデオ信号のレンジ方向に関
する連続する一部分であり、追尾処理部3は、切出領域
が捕捉目標を含むように、その幅を捕捉目標の大きさ
(レンジ方向の長さ)に基づいて決定し、そのオフセッ
トを捕捉目標の位置(レンジ方向の位置)に基づいて決
定する。
【0025】距離補償処理部42は、ビデオ信号切出処
理部41で切り出されたビデオ信号について、レーダパ
ルス間におけるレンジ方向の距離の変動を補償してい
る。目標が移動している場合、レーダから目標までの距
離は順に放出されるレーダパルスごとに変化し、各ビデ
オ信号における目標のレンジ方向の位置が一致しなくな
る。このため、各ビデオ信号について、そのビデオ信号
おける目標距離と、基準となるビデオ信号における目標
距離との差(相対距離)を求め、この相対距離分だけ当
該ビデオ信号を補償している。例えば、ビデオ信号中の
振幅ピークのレンジ方向の位置が一致するように、各ビ
デオ信号についてレンジ方向のオフセットを調整すれば
よい。
【0026】位相補償処理部43は、距離補償処理部4
2で距離補償されたビデオ信号について、レーダパルス
間における位相の変動を補償している。目標速度が変化
している場合、その加速度によってドップラ周波数がレ
ーダパルスごとに変化するため、各ビデオ信号における
目標の位相が一致しなくなる。このため、各ビデオ信号
について、そのビデオ信号における目標の位相と、ビデ
オ信号中の振幅ピークなどの基準となるビデオ信号の位
相の差分を求めることにより、位相の補償を行う。
【0027】長さ計測処理部44は、目標のレンジ方向
の長さを求めている。この目標長さは、レーダからの距
離ごとに各ビデオ信号の振幅を積算してレンジプロファ
イルを求め、当該レンジプロファイルを所定の閾値レベ
ルと比較することによって求められる。
【0028】追尾処理部3は、距離補償処理部42で求
められた距離補償量に基づいて目標追尾を行う。すなわ
ち、前回の平滑値に相対距離を加えた擬似的な観測値を
求め、この値を観測値として代用することにより新たな
平滑値を求めることができる。例えば、R−θ座標系に
より追尾処理を行っている場合であれば、前回の平滑値
S-1、相対距離RMを用いて疑似的な観測値RSは次式
により求められる。 RS=RS-1+RM (1)
【0029】図2は、追尾処理部3による追尾処理の動
作の一例を示した説明図である。図中のS1〜S4は観
測値、V5およびV6は擬似的な観測値、T3〜T6は
予測値、U3〜U6は平滑値である。ここでは、観測値
S4までが観測された後にISAR処理が開始され、そ
の後、追尾処理部3は観測値S6、S7を取得すること
ができない。このため、擬似的な観測値V5、V6を求
めて、それぞれを観測値S5、S6として用いて平滑値
U5、U6を求めている。
【0030】すなわち、前回の平滑値U4に今回の相対
距離を加えて、擬似観測値V5を求め、予測値T5との
加重平均から平滑値U5を求め、更に、平滑値U4、U
5に基づいて予測値T6を求める。以下、同様にして、
平滑値U5に次回の相対距離を加えて,擬似観測値V6
を求め、予測値T6との加重平均から平滑値U6を求め
る。
【0031】本実施の形態によれば、ISAR処理部4
の距離補償処理部42で求められる距離補償量に基づい
て、追尾処理部3が擬似的な観測値を求め、この値を観
測値として追尾処理を行っている。このため、ISAR
処理中は、ISAR処理開始前の観測値や平滑値に基づ
いて追尾処理を行う従来の逆合成開口レーダに比べて、
高精度の追尾処理を行うことができる。
【0032】なお、本実施の形態では、追尾処理部が直
近の2つの平滑値に基づいて予測値を求める場合の例に
ついて説明したが、3以上の平滑値を用いて追尾処理を
行う場合にも本発明を提供することができることはもち
ろんである。
【0033】実施の形態2.図3は、本発明の実施の形
態2によるレーダ信号処理装置を含む逆合成開口レーダ
の一構成例を示したブロック図である。この逆合成開口
レーダは、パルスレーダ部A1、レーダ信号処理部B3
および表示装置C1からなる。また、ISAR処理部4
は、ビデオ信号切出処理部41、距離補償処理部42、
位相補償処理部43、長さ計測処理部44、FFT処理
部45および振幅検波処理部46により構成される。な
お、図1の逆合成開口レーダと比較すれば、追尾処理部
3が、位相補償処理部43の出力に基づき動作する点で
異なる。
【0034】追尾処理部3は、追尾処理を行う際に位相
補償処理部43で求められた位相補償量に基づいて目標
追尾処理を行っている。すなわち、目標の加速度を駆動
雑音として用いることにより追尾ゲートの大きさを調節
している。例えば、カルマンフィルタを用いて追尾ゲー
トの大きさを制御している場合、等速直線運動等のモデ
ルからのずれを表す駆動雑音w(k)の共分散行列Q
(k)は以下の式で表される。
【0035】 w(k) = Γ1(k) w'(k) (2) w'(k) = [ △Vx(k) △Vy(k) △Vz(k) ]T (3) Γ1(k) = [ τk・I3×3 I3×3 ] T (4) Q'(k) = E[ w'(k) w'(k)T ] = diag( σ2w(k), σ2w(k), σ2w(k)) (5) Q(k) = E[ w(k) w(k) ] = Γ1(k) Q'(k) Γ1(k)T (6)
【0036】追尾処理部3は、上式で用いられるσw(k)
に、位相補償処理部43で求められた加速度を代入する
ことによって、目標を失探しないように追尾ゲートGの
大きさを調節することができる。つまり、モデルからの
ずれが大きい場合(例えば、速度の変化が大きい場合)
には追尾ゲートを大きくする一方、モデルに近い場合に
はゲートを小さくしている。
【0037】本実施の形態によれば、ISAR処理部4
における位相補償処理部43で求められる加速度に基づ
いて、追尾処理部3が追尾ゲートの大きさを制御して追
尾処理を行っている。このため、従来の逆合成開口レー
ダに比べて、失探が生じにくくなるとともに、高精度の
追尾処理を行うことができる。
【0038】実施の形態3.図4は 本発明の実施の形
態3によるレーダ信号処理装置を含む逆合成開口レーダ
の一構成例を示したブロック図である。この逆合成開口
レーダは、パルスレーダ部A1、レーダ信号処理部B4
および表示装置C1からなる。また、ISAR処理部4
は、ビデオ信号切出処理部41、距離補償処理部42、
位相補償処理部43、長さ計測処理部44、FFT処理
部45および振幅検波処理部46により構成される。な
お、図1、3の逆合成開口レーダと比較すれば、追尾処
理部3が、長さ計測処理部44の出力に基づき動作する
点で異なる。
【0039】図5及び図6は、長さ計測処理部44が、
各レーダパルスについてレーダからの所定距離ごとの振
幅を求め、求められた振幅を前記距離ごとに積算して求
めたレンジプロファイルの一例を示した図である。ビデ
オ信号の切出領域内に目標が存在する場合には、図7に
示したようにレンジプロファイルにピークが発生し、目
標が存在しない場合には、図8に示したようにレンジプ
ロファイルにピークが発生しない。
【0040】ISAR処理中の長さ検出処理部44は、
レンジプロファイルに対してCFAR(Constant False
Alarm Rate)処理等を行ってレンジプロファイルのピ
ークを検出し、この検出結果から目標の有無を判定し、
判定結果を追尾処理部3へ出力する。追尾処理部3で
は、この判定結果に基づいて目標を失探したか否かを判
定し、目標失探と判定された場合には、ビデオ信号切替
部2が、ビデオ信号の出力先をISAR処理部4から追
尾処理部3へ切り替え、追尾処理部3が再び目標探索を
開始して目標を見つけ直す。追尾処理部3による失探の
判定は、例えば、長さ検出処理部44からの判定結果を
過去N回分(Nは予め定められた2以上の回数)記憶
し、目標なしの判定結果がN回続いた場合に、目標を失
探したと判断する。
【0041】本実施の形態によれば、ISAR処理部4
の長さ計測処理部44でのピーク検出結果に基づいて、
追尾処理部3が目標を失探したか否かを判定し、探索処
理を開始する。このため、目標失探時に追尾処理部3が
自動的に探索処理を開始して目標を捉え直すことができ
る。
【0042】実施の形態4.本実施の形態では、捕捉目
標が、表示装置C1においてISAR画像として正しく
表示されない場合、例えば目標の一部だけが表示されて
いる場合に、自動的に正しいISAR画像を表示させる
ことができる逆合成開口レーダについて説明する。本発
明の実施の形態4による逆合成開口レーダの構成例は、
実施の形態3の図4と同様であるが、追尾処理部3及び
長さ計測処理部44の動作が異なる。このため、本実施
の形態では、図4及び図5を用いて説明する。
【0043】長さ計測処理部44は、レンジプロファイ
ルに基づいて、ビデオ信号切出処理部41で切り出され
たビデオ信号中の目標長さと、切出領域内における目標
のレンジ方向の偏りを求め、追尾処理部3へ出力してい
る。目標長さは、レンジプロファイルと、所定の閾値レ
ベルとを比較することによって求められる。図5では、
閾値レベルとの比較結果から、距離L1からL2(>L
1)までが目標であるとわかり、目標長さが(L2−L
1)であると求めることができる。また、切出領域内で
の偏りは、切出領域の端から目標までのレンジ方向の距
離、つまり、切出領域左端からL1までの距離と、切出
領域右端からL2までの距離として求めることができ
る。
【0044】追尾処理部3は、長さ計測処理部44から
の出力に基づいて、ビデオ信号切出処理部41で適切な
切出領域が用いられていないことを判別する。つまり、
捕捉目標の一部又は全部が切出領域からはみ出している
状態を判別する。そして、新たに切出領域を求めて、ビ
デオ信号切出処理部41へ切出領域の変更を指示する。
【0045】追尾処理部3による切出領域の誤りの判定
は、例えば、長さ検出処理部44で求められた目標長さ
を過去N回分(Nは予め定められた回数)記憶し、これ
らの目標長さを比較して、目標長さが短くなったことを
検出すれば行うことができる。新たな切出領域は、これ
までの切出領域を、切出領域内における目標の偏りを補
償する方向へ目標長さが短くなった量だけ移動させた領
域として求めることができる。例えば、L1が切出領域
の左端に一致すれば、切出領域を距離が近くなる方向に
移動させ、L2が切出領域の右端に一致すれば、切出領
域を距離が遠くなる方向に移動させる。
【0046】本実施の形態によれば、ISAR処理部4
における長さ計測処理部44で求められた目標長さと、
切出領域内での目標位置(又は目標の偏り)に基づい
て、追尾処理部3が、切出領域の誤りを判別し、ビデオ
信号切出処理部41で用いられる切出領域を自動的に変
更している。このため、表示装置C1において正しくI
SAR画像を表示させることができる。
【0047】なお、目標長さがゼロの場合には、実施の
形態3の場合と同様、目標失探が発生したと判別して、
探索を開始する。また、上記の実施の形態1から4の構
成を同時に2以上組み合わせた逆合成開口レーダを実現
することができるのはもちろんである。
【0048】
【発明の効果】本発明によるレーダ信号処理装置は、ビ
デオ信号に基づいて目標追尾を行う追尾処理部と、ビデ
オ信号に基づいて捕捉目標に関する高分解能レーダ画像
を生成するISAR処理部と、パルスレーダからのビデ
オ信号を目標の捕捉前は追尾処理部へ出力し、目標の捕
捉後はISAR処理部へ出力するビデオ信号切替部とを
備えたレーダ信号処理装置であって、ISAR処理開始
後にビデオ信号が入力されない追尾処理部を、ISAR
処理部における処理結果に基づいて動作させることによ
り処理精度を向上させることができる。
【0049】特に、ISAR処理部の距離補償処理部に
おける補償量を用いることにより追尾処理部における処
理精度を向上させ、あるいは、ISAR処理部の位相補
償処理部における補償量を用いることにより追尾処理部
における処理精度を向上させ、あるいは、ISAR処理
部の長さ計測処理部における測定量を用いることにより
追尾処理部で求められるビデオ信号の切出領域の精度を
向上させることができる。更に、ISAR処理部の長さ
計測処理部にで求められた値を用いることにより追尾処
理部において失探を判別して自動的に探索処理を再開さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1によるレーダ信号処理
装置を含む逆合成開口レーダの一構成例を示したブロッ
ク図である。
【図2】 追尾処理部3による追尾処理の動作の一例を
示した説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態2によるレーダ信号処理
装置を含む逆合成開口レーダの一構成例を示したブロッ
ク図である。
【図4】 本発明の実施の形態3及び4によるレーダ信
号処理装置を含む逆合成開口レーダの一構成例を示した
ブロック図である。
【図5】 長さ計測処理部44が求めたレンジプロファ
イルの一例を示した図であり、目標がある場合が示され
ている。
【図6】 長さ計測処理部44が求めたレンジプロファ
イルの一例を示した図であり、目標がない場合が示され
ている。
【図7】 従来の逆合成開口レーダ(ISAR)の構成
を示したブロック図である。
【図8】 目標追尾処理の概略を説明するための説明図
である。
【図9】 逆合成開口レーダ以外の探索レーダ装置等に
おいて行われている一般的な追尾処理の一例を示した図
である。
【図10】 図7の追尾処理部3において行われる追尾
処理の一例を示した図である。
【符号の説明】
A1 パルスレーダ部、 B1〜B4 レーダ信号処理
部、C1 表示装置、11 アンテナ、12 サーキュ
レータ、13 送信機、14 受信機、15 アンテナ
制御器、2 ビデオ信号切替部、3 追尾処理部、IS
AR処理部、41 ビデオ信号切出処理部、42 距離
補償処理部、43 位相補償処理部、44 計測処理
部、44 検出処理部、45 FFT処理部、46 振
幅検波処理部、G 追尾ゲート、S1〜S6 観測値、
T1〜T6 予測値、U3〜U6 平滑値、V5,V6
擬似的観測値。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビデオ信号に基づいて目標追尾を行う追
    尾処理部と、ビデオ信号に基づいて捕捉目標に関する高
    分解能レーダ画像を生成するISAR処理部と、パルス
    レーダからのビデオ信号を目標の捕捉前は追尾処理部へ
    出力し、目標の捕捉後はISAR処理部へ出力するビデ
    オ信号切替部とを備え、 ISAR処理部が、入力されたビデオ信号から捕捉目標
    を含む所定領域のビデオ信号を切り出すビデオ信号切出
    処理手段と、切り出されたビデオ信号について、レーダ
    パルス間における目標距離の変動を補償する距離補償手
    段と、レーダパルス間での目標位相の変動を補償する位
    相補償手段とを有し、 追尾処理部が、距離補償手段で求められた目標距離の変
    動量に基づいて目標の予測値を求めることを特徴とする
    レーダ信号処理装置。
  2. 【請求項2】 上記追尾処理部は、位相補償手段で求め
    られた目標位相の変動量に基づいて追尾ゲートを制御す
    ることを特徴とする請求項1に記載のレーダ信号処理装
    置。
  3. 【請求項3】 上記追尾処理部は追尾ゲートを制御する
    ためのカルマンフィルタを備え、位相補償手段で求めら
    れたビデオ信号の位相補償量をカルマンフィルタの駆動
    雑音として用いることを特徴とする請求項2に記載のレ
    ーダ信号処理装置。
  4. 【請求項4】 上記ISAR処理部は、ビデオ信号切出
    処理手段において切り出されたビデオ信号に基づいて捕
    捉目標のレンジ方向に関する長さを計測する長さ計測手
    段を有し、 上記追尾処理部が、長さ計測手段により求められた目標
    長さに基づいて目標の失探の判定を行い、この判定結果
    に基づいて、ビデオ信号切替部がパルスレーダからのビ
    デオ信号を追尾処理部へ出力させるとともに、追尾処理
    部が目標探索を開始することを特徴とする請求項1に記
    載のレーダ信号処理装置。
  5. 【請求項5】 上記ISAR処理部は、ビデオ信号切出
    処理手段において切り出されたビデオ信号に基づいて捕
    捉目標のレンジ方向に関する長さを計測するとともに、
    切り出された領域内における目標の位置を求める長さ計
    測手段を有し、 上記追尾処理部が、長さ計測手段で求められた目標長さ
    及び切出領域内の目標位置に基づいてビデオ信号切出処
    理部における切出領域を変更することを特徴とする請求
    項1に記載のレーダ信号処理装置。
  6. 【請求項6】 上記追尾処理部は、長さ計測手段で求め
    られた2以上の目標長さを記憶し、これらの値の比較結
    果に基づいて切出領域の変更を決定することを特徴とす
    る請求項5に記載のレーダ信号処理装置。
  7. 【請求項7】 上記追尾処理部は、長さ計測手段により
    求められた目標長さに基づいて目標の失探の判定を行
    い、この判定結果に基づいて目標探索を行うことを特徴
    とする請求項5に記載のレーダ信号処理装置。
JP2001343472A 2001-11-08 2001-11-08 レーダ信号処理装置 Expired - Fee Related JP3631458B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001343472A JP3631458B2 (ja) 2001-11-08 2001-11-08 レーダ信号処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001343472A JP3631458B2 (ja) 2001-11-08 2001-11-08 レーダ信号処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003149333A true JP2003149333A (ja) 2003-05-21
JP3631458B2 JP3631458B2 (ja) 2005-03-23

Family

ID=19157155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001343472A Expired - Fee Related JP3631458B2 (ja) 2001-11-08 2001-11-08 レーダ信号処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3631458B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007218689A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Mitsubishi Electric Corp 目標類別装置
JP2009047550A (ja) * 2007-08-20 2009-03-05 Tokyo Keiki Inc 不要追尾目標除去装置
JP2021025972A (ja) * 2019-08-08 2021-02-22 株式会社東芝 レーダ装置、及び信号処理方法
CN113759376A (zh) * 2021-09-22 2021-12-07 上海无线电设备研究所 一种自主探测成像一体化雷达装置
CN114415180A (zh) * 2022-03-30 2022-04-29 中国人民解放军火箭军工程大学 一种融合sar高分辨图像与一维距离像的稳定跟踪方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007218689A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Mitsubishi Electric Corp 目標類別装置
JP2009047550A (ja) * 2007-08-20 2009-03-05 Tokyo Keiki Inc 不要追尾目標除去装置
JP2021025972A (ja) * 2019-08-08 2021-02-22 株式会社東芝 レーダ装置、及び信号処理方法
JP7273653B2 (ja) 2019-08-08 2023-05-15 株式会社東芝 レーダ装置、及び信号処理方法
CN113759376A (zh) * 2021-09-22 2021-12-07 上海无线电设备研究所 一种自主探测成像一体化雷达装置
CN113759376B (zh) * 2021-09-22 2023-09-19 上海无线电设备研究所 一种自主探测成像一体化雷达装置
CN114415180A (zh) * 2022-03-30 2022-04-29 中国人民解放军火箭军工程大学 一种融合sar高分辨图像与一维距离像的稳定跟踪方法
CN114415180B (zh) * 2022-03-30 2022-07-01 中国人民解放军火箭军工程大学 一种融合sar高分辨图像与一维距离像的稳定跟踪方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3631458B2 (ja) 2005-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7956798B2 (en) Radar apparatus and radar picture display method
JP3487857B2 (ja) レーダ装置及び該装置の作動方法
JP5264606B2 (ja) レーダ装置
US5923282A (en) Radar system
CN106997043B (zh) 雷达装置以及物标追踪方法
JP4962036B2 (ja) 電子走査式精測レーダ装置および目標追尾方法
JP2003248057A (ja) レーダ追尾装置
JP2003149333A (ja) レーダ信号処理装置
JP2957090B2 (ja) レーダ装置
US5119100A (en) Device for improving radar resolution
US20070052579A1 (en) Radar system
JP3395683B2 (ja) レーダ信号処理器
JP3783843B2 (ja) レーダ装置
JP2595225B2 (ja) 船舶用運動予測方式
JPH07280922A (ja) レーダの距離アンビギュイティのランクを判定する方法
JP4110896B2 (ja) レーダ装置
JP2001228245A (ja) 目標追尾装置および目標追尾方法
JP2002062356A (ja) 脅威度表示装置
JP4474191B2 (ja) レーダ装置およびレーダ探知信号処理、表示方法
JP2000321349A (ja) マリンレーダ装置
JPH11258342A (ja) レーダ信号処理器
JPH0632629Y2 (ja) 針路及び速度表示装置
JPS63201584A (ja) 針路及び速度表示方式
JPH09304521A (ja) 電子走査レーダビーム制御装置
JP2006266929A (ja) レーダ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041216

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees